平成11年2月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(中山 豊議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午後一時三分再開
○副議長(井出益弘君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
○副議長(井出益弘君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 33番中山 豊君。
  〔中山 豊君、登壇〕(拍手)
○中山 豊君 お見受けすると、日照時間も長くなっているせいか、快い日焼けをされている皆さん、結構なことでございます。
 さて、通告に基づいて質問をさせていただきますけれども、猿の被害対策から始めさせていただきます。
 自然との共生、自然保護という課題は一方ならぬ関心のあるところで、私も具体的な取り組みを惜しむものではないわけでありますが、次のような事柄について、県当局の対応について幾つかお尋ね申し上げたいと思います。自然保護、環境の問題についてのそもそも論から始めたいけれども、今回は具体的課題についてお聞きすることにいたします。
 県立大池公園を包む鶏冠山、大旗山、高倉山等を取り巻く丘陵地周辺、北野上といったら高津、孟子、別院、そしてこちらの方へ来たら阪井、そして亀川、小野田、そして和歌山市の方へ行って山東、これが大池公園を包む一つの集落であります。その方面に、おびただしい猿害というのでしょうか、猿による農作物被害が発生しているところです。
 桃、クリ、ミカン、野菜、タケノコ等、その季節季節に襲来をし、農産物を荒らし、昨年の秋は小野田地区のミカンの被害は特別大きかったと住民から寄せられているところです。時には人里近くにまで来て、児童生徒に危害を加えないかと心配されたりしていることもあります。
 また、タイワンリスが放たれ、増殖し、野生化し、和歌山城の森の木の皮をかじり、やがて枯死させかねないところにあります。農業用ため池にブラックバスを放ち、増殖し、在来の淡水魚が絶滅に追いやられるなど、生態系に異変が引き起こされています。自然界にも国際化が及び、先に示した猿の被害などを初め、これらの現象についてどう考えたらいいのか、厄介なことだなと思いながらも、幾つか申し上げたいところであります。
 猿も自然、あくまでも共生を考え保護を貫くべきなのか。農業者の立場に立ってみたら、余りにも大きな被害に対しては耐えられないという問題もあります。こういうふうな問題を基本的なところでどう考えたらいいのか。被害を食いとめるため、猟友会の皆さんの力をかりることになっています。しかし、あくまでも一時的な措置で、的確な処方とはなっていないようであります。かつて、カモシカの被害から山を守る取り組みをなされたことを知っています。その経験から導き出した施策があるはずであろうと思うけれども、猿とカモシカとはまたいろいろ被害の状況も対応の仕方も異なるものであるでしょう。
 なかんずく、猟友会の協力を得ていろいろ駆除及び被害を最小限に食いとめるという取り組みをしながらも、猟友会の皆さんには適当な待遇等をとられていないというふうに寄せられたりしているわけです。依頼された猟友会の皆さんへのそれなりの報酬があってしかるべきではないか、こういうふうに申されるわけであります。猟友会に依頼をする場合には、猟友会の責任者のところへ声がかかります。猟友会の責任者は会員の皆さんに出動を依頼するわけでありますけれども、何らの対応もないということから、その責任ある立場の人は会員の皆さんに大変申しづらいという声も寄せられているところです。
 聞くところによるとそれぞれの自治体ごとにいろいろ対応策が異なっているようでもありますけれども、あっちではこう、こっちではこうというようなことではなくて、県の指導に基づいて市町村が足並みをそろえ、整合性のとれた対応策でご協力いただいた猟友会の皆さんにおこたえ申し上げるというふうなことであってしかるべきではないかと思いますけれども、お考えをまずもってお聞きしたいと思います。
 次には、貴志川の護岸の問題です。
 貴志川の清流を守れと、かつて貴志川町のほたるサミット開催に思いを寄せながら、ある石油精製企業が海南市別院地区内に廃棄物を処分したことから油が地下に浸透して貴志川に流出していることを指摘申し上げて、護岸の改修を抜本的に求めたところでありました。そのことについて、事態の推移と今日の状況を知りたいわけです。
 なぜなら、浸透流出する油を集めてくみ取るように設けたコンクリートの溝が根方から浮き、極めて不安定でいつ壊れるかもしれない。ただでさえ用をなさず油の流出が心配されている上に壊れでもしたら、もろに油が貴志川に流出し汚染しかねないという状況であります。上流で親水性の岸辺利用整備をしたこととの整合性を保つ立場からも、全面的にやり直すべきところです。この質問を準備することと軌を一にして何か工事をしているようですけれども、これについてもどういうことなのか、その内容との関連でお答え願えないでしょうか。
 貴志川の清流を汚さないということは、先ほど述べた貴志川町のほたるサミットに事を寄せて申し上げたことと関連するだけではなくて、あれから下流に、野尻、孟子、高津、あるいはまた七山、これらの地区の住民たちは、貴志川の伏流水とはいえ依拠して生活をなさっていることにかんがみるとき、ひとときもこの油の流出によって貴志川が汚染されるということのないように心すべきだということを常に思って、当局にお答えをお願い申し上げるところであります。
 次に、昨年の台風七号、九号により受けた被害に対する復旧工事は大変見事なものがありました。さすがに地元に工事事務所が移されたことによるところだと、衆目を集めているところです。ところが、亀の川は小野田及び浄光寺原あたりで倒木竹が川を覆い、時には流れを阻害しかねない状態にあるけれども、これについての対処はどう考えるべきなのか。管理責任のある県当局に何らかの対処策が求められてよいのではないかと考えるのですが、いかがなものでしょう。
 川が持つ多様で豊かな自然環境の保全、創出、共生を求めて水辺の植生回復、瀬、ふち等の河原復元をさせる事業が新規に計画されているけれども、別院地区の油浸透流出については完全護岸を求めてこれを阻止するという対策が求められてならないところです。ご所見をお願い申し上げます。
 次に、道路問題についてお尋ね申し上げます。今まで取り上げてきたそれぞれの道路については一定の方向を示されたこととして、これまでご指摘申し上げていない路線についてお尋ね申し上げます。
 一つは、先般建設大臣から道路公団に向け施行命令が出された高規格道路海南吉備線の四車線化についてであります。施行命令が出された現在、今後の事業の進捗見通しをお尋ねするとともに、関係住民が深く要求されている事柄などについてお聞きをいたします。
 一昨年末の海南市議会で、日限地区高速道路対策住民の会から提出された海南吉備線のトンネル・道路新設計画に伴う請願が満場一致で採択され、県にも市議会から意見書が上がっているところだと思います。請願は、工事計画の決定には住民の意見を十分に取り入れること、防災、環境対策に万全を期すこと、住民の質問に回答することを求めたものであります。
 住民が心配しているのは、計画地点を活断層が通っていると見られる地域であること、西山田川が土石流危険渓流として指定されていることで、万全な防災対策が何よりも強く要望されているところです。また、四車線化によりこれまでの対面交通から片側通行になり、現在はトンネルの中で排気口を通じて排煙されているけれども、四車線になると排煙対策がどうとられるのか、また、通行量の増加見通しと騒音、大気汚染がどれほど影響を受けることになるのか、新たに設けられるインターチェンジがどうなるのかなどが、住民の主たる不安の材料であるわけです。
 こうした住民の不安に対して、県なり公団がきちんとした説明を行い、住民の理解を得る努力を惜しまないことが重要だと考えます。今述べた点について現時点での見解を求めるとともに、住民に十分な説明の場を持つことが求められてなりません。この点についても県の答弁を求めたいところであります。また、自動車道側道がJR高架側道と効果的に連結されることも求められるところであります。
 二つ目は、県道和歌山野上線の野上中北山地区内の狭隘部分の拡幅整備についてであります。
 この区間については言うまでもなく交通量が多く、これの整備は周辺の道路体系への波及も大きいわけであります。野尻、別院地区においての取り組みは、当局の姿勢がよく反映されて住民に喜ばれているところです。八幡橋方面からの整備構想を示していただきたいと思います。
 最後に、児童生徒の体位・体格と体力・運動能力についてと、県民のスポーツ体育活動についてであります。先ほど登壇されて質問された森さんと重なるところがあると思うけれども、私なりの思いを込めて質問をさせていただきます。
 近年、児童生徒の体位・体格の向上はそれなりのものを示しているようですけれども、それに比べて体力・運動能力が伴って向上しているとは言えないところにあるとして、これに対する取り組みを求める立場から、幾つか指摘しながらお尋ね申し上げます。
 学力偏重社会の影響でしょうか、これについての確とした取り組みが見えにくいのはなぜでしょうか。今、子供の状態として、転げる際に顔から先に突っ込んで大けがをしたり、何でもない転び方で骨折をするなど、敏捷性や持久力、集中力が極度に欠けてきていると言われます。それに加えて、戸外での遊びが著しく少なくなった。中学校のクラブ活動、体育活動が大きくさま変わりしてしまっている。発育盛りの時代に、どの子も体力・運動能力を養う機会が十分保障されているとは言えないようになっているのではないでしょうか。
 先般来、現場の体育関係の何人かの先生を訪ねて回って、この課題についての聞き取りをさせていただきました。総じて先生方の申されるのは、一言で言うならば、社会も学校も家庭も子供に対して甘やかし過ぎているのではないか、そういう時代だという認識を示しながら、青少年の諸問題が社会的課題となっている今日こそ、スポーツ、文化活動を通して健全なる精神と身体の育成を図り、積極的に全校クラブ制等を取り込むようなことにしてはどうだろうかというふうなことを述べながら、各論的に、過剰な進学熱によるスポーツ、文化活動への参加の制限が加わっていること、耐える、鍛える、継続する、根気強くなど、意欲的に苦しさに立ち向かえる精神力の低下等、特徴的なものだけですけれども、これが生徒側に見える問題点だと言われます。
 保護者の側に目をはせた問題点として、現場の先生方はこのように言います。過干渉、過保護──いわゆる甘やかしですね──家庭での指導力の低下、これはもう著しいという先生たちの共通の認識でもって示されるところです。
 学校や社会側の問題として主なところで先生方がお示しくださるのは、学校では体育、文化行事が縮小傾向にあるということ。二つ目の問題として、指導者が不足していること。教員の部活動の経験者が少ない、いないと申されます。部活動の推進をせよという形での文部省及び教育委員会からの指導の姿が見えにくいとも言われます。積極的に部活動を育成する方向ではないのではないかというふうな認識を示されておるようです。社会体育に移行する動きがあるけれども、予算化が伴っていないというご批判もあるようです。少子化の中で、チームプレー等の活動が成り立たない、塾やスポーツクラブの低年齢化によっての弊害が著しい、こういうことを現場の先生が申しているわけであります。
 こういうふうなことをいろいろ考えてみるのに、各種大会での和歌山県勢の成績は低迷状態を続け、これが恒常化してしまっているようであります。成績主義であってはならないが、取り組みの結果がおのずから出てくるものとしたら、児童生徒の体力・運動能力の向上、社会体育、中でも競技力向上に向けての必要な取り組みが求められてならないわけであります。競技力向上は地域社会の活性化に大いに効果的であります。
 子供たちの遊びの創出、それと社会体育活動の進展、学校教育の中での体育活動のあり方、中学校、高校の体育クラブ、運動クラブ活動の進展のさせ方、各種大会に向けての取り組みの工夫、地域における社会体育、スポーツ活動の振興等が挙げられます。また、社会体育活動をする際の家庭の負担の大きさが活動の妨げになっていることは体育関係者の共通の悩みになっています。大会派遣費の負担軽減策が必要であるとも指摘されております。
 和歌山国体からおよそ三十年。あのころとられた施策は今日どうなっているのかを問いながら、幾つかを取り上げてみたいと思います。
 国体用に設けられた施設は、今日的な県民のスポーツ体育活動の要求に耐えられるものとはもはや言えないところにあるのではないでしょうか。総点検をして、次に備える段取りに入らねばと思います。例えば、五十メートル温水プールや芝生の競技場などの要求は根強いものがあります。
 また、中でも学校クラブを初めとする青少年段階での育成、経験と活動についての振興策が求められてなりません。このまま推移すれば、二回目の国体が近づくにつれ、これまたやにわに取り組まねばということになるのは必至でありましょう。高知県で予定されている国体は、大会運営費だけで二百十八億円、そのうち国から三億五千八百万、日体協から二千万、ほとんど県や市町村の負担となっているようであります。このような財政負担を招く国体の運営に大きな問題はあるにしても、やがて和歌山が二回目の国体を開くようになればどうなるのか。早目に段取りをすることを求めつつ、スポーツ振興と子供たちの体位・体力向上に伴う体力・運動能力の向上についての施策を強化してかかる必要があることを提起したいわけであります。
 がんばれ!「スポーツの和歌山」推進事業に見るように、限られた選手だけを対象にした取り組みでは本県スポーツ界全体のレベルアップにつながらないのではないか。いかに底上げを考えて対策をするかが肝要なのではないでしょうか。ビッグホエールのような一点豪華主義の体育スポーツ施設ではなくて、多くの県民、子供がスポーツに親しめる施設の設置、地域のスポーツ活動を支える指導者の育成、何よりも、県としてのスポーツ振興計画を制定し、計画的に県民、子供の運動・体力向上策を持つことが必要なのではないでしょうか。知事の発表されたわかやま元気宣言はどう生かされようとするのかということが気になるところです。県のお考えをお示し願いながら、私の第一回目の質問といたします。
 ありがとうございました。
○副議長(井出益弘君) ただいまの中山豊君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 生活文化部長大井 光君。
  〔大井 光君、登壇〕
○生活文化部長(大井 光君) 中山豊議員の猿による被害対策についての質問に対しまして、ご答弁いたします。
 野生鳥獣は自然を構成する重要な要素の一つであり、人と野生鳥獣の共生を図ることが基本とされております。しかしながら、野生鳥獣が農作物等に被害を与える場合には適切な対応が必要であると考えております。
 これまで、野生鳥獣による農作物等の被害対策につきましては、電気さく、防護さく、追い払い等のいわゆる防除処置を講じる一方、防除処置を講じてもなお被害が減少しない場合には有害鳥獣として駆除しているところでありまして、これらを有効的に組み合わせた対処が必要と考えております。
 有害鳥獣駆除の実施に際しましては、議員お話しのように猟友会の方々のご協力を得ているところでありますが、県としても市町村が行う猿の有害駆除に対してその一部を補助しているところでございます。今後とも、市町村等と連携を図りながら適切な保護と管理に努めてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(井出益弘君) 土木部長長沢小太郎君。
  〔長沢小太郎君、登壇〕
○土木部長(長沢小太郎君) 中山豊議員のご質問にお答えいたします。
 まず、貴志川護岸についてでございます。
 議員ご質問の油の処理については、これまで当該土地を所有している企業が地山からしみ出してくるものについて集積し、くみ取り処理しているところです。今般、企業側より一部護岸の補強等の工事について申し出があり、これを許可したところですが、この工事は三月上旬をもって完了する予定であります。これにより、地山からしみ出てくる油の貴志川への流入防止に資するものと考えてございます。
 また、当該地点上流において平成五年度から実施してまいりましたふるさと振興水辺環境整備事業については、平成八年度に既に完了したものでありますが、これによりこの付近の親水性の向上に寄与しているところでございます。
 次に、亀の川の海南市小野田付近の倒木竹については既に除去作業に着手しており、三月中旬を目途に完了する予定であります。一方、同市浄光寺原付近については調査の結果、竹木が繁茂しているものの倒木竹は認められず、流水の流下に支障がないものと思われるので特段の措置を講ずる必要はないと考えているところでございます。
 なお、平成十一年度から生きもの共生川づくり事業を新たに実施したいと考えておりますが、議員ご指摘の適切な河川管理の実施と同様、河川環境の保全と整備も今後の重要な課題と認識しているところであり、地元の皆様方のご協力を得ながら円滑に推進してまいる所存でございます。
 次に、道路問題についての二点のご質問です。
 まず高規格幹線道路海南吉備線の四車線化ですが、これは昨年十二月二十五日、建設大臣から日本道路公団に対し施行命令が出されたところであります。事業を円滑に進めるためには地元関係者の幅広い理解を得ることが不可欠であり、地元説明会等を通じ十分協議を行いながら事業を進めるとともに、関係する機関と調整を図りながら進めてまいりたいと考えております。
 和歌山野上線の八幡橋から国道三百七十号交差点までの六百メートルのうち一部残っております狭隘区間解消のため、現在測量設計を実施しているところでございます。今後、地元関係者のご協力により早期に拡幅を行いたいと考えております。
 以上でございます。
○副議長(井出益弘君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 体力とスポーツ活動についてお答えいたします。
 児童生徒の体力や運動能力につきましては、本県を含め、全国的に低下の傾向が指摘されているところであります。この背景としては生活環境の変化に伴うさまざまな要因が考えられ、さきの中央教育審議会の答申でも、幼児期から小学生段階での遊びの重要性、自然の中での活動、知育優先の教育の見直しなどが取り上げられております。
 体力を向上させる上で最も大切なことは運動を継続して行うことであり、このためにも学校体育においてはみずから運動に親しむことを大きなねらいとし、学習を展開するよう指導しているところであります。また、競技力の向上とあわせて、児童生徒の体力の向上も含め、ジュニア層の育成強化策などに中長期的な視野のもとに取り組んでまいりたいと考えております。
 施設の整備につきましては、県民が身近で気軽に利用できる施設や二巡目国体の開催を想定した施設整備など、広くスポーツを振興する立場から検討を進めていきたいと考えております。
 以上であります。
○副議長(井出益弘君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 33番中山 豊君。
○中山 豊君 幾つか要望を申し上げて、質問を終わりたいと思うんですけれども。
 ともすると、質問をして再質問の段階になったときに、質問の締めくくりの一つの形態というか、一つの体裁として要望を申し上げるというようなことが間々あるように見受けられるんですけれども、そうではなくて、要望をさせてもらうということは、今までに当局の皆さんが進めておられる行政上の実態と現段階において、質問者には、いっときの議会で質問して直截的に答えが返ってくることを期待するわけにもいかないという課題が残ります。その課題は、引き続いて当局の皆さんは課題として受けとめていただいて、調査研究してそれの具体化のためにどう立ち働くかと、こういう意味合いで要望をお受けとめいただきたいということをまずもって申し上げたいと思います。
 道路問題で、海南吉備線の四車線化に基づいて土木部長の答弁をいただきました。地元説明会等を通じ、十分協議を行いながら事業を進めていくというお話であります。地元住民にその事業の具体的な内容等をお示しいただき、地元住民の要求とどうかみ合ったものになっていくのかということをつぶさに追求をしながら具体化されていくという、こういう姿勢のあらわれとしてお受けとめさせていただきました。その立場を貫いて、地元住民と十分協議を重ねられて具体化を進めていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 貴志川の護岸の問題ですけれども、これは手前で親水性の岸辺を工事していただきました。その段階で、下流に向けてその親水性の工事をずっと延伸していただけるという期待を持っておったんだけれども、そして一時そういうふうな当局のご意向もあったようですけれども、いつの日か後退してしまったようであります。これは大変残念な話なので、あそこから油の地下への浸透と貴志川への流出ということを抜本的に防いでいこうとするならば、護岸対策というのはさらに調査研究なさって、どうすれば最も効果的なのかを深くきわめて具体化をしていただくよう続けて課題とすることを申し上げて、これは終わりたいと思います。
 猿の問題ですけれども、市町村の行政に対して県が補助するというお話のようでした。市町村の行政に対する補助ということが前提でありますから、市町村がそれに対して機敏に、しかも効果的な措置がとられなかったら県は何もしないということになりかねないような話でもあります。そういうようなことのないように、せっかくのことですからつぶさに被害の調査をして、どのような対策が効果的なのかご検討いただいて、住民からの要求にまさにかみ合った対策をとられるようお願い申し上げておきたいと思います。
 体力・運動能力の問題ですけれども、今議会の教育長の答弁だけでどうなるというように余り期待するものでないと初めから思いながら、この問題はかなり長期にわたって研究協議して実態を高めていく課題として受けとめていただきたいと前もって申し上げながら、特に学校体育においてはみずから運動に親しむことを大きなねらいとして学習を展開するよう指導しているというお話ですけれども、これがこうなっていない、指導の結果として目に見えてこないというのが私が申し上げたい真意なのであります。指導しているけれども、指導しっ放しというのではなくて、どうすればこれが体位・体格に見合うような体力・運動能力が見えてくる取り組みになるのかと、こういうあたりもやはり大きな課題としてお受けとめいただいて研究対策をとられるよう強く求めて、終わりたいと思います。
 以上です。
○副議長(井出益弘君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で中山豊君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
      ──────────────────
○副議長(井出益弘君) 本日は、これをもって散会いたします。
  午後一時三十九分散会

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