平成11年2月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(大沢広太郎議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午前十時三分開議
○議長(下川俊樹君) これより本日の会議を開きます。
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  【日程第一 議案第一号から議案第八十一号まで】
  【日程第二 一般質問】
○議長(下川俊樹君) 日程第一、議案第一号から議案第八十一号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 1番大沢広太郎君。
  〔大沢広太郎君、登壇〕(拍手)
○大沢広太郎君 おはようございます。
 議長のお許しをいただきましたので、質問をさせていただきます。
 私は、四年前の平成七年に初当選以来、何回かこの本会議場の壇上に立たせていただき、当時の故仮谷知事を初め、そこにおられる西口知事に提言や要望等をさせていただきました。おかげで、魚類養殖などの水産業の振興はもちろんのこと、吉備湯浅パーキングエリアへの道の駅の設置、梅の生育不良の原因究明へ向けての研究プロジェクト機関の設置、また金融機関の再編問題、高齢者の交通事故防止対策でのシルバーマーク制の導入における問題の指摘、それに南紀熊野体験博における交通混雑の緩和策としての紀南地方での特急バスの運行やJRの列車の増便、国道三百十一号の小広工区などの供用開始時期の早期実施などについて、県を初めとする関係当局の皆さん方に耳を傾けていただき、数多くの課題や事業が実を結びましたことに、改めて御礼を述べさせていただきたいと思います。
 しかしながら、田辺市を初めとする紀南地方には数多くの県政の課題が山積されております。その中で田辺・南部地方での大きな課題と言えば、梅の生育不良であります。この問題は、今まで多くの先輩・同僚議員、また私もこの本会議場で何度も質問をさせていただきましたが、被害の実態は好転しておりません。
 一昨年の七月十五日、ここ和歌山県庁に、田辺市を中心とした七百人の農家の人たちがデモ行進をした後、訪れ、「日本一の梅を守れ」「第二火電は延期せよ」「知事は答申をするな」「和歌山の農家を殺すな」などと声を張り上げ、抗議文や要望書を手渡しました。しかし、間もなくして第二火電には国がゴーサインを出しました。
 梅産業は、健康ブームに支えられ、県内では五百億円事業とも言われております。私の住む田辺地域では、平成九年には千六百八十四ヘクタールの畑で約三十六万本の梅が栽培され、このうち立ち枯れは約一二%に当たる二百十ヘクタール、約六万三千本で、前の年に比べて立ち枯れは本数では約一万二千本ふえていることが西牟婁振興局の集計でも明らかにされております。生育不良の原因説としては、水不足や土壌悪化説、病原性バクテリア説、大気汚染説やモグラによる被害説などが挙げられておりますが、原因究明には至っておりません。
 そこで、県は暖地園芸センター内に梅対策チームを設置し、試験研究体制の充実を図ってきたほか、昨年、西口知事が政府に対し熱心に働きかけられた結果、国の新年度事業として国が緊急に取り組む必要がある重要技術の開発を目的とし、全国で唯一、暖地園芸センターを研究実施機関に指定して新年度予算に梅生育障害対策費約千六百五十万円が計上され、本格的に試験研究に乗り出すことになりました。また、JA紀南も関西電力と共同で、土壌、大気面から原因究明に取り組む梅生育障害対策研究会を発足させています。
 ここで、一番大切なことは、農家の人たちの不安を一日も早く取り除くためにも、これらのデータの公開、開示が必要とされています。それは、現在も大騒動が続いているテレビ朝日の「ニュースステーション」が暴走報道を行った埼玉県所沢産の野菜のダイオキシン汚染報道に見られるよう、放送のあった後になってJAや行政機関が報道より以前のデータを公表し、報道内容とは違うもので記者会見を行うなどして対応に当たりましたが、大手のスーパーを中心に所沢産の野菜の受け入れができなくなるなど、生産者はもちろんのこと、JAを初め県や市の関係者の混乱ぶりは今も続いています。このダイオキシン報道、テレビ朝日側が陳謝したため所沢産の野菜の流通は回復の方向に向かっておりますが、報道する側にももちろん問題はあったものの、データを常日ごろ公開するといった努力が足りなかったのも一因であったことは新聞などでも指摘をされております。
 そこで、梅の生育不良問題解決のためにも、県としてより詳しい被害の状況や生産状況、樹勢回復状況などの情報を公開、開示するとともに、気象や市場の動向などの情報交換についても地域と行政が一体となって取り組むことが重要で、第二の所沢騒動になってはたまりせん。国の指定試験地となる暖地園芸センターを初め、JAや関西電力でつくる梅生育障害対策研究会などが情報の開示や情報交換を行うことが必要不可欠であります。これらのデータの開示によるそれぞれの調査研究の共通点や相違点等々を情報交換するのも原因究明に大きく貢献すると言えます。なぜならば、梅農家の地元では、よい梅の木を育てるために接ぎ木は重要な作業の一つで、この接ぎ木作業に際しましては、近所の農家同士で失敗談や成功例を常に話し合い、自分のところの梅だけを守るといった秘密主義はなく、地域が一体となってよりよい梅づくりに取り組まなければ、健康を願って食べていただいている消費者の皆さんにも申しわけないということであります。こういった梅づくりに対する熱意と地域一体となった取り組みが和歌山の梅のブランド化につながったとも言えます。ブランド化された和歌山の梅のさらなるイメージアップを図るために、私たち県議会や行政の取り組みが大切であります。
 そこで、もう一つの問題点として、近年、中国や台湾産などの梅を原料とした梅加工食品が「紀州産」や「南高梅」の表示で市場に出回っており、消費者ににせものを売りつけていることが問題となっています。このため地元の市町村では、田辺市及び田辺町村議会正副議長会が農林水産大臣や国会議員、県知事ら二十五人の代表者らに梅干しの原料原産国の表示を求める要望陳情活動を行いました。この原産国の表示問題は、和歌山ブランドに大きな影響を及ぼし、地域経済を支えている産業の存在を危うくする憂慮する問題であり、県ご当局におかれましてはこの問題にどう対処されるかについてお伺いをいたしたいと思います。
 次に、南紀熊野体験博について質問をいたします。
 二十一世紀におけるリゾートライフの提案として、次の世代へのかけ橋となる南紀熊野体験博が来月二十九日に開催されます。開幕に向けての知事のご所見をお聞かせいただきたいと思います。
 以下、具体的な提案等を含めて述べさせていただきますので、ご答弁をいただきたいと存じます。
 この体験博、参加目標人員を二百万人と見込んでいることから、私は昨年の九月定例会の一般質問で、数多くの車両が紀南地方を走り、特に私の住む田辺市では国道四十二号を中心に大きな渋滞や交通混雑が予想され、地元の人たちの生活道路が確保できなくなるのではないか、体験博の実行委員会では交通対策連絡協議会を設置し、JRを初め、バス、タクシー会社、それに警察などがさらなる協議を続け、公共輸送機関の充実強化や駐車スペースの拡大に努めていただきたいということ、さらに紀南地方での特急バスの運行やJRの増便、臨時停車駅の設置などを強く要望してまいりました。
 そこで、博覧会を主体となって進めている県におかれましては、県内外の方々がスムーズに体験博に参加できるよう、その後どのような対策を講じたかについてお伺いをいたします。
 また、混雑の解消策の一つとして、大きなイベント別の参加人員を予想し、テレビ、ラジオ等のマスコミ等を通じて県民に知らせてはいかがでしょうか。
 その他、マイカーによる交通混雑の解消策として、紀南地方を訪れる行楽客に対して、JRやバスが自由に乗りおりできる一日や一週間のフリーパスの発行や期間中のフルシーズンフリーパス、それに夏休み期間中の家族連れを対象にした夏休みフリーパス(サマーシーズンフリーパス)等を導入される計画はあるのかについてお伺いをいたします。
 また、列車の利用客の利便性を図るために、かつて貨物荷役が多く扱われていた紀伊田辺駅のホームを改良していただき、体験博専用乗降ホームやバスターミナルの近くに乗降客専用改札の設置、それに南紀熊野体験博専用駅前広場を設け、博覧会のイベントの案内板やバスやタクシーの料金紹介板などを設けるようJRに働きかけてはいかがでしょうか。
 ところで、ことしの一月二十六日付の「日本経済新聞」記事で、開幕まで三カ月に迫ったのに、宿泊施設の予約は低調な上、公式ガイドブックすらでき上がっていないなどと、博覧会の準備の出おくれを取り上げられておりました。確かに各イベントのPR不足の点はありますが、これらの心配をよそに、中村玉緒さんによるテレビコマーシャルが好評を呼んだり、小椋佳さんによる博覧会のテーマソングも決まり、イベントも着実にシナリオができ上がるなど順調に進んできているようで、博覧会の成功を願う開催地の地元の一人としてほっとしている次第であります。
 そこで、イベントへの参加、集客についてでありますが、訪れる人たちにできるだけ多くの史跡や景勝地を知っていただくためにも、スタンプラリーや、海南市が博覧会期間中に導入する数多くの特典のついた通行手形のようなものを取り入れてはいかがでしょうか。このスタンプラリーは、現在、有田地方で数カ所の温泉めぐりを行うものとして実施され、スタンプを全部か、また半分の六カ所分を押した行楽客に宿泊券が当たるなどの特典がついているもので、紀南地方でもこれらのようなものの導入計画はあるのかについてお伺いをいたします。
 また、現在進行形で和歌山ラーメンが全国的に有名になり、店の前には行列ができるほどの大変な人気ぶりとなっておりますが、紀南地方でも県外の人たちに余り知られていない特産の食べ物が数多くあります。例えば、紀州茶がゆやめはりずし、サンマずし、それに龍神のゆべしや太地のてつめんもち、新宮や田辺等のお菓子などもあります。そこで、これらの特産の食べ物を知ってもらい、またそれを味わいに和歌山に訪れていただくためにも、中辺路のいやしの広場、本宮のよみがえり館、勝浦の大門坂みたし茶屋を中心に紹介してはいかがでしょうか。
 最後に、博覧会のサブテーマには「いやす」「みたす」「よみがえる」が掲げられています。そこで、訪れる人たちとの心の交流を深めるためにも、地元の人たちの人を受け入れる心が大切となってきます。ボランティア活動もその一つであります。
 そこで、体験博の推進専門部会では昨年八月から十一月にかけて田辺市と那智勝浦町のシンボルパーク会場で活動するボランティアを募集いたしましたが、熊野の歴史や史跡を地元の中学生や高校生、それに小学生の高学年の児童に勉強してもらい、地元の子供たちがこれらの名所を紹介する子供語り部を導入して、県内外の行楽客と地元の子供たちの交流を深めてはいかがなものでしょうか。これは、間もなく博覧会がスタートすることから時間的な制約もありますが、夏休み期間中に限定して紀南のよさをPRしてもらうとともに、心の交流を図られてはいかがなものでしょうか。
 以上、当局の見解をお伺いいたします。これで、一回目の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
○議長(下川俊樹君) ただいまの大沢広太郎君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
  〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 大沢議員にお答えをいたします。
 南紀熊野体験博に向けての所見でございます。
 この体験博は、本議会の冒頭にも申し上げましたように、人々にとって今一番必要な心のゆとりと安らぎを取り戻し、二十一世紀の人々の日常生活になくてはならないリゾートライフを提案するものでございます。
 私は常に申し上げていることでありますけれども、本県は豊かな自然と歴史、文化に恵まれてございます。いにしえから人々の安らぎの地であり、心のふるさとであったわけでございます。そのために、体験博期間中にはこれらの魅力を十二分に発揮できるように、十万人の熊野詣、あるいは和歌山の大自然の魅力に触れ、そのすばらしさを実感していただく地域イベント、さらには地域の皆さんが豊かな知識と経験を生かし、主体となって運営していただく参加型のイベントなどを開催いたしますけれども、体験博に訪れた方々にとっては、これらの体験を通して疲れた心と体をいやし、満たし、新たな活力を生み出していただけるものと確信をしております。
 いずれにいたしましても、私たち自身が和歌山県の魅力を再認識し、広く内外に発信していくとともに、地域の皆さんが貴重な経験を財産として次の世代に引き継いでいくことが二十一世紀の本県の飛躍にとって最も重要なことであろうと考えてございます。開催まであとわずかとなったわけでありますが、誘客対策、会場運営等、残された幾つかの課題に全力を挙げて取り組み、南紀熊野体験博を成功させるために万全を期してまいりたいと考えております。
 以上であります。
○議長(下川俊樹君) 農林水産部長尾崎武久君。
  〔尾崎武久君、登壇〕
○農林水産部長(尾崎武久君) 大沢議員ご質問の梅問題の二点についてお答え申し上げます。
 まず、梅の生育不良に関する情報公開についてのご質問でございます。
 県の試験研究機関の使命は地域課題を解決することにございまして、試験研究等に関する情報、データ等につきましては公開でなければならないと考えてございます。このため、梅の生育不良に関しましては、農家を初め市町村、農協等の関係者のご協力をいただいて取りまとめた実態調査や暴露試験を初めとする栽培、病害等の試験研究の成績、さらには大気の測定結果等につきまして、地元の協議会を初め地域での説明会などあらゆる機会をとらえ、ご説明、ご報告させていただいているところでございます。今後とも、県議会のご協力をいただきながら、農家の理解が得られるよう、試験研究のデータ等につきましては積極的に公開するとともに、地元の梅生育障害対策研究会との情報交換を図り、一日も早い問題解決に努めてまいりたいと考えてございます。
 次に、梅干しの原料原産国表示についてでございます。
 これまで先人たちが築いてきた和歌山の梅ブランドを守り育てることは、梅を地域産業とする本県にとりまして非常に重要であると認識してございます。こうした中、議員お話しのように、地元の市町村や議会などからJAS法に基づく梅干しの原料原産国表示を国に働きかけるよう強い要望をいただいておりまして、県といたしましても、地元の皆さんの声を十分踏まえ、その実現に向け、国に対し粘り強く働きかけを行ってきたところでございます。その結果、国では本年度から加工食品の原料原産国表示のあり方について調査検討に入っており、検討品目の一つとして梅干しが取り上げられる見通しにあると聞いてございます。今後とも、引き続き国に対し原料の原産国表示の実現を働きかけるとともに、関係団体に対し一層の自助努力を求めるなど、地域の基幹である梅産業を守り、発展させる観点から積極的な取り組みを行ってまいる所存でございます。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 生活文化部長大井 光君。
  〔大井 光君、登壇〕
○生活文化部長(大井 光君) 大沢広太郎議員ご質問の南紀熊野体験博の三点についてお答え申し上げます。
 まず、交通混雑対策であります。
 南紀熊野体験博への来訪者に、満足し、よい印象を持って帰っていただくためには、交通対策に万全を期すことが重要な課題であると考えてございます。そのため、昨年九月に交通対策連絡協議会を設置し、道路整備、公共交通機関の充実、駐車場確保など、南紀熊野地域全体の交通対策に取り組んできたところであります。特に特急バスにつきましては、白浜温泉から那智勝浦温泉間、両シンボルパーク直通の連絡バスが三月二十一日から運行を開始するとともに、白浜温泉から小広峠間に特急バスの臨時便を一日に二往復増便する予定であります。JRにつきましては、土、日曜日、ゴールデンウイーク、夏休み期間中に臨時列車の運行が予定されているとともに、那智駅への一部特急列車の臨時停車が決定されているところでございます。また、田辺新庄シンボルパークの駐車場につきましては、現在、千百台分を予定いたしておりますが、さらに駐車場を確保すべく関係者と協議中であります。
 次に交通情報でありますが、駐車場情報や迂回路情報、さらに交通に影響するイベント情報などを和歌山放送で提供するとともに、カーナビゲーションを活用した情報サービスも計画いたしております。今後とも引き続き、さまざまな観点から交通混雑対策に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 次に、公共交通の利用促進についてでございます。
 まず、フリーパスの設定につきましては、JR西日本に対し、体験博エリア内、乗りおり自由なフリーパスの設定の要請を行ってきたところでありますが、京阪神地区からJRと地元のバスを乗り継ぎできる白浜観光切符、勝浦観光切符があるため新しくフリーパスを設定できないとの回答があり、その導入は難しいものと考えております。なお、明光バスとは田辺新庄シンボルパークでの乗りおりができる白浜町内フリー切符の設定について協議中であります。
 また、田辺駅の改良についてでありますが、JR西日本では現行の設備で十分対応できるとの考えでありますが、乗降客に不便をかけないよう最善の体制をとるよう働きかけてまいりたいと考えてございます。
 さらに、案内板等につきましては、JRやバス会社と十分相談を行いながら設置するとともに、田辺駅前に観光案内所を開設するなど、体験博期間中、来客者の利便を図ってまいりたいと考えてございます。
 続きまして、熊博の集客とボランティア活動についてでございます。
 まず集客についてでありますが、今回の博覧会は具体的に入場券がありませんので集客については大変難しい面もありますけれども、情報発信基地としての両シンボルパークへ多くの方々に来場いただくため、いやしへの招待状を作成し、配布することといたしております。これと相まって、両シンボルパークから南紀熊野のさまざまな地域への誘導を促すことを目的に、議員ご提案のスタンプラリーの実施も計画いたしております。これの特典といたしまして、宿泊券、地場産品などを賞品とした抽せんを検討しているところでございます。また、十万人の熊野詣の拠点施設の一つである中辺路町のいやしの広場では、中辺路町実行委員会が地域特産の食べ物や特産品などの販売を計画しており、また本宮のよみがえり館においても地元実行委員会で現在検討されているところであります。そして、田辺新庄シンボルパークや各地域イベントにおいても、地元特産の食べ物を提供することを計画いたしております。いずれにいたしましても、南紀熊野体験博を契機に各地域の特産品を全国の多くの人々に知っていただけるように努めてまいりたいと考えてございます。
 ボランティアにつきましては、運営の支援や熊野古道ガイドボランティアを募集いたしましたところ約二千五十名の方々から応募をいただきましたが、来訪者との心の交流を深める重要な役割を果たしていただけるものと期待しているところでございます。
 なお、議員ご提案の子供語り部制度の導入につきましては、非常に難しいと考えておりますが、来訪者と地元の子供たちとの交流につきましては、市町村の体験イベントや地域イベントの中で交流を深めていただけるものと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 1番大沢広太郎君。
○大沢広太郎君 ご答弁をいただきまして、ありがとうございました。
 今や、和歌山の梅は全国シェアの半分を占めております。また全国の梅の出荷量は、ワインブームにも乗りまして十年前の約二倍となっております。また、梅酒のテレビコマーシャルの中で「和歌山南部産の高品質の梅を使った梅酒」とのコメントが流れるなど、紀州の梅は文字どおりブランド化されております。このブランド化には、地元を初めとする関係者の皆様方の大変なご苦労があったと言えます。特に南部川村は、役場の中に昭和四十八年に全国で初めてうめ課を誕生させ、梅産業の振興を図り、南部梅林を全国的に有名にさせたほか、梅酒の消費拡大を図った一方で、生育不良対策では梅シンポジウムを開催したりして対策に当たっております。また、昨年にはうめ振興館を完成させ、和歌山の梅のブランド化をさらに推進しているほか、先月二十四日、二十五日に群馬県安中市で開かれました第四回全国梅サミットで山田五良村長は、和歌山の梅がブランド化された点について講演し、その中で、村民みんなの力で村の名前が全国的に通じるようになったこと、村一体となっての取り組みを強調されておりました。また、これからの農業の問題の一つである農業後継者の育成でありますが、梅の産地である田辺市や南部川村などに都会から農家へUターンする若者の就農率も高くなってきているという明るい見通しが見えてきております。
 そこで、県におかれましては、このような状況のもと、梅の生育不良問題を一日も早くクリアされて、和歌山の梅のさらなるブランド化に向けて取り組んでいただきたいと思う次第であります。
 それから、南紀熊野体験博であります。
 このイベントは、将来の本県の観光のあり方を探るという意味合いもあります。私が幾つか提案をさせていただいた方策を前向きに検討していただきたい、そのように思う次第であります。
 その中で、子供によるボランティアでありますが、子供たちが地元の歴史や風土、すばらしい自然環境と人情を知ってもらい、訪れる人たちにこれらを紹介するということは、一石三鳥、一石四鳥の効果があると思っております。こういった取り組みこそが、若者がふるさとのことを考え、また国際化社会での日本人のあり方を考えるといった方向づけができるものと思っております。強いて言えば、国旗の日の丸や国歌を大切にするといったことにもつながっていくものと私は思っております。
 以上、要望を申し上げ、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○議長(下川俊樹君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で大沢広太郎君の質問が終了いたしました。

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