和歌山県産食材の美容(アンチエイジング)への効果

公開日: 2022年5月24日

令和3年度和歌山県データを利活用した公募型研究事業

代表研究者
所属機関 和歌山大学 産学連携イノベーションセンター
氏名 似内映之
e-mail nitanai@wakayama-u.ac.jp
 

概要

肌の状態は血行動態と関係が深く、表面的なケアに加えて内面から肌の生まれ変わりを促進することが重要である。また血行動態のケアは肌だけではなく血圧の低下など、身体全体のアンチエイジングにも効果が高いと考えられている。このような血行動態を改善し、肌のターンオーバーによって肌状態を良好に保つ食材として柿が注目されている。

和歌山県の柿は日本一の生産量を誇り、ビタミンC、βクリプトキサンチン、βカロテン、タンニンなどの、血行動態を改善して美容への効果が期待できる抗酸化作用を有した栄養素が豊富に含まれているが、みかんに比べてその美容健康への効果を調査・研究した例は少ない。また肌の状態と血行動態の関係性についても、肌年齢と毛細血管の状態との比較程度であり、積極的に血行動態との関係性を調査・研究した例は、研究代表者のグループ以外では実施されていない。そのため本事業では、柿の摂取による肌状態の変化および血行動態の変化を調査した。

本事業の被験者は20代~50代の女性54名である。被験者をランダムに柿摂取群と非摂取群に分けて、摂取群には、2021年9月下旬から10月下旬にかけて、和歌山県産のたねなし柿を毎日摂取してもらった。

本事業の実施にあたっては、和歌山大学倫理委員会より承認番号令02-01-12Jおよび令03-01-05Jにて承認を受けた。

分析結果

柿摂取群では肌の状態と血行動態がともに改善され、非摂取群に比べて良くなっていた。肌の状態については、シミと肌色の評価指標が片側t検定で、有意水準5%で統計的に有意なことが確認された。血行動態については、ACT(Alternating Current Total)、PA(Pulse Area)が片側t検定で、有意水準5%で統計的に有意なことが確認された。これらの結果より、和歌山県産柿に含まれる栄養素が肌状態の改善・アンチエイジングに効果があると考えられる。

研究体制

研究代表者・分担者の別 氏名 所属機関
研究代表者 似内 映之 和歌山大学 産学連携イノベーションセンター
研究分担者 鈴木 新 和歌山大学 産学連携イノベーションセンター

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