平成11年12月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(木下秀男議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 二十三番木下秀男君。
  〔木下秀男君、登壇〕(拍手)
○木下秀男君 議長のお許しをいただきましたので、質問に入ります。
 まず、きょうという日は、五十八年前の昭和十六年十二月八日、太平洋戦争が勃発した記念する日であります。また、あと二十三日たてばミレニアムの年二〇〇〇年を迎える、一九九九年最後の議会であります。この記念すべき日に和歌山県議会議政壇上に立てたことは、私の無上の喜びとするところであります。この機会を与えていただきました議員同僚の皆さんに感謝を申し上げます。
 今議会開会日の冒頭に、西口知事から第二期県政への就任のごあいさつがありました。二十世紀から二十一世紀への大きな転換期に当たって、県民の先頭に立って新しい時代の扉を開き、希望に満ちた和歌山をつくると力強く宣言されました。緊急の課題、新しい課題、見直しや継続してやっていかなければならない課題等々について取り組む決意を表明されました。厳しい経済情勢と激変する社会の中で困難なことが多々あると思いますが、あなたなら必ずなし遂げるものと意を強くしたところであります。
 以下、数項目にわたって、知事並びに各部局長にお伺いいたします。
 まず、梅の生育不良問題についてであります。
 この十二月議会は、西口知事の第二期県政のスタートの議会でもあり、非常に重要な意味を持つものと考えております。知事は四年前に、第一期県政を推進するに当たって、この梅の生育不良問題について、最重要課題として早期解決に全力を挙げて取り組む決意を示されたことは記憶に新しいところであります。そして知事は、その決意どおり第一期県政の四年間、懸命に努力し、汗もかかれたことは十分承知いたしております。これまでの農業問題とは違い、迅速に対応され、問題解決に当たり、全国から専門家を集めて和歌山県うめ対策研究会を組織して、県の試験研究機関と一体となって取り組まれるとともに、国の指定試験として初めて専門家の派遣を受けるなど、その努力は高く評価するものであります。また農業予算を見ましても、梅生育不良を最重要課題としてとらえ、県単独施策を初め、集中的に予算投資をされるなど、努力の跡をはっきりと見てとれるのであります。この間の知事の努力に対し衷心より敬意を表するとともに、大いに評価をいたしたいと思うものであります。
 しかしながら、知事を初め県当局の懸命の努力にもかかわらず、いまだ原因究明に至っていないのもまた事実であります。このことは、それだけ梅の生育不良の現状には厳しいものがあるということであります。
 最近の生育不良の発生状況を見てみますと、地域を選ばず拡大を続けており、新規開畑地を初め、優良園と見られていた園地においても見受けられるようになっております。今月一日に開会した県議会のうめ部会に報告された生育不良発生状況を見てみますと、県下栽培面積の一一・八%、面積にして五百二十六ヘクタール、被害木十五万七千八百本と被害額が急増している現状であります。農家の方々の心情に思いをいたすとき、一日も早い解決が望まれていることは論をまたないところであります。
 私も、県議会議員としてこの生育不良問題と長くかかわってきており、その経験と体験から、生育不良は一つの要因だけではなく、多くの要因が複雑に重なり合って発生しているのではないかと考えるものであります。この問題は、ある面では長期戦になることも覚悟しなければならないと思います。当然、短期的には、これまでの成果を踏まえ、現地での実証を初め、日々の試験研究の積み重ねが大事であることは申し上げるまでもないことではありますが、一方、長期的な視点からの取り組みもより一層重要になるのではないかと考えるものであります。
 私が以前からこの本会議場において梅の専門試験研究機関の設置を強く訴えてきたことは、知事もご承知いただいていることと思います。この問題は簡単なものではありません。梅栽培そのものを原点に立ち返って見直し、生理生態面を初め、一から再構築していく覚悟がなければこの問題は解決しないと思います。全国に冠たる紀州の梅産地にふさわしい専門の試験研究機関を新たに設置し、全国の梅産地をリードしていく使命が和歌山県にあると思いますが、いかかでございましょうか。
 第二期県政のスタートに当たり、知事として、政治家として決断する時期であると考えますが、知事のご所見をお伺い申し上げます。
 続いて、農産物原産地表示の法制化についてであります。
 梅の生育不良による十六万本余の梅立ち枯れで、その原因究明と対策に頭を痛めているところへ、紀州南高梅等と偽って表示した商品が市場に出回り、本場の紀州梅のブランドが脅かされ、加工販売業者が圧迫されております。これは、和歌山県漬物協同組合連合会に未加盟業者が約百二十社あるそうでございますが、この一部がコスト低減を図るために中国産の塩漬け梅を輸入し、加工、販売を始めたものと言われております。このような出来事は、昭和五十年ごろから安値の台湾産梅が大量に輸入され、紀州産梅が圧迫され、ピンチに立たされたことがあり、以後、生産の市町村、農協、加工業者が一体となって原産国表示の法制義務化を国に働きかけを続けてきたところであります。
 最近は、輸入先が台湾産から中国福建省産に変わり、平成十年度の輸入量は台湾産約五千八百トン、中国福建省産は約三万トンで、日本の生産量の三五%が輸入梅で市場を圧迫しているのが実態であります。加工食品の原産地表示は、加工した国名を表示することがルールとなっております。外国産を輸入し、和歌山県内で加工して販売元が和歌山県内であれば国内加工になるため、所在地となる加工業者のモラルに頼るしかないのが実情であります。
 しかし最近、消費者、生産者のニーズを踏まえ、食品等の表示、規格制度の見直しをするべく、農林水産省に加工食品原料原産地表示検討委員会なるものが組織されまして、梅澤昌太郎日本大学教授を座長として十名の委員で構成され、現在、見直し検討されているそうであります。梅干し、ラッキョウ漬けは今年度中に、他の加工品目は二〇〇一年三月までに意見集約する予定と聞いております。農協、生産地の自治体、議会、加工協同組合等から県当局に陳情や要望書が多く出されておると思います。
 農林水産部長に、この件に関しての今日までの取り組みの経過と、間近と言われる今月中の取り組みについてお伺いいたします。
 次に、行財政改革についてであります。
 今年早々、一月四日付で「和歌山県行政改革大綱 「ゆとりと充実 輝く和歌山新時代」を目指して」という書面を拝受いたしました。しかし、四月の統一選挙に向かって多忙のために詳しく読む機会もなく、大事にとっておきまして、九月議会終了後に何回も読み直しました。新しい世紀を迎えるに当たって、将来のあるべき姿、社会と人間にゆとりと充実を目指して、微に入り細にわたって検討され、新しい時代を目指す方向づけをされた大綱であります。三部九項目にまとめてあり、いずれも実現させなければならないことばかりであります。
 新世紀の幕あけを目前に控え、我が国が経験したことのない少子高齢化社会を迎えました。経済不況、金融不安で多くの失業者を抱える中で、国際化、情報化が急激に進み、国内外にリストラが世界的規模で行われ、まさに激変の時代であります。このような時代の転換期に対応するため行政改革に取り組むことは、当を得たと思うものであります。
 そこで、次の三点についてお伺い申し上げます。
 行政改革を推進し、財政健全化に取り組むために、去る八月に財政運営プログラムを作成し、発表されたところでありますが、その後の取り組み状況についてお伺いいたします。
 二点目に、「組織機構の見直し」の項に、女性委員の登用を西暦二〇〇〇年までに三〇%とすることを目標とする、また附属機関以外の審議会も同様として行うとなってございますが、これも同じように目的が達成されているのかどうか、その後どう取り組むのか、お伺いいたします。
 三点目は、「外郭団体の見直し」となっておりますが、この項については特に年月日の定めは設けてございませんけれども、設立の目的、活動の実態機能の見直しを行い、経営の効率化、活性化に努めるとなっております。この項は、早急に取り組むべきことと思います。
 ここで一例を申し上げますと、先ほども質問にありましたが、和歌山県土地開発公社と企業局の土地造成事業は重箱事業であります。開発公社の加太の土取り跡地を「虫取り広場」と言い、企業局が現在造成中の日高港湾を「釣り堀港湾」とやゆするようなことがあるそうでございます。かような汚名を払拭するように関係者の一層の努力を期待するものであります。特に企業局にあっては、造成地がふえ、その宅地が売れず、借入金も百七十億円近くになっている現状から見直しの時期にあると思うのでありますが、この件については企業局長の見解を求めます。
 以上、三点について答弁を求めるものであります。
 続いて、県内のコンクリート構造物は安全であるかということであります。
 日本の住宅が木造から鉄筋、鉄骨を使ったセメントの家に変わりつつあります。一九六〇年(昭和三十五年)ごろから、住宅政策や経済の発展、建築技術の向上によって、高層ビル化してセメントの家屋やビルが急激にふえてまいりました。ちょうどそのころから高速道路の建設が始まりました。新幹線も建設が始まりました。大都市では地下鉄の工事も始まりました。地方の公共施設や教育施設も、ほとんどがセメントの家になりました。
 このコンクリート構造物には耐用年数がありまして、大蔵省令第十五号で鉄筋、鉄骨コンクリートづくりは六十年から六十五年、橋梁は五十年と定められています。鉄道の在来線で六十年、新幹線で七十年、本四連絡橋で百年と設定してございます。
 一九九五年(平成七年)一月十七日、阪神大震災が起こりました。私は、その年の二月中旬にお見舞金を持って兵庫県庁を訪問いたしました。震災直後のため船で神戸まで行き、車がないため徒歩で市内の被害を見ながら、半日かけて兵庫県庁に参りました。岸壁が瓦解し、ビルが傾いたり、民家が倒壊したりで、コンクリート建築物の弱さをじかに感じたものであります。直径二十ミリほどの鉄筋の柱もくの字に曲がり、十階建てのビルが傾いたり、ビルとビルがもたれ合ったものもありました。もちろん、高架、高速道路は倒壊し、地震の大きかったことを実感したものであります。
 ことしは、トルコと台湾で大地震がありました。いずれも、倒壊したビルの瓦れきの下敷きとなった人々の救出のニュースが連日放映されました。今、台湾では日本が統治中に建築した木造住宅が地震に強いことに感心し、検証に入っていることのニュースも流れております。
 一方日本では、JR西日本を中心に各地でコンクリート塊の落下物の報道が連日あります。また今月五日には、北海道室蘭線でコンクリート塊の落下物に列車が乗り上げ脱線したというテレビのニュースもありました。JR西日本を中心に技術者が原因究明に取り組んでおりますけれども、手抜き工事、不良骨材と海砂の使用、鉄筋、鉄骨の溶接の技術が未熟なことが原因とされています。
 和歌山県にも中高層の公営住宅やマンション、高速自動車道、公共道、トンネル、JR、港湾、漁港等、コンクリートの構造物が非常にふえております。テレビのこれら連日の報道に不安を感じているのは私一人ではないと思います。東京大学名誉教授でコンクリート工学の日本の権威者と言われております小林一輔先生が、ことし五月「コンクリートが危ない」という本を出されておりますけれども、その中に和歌山県下の高速道路の高架橋に溶解状態の欠陥があると指摘されております。
 以上申し上げたことについて県はどのように対処をしてきたのか、安全か、欠陥の有無について土木部長の答弁を求めます。
 最後に、道路交通体系の整備についてでありますが、私が議会に出たころと現在とを比べてみますと、道路整備は格段の違いが見られます。砂ぼこりをかぶりながら選挙カーで走った道も舗装され、農道や林道も各地に新設開通して、知事の提唱する県内主要都市二時間圏内、市町村六十分目標達成は着々と進んでおります。行政の努力と金の力をまざまざと感じているところでありますが、新しく国道に昇格した路線で急がなければならない箇所が数多く見受けられます。
 主として私の選挙区内でありますが、まず国道四百二十四号線の海南から金屋に抜けるトンネル計画、金屋町修理川から宇井苔間のバイパス計画、美山村に入って美山村野々古口のバイパス計画、龍神村福井から切目辻を経て南部川村軽井川間と清川─滝間の改良計画、国道四百二十五号線の龍神村福井から北野間の二橋二トンネル──この間にかかる福井橋はまんじ型に急激に曲がっており、大型観光バスの通行は非常に困難であります。また、通称小家谷坂と申しますが、小家谷口から唐尾トンネル間、また印南町川又から田ノ垣内間、印南町古井─大峠間の整備促進が必要であります。川又─田ノ垣内間につきましては、ダム建設計画等で放置されたような状態で十年余りを経てきていますが、ダム建設を推進するのであれば、地域住民の同意と協力を得るために早急に道路整備計画を立てるべきであります。古井─大峠間は、美里─古井間のルート変更により、昭和六十三年バイパス工事の用地買収に際し、地主と県の交渉の中で古井─大峠間の道路整備を引き続き行うという約束をしておるのに、十年余りもたった今も放置しているため、地域住民の県に対する不信感が非常に強い状態であります。
 ことしの四月から九月に開催された熊野体験博覧会は大成功裏に終了いたしましたが、その間にあった土木部行政の不始末を今後に生かしていただくために、あえて申し上げます。
 博覧会を体験するために大阪方面から大型観光バスが四百二十四号線を経て龍神村を経由し、国道三百十一号線中辺路町の大会場へ向かうべく龍神村小家口まで来たところ、四百二十五号線が道路工事中で大型バスの通過が危険なため、やむなく四百二十五号線を迂回して国道四十二号線に向かうべく真妻地区の上洞まで来たところ、道路が狭隘なためカーブを回ることができず、車体を山側のがけで傷をつけながら、時間をかけて方向転換できるところまでバックをしてほうほうのていで引き返すという出来事がありました。日常はもちろんのこと、熊博が開催するまでに所管の道路状態を調査し、事前に対処しておけばこのような失態が防げたと思うのであります。私は、このことを現地の知人から電話を受け、早速現場に走り、その実情を日高振興局に電話して大型観光バス通行不可の看板を立てたという次第であります。これらの事業計画には一貫性がなく、経過の引き継ぎがほとんどされていないのが実情であります。公共事業を進める中で一番大事なことをなおざりにしていたことがこのような事態を起こしたと思うのであります。
 また、公共事業を進める中で用地買収が済めば九〇%はできたものと言われておりますけれども、計画性がなく、地元との交渉が成立しないという理由で放置することによって地価の変動等で以前の買収値と大きな開きが起こったり、道路事業、河川事業、農林土木事業等の買収価格に大きな差が各地で見られますが、買収価格の評価の決定の仕方についてもお聞かせいただきたいと思います。
 いろいろと申し上げましたが、この件については土木部長の答弁を求めるものであります。
 以上で、私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
○副議長(宇治田栄蔵君) ただいまの木下秀男君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
  〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 木下秀男議員にお答えをいたします。
 梅の生育不良問題についてでございます。
 お話にございましたように、これまで地元生産者、市町村、農協の協力のもとに、農林水産部を中心に関係部局が連携を図りながら、大気環境面を初め各分野にわたり調査研究を進めるとともに、さらに本年四月からは国の専門家の派遣を受けまして、梅の生理生態面を含めた幅広い研究に取り組んでまいりました。しかしながら、生育不良は依然として拡大を見てございまして、私もこの厳しい現実を深刻に受けとめておるところでございます。
 二十一世紀への橋渡しをするため、第二期県政を推し進めるに当たりまして、この問題の早期解決に向けて、より一層努力しなければならないと決意を新たにしておるところでございます。また、専門家で構成しております和歌山県うめ対策研究会におきましては、これまでの試験成績等をもとに、今年度末を一つのめどに一応の取りまとめをしていただけるものと考えてございます。さらに、長期的な視点から本県の梅産地の将来を展望するとき、技術の革新と開発の基礎となる試験研究の充実が最も大切であると認識してございます。地元から梅の専門研究機関の設置が望まれていることも承知してございます。私といたしましては、行財政改革を初め多くの克服すべき課題もたくさんあるわけでございますけれども、生育不良の原因究明はもとより、梅産業全体の振興を図る観点から、ご提言の専門研究機関の整備も視野に入れた取り組みをしてまいりたいと考えてございます。
 次に、行財政改革のうち財政運営プログラムについてでございます。
 本年一月に策定いたしました県の行政改革大綱に基づき、去る八月に財政運営プログラムを策定し公表したところでございます。本プログラムでは、平成十二年度から平成十五年度までの四カ年を特に財政健全化期間と位置づけまして、職員の給与や定数及び事務的経費等の内部的経費の見直しはもちろんのこと、すべての経費について施策の根本にまで立ち返った見直しを行うことによりまして、時代の変化に即応し、新たな行政需要にも的確に対応できる弾力的な財政構造の確立を目指すこととしたところでございます。本プログラムの具体化に向けまして、現在庁内にワーキンググループを設置し、検討させているところであり、十二年度当初予算につきましても、十五年度までの財政中期見通しによる財源不足額を勘案の上、厳しい予算要求基準を設定したところでございまして、今後の予算編成過程においてもプログラムに示した考え方をできるだけ反映させていきたいと考えてございます。
 次に、附属機関等における女性の登用率につきましては、三〇%の目標を掲げまして、審議会等委員への女性の登用推進要綱に基づきまして登用を進めているところでございますけれども、平成十一年六月一日現在では、女性の登用率は一七・四%という状況になってございます。目標を達成するためには大変厳しい状況でございますけれども、今後は専門知識を持つ女性の人材発掘、さらに組織や役職にこだわらない女性委員の登用を進め、目標達成に努めてまいりたいと考えてございます。
 また、附属機関等の組織が活性化し、その機能を十分に発揮することができるように、附属機関等の統廃合などの見直しを行うとともに、委員の構成についても検討を進めてまいりたいと考えてございます。
 以上であります。
○副議長(宇治田栄蔵君) 農林水産部長島本隆生君。
  〔島本隆生君、登壇〕
○農林水産部長(島本隆生君) 農産物原産地表示の法制化につきましてお答えいたします。
 梅干しの原料原産地表示についてでありますが、これまで地元市町村、あるいは議会からJAS法(農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律)に基づく原料原産地表示を実現するよう強い要望をいただいておりまして、県としても地元の声を十分踏まえ、国に対しその実現を強く働きかけてまいったところでございます。この結果、国においては加工食品の原料原産地表示検討委員会を設置し、そのあり方等について調査検討に入ってございます。
 去る十月二十九日には、県や南部川村、また漬物業界の代表者からの意見聴取を中心とした第三回目の検討委員会があり、この場で県としては原料原産地表示の必要性を強く訴えたところであります。また、県漬物協同組合連合会では、輸入梅を使ったものは紀州及び和歌山の表示をしないなどの自主的な申し合わせを平成十年六月に行うとともに、県としても県産の良質原料を使用した梅干し等をふるさと認証食品として認定し、ブランド化の推進に努めているところでございます。
 今後、国では本年度末を目途にこれまでの検討委員会の意見を取りまとめる予定と聞いてございますので、引き続き国に対し原料の原産地表示を強く求めてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(宇治田栄蔵君) 土木部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○土木部長(大山耕二君) 私からは、まず四点目の県内のコンクリート構造物の安全に関するお尋ねにお答えいたします。
 一九七〇年代、昭和四十五年から五十四年のコンクリート構造物については、コールドジョイントによることが原因と思われる破損状況が新聞等で報道されており、和歌山県においても当時建設されたトンネル三十三カ所、内訳として県管理二十三カ所、市町村管理十カ所を調査いたしました。その結果、三カ所においてコールドジョイントが発見されましたが、現時点では落下のおそれはないと判断しております。
 なお、この三トンネルのうち、亀裂、空洞箇所があり、早期に補修が必要な一トンネルについては、補正予算でその対策をお願いしているところです。残る全トンネル九十カ所及び橋梁関係二十四橋についても現在調査中であり、亀裂等が見つかれば必要に応じて補修を行う予定であります。
 また、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、平成七年に港湾施設において耐震診断を行いました。さらに、平成八年には中高層の県営住宅で耐震診断の一環として外壁のモルタルなどの落下のおそれがあるかどうかの点検を行いました。いずれについても問題がないと結論を得ています。
 続きまして、和歌山県内における高速道路五十二・六キロメートルについては、日本道路公団が継続的に点検を実施しているところであります。過去の点検は目視で行っていましたが、現在は鉄道及び道路等の交差箇所、高架下利用箇所についてたたき点検を行っており、点検は年内いっぱいかかる見通しと聞いています。
 なお、東京大学名誉教授の小林先生ご指摘の阪南から海南間の件については、日本道路公団の点検により発見されたもので、先生の指導を受けながらその補修方法を検討し、平成二年度に工事を実施し、その後の調査でも問題は発生していないと聞いています。
 次に、五点目の道路交通体系の整備についてでありますが、和歌山県内の主要幹線道路の整備方針といたしましては、県内主要都市間の時間短縮を目標とする県内二時間行動圏構想を基本に進めているところでございます。このうち、議員ご指摘の国道四百二十四号と四百二十五号の二路線のうち、国道四百二十四号の龍神村小家谷拡幅工区と金屋町修理川バイパス工区などは、第二県土軸を構成する区間として道路ネットワーク上の観点からも特に重要な箇所であり、集中的に事業を促進しているところであります。
 さらに、龍神村福井地内の未整備区間につきましては、地籍、公図調査を進めているところであり、他の事業の進捗を見ながら事業化に向けて努力してまいります。
 このほか、国道四百二十五号の印南町田ノ垣内から上洞地内につきましては、切目川ダム事業と整合をとりながら道路計画の調整を行ってまいります。また、印南町印南原地内通称大峠は、単独事業で現道対策を進めながら必要な調査等を進めてまいります。
 大型車通行不可の案内の件につきましては、道路管理者として案内標識の不備で大変ご迷惑をおかけいたしました。今後このようなことのないよう、道路を利用する人の身になって取り組んでまいります。
 買収価格の評価決定についてでありますが、土地評価事務処理要領に基づき、当該地域の土地利用状況等から、まず同一状況地域ごとに標準地を選定し、その価格を鑑定評価によって決定し、さらに標準地に対する買収地各筆の比準を行って算定することが原則となっております。また、土地評価は原則的には事業着手時に行いますが、時点修正及び状況の変化等、必要が生じたとき再評価を行うこととしております。
 今後につきましても、公共事業の投資効果を早期に発揮するため、沿道地域住民の皆様と当該市町村のご理解とご協力のもと、道路整備の促進に努めてまいる所存でございます。
 以上でございます。
○副議長(宇治田栄蔵君) 企業局長白井保世君。
  〔白井保世君、登壇〕
○企業局長(白井保世君) 企業局関連の土地造成事業についてお答えを申し上げます。
 ご承知のとおり、企業局におきましては、県経済の活性化を図るため、港湾計画に基づく臨海土地造成事業と企業誘致の受け皿となる内陸土地造成事業を実施してございます。しかしながら、昨今の経済情勢の中、造成地の売却は当面の最大課題となってございます。保有している造成地の処分、また継続中の事業につきましては、より一層の努力を重ねてまいる所存でございます。
 特に議員からお話がございました日高港土地造成事業における企業誘致につきましては、御坊市長を会長とする日高港企業立地推進協議会を設けて取り組んでおり、会長を先頭として、より積極的に推進してまいります。
 今後の新たな造成計画につきましては、経済情勢を十分見きわめながら、公営企業としての適合性、採算性等の観点から、より慎重に対処してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(宇治田栄蔵君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 二十三番木下秀男君。
○木下秀男君 丁寧な答弁をいただきましたが、要望でございます。
 行政改革というのは、改革なくして前進はないと言われておりますので、思い切った勇断を持ってこの厳しい状況に対処し、県民の期待するような改革が達成できるように、知事以下各部局長に一層の精励を要望いたしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○副議長(宇治田栄蔵君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で木下秀男君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後二時十八分散会

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