令和8年9月和歌山県議会半島振興・地方創生対策特別委員会会議記録
令和8年9月和歌山県議会半島振興・地方創生対策特別委員会会議記録
1 日時 令和8年9月17日(木)午後2時39分~午後3時29分
2 場所 予算・決算特別委員会室
3 出席者 委員長 坂本 登
副委員長 谷口和樹
委員 岡本安弘、森 礼子、北山慎一、三栖拓也、山田正彦、川畑哲哉、岩永淳志、谷 洋一、旅田卓宗
欠席委員 なし
委員外議員 なし
4 概要
午後2時39分開会
●坂本委員長
◎開会宣告 挨拶
◎報告事項 委員の欠席なし
◎傍聴協議 なし
◎撮影許可 3件
◎議 事 半島振興・地方創生対策の現状と今後の取組について
◎取組に対する説明要請
●北村企画部長、赤坂地域振興部長、岩垣企画課長、宗野地域振興課長説明 (別添説明書のとおり)
●坂本委員長
◎説明に対する質疑等宣告
Q 川畑委員
『地域の新たな「つながり」創出プロジェクト』について、本年度から3か年の事業として全市町村の現状把握・課題分析を行うということだが、今の時点ではどのような状況か。
A 石井総合交通政策課長
この事業は、県内市町村の交通課題を解消するため、今年度、全30市町村の交通の現状や課題、交通に関するデータを取りまとめ、交通カルテを作成するものである。その後、作成したカルテは、例えば2市町村で広域的な観点から地域交通について考え、広域的に交通を維持していくために活用する。具体的な作業については、全30市町村及び県内交通事業者を対象に実施したアンケート調査の結果を基に、今後市町村へのヒアリングを行い、カルテを作り上げて、交通体制について協議していくこととしている。
Q 川畑委員
『和歌山県移住・マッチング支援/「地域課題解決型」起業支援』の「県内へのUIJターンによる起業・就業者の創出」について、5年間の事業で4か年度目になると思うが、「(1)地域課題の解決を図るため、デジタル技術を活用した起業(事業承継、第二創業含む) を行う者に対して助成」、「(2)東京23区で一定期間在住又は勤務後、県内に移住し、起業または就業した者等に対し市町村と共同で移住支援金を支給」、「(3)東京圏の大学を卒業後、就業のために県内に移住した者に対し市町村と共同で地方就職支援金を支給」は、それぞれどれぐらいの実績があるのかを聞きたい。たくさん回答があるようであれば、また後でペーパーをもらうことでも構わない。
A 岡野企業振興課長
県内のUIJターンの起業・就業の促進について、件数が多数あるので、後ほど回答させていただく。この事業自体が、まずは創業スクールという形式で起業には何が必要かというところから始め、補助金を交付して事業を手助けしている。
A 宗野地域振興課長
(2)について、東京23区で一定期間在住又は勤務後、県内に移住し、起業後に支給するものであるが、昨年度の実績については、17件52名である。実績額としては、国、県、市町村合わせて全体で3780万円となっている。なお、(3)の大学卒業後の就業のために県内に移住した者に対する支援金の支給については、昨年度の実績はない。今年度は1件の予定である。
Q 旅田委員
半島振興法の指定地域に和歌山市は入っているか。
A 宗野地域振興課長
和歌山市を除く29市町村である。和歌山市は含まれていない。
Q 旅田委員
和歌山市はなぜ半島ではないのか。
A 宗野地域振興課長
和歌山市については、第一次産業の就業人口比率が要件を満たさないため、除外されることになっている。
Q 旅田委員
国の基準でそうなっているのであろうが、和歌山市を加えてもらうということは不可能なのか。また、そういった活動や運動をしたことがあるのか。
A 赤坂地域振興部長
まず、「第一次産業就業人口比率が全国平均の2倍以上」といった数値的な国の基準がある。また、半島をどこまで半島とするか。例えば、昨年の半島振興法の延長の際も、国土交通省との間で、半島というのは突き出し、そこに行くには周りからは行けないような地域が半島であるが、紀伊半島はこれだけ巨大な半島であり、本当に半島という定義を持ちだせるかという議論までしている。和歌山市の場合、近くに大阪府があり、岬町や阪南市のほうが遅れているのではないかという議論がある中で、半島地域は国土交通省の法で定められている。例えば和歌山市を半島地域に指定しようと、我々は要望していくという議論も当然あるけれども、泉南地区はどうするのか、岬町はどうするのかといった様々な議論がある中で、地理的要素によって発展が遅れているという本来の法目的を鑑みた中で、我々は今の状態を検討しているところである。
要望 旅田委員
その点は今後も要望してもらいたい。
Q 旅田委員
南海フェリーについては、私はかねがね今回の選挙においても、国道にすればいいということを訴えてきた。全国で20数か所が国道に指定されている中で徳島県の方が動き出し、近く国に対し、南海フェリーを国道として残すということで要望するとしている。和歌山県としても、徳島と連携して行動を起こすべきではないかと思うがいかがか。
A 石井総合交通政策課長
南海フェリーの徳島・和歌山航路については、県民の移動や観光の面、それから輸送の面で大変重要なルートだと我々も認識している。現在、我々としては航路存続に向けて次の新たな事業者を探しており、徳島県、徳島市、和歌山市とも連携しながら、事業者訪問等を行っている状況である。海上国道については、道路法上の正式な名称ではないが、海上区間を含む国道として、例えば佐渡島と新潟、鹿児島と沖縄、伊勢湾など、離島や半島を海上で道路としてつなぎ、国道ネットワークの一部として位置付け、海上区間を含む道路全体の機能に着目して指定されている制度と認識している。現在、我々としては、徳島県、徳島市、和歌山市とも連携しながら、事業承継に取り組んでいるところであるため、引き続き航路存続に向けて取り組んでいきたいと考えている。
要望 旅田委員
徳島県が国へ要望するとの報道があった。和歌山県が遅れを取ることのないよう、徳島県と連携し、共に行動を起こすことが国を動かすことになると思うので、取り組んでもらいたいと思う。
Q 旅田委員
リニアモーターカーのことで、静岡県側の工事がようやく動き出したときに、あるマスコミの方が「リニアカーが大阪・東京を結べば、東京、名古屋、大阪で約6000万人の巨大都市圏ができる」と興奮気味に言っていた。私はそれを見ていて、「そうなれば和歌山のような地方はどのようになるのか、なくなってしまうのではないか、それでよいのか」と本当に疑問に思った。その中で、昨年の6月、参議院選挙の最中にテレビ討論があった。自民党の木原官房長官が、たまたま東京の一極集中是正の問題の議論になったときに、「東京一極集中を是正するために、我々は首都機能の移転ということにこだわり過ぎた。そのために、結果的には何もできなかった。一番大事なことは、産業を地方へ分散することだ」という発言をされた。私はそれを聞いて、感動して「まさにこれや」と思ったので、私も今回の選挙で全国に呼び掛けて、地方へ呼び掛けて、産業地方分散法を制定すべきだということを発言してきた。それについての考えはどうか。
A 赤坂地域振興部長
南海フェリーについては、撤退を発表したときに、和歌山県知事が何とかして守りたいと表明し、和歌山市もすぐに国へ要望に行った。国道指定についても、我々はもちろん検討した。昔は、そういうことで推進できたかもしれないと思うが、今は、何が問題であるかというと、フェリーの老朽化である。フェリーを購入するには40数億円かかる。例えば離島フェリーであっても、国の制度による補助額は非常に少ない。離島であってもそうであるのに、四国と橋で結ばれている和歌山と徳島の間のフェリーを購入するに当たっての国の補助制度は、あまりにも少な過ぎる。防災の面でも、いろいろな補助制度をもっと充実できないかと、当然、我々も政府要望をしている。徳島市も一昨日の常任委員会で、国土交通省へ要望するという声を上げ、周辺市町村に声をかけるということが、昨日のNHKで放映されていたと思う。徳島県と和歌山県は連絡を取り合いながら、いろいろと取り組んでいるところである。
産業の地方への分散は、非常に大事であると思っており、高市内閣の戦略産業クラスター計画の中でも、ロケット産業を集積しましょう、脱炭素についての産業をやりましょうというようなことを考えている。当然、和歌山は観光産業が非常に大事であると考えているので、観光についても産業集積を行った上で、人を呼び込む。これから日本の場合、人口を増やすのは非常に難しい中で、やはり関係人口であるとか、移住してきてもらうなど、そういうところについても和歌山県でも力を入れているところである。
意見 旅田委員
産業地方分散法制定についても前向きに検討してほしい。諦めるのではなくて、駄目かも分からないがやってみる。それが一番大事だと思う。
A 北村企画部長
今、産業の話が出たが、国の方で進めている地域未来戦略に県から産業の申請をしており、国の方で審査をしていただいている状況である。追って公表されるかと思う。
意見 岩永委員
『和歌山県移住・マッチング支援/「地域課題解決型」起業支援』の「県内へのUIJターンによる起業・就業者の創出」の(2)及び(3)のいわゆる地域振興課所管の部分で、移住支援金という制度が結構前からある。
私自身移住者であり、5歳から23歳ぐらいまで東京在住であった。美浜町に移住する際に、移住支援金という制度があると聞いて、当時学生で、60万円であったと思うが、非常にありがたいと思い役場に行ったところ、条件に当てはまらないという回答であった。要領を見てみると、東京23区内在住でなければならないという内容であった。5年以上通勤している場合でも可能であったが、学生であったので、通勤はしていなかった。23区内でアルバイトをしていたけれども、それは不可であった。さらに要件を見ると、東京23区内の大学等へ進学し、企業等へ就職した者については通学期間もカウントするということであったので、私が23区内で1ヶ月でも就職していれば、60万円をもらえた。
微妙なところで制度に振り回されてしまった経験があるが、地方就職学生支援事業という形で学生の移住に対して応援する枠組が登場してきた。就職に係る経費であったのが、令和7年度から実際に引越しの費用も少し助成する形になってきている。
内閣府の制度であるので、県がどうこうという話ではないことは重々承知しているが、やはり若い人たちに移住してもらうことは非常に大事であると思っている。ただし、若くなればなるほど、どうしても例外的な方が多くなってしまうので、先ほど申し上げたグレーゾーンのような制度の隙間に落ち込んでしまう。若い人の方が移住してからの立ち上げに、助成は微々たる額であったとしても非常にありがたいので、そこに関しては制度のずれがないように、非常に特異な例かもしれないが、その特異な例こそ守ってもらいたいと個人的には思っているので、そこは私も当事者として今後働きかけていきたいと思う。
県当局におかれても、そういう稀有な移住者もいるということを念頭に置いてもらいたい。
Q 北山委員
圏域ごとの地域交通の再構築について説明いただいたが、その中で、専門家とともに分析していくと書かれている。この専門家とはどのような方なのか。
また、圏域ごとに専門家が異なるのか、それとも、全体を通して同じ専門家が担うのか、教えていただきたい。
A 石井総合交通政策課長
この事業については、データ分析等について交通に精通したコンサルタント会社に、また、学識経験者としては、国の鉄道に関する会議等の委員も務めている、交通に精通した呉工業高等専門学校の神田先生に加わっていただいている。圏域ごとに変えるのではなく、県内全ての圏域について、同じ専門家に見ていただくこととしている。
Q 北山委員
この3年間で分析を行い、その後、その結果に基づく構築に3年後から着手していくのか。それとも、この3年間の途中で分析した結果を基に、3年の期間内においても構築していくのか。分析の結果が出たときには、どのようにしていくのか、教えていただきたい。
A 石井総合交通政策課長
まず、今年度は、先ほど説明したとおり、カルテを仕上げることとしている。その中で、広域的に取り組んでいく地域も検討しながら、カルテを作成していく。また、現在、国においても交通空白の解消に取り組んでおり、令和7年、8年、9年を集中取組期間として、実証事業等に対して手厚い補助制度が設けられているため、ぜひ活用したいと考えている。まずはカルテを作成し、その後、一気にいくつもの地域を進めていくことはなかなか難しいため、例えば2地域ずつ程度、順次進めていく予定である。
Q 山田委員
『ポストコロナ時代の若者就職支援による県内定着・移住促進』の中に、「高校生の県内就職による定着促進」がある。文部科学省の「N-E.X.T.ハイスクール構想」で、厳しい審査を経て和歌山県から3校が選ばれた。アメリカでは、職業訓練学校が大流行でホワイトカラーがいらないという社会状況になっている。一流企業が生成AIで片付くことはAIに任せて、何万人も解雇するというような現状があるとのことである。
現在、和歌山でも全国でも、現場職が足りないという実感がある。そんな中、それではいけないということで、同構想に和歌山工業高校が指定され、アドバンストエッセンシャルワーカーを育成しようと意気込んでいる。授業の中で産業界と生徒の交流を積極的にして、和歌山の地場産業の実情等を学ぶ取組をこれから実施していく。さらに一部の学科で5年制の専攻科が設置される。和歌山の現場産業について、子供たちに現場を見てもらうため、知事部局としても無関心ではなく、教育委員会と密接に交流して積極的に応援してあげてほしい。
A 北村企画部長
「N-E.X.T.ハイスクール構想」については、知事部局も総力を挙げて協力していく。
理系人材やエッセンシャルワーカーが不足するという話もあり、各関係部局で庁内の会議を設置し、議論を開始しているところである。
要望 山田委員
AIには真心がない。これは教育委員会にもお願いするが、そういうことをもっと高校生にも教育をしてほしいので、サポートしてあげることを要望する。
Q 谷口副委員長
『地域の新たな「つながり」創出プロジェクト』について聞きたい。田辺の大塔地域という山間部になるが、空き家の取引をよく目にする。なかなかうまくいかないことが大半であり、その中で一番貸す方が渋る理由は、後々のメンテナンスでクレームが来たらどうするかである。借りる方は借りる方で、物件の中身がよく分かりにくいということで駄目になる話がよくある。
マッチングサイトを今回この交付金で作ろうとするのは良い取組であると思うが、実際に民民の空き家のやり取りを行うよりも、不動産業者に直接空き家を掘り起こして貸す事業にダイレクトに支援金を出すのと、マッチングサイトを作る予算とどのくらい違いがあり、どれくらい効果があるのか、どのように考えているのか教えてもらいたい。
A 宗野地域振興課長
委員質問の比較はしたことがないが、これまでは移住者に対して補助をしてきた。今後は市町村への補助ということで、空き家を地域づくりに活用してもらうという視点で事業を進めていく。委員指摘のとおり、民民であるよりも、ということは理解できるが、貸し借りの中で責任問題等が出てくるので、そのあたりについては行政として入ることは難しく、そういった部分には宅地建物取引業協会等に入ってもらい、説明してもらうなどして取り組んでいるところである。
A 赤坂地域振興部長
基本的に県が空き家バンクを始めたのは、移住するところに不動産業者がないためであり、空き家がどこにあるのか案内し、空き家の中身まで画像で見ることができるような形で空き家バンクを作った。地域振興課長が申し上げたように、今後は宅地建物取引業界とも話をしながら、民間に入ってもらう部分についても検討していきたい。
●坂本委員長
◎質疑等終了宣告
◎閉会宣告
午後3時29分閉会


R8.9.17 企画部長・地域振興部長・企画課長・地域振興課長 説明要旨 (PDF形式 397キロバイト)