平成11年2月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(野見山 海議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午前十時四分開議
○議長(下川俊樹君) これより本日の会議を開きます。
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  【日程第一 議案第一号から議案第八十一号まで】
  【日程第二 一般質問】
○議長(下川俊樹君) 日程第一、議案第一号から議案第八十一号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 30番野見山 海君。
  〔野見山 海君、登壇〕(拍手)
○野見山 海君 おはようございます。
 私ごとでございますけれども、二期目の四年間、議員活動を務めてまいりました。先輩議員並びに同僚議員の皆さんのおかげでありますし、また西口知事を初め県行政の皆さん方に温かいおつき合いをしていただきましたことを心からお礼申し上げます。
 それでは、通告に従い、一般質問をさせていただきます。
 最初に、県信の事業譲渡についてお伺いいたします。
 国は懸命な施策を講じてきましたが、昨年も景気回復の兆しは一向に見えてこなかったと思います。本県では、全国に大きなショックを与えた保険金詐欺事件、毒物混入事件の発生や政界における不祥事の発覚等、県民の方々に不安を与えてその信頼を裏切る事件が相次ぐなど暗いニュースばかりが続きましただけに、ことしこそは和歌山県のイメージを変えなければなりません。ことしは、南紀熊野体験博が四月二十九日から百四十四日間にわたり紀南地域において開催されますが、私も微力ながら、成功に向け、友人、知人に南紀熊野体験博のパンフレットを郵送して一人でも多くの方に参加をいただくよう努力しているところであり、ぜひ成功させたいと思うところであります。
 さて、二月五日のNHKテレビで、「町の銀行が消えた」という番組が放映されましたが、多くの方々が注目して見られたと思います。知人からも和歌山県は大丈夫かと心配する電話が入り、頑張るしかないよという話もいたしました。本県のキャッチフレーズとして「産業が元気」「人が元気」「自然と文化が元気」を目標に掲げているだけに、元気のある和歌山県を取り戻すためにも県商工信用組合の紀陽銀行への事業譲渡をスムーズに進行させなければならないと思うのであります。
 昨年三月、県信が紀陽銀行に事業譲渡されるという報道がされましたが、昭和二十九年に田辺の地に誕生し、地域の皆さんに親しまれ、三千億円を超える預金量を持つ全国でも屈指の信用組合に成長した県信が消えてしまうことに、私は言いようのない寂しさを覚えました。そして、これから先、貸し出しはどうなるんだろうか、職員の再就職はどうなるか等々、さまざまな不安が頭の中を駆けめぐりました。もちろん、私だけではなく、とりわけ地元田辺市民にとっては、阪和銀行に続き二つ目の地元の金融機関を失うのでありますから、その衝撃と将来に対する不安ははかり知れないものがあります。それから一年がたち、県信の貸出先を紀陽銀行と整理回収銀行に振り分ける作業も終わったように聞いております。県民はもとより、田辺市民も県信の事業譲渡の推移を大きな関心を持って見守っています。
 そこで、現在事業譲渡の進捗状況はどのようになっているか、お伺いいたします。
 次に、田辺発祥の金融機関が二年もたたないうちに二つも破綻したわけですから、先日のNHKの報道にもあったように、地元の中小零細企業の資金繰りは大変厳しくなっております。紀陽銀行に債権を移行できる企業は別として、それ以外の企業は他の金融機関に移行するために相当な苦労をしているという話を至るところで耳にいたします。このような状況について県はどのように考えているのか、また県信の貸出先の紀陽銀行への移行状況はどのようになっているのか、お伺いいたします。
 最後に、これも大変重要なことですが、県信職員の雇用対策についてであります。
 従来、田辺地域では県信は有力な雇用の受け皿であったわけです。これがなくなるということは、雇用情勢が冷え込んでいるところへ追い打ちをかけるような状況になっているわけであります。県信職員は中高年者が多く、なかなか再就職先を見つけられないと聞いております。雇用開拓については、まず県信自体が汗をかかなければならないことはもちろんでありますが、現在はそういう状況ではありません。その中で職員も、職を失うという不安を毎日抱えながら事業譲渡の作業を行っていることをご理解いただき、県当局においてもできる限り努力し、県信の雇用開拓の活動を全面的に支援していただきたいと願うものであります。
 そこで、職員の再就職状況は現時点でどのようになっているのか、また県はどのような対策を講じているのか、お伺いいたします。
 次に、梅の生育不良についてお尋ねいたします。
 現在、田辺・南部方面では梅の花が満開でございます。岩代大梅林開きが二月六日、一目百万本の南部梅林開きが二月十一日に、一目三十万本の田辺梅林開きが雪化粧の中、ことしも生育不良が心配されながらも地元石神地域住民の皆さんの温かいもてなしで開催され、観梅シーズンを迎えています。地元三県議も出席をさせていただきました。それだけに、梅の生育不良の原因究明を一日も早く願うものであります。
 本県の梅、梅干しは、江戸時代、田辺藩下において重税に悩まされていた農民が、竹や梅しか育たないやせ地は免租地となることから、重税を免れる意味もあってそこに梅を栽培したことが本格的な梅栽培の始まりであります。また、田辺藩がやせ地を利用した梅の栽培を奨励し、保護政策をとったため、田辺・南部地方に広がったとも伝えられております。その後、戦後の社会経済の復興とともに果実類の需要も増加し、梅の栽培も昭和三十年以降は急速に伸び、優良品種の古城、南高の出現と、高度成長時代に入って食生活の多様化による梅の需要の伸びが原因となって、昭和三十五年ごろよりさらに栽培面積が増加したと言われております。また、昭和五十六年ごろより、自然食品、健康食品ブームによって梅干しが消費者に見直され、質・量とも日本一に、また加工面においても、梅干し、梅酒以外にジャム、梅エキス、ジュースと多方面へ活用されています。この歴史と伝統を守り続けている梅生産加工農家の生活を脅かしている梅の生育不良の原因解明を一日も早く実現し、梅関係の方々が安心して梅づくりのできるような環境を整えることが強く望まれています。
 ご存じのとおり、梅の生育不良については、昭和六十年ごろより上芳養石神地域の一部の園で発症が報告されております。その後、平成二年ごろより被害が急に拡大し始め、現在もなお標高の高い山間地から平地へ、そして南部町東岩代のパイロットや秋津川パイロット地域へと広がってきております。このような状況の中で、被害の極端な農家では専業農家をあきらめて転業するなど、深刻な問題となってきております。県においても、最重要課題ととらえ、栽培面、病理面、大気環境面等、積極的に対策を講じておられることに対し高く評価するものであります。しかし、現実には被害地域の拡大といまだに幼木、成木等に発生しているだけに、生育不良が発症し始めた時期と御坊火力発電所が稼働した時期が一致することから、被害者農家は火電による排煙が原因ではないかと疑いを強く持っているところであります。梅生育不良の原因解明の対策にはUR議員連盟うめ部会としても取り組んでいますが、なお一層の取り組みをしていかなければならないと考えます。今日までの梅の問題について、知事にとりましては出身地であるだけに、梅農家の苦しみをよくご存じだと思います。
 そこで、平成十一年度当初予算編成に当たり梅対策は最重要課題として位置づけられていると思いますが、知事の基本的な考えをお聞きし、以下、関係部長にお伺いいたします。
 まず、県うめ対策研究会について、県の各試験研究機関等が調査研究したデータをもとに委員先生方が議論し評価するという形になっておりますが、農家と委員先生方との接点が全くなく、農家の生の声が届かないので、実際に被害を受けている農家の方々を研究会に参加させることはできないものでしょうか。
 次に、ばい煙の暴露実験についてですが、御坊火力発電所から排出される低濃度のばい煙が長期的に樹体へ吸収されることによって生育不良が発生するのではないかとの疑念を農家が持っているだけに、ばい煙をそのまま暴露する対応はできないものでしょうか。
 最後に、関西電力御坊第一火力発電所の操業以来の燃料に関するデータの公表はできないものか、あわせてお伺いするものであります。
 次に、南紀スポーツセンターの整備についてお伺いいたします。
 プロ野球の春季キャンプが二月一日から一斉に始まりました。特にことしは、高知県の高知市、安芸市、春野町に注目の三球団が集まりました。野村克也新監督のもとで、本県田辺市出身の浜中治選手に期待をかけて猛虎復活を期する阪神タイガースや注目の新人松坂大輔投手が入団した西武ライオンズ、スパイ疑惑から心機一転の福岡ダイエーホークスが月末までキャンプを張ります。人気のある監督や選手には、報道陣、見物客で大変なにぎわいを見せているのがよくテレビで放映されています。
 昨年春の高知県でのプロ野球キャンプには見物客約八万二千人が集まったそうで、ことしはそれを上回る十万人以上になると関係者は見込んでいるそうであります。このプロ野球のキャンプが高知県にもたらす経済効果は昨年が約三十三億円と言われ、ことしは各チームの話題性が高いことから五十億を超える経済効果があると関係者は期待しているそうであります。長引く不況下でプロ野球のキャンプに期待する自治体は高知県ばかりではなく、人気球団の巨人など四球団を迎える宮崎県もその一つであり、一昨年の経済効果は約百七億円にも達し、昨年は長野五輪の影響もありましたが、それでも約六十億円あったと言われております。
 かつては、本県においても昭和四十八年から昭和五十三年にかけて南海ホークスが田辺市でキャンプを張った歴史がありますが、わずか六年で終了しました。豊かな自然と温暖な気候に恵まれた田辺市ではありましたが、球場等の施設や受け入れ体制が十分でなかったことがその原因であろうかと考えます。つまり、温暖で自然に恵まれた和歌山県は、施設、宿舎の受け入れ体制の条件さえ整備されれば、プロ野球、Jリーグの各クラブチームなどのキャンプ地誘致の可能性は十分開けるものと考えます。
 私は、プロ野球やJリーグ等のキャンプ場誘致構想を、単に野球場やサッカー場の建設という一施設の建設構想だけではなく、地域の住民や広く県内外からスポーツ愛好者が集えるスポーツの一大拠点として、田辺総合運動公園構想の一環として過去二回提起をしてまいりました。各スポーツのキャンプ場として使用可能な球場等を建設すれば、スポーツ都市田辺の知名度も高まり、地域の活性化に弾みがつきます。こうした誘致活動を突破口に、田辺総合運動公園整備構想への関心も高まり、この構想が具体化され進展するものと考えますが、その中核的な施設となるであろう南紀スポーツセンターについてお伺いいたします。
 かつては一部の人だけであったスポーツは、スポーツ施策の振興の効果もあって、今や多数の県民生活の一部となっております。個人でジョギングを楽しむ人、スポーツクラブに所属してエアロビックダンスに汗を流す人、あるいは公民館活動としてバレーやニュースポーツを楽しむ人など、私たちの身の回りにも大変ふえてきております。スポーツは、病気の予防、ストレスの解消、仲間づくりなど、いろいろな意味で県民の元気のもとでもあります。したがって、今後より大きくなるであろうスポーツに対する県民のニーズにこたえ、さらなるスポーツ振興を考えたとき、スポーツ施設の充実や指導者の養成になお一層取り組む必要があると思います。また一方、近年、子供たちの体力、運動能力の低下が指摘される中、学校の週休二日制完全実施が迫り、その受け皿として多様なスポーツ教室の開催や地域のスポーツクラブ育成と、それらの指導者の養成が求められていると思います。
 南紀スポーツセンターは、これまで紀南地方の中核施設としてスポーツの振興に大いに貢献し、各種大会の会場としてその場を提供してきました。しかし、設備の老朽化や駐車場の狭さなど、ハード面で時代に追いつけなくなってきており、また週休二日制に対応した各種スポーツ教室の開催など、ソフト面でも新たな発展が求められていると思います。子供たちを元気にして、県民を元気にし、ともに汗を流し、心を通じ合う和歌山にするためにも一日も早い南紀スポーツセンターの改修を求めたいと思いますが、現在の計画の進捗状況、改修のめどについて、そして内容面の充実計画についてお伺いしたいと思います。
 最後に、JRきのくに線の利便性の向上についてお伺いいたします。
 紀伊半島に位置する観光立県和歌山県は、過去には紀勢本線を利用して温泉の名所である勝浦温泉や白浜温泉に新婚旅行のメッカとして、また会社の慰安旅行など、行楽シーズンには団体で多くの旅行客が訪れてまいりました。蒸気機関車からディーゼル車両へ、線路の複線化に伴って電車へと移り変わり、特急列車もくろしお号からスーパーくろしお号、そしてオーシャンアロー号の新型車両導入により、多くの利用者の皆さんからゆったりとした車両であると高い評価をいただいております。しかし、JR側からすれば、スピードアップや新型車両導入をしてきたが、最近はJR利用客が年々減ってきている状況であると伺っているだけに、観光立県としてJRに要望するだけではなく、本県としてPR等の協力も十分していく必要があると思います。
 さて、いよいよ紀南地域を中心に、「いやす」「みたす」「よみがえる」をテーマに南紀熊野体験博が開催されます。県においても、さまざまなPR活動が展開されています。私も成功を望む一人として、全国各地から多くの方々が訪れてくれることを期待していますが、訪れる方々の利便性を図ることが必要であろうかと思います。
 そこで、過去の本会議でも多くの議員の皆さんが質問された京都、新大阪への乗り入れがほぼ実現しましたが、あと特急列車数本が残っていますので、あと一押しの努力を願うものであります。また、JRでは以前より「青春十八切符」という乗車券を発売されていますが、この乗車券は快速列車や普通列車で一日二十四時間利用できる乗車券であります。連休やゴールデンウイーク、学校の春・夏・冬休み時期には多くの利用者があると伺っております。それだけに、ことしの南紀熊野体験博に訪れる方々の中にも多くの利用者があると予想されますが、残念なことに、きのくに線の一部の普通列車にトイレがございません。阪和線などは列車運行の本数も多いので問題はないと思いますが、和歌山駅以南は本数も少なく、和歌山─田辺間と田辺─新宮間とも約一時間四十分もかかるのでありますから、ぜひともトイレつきの列車の運行が必要であると考えます。このことについては行政監察局からも指摘されたところであり、県としても強くJR側に要望するよう望むものでありますが、今日までの取り組みについてお伺いいたします。
 最後に、長引く不景気の影響で、企業のリストラ、倒産等による和歌山市内への就職活動なり通勤客がふえてきております。その通勤客の強い要望であったスーパーくろしお号の自由席が二月一日より増両され、三両編成となりました。これは、県の働きかけや通勤客の署名活動、労働組合等の要望もあり、JR側の理解もあって実現できました。心から厚く御礼を申し上げまして、一般質問を終わります。
○議長(下川俊樹君) ただいまの野見山海君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
  〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 野見山議員にお答えをいたします。
 梅の生育不良に対する基本的な考え方についてでございます。
 梅は本県を代表する果樹の主要品目でございまして、生育不良問題は農業の最重要課題であると考えてございます。
 この問題につきましては、これまで地元の農家の方々を初め田辺梅病害虫特別対策協議会等多くの関係者のご協力をいただきながら、暖地園芸センターを中心に県の試験研究機関を挙げて取り組んできたところでございます。この間、原因究明に向けた推進指導体制の強化を図るため、日本を代表する専門家十名をメンバーとする和歌山県うめ対策研究会を組織いたしまして、大気環境を初め、栽培、土壌、病害等の各分野において、総合的な視点から指導、助言をいただいてございます。さらに、国に対しましても、かねてから梅の総合的な対策を要望してまいってきたところでございますが、その結果、暖地園芸センターが国の指定試験地として指定されまして、この四月からは主任研究官クラスが派遣される予定になってございまして、これまでの取り組みがさらに強化されるものと期待をしておるところであります。
 何を申しましても、農家の不安を解消し、一日も早い原因究明と対策の確立が大変重要であると考えておりますので、今後とも議員各位を初め多くの方々のご協力をいただきながら、現地との連携をより緊密にしながら、関係機関一丸となって取り組んでまいりたい、その決意でございます。
 他の問題は、関係部長から答弁いたします。
○議長(下川俊樹君) 商工労働部長上山義彦君。
  〔上山義彦君、登壇〕
○商工労働部長(上山義彦君) 県信の事業譲渡の三点についてお答えします。
 まず、事業譲渡の進捗状況についてでございます。
 本年五月六日に、預金及び正常資産は紀陽銀行へ、それ以外は整理回収銀行へ譲渡される予定となっており、現在、貸出先と引き受け銀行との債権譲渡契約の締結や資産の処分、関係書類の整理等、膨大な量の譲渡作業を実施しております。限られた期間内に作業を完了しなければならないため、現在、県信、紀陽銀行、預金保険機構、県などの関係機関で構成する事業譲渡推進連絡会を毎週開催し、進捗状況の把握と早期の問題解決に努めているところであります。県といたしましても、国や預金保険機構などの関係機関と連携をとりながら、事業譲渡が円滑に進むよう支援していきたいと考えてございます。
 次に、貸出先中小企業の対策についてでございます。
 議員ご指摘のように、不況の長期化に加え、本県では阪和銀行、県信と短期間に金融機関の破綻が続き、中小企業者の資金繰りには相当厳しいものがあると考えております。さきの阪和銀行破綻の際、県といたしましては特別資金融資制度を創設し、取引中小企業者の金融円滑化を支援したところであります。今回の県信の事業譲渡におきましても、新規融資等が受けられず事業活動に支障が生じている中小企業者に対し、県信対策特別資金融資制度を創設するとともに、不況対策特別資金の拡充や国の金融安定化特別保証制度等により取引中小企業者の資金繰り支援に取り組んでいるところでございます。
 また、県信貸出先の紀陽銀行への移行状況についてでございますが、約一万八千先のうち約半数の八千五百先が紀陽銀行へ事業譲渡される予定であり、整理回収銀行へ移行されることになる残り約九千七百先のうち、一月末現在、既に約二千八百先が県信対策特別資金等を利用して紀陽銀行を初め他の金融機関に移行しております。県といたしましても、今後とも県信と取引のある中小企業者が他の金融機関へ円滑に移行できるよう努力してまいりたいと考えてございます。
 次に、職員の再就職対策についてでございます。
 二月十六日現在、職員数四百五十三名、うち内定者五十名、自力就職者等六十名となっており、あっせん希望者は三百四十三名となっております。紀陽銀行で約百名、整理回収銀行で約五十名、計百五十名が採用される予定であり、再就職のあっせんが必要な職員は約二百名となってございます。これらの職員に対し、県信内に設置している雇用対策委員会において、役員を中心にして企業訪問など雇用開拓活動を行っているところであります。県信みずからも雇用対策に最大限の努力を行っているところでありますが、県といたしましても、多数の失業者発生を防ぐという観点から、商工労働部内に県信雇用支援会議を設置し、情報収集や連絡調整を行うなど県信の活動を側面から支援しているところであり、引き続き県信と連携を図りながら雇用支援を行ってまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 農林水産部長尾崎武久君。
  〔尾崎武久君、登壇〕
○農林水産部長(尾崎武久君) 野見山議員ご質問の梅の生育不良の二点についてお答えを申し上げます。
 まず、被害農家の県うめ対策研究会への参加についてでございます。
 県うめ対策研究会につきましては、ただいま知事も申し上げましたように、生育不良の原因究明と樹勢回復対策の確立を早急に図るため、果樹園芸を初め、植物病理、大気環境等、各分野を代表する専門家十名で構成されてございます。委員の方々には、暖地園芸センター等の試験研究機関がおのおの試験内容を検討する段階から指導をいただくとともに、その後、試験途中におきましても、現地に赴かれ、研究者に対する助言をいただいてございます。こうして得たデータをもとに研究会において議論願っているところでございまして、今後、より一層研究会の助言、指導をいただきながら懸命に取り組んでまいりたいと存じます。
 なお、研究会は公開を原則としており、マスメディアを初め関係市町村、生産者代表である農協等の関係者の参加を得て実施しております。特に、現地で開催した第二回研究会では、日高、西牟婁地域の農家代表三十名の参加を得るとともに、各委員との意見交換を行っていただいたところであります。今後とも、研究会における委員の方々と農家の皆さんとの意見交換の場をできるだけ多く設けてまいりたいと考えてございます。
 次に、発電所から排出されるばい煙を暴露実験できないかということでございます。
 専門家の意見をお聞きしますと、発電所のばい煙を直接用いて暴露実験を行うには、ばい煙のサンプリングがばい煙の状態を維持したまま行うことが技術的に困難であると言われておりますことから、現実的な対応ではないと考えてございます。したがいまして、県では現地で暴露実験を行うに当たりまして、田辺梅病害虫特別対策協議会と話し合いを行い、大気環境の調査方法である二酸化硫黄、二酸化窒素、オゾンの複合影響試験を実施することで合意し、その実施に際しましては県うめ対策研究会の助言、指導をいただいております。
 その内容でありますが、例えば二酸化硫黄の濃度につきましては、現地の平均濃度である〇・〇〇三ppmを大きく上回る〇・〇〇八から〇・〇四ppmの高い濃度で実施してございます。昨年の試験結果を踏まえ、より多くの成績を得るため、去る二月一日から暴露実験を再開いたしてございます。
 一方、地元の梅生育障害対策研究会におきましても、大気環境に関する調査研究が進められており、発電所から排出されるばい煙の成分分析を初め、トレーサーガスを利用したばい煙の大気拡散実験が実施されております。こうしたことから、大気環境の影響につきましては総合的に評価できるものと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 生活文化部長大井 光君。
  〔大井 光君、登壇〕
○生活文化部長(大井 光君) 野見山議員ご質問の梅の生育不良のうち、関電御坊火力発電所の操業以来の燃料に関するデータの公開についてのご質問にお答えいたします。
 県では、関西電力株式会社との公害防止協定に基づき、発電用燃料に係る月間使用量、燃料の種類及び硫黄分について報告を受けており、これについてのデータ開示は可能でございます。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 企画部長中村協二君。
  〔中村協二君、登壇〕
○企画部長(中村協二君) 野見山議員のJRきのくに線の利便性の向上についてお答えをいたします。
 紀勢本線におけるトイレなし車両につきましては、長距離区間を利用される県民にとって切実な問題でございますので、県といたしましても、昨年三月、JR西日本和歌山支社長あての要望書を提出するなど積極的な働きかけを行ってきたところでございます。その結果、本年五月十日に予定されているダイヤ改正では改善を考えていると聞いてございます。県といたしましても、引き続き、なお一層トイレつき車両をふやすようJR西日本に対し働きかけてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 田辺総合運動公園構想との関連での南紀スポーツセンターの整備についてお答えします。
 南紀スポーツセンターは昭和四十四年に設置され、一周四百メートルのグラウンド、体育館、屋外の五十メートルプール、ヨットやカッターなどができる海洋施設、さらに二百名余りを収容する宿泊施設など県内唯一の総合スポーツ施設であり、平成九年度の利用者は県内外合わせて約六万人に上っております。
 県有体育施設の今後のあり方や二巡目国体を想定した中で、南紀スポーツセンターの整備は重要な課題として受けとめており、田辺市を初め近隣市町村の施設整備等も視野に入れながら検討していきたいと考えております。
○議長(下川俊樹君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 30番野見山 海君。
○野見山 海君 知事並びに各部長からの答弁、ありがとうございました。要望と、農林水産部長に一点お伺いしたいと思います。
 最初に、県信の問題です。
 県下各地域における県信は中小零細企業が多いわけでございますから、最大限努力していただきますようお願い申し上げますとともに、再就職対策についてもあわせて全力で頑張っていただきますことを、心からお願いをしておきたいと思います。
 梅の生育不良対策ですが、梅農家の方々は生育不良を深刻な問題としてとらえておりますし、また田辺地域におきましては、地域の基幹産業でありますだけに、一日も早い解明を願っているところであります。しかし、今申し上げましたように、年々広がっている状況からして、どうしても大気汚染が原因ではないだろうかという農家の方々のお考えであります。
 平成十年十月でしたか、研究会の中間報告が田辺市内で行われました。その内容に対して、田辺市を中心に梅枯れ対策期成同盟が結成をされ、田辺地域の元県議の方々が相談役に就任されまして、この一月三十日に三栖小学校で集会を持たれたそうであります。そういった中で、県知事に対して九項目の回答を求められているということなんですが、この対処の仕方はどのようにされるのか、一点お聞きします。
 もう一点は、今では梅は県の最重要課題であると同時に、県も議会もそういった位置づけをしながら、UR議員連盟のうめ部会の中でも一生懸命取り組んでおりますけれども、農林水産部の方からうめ部会に対してこういった問題でこの一年間何ら報告もなかったということは、議会に対する軽視ではないかと怒りを覚える一人であります。なぜかと申しますと、私どもうめ部会の議員は地元として常に一生懸命取り組んでいる状況でありますだけに、ぜひとも部会あるいは委員会の中に十分火が通るような報告をしていただきたいと思います。この件につきまして、農林水産部長のお考えをお聞きしたいと思います。
 それから、今回、私は南紀スポーツセンターの整備についてお伺いいたしましたけれども、先ほど申しましたように田辺総合運動公園について二回ほど質問をさせていただきました。その中で土木部長は、「広域的な総合運動公園については、現在、県下の運動施設の現状などに基づき、配置、規模などの運動施設のあり方を検討することとしております。 ご質問の構想については、用地の取得の面で適地が確保できるかどうかという問題がございますが、あり方についての検討を踏まえ、地元市町村及び関係機関と相談させていただきたい」という回答をいただいたんですが、今日まで二年足らずでございますから、なかなか前進はしていないと思います。知事の四年前の百三十六の公約の中にも、総合運動公園と南紀スポーツセンターの整合性ある施設を実現したいというお考えを表明されておりますので、ぜひとも前向きに取り組んでいただきますことを要望しておきたいと思います。
 以上です。
○議長(下川俊樹君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 農林水産部長尾崎武久君。
  〔尾崎武久君、登壇〕
○農林水産部長(尾崎武久君) 梅の生育不良についての再質問にお答えを申し上げます。
 まず、梅問題につきましては、これまでも県議会を初めウルグアイ・ラウンド議員連盟うめ部会、また地元の協議会等、多くの関係者のご協力をいただきながら懸命に取り組んできたところでございます。一方、現地におきましても、農家の皆さんを初め期成同盟等から厳しいご意見や要請もいただいているところであります。なお、ウルグアイ・ラウンド議員連盟うめ部会との連携につきましては、不十分な点が多々あったことも痛感をしているところでございます。
 今後、議員お話しの趣旨を踏まえまして、ウルグアイ・ラウンド議員連盟うめ部会を初め県議会のより一層のご協力をいただきながら問題解決に努めてまいりたいと考えてございます。
 また、期成同盟からの要請書はいただいてございます。十分理解を得られるよう、今までの試験研究結果も踏まえながら努めてまいりたい、こう考えてございます。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(下川俊樹君) 再々質問がございませんので、以上で野見山海君の質問が終了いたしました。

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