令和8年6月和歌山県議会農林水産委員会会議記録


令和8年6月和歌山県議会農林水産委員会会議記録

 
 

1 日時  令和8年6月23日(火)午前9時59分~午前11時40分 

2 場所  第4委員会室

3 出席者 委員長   坂本佳隆

      副委員長  山家敏宏

      委員    玄素彰人、鈴木太雄、中西 徹、谷 洋一

      欠席委員  なし

      委員外議員 なし

4 概要

   午前9時59分開会
    ●坂本委員長
     ◎開会宣告 挨拶
     ◎報告事項 委員の欠席なし
     ◎傍聴協議 なし
     ◎撮影許可 3件
     ◎議  事 継続審査を要する所管事務調査8件
     ◎農林水産部審査宣告
     ◎所管事務に対する説明要請
    ●川尾農林水産部長説明
    ●坂本委員長
     ◎所管事務に対する一般質問宣告

 

Q 中西委員
 経営継承応援資金事業の実施状況について、説明してほしい。

 

A 庄司経営支援課長
 経営継承応援資金は、国の新規就農者支援の対象とならない親元就農者や50歳以上の新規就農者に対して、県独自に50万円を交付する事業であり令和6年度から実施している。
 令和6年度の実績は、11市町で26名となっており、令和7年度は先ほどの部長の説明のとおりである。
 県が毎年実施している新規就農者数の調査において、事業開始以降、毎年約70名の親元就業者を確保できていることから、本事業の効果が得られているものと考えている。
 今年度は、市町村に対する該当者調査を11月に予定しており、現在、市町村やJAと連携して広報誌や農業者が集まる機会を捉えて本事業の周知に取り組んでいる。

 

Q 中西委員
 本事業は担い手対策として重要だと思うが、本事業に応募したが採択されなかった事例はあるのか。

 

A 庄司経営支援課長
 国の経営開始資金の受給予定者や既に就農している方は、事業の対象者にはならない。

 

要望 中西委員
 採択されなかった事例があれば後で教えてほしい。

 

Q 中西委員
 農業経営基盤強化促進法に係る地域計画において、全市町村で計画を策定することになっているが、県内の策定状況を教えてほしい。

 

A 庄司経営支援課長
 令和8年3月末時点で農業経営基盤強化促進法に基づき基本構想を策定している県内の28市町において、合計132の地域計画が策定されている。
 本計画では、10年後に誰が農地を利用するかを一筆ごとに示した目標地図を作成することとしているが、農家の高齢化や地域の担い手不足などにより、10年後の担い手が位置づけられている農地は全体の約40%となっている。
 そのため県では地域計画の完成度を高めるため、定期的に市町を巡回して、現状や課題を把握するとともに、県内市町の取組事例を紹介してきたところであり、今後も、基盤整備の機運が高い地区や担い手が多い産地での話合いなどを進め、地域計画の完成度を高めていきたいと考えている。

 

要望 中西委員
 この農地を10年後に誰が利用しているかという計画を策定するのは、難しいと思う。農業の産出額は結構高いが、農業従事者が減少している。地域計画の策定も大事であるが、担い手がこれ以上規模拡大できない状況にあると思うので、本当に、第一次産業をどのように守っていくのかいろいろな施策を組み込みながら考えてほしい。

 

要望 谷委員
 これまでの農林水産委員会で取り上げてきた浮魚礁の整備と藻場造成については、引き続き進めてもらいたい。

 

Q 谷委員
 漁業の後継者問題は大変難しく、就業後に1か月、早い場合は二、三日で辞めてしまうこともある。最近、私の地元では新規に6人ほどが就業し、遊漁船業と漁業の兼業を行っている。このような複業経営の新規就業者への支援について、県としての考えを聞かせてほしい。

 

A 宮本水産振興課長
 漁村地域においては、漁業者の高齢化や後継者不足が進行しており、担い手確保は極めて重要な課題と認識している。
 遊漁船業は、海や漁村の地域資源を活用する海業の一つとして、直売、加工、体験等の取組とともに交流人口の拡大や新たな収入機会の確保につながると考えている。
 こうした海業の取組は、水揚げ収入に加え、多様な所得の確保や経営の安定に資することから、担い手確保にもつながりえるものと考えている。
 県としては、漁協等の関係機関と連携して、地域の実情や海面利用の調和にも配慮しながら、支援の在り方を検討していく。

 

Q 谷委員
 今、担い手確保に一生懸命取り組むべき時期にある。テレビ番組で海上ヒッチハイクというのを見た。番組内で地元特産品が紹介され、広く発信されることで漁村のPRになるし、遊漁船の客や観光客の増加につながると思う。テレビを利用するなどによる漁業や漁村の魅力発信に力を入れることで漁業者を増やすことにも取り組んでもらいたいが水産局長はいかがか。

 

A 垣内水産局長
 漁業者の減少は深刻な問題と捉えている。その中で、様々な収入と組み合わせて、漁業を守っていくことに取り組んでいるところである。
しかし、整理しなければならない課題もたくさんあるので、課題への対応も含めて検討していく。

 

意見 谷委員
 今までも苦労してきており、すぐにうまくいく問題ではないと思っている。しかし、今取り組まなければならない問題であると思っている。
 次回の委員会までにテレビ局の取材を受け、放送されるところまでいけていればうれしく思う。

 

Q 鈴木委員
 スマート農林水産業の推進について、ドローンが全国各地で活用されているが、本県の農業、林業、水産業におけるドローンの用途、導入状況、補助金の活用状況及び課題について聞かせてほしい。

 

A 瀧果樹園芸課長
 農業分野におけるドローンの主な用途としては、農薬散布、肥料散布が挙げられる。
 導入状況については、県や国の事業を活用し購入された累計台数は、昨年12月末時点での県調べで38台となっている。活用されている主な補助金としては、県単独事業の「次世代につなぐ果樹産地づくり事業」や「野菜花き産地強化事業」が挙げられる。また、昨年1年間の作業請負は、薬剤散布を中心に598件の利用があった。
 課題としては、ドローンの積載量がそれほど多くないため、効率的な農薬散布には、通常よりも高濃度で少量散布する必要があるが、高濃度散布が可能な農薬が少ないことが挙げられ、試験研究機関において登録拡大に向けた試験に取り組んでいるところである。また、作業請負を拡大するために、ドローンを操縦するパイロットの確保も必要と考えている。
 今後とも、ドローンによる農薬散布など省力化に資するスマート農業技術の導入を加速させていきたいと考えている。

 

A 福田林業振興課長
 林業におけるドローンの用途としては、林業用架線の索張り時の資材運搬、植栽地における苗木運搬や獣害防止ネットの見回りなどが挙げられる。
 県では、平成29年から研修会を開催するなど、普及に努めてきたところであり、導入台数は県調べで32台となっている。このうち、資材運搬に使用できる大型ドローンは7台あり、作業の安全性向上や省力化が図られている。
 課題としては、特に大型ドローンは購入費に加え、損害保険やバッテリー交換などの維持費が高額であることが、普及が進まない要因となっている。
 また、現在、導入を直接支援する制度が整っていないという課題もある。引き続き、導入のための補助制度の創設を国へ要望するとともに、研修会を実施するなど、現場への普及に取り組み、スマート林業技術の導入を加速していきたい。

 

A 島村資源管理課長
 水産業においては主に水中ドローンを活用した設備の点検や養殖生産物の状況確認などが用途として挙げられる。県内における導入事例としては3件把握しており、カキやマグロ養殖業者が、養殖設備の点検や育成状況の把握のために水中ドローンを導入している。その他、内水面漁連がカワウの追い払いにドローンを導入している。補助金の活用状況としては、カキ養殖業者が、県単事業の「スマート水産業推進事業」を活用し、内水面漁連は国の「内水面水産資源被害対策事業」を活用している。課題としては、導入コストが高いことや、水中ドローンの場合、潮流の影響を受けるため活用できる状況が限られているといったことが挙げられる。今後ともドローンを含めたスマート水産技術の導入を推進したいと考えている。

 

Q 鈴木委員
 農業、水産業は県単独事業などがある。林業については、以前はあったが現時点ではないとのことだが、これをどのように考えるか。

 

A 福田林業振興課長
 委員指摘のとおり以前は補助事業を行っていた。民間事業体において、林業架線の架設など、様々な現場で利用できる状況なので、ドローンの導入支援について検討していく。

 

要望 鈴木委員
 スマート農業・林業・水産業を進める上で、ドローンは、今後ますます必要になってくると感じているので、林業においても補助制度の創設についてよろしくお願いしたい。

 

Q 鈴木委員
 うめの安定生産が3年連続で問われる状況で、今年は花粉交配用ミツバチが足りなかったと聞いている。ミツバチはどのくらい足りなかったのか、そして安定生産にはどのくらいのミツバチの確保が望ましいのか、聞かせてほしい。

 

A 豊吉参事畜産課長事務取扱
 農業における花粉交配用ミツバチの確保状況について、西牟婁管内は必要数が供給されたと聞いているが、日高管内、特にみなべ町については、JAの要望数に対し約60%供給となったと聞いている。この理由としては、全国的な猛暑やダニ被害により蜂群の崩壊や弱体化がおこり必要な蜂群数が確保できなかったためであり、養蜂家からは、採蜜用の蜂群を減らして花粉交配用に提供したとも聞いている。
 なお、望ましい状況としては、県内の養蜂家において採蜜用の蜂群を減らすことなく花粉交配用に必要な蜂群が十分確保できる状況だと考えている。このため、ダニ対策や暑熱対策など、必要な対策について情報収集を行うとともに県内の養蜂家への指導に取り組んでいく。

 

意見 鈴木委員
 積極的に取り組んでもらえたらと思う。今年、ダニの影響でミツバチが不足したという話を多く伺ったので聞かせてもらった。

 

Q 鈴木委員
 今年の11月7日、8日に全国育樹祭が開催される予定であるが、田辺市の田鶴交差点から白浜方面の、とれとれ市場まで、県土整備部により木製ガードレールの工事が進められており、約3キロメートルの計画のうち、あと約1キロメートルが残っていると聞いている。
 育樹祭の際には、皇族や林業関係者を含め全国から多くの方が来県されることから、木製ガードレールは木材利用のPRとして重要である。
 11月までに間に合うように整備距離を延ばしてほしいと考えるが、木材利用を推進する立場から意見を聞かせてほしい。

 

A 佐野森林整備課長
 木製ガードレールについては、令和3年度より、県土整備部において「紀の国森づくり基金」等を活用し、県道南紀白浜空港線での設置を進めるとともに、積極的な木材PRを図っているところである。
 本年11月7日、8日には第49回全国育樹祭が開催される予定であり、当該県道は県内外から多くの利用者が見込まれることから、残る区間の整備について、県土整備部へ積極的に働きかけるとともに、引き続き木材PRを行っていく。

 

要望 鈴木委員
 ぜひ県土整備部と話を詰めてほしい。工期も短いので、可能な範囲になろうかと思うが、農林水産部も木材PRする立場であるから、しっかり対応してほしい。

 

Q 鈴木委員
 一般質問でも発言したが、JAや農家の人から、選果場などの共同作業場の統合などを考えていると聞いている。
その中で、国の手厚い上積み補助事業が、5年間限定で設けられたところであるが、この事業について、現時点でJAから要望があったのか聞きたい。

 

A 瀧果樹園芸課長
 JAわかやまの共同利用施設選果場整備等の計画については、相談ということで、担当者レベルで計画の中身等について意見交換、打合せを行っている。

 

Q 鈴木委員
 県内で5か所か6か所の整備計画、と聞いている。その相談というのは、要望ではなく、ただの相談なのか。

 

A 瀧果樹園芸課長
 現在、JAの各地域で施設の再編統合や合理化を検討されているところである。その内容について、各施設で、どの程度の事業費なのかや設備の機能規模等について順次協議を行っている。

 

Q 鈴木委員
 それを要望と捉えているのか、ということを聞きたい。5年間で、例えば6か所整備しようとしたときに、期間内に完了できるのかどうなのか、ここをはっきりさせたい。
 JAはやりたいということを、要望したと聞いている。正式な要望がどういう形なのかわからないが、農林水産部としては、要望と受け取っているのかどうか、話合いをしているという状況はわかったが、要望として受け取っているのか。

 

A 瀧果樹園芸課長
 現在、5年間、実質来年度から4年間になるが、その期間で多くの施設整備が検討されている。
 施設によっては、構想段階あるいは、そこに至っていないものもあるので、全体として要望を受けているかと問われると、正式な要望はいただいていない状況である。 

 

Q 鈴木委員
 それでは具体的に聞くが、来年度から田辺市内で、数十億円の共同作業所の整備に向けた、努力が続けられていると聞いている。
 この整備は、5年間限定の上乗せ補助事業の対象期間に入っているが整備に係る上乗せの補助事業について、具体的な要望はあったのか。

 

A 瀧果樹園芸課長
 田辺市内での選果場整備において、国の手厚い事業を要望しているかどうかということについては、国の事業要望調査が行われている中で、JAわかやまとして手が挙がっており、補助事業の申請を要望されていると考えている。

 

A 川尾農林水産部長
 今、担当課長が説明したとおり、いわゆる事業要望としては、事業主体であるJAからいただいていると聞いている。
 一方、委員質問の、今回、新たに創設された上乗せ補助事業に関する要望については、後日改めて要望をしたい旨の話は聞いているが、現時点でいわゆる要望書のようなものは届いていない。

 

Q 鈴木委員
 具体的な要望は届いていないとのことだが、事業要望には上乗せ補助事業も含まれていると思う。この点について、農林水産部として、どのように対応するつもりなのか。

 

A 川尾農林水産部長
 一般質問の知事答弁のとおりであるが、改めて農林水産部としての考えを申し上げる。JAが選果場整備をこの5年間で計画的に実施するということについて、我々もJAの共同利用施設の再編統合は避けては通れないと考えている。
 農家数も減少しており、今後も減少が見込まれる中で市場に対する優位性を確保しながら、ブランド商品作りや選果場での選果データを現場へフィードバックする等は必要不可欠であり、和歌山県の果樹産地を堅持していくためには、再編統合は避けられないと考えている。
 そういう意味でも、この5年間で選果場整備をしっかりと進めていきたい。そのためには、今回、新たに創設された国の補助事業を活用してまいりたい、と農林水産部としては考えている。

 

要望 鈴木委員
 期間が限られているので、部長が答弁したことを考えているのであれば、有利な国の期限付きの事業を活用しながら、しっかりそれに対応していくことを伝えればいいと思う。JAや農家も、そこを心配している。
 まずは、国の上乗せ補助事業の活用を強く要望する。また、「農林水産部としては」という、最後の言葉については、全庁にしっかり聞こえ理解されるような働きかけを行うことを要望する。

 

Q 玄素委員
 うめが大変な状況である中、持続可能なうめ産地をつくっていくために、行政の施策、農業者の思い、事業者の思いがうまくリンクしていく必要があると思っている。県として今後優先的に力を入れていく取組を順に3つ程度示してほしい。また、農業者や事業者に求めることも聞かせてほしい。

 

A 瀧果樹園芸課長
 安定生産には、適切な施肥や土づくり、授粉樹の混植等の基本管理の徹底が重要と考えていることから、県として今後重点的に取り組むべき対策の1つ目として、基本管理の重要性を再認識してもらう機会を作っていきたいと考えている。2つ目に、老木化により収量が不安定化している園地が多くみられることから、生産者に対し、老木樹の改植を促す施策に取り組みたいと考えている。3つ目は、気候変動に対応した品種の開発・探索も重要と考えている。
 生産者に対しては、先ほど述べた基本管理の徹底、老木樹の改植に加え、適期防除等による病害虫のまん延防止に努めてもらいたいと考えている。
 事業者に対しては、事業者側は安定したうめの供給を望んでいるので、例えば自家和合性品種の「NK14」等を積極的に使ってもらうことが安定生産や安定供給につながる取組の一つと考える。

 

Q 玄素委員
 事業者に「NK14」などの活用を求めていきたいというが、農家にも「南高」ブランドという意識があり抵抗もある。しかし、そこをやっていかないと持続可能なものにならない。事業者への対応は、商工振興課や企業振興課になるかもしれないが、果樹園芸課としてもきちんとやるつもりなのか聞かせてほしい。

 

A 瀧果樹園芸課長
 生産者と事業者が一体となった取組が必要だと思うので、果樹園芸課と商工の関係部署と連携しながら進めていきたい。

 

要望 玄素委員
 果樹園芸課から商工に働きかけるぐらいであってほしい。産地の持続的な発展を考えたらやらなければならないことだと思うので、大事なことだということをしっかり商工に示してほしい。

 

Q 玄素委員
 新聞で見たが、チュウゴクアミガサハゴロモという外来のチョウチョウみたいな害虫が増えてきて、被害が出ていると聞いている。この害虫の発生状況や防除方法、県の取組について、聞きたい。

 

A 光定鳥獣害対策課長
 チュウゴクアミガサハゴロモは中国原産の外来種であり、本県では令和2年に紀の川市のレモンで初めて成虫と産卵痕が確認された。その後分布が拡大し、令和7年には田辺市や上富田町のうめやカンキツ類でも確認されている。
 この虫は、樹木の枝で樹液を吸ったり、新梢などに産卵し、新梢を枯死させる場合があるが、果樹では経済的被害は認められていない。
 防除についても、通常の慣行防除で、十分防除可能である。こうしたことから県では、チュウゴクアミガサハゴロモについて、研修会等で生態や防除方法等について情報提供するとともに、本害虫はそれほど危険では無いことも周知していきたい。

 

Q 玄素委員
 チュウゴクアミガサハゴロモは、今までどおり防除していたら、問題ないとの認識で間違いないか。

 

A 光定鳥獣害対策課長
 そのとおりである。

 

Q 玄素委員
 温暖化により米をはじめ他の作物も高温への対応が進んでいる。特に九州では主食用米の高温耐性品種の割合が増えており、佐賀県69.9%、長崎県49.8%で、鹿児島県においては24.4%あり前年比4倍に拡大している。和歌山県は果樹が中心であり、米については主要産地ではないが、米の高温耐性品種の導入状況及び米以外の品目の高温耐性品種について、取組や研究状況を聞きたい。

 

A 瀧果樹園芸課長
 国の調査によると、全国で生産が2,000ヘクタール以上ある米の高温耐性品種は26品種あり、県では、このうち「きぬむすめ」、「にじのきらめき」、「にこまる」、「つや姫」の4品種を県の奨励品種に選定し、普及を進めている。
 近年、夏季の高温の影響で、登熟不良や未熟米の発生など品質低下の課題が見られ、令和6年頃から、これらの品種の作付面積が拡大しており、令和8年産の県内主食用米栽培面積に占める割合は、48%となっている。
 また、高温耐性品種ではないが、温暖化に対応した品種として、果樹では温州みかんで、秋季の温暖多雨による果実の浮き皮が少ない「きゅうき」、「植美」、「あおさん」の導入を進めている。

 

Q 玄素委員
 九州は独自に県で高温耐性品種を作っていると聞いているが、先ほどの4つの奨励品種は国が育成したもので県では作っていないという認識だが、それでよいか。
 また、温暖化は今後も続いていくため、高温耐性品種の研究をしなければならないと思う。うめの「NK14」、「星秀」は高温耐性品種ではないと理解をしたが、今後、高温耐性品種でこういうものを作っていく必要があるとイメージしているものがあれば、聞かせてほしい。

 

A 瀧果樹園芸課長
 本県で栽培されている米の奨励品種は、国が育成した品種が中心である。なお、「つや姫」は山形県で育成された品種である。

 

A 島研究推進課長
 高温耐性品種については、まず温州みかんでは、生産現場で浮き皮が発生しにくい「あおさん」という品種が見つかっており、この品種を利用して浮き皮の少ない新たな品種の育成に取り組んでいるところである。
 うめについては、最近「南高」が不作傾向になっているが、暖冬でも着果が優良な「南高」が現場で見つかっており、その選抜を進めている。その他、気候変動に強いうめの品種育成についての取組も行っている。

 

要望 玄素委員
 そのようなイメージを意識しながら取組を進めてもらいたい。

 

Q 玄素委員
 ガバメントハンターとして、北海道や長野県、鳥取県など、県がシカ、イノシシ、クマを捕獲する職員を雇用する試みを行っている。狩猟者の高齢化や減少が進んでいると思うが、県内の免許保有者の数などの現況と、ガバメントハンターについてどのように考えているのか聞かせてほしい。

 

A 光定鳥獣害対策課長
 令和6年度の県内の狩猟免許所持者数は、わな猟が2,763名で、10年前に比べて32%の増加である。一方で第一種銃猟免許所持者数は1,366名で、10年前から24%減少している。
 また、第一種銃猟免許所持者の年齢構成は、70歳以上が35%を占め、今後さらなる減少が懸念される。
 公務員が狩猟免許を持って捕獲活動を行う自治体職員については、県では配置していないが、市町村において配置しているところがある。
 いわゆるガバメントハンター制度については、令和7年度に北海道や東北などでクマの被害が多発し、自治体が狩猟者を雇用するための支援策を政府が打ち出したことから始まったと認識しており、捕獲者確保の観点では一定の評価をしている。今後、県での配置の必要性も含め、被害状況や他県の状況も注視しながら、関係部局と情報共有をしていく。
 一方で野生鳥獣により多額の農作物被害が発生している中、被害対応策とともに、狩猟者の確保は重要な課題であると認識している。狩猟免許取得のための支援や研修を継続していくとともに、狩猟活動を継続できるよう、引き続き支援を行っていきたい。

 

要望 玄素委員
 クマが出没しており、人に危害を加えるおそれもある。縦割りではなくプロジェクトチームで対応してもらいたいというのが、県民の皆さんの思いだろう。生活被害も、農作物被害も一体的に考えてもらいたい。

 

Q 玄素委員
 狩猟免許の試験の回数を増やすことで狩猟者が増えるのか。

 

A 光定鳥獣害対策課長
 試験の回数を増やすだけでなく、研修内容の充実を含め、狩猟者を確保できるような機会を多く設けるとともに、免許を取った方が狩猟に行けるようなサポートも考えていきたい。

 

要望 玄素委員
 時間もお金も制約がある。効果が上がることをしてもらいたい。これもあれも実施しているというのは聞こえはよいが、結果が出なければ、何もしていないことになるので、効果のある対応をお願いしたい。

 

Q 玄素委員
 わかやま紀州館について、今年リニューアル2周年を迎えたということであるが、今まで隣の富山県アンテナショップに売上げで倍程度の差をつけられていたと認識しており、何とかしなくてはとの思いでリニューアルしたと思うが、リニューアルから2年が経過し、どのくらいうまくいっているのか。客数や売上額の推移も含めて報告してほしい。

 

A 大石食品流通課長
 令和6年6月7日にリニューアルし、ちょうど2年が経過した。直近の令和7年度の店舗売上額については、2億3557万5000円で、わかやま紀州館を開設して22年になるが、初めて2億円の大台を大幅に突破することができた。    
 また、購買客数についても15万9150名とこれまでの過去最高の購買客数を30%程度上回る数字であり、おかげさまで売上げは好調に推移している。
 今年度についても、売上げは好調に推移しており、今のところ、4月、5月の過去最高であった対前年比で8%程度売上げが伸びている状況である。引き続き工夫を凝らしながら、多くのお客様に購入いただけるよう、またPRできるように取り組んでいく。
 
Q 玄素委員
 伸びていて良かったと思うが、一番の要因は何だと分析しているのか。

 

A 大石食品流通課長
 要因は1つではないと思うが、これまでになかったイートインコーナーを設置することができたことが、PRにおいても販売においても一番効果的であったのではないかと考えている。具体的に申し上げると、イートインコーナーにおいては、調理はできないが、季節の果物を使ったジェラートや梅酒・日本酒の飲み比べ、また2月の本委員会で要望されていたみかんジュースの飲み比べも5月からスタートした。例えばみかんジュースの場合、720ミリリットルの大瓶を購入する際、このみかんジュースが自分の好みに合うものかどうかためらうこともあろうかと思うが、飲み比べをしていただいて、自分が好きなタイプのジュースだということで購買につながっている。また日本酒や梅酒も同様の効果があるのではないかと考えており、これまでなかった機能をリニューアルで付加したことが販売を大きく伸ばす1つの大きな要因になっていると分析している。

 

Q 玄素委員
 それでもまだ富山県店舗には勝てていない。面積も同じだと思う。富山はます寿司が1番売れており、1,800円か2,000円するが1日で食べてしまう一方、梅干しは2,000円でも1日では食べきれないから、1日で勝負できるようなものを作ってはどうかというようなことを常に言っているので、お願いしたい。また、わかやま一番星アワードの制度ができ、最終100商品までセレクトするということで、わかやま紀州館にも商品が並ぶと思うが、担当課はどこかというと企業振興課だと言われるが、具体的にどのような連携をしているのか。

 

A 大石食品流通課長
 和歌山一番星アワードは、委員指摘のとおり制度の立てつけや商品の認定までは企業振興課の所管でスタートした制度である。これまで、プレミア和歌山という制度があったが、一番大きな違いは生鮮の農水産物については、認定商品の対象外となっていることである。また、和歌山一番星アワードでは、加工食品と産業製品が対象になっているが、企業振興課との連携の中で、特に食品分野については、認定後のPRや販売促進について協力依頼を受けており、情報交換を行いながら取り組んでいるところである。
 具体的な取組としては、今年の2月に初めて20商品が選定され、グランプリが決定した翌日の2月21日から3月末日まで、わかやま紀州館で集中的に販売プロモーションを実施したところである。また、今後予定している取組としては、来年3月に国内最大級の食品展示会である「FOODEX JAPAN 2027」において和歌山県ブースを出展するが、その中に一番星アワード認定商品の事業者に優先出展枠を設けることとしており企業振興課と連携しながら、販売促進の取組も進めていきたいと考えている。
 今後とも企業振興課とも緊密に連携をしながら、PRや販売促進に取り組んでいきたい。

 

意見 玄素委員
 富山県を抜けるように頑張ってもらいたい。

 

Q 玄素委員
 今年度から陸上養殖の可能性調査をやると聞いている。どのような調査を行い、その後どのような展開につなげていくのか、進捗状況とともに聞かせてほしい。

 

A 島村資源管理課長
 陸上養殖について、本年度は適地調査を予定している。新規参入を促進するため、陸上養殖に適した立地条件を整理し、候補地の選定に必要な基礎情報を収集するとともに地下水等の水質把握や、適した養殖対象生物の検討、想定される養殖規模の整理などを実施する。具体的には5月にプロポーザル審査会を行い、外部委託を行って現在進めている。その中身については、まず陸上養殖の適地の整理として、既存情報の整理、地質や地下水等の状況の把握や、聞き取りによる活用希望地の把握、希望地のインフラ条件の整理などを実施する予定としている。それと並行して、ボーリング調査によりどのような水質の水が出るのか、水量はどの程度かといったことも調査していく予定である。その後、それらの情報を整理し、参入を希望する企業向けのガイドマップを作成することとしている。現在、陸上養殖について、複数の企業や加工業者からの問合せがある。問合せ内容は、かなり具体的なものから、陸上養殖の制度的なものまで様々だが、関心は高いと認識している。

 

Q 玄素委員
 調査業務の委託先企業と委託金額はどうか。

 

A 島村資源管理課長
 委託先は「いであ株式会社」というコンサルタント事業者で、委託金額は2000万円の予算に対して1982万2000円となっている。

 

要望 玄素委員
 AIに聞くとフグのように高い単価のものを養殖すればよいと答えたし、実際に取り組んでいる事業者もあると聞いている。私も視察に行きたいと思っているので、後日また陸上養殖の詳しい状況を聞かせてほしい。

 

Q 玄素委員
 森林クレジットについて、今後の和歌山県の可能性を考えれば、非常に大きなチャンスだと思っている。
 一方で、これに係る森林整備は令和5年から県有林で実施されていると思うが、私の認識が正しければ、相当な費用も投じられているのだろうと思っている。
 多くの森林関係者に活用してもらうためには、「これは本当に良いものだ」と思ってもらえるイメージづくりが必要である。森林整備と同時に収益も得られるような形をつくることが大切だと考えている。
 県でも今、そのような取組にチャレンジされている。852トン-CO₂の売上げがいくらになったのか、また売れているのか、どの程度の価格で販売されたのか聞かせてほしい。
 また、県有林だけで終わりという話には当然ならないと思うが、今後どこまで広げていきたいのか、目標があれば聞かせてほしい。

 

A 佐野森林整備課長
 森林クレジットについては、4月22日に販売を開始して以降、これまでに3社から購入に関する問合せをもらっているが、現在のところ販売には至っていない。
 今回の森林クレジットの対象面積は96ヘクタールで、販売量は、発行済み852トン-CO₂のうち100トンである。
 販売が順調に進んだ場合は追加販売を行い、進まない場合は入札以外の販売方法等を検討するなど、円滑な販売に向けて取り組んでいく。
 なお、この結果をしっかりと県内の森林所有者等や林業事業体に普及し、この取組が進んでいくよう努める。

 

Q 玄素委員
 取引が成立していないということは、相手方の需要がないのか、あるいはこちらの販売価格が高いのか、何らかの原因があると思うが、どういう状況なのか。
 また、今回のJ-クレジットの認証に必要な県有林の整備にいくらかかったのか。1トンあたり4,000円から5,000円程度だというイメージを持っているが、仮に1トン当たりそれくらいで売れたとして、400万~500万円を得るためにどれだけの投資が必要なのか。
 現在売れていない状況がなぜ生じているのか、それを今後どのように改善していくのかも含めて聞かせてほしい。

 

A 佐野森林整備課長
 売れていない原因については、県が販売価格を公表していないこともあり、様子見をしているのではないかと考えている。
 販売方法等については今後も販売状況を見ながら検討していきたいと考えている。費用については、令和6年まで、森林整備に約570万円、調査費用に約500万円、合わせると約1000万円以上の費用を要しており、少しでも高く販売できるよう、販売価格や販売方法について検討していきたいと考えている。

 

要望 玄素委員
 県民や林業関係者の方々に森林クレジットを知ってもらうことは重要である。また、森林クレジットの制度を活用して森林整備をすることで、和歌山県の可能性がさらに広がるため、積極的に進めてほしい。

 

Q 玄素委員
 先ほど鈴木委員の選果場整備の補助事業に関する質問に対して、部長から事業はしっかりやっていきたいという答弁だったが、補助金を上乗せした事業をやっていきたいという理解でいいのか教えてほしい。

 

A 川尾農林水産部長
 今回、国が創設した補助事業は、鈴木委員にも答弁したとおり、5年間の期間限定であり、この機会に和歌山県の果樹産地も、再編整備をしっかりと進めることが何よりも大事だと思っているので、国の制度をしっかりと活用して、県の財政当局ともしっかり話合いをしながら、事業活用に向けて取り組んでいきたい。

 

要望 玄素委員
 しっかりという言葉に期待したい。よろしくお願いする。
 

    ●坂本委員長

     ◎所管事務に対する一般質問終了宣告

     ◎農林水産部審査終了宣告

     ◎継続審査を要する所管事務調査宣告 異議なし

     ◎県内外調査協議 正副委員長一任

     ◎閉会宣告

   午前11時40分閉会

 

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