平成11年6月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(中山 豊議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 四十二番中山 豊君。
  〔中山 豊君、登壇〕(拍手)
○中山 豊君 議長のお許しが出たので、質問を進めさせていただきます。
 木下秀男議員が最後に当局及び議場全体にご要望を申し上げていただいたあのお話は、私も同感であります。体調が整わないとして知事は昼からお休みになっておりますけれども、やはり長が不在となると、いささか心もとない気持ちは隠すことができません。しかし、木下議員が申されたように、ひとときたりとも県政の停滞は許されるものではない。その立場から、ともどもに懸命に努力し合うという心持ちを持ちながら質問に入りたいと思います。
 我が国憲法の前文に、「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する」。さらに第九条に、「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」。これを冒頭に申し上げて、以下質問を進めます。
 政府は、ガイドライン関連法を成立させた後、これの具体化を図るため、有事立法初め関連諸法の制定を急速に推し進めようとしているところです。六月中にも立法作業に入る意向だとのことのようですが、これが実際に動き出したら、都道府県の知事を通じてさまざまな不安や不幸が県民に強いられることになるのではないかと思うところから、以下幾つかお尋ねを申し上げます。
 まず、日本国憲法を根源的に変質させかねないことになるのではないかと指摘しながら、ガイドライン関連法によって日本が引き受けることになるであろう後方地域支援、すなわち戦闘中の米軍に対する武器、弾薬、兵員の輸送や軍事物資の補給、武器の修理など、紛れもなく米軍の戦闘行為と一体不可分の兵たん活動となると理解しているけれども、戦争には前方も後方もありません。このことは軍事の常識で、軍事目標だけでなく放送施設や発電所に至るまで爆撃対象にされることはユーゴの実態を見ても明らかであります。日本が行うことになる後方地域支援は武力行使と一体になるものではないとの政府の主張は、厳格に武力放棄をした日本がとるべき態度ではないことは論をまちません。
 さらに、法の骨格をなす根本問題、概念、定義を明らかにしないまま通されたことは大きな問題であります。「日本周辺地域」とはどの地域か、いかなる事態を「周辺事態」と言うのか、肝心かなめのところが法文には一切規定されていないわけであります。まことに異常な法律と言わざるを得ません。周辺地域も周辺事態有事の判定もアメリカの軍事的判断にゆだねるところが多く、白紙委任の批判さえ免れない立法と言わざるを得ません。極めて従属的な性格をあらわにしたものと言わざるを得ないのであります。
 また、国連と国際法を無視したアメリカの干渉と先制攻撃の戦争に日本が協力することになるのであります。政府は、アメリカの軍事行動を国連憲章と国際法に基づくものだと見ていますけれども、パナマ、グレナダへの軍事侵略、イラクへの一方的攻撃、現に国際決議もない今日のユーゴ無差別爆撃を見ても、政府の見解は通用しません。ユーゴ空爆のような介入戦争をアメリカがアジア太平洋地域に行われたら、これを周辺地域事態として日本は参加することになるのではないでしょうか。だから、この法律はアジアの軍事的緊張を高め、日本がアジアの孤児の道を歩むものであり、二十一世紀への日本の進路を誤ることになるのは否定できないのではないでしょうか。さらに、自治体と民間をアメリカの戦争に動員し、日本列島全体を米軍の発進基地、一大補給兵たん拠点とされることになるのであります。県民の生活と安全、権利が脅かされることは明らかであります。既に、米軍基地を持つ都道府県知事連絡協議会は、自治体協力の内容、手続、期間など何らの規定もされていないことについて、すべて政府に白紙委任することになるとの懸念を政府に訴えていることからもうかがえるところであります。
 日本政府が憲法の理念を大きく逸脱し、政府の行為によって日本国及び日本国民の将来に忌まわしい状態を引き起こしかねない道を開こうとしているとき、自衛隊の基地を持つ本県において、自衛隊基地がアメリカ軍との共同利用の道を開きかねない同法の内容からしても、また国会審議の中で明らかにされている周辺事態での自治体への協力要請依頼項目の例から見ても、極めて憂慮せざるを得ないわけです。
 昨日のある新聞の「論壇」に、元内閣安全保障室長・三井康有さんという人がこのようなことを書いておりましたから、ちょっと引用させてください。「留意しなければならない事がある。第一は、日米安保体制の下でいかにわが国が自主性を保つかである。ガイドライン関連法の運用に際し、それが端的に問われるのは周辺事態の認定だ。認定はあくまでわが国がその責任と見識の下で独自に行うべきであり、決して米国の言いなりになってはならない。 第二は、日米安保の見直しに柔軟に対応する備えだ。(中略)安保体制は再定義が必要なほどに変質している。条約そのものには手を触れず、既成事実を積み重ねる手法は限界があろう。さらに、ある日突然アメリカから安保条約の廃棄や改定を切り出される可能性も視野に入れておくべきだろう。 第三は対中政策である。中国は旧ソ連に代わり、超大国アメリカの地位に挑戦し、二十一世紀にはこれに拮抗し得るほとんど唯一の国だ。(中略)その中国がガイドライン関連法に執拗に反対し、警戒心を示した意味を軽視すべきではない」。このようなことを元内閣安全保障室長の三井さんが述べておられるのであります。
 このことに関連して、もしこれが発動されたとしたら、例えば、港湾、空港施設の使用、公共病院による米負傷兵などの受け入れ、公民館、体育館、学校、庁舎、公団などの使用許可を申し入れられるところであります。
 さきの議会で、我が党の議員の質問に答えて知事は、「県民の安全と幸せを守ることを私は常に念頭に置いて県行政を進めておる」、このように申されています。このことにかんがみて、以上述べたことから、県民の生活を守り、安全確保の上から、いかような立場に立たれるのか。この法律を発動させないような懸命な努力をともに重ねるというのが今日の自治体の置かれている立場ではないでしょうか。前の議会で知事が答弁なされたときから、今日の時点を踏まえてのさらに一歩進めたところでのご見解をお示し願いたいのであります。
 二つ目の問題は、ボートパーク事業の県内における具体的な取り組みの問題であります。
 運輸省は、かねてより港湾及び海浜等へのプレジャーボート──遊漁船──の不法係留をなくすための施策として全国にボートパーク事業なるものを打ち出し、それなりの効果を期待しているところでありますけれども、和歌山県下、中でも北部地域における現状を見るとき、十分に成果を上げているとは言えないのではないかとご指摘申し上げたいわけであります。
 県のこの施策を今日まで進めてきた経過と成果、及び今後に残された課題についてお答えを願いたい。これは、陸上にあっては車両に対しての車庫と同じで、海上での係留スポットと言うべきか、プレジャーボートの大衆化とともに求められる当然の施策であるだけに、行政は条件整備に当たるべきであると思うわけであります。
 ところで、田辺市が港湾管理条例をことし四月一日付で改め施行したことに伴い、田辺海上保安部と連携して取り締まりを強化するとのことであります。これでいくと、和歌山下津港に係るプレジャーボートの不法係留などに対する直接の責任というか、港湾の管理責任はどうなるのでしょうか。私には、県と関係自治体との関連が極めてわかりにくい。とにもかくにも、港湾の秩序ある使用を進めるために一層の努力を進めるべきであろう。港湾計画との絡みで、将来に向けての構想というか計画をお示し願いたいのであります。
 次に、南紀熊野体験博の問題であります。
 南紀熊野体験博開幕後一カ月余りが経過した段階で、当初予定した取り組みがつつがなくはかどっているのか、中でもこれが目的とするところについてどうなのかを今日の段階で総括する必要があろうかとの思いからお尋ねしたいわけであります。
 社会発展の仕組みが停滞し、近代化以降の価値観が見直されるに至って、日本人の心の来歴をたどり、先人に学ぶことで心の豊かさを求めようとの情報発信をしたいというのが基調ではなかったのか。その立場から見て、体験博は成功しつつあると見るのか。これについて知事の所信表明がなされたところですけれども、いまひとつ目的とするところと実態を述べ尽くしているようには伺えなかったのであります。紀南の地元の人はどう受けとめているか、生の姿としてどうつかまれているか。例えば、訪ねてくる人々の実情、各種イベントなどを通してどんな交流がなされ、地域の活性化に功を奏しているのか、地元住民と一体となった取り組みになっているのかの観点からの総括をしてみてほしいわけであります。
 次のような話がある新聞に載っていました。「声 読者の欄」です。あれこれあるんですが、必要なところだけ読ませていただきます。「健常者同士では分からないことが、障害をもっている人と行動をともにすることで見えてくるものや、気が付くことが多々あった。 この体験博のタイトルは、心をいやし、みたし、よみがえる。だけどこの日は──「この日」というのは、障害者の人たち四人が車いすで参加したらしいんです──私にとっては、心はすさみ、戸惑い、落ち込んだ一日でした」。このような障害者の体験博に参加した人の感想が声として新聞に掲載されておりました。
 またこれとは別に、波及効果と言うべきか、お客に草履をとのことで美里町の老人クラブに声がかかって、数千足の草履をつくって届けるという、思わぬことから大きな喜びを誘ったという話も耳にしておるところです。美里のこの老人たちは、現地へはよう行かないかもしれない。しかし、草履をつくることによって体験博に参加していることになるのではないでしょうか。また、もしこの私が現地へ行かなかったとしても、この場でこのようなことを取り上げて申し上げることを通じて参加していることになると考えられないでしょうか。現地に足を運んだ頭数だけでカウントされたら、このような人々は参加したことにはならないのではないでしょうか。そんな観点からの評価があってもよいのではないでしょうか。例えば、美里の老人のような形で参加する、この中山のような立場の者がこの議場でこの問題を取り上げて皆さんに申し上げる、当局にそのような考えをご指摘申し上げる。熊野博を総括するときに、こういう人たちも参加したとしてカウントされるということがあってもいいのではないかということを申し上げたかったわけであります。ともすると、集客の多い少ないが成功不成功の評価の主要なポイントにされがちであったが、期間中取り組まれている各種イベントはおびただしい数と内容を持っているだけに申し上げたいところであります。心にかかる取り組みの評価は頭数をカウントするだけでは相反する課題が残されていくわけです。心の豊かさを求めようとするならば、多様な観点からの接近の仕方があってもいいのではないか、このように申し上げたいわけであります。
 そのように申し上げながら、「熊野誌(第三十九号)」に中上健次の特集があるわけですが、この中で中上健次は次のように述べております。「物質文明、合理主義がこのようにはびこって、もうそろそろ行き着く時代ですよね。(中略)その時に、時代として、熊野が現代人に何かを与えることができると思う。(中略)やっぱり、熊野というと、魂のふるさと、魂が安らぐところ。傷つき、病気した人間が、治るような力を授けてくれるところ、非常にやさしい場所なんです」。こういうふうなご指摘を見るにつけて、南紀熊野体験博がこのような心を探り当て、このような心に接近をしながら、今日、現代人の行き着いた心の痛みや迷い、そういうふうなものを回復させていこうということから始まった体験博であるとするならば、頭数だけでカウントされてはこういうふうなところに評価が至らないのではないかと申し上げたかったのであります。当初予定している人数を見通せるところまでに来ているようであります。なおのこと大胆に、現世に飽き足らないという人々の心を救い、豊かさを求めるところに思いをつけて、もっと色合いを出した評価の仕方、運営の仕方、事態の進展の仕方を追求なさるということがあってもいいのではないかということを申し上げたかったわけであります。
 何しろ一カ月余り済んだところですから、南紀熊野体験博全体を総括してどうということには至らないというのは百も承知の上です。やがて、これが全期間を通じて終了した時点で、あの南紀熊野体験博は何だったのかということをお互いにはっきりと問いただして今後に残るようなものを見出し合いたい、こういうふうな体験博でありたいと思うわけであります。そんな熊野に心を寄せて開かれている南紀熊野体験博であったはずなんです。僕は、そういうふうにとりたい。
 考えてみれば、この南紀熊野体験博は、西口知事を先頭にして、和歌山県が世の人々に壮大なる試みと問題提起をしているように思えてならないんです。いわば、次世代への挑戦を試みていると言ってもいいでしょう。二十世紀末において、二十一世紀にどう生きていくかを問いかけている大事業だと認識し合ってはどうでしょうか。世情に飽き足らずに救いを求めた人々が、アリの熊野もうでと言われる行為を通じて平安、鎌倉、室町、江戸時代を経て、そして明治維新を断行する力を徐々に蓄えてきたというふうに見てきたら、アリの熊野もうでは、ただ単に宗教的なことに限らず、新しい時代、新しい日本の将来を築き上げていく文化活動、大きな精神活動の行為であったと見たとしたら、南紀熊野体験博はそれに置き比べてみてどうなんだろう。そういうふうな観点からの洞察を加える六月議会であってほしいということを考えながら、当局に一石を投じたかったわけであります。
 あえてこの問題で、今議会であれやらこれやらと論議し合うつもりはありません。一石を投じて、今後残された期間、もし中山の申すことが心に残って、和歌山県がさらに全国にそのようにして思いを波及させる価値があるとするならば、そういう観点からの取り組みを取り入れていただいて、やがて総括されるときに立派に二十一世紀へつないでいけるような事業であるように運営をしていただけることを切にお願いを申し上げたいところであります。
 次には、道路問題です。中山が立って道路問題を言わなかったら、あれ、どうかしたのと違うかと言われかねないくらいに道路問題をつかんで離さない課題と皆さんにご認識していただけるようになりました。
 県道海南金屋線の整備促進について。
 これは何回となく取り上げてきているから、もう皆さん十分ご存じのとおりだと思います。海南市側の事業のおくれは、地形や地質の問題等が主な要因でなかなか事業が進まない。もちろん、これをやろうと提起されても、地元住民のご理解と協力がなかなか得られにくいということも手伝っておりますけれども、主たる要因は、まずこうしようとする提起の少なさもあったに違いない。しかし、有田側からの整備促進が随分なされて海南側のおくれが目立ってくるものだから、トンネルを抜いてはという話が非常に激しく聞こえてくるようなご時勢になってきているわけです。こういうふうな状況下において、重根─田津原区間のバイパス、別所地区における年次的な待避所づくり、こういうラインの整備に関するお考えを今まで当局からお聞かせいただいているわけですけれども、重ねてそのような形で進められるのかどうかということを、まず一つお尋ね申し上げたいわけであります。
 その次、国道四百二十四号線と三百七十号線と交差するあたり、阪井から沖野々、野上中へずっと進んでいくところで、貴志川に沿ったところで交差しているわけであります。そこで今、着々と工事がなされているんですが、大型車が随分と入ってくることによって、あそこを右折したり左折したりするときに交差点で大型車に巻き込まれて大変危険だということで、地域住民から強い意見を寄せられているところであります。工事がだんだんと進んでいくにつけて、あそこもやがてはなされるんだという機運にはなっているけれども、具体的にどうなさるのかという住民の心配を取り除く当局からの告知がないものだから、一層心配が募ってくるわけであります。議会を通じて当局からご説明していただいて、地元の皆さんに、ああそうなのかと知らされることがすごく意味合いがあるのではないか。当局の道路行政とのかかわり合いで、どうなっているのかということを議会を通じて明らかにされることで住民の心配が取り除かれるという効果が期待できるのではないかと思うので、そのあたりのお考えをお聞かせ願いたいと思います。
 次に、四百二十四号線のひや水から上谷に向いてのお話であります。
 前の議会で申し上げて、それから後にひや水地区の問題が解決されて、作業車、資材運搬車、大型車などが上の方へ行きやすくなる条件が徐々に確保されつつあるわけです。そうなってくると、上の方へ向いての道路整備はどうなるんかという期待が住民から寄せられてくるのは人情であります。これについてお聞きしたいわけであります。
 最後に、四十二号線の問題です。
 有田、下津、海南の皆さんによって渋滞解消の整備促進協議会なるものが結成され、当局及び近畿地建等に陳情を重ねているわけですが、先般も総会がありまして、総会の後、近畿地建の和歌山工事事務所長に陳情を申し上げることがあって、私も同行させていただいた。下津町の小南の交差点の改良がかなり進んでよくなったこととの関連で、抜本的な対策を追求しつつも、交差点改良という課題は避けて通れないということから、今度は冷水浦の交差点が改良されないと渋滞が解消されにくいという話で、あそこを思い切ってなしにして、冷水へ直接通行する冷水バイパスのようなものをというお考えが突如として出されてきたようなお話があります。そのことは、ただ単にその交渉の陳情の中で突如として出たわけではなくて、かねがね冷水地区の人たちからそういう声が挙がっているということもその後において聞いたわけですが、これについては海南市当局及び地域住民のお話、あるいはまた二市一町の整備促進協議会、交通渋滞対策協議会等と十分に意思統一を図り、関係機関にお願いすることの手だてを踏みながらいかなくてはならないことだということを百も承知の上で、今議会はそういうふうなお話もあったよということをご提起申し上げて、それぞれの関係機関で十分な調査、精査、検討を加えて、これの実現のためにご努力いただくことをお願い申し上げて、第一回目の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○議長(下川俊樹君) ただいまの中山豊君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 副知事高瀬芳彦君。
  〔高瀬芳彦君、登壇〕
○副知事(高瀬芳彦君) 中山議員にお答えいたします。
 ガイドライン関連法と県民生活についてのご質問でございます。
 先月五月二十四日、ガイドライン関連法が成立いたしましたが、同法に関しまして、先月五月二十一日付で全国知事会において、適時・的確な情報提供に一層努められるとともに、できるだけの協力要請の内容、手順等を具体的に示されるよう、国に緊急に要望したところでございます。同法第九条に係る地方公共団体の協力の問題につきましては、具体的な要請並びに協力依頼の内容等も明らかでない状況では、県の対応について現段階では想定してお答えするのが難しいところでございます。
 今後、国からの要請を踏まえ、必要に応じ、関係法令に照らして検討してまいりたいと考えてございます。
 いずれにいたしましても、本年二月県議会におきまして、知事が「県民の安全と幸せを守ることを私は常に念頭において県行政を進めておるところでございまして、そのためにも国の安全と平和を強く願う一人でございます」とご答弁を申し上げたところでございますので、県民の幸せと安全を守る立場を堅持し、対処してまいりたいと考えてございますので、ご理解をいただきたいと思います。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 土木部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○土木部長(大山耕二君) まず、二点目のボートパーク事業の県内の具体化について、その一、今日までの取り組みの経過と残された課題、その二、港湾計画との絡みで秩序ある使用を進める構想をというお尋ねですが、一括してお答えいたします。
 県下の河川区域、港湾区域、漁港区域等における放置艇の隻数は、平成八年度の全国一斉調査時点において約五千三百隻が確認されております。この結果を踏まえるまでもなく、従来より放置艇問題を早急に解消することが必要だとの認識に立ち、係留・保管施設として大規模収容施設としての和歌山マリーナシティの整備や小型船舶を対象としたプレジャーボートスポット事業等を積極的に実施し、放置艇の解消に向けて取り組んできたところでございますが、放置艇の絶対数に対して充足している状況にはございません。このため、今後も係留・保管施設の向上を図るため、プレジャーボートスポット事業の後継事業であるボートパーク事業の導入について検討を進めていきたいと考えております。
 また、これらの事業のほか、放置艇の解消を図るためには係留・保管能力の向上に努めるとともに、一方で、公共用水域の秩序ある使用のための規制措置も課題と考えております。具体的には、係留重点禁止区域等の水域設定や県内プレジャーボートの登録届け出制度の導入も必要と考えており、そのための条例、要綱等の整備も必要と考えております。
 続きまして四点目の道路問題についてですが、そのうち一点目の県道海南金屋線整備促進についてでございます。
 現在進めている重根─田津原区間のバイパスにつきましては、平成十年度に地元関係者に説明を行い、ルートについてはおおむね了解されましたので用地取得に努めているところでございます。今後とも、事業進捗に努力してまいります。また、別所地区の待避所づくりにつきましては、地元から要望のありました四カ所のうち三カ所が平成十年度までに完成してございます。本年度におきましても、残りの一カ所に着手してまいります。
 二点目の四百二十四号、三百七十号の交差する地点の取り組みについてでございます。
 この交差点につきましては、野上橋のかけかえを含めた改良計画がございます。現在、この計画に基づき野上橋を挟んで両側の用地取得に努めているところでありますが、交差点周辺は補償物件が多く、地元の協力が不可欠でございますので、今後とも地元関係者の協力を得ながら事業進捗に努力してまいります。
 三点目の四百二十四号、ひや水地区から黒沢までの取り組みでございますが、まず国道四百二十四号、海南市ひや水地内の狭隘区間百六十五メートルの整備についてでございます。
 難航しておりました用地物件が解決し、先般、本工事に着手したところであります。今後、残る区間につきましても、用地買収を促進し、その整備に努めてまいります。また、落合橋付近から郡界までの未改良区間約二キロメートルのうち、特に交通の支障となる区間について、海南市を初め地元関係者の皆様方の協力を得ながら待避所等で対応してまいります。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 生活文化部長大井 光君。
  〔大井 光君、登壇〕
○生活文化部長(大井 光君) 中山豊議員質問の南紀熊野体験博の開催とその後についての、一つ目の、人数でカウントされることだけでは開催の趣旨が損なわれないか、また地元住民の心持ちと一体となる取り組みというご質問に対しましてお答えいたします。
 南紀熊野体験博の開催目的の一つは、本県が安らぎやいやしの最適の地であることをより多くの人々に体験し実感していただくことにより、その魅力を全国に情報発信していくことでありますが、開幕以来たくさんの来訪者をお迎えすることができ、当初の予想を上回る成果を得られているとの認識を持ってございます。
 一方、議員のご質問にもありましたように、この博覧会を単に来訪者の数だけで判断されることは博覧会の本旨とするところではなく、地域の住民が地域の魅力を再認識し、その振興と活性化につなげていくことがもう一つの大きな目的であり、そうした面からの評価も考慮に入れる必要があると考えております。
 今回の博覧会におきましては、地域住民が主体となって地域づくりに取り組む住民主導を大きな柱として位置づけており、さまざまな形で博覧会にかかわっていただいております。例えば、リゾート体験イベントでは、体験リーダーや運営スタッフとして、その中核となって来訪者にさまざまな体験を提供しており、地域イベントにおきましても、企画段階から参加し、各地で魅力あるイベントを展開しているところでございます。そのほか、特産品づくり、お茶のおもてなし、案内業務や熊野古道でのガイドボランティアとしての活動など、多方面にわたる積極的な参加をいただいております。こういった取り組みこそが、ふるさとへの誇りと愛着を深め、地域の活力を高めるもととなり、またこれらのイベントを通して人と人との交流が深められ、大きな財産として蓄積されていくものと考えてございます。
 いずれにいたしましても、会期はまだ中盤に差しかかったところであります。さまざまなご意見を参考にしながら、だれもが開催してよかったと思えるような、そして本県の飛躍につながるような博覧会となるよう、残された期間、全力を挙げて取り組んでまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(下川俊樹君) 以上で、中山豊君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後二時二十七分散会

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