ヤノネカイガラムシ

ヤノネカイガラムシ
英名:Arrowhead scale
学名:Unapsis yanonensis(Kuwana, 1914)


生態
体長 ♀:約3.5mm、成虫は虫体が褐色の介殻に覆われる。そのため♀成虫の薬剤による防除は非常に困難である。
♂:約0.6mm、♀とは形態が異なり、介殻を持たず、翅を有す。
加害部位:主に枝と葉に定着し、多発した場合は樹勢の低下や枝枯れを引き起こす。果実の商品性の低下は2世代目以降の定着によって引き起こされる。
卵胎生であり、平均150頭の幼虫を産出する。幼虫は♀成虫の介殻下から這い出して2~3時間で定着する。
年間発生回数:2ないし3回。年により多少のずれはあるが、1世代目が5月中旬、2世代目が7月下旬~8月上旬、3世代目が9月中旬~10月に発生する。
天敵:1980年代に中国からヤノネキイロコバチおよびヤノネツヤコバチが導入された。

防除対策
介殻を形成していない幼虫および未成熟成虫の多発時期に防除を行う。
薬剤防除以外には天敵(ヤノネキイロコバチ、ヤノネツヤコバチ)による生物防除、多発枝の剪除による耕種的防除がある。
越冬成虫へのマシン油乳剤の防除効果は高く、和歌山県を含めた各県で推奨している。
防除時期 第1世代:6下旬~7月上旬、第2世代:8月中旬~下旬 (有機リン剤およびネオニコチノイド系剤使用時)

ヤノネカイガラムシ♀成虫の写真
ヤノネカイガラムシ♀成虫
ヤノネカイガラムシ被害果の写真
ヤノネカイガラムシ被害果
ヤノネカイガラムシ♀2齢幼虫の写真
ヤノネカイガラムシ♀2齢幼虫

ヤノネキイロコバチの写真
ヤノネキイロコバチ




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