平成11年12月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(高瀬勝助議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午前十時二分開議
○議長(下川俊樹君) これより本日の会議を開きます。
 日程に先立ち、報告いたします。
 知事から議案の追加提出がありました。
  〔巻末の「参考資料」を参照〕
  【日程第一 議案第百三十九号から議案第百四十六号まで】
○議長(下川俊樹君) 日程第一、ただいま報告の議案第百三十九号から議案第百四十六号までを一括して議題といたします。
 議案はお手元に配付しておりますので、まず知事の説明を求めます。
 知事西口 勇君。
  〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) ただいま上程されました諸議案について、ご説明を申し上げます。
 我が国経済は、緊急経済対策を初めとする各般の政策効果の浸透などにより緩やかな改善が続いておりますが、経済の自律的回復に向けた民間需要の動向はいまだ弱く、雇用情勢には依然として厳しいものがあります。国においては、こうした状況を踏まえ、公的需要から民間需要への円滑なバトンタッチを図り、民間需要中心の本格的な景気回復を目指すとともに、二十一世紀の新たな発展基盤を確立するため、総事業規模十八兆円の経済新生対策を決定したところであります。
 本県といたしましても、中小企業向け融資の拡充・円滑化や新産業の創出支援等、県経済の活性化策を講じるとともに、国の緊急雇用対策に呼応して雇用就業機会の創出を図るなど、従来より積極的に景気対策に取り組んできたところでありますが、さらに、今議会におきましても、経済新生対策を早期に実施に移すため補正予算案を直ちに編成し、このたびご提案させていただいたところであります。
 その主な内容についてでありますが、経済新生対策等の関連では、府県間道路等の整備促進、砂防事業等防災対策、公営住宅の建てかえ促進、老人福祉施設の整備促進、中山間地域の農村活性化対策や農業集落排水事業の促進、林業構造改善事業、漁港修築事業等の投資的事業の追加により百七十三億円の増額補正を行うほか、県信用保証協会の経営基盤を強化することによる中小企業に対する金融支援の拡充、関西国際空港二期事業の推進等を図ることとしております。さらに、景気の腰折れを招かないよう、年度間の切れ目のない事業執行を図る債務負担行為として四十五億円を別途措置しております。
 また、県単独の施策として、来年秋の供用開始に向け、南紀白浜空港滑走路延長整備の促進を図るほか、金融再編が進む中、漁協系統金融機関についても健全性確保が迫られていることを踏まえ、各漁協の信用事業を県信用漁業協同組合連合会に順次統合し、系統金融の安定化と漁協経営の改善を図るため、所要の措置をお願いしております。
 これらの措置等の結果、総額で百九十三億五千万円の増額補正となり、平成十一年度一般会計の補正後予算額は六千二百六十八億八千万円となっております。
 なお、今回の補正予算の財源につきましては、国庫支出金、県債等をもって充当することといたしております。
 次に、条例案件でございますが、議案第百四十号から百四十五号は職員等の給与改定に伴う関係条例の改正であり、去る十月十二日に出された県人事委員会勧告を受けて、今年四月一日から給与改定を実施するために所要の措置を講じるものであります。
 また、議案第百四十六号は今回の補正予算に伴う建設事業市町村負担金について議決をお願いするものであります。
 何とぞ、ご審議の上、ご賛同賜りますようお願い申し上げます。
 以上であります。
○議長(下川俊樹君) 以上で知事の説明が終わりました。
  【日程第二 議案第百二十号から議案第百三十八号まで、並びに報第四号】
  【日程第三 一般質問】
○議長(下川俊樹君) 次に日程第二、議案第百二十号から議案第百三十八号まで、並びに知事専決処分報告報第四号をあわせ一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第三、一般質問を行います。
 二十二番高瀬勝助君。
  〔高瀬勝助君、登壇〕(拍手)
○高瀬勝助君 おはようございます。
 十二月議会一般質問の初めとして、質問をさせていただきます。
 まず、西口知事の再選と二期県政が多くの県民の期待に支えられスタートしたことに対しまして、心からお祝いの言葉を申し上げます。
 西口知事は本会議の冒頭で就任あいさつをされましたが、知事は、必ず二十一世紀は和歌山県の時代になることを確信している、そのために自分自身が二十一世紀へのかけ橋となって、自信と誇りに満ちた和歌山、夢と希望をはぐくむ和歌山、安心で活力のある和歌山の創造を目指して力の限りを尽くしていくと言われました。私も議場で伺いながら、県民から選ばれた一人として、微力ながらではありますが、和歌山の時代を実現するため西口知事県政を支えていこうとの思いを強くいたしました。
 先般、熊野体験博のテーマである「癒し」という言葉が、ことしの日本新語・流行語大賞のトップテンに入賞し、知事が東京で行われた授賞式に駆けつけられ、小渕首相や松坂投手らとともに受賞されたそうでありますが、このことは和歌山の未来を象徴する大変明るい出来事であり、知事が言われるように二十一世紀は和歌山の時代ということがまさに実現可能だと思うのであります。
 私は、スポーツイベントの誘致と本県の活性化、熊野・高野山の世界遺産への登録、電源立地とエネルギー問題の三点について質問をいたします。
 まず、スポーツの振興、特にスポーツイベントの誘致と本県の活性化について、二点お伺いいたします。
 これまで質問の機会をいただくたびに、スポーツを通じての青少年の健全育成や活力あるふるさとづくりについて提言をしてまいりました。西口知事並びに教育委員会におかれましては、こうした提言を真摯に受けとめていただき、本県スポーツの振興について種々の施策を実施されるとともに、卓球の国際大会を初め、ヨットの国際大会等の開催にもご尽力をいただいているところであります。このことにつきましては、深く敬意を表するものであります。
 まず一点目は、二〇〇二年に日韓両国で共同開催されるサッカーのワールドカップに関してであります。
 前回のワールドカップはフランスで開催され、参加国百六十八カ国・地域、スタンド観戦者は二百七十九万人、テレビ視聴者は延べ約四百億人ともいう、まさに世界最大のスポーツイベントであります。二〇〇二年のワールドカップは二十一世紀最大の大会であり、またアジアの地で開かれる初の大会であります。さらに、日本と韓国の二カ国開催ということで、前回以上の盛り上がりが期待されているところであります。
 さて、この大会に世界各地の代表として選ばれた参加国の事前のキャンプ地について、日本組織委員会が全国に公募したところ、本県を含む四十三都道府県、八十三カ所が立候補したと伺っております。参加三十二カ国の中には韓国でのキャンプも想定され、日本におけるキャンプを希望する国の数は限られてくると思いますが、本県が立候補した以上はぜひとも実現できるよう積極的に関係機関へ働きかけをする必要があると思います。
 和歌山県でキャンプ地を誘致することができれば、その国によっても違うと思いますが、多くのサポーター、マスコミ関係者等が本県を訪れることになり、スポーツの振興はもとより、まさに本県を世界にアピールするまたとないチャンスであると思います。誘致に向けての知事の決意をお伺いいたします。
 また、今後の取り組みやキャンプ地として予定されている紀三井寺競技場の整備について、教育長並びに土木部長に答弁をお願いいたします。
 次に、二〇〇八年オリンピックに大阪市が立候補しておりますが、その際、本県におけるヨット競技の開催について、さきの議会でも質問がありましたが、誘致に向けてのその後の進捗状況についてお伺いをいたします。
 二〇〇八年のオリンピックについては、まだ一度もオリンピックを開催していない中国が同じアジア地域の中で立候補するということが言われており、日本での開催は極めて厳しい状況でありましたが、IOC(国際オリンピック委員会)委員の開催候補地への訪問が禁止になるなど、その選定についての改革案が示されることになり、申請書重視の選定になることが推測されるところであります。大阪市では、会場や交通アクセス等でどこの国にも負けないプランを持っていることから、誘致に関して自信を深めているようでもあり、大阪開催の可能性も高まってきていると伺っております。
 ヨット競技では、海の美しさはもとより、海流や風速などが重要な要素であり、大阪湾よりも本県の和歌浦がより適していると言われていることから、その誘致に向けて県挙げての取り組みがなされると伺っております。その後の進捗状況及び誘致可能性について、教育長にお伺いいたします。
 また、本県においては、和歌山ビッグホエールなど、国際大会にも対応できる施設もあることから、ヨット以外の競技が開催できるのではないかと思っておりますが、その可能性について、あわせて教育長にお伺いいたします。
 次に、熊野・高野山の世界遺産への登録について質問いたします。
 私は平成七年二月議会で、和歌山は自然に恵まれた歴史的風土を誇る県土であり、南には熊野文化、北には高野文化という大信仰の地を有し、数多くの重要な文化財を保有しており、世界に誇り得る文化遺産である、このことから、世界遺産条約の文化遺産リストに登録し、世界にアピールするような発想をしてもおもしろいのではないかと提言いたしました。
 世界遺産は、世界遺産条約により、人間の創造的才能をあらわす傑作であることが文化遺産の定義であり、また、ひときわすぐれた自然美や美的要素を持った自然現象あるいは地域を含むことが自然遺産の定義であると言われております。
 世界遺産に登録されると、国際的な知名度はもちろん、多くの観光客が見込まれるなど、その効果ははかり知れないものがあることから、近年、我が国においても多くの都道府県が国内暫定リストに挙げられるよう積極的な働きかけがあることが新聞等で報道されております。本県におきましても、弘法大師が開いた真言密教の霊場・高野山が世界遺産登録に向けて、町や真言宗総本山金剛峯寺、地元商工会等が本格的に動き出したとのことであります。
 高野山には、金剛峯寺不動堂、金剛三昧院多宝塔の国宝建造物、金剛峯寺大門等の重文建造物などの指定物件、金剛峯寺境内・高野山町石の史跡等、文化遺産の条約にある記念工作物、建造物、遺跡等の条件をクリアできるふさわしいものであります。
 また、熊野におきましても、熊野本宮大社本殿、熊野那智大社本殿、那智山青岸渡寺本堂の重文建造物、名勝那智の大滝、那智原始林・熊野速玉神社のナギ等の天然記念物、特別名勝の瀞八丁等の指定物件を有しており、日本歴史上にもアリの熊野もうでと呼ばれたほどの地であります。本年開催されました南紀熊野体験博におきましても、国内外の多くの人々にそのすばらしさを体験していただいたところであります。
 私は、高野山と熊野は世界遺産としてどちらもふさわしいものと確信しておりますが、これらを一体と考え、和歌山の聖地として一刻も早く世界遺産暫定リストに搭載していただけるよう積極的に関係機関に働きかけるべきだと思いますが、この点について知事の見解をお伺いしたいと思います。
 最後に、本県の電源立地とエネルギー問題について質問をいたしたいと思います。
 私は、去る十月六日から三日間、県議会総務委員会で沖縄県に調査に行く機会を得まして、来年開催されるサミットの会場や沖縄県のマルチメディアセンター、さらには海水による揚水発電の施設など、現地においてさまざまな特色のある施設の調査を行ってまいりました。中でも、実証試験の段階ではありますが、世界で初めての海水による揚水発電の事例として、国頭村に設置されている沖縄海水揚水実証試験場に興味を持ちました。
 これは、陸上に設置された上部調整池と海面との約百三十メートルの落差を海水が落ちるエネルギーを利用して、最大で三万キロワットの発電を行う実証プラントであり、資源エネルギー庁の委託事業として電源開発株式会社が実証試験を行っているものであります。沖縄は貴重な自然環境に恵まれたところでありますから、当然のことながら、この施設の設置に当たっては景観面や生態系への影響について種々の配慮が行われています。
 我が国は工業先進国として大量のエネルギーを必要としていますが、エネルギー資源に乏しく、また周囲を海に囲まれた国土の狭い国であります。こうした状況を考えますと、我が国の発電形態の新たな一つの事例として、また海に面している本県においても検討の価値があるのではないかと関心を持った次第です。
 いずれにいたしましても、私たちの日常生活の隅々までが電気に支えられている現状であり、また日本の産業がエネルギー問題を抜きにしては語れないということも事実であります。京阪神地域という電力の一大消費地に近く、また海に面した長い海岸線を有するという立地条件にある本県にとりまして、電源立地というエネルギー問題は重要な課題であるとの認識から、以下の二点について企画部長にお尋ねをいたします。
 本県では、ご承知のとおり、関西電力が二つの火力発電所の計画を進めており、現在、工事の着手に向けて最終の段階に差しかかっているようであります。和歌山発電所計画と御坊第二発電所計画については、平成九年七月に開かれた国の電源開発調整審議会で承認され、その後、和歌山発電所計画については本年三月に西防埋立地の権利移転の許可がなされ、また御坊第二発電所計画については去る十一月八日に公有水面の埋め立てが免許され、両計画とも来年の早い時期に工事に着手する予定と聞き及んでおります。
 これらの大規模な発電所計画については、地元では周辺への影響を心配される声も一部にあるようですが、長年にわたる経済の低迷もあり、発電所の建設をきっかけとして本県の景気浮揚や地域の活性化が図れるとの期待が大きいことも事実であります。
 両発電所計画については、既にこれまで県や国において環境保全や安全面から厳正な審査が行われ、今日に至っていることを踏まえますと、今後は、建設に際し、環境保全や安全対策に万全を期することはもちろんのことでありますが、県経済や地域の振興に及ぼすメリットが大きいことも考慮し、この二つのプロジェクトを積極的に推進していくということが現在の本県にとっても必要であると私は考えています。
 来年は西暦二〇〇〇年という区切りの年を迎えますが、まずこれら二つの火力発電所の建設に対する今後の対応についてお尋ねをいたします。
 次に、エネルギー問題や電源開発について、今後の長期的な展望という観点からお尋ねをいたします。
 先日、十一月三十日ですが、NHKの「クローズアップ現代」という番組で、最近の大きな話題でありますコンピューター二〇〇〇年問題が取り上げられていました。電力や通信にトラブルが生じた場合、コンピューターシステムで管理が行われている現代社会のさまざまな分野においてさらにトラブルが生じることとなり、これらの問題に対してどのように対応すべきかという特集番組であります。
 電力は、その大部分を火力発電所や原子力発電所に頼っている現状ですが、規模の大きな発電所が何らかのトラブルで停止しますと、広い範囲の地域で停電となり、日常生活や産業活動に大きな支障が生じることとなります。東京電力の事例が紹介されていましたが、発電所そのものは既に二〇〇〇年問題への対応を終え、年末年始にかけてトラブルで停止することはないとのことでした。しかし、ことしの年末年始は例年とは異なり、二〇〇〇年問題に関連して前もって工場などが極端に操業を落とすような場合があり、電気の需要が急激に落ち込む状況が予想されているようです。このように電力需要が急激な変動をする場合には発電所の調整が追いつかなくなり、最終的に発電所が停止する懸念があるとのことです。
 このようなケースへの対応として、揚水発電所の通常とは異なった視点の活用方策が紹介されていました。揚水発電は、ご承知のとおり、上部のダムに水をためておき、電力が必要な際に下のダムへ水を流し、このエネルギーによって電力を起こすことにより昼間の電力需要のピーク時への対応などが可能となる水力発電の一種であります。しかし、需要が急激に落ち込むような今回のケースでは、揚水発電所で逆に下のダムから上のダムに水をくみ上げて電力を使うことにより電力の需要を安定させ、他の発電所の停止を防ごうと考えているようです。揚水発電が発電所全体の危機管理といった面も持ち合わせているということが番組の中で解説されており、電力の安定供給の仕組みについて認識を新たにした次第であります。
 このような危機管理を含めた電力の安定供給の確保ということがエネルギー政策の重要な柱の一つでありますが、これに加えて近年、化石燃料と二酸化炭素の増加の関連から、地球温暖化問題への対応という視点がエネルギー問題における重要な課題とされています。地球環境問題が世界の重要な課題として取り上げられ、これらの対策について種々検討が進められており、国のエネルギー政策においても、これまで進めてこられた石油への依存度合いを低減していくことに加え、地球環境問題への対応として、省エネルギーの徹底や非化石エネルギー導入の必要性が強く打ち出されています。非化石エネルギーとしては、古くから利用されている水力発電に加えて、近年、公共施設や一般住宅にも普及し始めた太陽熱発電や、最近話題になっており、十二月四日付読売新聞の記事に紹介されていた風力発電などが有力視されているようであります。
 読売新聞の紹介は、平均風速が毎秒七・六メートルと風の強い三重県久居市が、青山高原の標高八百四十二メートルの笠取山頂付近にことし五月に完成させ、運転している風力発電施設の事例であります。この施設は、高さ五十メートルの柱の上で長さ二十五メートルの三枚の羽根がゆっくりと回転をしており、施設四基の合計出力は三千キロワットで、約二千四百世帯への電力を賄えるとのことです。
 久居市は、中部電力との間で一キロワット当たり十一円七十銭の売買契約を締結し、年間約一億円の収入を見込んでおり、十五年ほどで建設費などが回収できるとの見込みだそうです。大規模な発電所の立地は国の電源三法による交付金や産業振興のための各種の支援制度、さらには建設に伴う経済波及効果など、地域の振興という点で大きな効果が期待できるのはまさにそのとおりであると思います。しかし、地球環境問題や本県の重要なテーマの一つである自然との共生ということを考えますと、私は、これからの二十一世紀の時代においては自然エネルギーを有効に活用するという視点がますます求められてくるのであろうと考えております。
 このような観点から、自然エネルギーを利用した水力発電、太陽熱発電、風力発電などについて本県における現在の取り組み状況や課題、将来の展望などについてお尋ねをいたします。
 以上で、私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
○議長(下川俊樹君) ただいまの高瀬勝助君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
  〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 高瀬議員にお答えをいたしたいと思います。
 最初に、私に対する大変温かいお言葉ありがとうございました。
 ワールドカップサッカーのキャンプ地の誘致についてでございます。
 県では、本年の九月に県営紀三井寺公園を主会場に公認キャンプ候補地として申請をしたところでございます。お話にございましたように、全国で四十三都道府県、八十三カ所の申請がございます。
 本県でのキャンプが実現すれば、議員ご指摘のとおり、和歌山県を全世界に発信する絶好の機会になるものと考えてございます。関西国際空港から至近距離にあり、豊かな自然環境にも恵まれている優位性を持つ本県としては、今後、キャンプ地誘致に向けて関係団体等と連携を図りながら積極的に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 次に、世界遺産についてでございます。
 本県には、北に真言密教の根本道場の地として高野山があり、また南には熊野三山を中心とした熊野信仰根源の地がございます。ともに古代から現代に至るまで日本人の心のよりどころとして脈々と息づいております。これらは地域の資産としてだけではなくて、世界に誇り得る遺産でもございます。
 高野山あるいは熊野をそれぞれ個別に登録してはどうかという声もございまして、私もそのように考えてございましたけれども、その後、教育委員会と国との協議を続けている中では、これらを紀伊半島山岳宗教という一体のものとしてとらえることの方がより登録に際しては有効ではないかというご意見もございます。が、今後、世界遺産への登録を目指しまして、関係の市町村や地域の方々とよく協議をいたしまして、一体になって積極的に進めてまいりたい、そのように考えてございます。
 以上であります。
○議長(下川俊樹君) 土木部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○土木部長(大山耕二君) 二〇〇二年ワールドカップキャンプ候補地として予定している紀三井寺競技場の整備について、お答えいたします。
 キャンプ期間中は、陸上競技場及び球技場の二面をサッカーコートとして使用することになります。公認キャンプ地最終リストに記載されるためには、公認キャンプ候補地募集要綱の条件を満たす必要があり、芝生の張りかえや陸上競技場諸施設の改修が必要ですので、西暦二〇〇〇年度で調査設計を行い、二〇〇一年度で改修工事を実施するように考えてございます。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 企画部長安居 要君。
  〔安居 要君、登壇〕
○企画部長(安居 要君) まず、和歌山発電所及び御坊第二発電所の建設に対する今後の対応についてでございますが、議員ご指摘のように、これらの発電所計画につきましては、電源三法による電源立地促進対策交付金、固定資産税や事業税の増収、建設投資に伴う経済波及効果や雇用などにより、地元の地域振興のみならず県全体の景気浮揚を図れるものと期待しているところでございます。
 今後、関係部局と連携を図りながら、工事の着手までに建設協定や環境保全協定を事業者との間で締結し、建設工事や発電所の稼働について環境保全や安全確保に万全を期することはもちろんのこと、地元発注や地元雇用などについても十分配慮するよう事業者を指導してまいりたいと考えてございます。
 次に、自然のエネルギーを利用した水力発電、太陽光発電、風力発電に関するご質問についてお答えいたします。
 まず、水力発電の現況についてでございます。
 県内では揚水発電はございませんが、関西電力、電源開発、県企業局が通常の水力発電を行っており、現在の合計出力は約二十一万キロワットの規模となっております。最近の状況としましては、中津村にある関西電力の高津尾発電所が最新型の発電設備に更新し、五千八百キロワットから一万三千八百キロワットに出力アップが図られ、ことし七月に完成し、順調に運転が行われております。
 水力発電につきましては、このように今後も順次施設の更新が図られ、技術の進展により出力アップが進められていくものと考えてございます。
 次に、太陽光発電の現状についてでございますが、最近では平成九年度に上南部小学校、十年度に藤並小学校等に太陽光発電パネルが設置され、また今年度は下里中学校にも設置される予定となってございます。
 太陽光発電につきましては、発電コストや発電効率などの課題がありますが、今後も技術革新等によって改善が進められていくものと考えており、県といたしましても、今後、県施設への導入の検討や一般住宅への普及啓発に力を入れてまいりたいと考えてございます。
 最後に、風力発電の現状についてでございますが、吉備町では一昨年に風況調査を終え、県内では初めての二百三十キロワット級の風力発電施設が鷲ケ峰コスモスパークへ設置されることとなり、今年度中の完成に向けて工事が進められてございます。また、風力発電の可能性を検討するため、現在、御坊市で一年間の風況調査が実施されております。
 風力発電につきましては、年間を通じて強い風の吹く場所という制約条件がありますが、電力としてだけではなく観光資源としても期待されているところでございます。
 いずれにいたしましても、自然エネルギーの有効利用ということにつきましては、国全体として取り組むべき課題ではありますが、県としても今後とも積極的に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) スポーツに関する二つの質問にお答え申し上げます。
 まず、ワールドカップサッカーキャンプ地の誘致についてでありますが、キャンプ地につきましては、JAWOC(二〇〇二年ワールドカップ日本組織委員会)が二〇〇一年六月までに公認キャンプ地最終リストを決定することになっております。
 誘致活動については、本大会に出場する国すべてを対象にするか、本県と友好関係にある国をターゲットに進めるかなど考えられますが、現在、最も効果的な誘致活動について関係部局と検討を進めているところであります。今後とも、県サッカー協会と連携し、青年会議所、その他多くの民間団体、そして県民の皆様方の盛り上がりなど、幅広い支援をいただきながら進めてまいりたいと考えております。
 次に、二〇〇八年大阪オリンピックにおけるヨット競技の誘致についてでありますが、大阪市オリンピック推進本部に対して平成八年度から再三要望を行うとともに、日本セーリング連盟等、関係機関に積極的に働きかけを行っているところであります。
 また、誘致の可能性についてでありますが、これまで本県でレーザー級ヨット世界選手権大会や全日本四七〇級選手権大会などの国際大会、全国大会等を開催する中で、国内外のヨット競技関係者から海洋気象条件や大会運営など高い評価をいただいており、本県開催の可能性もあると期待いたしているところであります。
 なお、ヨット以外のオリンピック競技の開催でございますが、今後、大阪市から正式に依頼があった場合には積極的に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 いずれにいたしましても、大阪市が二〇〇八年のオリンピック開催地に決定されることが先決であり、今後とも大阪市のオリンピック招致活動に積極的に協力してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 二十二番高瀬勝助君。
○高瀬勝助君 ご答弁ありがとうございました。
 何点かの要望ということで、サッカーのワールドカップは二〇〇二年ですけれども、今も他の議員のお話の中で、競技場や練習会場の整備を早くやらないと誘致に間に合わないぞと。大変予算も伴うものですけれども、立候補した限りは整備の方も並行してそれに間に合うよう、ひとつ頑張っていただきたいということを要望しておきます。
 それから、もう一点は世界遺産です。
 過日、高野山で、台風の後の杉の木の大変な被害で、たくさんの重要文化財が壊されたのが修復されておりました。鹿児島県の島津公のいわゆる敵味方それぞれのご遺体がその中に納められているのはここだけしかない珍しいことで、今月、その供養をやるということで、私もたまたま少しかかわったことがございましたので高野山に参りましたけれども、お墓にしても、世界遺産として本当に世界に通用するような立派なものがたくさんあるということです。
 プラス熊野博における大成功の中での熊野三山、先ほど知事の答弁の中にあったとおりでございますので、どうか並行して、観光立県と言われている和歌山県の一つの誘致のポイントになればと思っておりますので、ぜひとも世界遺産への登録に対して強力なる働きかけをお願いします。終わります。
○議長(下川俊樹君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で高瀬勝助君の質問が終了いたしました。

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