令和7年9月和歌山県議会文教委員会会議記録


令和7年9月和歌山県議会文教委員会会議記録

 

1 日時   令和7年9月22日(月)午前10時1分~午前10時30分

2 場所   第6委員会室

3 出席者  委員長   小川浩樹

       副委員長  高田英亮

       委員    藤山将材、山田正彦、坂本 登、藤本眞利子 、小西政宏

       欠席委員  なし

       委員外議員 なし

4 概要

   午前10時1分開会
    ●小川委員長
     ◎開会宣告 挨拶
     ◎報告事項 委員の欠席なし
     ◎傍聴協議 2件    
     ◎撮影許可 3件
     ◎議  事 議案1件、継続審査を要する所管事務調査6件
     ◎教育委員会審査宣告
     ◎議案等に対する説明要請
    ●今西教育長説明
    ●小川委員長
     ◎議案に対する質疑及び一般質問宣告

 

  Q 藤本委員
   近年、教育と福祉の連携を言われているが、進捗はどうなっているのか、現状を聞きたい。

  A 西川生涯学習課長
   教育と福祉の連携の進捗状況だが、支援の届きにくい家庭においては、子供たちだけでなく、その家庭も含めて丸ごとサポートをする必

  要がある。教育だけでなく、福祉の支援も必要だと考え、2022年度から教育委員会、福祉保健部、共生社会推進部の関係課の中堅職員

  が中心になり、お互いの専門分野を生かしつつ、一体となって、よりよい支援を行うための検討、本音の語り合いを続けてきた。
   その中で、福祉の支援制度は、医療、高齢介護サービス、障害福祉サービス、子育て支援と、支援も相談先も多種多様であり、また、福

  祉の支援は特別なものという、少しハードルを感じることもあり、特に子供の一番身近な教員の福祉制度への理解や関心が少ないという

  課題が見えてきた。
   そこで、昨年度から市町村と県立学校の二つの現場へ出向き、福祉的支援の理解と、学校と福祉の関係性を深められるような接点づく

  りの取組を実施している。
   まず、市町村では、小中学校の先生とその地域の福祉関係者が互いの気づきや気になることについて、すぐ相談できるような関係づく

  りを進められるように、事例検討を通じた気づきの視点を広げる研修会を、昨年8月御坊市、11月に那智勝浦町で開催した。今年度は11

  月下旬に日高町で実施予定である。
   この研修会では、学校と福祉と家庭の間をつなぐ関係づくりの仲介役として、大きな役割を果たせる訪問型家庭教育支援チームの活動

  も紹介している。
   訪問型家庭教育支援チームは、子育て経験者や元教員、PTA、民生委員、児童委員、保健師、スクールソーシャルワーカーなど、地域の

  学校と行政の子育てに関する経験や専門知識を持った関係者が一体となって、家庭訪問等により、保護者の相談に乗ったり、必要な情報

  を提供しながら、家庭教育を支援する活動をしている。
  県では、教育と福祉の連携を、地域で実働する仕組みを広げたいと考えており、まだチームがない市町村には、チームの立ち上げを働きか

  け、チームのある市町村にはよりよい連携が深まるような機会になるように、この研修会を生かして、市町村の取組を支援していきたい

  と考えている。
   またもう一つ、県立高校においては、教員の福祉的理解を深めると同時に、生徒に対しても、卒業後、社会に出たときに安心して生活を

  送ることができるよう、在学中に福祉を知り、つながる大切さを知る出前授業を3月に初めて有田中央高校で行った。学校によって生徒の

  状況やニーズは違うため、校長や教員と意見交換をして、学校のニーズを踏まえた上で授業の内容を考案し、教育委員会と福祉担当者が

  チームを組んで出前授業を行った。
   さらに、学校の先生方には、より詳しく福祉の知識や子供たちを福祉につなげる方法を伝えるために、今年7月に管理職になる世代の

  教員対象の学校経営セミナーにおいて、福祉についてのプログラムを実施した。今後予定されている採用6年目の教員対象の研修会で

  も、同様のプログラムを実施予定である。

  Q 藤本委員
   私はすごくいい取組だと思う。
   福祉の現場では、虐待の問題や、気になる子供たちを早期に支援するという目的で、生まれた赤ちゃんの全戸訪問をしているような市

  町村もあり、全戸訪問しながら、ちょっと気になる保護者や、少し見守っていかないといけないところには、きちんとその後の見守りを

  行っている市町村もある。その関係が、学校へ入った途端に途切れて、今までずっとその子のことを見守ってきた、支援してきた福祉の

  保健師の見守りが途切れてしまう。
   そういう意味で、本当にこの取組は、広めてほしいし、しっかりと取り組んでもらい、子供一人一人の育ちを、生まれたときから高校を

  出るまで、一貫して支援できるような取組ができれば、今、すごく増えている不登校や親の虐待などを早期に発見できるのではないか、

  支援につなげられるのではないかと思っている。
   この家庭教育支援チームは、どんな形で実施されているのかということを、もう少し詳しく聞きたい。

  A 西川生涯学習課長
   家庭教育支援チームは、地域における子育て経験者や、元教員の方、PTAの方、民生委員・児童委員の方、保健師の方などいろいろな方

  がチームになっている。一つは訪問型ということで、例えば情報誌を作って配付するという形で、まず訪問して保護者の方と関係性を

  つくって、何かあったときに、ちょっとしたことでも相談につなげられるような関係づくりを続けている。また、子育て講座を実施して、

  保護者の方に来てもらい、いろいろなことを教え合ったり、そこでも相談を受けられるように関係づくりをしたり、工夫を凝らしながら、

  訪問だけでなく居場所づくりということも行っている。

  Q 藤本委員
   今、どの市町村にチームがあるのか。

  A 西川生涯学習課長
   文部科学省の補助事業を使って実施している市町村は12ある。また、単独で子育て講座を実施している市町村もいくつかある。

  Q 藤本委員
   何人ぐらいのチームになるのか。チームはいくつあるのか。

  A 西川生涯学習課長
   チームの編成については、今、手元に詳しい情報がないので具体的な人数を伝えることはできないが、各市町村で、関係している職種や

  構成も様々で大体10人から20人ぐらいの市町村が多い。その中で何人かが訪問に行ったり、何人かが役割分担して講座を実施したりとい

  う形で取り組んでいる。

  Q 藤本委員
   家庭教育支援チームが行く家庭には、学校と連絡を取り合いながら行っているのか。

  A 西川生涯学習課長
   家庭訪問については、学校に情報共有して回ってくれている市町村もある。

  Q 藤本委員
   具体的には、また委員会の後に説明をしてもらえればよい。突然家に行って、全ての家庭に様子を伺うということは難しい。やはりそれ

  なりのつながりが必要だと思う。また、せっかくの教育・学校と福祉をつなぐということなので、もう少し学校との連携も必要だと思う。

  今までにない動きだと思うので、もう少し研究して、いろいろなところで活用してもらえるようにつなげてほしい。
   家庭教育支援に関わってくれる人は、どんな立場になるのか。

  A 西川生涯学習課長
   ある市町村では、家庭教育支援員として市町村から委嘱を受けて、支援員として活動している。訪問する方々を、市町村の家庭教育の支

  援チームのメンバーであると伝えながら訪問していると聞いている。

  要望 藤本委員
   誰か分からないことには、家の話もできない、子供の話もできないということになるので、その辺りも気をつけながら、取組を進めても

  らいたい。

  Q 山田委員
   一般論の話だが、今日の教育長の説明でも酒気帯び運転で教員停職6月とある。和歌山県ではテレビをにぎわすニュースを最近では耳

  にしていないが、教職員の、耳を塞ぎたくなるような不祥事が発生している。教育長の説明で、全ての教職員に使命感、責任感、倫理観を育

  てているとあるにもかかわらず、なぜこのような現象が起こるのか。教育委員会として、反省する立場はとっているのか。先生はある意味

  では特別な職だが、あまりにも軽率な事件、事故が多すぎる。この前からは特に、20代の先生がテレビで騒がれている。教員採用時の面接

  では、例えば心理学を勉強した人が面接しているのか、一般の人が面接するのか。結果だけを批判し、対応するだけではなく、原因を追及

  し、一歩踏み込んだ対応を和歌山県はしているのか。

  A 今西教育長
   今、教員採用試験の面接は指導主事等がしているが、なかなかそういう性犯罪につながる危険性のある人物を見抜くことは難しい。大

  学の精神科には、その回答から危険性の有無を判断することを得意としている先生がいるので、面接の質問を作ってもらうことをお願いで

  きないかと考えている。

  Q 山田委員
   一般市民は先生の不祥事となると、一般の職員の不祥事と比較して、ショックは2倍にも3倍にもなる。その際、原因を追及せずに結果

  だけに気をつけるのでは足りないのではないか。一般論だが、今の若い先生の、教師という職に対する認識が甘いというか、覚悟がないの

  ではないか。また、一般職ではないという認識をもって先生を選んでいるのか。あまり安心して任せられないような現象に、私自身もいく

  つかの心当たりがある。やはり面接を大事にしてもらいたい。先生になろうというのだから、賢い方が受験しているのだろうが、その一歩

  先の心理的な面を見るのが大変大事なことだと思う。酒気帯び運転もいいことではないが、それ以上の重大な事件・事故が多すぎるので、

  和歌山県として、もっと厳格に、心理面のことも含めて対応するよう特にお願いする。

  A 今西教育長
   今回の一般質問でも答弁したが、教育公務員は大切な子供たちに接するので、その人権感覚を磨くため人権教育をしっかりしていきた

  い。

 

    ●小川委員長
     ◎議案に対する質疑及び一般質問終了宣告
     ◎議案に対する採決宣告
     ◎議案第120号は、全会一致で原案可決
     ◎教育委員会審査終了宣告
     ◎継続審査を要する所管事務調査宣告 異議なし(件名表のとおり)
     ◎県内外調査について、令和7年10月6日から8日までの日程で実施することを報告
     ◎閉会宣告
   午前10時30分閉会
 

 

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