令和7年9月和歌山県議会農林水産委員会会議記録
令和7年9月和歌山県議会農林水産委員会会議記録
1 日時 令和7年9月22日(月)午前10時0分~午前11時10分
2 場所 第4委員会室
3 出席者 委員長 山家敏宏
副委員長 三栖拓也
委員 森 礼子、秋月史成、岩永淳志 、谷 洋一
欠席委員 なし
委員外議員 なし
4 概要
午前10時0分開会
●山家委員長
◎開会宣告 挨拶
◎報告事項 委員の欠席なし
◎傍聴協議 なし
◎撮影許可 3件
◎議 事 議案なし
継続審査を要する所管事務調査8件
◎農林水産部審査宣告
◎所管事務に対する説明要請
●川尾農林水産部長説明
●山家委員長
◎所管事務に対する一般質問宣告
Q 岩永委員
暖冬などうめの不作の要因は続いていくと思うが、自分の樹で受粉できる自家和合性のある品種に対する県の取組の状況について聞き
たい。
A 島研究推進課長
うめ研究所では、うめの安定生産を目的に、「南高」を親に持ち自家和合性を有するオリジナル品種を育成し、平成21年に「NK14」、
令和3年に「星秀」を品種登録してきた。
「NK14」については豊産性ではあるものの小玉であるという欠点があり、「星秀」については黒星病に抵抗性があるものの果実が楕円
形であるという欠点がある。このため主に「南高」の授粉樹として植栽が進められている。
令和4年での栽培面積は「NK14」が110ヘクタール、「星秀」が4ヘクタールとなっている。
要望 岩永委員
「NK14」という名前がわかりにくいところがある中で、県で「姫南高」というすてきな名前を商標登録してもらったので、小玉である
などのデメリットもあるが、うまくバランスを取りながら、農家への導入に引き続き支援をお願いする。
Q 岩永委員
うめの販売の中で、いわゆる青うめだけではなく加工品もこれからしっかりと売っていかなければならない。オーストラリアでの梅酒
のプロモーションについて、どのような形で実施してきたのか。
A 大石食品流通課長
本県では、うめ農家の所得向上を目的に、令和2年9月に「和歌山梅酒」が地理的表示(GI)の登録を受けたことを契機に、令和3年
度から海外における和歌山梅酒のブランド化事業を開始し、オーストラリアでは令和5年度からプロモーションを継続して実施している
ところである。今年度はシドニー、メルボルン、ブリスベンの3都市でプロモーションを実施、県内から8事業者が出品し、うち3事業
者に現地へ渡航いただいた。
現地では、産地やうめの機能性を紹介しながら、バーテンダーに協力してもらい梅酒を使用したカクテルを提案するとともに、軽食と
のペアリング、商談会を実施したところである。現地の飲食関係者からは「甘すぎる」などの意見もあったが、多くは「食前酒に使って
みたい」や「カクテルの割材としてすぐにでも使いたい」などポジティブな意見が多く、改めてオーストラリア市場、海外での梅酒の可
能性を力強く感じたところである。
また、当該事業を通じて、事業者からは、「オーストラリアへの輸出ルートを確立することができた」、「現地のバーでメニューに採用さ
れた」、「販路拡大につながった」など具体的な成果について報告を受けている。
本県はうめの一大産地であり、かつ田辺・みなべ地区は梅酒の特区の指定を受けており、多くのうめ農家がオリジナリティあふれる梅
酒作りにチャレンジし、国内外の販路拡大に頑張っている。県としてもしっかり伴走支援を行い、農家の所得向上につなげていきたい。
要望 岩永委員
梅酒がプラムワインとして海外で人気が出てきているということを聞いたが、実際、うめ農家や課長の答弁を伺う中で、確信に変わって
きた。プロモーションで得たノウハウをぜひ農家にも広げていっていただきたい。今、みなべ町や田辺市でも梅酒を味わえる飲食店など
が増えてきており、海外で反応がよかったものを、みなべ町や田辺市、もしくは日高郡に還元していくような流れも今後作っていけたら
と思うので、引き続き、協力してもらいたい。
要望 岩永委員
わかやまスマート農業実践塾について、日高川町の農家が2年前に受講し、実践塾を受ける前と比べて、ミニトマトの単収が2倍に
なったそうである。実践塾に参加したことで経営状況が大きく変わり、地元で農業をしていける希望も持てたと言っていて、本当に素晴
らしい取組だと思うので、しっかりと続けてほしい。
Q 秋月委員
一次産業は日本にとって大切な産業であることは理解するが、他産業に比べて補助金が手厚いと感じる。
今後、自立した一次産業にするためにはどうすればいいのか、考えを伺いたい。
A 川尾農林水産部長
一次産業には二面性があると思っている。
まずは、人間が生きる上で必要不可欠な食糧を生産しているということ、特に戦後の食糧増産の時代において、国策としての経済復興
支援が農林水産業から始まり、補助施策で対応されてきたということである。また、森林の関係では国土の保全や水源の涵養、防災・
減災機能など、社会的な役割を担っているということである。さらに、例えばうめ産業のように地域経済の土台を担っていることに加え
て、地域の集落機能を維持する上で、生業としての一次産業が果たす役割が大きい。こうしたことから、例えば米の価格の抑制施策を
講じる一方で所得補償が検討されるなど、一次産業は、ある程度、支援する対象であると思う。
一方、産業として自立、自走しないと将来につながらないので、そのために、収益性の高い農林水産業の推進と併せて、後継者の確保・
育成に力を入れたい。
今後、産業としての面と社会的役割としての面の両面のバランスをとりながら、本県農林水産業の持続的発展に取り組んでいく。
要望 秋月委員
一次産業が自分の足で歩んでいけるような後押しをお願いする。
Q 秋月委員
本県の山には人工林がたくさんあるが、枝物は、サカキ、コウヤマキ、ビシャコなど、品質の高いものがある。
スギ、ヒノキの販売促進も大切だが、特用林産、特に、枝物の現状と今後について教えてほしい。
A 谷口林業振興課長
本県の枝物は、全国有数の生産量を誇っている。
本県における、ヒサカキを含むサカキの令和6年次の生産量は334トンで、国産におけるシェアは37%を占めており、全国1位となって
いる。
生産量は、高齢化などにより減少傾向になっているが、出荷に必要なくくり技術などの研修を行い、1束当たりの価格は、10年前の
平成26年度比117%の195円となり、山村地域の貴重な収入源となっている。
本県のサカキは、特に色つやが良く、日持ちすると評価されており、今後も、品質確保のための病害虫対策やくくり技術の向上に係る
研修会を引き続き開催するなど、サカキなどの枝物の生産振興に取り組んでいく。
要望 秋月委員
本県には、スギ、ヒノキの下層に特用林産、枝物があって、良質な宝の山なので、スギ、ヒノキだけでなく特用林産物の販路開拓も、
しっかり支援をお願いする。
Q 秋月委員
森林環境譲与税の市町村の活用状況について、十分活用している自治体もあるが、活用しきれていない市町村もある。
利活用が十分でない市町村に対して、県はどのように指導しているのか。
A 谷口林業振興課長
森林環境譲与税は、令和元年度から市町村や県に交付されているが、当初から市町村には、森林林業専門の職員がいないことから、そ
の活用に対して県職員OBの採用を提案したり、市町村職員の森林林業の実務研修を行ったり、さらに活用の具体的な提案をしたりと、
様々な市町村支援を行ってきたところである。
これにより、市町村における活用額は徐々に増加し、令和6年度では、約11億2000万円が活用されたところだが、一部の自治体では十
分に活用されていない状況である。
このことから、こうした自治体に対しては、より具体的な活用案を提示するとともに、首長をはじめ担当部長等への働きかけを強める
など森林環境譲与税の活用促進を図っていく。
要望 秋月委員
市町村は森林林業専門の職員がいないので、活用がうまくいっていないところもあると思うので、市町村への支援をよろしくお願いする。
Q 秋月委員
くしもと統合小学校(仮称)については、木造で建築される計画となっているが、数回の入札が不成立となり、その原因は様々であると
思うが、「木造は高い」という風評をどうやって払拭していくのか。
A 谷口林業振興課長
過去に、県で建設した低層建築物において、木造と非木造の建設コストの比較を行った結果、大きな差はないという結果を得ている。
その結果を受け、市町村にも情報共有を図るなど、「木造は高い」という風評が払拭されるよう働きかけている。
さらに、木造の建設コストを下げるため、一般流通材を利用した工法についての研修会を開催するとともに、和歌山県建築事務所協会
に委託し、市町村からの木造相談窓口を開設している。
いずれにしても、市町村の営繕担当の育成を所管する部局と連携し、「木造は高い」という風評を払拭できるよう木造建築の研修会や、
また、他府県の木造事例の調査などに積極的に取り組んでいく。
要望 秋月委員
市町村では、建築は土木に比べ、造詣の深い職員が少ないと思われる。また、首長も風評に流されやすい傾向にある。市町村でも県に
準じて木材利用方針を策定しているため、しっかりと風評を払拭し、木造建築物を増やせるようお願いする。
Q 秋月委員
白浜町日置川地域の上流には、高規格な林道将軍川線がある。しかしながら、高規格の道としてつながっておらず、もう少し整備すれば
つながると思うが、この将軍川線についての考え方について聞かせてほしい。
A 谷口林業振興課長
林道将軍川線は、県道路ネットワークの一部として、完了後は県道へ移管する予定で整備された道路である。
このため、林道規格ではなく、道路構造令の規格により、ふるさと林道緊急整備事業を活用し、平成6年度から着手したが、平成18年度
に仮設道により既設林道に接続する計画に見直し、平成19年度に事業を完了している。
委員指摘の件については、周辺道路の整備状況を勘案しながら、地域の要望に即した道路整備の在り方について、引き続き関係部局
及び関係町と協議を進めていく。
要望 秋月委員
この道路がつながれば、古座川町から内陸部を通って田辺市へ行けるようになる。
県道白浜久木線や日置川大塔線の改良も進んでおり、このネットワークがつながれば効果が大きいため、つながるようにお願いしたい。
Q 秋月委員
林業試験場についてかなり老朽化しているという印象を持っている。また、林業試験場、林業研修部は鉄筋コンクリート造りであること
に違和感がある。そこで、林業試験場の建て替えについての考えを聞かせてほしい。
A 島研究推進課長
林業試験場は昭和49年度に建てられ、約50年が経過している。ただ、平成22年度に耐震工事と併せて、外壁や屋上防水等の改修工事
を行っており、現在のところ林業試験場からも建て替え等の要望がないことから、当面は県施設の長寿命化方針に基づき、早めの修繕、
改修を行う予防保全により対応したいと考えている。
将来的には建て替える必要が生じると考えられるが、林業試験場より築年数の古い試験場もあることから、施設の老朽化の状況等を総
合的に勘案しながら、建て替えの時期について適切に判断したい。
また、建て替えの際には、和歌山県木材利用方針に基づき紀州材の活用を第一に考えていく。
要望 秋月委員
長寿命化という話だが、あそこで自分の子供が学びたいかと考えたときにやっぱり立派な施設で学びたいと思う。昭和49年に建てられ
たということでかなり古いことは事実であり、和歌山県の林業振興につながるということで再度検討をよろしくお願いする。
Q 秋月委員
来年秋頃に、全国育樹祭が白浜町や田辺市で開催されるということだが、現在の準備状況を教えてほしい。
A 西全国育樹祭推進室長
全国育樹祭の準備状況については、令和6年度に全国育樹祭和歌山県実行委員会を設立し、大会テーマなどを決定するとともに、開催
指針となる基本計画を策定した。
今年度においては、式典行事等に係る委託事業者の決定を行ったところで、今年度末までに実施計画を策定する予定である。
また、1年前キックオフイベントとして、11月29日に「国民参加の森林づくりシンポジウム」を県民文化会館で開催するよう準備を
進めている。
和歌山らしい素晴らしい大会であったと言ってもらえるよう、万全の準備を進めていく。
Q 秋月委員
「有田・下津地域の石積み階段園みかんシステム」が世界農業遺産に認定されたということで非常に喜ばしいことだと思っている。
「みなべ・田辺の梅システム」に引き続いて、和歌山県下では2件目となるが、うめ、みかんともに、日本でも既にトップブランドとし
て確立されていると思うが、さらに世界農業遺産の認定を活かし、どのようにステップアップしていく考えか。
A 植田里地里山振興室長
上山議員の一般質問に対する知事の答弁にもあったように、今回の認定を契機として、地元住民の地域への愛着や誇りの醸成はもちろ
んのこと、県産みかんの価値を広く国内外に発信する絶好の機会ととらえ、みかんや関連商品の付加価値向上及び関係人口の増加などに
つなげていきたい。
具体的には、大阪・関西万博でのPRをはじめ、首都圏アンテナショップでの認定記念イベントや有名百貨店でのフェア等を通じて国内
での販売促進を進めるとともに、海外においてもプロモーションを展開し、販路拡大に努めていく。あわせて、テレビ等のメディアへの
露出をはじめ、インターネットやSNSなど多様な媒体を活用し、世界農業遺産としての魅力を広く発信することで、県産みかんの認知度
やブランド力を更に高めるとともに、誘客にもつなげていきたい。
また、ブランド力の一助となるよう、本日、資料提供したロゴマークの活用を生産者や加工業者等にも積極的に推進していく。
加えて、年明けに予定している世界農業遺産認定記念式典の開催に向け、地元と一体となり準備を進める。
要望 秋月委員
ここまで、かなり苦労されたと思う。
達成感もあるとは思うが、ここからが私は本番かなと思っているのでしっかりPR等に力を入れ、進めてもらいたい。
Q 秋月委員
私は富田川や日置川を眺めながら生まれ育ったが、小さい頃は川の風景を見たときに、夏、秋頃になるとアユ掛けをしている人が多
かったというのが記憶の中でうっすらと残っている。最近、そういうアユ掛けをしている人が富田川や日置川でもだいぶ減ってきている
ように思う。これは観光政策にも非常に大事になってくると考える。日置川などに行くと、アユ掛けに行く人のための民宿もあるので、
県として豊富なアユ漁になるための政策というか、取組があれば教えてほしい。
A 島村資源管理課長
アユの友釣りの遊漁者は長期的に減少傾向にあり、県内においては、近年、年間約1万人前後で、20年前と比較すると、半数程度に減
少している。遊漁者増への取組については、内水面漁連や内水面漁協が中心となって行われている。アユの友釣りはなかなか難しい釣り
であり、1人で始めるのは難しいところがあるため、アユの友釣り教室や釣り道具の無料貸出しなどを行っている。
加えて、県内全ての内水面漁協で18歳未満のアユの友釣り遊漁料を無料にしたり、一部の漁協では女性の遊漁料を半額にするなど、
新規の加入を促すための取組が実施されている。
県としては、内水面漁連等が実施するこれらの取組に協力するとともに、根本となる資源量増大対策に取り組んでいる。水産試験場に
おいて、アユの資源量予測等に関する研究を長年続けているほか、稚魚の放流、産卵場造成、カワウ対策といった、漁協が行う増殖事業
の支援を行っている。
要望 秋月委員
私の小さい頃とかなり様子が変わってきたというイメージを持っている。放流とかいろいろな政策を打たれていると思うが、私も富田
川や日置川の河川整備について、治水の面で頑張っているが、自然環境の保護についても考えていかなければならないと思っている。
内水面漁業の振興にも努めたいと思うので、いろいろ知恵を貸してほしい。
Q 森委員
「わかやま布引だいこん」の地理的表示保護制度(GI)の登録から5年目ぐらいになると思うが、生産者の声として、登録後、販路拡
大につながることを期待していたが厳しく、頑張っているものの、なかなか知名度が上がってこない。この制度の知名度自体が世界遺産
等に比べ低い。「ここ布引だから生産できた」という素晴らしい産地であるということをもっと広めていただきたい。当時、県総合情報
誌「和-nagomi-」に掲載されたと記憶している。あら川の桃、金山寺味噌、布引だいこん、梅酒、それらの特集をするなど、支援をお願
いしたい。
A 大石食品流通課長
GIは、特定の地域でその気候や風土といったものと密接に関連した農産物や加工品をきちんと登録・保護をして販売につなげていくこ
とを目的として作られた制度である。委員指摘のとおり、平成29年8月に「紀州金山寺味噌」、令和3年5月に「わかやま布引だいこん」、
令和5年7月に「あら川の桃」が登録を受けている。制度自体は平成27年6月に施行された法律に基づき行われている。販売促進につい
ていろいろな施策を持っている中で、布引だいこんについては少し難しいところがある。例えば梅酒等であれば、消費期限がない品目の
ため、海外への輸出に向いている一方、重量野菜については、輸送コストがかかり、単価に跳ね返ってしまう。そういう輸出に向いてい
ない重量野菜のようなものは、海外においても近郊で取れるものを使うことがトレンドであり、競争にも勝てないため、国内で、布引だ
いこんの特性を活かしたプロモーション等により、農家所得を上げていくというやり方がマッチしているのではないかと考えている。
国内向けの販売促進については、紀州館でのプロモーションや各種商談会等、農家がチャレンジできる各ステージを用意しているため、
御相談いただければ、一緒に販売促進を頑張りたい。
要望 森委員
農家によると、ミシュランガイド掲載店で提供されるとまた頑張りたいという声もあり、まずは東京や首都圏でも発行されている
「和-nagomi-」でGI登録商品の特集をしてもらいたい。
Q 谷委員
加太漁協からの請願が取り下げられたということは解決できたということだと思うが、結果について説明してほしい。
A 島村資源管理課長
請願の件について、和歌山海区漁業調整委員会指示が発出され、加太漁協の共同漁業権区域における小型底びき網漁業の操業が
禁止されたことで、令和7年8月27日に加太漁協から請願取下げの申出書の提出があり、9月9日の本会議において、取下げの許可が
採決されたところである。
現状としては、重複区域において、6月の本委員会での報告以降も、底びき網漁業の操業は確認されておらず、トラブルの発生はない。
また、現在、両漁協にはそれぞれの漁協の意見を反映した協定書の案を示しており、漁協内で協議されているところである。
県としては、海区漁業調整委員会指示の有効期限である令和8年1月末までに協定が締結されるよう、引き続き調整を行う。
要望 谷委員
この件について、本当に水産局資源管理課を筆頭にいろいろやっていただき、特に海区漁業調整委員会が一生懸命やっていただいた結果
だと思う。ここまで来たが、最後の協定書というところで、今のところは守られているけれども、協定書がなかったらということのよう
にも聞こえたので、最後まできちっとしてあげてほしい。もう、何十年も前からいろいろな話があった地域であり、本当にいろいろ苦労
されてきたと思うので、引き続き海区漁業調整委員会の皆さんによく検討していただいて、きちっとした協定書ができるようにお願いし
たい。
Q 谷委員
畜産試験場の施設整備の概要について説明してほしい。
A 島研究推進課長
畜産試験場の施設整備については平成30年度から行っており、哺育牛舎や各豚舎の改修、本館の新築等を進め、ようやく本年の4月
に外構工事が完了して、すべての工事を終えたところである。
新しくなったことにより、これまで以上の頭数の牛や豚を飼育できるようになり、優良な受精卵や育成子牛を配布する環境が整った。
長年期間を要したが、新しい施設を活かして牛や豚の安定生産につなげていきたいと考えている。
要望 谷委員
建て替え、改修については他の試験場も、すぐにはいかないと思うが、計画的にやってもらいたい。
Q 谷委員
畜産試験場における県産ブランド和牛の研究の取組状況について教えてほしい。
A 島研究推進課長
県産ブランド和牛については、委員承知のとおり、ビタミンを多く含む食品加工副産物を餌の原料として適度に霜降りを抑えた「紀州
和華牛」と霜降りが多い高品質な牛肉生産を目指してきた「熊野牛」の2種類のブランドがある。
畜産試験場では、「紀州和華牛」についてはその特徴であるきめの細かさや口どけの良さを科学的に明らかにしており、現在は生産者
に対してエサの原料となる食品加工副産物の利用方法について助言を行っているところである。
「熊野牛」については、昨年度からおいしさの指標となる脂肪質に関する遺伝情報に基づいた給与飼料の改良により脂肪の口どけを
向上させる研究に取り組んでいる。さらに子牛の育成マニュアルの改正にも取り組んでいるところである。
これらの取組により、食味の良い県産ブランド和牛の安定的な生産につなげていきたいと考えている。
要望 谷委員
既に研究を行っているとのことではあるが、おいしい「熊野牛」、「紀州和華牛」等を作って、和歌山県のいろいろな牛が名物となるよ
う、研究をより進めてもらいたい。
●山家委員長
◎所管事務に対する一般質問終了宣告
◎農林水産部審査終了宣告
◎継続審査を要する所管事務調査宣告 異議なし(件名表のとおり)
◎県内外調査について、令和7年10月8日から10月10日までの日程で実施することを報告
◎閉会宣告
午前11時10分閉会