令和8年9月和歌山県議会農林水産委員会会議記録
令和8年9月和歌山県議会農林水産委員会会議記録
1 日時 令和8年9月24日(木)午前9時59分~午前11時23分
2 場所 第4委員会室
3 出席者 委員長 坂本佳隆
副委員長 山家敏宏
委員 玄素彰人、鈴木太雄、中西 徹、谷 洋一、旅田卓宗
欠席委員 なし
委員外議員 なし
4 概要
午前9時59分開会
●坂本委員長
◎開会宣告 挨拶
◎報告事項 委員の欠席なし
◎傍聴協議 なし
◎撮影許可 3件
◎議 事 継続審査を要する所管事務調査8件
◎農林水産部審査宣告
◎所管事務に対する説明要請
●坂本委員長
◎所管事務に対する一般質問宣告
要望 玄素委員
先ほど部長からうめの着果不良対策に関する研修会の報告があったが、田辺市とみなべ町で約3,000戸の農家がある。今回、積極的な320名が参加してくれたと思うが、残りの約9割の方にいかに参加してもらうかが大事だと思うので、そのことを念頭に置いて取り組んでもらいたい。
Q 玄素委員
うめの不作対策について、県議会としても改植支援事業に対する意見書を国へ出して財政的な要望をする予定である。6月定例会において果樹園芸課長から基本管理の徹底や改植が安定生産に重要との話があったが、県では改植支援について来年度予算にどう反映させていく予定なのか。
A 瀧果樹園芸課長
令和9年度は、従来の省力化や安定生産を図る取組等への支援に加え、老木樹の改植を促す施策を検討している。その際、連作障害対策やクビアカツヤカミキリ対策につながる抜根とともに、授粉樹の適正な混植割合での植栽も促したいと考えている。
また、物価高騰により改植に係る経費が増大しているため、支援の充実を国に働きかけていきたい。
要望 玄素委員
できる限りのことをしてもらいたい。
Q 玄素委員
クビアカツヤカミキリ対策は防除が中心となるようだが、薬剤散布に関しての方向性、予算確保について教えてほしい。
また、国は「クビアカツヤカミキリ防除戦略」において、被害状況に応じて市町村を4つの段階に区分するとのことだが、4つの段階とはどういうものなのか。
A 光定鳥獣害対策課長
これまで早期発見、早期防除を徹底すべく、被害樹の伐採等を支援してきたが、被害が拡大している。
今後は、従来の対策に加えて、薬剤散布についても支援を拡大したいと考えており、令和9年度については、国費の活用に加えて、県費を上乗せした予算要求を行っていく。
国に対しても、防除対策の重要性について何度も説明し、予算確保をお願いしてきたところである。また、環境生活部とも連携し、サクラも含めて一体的に防除対策を進めていく。
国の「クビアカツヤカミキリ防除戦略」では、4つの被害段階に応じた防除、つまり未被害地域は予防的防除、飛び地的被害地域は初期防除の徹底、被害最前線地域は分布拡大の防止、蔓延地域は生息密度の低減を図っていくことが示されている。
要望 玄素委員
クビアカツヤカミキリ対策について、現時点では防除を着実に進めることが基本となる。国の予算を確保すること以上に、県がどれだけ負担できるかが重要であるから、財政当局としっかりと協議してもらいたい。
Q 玄素委員
日高川町の山野地区と旧龍神村をつなぐ林道については、計画時から相当の期間が経過しているが、なかなか進んでいないように感じる。
当初、10年程度で完成すると聞いていたが、予算規模と現在の進捗状況について教えてほしい。
A 福田林業振興課長
林道日高中央線の予算規模については、全体計画事業費が約67億円となっている。本路線は令和6年度に事業着手し、令和7年度までに路線の全体計画調査及び測量設計に係る委託業務を約1億5000万円で実施しており、令和7年度末の進捗率は、事業費ベースで2.3%となっている。
令和22年度に総延長約21キロメートルの林道が完成する予定であり、事業着手から17年間を要する計画である。令和8年度からは工事に着手している。
県としては、本路線が林業の振興や災害時の輸送・避難路として重要な役割を担うものであると認識しており、計画期間内の完成に向け、必要な予算を確保するとともに、関係機関や地元の皆様と連携し、円滑かつ着実に整備を進めていく。
要望 玄素委員
計画どおり17年で完成すればよいが、令和7年度末の進捗率が2.3%と聞くと、計画どおり進むのか心配している。
本事業は、当初は補助金事業であったが、途中から交付金事業に移行したと承知している。現時点では必要額が確保されているとのことだが、引き続き予算の確保に努め、事業を円滑に進めるために、しっかり取り組んでもらいたい。
本県は県土の約8割を森林が占めている。林道整備は林業振興だけでなく、森林整備を通じたカーボンクレジットの創出にもつながる。森林資源を生かした脱炭素先進県を目指す観点からも、早期完成をお願いしたい。
Q 中西委員
海南市や有田市などが、世界農業遺産認定地域となったが、認定されたことにより、農家の収入が少しでも増えることを一番期待しているところである。
認定地域に対して優遇措置が設けられている国庫補助事業はあるのか。
A 植田里地里山振興室長
現在、認定地域に対し、国庫補助事業の採択時に優遇措置を設けられている事業には、農山漁村振興交付金のうち地域資源活用価値創出整備事業などがあり、具体的には、農林水産物加工・販売施設や地域間交流拠点等の施設整備が対象で、採択時の審査においてポイント加算措置がある。
Q 中西委員
県内の世界農業遺産や日本農業遺産に認定された地域で、優遇措置のある国庫補助事業を活用した事例はあるか。
A 植田里地里山振興室長
県内ではない。
Q 中西委員
認定地域である有田・下津地域では、これから基盤整備が大事になってくるという思いがある。
農家からは、認定地域に対して基盤整備をはじめとした補助事業はないのかと聞かれるが、世界農業遺産や日本農業遺産になったからといって、県や市においても優遇される補助事業はないということでよいか。
A 植田里地里山振興室長
そのとおりである。
Q 中西委員
私も世界農業遺産推進協議会の顧問となっている。協議会の取組としては、広報などがメインと理解しているが、県として認定による波及効果創出に向け、どのような施策を実施しているのか。
A 植田里地里山振興室長
世界農業遺産認定による波及効果として期待する交流人口の増加や地域内農産物の付加価値向上に向け、県としても、主な推進組織である有田・下津地域世界農業遺産推進協議会に参画し、関係する市町や団体と一緒になり地域内外で活動を展開しているところである。
また、当室より広報課や観光局等に働きかけ、広報誌への情報掲載をはじめマスメディアでの番組制作につなげているほか、認定地域への誘客に向け、参加型のイベントやモデルコースの情報発信などを実施している。また、世界農業遺産PRと併せた大都市圏での販売支援については、首都圏アンテナショップ「わかやま紀州館」や百貨店での販売促進のほか、大手食品メーカーによるコラボ商品開発などを展開している。
Q 中西委員
わかやま紀州館の経営状況について、令和6年度にリニューアルしたが、店舗の売上金額や客数はリニューアル前後でどうなっているのか。
また、お客様を呼び込むための工夫はどのようなことをされているのか。
A 大石食品流通課長
わかやま紀州館は、平成16年2月に開設し、今年の2月で22周年を迎えたところである。20周年のタイミングで大規模なリニューアルに踏み切り、紀州材をふんだんに使うとともに、みかんを想起させるビタミンカラーを活用するなど、大規模にリニューアルし、新たな機能としてイートインコーナーを設けるという非常に大きな改修を行った。
おかげさまで、リニューアル後の売上げは非常に好調に推移しており、令和7年度の売上げは、わかやま紀州館開設以降初めて、2億円を大きく上回る2億3557万5000円となった。
リニューアル前の最高売上額は、新型コロナウイルス感染症が蔓延する前、令和元年度の1億3300万円余りであるため、1億円ほど上積みができているという状況である。今年度の売上げも非常に好調に推移しており、既に1億円を超えているが、過去最高の売上げを記録した昨年度と比較し、4月から8月の対前年度比で約9%伸びている状況である。特に8月は、月間売上げが2474万6000円であり、わかやま紀州館開設以来、単月としては過去最高の売上げとなった。
また、お客様を呼び込むための仕掛けや工夫については、首都圏にはたくさんの店があるため、お客様を飽きさせないということが非常に大事であると考えている。和歌山県は4大果実を中心に、季節ごとに様々な産品があるため、今年であれば、6月のうめの時期に、紀州梅の会の真砂会長にもわかやま紀州館に来ていただき、青うめとうめ加工品の販売プロモーションを集中的に行った。さらに、7月には、包括連携協定を結んでいる石川県とアンテナショップを相互に盛り上げる取組を行った。
そのような取組をSNSに登録していただいている皆様方に折に触れて発信したり、イベント前に10%割引のクーポンを配布したりするなど、お客様の来店の動機となるような工夫にも努めているところである。
Q 中西委員
順調ということで喜んでいる。8月の売上げが過去最高となった要因はどのようなものなのか。
また、各事業者がわかやま紀州館で独自に販売促進をした場合の支援について伺う。
例えば、みかん農家がみかんを試食させ、その場で注文を受け、発送するというような販売促進をしたい場合、何らかの支援はできるのか。
A 大石食品流通課長
8月の月間売上げが過去最高となった要因は、1つではないと考えている。例年、8月は夏休みということもあり、普段来られないお客様や家族連れも来られ、売上げが大きく伸びる時期である。今年は特に猛暑ということもあり、梅干し関連の商品や、みかんゼリー、みかんジュースといった夏らしい商品が非常によく売れた。さらに、今年の特徴としては、贈答品や手土産需要が比較的旺盛であり、お土産に持っていく品目をわかやま紀州館で購入していただくシーンがたくさんあったと聞いている。
また、先ほどリニューアルの話の中でも触れたが、イートイン機能を持ったことが売上げの増加に非常に寄与していると分析している。例えば、家族連れのお客様が増えたという話に関連して、今年2月定例会の本委員会で「みかんジュースの飲み比べをしたらどうか」という御提案をいただきメニュー化したところ、夏休みにお子さんが来られてみかんジュースの飲み比べをし、「このみかんジュースが美味しい」ということで、720ミリリットルの比較的単価が高い商品を購入するという購買行動に直接つながっている。それがリニューアル効果として売上げが伸びている要因であると実感しているところである。
また、わかやま紀州館にみかん農家さんなどが来られて直送等を行いたい場合の支援については、わかやま紀州館は販売や売上げを通じて生産者の所得に貢献するという役割に加えて、首都圏における物産と観光のブランド情報の発信拠点という役割がある。
さらに、首都圏に事務所を構えて販売促進を行うことが難しい小規模事業者にとっては、テストマーケティングの場としての機能も非常に重要である。
また、多くの農家等に利用されているのが、わかやま紀州館を活用した店頭の販売促進PR活動であり、例えば週末の金・土・日曜日、店頭に立って旬のみかんを持ってきてスタンドパックで販売やPRを行う。その際に、お客様から5キログラムや10キログラムの箱で自宅に届けてほしいという要望があれば、事業者自身のECサイトや直販のリーフレットを渡し、「大量に購入される場合はこちらで直接買ってください」と案内する。このように、わかやま紀州館の店頭販売促進で新たに獲得した顧客を囲い込んでファンにするという取組の場所として活用いただいており、そのような支援を行っているところである。
意見 中西委員
引き続き頑張ってもらいたい。
Q 中西委員
国の令和7年度補正予算で措置された新規就農者チャレンジ事業について、県内の実施状況を教えてほしい。
A 庄司経営支援課長
新規就農者チャレンジ事業については、経営発展支援事業の対象とならない65歳未満の認定新規就農者が対象となっている。
本事業の活用に当たっては、幾つか要件があるが、農業機械や施設の導入・修繕等に取り組む場合、補助率が10分の3以内で、補助金の上限は個人では1500万円以内、法人では3000万円以内の支援内容となっている。
今年度の県内での実施状況は、橋本市でスピードスプレーヤーと乗用草刈り機を導入する計画で1件が採択されている。
Q 中西委員
橋本市で採択された事業者はみかん農家か。
A 庄司経営支援課長
かき農家で、令和7年3月に就農された方である。
Q 中西委員
わかやま農業経営塾の取組状況を教えてほしい。
A 庄司経営支援課長
わかやま農業経営塾は、地域農業を牽引する経営体を育成することを目的に平成30年度から開始し、今年度で9年目となり、これまで112名の方が卒塾されている。
この塾では、講座を全8回開催し、経営理念や労務、財務管理に加えて、篤農家の講義など農業経営に必要なことを学び、最後に5年後を目標とした自身の経営計画を作成する内容となっている。
受講対象者は、就農してからおおむね5年以上の方で、現在、経営の中心となっている方、又は今後、経営の中心となる方としており、今年度は16名が受講している。
加えて、県では卒塾後も普及指導員による相談対応や税理士などの専門家を派遣し、経営計画の達成に向けた支援を行っている。
Q 中西委員
農家から法人化の相談を受けることがあるが、塾では法人化に向けた講座があるのか。
A 庄司経営支援課長
法人化すれば経営者には経営管理能力が求められる。また、従業員を雇用する場合には労務管理が必要となるほか、就業規則など様々な事項を整備することが必要となるため、塾ではこうした内容を扱う講座を設けている。
卒塾後に法人化を目指す場合は、その農家の課題に対応した税理士や社会保険労務士などの専門家を派遣して支援している。
Q 鈴木委員
森林環境譲与税と紀の国森づくり税の活用方針及び活用状況について伺う。
A 福田林業振興課長
森林環境譲与税は、森林経営管理法の施行を踏まえ、地球温暖化防止や災害防止に向けた森林整備等の財源を安定的に確保するために創設された。
「森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律」では、その使途について、市町村は森林整備とその促進に係る施策に、県は市町村への支援その他森林整備の促進に関する施策に充てることとされている。
本県では、これらの規定に基づき、林業就業者の育成及び確保に関する施策や、市町村が森林整備を進めるための支援に取り組んでおり、令和元年度から令和7年度までの7年間に配分された約10億円のうち96%を活用している。
林業就業者の確保対策としては、都市部における林業体感セミナーや林業就業相談会等を開催し、令和7年度には52名の新規就業者を確保した。
また、林業就業前に最先端林業が学べる県農林大学校林業研修部において、森林三次元計測システムや油圧式集材機の導入を図っており、令和8年度は8名の研修生を受け入れている。
市町村支援としては、航空レーザ測量データの解析による高精度な森林資源情報を提供するとともに、その活用も含めた市町村職員の実務研修を実施し、令和7年度には約1,100ヘクタールの森林整備が行われた。
今後は、さらなる新規就業者の確保に努めるとともに、引き続き、市町村における森林整備が円滑に進むよう取り組んでいきたい。
A 佐野森林整備課長
紀の国森づくり基金活用事業については「紀の国森づくり基金条例」に基づき、森林を県民の財産として守り育て、次の世代に引き継いでいくことを目的として、森林環境の保全及び森林と共生する文化の創造に関する施策を進めている。
本事業は平成19年度から開始し、今年度で20年を迎え、現在、令和4年度から令和8年度にかけて第4期事業に取り組んでいる。
令和8年度においては森林環境の保全に2億9302万円、森林と共生する文化の創造に関する施策に1億9442万円、合計4億8744万円の予算を計上し、取り組んでいる。
これまで森林環境の保全に関する施策では、主に約1,200ヘクタールの公有林化を実施し、和歌山の貴重な自然生態系を持つ森林、いわゆる新紀州御留林の保全を、生育不良の人工林においては、約130ヘクタールの広葉樹林化を実施した。
また、森林と共生する文化の創造に関する施策では、主に小学生から大人まで約8万人を対象にした緑育・木育事業を実施するとともに、木の良さをPRするため、公共施設における木造木質化や木製ガードレールの設置事業を実施した。
今後も、県民の御理解と御協力をいただくとともに、議員の皆様の御指導をいただきながら、各事業を通じて、次代へつなぐ森林づくりや森林を守り育てる意識の醸成を図っていく。
要望 鈴木委員
それぞれが目的を持った税だが、一般の方々にとっては目的を明確にしているということが分りにくく、どちらの税を活用した事業なのかよく聞かれる。今回質問を行い、きっちりと区分けができていることを再認識した。
紀の国森づくり税については、前回の本委員会においても木製ガードレールの質問を行ったが、このような人目につきやすいものについては、紀の国森づくり税を活用した事業であるということをしっかりとPRしてもらいたい。
Q 鈴木委員
先日、水産試験場がアシアカエビの養殖に成功したと報道されていたが、改めて、水産試験場ではどのような目的を持って、現在何を研究しているのか。
A 島研究推進課長
水産試験場では、栽培漁業や養殖業に関する技術開発や、水産資源の持続的な利用のための調査研究等に取り組んでいる。
現在は、農林水産業競争力アップ技術開発事業において、6つの研究テーマに取り組んでいる。主なものを4つ挙げると、1つ目としては本県の重要な魚種であるカツオについて、浮魚礁に集まる量やサイズを事前に知りたいとの要望を受けて、浮魚礁における漁獲量予測システムの開発を行っている。2つ目として高単価で取引され、漁獲量の増大が望まれているシロアマダイの種苗生産技術を、3つ目は海水温の上昇等による磯焼けが進行していることから、コンブ科海藻による藻場造成技術の開発を、4つ目として、アユの餌の価格高騰を背景に、餌の低コスト化等に関する研究に取り組んでいる。
また、黒潮大蛇行の終息や温暖化の進行により、海況や魚種に変化が起こっていることから、調査船や人工衛星を活用した海況情報の解析や主要魚種の資源調査を実施し、得られた情報を漁業者に提供することで、効率的な漁業に役立ててもらっている。
Q 鈴木委員
現在、海水温の上昇が世界各地で起こっている状況であるが、先日長崎県の試験場を視察した際に、海水温上昇に伴った魚種の研究を行っているとの話を聞いた。本県においても海水温上昇に対応した魚種の研究を行っていく考えはあるか。
A 島研究推進課長
水産試験場のデータによると、1973年から2022年までの50年間で紀伊水道海域の水温はおおむね1度上昇しており、漁業とりわけ養殖業における高水温対策は重要な課題であると認識している。
このため、今年度から基礎研究において、新たな養殖魚の開発に着手しており、高水温対策に有望と考えられ、高値で取り扱われるフエダイの種苗生産技術の開発に取り組み始めたところである。また、農林水産業競争力アップ技術開発事業においては、沖縄などでも漁獲されるマガキガイや、前述のシロアマダイは高水温に比較的強いことから、これらの種苗生産技術の開発を実施している。
また、カキの養殖について、養殖事業者と連携して三倍体種苗や地元種苗を用いた高水温対策を含む実証試験を実施している。
Q 鈴木委員
養殖技術を研究しているというのはよく分かった。その中で、他県ではPRしなくても広く知られている魚の養殖技術を開発している。
例えばフエダイを買ってもらうには説明が要るのではないかと思うが、研究と販売というのは結びつかなければならない。その意味で、より広く知られている高単価な魚を研究対象にしてほしいと考えるが、いかがか。
A 島研究推進課長
フエダイは収益性が高く、漁業者にとって有益になると考え、取り組み始めたところである。
新魚種の開発を進める際には、そのようなことも視野に入れながら取り組んでいきたい。
意見 鈴木委員
ぜひよろしくお願いする。
Q 鈴木委員
海面環境がすごく変化してきている中で、その影響を受けないように陸上養殖を本県水産業の柱の1本にしていくという考え方で、現在県では取組を進めていると認識している。その中で、売れるものを生産するということが必要になってくると思うが、ビジネスとしての陸上養殖の全体像を県としてはどのように捉えているのか。
A 島村資源管理課長
本県では従来からかけ流しによるアユなどの陸上養殖が盛んに行われてきた。近年全国的に数が増加しているのは閉鎖循環式の養殖で、水温や水質などをコントロールでき、安定的な生産が期待される。その一方で高額な設備費やランニングコストがかかるため、各地域に応じた最適な魚種や、コストを下げることが可能な適地の選定に加え、高付加価値化や販路開拓が非常に重要であると考えている。新たな陸上養殖事業が開始された場合、地域へのプラスの効果としては、雇用の創出や、地元漁協からの餌、資材、氷などの購入、観光とタイアップした新しい特産品の開発などによる観光収入の増加などが想定される。県では今年度、適地等調査を実施しているところだが、陸上養殖が地域の発展につながるように市町村をはじめ地元関係者との連携を図り、企業と漁業者の協業も視野に入れながら、陸上養殖が本県水産業を支える柱の一つに成長するようしっかりと取り組んでいきたい。
意見 鈴木委員
しっかりと頑張ってもらいたい。
Q 鈴木委員
今夏において、富田川のような大きな川が瀬切れするということがあったが、内水面の水産業に影響はないのか。また、何か対策があれば教えてもらいたい。
A 島村資源管理課長
今年の梅雨明け後は雨が少なく、全国的にダムの貯水率低下がニュースに取り上げられるなどしていた。本県においても9月2日から9日まで渇水対策本部が設置されていたところである。瀬切れが発生していた富田川流域の栗栖川観測所の降水量は、直近5年平均と比べて、6月の梅雨時にはしっかりと雨が降っていて、平年を上回っていたが、7月は平年の50%、8月は32%と大きく下回る状況であった。瀬切れが生じていた時期は、釣り人は少なかったと聞いているが、9月に入ってからは、既に平年を上回る雨が降り、瀬切れは解消されている。釣果も次第に上向いてきたと聞いており、まだアユ釣りのシーズンは続くので、これからお客さんが入ることを期待している。また、今後は産卵期が始まって、親アユが川を下る時期になるが、10月に雨が多いと翌年のアユの遡上が多いという研究結果が水産試験場などで明らかにされていることから、今後も適度に雨が降り、アユの産卵がうまくいって、来年の遡上がよくなることを期待したい。
Q 鈴木委員
特に問題はないという認識でよいか。
A 島村資源管理課長
瀬切れの時期はアユ釣りのお客さんが少なく、漁協関係者に伺ったところ、感覚的には半分程度ということだった。ただアユ釣りのお客さんの数は、これからまだシーズンが続くのに加え、遊漁券を漁協の事務所だけではなく、釣り道具屋やおとり屋で委託販売していることもあり、最終の客数は年末ぐらいに集計すると聞いている。
Q 鈴木委員
アユの生態には影響ないか。
A 島村資源管理課長
夏に瀬切れが生じたが、現在解消されており、これから降雨も期待できるのでアユの生態には影響ないと考えている。
Q 旅田委員
南海フェリー撤退の方針が示された際、知事は記者会見で、本県への影響は小さいと言っていた。撤退した場合の農林水産物の物流への影響は調査しているのか。
A 三木農林水産振興課長
農林水産物に関しての調査はしていない。
Q 旅田委員
物流は京阪神が中心で影響は小さいかも知れないが、調査はすべきであり、それを踏まえて知事の行動が決まっていくと思うが、いかがか。
A 三木農林水産振興課長
四国と和歌山間でどのような農林水産物の流通があり、撤退後どのような影響があるのかについて研究していく。
Q 山家副委員長
7月、8月が少雨であった影響で、みかんの果実が小玉であったり、葉枯れが発生したりしているという話を聞くが、県ではみかんでの被害状況をどのように把握しているのか。
A 瀧果樹園芸課長
7月中旬から8月下旬にかけて降雨がほとんどなかったことから、かん水が十分でなかったみかん園地では、果実の肥大抑制、葉の黄化や落葉がみられるほか、一部園地で枝の枯死等の影響が出ている。
その後、9月上旬にまとまった降雨があったため、急激な果実肥大による裂果がみられる園地もあるが、果実の肥大は進み、樹勢も回復傾向にある。
このようなことから、現在出荷が始まっている極早生みかんについては、小玉傾向となっている。食味については良好である。
早生みかん以降については、今後の気象に左右されるため、生育状況を注視し、高品質果実の安定生産を推進していく。
要望 山家副委員長
早生みかん以降について、注視をお願いしたい。また、被害状況を踏まえた上で必要があれば、早期に対策を実施してほしい。
Q 山家副委員長
昨年10月9日に、農林水産委員会の県外調査で気仙沼市を訪問した際に、気仙沼地域のカツオ漁とカツオ文化は江戸時代初期の1675年に現在の和歌山県新宮市からカツオ溜め釣り漁やかつおぶし製造法が伝えられたことがきっかけであったことや、平成30年度に新宮市・気仙沼市で歴史・文化・産業交流都市協定を締結したこと、令和7年度には気仙沼市においてカツオ溜め釣り漁伝来350周年記念事業が行われるなど長い年月をかけて交流を継続していることなどを伺った。
そのような中、参加した委員からも、県に対して「新宮市と気仙沼市のつながりを強めて今後さらに推進すべきではないか」という意見があったが、その後の取組等があれば教えてほしい。
A 大石食品流通課長
新宮市と気仙沼市の間で350年にわたって続いている交流の取組を県として何か応援できないかということで、関係者に伺ったところ、首都圏などでスポットライトが当たるようなイベント等をお手伝いいただきたいというお話があった。気仙沼市がある宮城県のアンテナショップが、わかやま紀州館と同じ有楽町駅前の交通会館の地下フロアにあることから、アンテナショップ同士がコラボし、この取組に光を当てるようなイベントを提案したところ、非常にありがたいというお話をいただいたところである。
具体的には、来月10日に、わかやま紀州館と宮城県のアンテナショップ「宮城ふるさとプラザ」において、アンテナショップ同士のコラボイベントを開催する予定であり、宮城県側では気仙沼市によるカツオのプロモーションとして、カツオの試食販売が行われ、その際に使うポン酢は和歌山のポン酢を使っていただく。
一方、わかやま紀州館側ではイートインコーナーにおいて、新宮市の尾崎酒造の日本酒と気仙沼市の酒蔵のお酒によるその日限りの限定飲み比べセットを、カツオ関連商品のおつまみと合わせて販売するなど、両地域の取組に光が当たるような企画の準備を進めているところである。
昨年の県外視察がきっかけとなってこのようなPRをする機会を設けることができたので、県内30市町村の中にはほかにもこうした御縁を持っている取組があると思われる。そうしたところからも御要望があれば、わかやま紀州館をどんどん活用していただきたいと考えている。
要望 山家副委員長
せっかくなのでどんどん実施していただき、このような取組を継続しながら関係を深め、30市町村のつながりがあるところへ広げていただくことを要望する。
Q 坂本委員長
クビアカツヤカミキリについて、環境大臣と農林水産大臣を本部長とする対策本部ができたが、県庁の中での部局横断的な体制はどうなっているのか。
また、最近農作物の盗難事件をよく耳にする。私の地元でも、スモモ、モモ、ブドウなど、高価な農作物が盗難に遭うという事件が起こっている。
過去数年間、どのような被害があったのか、品目、被害額、被害地域など、分かれば教えてもらいたい。
また、盗難は経済的損失もさることながら、営農の意欲を失うことにもつながると思うが、どのような対策をしていくのか。
A 光定鳥獣害対策課長
サクラを含めたクビアカツヤカミキリ対策については、県内で被害が確認される前から、庁内で関係者が連携しながら情報共有を進めてきた。通報体制についても、サクラで発生したという情報は、環境部局と農林部局で適宜情報共有している。
農地での対策と同様に、サクラも十分な対策ができていなければいけないので、それぞれの立場でしっかり対策を実施するというのは、当初から変わっていない。
国に対して、農林水産省と環境省との連携を強く密にしていただくように要望してきた結果、対策本部ができたことで一歩前進したと思っている。
引き続き関係部局と連携しながら、対策については、危機感とスピード感を持って取り組んでいきたい。
A 瀧果樹園芸課長
農作物の盗難について、被害金額を集計したものはないが、過去の例として、梅干しのたるの盗難がみなべ町、田辺市を中心に発生したため、たるにシールを貼るなどの盗難防止対策や、現場では夜に倉庫を見回るなどの対策が取られている。
全国的にも農作物被害が発生しており、先日、農林水産省と警察庁の合同でリモートでの盗難対策説明会が開催されたことを受けて、県内の市町村やJAに注意喚起の通知を発出したところである。
要望 坂本委員長
農林水産省と警察庁が共同で啓発パンフレットを作ったことは承知しているが、啓発だけで実効性があるのか。地元のJA関係者と話した際、JA独自で防犯カメラの設置を補助しなくてはいけないと言っていた。県、市町村、警察、JAで、防犯カメラの設置を支援するなど、対策を考えてもらいたい。
●坂本委員長
◎所管事務に対する一般質問終了宣告
◎農林水産部審査終了宣告
◎継続審査を要する所管事務調査宣告 異議なし
◎県内外調査について、令和8年10月27日から10月29日までの日程で実施することを報告
◎閉会宣告
午前11時23分閉会

