令和8年9月和歌山県議会人権・少子高齢化問題等対策特別委員会会議記録
令和8年9月和歌山県議会人権・少子高齢化問題等対策特別委員会会議記録
1 日時 令和8年9月18日(金)午後2時43分~午後3時40分
2 場所 予算・決算特別委員会室
3 出席者 委員長 藤山将材
副委員長 林 隆一
委員 岩田弘彦、吉井和視、中村裕一、坂本佳隆、
山下直也、藤本眞利子、浦口高典、奥村規子
欠席委員 なし
委員外議員 なし
4 概要
午後2時43分開会
●藤山委員長
◎開会宣告 挨拶
◎報告事項 委員の欠席なし
◎撮影許可 3件
◎議 事 (1)人権問題等対策の現状と今後の取組について
(2)意見書(案)について
(3)少子・高齢化問題等対策の現状と今後の取組について
(4)その他
(1) 人権問題等対策の現状と今後の取組について
●藤山委員長
◎説明要請
●杉本共生社会推進部長、今西教育長説明(別添説明要旨のとおり)
●藤山委員長
◎質疑等宣告
Q 奥村委員
県立高等学校2校をモデル校に指定し、探究的な学びを通じて差別をなくすためとあるが、この2校とはどこか。
A 今西教育長
1校は和歌山北高校で、もう1校は貴志川高校である。
Q 奥村委員
多くの高校がある中で、どのようにしてこの2校になったのか。学校からの要望があったのか。
A 今西教育長
多くの学校で実施したかったが、探究的な学びの中で人権教育を行うことが県教育委員会としても初めてのことであることから、今年度は、何校かに絞ってモデル校として行う。各学校の校長とも話をする中で、その2校の校長が熱心に取り組むと表明した。
意見 奥村委員
差別をなくすための考えを深めるということで、これは別に教育だけのことではない。子供や高齢者への虐待、障害のある方の施設でいうと、神奈川県のひめゆり学園での事件があった。吉井委員の一般質問にもあった部落差別の問題や外国人に対しての問題、経済格差の問題など様々な問題がある。
まず何よりも、戦後制定された憲法を時の政府が守り、実現させていかなければならない。憲法は国民に押しつけるものではないということを聞いているが、国民の権利が明記されており、人間は生まれながらにして、皆平等だという精神がある。国際人権条約を日本が批准はしていても、日常生活も含めてなかなか進んでいかなかった。そんな中で、この特別委員会も設置されているのだと思う。
やはり、人権を大切にするという土壌が日本の中で育っていく必要があり、個々の対策だけではいけないと思う。部落差別の解消を推進する条例自体についても、私は賛成できなかった。
Q 奥村委員
先ほどの共生社会推進部長からの説明では、部落差別がまだまだあるということだったが、県民にその実態が伝わっていなければいけない。条例制定後、何度か改正されているが、差別の実態は改善してきているのか。
A 山田人権政策課長
和歌山県で把握している部落差別の件数は、和歌山県部落差別の解消の推進に関する条例が施行された令和2年度は23件であった。その後増減を繰り返しており、令和6年度は15件、令和7年度は9件となっている。まだまだ差別は残っている状況だと考えている。
Q 奥村委員
そういった差別が1人もないようにしないといけないし、全ての社会的な差別がなくなることを目指して、皆努力されてきたと思う。人権施策推進審議会で意見を聞くという対応ができないかと思うが、どうか。
A 山田人権政策課長
人権施策推進審議会は、和歌山県人権尊重の社会づくり条例に基づいた第三者機関であり、人権施策の基本方針や人権尊重の社会づくりの基本的事項といった、人権課題全般を審議する審議会である。部落差別に関しては、未だに差別の実態があるという中で、部落差別に特化して審議を行う機関が必要であると県で判断し、この度パブリックコメントを実施しているところである。
また和歌山県では、個別の人権課題に関して、それぞれの担当課が対応している。他の人権関係条例においても、その中に審議会や委員会を置き、審議しているところもあり、部落差別に関しても、そういう形をとりたいと思っている。
Q 奥村委員
本日からパブリックコメントが始まったとのことだが、このパブリックコメントで寄せられた意見はどう扱われていくのか。
A 山田人権政策課長
先ほど共生社会推進部長の説明にもあったとおり、本日から10月17日までの1か月間、パブリックコメントを実施している。そこでいただいた意見をまとめて、県としての考え方を11月には公表し、12月定例会に改正案を提案できたらと考えている。
●藤山委員長
◎質疑等終了宣告
(2)意見書(案)について
●藤本委員
◎要旨説明
●藤山委員長
◎意見聴取
意見 奥村委員
この意見書(案)には賛成できない。部落差別に特化した組織ではなく、実態を踏まえ、差別全体をもっと真剣に考えていかなければならない。
差別のない社会を実現する思いは同じだが、「部落差別対策審議会設置法」の制定を求める意見書(案)には同意しかねる。
◎採決宣告 「部落差別対策審議会設置法」の制定を求める意見書(案)の本会議への提出を賛成多数で決定
◎休憩宣告
午後3時6分休憩
午後3時8分再開
●藤山委員長
◎再開宣告
(3)少子・高齢化問題等対策の現状と今後の取組について
●藤山委員長
◎説明要請
●杉本共生社会推進部長、𠮷野福祉保健部長、今西教育長説明(別添説明要旨のとおり)
●藤山委員長
◎質疑等宣告
Q 中村委員
この前、由良町にある常石造船由良工場の社長や顧問に会うことがあり、新しい分野に進出をするという趣旨であった。現在、社員が150人ぐらいで、年間50隻ぐらい船を修繕している。LNGガスを運ぶ船は、とにかく常石でなければできないとのことで、本当は多くの仕事がある。海運が好況の頃、韓国、中国が新造船を行っており、修繕は常石しかないと100隻ぐらい修繕を行っていて、その当時は、とにかく造船所の前に船が並ぶ、邪魔になるから日高港に停泊をしていたという話があった。100隻といかなくても、あと50人採用できたら70隻ぐらい仕事ができるということであった。
和歌山県の子供は、8割は県外へ就職・進学している。県内だけでも有効求人倍率は2倍であると。
それは、和歌山で生まれたら、1回は県外に行きたいというのはもちろんあると思うが、ふるさと教育も含めて、もう少しふるさとで仕事をするというようなことをやったらどうか。
山形県は、3世代同居・近居という政策もやっているし、それで住んでくれたら住宅の支援をしている。一般質問でやらせてもらったが、今、県でお金を出して若い人たちが和歌山県で家を持つというようなことはないが、都会に比べたら、和歌山は、どこで建てても住宅そのものは高いが土地が安いので住みやすい。中小企業が多い中、比較的大企業でも人が集まらないので、マッチングもやってくれているとは思うが、もう少し丁寧なことができないか。
昔、福井大学工学部に行くと、卒業した人は、みんな県外へ就職する。福井県の中小企業と、数週間の職業体験ではなくて、半年から1年間かけて共同研究をすれば、中小企業でも経営者の考え方が分かったり、会社の中身がよく分かるので、地元就職率が上がるという話も聞く。何か地元の企業とつながるようになればいい。
それから高校生の就職となると、親の意見も大きいと思うが、親にしてみたら、ホワイトカラーの事務系の仕事がいいみたいなことがある。昨日か今日のテレビでもやっていたが、アメリカではホワイトカラーはAIに取られてしまうので、職業訓練校に人が多く来るようなことがある。和歌山県内の仕事はいっぱいある。選ばなければという言い方は少し違うと思うが、和歌山で仕事、例えば農業なども、本当に自然相手は大変だが、考え方によってはすばらしい仕事だと思う。仕事が多くあるので、1週間とか10日ではなくて、小学生ぐらいの頃から、和歌山のことを分かって、ふるさとを愛するとか、親と一緒に住もうとか、3世代同居したら、それこそお年寄りの面倒も見られるし、逆におじいちゃんおばあちゃんに孫の面倒を見てもらえるわけで、今は人口が減って、和歌山県の社会、経済が破綻しかけているので、逆回転をしていくような仕組みを作っていかなければならないと思う。
まず、子供が18歳になって、県外への就職・進学は、全て止める必要はないと思うが、残りたいと思える人が1人でも増えていく、そのような環境をつくっていかなければならないと思う。ハローワークの有効求人倍率が、1を割ったそうなので、和歌山県の景気がいいのかどうか、財務省の指標を見たらそんな悪くない話だが、多分、年齢によっても差があるのかも分からない。高卒の人を和歌山県に残すのは、とても大事だと思う。詳細な答えは難しいと思うが、教育長、どのようなことを思っているのか。
A 今西教育長
今、委員発言の造船会社のことは、この間、県の経済同友会の方と県立学校の校長との交流会の場で紹介があり、非常に技術レベルが高く、高校生の就職もたくさん受け入れたいとのことであった。
その他にも、ものづくりに関しては、そこにしかない技術を持った企業が、和歌山県内に多くあるにもかかわらず、あまり県内の人が分かっていないところがある。まず、我々が、生徒にしっかりと「県内にこういう企業があるよ」ということを伝えるために、しっかり勉強し、また、委員発言のインターンシップのような形は、どのような形がよいのかを検討していくが、できるだけ高校生に、県内にすばらしい企業がある、ということを紹介していきたいと思っている。
和歌山県の高校生は、田辺から南の高校生は、和歌山市を越えて大阪の方に行ってしまう傾向が大変強い。人それぞれの考え方もあるが、和歌山県内には、わざわざ大阪まで行かなくても良い企業がたくさんある。ちょうど和歌山工業高校が、N―E.X.T.ハイスクールで、ものづくり人材の拠点校を取れたので、しっかりと取り組みながら、他の工業高校にも、ものづくり人材のよい取組を広げて、できるだけ県内の企業へ就職するようにしっかり取り組んでいきたいと思っている。
要望 中村委員
ぜひお願いしたいと思う。
Q 中村委員
もう一つ、今日、知事にも、県立理工学部をつくったらどうかという質問をしたが、できない理由に、和歌山でやったら子供が集まらないというようなことを言われた。しかし、県立医大薬学部ができる時に、全国薬学バブルで、薬学部をつくって大丈夫かみたいな話であったが、公立で作ったら優秀な学生も先生も集まって、しかもできた途端に偏差値が高いということであった。私は、県立で理工学部をつくったら、富山県立大学のようにきっとうまくいくと思う。今、それに代わるような人づくりのことについて役所で話をしてくれていると思うが、やはり私は大学だと思う。
薬学部を作る頃には、地元大学進学率が、浦口議員が質問したときには、41年間ワーストワンだった。薬学部の時に、そのような言葉があることさえ知らなかった。教育委員会の先生方は、高校生を県外に送り出す時に、「地元へ進む人は少ないな」と、そのような率があることはおそらく知っていたと思うが、言い出せなかった。和歌山で大学をつくっても、うまくいかないのではないかということだが、国立和歌山大学もよく見てみたら、なぜあのような県境に作ったのかと思ったら、大学の先生も学生も半分以上大阪から来ていて、中身は国立阪南大学である。和歌山で大学をつくるチャンスがあるときに、そのことに気がつかなくて、全国で国立大学と同じぐらい公立大学が増えてきて、これから和歌山が気がついてやろうと思ったら、もう門が閉まりますよみたいな状況である。教育委員会には高校の先生が多くいるので、こどもたちの進学先のことを考えて、和歌山県のいろいろな産業振興などを考えたら、私が議会で言うよりも、教育委員会や県当局の中から、そのような声が沸き上がってこないと不思議である。和歌山県が発展するために、子供たちの将来を和歌山に残してあげようと思ったら、大学をつくる方法以外にどんなことがあるのかと思うが、教育長はどう思うか。
A 今西教育長
今、文部科学省からよく言われているのは、公立の高専化ができないかとよく打診されている。和歌山工業高校もいきなり高専にはできないので、専攻科で2年上に足す。5年生のクラスをつくることを考えていて、そこで高度な技術やデジタル、AIを使いこなせるエンジニアを育てていこうと思っている。
公立の大学については、少し研究させていただきたい。今日の知事の答弁以上のことはこの場では申し上げられない。
要望 中村委員
私はやっぱり県庁というところは、組織で仕事をしているので、知事が言ったことがおかしければ、「それは知事違う」と、県庁の中から意見が出てこないのが不思議である。4000人も職員がいて、知事がこう言うたら「ちょっと間違っていますよ」と言う人が1人も出てこないのは不思議なので、私はどんどんと議論をしてもらいたい。皆さんは所管があると思うが、知事になったつもりで、自分の仕事をやってもらったら、もっといろんなことができるようになると思うのでよろしくお願いする。
要望 山下議員
共生社会推進部長の説明の中で、保育人材の確保というのは、どうしても気になる。
ここに書いていることはすばらしいと思うので、ぜひ取組を進めてほしい。とりわけ、保護者も一緒にやっていることや、現役保育士と大学生も一緒にというのは、本当にいい試みだなと期待している。
これから進めていくところだと思うが、いつぐらいからどんな形で実施されていくのか、また、その時の内容や、こんな話が出たというようなことを教えていただきたい。
せっかくこういう取組を進めているということなので、よい形に持っていってもらって、その後、結果報告してほしいので、よろしくお願いする。
要望 浦口委員
以前改新クラブで、田辺で市立大学をつくろうとしている人たちと話をしたことがある。非常に真面目で、大学院出身の経験を積み上げて来た方である。その時に思ったのは、やっぱり遊びが欲しいなということ。遊びがなければ、なかなか若い方には難しい。特に私の場合、東京に行きたかったし、東京には何があるか分からない。
ところがよく聞くのは「和歌山あかないしょ。」ということ。そうではなく、和歌山プライドをつくることが必要。和歌山プライドとは何かというと、例えばプロスポーツのようなものをつくる。自分たちの代表が全国トップで頑張っていると大きなプライドになる。地元にプライドを持てるようにしないといけない。すぐにどうこうしろというわけではないが、頭の片隅に置いておいてもらいたい。
Q 奥村委員
和歌山県子供の貧困対策推進計画は今年度が最終年度だと思うが、特に気になるのが、全ての子供が等しく教育を受けることができる環境をどうつくっていくかという問題である。生活保護制度を活用している家庭、ひとり親、児童養護施設の児童の進路状況をみると、大学進学率が低い状況にある。就職についてもどうかとは思うが、最終目標として、目指すべき目標、対策などについてはどうか。
A 田甫こども支援課長
児童養護施設の児童の大学等進学率については、令和6年度では、進学率は42.9%、就職率も42.9%である。母数が少なく、1人進学するかどうかで数字が大きく変わるため、5年間の平均でみると令和2年度から令和6年度までの平均は27.4%、平成27年度から令和元年度までの平均は11.9%であり、進学率は着実に上がってきている。
進学に向けた対策としては、令和6年度に措置費がかなり拡充され、大学受験にかかる費用が含まれるようになり、新生活を始めるに当たっての支度金も大幅に増額されたところである。
また、令和5年度からは、日本学生支援機構に申請し、受験料や進学準備費用に充てることのできる給付金制度も始まっており活用されている。
そのほか、進学後の家賃や生活費について、一定の条件を満たせば返還が免除される貸付金制度も利用できる。また、児童養護施設等で生活しながら学校に通う選択肢もある。これらの制度を有効に活用することで進学しやすい環境は整いつつあり、今後も進学率はさらに上昇していくものと見込んでいる。
要望 奥村委員
子どもの権利条約のことについて、以前委員会で質問した際には、こども計画を県で策定して進めていくという話であった。計画と条例の違いとして、やはり、和歌山県の子供をどんなふうに健やかに成長させるか、全ての子供たちが差別なくという観点からも、国や県や市の役割と、県民自身も子供を育てていく環境に参加していこうという意味合いを含めた条例をつくるのが大切である。こどもまんなか社会と言われている中で、過程も含め、条例をつくっていくことが大事であるのでよろしくお願いする。
Q 奥村委員
和歌山県後期高齢者医療広域連合が実施している健診事業について、15市町村で集団健診を実施しているが、その他市町が実施していない理由を教えてほしい。
A 梅山国民健康保険課長
後期高齢者の健診事業は、和歌山県後期高齢者医療広域連合が実施している。広域連合に確認したところ、集団健診を実施していない理由は市町により様々である。クリニックや病院の多い地域では通院先で健診を受けていることが多く、医療機関の少ない地域では公民館等で集団健診を受けているとのことであった。このように地域の実情に応じて、それぞれの市町村で、人員や予算を勘案しながら実施方法を決めているところであり、県としては、高齢者の病気の早期発見や重症化予防の観点から、高齢者の方が健診を受けていただくことが重要であると考えていることから、その実施について、より受診しやすくなるよう、引き続き広域連合に働きかけていく。
●藤山委員長
◎説明に対する質疑等終了宣告
(4)その他
●藤山委員長
◎県内外調査 11月26日から27日に実施することを報告
◎閉会宣告
午後3時40分閉会


R8.9.18 【人権】共生社会推進部長・教育長説明要旨 (PDF形式 152キロバイト)