県内の導入事例

和歌山県内における再生可能エネルギーの導入事例

  1. 太陽光発電
  2. 風力発電
  3. バイオマス発電・熱利用等
  4. 中小水力発電
  5. その他

1. 太陽光発電

(1)大規模太陽光発電所(メガソーラー)

F海南太陽光発電所

「F海南太陽光発電所」は、大日本除虫菊株式会社が所有する土地に建設した発電所で最大出力は約1.9メガワット、一般家庭約610世帯分の年間消費量に相当する年間約219万キロワットアワーの発電量が見込まれています。発電所を設置した株式会社NTTファシリティーズは、国が推進する自然エネルギーの普及・拡大や社会全体の環境負荷低減への貢献及び太陽光発電に関する更なるノウハウ獲得・蓄積を目的に発電事業を展開しており、このF海南太陽光発電所を含め、全国15ヶ所(平成25年11月現在)の発電所を運転開始しており、今後、平成26年度までに全国50ヶ所の運転開始を目指しています。

F海南太陽光発電所
(写真提供:株式会社NTTファシリティーズ )

所在地 和歌山県海南市下津町丸田(大阪市西区 大日本除虫菊株式会社 保有地)

面積 約73,986平方メートル

事業者 株式会社 NTTファシリティーズ

発電規模 1,921キロワット(1.9メガワット)

パネル総数 6,624枚

着工 平成25年5月

運転開始 平成25年11月

発電所工事完工 平成25年11月

地域貢献型メガソーラー「龍谷ソーラーパーク」

「龍谷ソーラーパーク」は、太陽光発電による利益を地域活性化のために還元することを目的とした地域貢献型メガソーラーです。売電から得られる利潤は、和歌山や京都の地域貢献活動や市民活動資金として活用されます。最大出力は合計約1.85メガワット、一般家庭約600世帯分の年間消費量に相当する年間約190万キロワットアワーの発電量が見込まれています。
この太陽光発電事業は、龍谷大学、印南町、株式会社PLUS SOCIALなどが協力し、それぞれのもつ資源やノウハウなどを提供するかたちで実現しました。龍谷大学が「社会的責任投資」(SRI)を行い実現にこぎつけた地域貢献型メガソーラーは全国初のモデルとして注目されています。龍谷大学と印南町は協定を締結し、地域政策の策定、環境教育や地域公共人材育成などの分野で協力し合っていく予定です。
このように、龍谷ソーラーパークは、地域の自然エネルギーの活用を核に、様々な社会資源を連携させることで、地域活性化ための波及効果が期待できる太陽光発電所です。

龍谷ソーラーパーク写真
印南町印南



 

龍谷大学学舎屋上写真
龍谷大学学舎屋上

(写真提供:株式会社PLUS SOCIAL)

地域貢献型メガソーラーの設置状況表
所在地 印南町印南 印南町美里 京都市伏見区
面積 約1.4ヘクタール 約0.7ヘクタール 龍谷大学学舎屋上
発電事業者 株式会社PLUS SOCIAL 株式会社PLUS SOCIAL 株式会社PLUS SOCIAL
システム
インテグレーター
株式会社京セラソーラーコーポレーション 株式会社京セラソーラーコーポレーション 株式会社京セラソーラーコーポレーション
発電規模 約1,200キロワット 約600キロワット 約50キロワット
パネル枚数 4,788枚 2,492枚 252枚
着工 平成25年7月 平成25年7月 平成25年7月
運転開始 平成25年11月 平成25年11月 平成25年11月
発電所工事完工 平成25年11月 平成25年11月 平成25年11月
セイカソーラー発電所

セイカ株式会社は、和歌山県の恵まれた自然エネルギーを活用した大規模な太陽光発電所の運転を開始しました。この発電所の最大出力は2メガワット、一般家庭約650世帯分の年間消費量に相当する年間約240万キロワットアワーの発電量が見込まれています。また、平成18年から日高川町の山林で森林保全活動「セイカの森」に取り組むなど、環境問題を経営の重要課題と位置付け、企業活動を行っています。同社は昭和30年の創業以来、芳香族ジアミンのメーカーとして私たちの生活に欠くことのできない製品を世界に供給する高い技術力を持つ県内企業です。極めて高い耐熱性や寸法安定性、高強度などが特徴の高機能性樹脂の原料を開発し、高い技術力が求められる宇宙開発への用途から、最近ではパソコン・カメラ・携帯電話・航空機など幅広い用途に使用されており、今後も同社の製品が新素材開発の一端を担うことが期待されます。

セイカソーラー発電所

(写真提供:セイカ株式会社)

所在地 和歌山市西浜

面積 約27,000平方メートル

事業者 セイカ株式会社

発電規模 約2,000キロワット(2メガワット)

パネル総数 8,960枚

着工 平成25年3月

運転開始 平成25年8月

発電所工事完工 平成25年9月

広川明神山太陽光発電所

大阪ガスグループの株式会社ガスアンドパワーの子会社、株式会社広川明神山風力発電所は、広川町、由良町において、1,000キロワットの風車16基を設置しています。本年度より、16号風車周辺部の広川町所有地を賃借して、「広川明神山太陽光発電所」を運転開始しました。この太陽光発電所は、大阪ガスグループが行う売電目的の太陽光発電事業として国内初の案件で、最大出力は0.8メガワット、一般家庭約225世帯分の年間消費量に相当する年間約81万キロワットアワーの発電が見込まれています。株式会社ガスアンドパワーは、電力の安定供給と低炭素社会への貢献を目指し、国内における発電事業を行っており、天然ガス火力発電、石炭火力発電、風力発電、太陽光発電等を合わせた合計出力は60万キロワットにのぼります。このような多様なエネルギーの供給を行い、エネルギーに関する高い技術やノウハウを有する企業の取り組みを契機に、今後、県内の再生可能エネルギーの導入が進めばと期待しています。 なお、この太陽光発電所建設に先立ち、株式会社広川明神山風力発電所、広川町と和歌山県は、再生可能エネルギーの普及、啓発と地域経済活性化を目的とした協定書を締結しています。

広川明神山太陽光発電所の写真
広川明神山太陽光発電所
広川明神山風力発電所の写真
広川明神山風力発電所

(写真提供:株式会社ガスアンドパワー)

所在地 広川町(広川明神山風力発電所16号風車周辺エリア)

面積 約10,000平方メートル

事業者 株式会社 広川明神山風力発電所

発電規模 835キロワット(約0.8メガワット)

パネル総数 2,880枚

着工 平成24年10月

運転開始 平成25年3月

発電所工事完工 平成25年4月

南海いずも台ひかりパーク串本

この発電所は、南海電気鉄道株式会社が宅地造成した本州最南端・潮岬にある「南海いずも台住宅地」の一部を利用した発電事業です。企業年金の資金を活用し、発電収益を年金基金に還元させるのが本事業の特徴で、運営は三井物産株式会社が行います。東京の八丈島とほぼ同緯度に位置する風光明媚な環境が魅力の串本町の自然エネルギーを活かしたもので、同地は豊富な日照時間が期待できる全国有数の地域です。この太陽光発電に関する適地性を活かし、発電容量約1.8メガワット、一般家庭約400世帯分の年間消費量に相当する年間約227万キロワットアワーの発電量が見込まれています。また、この太陽光発電所は再生可能エネルギーの学習のために、所定の位置から自由に見学することができますので、串本町にお越しの際は是非、お立寄りください。

メガソーラーの空撮 

(写真提供:JFE電制株式会社)

所在地 和歌山県東牟婁郡串本町槇崎平見

面積 約39,000平方メートル

事業者

土地所有者:南海電気鉄道株式会社
開発・運営:三井物産株式会社
発電事業者:日本太陽光発電2012合同会社

発電規模 約1,800キロワット(約1.8メガワット)

パネル総数 7,515枚

着工 平成24年10月

運転開始 平成25年3月

発電所工事完工 平成25年3月

コスモパーク加太太陽光発電所

「コスモパーク加太太陽光発電所」は、コスモパーク加太の南向き法面を活用して設置された和歌山県内初の大規模太陽光発電所(メガソーラー)で最大出力規模は約2メガワットです。一般家庭約630世帯分の年間消費量に相当する年間約227万キロワットアワーの発電量が見込まれています。発電所を設置した、住宅・産業用太陽光発電システムの設計・施工を手掛ける株式会社ウエストホールディングスは、平成24年7月の再生可能エネルギーの全量買取制度開始を契機に産業用太陽光発電分野への進出を積極的に進めています。 太陽光発電は、電力需給が逼迫する中、電力を最も多く使う昼間に発電される電力として、大きな期待が寄せられており、当発電所は、平成24年9月20日から営業運転を開始し、地域に電力を供給しています。

コスモパーク加太太陽光発電所

(写真提供:株式会社ウエストホールディングス)

所在地 和歌山市加太、磯ノ浦

面積 約28,000平方メートル

事業者 株式会社ウエストホールディングス

発電規模 約2,000キロワット(2メガワット)

パネル総数 8,316枚

着工 平成24年7月

発電所工事完工 平成24年8月

運転開始 平成24年9月

(2)太陽光発電設備の設置

県工業用水道管理センター
県工業用水道管理センター写真1
県工業用水道管理センター写真2


NEDOの産業等用太陽光発電フィールドテスト事業で平成14年度に設置。センターで使用する電力の一部を賄っています。
定格出力:20キロワット

県有施設への率先導入

県本庁舎、県立図書館、県立情報交流センターBig・Uに太陽光発電設備を導入しています。

県有施設への率先導入1
Big・Uでは駐輪場として有効利用
県有施設への率先導入2
県庁東別館屋上に設置されたパネル
みなべ町立上南部小学校

県内の学校で初めて導入された太陽光発電施設。

みなべ町立上南部小学校発電設備写真

得られた電力を照明や空調等に使用し、クリーンエネルギーを使用しながら、自然や環境について学ぶ取組です。
定格出力:50キロワット

株式会社島精機製作所

地球環境に配慮した企業を目指す取り組みとして各工場の屋根に設置しています。

島精機製作所太陽光発電設備写真

本社工場に1,350キロワット、隣接のグループ会社にも200キロワット設置。

新中村化学工業株式会社

地球環境に配慮した取り組みの一環として、工場の屋根に20キロワットのパネルを設置しており、今後も増設を予定。また、本社社屋の屋上には小型の風力発電装置(1キロワット×2基)も設置しています。

小型風力発電装置写真
新中村化学工業株式会社発電設備写真

(3)避難誘導灯にも利用

避難誘導灯写真

夜間に地震が発生しても住民が安全に避難場所に逃げることができるように、停電等の状況においても点灯(発光)する太陽光と風力を活用した誘導灯システムを設置しています。
太地町 1基 、広川町 1基

(4)教育施設への導入

教育施設発電システム写真

県立学校内に太陽光と風力を活用した発電システム等を設置し、環境やエネルギーに関する意識の向上を図っています。
文部科学省「原子力・エネルギーに関する教育支援事業交付金」を活用。

(5)交通安全対策に利用

自発光式の規制標識写真

交通安全対策として交通事故の多いエリア等に自発光式の規制標識の導入を進めています。

(6)自然エネルギー実証施設 「太陽光発電バイオトイレ」

バイオトイレ写真

和歌山県では、平成17年度に水と電気のない世界遺産地域の熊野古道沿いに、太陽光発電によるバイオトイレを設置しました。
バイオトイレは杉チップに付着しているバクテリアが紙や屎尿等を分解するため汲み取りの必要がなく、また杉チップを混ぜるためのモーターの電源には太陽光を利用しているため、電線を新たに敷設することなく自然環境や景観にも配慮したものとなっています。

十丈王子休憩所写真

田辺市中辺路町の十丈王子休憩所に付設されていた公衆便所を太陽光パネルを電源に活用した土壌処理循環式し尿処理システムによるものに建て替えました。
電気及び水道設備のない箇所のため、環境に配慮したものです。

2

2. 風力発電

(1)広川町風力発電所

広川町風力発電所写真

NEDOの平成16年度地域新エネルギー導入促進事業として、広川町が整備したもので、クリーンエネルギー活用のシンボルとなっています。
定格出力:1,500キロワット
1基

(2)民間事業者による風力発電所

広川明神山風力発電所写真
県内初のウインドファーム 「広川明神山風力発電所」

民間事業者による取り組みもあります。

平成20年11月稼動、1,000キロワット×16基

3. バイオマス発電・熱利用等

(1)木質バイオマス発電所

県では、新たな木材需要を創出し、林業全体の活性化につながるとして、平成28年度から令和3年度まで、燃料用原木の運搬費の補助や燃料原木購入資金に係る利子補給など、木質バイオマス発電所立地への支援制度を創設し、その誘致に取り組んできました。

木質バイオマス発電所の稼働を機に間伐材が有効に利用されれば、間伐や搬出が促進され、適切な森林管理が進み、林業の活性化につながります。また、発電所の設置による雇用創出も期待されます。
DSグリーン発電和歌山合同会社「紀南バイオマス発電所」
「紀南バイオマス発電所」は、令和2年6月に稼働した県内で初めてとなる木質バイオマス発電所です。発電出力は、6,800kW、年間送電量は約48百万kWhで、一般家庭の約13,000世帯分に相当します。燃料は、 県内の間伐材等由来の未利用材や一般材等を年間約76,000トン使用する計画となっており、未利用材を地域内で活用でき、林業の振興に繋がることが期待されています。
 
紀南発電所写真
                                           

所在地 西牟婁郡上富田町生馬

発電規模 発電端出力 6,800kW 

 


 

(2)バイオマス熱利用

田辺市龍神村総合交流拠点施設 「季楽里(きらり)龍神」(木質チップボイラー)

施設内の給湯と温泉の加温を行うチップボイラーを導入し、地元の木材加工段階で出る木片をチップ化し燃料に利用しています。

出力:387,000キロカロリー/時
原材料供給元:近隣森林組合
チップ消費量:約900立法メートル/年
燃料費削減効果:約6,700千円/年
林野庁 「森林・林業・木材産業づくり交付金」 を活用

季楽里龍神ウッドボイラー写真1
季楽里龍神ウッドボイラー写真2
株式会社かつら木材商店 木質バイオマスボイラー

樹皮や製材端材等を直接燃焼させて木材乾燥用熱源として熱利用するシステムの長期運用データの収集・分析等を行い、中小規模の製材工場でも利用可能な安定したシステム確立のための実証実験(NEDO地域バイオマス熱利用フィールドテスト事業)を実施しています。

熱出力(蒸気):6,361.8メガジュール/時
原材料供給元:自社工場発生材
薪消費量:約2,052トン/年
燃料費削減効果:約25,000千円/年

かつら木材商店木質バイオマスボイラー写真
集められた樹皮
集められた樹皮の写真

4. 中小水力発電

(1)新宮市高田小水力発電所

電気事業者が使用していた構造物を譲り受け、新宮市が整備したものです。
落差:165メートル
時間当たり最大発電力:282キロワット
年間発電電力量:2百万キロワット

高田小水力発電所発電設備写真
高田小水力発電所写真

5. その他

高効率ジャイロ式波力発電システムの製品試験

高効率ジャイロ式波力発電システムの製品試験

「波力発電」は海面の上下運動を利用した発電方式です。
太平洋の大きな波は波力発電に有利であるため、すさみ町の周参見漁港沖で実験が行われました。

日高港新エネルギーパーク 「 EEパーク 」

小水力発電写真

御坊市に整備された『日高港新エネルギーパーク「EEパーク」』は、経済産業省が全国的な整備を進めている次世代エネルギーパークの先駆けとして位置づけられています。各種展示や立体図鑑、参加型のゲームで新エネルギーを楽しく、分かりやすく紹介する「PR館」、マイクロ風力発電や太陽光発電、小型バイオマス発電の各研究施設が整備されるとともに、公園施設にはソーラーカーやマイクロ水力発電、小型ハイブリッド発電(太陽光・風力)が設置されるなど、新エネルギーを見て、学んで、体感できるテーマパークとなっています。

EEパネル写真
EEパーク写真

「EEパーク」の詳細については、御坊市ホームページ をご確認ください。(外部リンク)

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