第1回和歌山県人権施策推進審議会議事録

第1回和歌山県人権施策推進審議会議事録

第1回和歌山県人権施策推進審議会

日 時 平成14年8月9日(金曜日) 13時~15時半
場 所 和歌山市 アバローム紀の国
議 題

(1)和歌山県人権施策推進審議会会長の選出について

(2)会長の代理者の指名について

(3)今後の審議の進め方について

(4)次回開催日について

(5)その他

出席委員

稲垣委員 大畠委員 橘委員 谷口委員 月山委員 辻委員 都村委員 中川委員

中谷委員 中村委員 西委員 村田溥委員 村田恭委員 柳瀬委員 吉澤委員

配布資料

(1) 和歌山県人権尊重の社会づくり条例(平成14年和歌山県条例第16号)
和歌山県人権施策推進審議会規則(平成14年和歌山県規則第41号

(2) 和歌山県人権施策推進審議会 進行(案)

(3) 平成14年度人権教育啓発関係予算一覧

(4) 平成14年度人権啓発資料一覧

(5) 平成14年度相談事業一覧表

(6) 人権関係年表

(7) 人権教育・啓発に関する基本計画 (平成14年3月)

(8) 他都府県の人権施策基本方針
・東京都人権施策推進指針(平成12年11月)
・大阪府人権施策推進基本方針(平成13年3月)
・岡山県人権政策推進指針(平成13年3月)
・高知県人権施策基本方針(平成12年3月)

(9) 他府県の人権条例

・人権が尊重される三重をつくる条例
・滋賀県人権尊重の社会づくり条例
・大阪府人権尊重の社会づくり条例
・奈良県あらゆる差別の撤廃及び人権の尊重に関する条例
・鳥取県人権尊重の社会づくり条例
・愛媛県人権尊重の社会づくり条例
・高知県人権尊重の社会づくり条例
・佐賀県人権の尊重に関する条例

(1) 人権教育のための国連10年和歌山県行動計画(冊子)

(2) 人権の世紀を迎えて(冊子)

内 容

事務局




 
部長挨拶
委員の皆様には、「和歌山県人権施策推進審議会」を設置しましたところ、大変お忙しい中にもかかわらず、委員に御就任いただき、誠にありがとうございました。
また本日は、第1回審議会を開催したところ、大勢の皆様にお集まりいただき、重ねてお礼申し上げます。
この「和歌山県人権施策推進審議会」につきましては、本年4月1日に施行しました「和歌山県人権尊重の社会づくり条例」に基づき設置したものであります。
本日御出席いただいております委員の中には、この条例の制定に当たり貴重な御提言をいただいた方もおられ、今回引き続き御苦労をおかけするわけですが、本日審議会を設立できましたこと、この機会をお借りし、改めてお礼を申し上げる次第であります。
人権尊重の社会づくり条例では、県民の総意で人権尊重の和歌山県づくりを推進することを宣言しておりますが、人権ということのみに視点をあてた取組ではなく、「平和」や「環境」、「社会責任」といった人権尊重の社会づくりに必要であり、欠かすことのできない重要な視点を盛り込んでおります。
また、人権尊重の社会をつくるために、県と県民の責務を明らかにしており、県には、人権施策の総合的な推進を図るための基本方針の策定を義務づけています。
この基本方針の策定にあたっての御意見はもちろんのこと、人権行政を推進していくうえで、広く多角的な視点から御提言をいただきたく、皆様に審議会委員への御就任をお願いしたところです。
基本方針の策定に当たっては、皆様から県へ答申をいただき、答申を踏まえたうえで、県が策定するというのではなく、今回は、皆様と県が一体となって、共同で作成することを考えています。
これは、答申を受けて、県が基本方針を策定するというタイムラグを防ぐことができるとともに、公表の最終的段階まで皆様と協議をさせていただくことができ、皆様からの御提言を、より基本方針に生かせるのではないかと、考えているからです。
県の人権問題の解決に向けた取組については、それぞれの分野ごとに推進されてきたところであり、いろいろな課題を解決するために、様々な施策が実施され、成果を上げてまいりました。
特に、同和問題の解決に向けた取組が、今日のあらゆる人権問題の解決に果たしてきた役割は、大きなものがあると確信をしております。
今日の国の「人権教育・啓発に関する基本計画」の策定も、人権救済に関するあり方についても、始まりは平成8年の地域改善対策協議会の意見具申からです。
和歌山県は、全国に先がけ、同和問題の解決を県政の重要な柱として位置づけ、県と市町村が一体となって、県民とともに同和問題の解決に取り組み、多くの課題が解決されるなど、大きな成果を上げてまいりました。
このため、全国的に見ても、先進的に同和問題の解決を図っている県であると、言われてもまいりましたが、これはまさに、数多くの先人達の功績があればこそです。
県では、この業績に自得するのではなく、あらゆる人権にかかわる問題の解決に向けた取組へ目を向け、それぞれの分野での取組との整合性を図りつつも、相乗効果を持ち、さらに広がりと深まりのある取組にしてまいりたいと考えております。
21世紀は人権の世紀であると言われています。県では、名実ともに自由で平等な社会を築き、21世紀を真の人権の世紀とするため、粉骨砕身、人権行政に取り組んでまいる決意でありますので、委員の皆様方の御協力、御指導をいただきたく、よろしくお願いを申し上げ、あいさつと致します。

仮議長の選任
谷口委員を、仮議長に選任

会長の選任
互選により、月山委員を会長に選任

会長代理の指名
谷口委員を、会長代理に指名

事務局

審 議

議題(3) 「今後の審議の進め方について」でございますが、資料1「和歌山県人権尊重の社会づくり条例」を御覧ください。

審議会の皆様には、この人権施策基本方針の策定にあたっての御意見はもちろんのこと、人権行政を推進していくうえで、広く多角的な視点から御提言をいただきたく、よろしくお願い申し上げます。

今回お願いする人権施策基本方針の内容についてですが、人権尊重の社会づくり条例では、皆様方、「人権施策推進審議会」の御意見をいただきながら、次のことを定めることとされています。

それは、(1)人権尊重の社会づくりの基本理念について、(2)人権意識の高揚を図るための施策に関すること、(3)人権に関する相談支援体制の整備に関すること、 (4)人権問題における分野ごとの施策に関すること、(5)その他人権施策を推進するために必要な事項です。

人権施策基本方針については、最終的には、平成16年の夏には策定を終わり、県民への周知期間を経て、平成17年当初から施行ができるようにと考えております。

このために、15年度中に、最終文案ができるぐらいで作業を進めることができるように、概ね2か月間隔程度で審議会の開催をお願いできればと考えております。

しかし、進捗状況等により、さらに審議の必要があれば、どの程度の開催が必要なのかも併せて御審議いただきたいと考えております。

当面のスケジュールの事務局案としては、お手元の資料2「和歌山県人権施策推進審議会進行(案)」を御覧ください。

まず事務局から、県の人権問題における分野ごとの、現状や課題等について、説明させていただいたうえで、御審議をいただくという進行方法ではどうかと、考えておりますが、審議の進行に併せ、どのようにでも対応してまいりますので、よろしくお願いします。

つきましては、現在県で、既に計画やプラン等を策定しています分野について説明をさせていただいたうえで、議論をいただきまして、次に、計画やプラン等を策定していない分野の人権問題について御審議をいただき、それら分野ごとの取組を踏まえたうえで、人権一般の施策として、(1)人権尊重の社会づくりの基本理念は、どのようにあればよいのか。(2)意識の高揚を図るための施策は、どのようにあればよいのか。(3)相談支援体制の整備をどのようにすればよいのか。(4)その他、人権施策を推進するために必要なことには、何があるのか、等について、御議論をお願いできないかと、考えております。

県で基本方針やプラン等を既に策定しておりますのは、「同和問題」「女性」「子ども」「高齢者」「障害者」の分野です。冊子の「人権教育のための国連10年和歌山県行動計画」を、御覧ください。

なお、人権問題における分野としては、和歌山県行動計画では、これら5分野以外に、「外国人の人権」「HIV感染者等の人権」「アイヌの人々の人権」「刑を終えて出所した人の人権」の4分野との合計9分野について述べているところですが、今回、基本方針の策定に当たっては、このような分野区分の考え方に縛られることなく、対象とする人権問題における分野について、人に視点を当て区分するのか、課題に視点を当て区分するのか等、様々な視点からや、新たな切り口での「分野」の区分も、お考えいただきければと考えています。

資料3「平成14年度人権教育啓発関係予算一覧」と資料4「平成14年度人権啓発資料一覧」を御覧ください。

平成14年度、人権意識の高揚を図るために、県が取り組んでいる施策についてです。

資料5「平成14年度相談事業一覧表」を御覧ください。平成14年度に、県が実施しております相談事業についてです。

相談は、広い意味での救済であり、人権救済については、国の所管する事務ということで、現在国において法的措置を含め、その方向性が検討されているところであり、今後国の動向を見極めながら、それらとの整合性も考えなければならないと思いますが、相談業務は、人権問題の救済の第一歩であり、最も住民の身近にある地方公共団体として、その業務を放棄することはできません。県として、どのように取り組んでいけるか、御審議いただけるようお願いします。

これら教育・啓発や相談については、現在、県の関係各課室のおいて、それぞれ対応しているところですが、さらに、充実を図るための具体的な方向性を基本方針で定めたいと考えております。

また同時に、本県には、本県独自の問題やあり方があると思いますので、そういうものを掘り起こしながら、御審議いただきたいと考えておりますので、よろしく、御審議をお願いします。

委 員

今、事務局の方から説明をいただきましたが、最初ということもありまして、今の説明だけで十分ご理解いただけたかどうか、私自信もはっきりと分からないところがあります。

そこで忌憚なく、御意見、御質問をいただけたらと思います。特に今日は第1日目でございますので、各委員先生の御意見を頂きたいと思います。

基本方針の答申をまとめて出すという形になるわけです。それから先程のお話では、平成16年か、もう少し早く平成15年の末ということですが、その辺りについて伺いたいと思います。

事務局 県としては、諮問を行い、答申をいただくという形ではなく、皆様の御意見を伺いながら、共同で進めていきたいと考えております。
委 員 基本方針の中に、同和問題・女性問題・障害者問題・高齢者問題等ございますが、どこを見れば、これらの問題の県の基本方針が分かるのですか。
事務局 本日の資料の中には、用意ができておりません。
委 員

条例策定の時に色々議論がありました。人権問題という問題はない、あるのは障害者問題とか高齢者問題とか女性問題とかの具体的な問題であって、人権問題という問題はないのではないか。具体的な形で示した方がよいという意見もございました。

結果的には条例の中では示さずに、基本方針の策定の段階で、具体的に各分野別について示していくということです。

この審議会では、具体的な人権問題というのか、そういう問題をかなりつっこんだ形で検討しなければならない。その辺の、審議会の進行方法について、どの様な形で進めていけばよいでしょうか。

それぞれ各分野の先生方が集まっているわけですから、分科会的に分けて審議するという形もあろうかと思いますし、あるいはまた、今しばらくは全員で認識を共通するという意味で、総合的に進めるという方法もあろうかと思います。そのことについて、皆様の御意見を伺いたいのですが。

委 員

各分野の専門的なことについては、それぞれの方がかなり精通されています。しかし、Aの問題には詳しいがB、Cはそうでもないということなら、全体的な討議や意思統一は難しい。各問題を討議するときは、共通の場で、初めのうちは討議した方がいいのではないか。そして、できるだけ認識を共有する形にしてはいかがでしょうか。必要に応じて、分けてやってもいいと思います。いずれにせよ、最後は総合的にまとめないといけない。

それからもう1つ事務局に質問なのですが、人権施策推進基本方針はどのくらいの分量なのですか。つまり、かなり原則的なことを書くのか、具体的なことを書いてしまうのか。リーダーシップ的な人が使うのか、それともそれ自体を一般の人が読んで参考にするのかによって、分量が大分違ってくると思います。

事務局 その辺のことも、先生方に御審議を頂きたいと思います。県民の方に御覧になっていただくという趣旨ですので、あまり分量は多くなくということになると思いますが、そのことも御審議を頂きたいと考えております。
委 員 最初の内は認識を共通にするという意味で、全員で総合的に審議したらどうかということですが、各分野毎の検討をどのようにしていけばよいでしょうか。
委 員

今、お話を伺っていまして、2か月に1回ぐらい開き、全体会の中で各分野のことをやるということですが、スケジュールどおりいくのか。どうでしょう。

私も色々な分野を勉強したいと思うのですが、じっくりする時間があるのでしょうか。

委 員

限られた回数なので、その意味では結構難しいだろうと思いますが、人権問題というのは共通する基盤となる基本的な問題と、それからそれぞれの対象となる問題と、違いを持ちながらみんな一緒だよというのが人権問題だと思います。

違いをどれだけ取り上げられるか、ここで挙げているカテゴリーだけでいいのかということも出てくるのではないか。それから今、私たちが挙げているカテゴリー、例えば障害者とかよりいいものがあるはずなんですが、どう取り上げられるかというのが、本当は大事なんだと思います。

基本的には、全体ということを通しながら、分科会的なことを、必要があれば入れていけばいいのですが。

委 員

確かに、時間的な問題や回数の問題があるかもしれません。

ご存じのように、和歌山の場合は、同和委員会が人権問題についてリーダー的な役割を果たしてきたと思います。同和委員会の場合、全体会が年に2、3回と、委員会が数回、それと各部会がそれぞれありました。だから毎月1回以上は審議会をやっていたというのが、同和委員会の状態であったと思うのです。そういう同和委員会がなくなって、後は我々の審議会が、活動分野は違いますが、事業をどう進めていくのか。基本方針の策定や、あるいは各分野についての審議ということからすれば、かなりの回数が必要だと思われます。先程から各先生方がおっしゃっているように、各分野別の問題も取り上げていくとすれば、全体の場でやっていけるかどうか、果たして回数をこなせるかどうか、疑問もあろうかと思います。その辺を、各先生方の懸念しているところであろうと思います。

委 員 作業グループ的なものを作って、そのチームの過程を、全体で議論するのも大事ですが、もう少し小さいグループで、そういうものを作って進めていく方が、効率的かなという感じがします。少人数で議論できる場を作った方が、早いのか。
委 員 それからもう1つ。最近、遺伝子問題等に関心を持っているのですが、今までの女性の問題では出てこなかった。遺伝子の診断・治療などは、生命科学上の分野であって、我々が討議していてもなかなか意見が出てこないと思うのです。つまり、そういう問題は専門家を呼んで、やはり勉強しなければならない主題であると思います。最低2、3時間の講義を受けないといけません。
委員 県民がどのようなことを考えているのかを吸収する場というものも、必要かもしれません。条例策定の時に、各分野別にと言われたこともあったのですが、社会でどのような分野別があるのか分からないということを考えれば、あまり分野を特定した考え方は良くないということで、今のような人権条例を策定した経緯がございます。
委 員

分量はどのくらいにすればよいのかというお話も、出ていたようですが、ここで参考資料を見せていただくと、かなりその辺は、ばらつきがありそうな気もします。やはり2か月に1回集まって、これだけのメンバーが顔をそろえて、どれだけ実のある話し合いができるのか、ちょっと心配です。

従来の県の審議会を全部知っているわけではないのですが、先に案が出てきて、後で追認するという程度の審議会が多かったような気がします。そういうスケジュールでしたら、これでも構わないのです。事務局と我々とが、共同してとおっしゃっていらしたので、そうすると私たちもずいぶん勉強しないといけません。それぞれの分野の代表とまでは思っていませんが、ある程度、私たちの思いを反映して審議するというのは、結構時間のかかる作業かと、お聞きしながら思いました。

委 員

先程、部長さんの挨拶にも、県民のすべきことと、県の行政のすべきことと、そういうことを分けながらという話もありましたし、今回の審議会が施策推進審議会ということで、ある程度の具体的・現実的なことも、求められていると思っております。しかし、条例の第5条なんか見させていただきますと、人権施策推進基本方針に関することについて、まずしっかりと押さえて欲しいというのがございます。

個々の専門分野と、同時にやはり全体としての考え方。これまでの流れの中でのことと、和歌山でなくてはならない、和歌山なんだということ。そういう歴史をしっかり踏まえて、しかも新しいことを見据えたようなものにしていきたいと思います。

それから、人権擁護法や、情報公開、住基ネットに関する法案、ああいうことも全く関係なしとは行かないと思います。まず全体で討議していく中で、色々な先生方の意見を拝聴して、しっかりとある程度の基本というものを踏まえて、やはりこれじゃだめだ、そしてまたこうして行こうと議論していきたいと思います。そして既に色々な資料を頂いている中に、人権関係予算が示されていますが、我々の基本方針を出すことによって、より肉付けが厚くなるとか、よりやりやすい、あるいは視野が広がるとか、そういうことになってくれればと思います。短い時間でも血の通った審議ができたらと思います。

委 員

この人数で話を進めていくというのは、言いたいことも出にくい状況ということがあります。全体で話し合って、私は分科会と言うよりは分散会で、色々な専門家の方が寄り集まって話し合いをしていき、そしてもう一度全体に戻していくという、何回か行ったり来たりしたらいいものができあがると思うのです。

専門分野をずっとやっていらっしゃる方もいると思うのですが、今まで懇話会なんかに出させていただいた時に思ったことは、専門の分野だけをやっていくと、何が欠落しているかがよく分からない。他の分野の人と混じり合ってお話ししていると、目から鱗というのが結構あります。小委員会をするのに専門の分野だけで集まるのではなく、色々な形で広い議論をして、それからもう一回全体に戻していくという作業をしたら、色々な意見がたくさん出てくるのではないかと思います。

委 員

できれば1回か2回ぐらいは全体会を開いて、各委員や事務局の方から今回の基本方針の策定についての意見、あるいはどういう分野を取り上げるかを含めて、全体で討議をして、色々な意見を出す。その意見を踏まえた上で、作業部会、ワーキンググループなりを作り、少し細かい作業をして、それをまた全体会でするという進め方の方がいいのではないかと思います。

それにやはり、先程と同意見なのですが、特定の分野に造詣が深いというか、詳しくやっている人の意見も聞きたいし、同時にそういうことについて一般の県民の立場と言いますか、むしろあまり深い知識のない人の意見も聞いて、その上で全体の討議を行い、さらに細かい作業をワーキンググループでする方が、漏れがないと思います。それに、緻密な作業ができるのではないかという気がします。そういう意味では、そういう順序でやっていければいいと思います。

委 員 今、各委員とも考えていることは、ほぼ同じだと思います。ある段階までは共通の認識を持つということで、全体ということですが、全体の持ち方は、フリートーキングで全体の認識を深めるための会を、1回なり2回なり開きます。
その後、各分野別に、ワーキンググループを作っていくということですが、その辺りは、事務局と言いますか、県はどのように考えていますか。今までの各委員の出された意見について。
事務局

御意見を伺っておりますと、平成15年度末というリミットを設定しながらの話でございますので、議論をより深めていただくためには、もっとピッチを上げた方がいいのかという感じもしております。

それから、共通性、個別性という、やはり縦糸や横糸があり、その共通した部分の、横糸の部分をどうしていくのか。それは、県民の意見を聞くという機会もあるのではないかという話もございましたし、また、専門の先生の御意見を聞くという話もございました。共通のところで必要がございましたら、そういう場を設けたいと考えます。さらに個別会、分科会、ワーキンググループと申すのでしょうか、そんな形で分野をより深めていく、そういう形で進めていくのがよいとなれば、我々の方は対応してまいりたいと思っております。

委 員

この我々が同和委員会を解消し、さらに懇話会の中で人権啓発について検討した。その過程の中で、県にお願いしたのは、これまで以上に分野が広くなった。これまでは同和委員会といえば、同和問題だけであった。それが、あらゆる人権問題ということになるなら、会合の回数というものは沢山になることも考えて置いて欲しいということです。
それから、今まで以上の予算をお願いしたい。そういう情勢のもとで、この条例を答申したということです。従って、お金の問題、予算の問題、それから人の問題。それらについては、我々は非常に大きな期待を持っております。ただ非常に残念に思いますのは、かつての同和委員会事務局に関係していた人はごくわずかしかいない。
また人権推進室という所で、人権条例について検討していた方々も少ないということからして、我々がその当時ねらったことが、果たして理解していただけるのかどうかということです。

日時の設定にしましても、審議会を充実する方向で御検討賜りたいということを、特にお願いしたいと思います。

県が、各分野別について、どういう風なことを考えておられるのか、説明していただけたらと思います。最初に予定していたのと、変わっているように聞いているのですが。

事務局

冒頭で申し上げましたように、今までの流れは「人権教育のための国連10年」の9分野という形で仕分けをしていましたが、それらにとらわれない御議論、審議をお願いしたいと思います。
例えば、啓発とか、そういう課題で仕分けをするという、そういう分野の考え方もあると思います。

他の府県の状況を見ておりますと、国連10年の行動計画の分野というのが多いようでございますが、9分野以外にも、犯罪被害者、インターネット等の新しい問題を入れていくということも考えられますし、その辺りは、自由な審議をお願いしたいと考えております。

委 員 各分野の先生方にお尋ねしますが、各先生方とも、当初は認識を共通にするという意味で、全体会議で検討していくということだったと思います。それから、最終的にもそういう形でとりまとめていく。その中において、個別的な内容について深い検討をしていただくには、小委員会なりを作っていく必要があるというお話でした。
小委員会、作業班の動きにつきまして、どういう風な動き方をするのか。例えば、3つなり4つなりにしていくのか、それともそれぞれの深い各分野毎にやっていくのか、どうでしょうか。
委 員

今日頂いた資料を見ていますが、例えば資料8の、既に指針等ができている所のを拝見しますと、2つのタイプがあるようです。東京や大阪は、どちらかというと全体的なものについての記述がほとんどで、子どもであるとか、老人であるとかいうのはあまり書いていません、全体の中でどういう風なものかと言う視点ですね。
それから、岡山と高知県なんかは、逆に、女性や子どもという項目を立てまして、そこを中心にして記述していると思われる。よそをまねする必要はないと思いますが、2つのアプローチの仕方があろうかと思われます。どちらの方で行くのかというスタイルを、初めにある程度、検討していく必要があるのではないでしょうか。これは全体会でやらないといけないと思います。

もう1つ、既に指針的なものがまとまっている分野につきましては、例えば、決められていることをそのまま踏襲するのであれば、何の意味もないかもしれませんが、かなりまとまっているものであるとすれば、私どもがそれを拝見して、読ませていただくのがよいと思います。問題点がないのかとか、疑問点がないのかとか、そういう形で討議すれば、あまり個別的、専門的なことをしなくても、ある程度全体会的なものの中で議論しても、そんなに日にちがかからないのではなかろうかという気がします。ただ、その指針等がまだまとまっていない分野について、それを押さえていく必要があります。アイヌ問題やホームレスの問題とか、取り上げていくのかを含めまして、対象を何にするのかということを、まずある程度検討したうえで、全体会をやらないといけない。取り上げるとすれば、それについての個別的な勉強会を、具体的に早くしないといけません。さらに個別的な検討を要したり、また専門家の意見も聞かないといけないということが生じたりということが予想されます。取り上げる範囲をある程度決めたうえで、分科会をやるのが好ましいということです。

また、最後に全体でまとめることは、必要だと思いますが、そこをどういう形にするのかということを、やはり先に決めていただかないと、何を議論して良いのか分からないところがある。分科会で何を取り上げるのか、例えば女性問題については、皆で討議していくのか、分野別のをやってまとめるのか。また会長が最初に、条例を作るときの考え方をおっしゃったように、女性・同和・障害者問題があるのであって、人権問題があるのではないという考え方もありますが、共通する人権についての認識の深まりという点について言えば、個別的なことでは物足りない気がします。何を取り上げるのかということについて、検討をお願いしたいと思います。

委 員

まとめるのは非常に簡単なのです。沢山の資料があり、それを作文さえすればなんとかなる。むしろ問題は、我々委員が、どれだけ各論も含めて問題の認識が深いかということなのです。しかし、それがないと、結局単なる作文に終わってしまう。

それから、行政側で作られた資料に、その行政権力が行う人権侵害についての問題は、1つもない。人権侵害は、基本的に行政が行う人権侵害と、市民と市民の間における人権侵害があります。例えば結婚差別なんか、私人間の問題です。ハンセン病なんか、あれは行政の怠慢です。行政による施策です。しかし、そういう問題はどうかと言うのは、本当は非常に大事です。

女性問題にしても、ここにある資料を適当にアレンジしたらできます。けれども、本当に大事なのは、遺伝子診断とか、どれだけこれが深刻な問題なのかということなのか、認識していないとどうかもわからない。認識しないで女性問題をさらっとまとめて、それが答申になると言っても、薄っぺらなものになります。我々がどれだけこの知識があるのか、あるいはある分野にはないのか。そういう点を自己反省しつつ、しかもかなり専門的な問題につきましては、やはり専門家の意見をしっかり聞かないといけない。これを直接に答申に反映されるかどうかは別にして、やはり勉強しなければ、分からないことは、分からないのです。分からないことを置いておくと、やはり最後の作文で、その分だけ弱くなっていくと思います。

それから、難しいのは、先程も言いましたが、行政側の行う人権差別ということを、一体どう取り上げるかということです。これはやはり問題です、宿題です。この世の中で、案外多いわけです。例えば、入国管理局の人権差別は非常に問題です。外国人の差別を取り上げる場合に、行政管理、入国管理で、日本にはものすごい差別があります。こんなことが全然出てない。ただ、我々市民と市民の間で、少数外国人がこんなに差別にあっている、だからこうしましょうでは、余り意味がないわけです。

それからまだあります。例えば、海外援助をしている。この援助が人権を侵害している場合だってあるわけです。そういう、つまり日本が、他の外国の人々に対しどれだけ差別を行ってきたかということの問題が出ない。そういうことを知っているか、知らないかが、最後の作文化の中で、やはり影響が出てくると思います。何もかもすることはできませんが、つまり中心的な問題についてはきっちりと認識した上で、最終的にどうまとめるのか。作文化するときには、そういう認識がすごく大事になる。

委 員

今、委員がおっしゃったことは、私もそう思うのです。結論というのは自然と出てくるのであって、やはりアプローチの仕方が問題であり、認識の仕方が問題だと思います。結論というのは、文章化するにはそれほど困らないという風に思うのです。各委員の方の認識というものが共通にされて、それが深められて、その上に立っての文章というのは、極めて簡単だと思うのです。極めて簡単と言うと、良くないと思いますが、そういうことは我々としては当然頭に出てくる問題だし、あるいは各委員の頭に既にあるかも分からない。それを、深めることが問題です。深めないまま文章化したって、一向に役に立たないという風に思われます。

そういう点からすれば、できれば当初は、互いの認識を深め、共通にする意味で、もう少しお互いの意見交換をやった方が良いのではないかと思うのです。ただ、意見交換をしたところで、テーマをどういう風な設定の仕方にするかということ、後に作業班を作るとして、それとの兼ね合いもあろうかと思うのです。それらにつきまして各分野の方が、どういう風なグループ別にするかということ。例えば、我々が何をやる、それをどういう風なグループ分けをするのかということも念頭に置いて、最初の内は、皆で意見交換していくということでいいのではないですか。

委 員 先程来、色々もっともなお話をたくさん聞いて、後はもうやり方です。分科会にするとか、やはり全体会議と分科会を行ったり来たりすることも必要でしょう。その分、分科会の会長が、プレゼンテーションみたいな形で、その分科会についての成果を発表するとか、そういうことの繰り返しです。
やり方としては、先程来、ずっと討議して、大体同じような認識があると思うのです。次の時に、どういうやり方をするのか、今日決めましょうか。あるいは、今日の意見を踏まえて、具体的な問題をそれぞれを持ってきて、それらを出して、その中で決めていこうという風に次回にするのがいいのでしょうか。
委 員 先程来、言われている中で、既に条例なり、指針なりを決めた分野があります。その分野と、我々がこれから決定しようとする基本方針と、どういう風な関係や位置づけになるのか。各自の話しも聞きたいと思いますが、最初に事務局は、どういう風に考えておられるのかということを伺いたい。
事務局

今日、お配りしている資料2のところに、スケジュールの説明した所がございます。その左の所の第2回審議会の所に、既存計画のある分野が載せてあります。例えば同和問題について、先程来、同和委員会のことがありました。女性、子ども、障害者、そして高齢者、この辺につきましては、その計画は作ってあります。例えば、女性であれば、女性問題全体で作ってあります。その中には人権という問題も入っており、そういうのがいくつかあります。人権という横糸で通したということではございませんので、その辺のところは、条例に基づく基本方針として作っていくという議論でございます。

もし必要があれば、当面はこの2つ目の審議会のところの分野の計画がございますので、その辺の御説明でしたら、いつでもさせていただけると思っております。

それから3つ目の審議会の所の右側に、外国人、アイヌ、刑を終えた人、それから疾病・感染症、犯罪被害者と書いてございますが、この辺が新しく考えなければならないという具合です。既存の計画と新規分野につきまして、そんな状況にあります。

委 員 今の件につきまして、各委員の方の御意見なり、質問なりございましたら、どうぞ、おっしゃっていただければと思うのですが。
委 員 このことを、そんなにできないと思うのです、いずれにしても。ただ分野ごとにやるという考え方と、全体的ばかりをやるという考え方と、ここをはっきりとしないといけない。だからさっきおっしゃった分散会という形で、委員は、むしろ自分が弱いところと思われるところに入ってはいかがでしょうか。つまり、自由参加的に、よく知っているところに行っても仕方がないとは言いませんが、堂々巡りになってしまう訳です。だから、そういう分野ごとは、最後のまとめるときに大事であり、途中の審議では、そんなにこだわる必要はないのではないかと思うのです。
それともう1つ、今日は、このフリーというのがいいと思うのです。下手にまとめるより、フリー討議があって、後どういう風に次をやるかは、会長さんは御苦労ですが、事務局と一緒に、前の議論を踏まえて、よく整理されて、次にこうしたいという形で提示された方がいいのではないかと思います。
委 員 会長は別にして、事務局の方はどうですか。例えば、今先生が言われたこと。どういう風なやり方を考えられますか。
委 員 色々な討論をして、必要なものが出てくるでしょう。その上で必要と思えば、全体会でやるという形でいいと思います。
委 員

第2回は、資料2にありますように、既存方針のあるものについて説明等を頂いて、それについて自由に意見を出していく。それを基にして、必要があれば分科会等でつっこんでやらないといけない。そして次のフリー協議の中で決めていく。それを整理して次につなげるということで、当面はいいのかと思います。

問題は方針等のない方をどうするかですが、これは専門の方もおられますが、私はこの辺のことは分からない。そうすると、少し説明を頂いて、最低の知識はみんなで持ちましょう。その上でどうするかということで、進めていった方がいいのではないかと思います。

委 員

委員自身の理解の深さとか、質というのは、個々の問題によって違うと思うのですが、当然、県民の中で活かされて、生きていくものでなければならない。やはり理解の深さも違い、理解の質も違う方たちが集まる。専門的な者だけで集まって、色々なことを審議したり、討議するよりは、考えていることが違うという人たち、専門分野以外の人が集まればいいと思います。

まず最初に、どのようなスタイルにするのか。まずテーブルの大きさをある程度で決め、その中で、どの程度のものが置いていけるかということを、考えていけばいいと思います。漠然と、毎回こういう話し合いをしても、進んでいかない。あまりに日程の設定にすきがあると思うので。

皆さんが、大体は同じことをおっしゃっているのですが、全体でまずどのようなもの作っていくかという、形の見える方向に持っていって、それから個別に分かれていく方が、作業が早いと思うのです。

委 員 おそらく、基本理念だけで、色々な考えがあると思うのです。基本理念の面で、そこそこの同じレベル、同じ考え方に立ちたいというのが、ずいぶんあると思うのです。もう1回言いますと、基本理念みたいな形で、みんなで考えを整理しておくということが必要だと思うのです。ただ一番難しいのが、議事進行の中で、基本理念をやっていくときに、何を使ってやっていくのかです。既存の方針に出ている部分について、それを1つの教材としながら、ここに出していって議案という方法も1つだと思うし、あるいはもう1回ぐらいは基本理念の話をして、同じレベルに立ちたいという思いや、希望はあるのですが、そのときの進め具合をどのような形でするかということを知りたいのです。
委 員 各分野別の既に条例なり指針なりができているところについては、ある程度の水準について、事務局に説明をしていただいてはどうでしょう。我々としては、それについて重点的に検討する、勉強するということです。とりあえず次回は、既に条例や指針のできている分野について説明していただき、進めていくということでお願いしましょうか。
委 員 その他の人権をここまで、あるいはこれからの場合はとか、意見が出てくるように、事務局や議長の方からも、テーマを出していただく方が、議事進行上は都合がいいかと思います。
委 員 1つだけ。第2回か第3回になるかもしれませんが、先程来、出ています新たなカテゴリーの掘り起こしで、例えば遺伝子問題とか、これまであまり審議されていないようなカテゴリーについて、もし和歌山らしくということで挙げることができるのであれば、素晴らしいと思います。
分散会の進め方ということになってくるかもしれませんが、こういうこともあるという風な、自由な意見が挙げられるような審議会になればと思います。
委 員 今日のところは、色々な御意見が出ていますが、人権についての色々な分野もございますし、やり方、啓発、救済等色々な問題があります。
それから総論と各論の問題もあります。 今のような分野として、新たなものを付け足したらいいのではないか、あるいは和歌山らしいものを付ければいいのではないか。色々な考え方があると思うのです。
だから、そういうものをどういう分野に取り上げるのかという問題、それからそれについてどういうやり方するのかという問題、それから知識だけでなく、啓発、救済をどうやるのかという問題、そういうこと含めて、どういうやり方に持っていくのかということを、それぞれが持ち帰って、検討したいと考えています。
委 員 皆さんの色々な御意見を聞いてきましたが、やはり私なんかの場合は、専門的な分野ですので、いささか難しいのです。この中で見てみますと、外国人、アイヌ、刑を終えた人、疾病・感染症。この中で一番心配しているのは、疾病と感染症の問題です。これは、エイズの相談なんかも、かえって増えてきてるのです。ハンセン病以外に難病もありますし、今も紀南に病気があり、風土病として牟婁病と呼ばれてあったものです。そういうことありますので、色々と考えて、やはり今までのように県内を歩いてみて、色々な実情を見聞して、この席上で、この問題についてはこうですよ、いかがでしょうかと言えるように、勉強はしていきたいと考えております。
委 員

今日の段階では、これまで各委員の先生から承った御意見等を、事務局の方と私の方で相談して、各委員先生から出された今後の進め方につきまして、具体的にこういう風な問題を中心にして、次回はやっていきたい。それには、どういう風な視点が必要かということを、よく検討するようにしたいと思います。そして、各委員先生の御意見を賜るという風な方向に、進めさせていただきたい。こういうことで、よろしいでしょうか。

色々な御意見をお持ちのところ、十分に吸収できずに申し訳ございませんが、一応今日は、この段階で、議事を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。

事務局

先程から伺っていますと、2か月に1回のペースでは遅いのではないか、あまりに空きすぎるのではという御意見が、多数あったように思います。もちろん各委員と御相談をいたしますが、前倒しするという場合もございますので、改めて御案内をしたいと考えます。

また先程、予算の面について、お話がございましたが、実は平成14年度に県で組織改正がございまして、これまで同和対策を福祉保健部の方で同和室を設置してやっておりましたが、今年度からは、企画部の方に人権室というのを作りまして、その対象分野を拡げて、人権全般をしていこうとなりました。

私どもの方も、長い歴史の同和問題というのを、もちろん勉強はしておりますが、なかなか不十分でございまして、先生に教えていただくことの方が多いと思います。せっかく設置されました人権室でございますから、勉強をしながら、取り組んでまいりたいと思いますのでよろしくお願いします。

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