平成11年9月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(中山 豊議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 四十二番中山 豊君。
  〔中山 豊君、登壇〕(拍手)
○中山 豊君 通告に基づいて質問を始めます。
 まず第一番目に、道路交通関係にかかわってのお話であります。
 鉄道高架事業が完成されようとするときに、かつての議会で、かねてからの海南市民の念願であった阪和線快速電車を海南まで延伸されるよう取り組みをお願い申し上げたところであります。高架化と快速電車を海南まで延伸をの二つの市民要求は、いずれか一つをというものでなく、いずれも同時か、または順次に解決してほしいとの立場にあったものであります。高架事業が着工されるにつけ、もう一つの要求は後ろに追いやられた形にはありましたが、決して消えてなくなったものではありませんでした。高架事業が完成寸前のところで申し上げねば遅きに失したと言われかねないと思いましたので、この問題を前の議会でも取り上げさせてもらいました。
 当時の当局答弁は地元からの要望にこたえたいとのことであったので、その後、海南市長を初め関係自治体の長や議会関係者、自治会の関係者、諸団体の代表者によって県当局及びJRに向けて陳情された経過もあったところであります。その当時の感触は、何ら支障はないと、極めて前向きの話だと承っていたところであります。具体的にどう進展したのか改めてお聞きし、未解決、不十分な点はどうなさっておられるのか、また何か支障となるところがあるとするならばどういうことなのか、改めてお知らせください。
 次に、鉄道高架残事業の促進を求める課題であります。
 これについて鋭意取り組みを進めていただいているところですけれども、ここに至って工事が中断というか、休まれているのはなぜでしょうかとの関係住民の声があります。中でも、旧野鉄日方駅前の日方川にかかる橋梁を中心に前後がとまっているのは何ゆえかという話であります。工事に携わっている人もおられないのですが、これについての工期はいつまでなのか。延ばされたことはないのか。コンクリートの養生のためとのお話もあるけれども、市民の間で、やりかけて中断するのは許されないというお話をこのごろよく聞かされるところであります。お答えをお願い申し上げます。
 三点目は、国道三百七十号についてであります。
 美里町国吉地区今西での山の決壊崩落で、国道三百七十号は通行どめと相なりました。八月十二日、払暁の出来事であります。いろいろ申し上げたいことがあるけれども、まず、復旧と通行どめ解除に並々ならぬ取り組みをされた当局の皆さんに、ご苦労さんでしたと申し上げたいところであります。背に腹はかえられないとなればここまでやってもらえるのか、力のほどを余すところなく見せていただいたと、関係住民は評価を与えているところです。道路建設と林務にまたがり、まさしくスクラムを組まれて当たられたことは見事だったと評価されているところでしょう。やればできることを見せてくれたものだと承っておるわけであります。
 しかし、考えてみれば、去年の台風七号の風倒木の処理、後始末ができていたらここまでに至らずに済んだのではないかと思えば、山の所有者や山林組合の理解や力量についてあれこれあろうが、どうしようもないことなのか、釈然としないものがあるわけであります。風倒木は県下の山に未処理のままあまた放置されていることにかんがみて、大きな災害や事故に至らないように措置するのが政治の役目であろうことを申し上げておきたいわけであります。
 そこで、三百七十号の全面通行への見通しと、三百七十号に係る当面の整備が求められているところをお聞かせください。
 次に、阪井地区内の渋滞解消の問題であります。
 これについてのバイパス構想の今日的状況は、地区住民の理解が以前よりかなり進んできているやに聞き及んでいるけれども、当局の取り組みがどうも緩慢で、押してみれば休み、冷えたところでまた押しにかかるということの繰り返しをされるようでは、事態としては前に進まないのではないかとうかがわれるところであります。地元対策委員会も組織され、それらの取り組みに依拠しながらのこととなろうけれども、促進方を求めつつ、あわせ龍部バイパスについての現状と今後についてもお聞かせください。
 二番目に、新農業基本法制定後の中山間地域の農業についてお尋ねいたします。中でも、水田の保全についてを中心にお聞きしたいところです。
 ウルグアイ・ラウンド農業合意に源を持つWTO受け入れを基調にした新農業基本法は、米の完全自由化体制をつくり上げていくことになっていると見ているのですが、米完全自由化受け入れをWTOに通報したからといって、もろもろの課題は山積みしていることとなっているけれども、何はともあれWTO受け入れは、戦後日本の民主化の過程の重要な一環として実施された農地改革の意義を法制化した農地法を打ち崩し、農地の番人としての農業委員会制度を形骸化させ、自作農すなわち家族農業経営を極度に弱めていくことを心配するところであります。また、時代の移り変わりに対応しながらも、生産費を償い消費者の家計の安定を願って米価対策をとられてきたのも、基本的には自作農経営を守るための諸制度であったところですけれども、これも脆弱なものに追いやることになっていくことと心配するところです。
 新農業基本法が進められる背後には、生産性の向上のない農業は要らないとする思潮が、戦後農政の基本的な見直しを進められることとなっていると見ているところです。各論にわたって申し上げなければならないと思うけれども、このたびは、以上述べた日本の農業を根底から変えてWTOのままにゆだねられるとしたらどうなるのか、特に和歌山の農業はどうなるのか、米の消費県でもあり中山間地の農業が圧倒的に多い本県農業にとって最大の課題となるであろうとの観点から、以下申し述べたいところです。
 それを見通していたかどうかは別にして、本県農業の特性と特徴の上でいち早く当局は検討され、取り組みの方向を打ち出そうと努めていることは承知しているけれども、特に中山間地における農地の荒廃は手つかずと言っても言い過ぎではないのではないでしょうか。住んでいてよかったと言える郷土とは、ほど遠いものに変容していきつつあるのではないでしょうか。
 熊野体験博を組織し、情報発信をしていくと考えたが、日本人の伝統的文化の母体である稲作文化が衰微し放題のままでは、心のいやしもあったものではありません。ふるさとへの回帰を促すすべを求めるのが体験博でありたかったと思うところですが、これは私一人の思いだったのでしょうか。
 熊野体験博に事寄せて、熊野を歩いてみました。山間の水田は人の手の及ばない状態になっているところが多く、熊野の山は緑濃くダークグリーンに包まれ、山間の稲の黄金色に輝くそのコントラストは、日本の山村の原風景の典型として見るところでした。これでこそ日本の田舎の姿だ、これでこそ人の心をいやし、ふるさとを思う心を培いはぐくむものだと思いました。愛国心をはぐくむ原点を見たと思ったところです。しかし、このような情景はむしろ珍しいのが現状です。
 さきの議会での当局の答弁は、新農基法は中山間地に対して前進的で有利な面が用意されている、それを利用して県農政の進展を図りたいとの内容でした。されば、このたびは特に水田稲作の機能保全について考えを聞きたいと思います。
 水田稲作の機能は、農業をする人は言うまでもないが、ため池とか水路はもちろんのこと、これらの保全は転作減反と老齢化で極度に荒廃していっています。その上に米の完全自由化は拍車をかけ、ますます困難を強いられることになるでしょう。中山間地域農業を多く抱える本県農業にとって、果たして新農基法は有利な側面があるとして対応に事欠くことはないのか、教えていただきたいわけであります。
 三番目には、熊野体験博終結に向けてのお話です。
 さきの議会では、かいつまんで言えば、体験博に足を運んでくれた人々の頭数だけをカウントするようなことをせずに、体験博を実行しようとした理念、目的に沿うた総合的な総括を求めたところでした。このたびは、その質問の続きとして、安らぎを求め、心をいやすという発想は外から熊野に足を運ぶ人の側の発想だと見て、そう大して間違いではないと思っているところです、それも大切な観点かもしれませんが、体験博のもう一つの面として、住んでいてよかったという郷土づくりの立場からの参加を主な内容として試みようとした側面もあったはずであります。熊野に住む人々が熊野体験博をどうとらえて受けとめているか、郷土おこしにどう引き入れられたか、その立場からの総括をぜひお願いしたいところです。そうすることによって期間中に果たし得なかった課題が見つかれば今後の県政の課題として取り組む、これが事業を組織したものの総括のあり方ではないでしょうか。提起を申し上げ、お考えがあればお聞きしたいところであります。
 次に、海草振興局充実強化についてであります。
 さきに建設部を、地域の課題は地域にあって解決するのが県政の常道との立場から決断をいただいて海南工事事務所を設けられた。さらに本年四月からは充実強化され、今日に至っているところです。これが地元の住民に大きな喜びをもって迎えられ、多大な実績を上げられていることをまず申し上げねばなりません。
 さきにも申し述べたところですけれども、国道三百七十号の今西地区決壊崩落事故の復旧工事はまさにその典型と指摘しておきたいわけであります。事ほどさように、県政の実行が見届けられるとなれば、すべての部門にわたって移設され、総合的に対処されることが私の念願としているところでありますし、地元住民の要求でもあると思われるのですが、このたびは農林水産振興部局の移設を求めておきたいわけであります。これは、新農業基本法施行により地域農業に多大な課題が課せられてくるに違いないと思うからであります。それに対処するためにも考えていただくことを求めたいわけです。これは、要望としてお聞き取りいただければ結構かと思います。
 五番目に、地場産業、特に漆器、日用家庭用品業界の廃棄物対策についてであります。
 ダイオキシン対策について何かと業界には厳しく対応が迫られることとなっている中で、漆器、日用家庭用品業界にとっては急を要する課題として、これの解決のため苦労を強いられているのが現状であるようであります。不景気が長期にわたっている上に、中小零細な企業に与える苦労は言うに及ばないものがあります。これは、業界の取り組みを主軸に据えながら、地元の行政はもちろん、県政のサポートが求められるところだと思います。不況であえぎ、営業に困難を強いられている中小零細企業への大きなご支援の一つになるであろう、今日的な県政からの対策はまさに地場産業への大きなプレゼントではないかと、このようにも考えるわけであります。知事の所信表明の中にもあったことをご指摘申し上げながら支援方を促したいけれども、関係部長のお答えをいただければ結構かと思います。
 以上で、第一回の質問を終わります。ありがとうございました。
○副議長(宇治田栄蔵君) ただいまの中山豊君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 企画部長安居 要君。
  〔安居 要君、登壇〕
○企画部長(安居 要君) 道路交通問題に関係いたしまして、JR阪和線快速電車の海南駅への延伸についてご答弁申し上げます。
 県といたしましても、大阪方面へ直結する阪和線、紀勢本線の大きな利便性向上施策と認識し、以前からJR西日本に対し積極的な要望を行ってまいりました。その結果、本年五月十日のダイヤ改正から、朝の通勤時間帯に海南発天王寺行き快速電車が一本、新設されました。JR西日本によりますと、より多くの阪和線快速電車を海南駅へ延伸することについては、車両、乗務員の運用面での問題、事業採算性の問題などがあると聞いておりますが、県としては引き続き、沿線市町とともにJR西日本に対して積極的に要望を行ってまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(宇治田栄蔵君) 土木部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○土木部長(大山耕二君) 道路交通関係にかかわっての二点目、鉄道高架、残事業の促進についてお答え申し上げます。
 海南連続立体交差事業は、昨年十月に上下線の高架化が完成し、現在、側道工事を進めているところです。
 ご質問の日方川橋梁前後の側道工事につきましては、側道の通行形態を交通安全上一方通行とする計画に対し、地元から対面通行にするようにとの要望があり、その調整に約一年を要したため、着手がおくれました。この六月から橋梁工事にも着手し、現在、順調に工事が進んでおります。今後は、工程管理に十分配慮して進めてまいりたいと考えております。
 次に、三点目の美里町今西地内の通行どめにつきましては、応急工事を実施し、八月三十日から片側通行による交通開放を行っております。道路施設の復旧につきましては、災害復旧事業として申請の手続を進めております。のり面対策を含む全面的な復旧につきましては、農林水産部との協議を得ており、一日も早い復旧に努力してまいります。
 次に、国道三百七十号に係る当面の整備につきましては、平成四年度事業化の毛原から小西間三・七キロメートルの早期整備に向けて努力していくとともに、現道対策として緊急度の高い区間から局部改良等で順次整備を進めてまいります。
 次に、阪井地区渋滞解消についてですが、国道三百七十号の阪井バイパスのルートについて、意見書の分析と現地調査を踏まえ、本年三月に道路概略設計を実施し、海南市、地元関係者との意見交換を行ったところでありますが、ルートについて合意に至っておりません。今後とも引き続き、海南市の協力を得ながら都市計画決定に向けて努力してまいります。
 また、県道沖野々森小手穂線へ連結させる龍部池バイパスにつきましても、現在ルート選定の地元調整を行っているところであり、海南市を初め地元関係者のご協力を得ながらルートの合意に向けて努力してまいります。
 以上です。
○副議長(宇治田栄蔵君) 農林水産部長島本隆生君。
  〔島本隆生君、登壇〕
○農林水産部長(島本隆生君) 新農業基本法制定後の中山間地域農業について、お答えをいたします。
 中山間地域の水田を初めとする農地については、食料生産の基盤であるばかりでなく、国土や環境を保全する機能を有しており、その役割は多様で重要なものがあると認識してございます。
 これからは、本県においては中山間地域の活性化を農政の重要課題として位置づけ、それぞれの地域の特色と実情に応じ、水田を初めとする農地の基盤整備や地域特産作物の振興等を積極的に推進するとともに、加えて都市との交流機会の確保、交流の場の整備、必要な情報の発信等、農村の果たしている多面的な役割について広く理解を得るための施策を進めているところでございます。
 去る七月十六日に公布・施行された食料・農業・農村基本法では、新たに水田に代表される国土保全機能や農村文化の原点とも言うべき美しい稲作田園景観の提供など、農村の果たす多面的役割を積極的に評価し、中山間地域の活性化や定住促進に資する基本方向が打ち出されたところであり、今後実施される関連事業を積極的に活用しながら、中山間地域を初めとする農地の有効利用、地域の活性化等により一層取り組んでまいる所存でございます。
 以上でございます。
○副議長(宇治田栄蔵君) 生活文化部長大井 光君。
  〔大井 光君、登壇〕
○生活文化部長(大井 光君) 中山豊議員ご質問の、南紀熊野体験博の終結に向けてについてお答えいたします。
 南紀熊野体験博は、その地域の方々が主体となって参画する地域主導という考え方を大きな柱と位置づけ、オープンエリア型、体験型といった新しい試みの中で多くの方々にかかわっていただきました。リゾート体験イベントをとりましても、地域住民の方々が、その特色を生かし、知恵を絞ってこれをつくり上げ、その実施に当たっても体験リーダーや運営スタッフとしていろいろな体験を提供していただきましたが、この博覧会で好評を得た備長炭の炭焼き、あい染め、梅もぎとジュースづくり体験など、引き続き実施していこうとの声が上がっております。
 また、地域イベントにつきましても、企画段階から参加し、その中心となって各地で魅力ある新しいイベントを展開していただき、例えば中辺路町では太鼓グループの結成、古座川町ではイメージソング、本宮町では火祭りを創造するなど、新たな文化の芽や観光資源として今後さらに発展、充実することが期待されるものも数多く生まれております。そのほか、熊野古道ボランティアを初め、さまざまな分野でのボランティア参加、花いっぱい運動、特産品づくりなど、地域の方々に自主的、積極的に参加いただき、博覧会を支えていただきました。
 このような広範囲にわたる博覧会への取り組みは、地域の強い一体感を生み、大きな自信になるとともに、今後の地域づくり、町おこしの機運を醸成させるものであり、南紀熊野体験博の開催はそのきっかけになったのではないかと考えているところであります。
 以上でございます。
○副議長(宇治田栄蔵君) 商工労働部長上山義彦君。
  〔上山義彦君、登壇〕
○商工労働部長(上山義彦君) 地場産業、特に漆器、日用家庭用品業界の廃棄物対策についてお答えいたします。
 議員ご指摘のとおり、環境問題に対する関心の高まりを背景として、規制の強化や処分場の不足により地場産業から排出される産業廃棄物の処理が大きな課題となっております。産業活動の発展を図りつつ良好な生活環境を保全していくには、排出事業者それぞれにおいて産業廃棄物の発生を抑制し、あるいは再資源化を図ることが肝要でございます。
 県といたしましても、地場産業の活性化のため、昨年度から地域産業資源循環創出支援事業を実施し、地場産業の廃棄物の実態調査を行い、リサイクルによる新事業の可能性の検討などリサイクルシステムの構築に向けた取り組みを行い、環境の保全とコストダウンによる企業の競争力の強化を図っているところでございます。
 また工業技術センターでは、ご質問の海南の家庭用品業界に関連して、昨年来、原材料のうち焼却の際ダイオキシン排出で問題となるポリ塩化ビニールにかわる素材の開発などに地域企業と共同で取り組んでいるところでございます。さらに、県内にも新たな環境ビジネスの産業創出に意欲的に取り組む企業もございます。
 現在、六企業を中小企業創造活動促進法に基づき認定しており、リサイクル等の技術開発に対する支援を積極的に行っているところでございます。また、きのくにベンチャーランド構想に基づき、九月三十日に設立予定のわかやま地域産業総合支援機構においても、このような企業の支援を強化してまいります。
 今後とも、環境と調和した地場産業の振興を図り、長引く不況に苦しむ産業界の活性化に積極的に取り組んでまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○副議長(宇治田栄蔵君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 四十二番中山 豊君。
○中山 豊君 三点だけ、引き続き県政の課題として追求していただきたいというふうな内容で申し上げたいと思うんです。
 一つは、体験博についてであります。
 生活文化部長のご答弁は大筋で了解をしたいと思うんですけれども、特にその中で地域づくりのきっかけにというお話がありましたが、体験博を総括してこれからの地域づくりにどう役立たせるかがまさしく大きな課題であろうと。やって、済んで、それでよかったというだけで終わらせようというものではないと思います。外から参加して行った者もさることながら、その地域に住む人々が体験博を通じて、自分たちの住むその地域を将来にどうつないでイメージしていくか、そういう力にしていただけるのが熊野体験博ではなかったかという押さえ方をしているので、そういう観点からの総括をぜひお願いをして、こちらの方へもお返し願えるように申し上げておきたいと思います。
 次に、新農業基本法の問題にかかわるお話です。
 僕は、日本の農政というのは、生産性の上がらない農業や地域は基本的には切り捨てていくというのが今までの姿であったし、これからもその基調に沿った形で取り進められていくのではないかと、しぶとく考えているところです。なかなか改まるものではないであろう。
 しかし、部長からは、国土保全機能として果たす役割は大きい、だから国土の環境保全という側面から新農基法もうたわれているし、これからの施策もそういう形で打ち出されてくるであろう、それを有効に、しかも着実に県政に取り入れて、中山間地の農業の活性のために、農地を守るために取り組みをしていくんだというお答えをいただきました。それはそれで結構ですけれども、なかなかそう安易にはいかないのではないか。切り捨てられていく。そうでなかったとしたら、今までもそういう状況で放置されるはずがない。中山間地の農業が傷められて、そこで住んで農業で食っていけない、山林業と合わせて食っていけない、だから都会へ出ていくという過疎化現象がずっと続いてきたわけですから、それを改めようとするのは並大抵なことではないはずです。これをこれからどうするか、つぶさに追求し、お互いに論議をし、見守っていくというふうな形に、これは置いておきたいと思います。決して並大抵なことではないであろうということだけをご指摘申し上げて、その立場から、そのようなことのないように、すばらしい取り組みの方向を打ち出していただけるよう、このたびはお願い申し上げておきたいと思います。
 残事業とのかかわり合いで、野鉄日方駅周辺の日方川にかかわる橋梁の問題です。
 企画部長のお話で、あれはJRに委託された事業だということですが、JRは県から委託されて、委託されたJRが請負業者と契約するという形式で進められているようです。委託されているんだからつべこべ言うなというふうな形で置かれては、我々市民、県民はたまったものじゃないんです。
 だから、委託された条項の中に、いろいろな事業の進捗状況を点検したり、あるいはまた調べたり、問いたださせたり、それを修正させるというようなことは、県の立場で当然あってしかるべきだと思うんです。そういう観点からの監視、監督、指導を強めていただきながら、つつがなく、滞りなく、市民が心配することのないようにこの事業が進められるようお願いをいたしまして、私の第二の質問を終わりたいと思います。
○副議長(宇治田栄蔵君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で中山豊君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後二時十九分散会

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