令和7年9月和歌山県議会経済警察委員会会議記録
令和7年9月和歌山県議会経済警察委員会会議記録
1 日時 令和7年9月22日(月)午前9時57分~午前11時0分
2 場所 第3委員会室
3 出席者 委員長 鈴木德久
副委員長 長坂隆司
委員 井出益弘、尾崎要二、中本浩精、山下直也、岩井弘次
欠席委員 なし
委員外議員 なし
4 概要
午前9時57分開会
●鈴木委員長
◎開会宣告 挨拶
◎報告事項 委員の欠席なし
◎傍聴協議 なし
◎撮影許可 3件
◎議 事 議案4件、継続審査を要する所管事務調査9件
◎審査順序宣告 公安委員会、地域振興部、商工労働部・労働委員会の順に審査
◎公安委員会審査宣告
◎議案等に対する説明要請
●野本警察本部長、坂本警務部長、林刑事部長、山口会計課長説明
●鈴木委員長
◎議案等に対する質疑及び一般質問宣告
Q 岩井委員
今年の夏は特に暑く、神奈川県警が空調ファン付きベストを導入したという報道を見た。
特に現場、地域で動かれている警察官や機動隊の警察官の方に、暑さ対策として空調ファン付きベストを導入することについて、現状、
県警察ではどのように考えているのか。
A 矢野警務課長
空調ファン付きベストについては、本県警察においても導入に向けて検討しているところである。
まず、県警察の暑熱対策の取組については、熱中症に対する知識向上に向けた指導教養を図りつつ、警察署においては、暑さ指数測定
器、クーラーボックス、ウォーターサーバー、ネックリングを配付して有効活用している。
加えて、冷感持続性、速乾性があるポロシャツ型夏制服の導入に向けた試行を現在、白浜警察署で実施中である。空調ファン付きベス
トについては、暑熱対策に非常に有効と考えている。
本県においても、導入した県警察から効果や安全性を確認しながら、警察官が快適で職務に専念できる環境構築のため、前向きに検討
していきたい。
要望 岩井委員
特に警察官は、防刃ベストや防具などかなり重い装備で守られていると思う。
先ほどの報告にもあったが、脚立が駐車車両に当たったというのは、ひょっとすれば暑くて頭がぼーっとしていたのかもしれないし、
注意すれば防げたことである。暑さ対策は、しっかりと、今答弁してもらったとおり、早急に前向きに取り組んでもらいたい。
Q 山下委員
一般質問でも少し触れた予算のことについて確認したい。
昨今の物価高騰が続く中、ガソリン価格が高騰を続けているが、パトロールや緊急出動等、県下の治安維持のために燃料費は当然必
要な経費である。
そのような中、警察車両を何台保有しているか把握していないが、大量の車両を保有する県警察が、燃料費予算の逼迫を意識するあ
まり、治安の維持に必要な活動を制限しなければならなくなっているのではないかと心配している。いつも言うことだが必要な予算は
取り、引き続き県民の生命と財産を守るという崇高な仕事を続けていってほしい。予算の確保状況はどうか。
A 山口会計課長
県警察では、本年8月末現在、約1100台の車両を保有している。
その燃料費は電気代とともに義務的な経費として県から容認されており、捜査活動や犯罪を抑止するための警ら活動等、警察活動に
制限がかかることはない。
近年の年間給油量も、90万リットル前後で、大きな変動なく推移しており、必要な燃料費は十分確保されている。
要望 山下委員
ガソリンのみにとどまらず、各種警察活動に必要な予算を確保した上でしっかりと活動を続けることが、県下の犯罪率減少につなが
ると考えている。引き続き、必要な予算は確保できるよう努めてもらいたい。
要望 尾崎委員
有田・下津地域の石積み階段園みかんシステムが8月26日に世界農業遺産に認定されたことで、ミカン農家の気運が高まり、農業に
対して前向きで明るい雰囲気が感じられる。
世界遺産に認定された農業は、階段システムであり、スプリンクラーを活用して、できるだけ消毒作業にかかる負担を省力化する必
要がある。一番大変なのが夏の消毒で、スプリンクラーを使わずに消毒しようと思うと、長靴を履いてかっぱを着て作業しなければな
らない。
自動化を進める中で、スプリンクラーを設置するミカン農家も増えてきているが、一方で、スプリンクラーのヘッドの盗難被害が続
発している。
スプリンクラーのヘッドは、1個当たり1万円から2万円程度の価値があり、聞いたところによると、50万円分くらいの被害に遭って
いる農家もあるという。
下津の各地域や有田市などのミカンの産地で被害が続いていることから、既に海南警察署にはこの件について伝えており、有田湯浅
警察署にも情報は共有されていると思うが、世界農業遺産認定という明るいニュースに水を差された感じがある。警察本部を挙げて、
犯人の検挙に全力を尽くしてもらいたい。
Q 長坂副委員長
自分も時々気を付けないといけないなと思うことであるが、特に信号がない横断歩道で、横断する人の中には左右の確認もあまりな
いままに、横断歩道だからということで、スルスルと渡ろうとする歩行者が特に多いなと見受けられる。信号のあるなしに関わらず、
横断歩道での自動車、二輪車の一時停止、そして歩行者への注意喚起ということで、さらに呼びかけてほしいと思うがいかがか。
A 髙水交通企画課長
昨年、JAFが行った信号機のない横断歩道で横断者がいる場合の車両停止率に関する調査の結果、本県は36.2%であった。前年の結果
30.1%と比較して改善したが、いまだ全国平均53.0%より低調である。
県警察では、サイン+サンクス運動を推進して歩行者保護の気運を高める取組を行うとともに、運転者に対する対策として「事業所
等における交通安全教育や各種広報啓発」「横断歩行者妨害等に対する指導取締り」、歩行者に対する対策として、「歩行者自らの安全を
守るための行動を促す交通安全教育」等を実施しており、引き続き、横断歩道における安全対策を進めていく。
●鈴木委員長
◎議案等に対する質疑及び一般質問終了宣告
◎議案に対する採決宣告
◎議案第126号については、全会一致で原案可決
◎公安委員会審査終了宣告
◎休憩宣告
午前10時25分休憩
午前10時29分再開
●鈴木委員長
◎再開宣告
◎地域振興部審査宣告
◎議案等に対する説明要請
●赤坂地域振興部長説明
●鈴木委員長
◎議案等に対する質疑及び一般質問宣告
Q 中本委員
岸本前知事が進めていた振興局の機能強化について、令和6年度から取り組んでいると認識している。現在の状況はどうか。
A 宗野地域振興課長
人口減少や少子高齢化が深刻化する中、地域課題の多様化、複雑化が予想されることから、現場に近い振興局が市町村と一緒になって
地域特性に応じた持続可能な地域づくりを推進するため、令和6年度から振興局の機能強化を進めているところである。
まず、人員面においては、各振興局地域づくり部に1名増員している。
また、各市町村に地域おこし協力隊が導入されているところではあるが、各振興局にも県採用の地域おこし協力隊を配置し、従来の市
町村単独の地域支援活動に加えて、広域的な観点から各エリアの課題に対処し、機動的にきめ細かい地域の取組を伴走支援することで、
振興局の地域支援の機能強化に取り組んでいるところである。
次に、予算については、振興局が地域振興の拠点となるよう、地域の資源や特色を生かした個性豊かで活力ある地域づくりを進める市
町村や民間団体等を支援する事業や、振興局が主体となり地域独自の課題解決を図る事業、地域のにぎわいづくりに必要な施設の整備
を支援する事業等を実施するため、今年度は約1億3700万円予算措置したところである。
振興局からは、振興局が主体となって地域のことを考え行動することで、市町村や地域の住民との関係性が向上し、信頼感が増したと
いう話を聞いている。また、地域で活躍しているキーパーソンと会うことや、地域の方から感謝されることが、職員のモチベーションに
もつながっているという報告を受けているところである。
Q 中本委員
人員や財政状況が厳しい中でも、振興局の機能強化をしていることは良いことだと考える。
医療や地域づくりに特化して施策を実施していると思うが、人口減少や少子高齢化といった課題がある中で、将来的には建設等、様々な
分野で大変になると思う。県としてどのように考えているか。
A 宗野地域振興課長
医療や建設といった日常生活に不可欠なサービス機能の確保については、市町村単独では難しい問題も多くある。
地域に密着した振興局の機能を生かしながら、広域的な取組を推進していく必要があると考えている。現在策定を進めている和歌山県
長期総合計画の原案にも盛り込んでいるところである。
今後、ますます人口減少や少子高齢化が進むと予測される中で、簡単には解決できない問題も多くあるが、市町村と連携し、地域住民
とも話合いを重ねながら、住んでよかったと思えるような地域づくりに取り組んでいきたいと考えている。
要望 中本委員
まずは各市町の課題を吸い上げることから始まると思う。前岸本知事の思いである振興局の機能強化を引き続き実施してもらいたい。
Q 長坂副委員長
訪日客の地方への誘客として、自然を楽しむ観光が脚光を浴びている。観光庁の調査では、長期滞在の富裕層には「日本の歴史・伝統
文化体験」や「四季の体感」が人気だという。本県についての体験型観光「コト消費」だが、最近ではどのようなコト消費が特に人気が
あるのか。それに関わるガイド役についても事足りているのか。
A 和田観光交流課長
本県においては、日頃より、海外現地の旅行会社へのセールスや県内視察、いわゆるFAMトリップで来られた際に、いろいろと情報収
集を行っている。その中で、例えば「高野山奥の院のナイトツアー」「熊野古道のトレッキング」「マグロの競りツアーや解体体験」など
が、非常に人気があると聞いている。これらの体験メニューについては英語対応が可能なガイドが常時ついており、熊野古道トレッキン
グにおいては、フランス語や中国語にも対応可能である。
要望 長坂副委員長
和歌山にはいろいろと自然があると思うので、もっと探してもらって、引き続きコト消費につなげてほしい。
●鈴木委員長
◎議案等に対する質疑及び一般質問終了宣告
◎議案に対する採決宣告
◎議案第120号及び議案第125号については、全会一致で原案可決
◎地域振興部審査終了宣告
◎休憩宣告
午前10時43分休憩
午前10時45分再開
●鈴木委員長
◎再開宣告
◎商工労働部・労働委員会審査宣告
◎議案等に対する説明要請
●中場商工労働部長、岡商工企画課長兼償還指導室長及び上野労働委員会事務局長説明
●鈴木委員長
◎議案等に対する質疑及び一般質問宣告
Q 長坂副委員長
ビジネスの成長と社会貢献を両立させるゼブラ企業が全国で存在感を高めているそうである。人口減少が進んだ地域を中心に、地域課
題の解決に取り組むゼブラ企業が台頭していると7月の日経新聞で読んだ。利益確保と社会課題の解決という目的の両立からゼブラと称
されるそうであるが、6月に閣議決定した経済財政運営と改革の基本方針には地域の社会課題解決の担い手となるローカルゼブラ企業
の育成に向けて、社会的インパクト強化を資金調達につなげる環境整備を進めると盛り込まれている。
都道府県別に人口10万人当たりで比較すると、鹿児島県が27.9社で最も多く、その次に宮崎県が27.4社、和歌山県が27.0社になってい
るが、和歌山県でどのような企業が当てはまるのか教えてほしい。
A 岡野企業振興課長
ローカルゼブラ企業については、2024年度に中小企業庁において定義されたものであり、和歌山県においても、人口減少や高齢化など
の課題が他県に先んじて進んでいる中で、2025年度からローカルゼブラ企業創出に係る事業を実施している。具体的な事業内容として
は、先進事例の共有やネットワークの構築、事業成長に向けた伴走支援を行っており、これまで120者に参加いただいている。
例えば、土砂災害による人的被害をゼロにすることを目的に掲げ、林業と個人・企業をつなげるプロダクト・サービスを提供する事業
者、子供が発熱した場合などに家庭に赴いて保育する訪問型病児保育を行う事業者などがある。この他、資金面においても、和歌山地域
課題解決型企業支援補助金により、地域課題を切り口とした創業に対して補助上限2分の1、最大200万円の補助を行っており、令和元
年度以降、200者以上に支援を行っている。
要望 長坂副委員長
面白い事業だと思う。起業を引き出すという意味もあると思うので、これからも取り組んでほしい。
Q 中本委員
あやの台北部用地の現状と2期工事の状況はどうか。
A 真田企業立地課長
あやの台北部用地については、昨年7月に造成工事が完了し、昨年12月から分譲を開始しているところである。15区画のうち、9区画
で申し込みがあり、そのうち2区画で引渡しが済んでいる状況である。
2期工事の今後の開発については、橋本市と県で協議中であるが、できるだけ民間活力を活用した形で進めていきたいと考えている。
●鈴木委員長
◎議案等に対する質疑及び一般質問終了宣告
◎議案に対する採決宣告
◎議案第129号については、全会一致で原案可決
◎商工労働部・労働委員会審査終了宣告
◎継続審査を要する所管事務調査宣告 異議なし(件名表のとおり)
◎県内外調査について、令和7年11月11日から11月13日までの日程で実施することを報告
◎閉会宣告
午前11時0分閉会