平成11年6月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(山田正彦議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午前十時二分開議
○議長(下川俊樹君) これより本日の会議を開きます。
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  【日程第一 議案第八十六号から議案第九十五号まで】
  【日程第二 一般質問】
○議長(下川俊樹君) 日程第一、議案第八十六号から議案第九十五号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 二番山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕(拍手)
○山田正彦君 おはようございます。
 私は、今春の県議会選挙におきまして那賀郡選挙区からこの県会の場へ送っていただきました山田正彦と申します。どうか、よろしくお願い申し上げます。
 県民の皆様の幸せな暮らしと和歌山県の将来を決めるこの大切な議会、先輩議員の大変なご苦労によって築き上げられてきた長い歴史と伝統に培われたこの権威ある県議会議場で発言させていただく栄誉に浴させていただけることに、ご支援をいただいた地域の皆様方に万感を込めて厚く感謝し、改めて御礼申し上げたいと思います。
 私は、今後、私にお与えいただいたこの立場を十分認識し、県政をより身近なものとして感じていただけるよう、あらゆる機会を通じて発言させていただきたいと思っております。
 なおまた、今も大変緊張しております。失言や過ぎた発言があろうかと思いますが、議場にいらっしゃる先輩議員、同僚議員、高瀬副知事を初めとする執行部の皆様方におかれましては、新人がゆえと寛容の精神をもってお許しをいただけるようにお願い申し上げます。
 それでは、通告させていただいております事案について、順次質問させていただきます。
 第一点目の案件といたしまして、私は長い間交通安全関係の仕事をさせていただきましたので、道路の安全施設の問題を取り上げたいと思います。
 その経験から常々思っている事柄が幾つかありますが、その一つに交差点における信号機の設置の問題があります。
 車社会の現在、人間と車がお互いに協調していかなければなりません。当然のことであります。しかし、人命は最も尊重されなければならないと思います。これもまた当然のことであります。公安委員会としても、大変厳しい財政運営の中、そのご苦労はよく理解しているつもりであります。あそこにもここにもと注文をつけるべきではありませんが、地元住民の生活道路として、幾度か事故が発生した事実がなければ設置していただけないようでは温かみのある行政とは言えません。今後、警察予算に大いに反映していただきたいと思います。
 そこで、もし仮に総量としての信号機台数に制約があるのであれば、今後、既設交差点への設置問題は別といたしまして、新設あるいは改良する交差点に設置する信号機の設置予算をその土木工事の予算に組み込んで同時処理するとか、あるいはまた道路面における白ライン、路肩ライン、センターラインを含めた白ラインで、これはもともと土木工事の予算分でありますし、追い越し禁止ライン、すなわち黄ラインは規制の問題もありまして警察予算になっておりますが、これを同時施工するように同一予算として処理するなど柔軟な運用が図られないものか。道路管理者と道路を規制する公安委員会との立場の違いはよく理解しているつもりでありますが、とにかく効率のよい、むだのない、温かみのある、心のこもった執行をお願い申し上げたいと思います。
 以上のことを踏まえて、県民の交通安全に日夜ご尽力いただいている警察本部長のお考えをお伺いしたいと思います。
 第二点目の案件といたしまして、文部省から示された新学習指導要領の和歌山県としての取り組みについてであります。
 二〇〇二年から実施される学校教育課程における教育内容の改革は、ある意味では戦後の教育方針が百八十度転換するほどの大きな出来事であろうと思います。二十世紀の前半は、第二次世界大戦にも見られるように、戦いの時代でありました。また戦後は、荒廃した国土復興のために先輩の皆様方は、寝食を忘れ、わき目も振らず、物質的繁栄を求めてひたすら働いてくださいました。おかげさまで、世界に冠たる何の不自由もない我が日本を築いてくださいました。そのご苦労に対しては、最大限の敬意を表したいと思います。しかし現在、余りにも物質的に恵まれ過ぎた中で、人間として、また日本人としての心を忘れがちではなかろうかと思います。
 西口知事の二月定例県議会の冒頭のごあいさつの中でも心の問題について少し触れられておりましたが、二十一世紀は心の時代だと思います。たまたま過日の毎日新聞にも載っておりましたが、国会議員へのアンケートの中で今一番見直したい事柄のトップに、自民、民主、公明、自由の皆様方は教育を挙げておられました。二十一世紀を担う青少年が、心豊かに素直に育っていただくために、家庭、学校、行政、地域が一体となって取り組まなければならないことは当然のことであります。そんなときに、人間としての心の教育、心の豊かさの教育の重要性を再確認するような学習指導要領が発表されたのであります。私も、今後の取り組みについて大いに関心を持っております。
 そこで、今後の取り組みについていろいろお尋ねしようと思っておりましたが、過日、先輩・新田議員もこの問題について詳しく質問されましたので、私なりに少し角度を変え、幾つか教育長にお尋ねしたいと思います。
 今度の新学習指導要領では、文部省として各都道府県、各地域の特性、特質を生かした教育をするようにとあると思います。そこで、和歌山県教育委員会としては、この特性、特質を生かしてどう指導されるつもりなのか。余りにも大きな問題でありますので、基本的なお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 次に、ご父兄への周知徹底の件であります。学校完全週五日制の実施に伴い、また総合的な学習の時間を設けることに伴い、学習時間が約三〇%縮小されるようにお伺いしています。そのために、学力低下の懸念の問題もあるでしょう。また行政としては、私学や塾への対応についても当然考えていかなければならないと思います。また学校にあっては、先生の再教育を徹底し、教師としての資質の高揚と教師としての自覚を持っていただくための指導を行わなければなりません。そのためにも、老朽化している教育研修センターを今後どうするのか。財政厳しい折であっても、国家百年の大計に立って早急に善処されるべきだと思いますが、そのお考えのほどは。
 以上、ご所見をお伺いしたいと思います。
 第三点目の案件といたしまして、議員に対する呼称の問題であります。呼び名の問題であります。
 私は、県議会へ当選させていただいて以来、「先生、先生」という言葉の満ちあふれていることに大変驚きました。私たちは、たくさんの有権者の代表として、県議会議員としてここに選ばれてまいりました。一方、県職員、執行部の皆様方も、県民の幸せ、生活の向上、県勢発展のために一生懸命頑張っていただいております。つまり、行政というものは、執行部と議会が車の両輪のごとくお互いに建設的な意見を闘わせながら、調和をとりながら推し進めていくものだと思っております。したがいまして、県職員、執行部の皆様方は、持ち場、持ち場のエキスパートとして、また私たち議員は県民の代表として、同じ土俵の上に立っております。対等であります。
 まことに失礼な話ながら、先生と呼ばれている方々には、職業的な呼び名として、学校の先生、お医者さん、弁護士さん、その他ごまんといらっしゃいますが、百八万県民の中で県議会議員として名誉ある称号をいただいているのは、この場にいらっしゃるたった四十七名しかいないのであります。この事実をどうかいま一度ご認識をいただき、今後はぜひ、私たちをだれだれ議員、山田議員とお呼びくださるようにお願い申し上げたいと思います。この本会議場では、当然だれだれ議員と発声されております。私的な場所とか、私的な会話にまで立ち入るつもりは毛頭ございませんが、せめて公的な場所、公的な会議等では特にそうお願い申し上げたいと思います。
 取りとめもないつまらない話だとお笑いの節もあろうかと思いますが、これから立ち向かう厳しい社会情勢の中で行財政改革を果敢に推し進めていかなければなりません。その第一歩は皆さん全員の意識改革であろうと思いますし、その第一歩の第一歩にでもなればと思いまして、あえて提言をさせていただきました。私は、真剣にそう考えている一人であります。
 余談ですが、私は「万象我師」を座右の銘といたしております。この件について、執行部のどなたかに、どの部かにご所見をお伺いしたいと思っておりましたが、どうも無理なようでありますので、要望ということにさせていただきます。
 前の二件についてご所見をお伺いし、つたない質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
○議長(下川俊樹君) ただいまの山田正彦君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 教育問題についてお答えいたします。
 このたび告示された学習指導要領は、完全学校週五日制のもと、ゆとりの中で特色ある教育を展開し、子供たちに生きる力を身につけさせることをねらいとしており、その中で心の豊かさをはぐくむ指導は極めて重要であります。各学校は、こうした趣旨をPTA活動や学校便りなどを通じて周知し、家庭や地域社会と一体となって新しい教育を進めていく必要があると考えております。
 今回の改訂では、学校裁量の幅が大きく拡大され、地域や生徒の特性を踏まえながら、各学校が校長のリーダーシップのもと、責任を持って積極的に特色ある取り組みを展開することが特徴であります。特に、新たに設けられる総合的な学習の時間は、教科の枠を超えて、子供たちがみずから課題を見つけ主体的に学習を行うものであり、大きな期待が寄せられております。
 本県におきましては、ことしの秋に、郷土の豊かな自然、歴史、産業などをまとめた「ふるさと教育副読本」を発刊し、小中学生がさまざまな場で学習に活用できるよう各学校に配布することとしております。また、現在開催されている南紀熊野体験博には、これまでに約二万人の児童生徒が学校行事として参加し、ふるさと和歌山のよさを学んでおります。このような郷土の持つすばらしさを教育の場で十分生かすことが、和歌山に誇りと自信を持ち、子供たち一人一人がたくましく成長していくことにつながると確信いたしております。
 今後とも、新しい学習指導要領にのっとり、ふるさと和歌山や地域から学ぶことを大切にしながら、特色ある教育を一層推進し、二十一世紀を力強く生き抜いていく心豊かな子供たちを育ててまいりたいと考えております。
 また、総合教育センターの建設につきましては、財政事情厳しい折ではありますが、できるだけ早い時期に具体化できるよう努力をいたしてまいります。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 警察本部長樋口建史君。
  〔樋口建史君、登壇〕
○警察本部長(樋口建史君) 山田議員にお答えを申し上げます。
 交通信号機の設置、それから追い越し禁止等の交通規制についてでございます。
 道路交通法等の関係法令によりまして、公安委員会の権限とされております。この公安委員会を補佐する県警察といたしましては、予想される交通量、交通の流れ、交通事故発生の危険性等を十分に分析、検討の上、必要性、緊急性等を総合的に判断いたしまして、適正な交通信号機の設置やその他の交通規制に努めているところでございます。
 お尋ねの、新設道路等における交通信号機の設置についてでございますが、法令上、公安委員会の事業とされておるところでございます。したがいまして、その所要経費につきましても警察費と明確にされているところであります。
 一方、新設道路におけるはみ出し禁止の規制標示いわゆる黄ラインの施工につきましては、中央線の指示標示、いわゆる白ラインに変えて、同一機会に一連の作業として施工するなど柔軟に対応するようにいたしております。
 今後とも、県民の方々の要望等を十分に踏まえて、道路管理者等との連携を図りながら、予算の効率的な運用に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(下川俊樹君) 以上で、山田正彦君の質問が終了いたしました。

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