平成11年2月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(向井嘉久藏議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午前十時二分開議
○議長(下川俊樹君) これより本日の会議を開きます。
      ──────────────────
  【日程第一 議案第一号から議案第八十一号まで】
  【日程第二 一般質問】
○議長(下川俊樹君) 日程第一、議案第一号から議案第八十一号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 11番向井嘉久藏君。
  〔向井嘉久藏君、登壇〕(拍手)
○向井嘉久藏君 皆さん、おはようございます。通告に従って一般質問をさせていただきます。
 まず橋本市の産廃について質問したいと思うんですけれども、もう三年前から質問をさせていただきまして、いろんな問題を提起させていただきました。しかし、おくれながらも少しずつ県の協力をいただいて一歩一歩解決に向かって進んでおりますこと、心から喜んでおる一人でございますが、なおまだまだ解決しなければならない問題がたくさんございます。また、住民の方々も県の遅々として進まない解決にいら立っているというのが現実だと思うのです。そういう意味できょうは質問させていただくわけでございます。
 質問に入らせていただきます。
 県はダイオキシン類問題検討委員会を設置して、橋本市野の日本工業所に係るダイオキシンや悪臭等についての検討を依頼いたしました。第一回目の委員会が昨年十二月二十五日、橋本市で開催されまして、委員の皆さん方は現場を調査されました。私も同行させていただきました。第二回目は二月十五日、県の文館で開催されまして、ダイオキシン類等の調査計画が示されました。ダイオキシン類の分布状況を把握するための再調査と埋立物、重金属類の調査のためボーリングの実施、悪臭とガス分析を二月末に実施せよと、こういう話でございます。ボーリング調査は地元住民が以前より強く要望していたところでもございまして、大きな前進であると思っております。
 検討委員会の決定に沿って二月二十二日、日本工業所地内で、ダイオキシン類、また産廃等埋立物の調査のため、多くの住民注視の中、ボーリングが行われました。調査が長時間であったこともあり、取材に来ていたマスコミ関係者、また地元住民らのうち数人が気分が悪くなり、戻すという一幕もございました。そんな中でボーリングが行われたわけでございますが、ボーリング業者の話では、ダイオキシン類については検査を待たなければならないが、ボーリングした検体を見ると産廃と確認できるような埋立物が出ているということでありました。
 また、二月二十四日夜、岸本代議士から電話で、自民党議員団として現場を調査をしたいという連絡がありまして、二月二十七日午前十一時四十五分、岸本衆議院議員、世耕参議院議員、また私ども地元二人の県会議員、地元の自民党市会議員九人が参加して、自民党議員団として現地を視察させていただくことになっております。
 そこで質問に入りますが、生活文化部長にお願いします。
 一つには、ボーリング調査の結果、埋立物すなわち産廃と確認されればこの埋め立ててあるものを撤去するのか。二つには、放置されている産廃撤去に係る費用のうち厚生省が国費三分の一の補助を出すという決定がされたと報道され、八つほどの自治体が候補として名前が挙がっておりましたが、その中に和歌山県の名がありませんでした。どういうような理由から名前がないのですか。この二つをお伺いしたいと思います。全額県単独で撤去するおつもりなのかどうか、お伺いしたいと思います。また、十一年に同様の措置があるのか、これもあわせてお答え願いたいと思います。
 産廃処理施設の高度ダイオキシン類を含む産廃撤去を求めて、二月二十二日、周辺住民一千六百十五人が早期解決への願いを込めて県公害紛争調停委員会への調停申し立てを行いました。県はこのことをどのように受けとめておられるのか、お伺いしたいと思うのでございます。
 続きまして、広域農道についてお伺いいたします。
 紀の川左岸広域農道は、橋本市清水を起点に那賀郡打田町を結ぶ全長二十八キロの農道でありますが、計画から既に十年が経過しております。地籍調査の完了していた九度山町から工事が着工され、橋本市関係地区でも用地の買収が進められております。本年は、本県の財政状態の悪化から、予算の縮小等で工期の相当のおくれが予想されるところでございます。しかし、橋本市内でおくれていた地籍調査もこのところようやく完了いたしましたので、十一年度には思い切った予算づけを要望しておったところ、十一年度予算は相当の増額が認められております。これで、用地の買収については進展するであろうと期待するものであります。
 いずれ完成するであろうこの農道に、問題点がございます。それは、起点となる清水付近に農道に連絡する道路がないことであります。現在、連絡道路が計画されておりません。計画されたときには恐らく右岸広域農道のようなイメージで、自然の地形に沿った農道を考えられ、既存の道路を利用する、このように考えておったのではないかと思うのでございます。
歳月を経て農道そのものの考え方も変わり、自動車道のように変わってまいりました。連絡道路については検討がなおざりにされておったのではないかな、このように思うのでございます。この問題は地元関係住民からも再三強く要望されておりますが、県の施行か、また橋本市の施行か、具体的には決まらず今になってしまっているような現状でございます。
 質問に入らせていただきます。
 知事にお伺いいたします。知事さん、なるべく早い時期に一遍現地を見ていただいて、どのようになっているのか現状を把握していただけないかなと、これについてひとつお伺いしたいと思います。
 それから農林水産部長には、私は早急に県と市の調整が不可欠だと思っておりますので、調整に入られるご意思があるのかどうか、お伺いしたいと思います。
 続いて、三百七十一号バイパスと紀の川架橋についてお伺いいたします。
 河内長野市を起点とする三百七十一号線で、河内長野市石仏付近では既にバイパス工事が進行しております。橋本市内でも買収が進み、市脇─東家地内では十一年度中に工事が予定されております。このバイパスで一番ネックと思われるのが、国道二十四号線との交差部分であります。これは橋本市市脇の部分でございますが、現在のバイパスも国道二十四号線と交差しております。一信号で通過できる車がせいぜい十五台程度でございまして、うち右折できる車、すなわち橋本から和歌山の方へ抜けられる車は一信号当たり七台から八台ぐらいだと思います。夏休み中に和歌山方面からの海水浴等の行楽帰りの車が列をなし、橋本市北部から河内長野市まで長蛇の列でありまして、渋滞はしばしば起こっております。三百七十一号バイパス完成の暁には、これが逆になるのではないかと思うのであります。すなわち、片側二車線、制限速度六十キロで走行してまいりました車が二十四号線でとめられ、橋本市から河内長野市まで続くことは容易に予想がつくのであります。
 質問に入ります。
 三百七十一号バイパスと国道二十四号の交差部分は、近い将来を考えただけでも立体交差にしておいていただかなければ悔いを残すのではないかと思うのであります。現在どのように計画しているのかをお伺いいたします。
 次に、市脇─清水間紀の川架橋の早期着工は地元の建設促進委員会ができてからもう二十年の運動を続けておりますが、この紀の川架橋の質問をさせていただきます。
 昨年、県単独事業として調査費五百万円が計上され、ボーリング調査が行われました。また本年は、国費二億円で本格的なボーリング調査と一部用地の買収が進められております。地元住民が運動を始めて二十年、ようやくにして明かりが見えてきた思いでいっぱいでございます。
 質問に入らせていただきます。
 紀の川架橋本体工事を本年度中に始められないか。これについて、土木部長にお伺いいたします。
 次に、橋本市運動公園内に建設中の県立橋本体育館の管理運営についてお伺いいたします。
 県立橋本体育館の建設が進み、足場も取り外されて、その威容が見られるようになりました。本年九月には竣工する予定でありまして、オープンが待たれるところであります。この橋本市民運動公園の中には陸上競技場、テニス場十二面、市民プール・競泳用プール・流水プールがありますが、今、その中に体育館ができようとしております。そういうことで、この体育館ができると、橋本市内で行われているスポーツ大会がここに集中してまいります。そういう意味で質問をさせていただきます。
 竣工の暁には、伊都・橋本地方のスポーツ・文化の発信基地になることを期待するものであります。また、スポーツ団体もオープンを待っているところでございます。県民に親しまれ、気安く使えて常に利用される施設でなければならないと考えております。何よりも、この体育館は橋本市民運動公園の中にあるということでございます。
今議会に提案されている議案第六十一号のうち、橋本体育館使用料について伺います。
 提案されている使用料設定のうち、スポーツやレクリエーションで使う料金の区分がございますが、午前九時から午後九時までの使用時間帯で見ますと、メーンアリーナで七万五千円、サブアリーナで二万二千円、武道室で一万三千八百六十円と設定されております。この料金設定でありますと、スポーツ大会等で使用できる団体はないのではないか、こういうふうに危惧するものであります。せっかくつくった立派な体育館が使用されないものになってしまうのではないかと心配しております。
 そこで、質問に入ります。土木部長にお願いします。
 和歌山県体育協会また傘下の団体、地方の市町村体育協会が所管する大会については減免措置を受けられないか、このようにお伺いしたいと思うのでございます。これは、和歌山県の県立施設に共通するものですから早急にはできないという話でもございますが、しかし、この橋本にある体育館は運動公園の中にある。陸上競技場が使える、テニスコートが使える、しかし目の前にある体育館は料金が高いために使えない、こういうことでは何のために巨費を投じて立派な体育館をつくっていただいたのか。これがなくなってしまいます。仏つくって魂入れずという言葉もございます。このことについて土木部長の回答をお願いしたいと思います。
 質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○議長(下川俊樹君) ただいまの向井嘉久藏君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
  〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 向井議員にお答えをいたします。
 広域農道に関連してのご質問であります。
 紀の川左岸の広域農道は、紀の川沿い南岸の橋本市から打田町までの一市六町にまたがる農道でございまして、平成五年度に完了した北岸の広域農道と一体的に機能することにより南岸地域の農業振興を図るものであります。全体延長約二十八キロで、平成三年度から着手をしておるわけでありまして、そのうち橋本市からかつらぎ町までの紀の川左岸地区については、平成十年度までの事業費ベースでの進捗率は約五〇%であります。平成十一年度につきましては、十年度の三次補正約三億円を含めて約十五億円を予算計上し、事業推進を図ることとしてございます。今後とも、地元関係者のご協力をいただきながら事業の早期完成に努めてまいりたいと考えております。
 ご質問にございましたように、連絡道路などの問題がございますので、近く、三月六日の予定ですけれども、橋本方面に出かける機会がございますので、その機会に現地を視察させていただきたいと思っております。
 以上です。
○議長(下川俊樹君) 生活文化部長大井 光君。
  〔大井 光君、登壇〕
○生活文化部長(大井 光君) 向井嘉久藏議員ご質問の、廃棄物に関連しての三点についてお答えいたします。
 まず第一点目のボーリング調査結果への対応と、第二点目の国の補助事業に対する県の考え方について、あわせてお答えいたしたいと思います。
 当該土地につきましては、従前より水質検査を実施し、環境監視を続けてきた結果、生活環境保全上に支障がないものと判断いたしておりますが、昨年八月末に実施したダイオキシン類調査の結果、最高で千七百ピコグラムを検出いたしました。現段階では住宅地のガイドラインしか定められておりませんが、生活環境保全上の観点から、県独自でダイオキシンに関する権威者や学識経験者で構成する株式会社日本工業所に係るダイオキシン類問題検討委員会を設置し、濃度分布を把握するための再調査の実施、土壌汚染に伴う健康影響への考え方及び対策の必要性と内容について、専門的な見地から検討をお願いしているところでございます。県といたしましては、検討委員会のご提言を尊重し、国とも協議しながら対応してまいりたいと考えてございます。
 なお、その対応につきましては、行為者である株式会社日本工業所が行うべきものであると考えております。
 それから三点目の、県公害紛争調停委員会への申し立てをどう受けとめているかというご質問であります。
 県といたしましては、今日まで廃棄物処理法に基づき、夜間の焼却中止、廃棄物の搬入中止等の改善命令、あるいは産業廃棄物の適正処理について可能な限り対応するとともに、浸出水の水質検査、悪臭調査、排ガス調査等の監視を行ってまいりました。さらに、こうした法律に基づく対応とは別に、苦情の原因となった焼却炉の使用中止、緊急避難的な措置として廃棄物の場外搬出、加えて、今回のダイオキシン類問題検討委員会の設置など、全力で対応してまいったところでございます。こうした中での公害紛争調停の申し立てであり、私としては残念な思いでありますが、調停には真摯に対応してまいる所存でございます。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 農林水産部長尾崎武久君。
  〔尾崎武久君、登壇〕
○農林水産部長(尾崎武久君) 向井嘉久藏議員ご質問の広域農道についてのうち、早急に県、市、地元との協議をされたいとのご質問にお答え申し上げます。
 広域農道紀の川左岸地区についてでございますが、平成十年度において橋本工区で六百三十メートル、九度山工区で二千五百四十メートル、かつらぎ工区で七百六十メートルが完了する予定でございます。事業推進には、用地買収が大変重要な問題でございます。懸案の地籍調査事業につきましては、関係市、町と地元関係者のご協力により順調に進んでいると聞いておりますので、調査完了したところから順次関係者の協力を得ながら用地買収を進め、事業推進に努めてまいりたいと考えてございます。
 議員お話しの、橋本工区の広域農道との連絡道路につきましては、以前より再三市とも協議を重ねてまいりました。現在はルート等の案も固まり、地元、市、県とで具体的に検討を進めているところでございます。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 土木部長長沢小太郎君。
  〔長沢小太郎君、登壇〕
○土木部長(長沢小太郎君) 向井議員のご質問にお答えいたします。
 国道三百七十一号バイパスと二十四号の立体交差の問題でございます。
 国道二十四号交差部から府県境については平成元年度に国道三百七十一号橋本バイパスとして四車線で、また国道二十四号から南側については、紀の川を横断して清水地内の国道三百七十号までの区間を本年度より新橋本橋として二車線で、それぞれ事業化しているところでございます。
 国道三百七十一号と国道二十四号の交差部は、現在平面交差の計画で事業を進めておりますが、全体の交通量の伸びも想定する中で、国道三百七十一号と接続する京奈和自動車道橋本道路の供用をも見込んだ計画となっておりますところから、この計画で円滑な交通の流れを確保できると考えております。
 次に新橋本橋についてでございますが、本年度については実施に向けたボーリング調査及び詳細設計などを実施しているところでございます。
 橋梁本体工事につきましては、調査及び詳細設計を含め、関係機関との協議などが整い次第、平成十一年度内に着手していくよう努力してまいります。
 次に、橋本県立体育館の問題でございます。
 橋本体育館は、各種スポーツ大会やコンサート、イベントなどに幅広く県民の皆様に活用していただける施設として建設しているところでございます。
 体育館を維持管理するためには多くの経費が必要でございますが、その経費の一部を利用者にもご負担いただくということで、今回の議会に設置管理条例とあわせて使用料についてご提案させていただいているところでございます。
 使用料の設定は、県立の類似施設や周辺施設の使用料を参考といたしました。特に、スポーツ、レクリエーションでの使用の場合につきましては、他の場合に比べ最も低く設定しておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
 なお、使用料の減免につきましては、小学生、中学生、高校生が利用する場合や障害者が利用する場合とさせていただきたいと考えております。
 いずれにいたしましても、今後の運営管理に当たっては県民の皆様に広く利用していただけるよう努力してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 11番向井嘉久藏君。
○向井嘉久藏君 知事から、三月六日に現場へ来てつぶさに視察しましょうと、こういうご答弁をいただきました。ありがとうございます。どうぞ、よろしくお願いしたいと思います。
 それから生活文化部長からの答弁でありますが、大阪府の能勢町、これは一般廃棄物でございますが、十五億円をかけてあの施設を撤去するということが決定されました。日本で、まだ稼働できる施設が十五億もの巨費を投じて撤去するというのは初めてでございます。これはなぜか。ダイオキシンが原因でございます。そういう意味から、橋本市野地区にある日本工業所の処理場──現実に、県が調査した数値でダイオキシンが千七百ピコグラムも出ている、住民の皆さんが調査したところでは県の数倍も出ているというような数値でございます。そういうことで、大阪府が、いっぱいの処理場であっても撤去すると。
この間、テレビを見ておりましたらドイツの状況が放映されており、フェンスに囲まれた広大な土地が映し出されておりました。なぜフェンスに囲まれた場所があるのかというレポーターの解説によると、そこに工場があった、けれどもダイオキシンが検出された、だから工場をつぶす、それから近いうちに土壌の入れかえもすると、こういう報道でありました。
 そういうことで、日本とドイツとの温度差というのはもう否定のしようもございませんが、ダイオキシンについて国、地方の自治体、また国民が何とかしなければという気持ちでいっぱいで、だんだん情勢が変わってきております。そういう意味から橋本のこの産廃処理場の関係についても、ボーリングした結果、どうしてもそういう数値が出てきたということであれば撤去の方向へ向けて努力をしていただきたい。このようにお願いするわけでございます。
 また、この検討委員会の具申も尊重してやっていく、公害紛争調停委員会への調停申し立てについても真摯に受けとめてまいりたいとの答弁がございましたので、二年、一年前の答弁とは雲泥の差だなと思っております。ありがとうございます。今後ともひとつよろしくお願いしたいと思います。
 また土木部長に、体育館の使用のことについて最後に要望しておきます。
 私は、すべての料金を安くしていただきたいというのが本音でございますが、しかし他の施設との関連もありましょう。また、大阪や他府県から来て使っていただく方は別として、県の体育施設でありますから、和歌山県の体育協会が所管する大会とか、またその傘下の協会が主催する正式な大会、それから地元市町村の体育協会が所管する大会については、せめて小学生と同様な措置をする、二分の一に軽減するとか、こういうことが必要ではないかなと思っておるわけでございます。要望して終わりますが、どうか今後そういう方向でご検討をお願いしたいと思います。
 以上で、要望を終わります。
○議長(下川俊樹君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で向井嘉久藏君の質問が終了いたしました。

このページの先頭へ