平成11年2月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(全文)


県議会の活動

議 事 日 程   第二号   平成十一年二月二十四日(水曜日)
                午前十時開議
  第一 議案第七十六号から議案第八十一号まで(知事説明・質疑)
  第二 議案第一号から議案第七十五号まで(質疑)
  第三 一般質問
会議に付した事件
   一 議案第七十六号から議案第八十一号まで(知事説明・質疑)
   二 議案第一号から議案第七十五号まで(質疑)
   三 一般質問
出 席 議 員(四十六人)
     1  番    大    沢     広太郎  
     2  番    木    下    善    之
     3  番    小    川         武
     4  番    吉    井    和    視
     5  番    下    川    俊    樹
     6  番    井    出    益    弘
     7  番    藁    科    義    清
     8  番    門          三佐博  
     9  番    永    井    佑    治
     10  番    新    島         雄
     11  番    向    井     嘉久藏  
     12  番    佐    田    頴    一
     14  番    阪    部    菊    雄
     15  番    西    本    長    弘
     16  番    馬    頭    哲    弥
     17  番    谷         洋    一
     18  番    山    下    直    也
     19  番    高    瀬    勝    助
     20  番    松    本    泰    造
     21  番    堀    本    隆    男
     22  番     宇治田      栄    蔵
     23  番    宗         正    彦
     24  番    橋    本         進
     25  番    神    出    政    巳
     26  番    玉    置    公    良
     27  番    上    野    哲    弘
     28  番    東    山    昭    久
     29  番    尾    崎    要    二
     30  番     野見山           海
     31  番    木    下    秀    男
     32  番    町    田         亘
     33  番    中    山         豊
     34  番    井    谷         勲
     35  番    鶴    田    至    弘
     36  番    森         正    樹
     37  番    村    岡     キミ子  
     38  番    新    田    和    弘
     39  番    平    越    孝    哉
     40  番    森    本    明    雄
     41  番    長    坂    隆    司
     42  番    冨    安    民    浩
     43  番    飯    田    敬    文
     44  番    中    村    裕    一
     45  番    松    本    貞    次
     46  番    大    江    康    弘
     47  番    和    田    正    人
欠 席 議 員(一人)
     13  番    和    田    正    一
説明のため出席した者
     知 事     西    口         勇
     副知事     山    下         茂
     出納長     高    瀬    芳    彦
     知事公室長   中    山    次    郎
     総務部長    藤    谷    茂    樹
     企画部長    中    村    協    二
     生活文化部長  大    井         光
     福祉保健部長  小    西         悟
     商工労働部長  上    山    義    彦
     農林水産部長  尾    崎    武    久
     土木部長    長    沢     小太郎  
     企業局長    西    浦    昭    人
     教育委員会委員長
             安    藤    精    一
     教育長     小    関    洋    治
     公安委員会委員長
             高    垣         宏
     警察本部長   樋    口    建    史
     人事委員会委員長
             若    林    弘    澄
     代表監査委員  宮    市    武    彦
     選挙管理委員会委員長
             谷    口    庄    一
     以下、各部局次長・事務局長・財政課長
職務のため出席した事務局職員
     事務局長    新    谷    哲    朗
     次  長    前         晴    夫
     議事課長    佐    竹    欣    司
     議事課副課長   北垣内           敬
     議事班長    松    谷    秋    男
     議事課主査   川    崎    良    雄
     議事課主事   安    井    伸    彰
     総務課長    西    野    光    彦
     調査課長    湯    川         忠
 (速記担当者)
     議事課主任   吉    川    欽    二
     議事課主査   鎌    田         繁
     議事課主査   中    尾    祐    一
     議事課速記技師 保    田    良    春
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  午前十時四分開議
○議長(下川俊樹君) これより本日の会議を開きます。
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○議長(下川俊樹君) この際、報告いたします。
 過日提出のありました議案第四十三号から議案第四十五号まで、及び議案第六十号はいずれも職員に関する条例の改正案でありますので、地方公務員法第五条第二項の規定により人事委員会の意見を徴しましたところ、次のとおり回答がありました。
 職員に回答文を朗読させます。
  〔職員朗読〕
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                     和人委第423号
                     平成11年2月22日
 和歌山県議会議長  下 川 俊 樹 殿
        和歌山県人事委員会委員長  若 林 弘 澄
   職員に関する条例の制定に係る意見について
 平成11年2月17日付け和議会第534号で意見を求められた標記のことについて、地方公務員法第8条第1項第3号の規定により下記のとおり回答します。
               記
 議案第43号  職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
 議案第44号  職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
 議案第45号  職員の勤務時間、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
 議案第60号  警察職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
             意  見
 上記条例案については、いずれも適当であると認めます。
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○議長(下川俊樹君) 次に、報告いたします。
 知事から、議案の追加提出がありました。
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                     財第233号 
                     平成11年2月24日
 和歌山県議会議長  下 川 俊 樹 殿
              和歌山県知事  西 口   勇
   和歌山県議会平成11年2月定例会追加議案の提出について
 地方自治法第96条の規定に基づく議決事件について、次のとおり提出します。
 (議案)
 議案第76号  平成10年度和歌山県一般会計補正予算
 議案第77号  平成10年度和歌山県中小企業近代化資金特別会計補正予算
 議案第78号  平成10年度和歌山県営競輪事業特別会計補正予算
 議案第79号  平成10年度和歌山県営港湾施設管理特別会計補正予算
 議案第80号  平成10年度和歌山県流域下水道事業特別会計補正予算
 議案第81号  平成10年度和歌山県用地取得事業特別会計補正予算
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  【日程第一 議案第七十六号から議案第八十一号まで】
○議長(下川俊樹君) 日程第一、ただいま報告の議案第七十六号から議案第八十一号までを一括して議題といたします。
 議案はお手元に配付しておりますので、まず知事の説明を求めます。
 知事西口 勇君。
  〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) ただいま上程されました議案について、ご説明申し上げます。
 議案第七十六号から八十一号は、平成十年度予算のうち、用地取得の遅延等により年度内に完了することが困難と見込まれる事業、及び国の経済対策を踏まえ年度途中において追加措置いたしました事業の一部について、平成十一年度への明許繰り越しをお願いするものであります。
 何とぞ、ご審議の上、ご賛同賜りますようお願い申し上げます。
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  【日程第二 議案第一号から議案第七十五号まで】
  【日程第三 一般質問】
○議長(下川俊樹君) 次に日程第二、議案第一号から議案第七十五号までをあわせ一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第三、一般質問を行います。
 15番西本長弘君。
  〔西本長弘君、登壇〕(拍手)
○西本長弘君 笑顔いっぱい、活力に満ちた和歌山の創造について、まず、わかやま元気宣言と平成十一年度予算について質問いたします。
 鎌倉幕府の当時の執権・北条泰時は、「ことしげき 世の習ひこそ 物憂けれ 花の散りなん 春も知られず」と詠んでいます。私も、「原稿も書けぬ厳しい春来たる」の心境であります。
 一つ一つ申し上げませんが、本県の昨年は暗いニュースが相次ぎ、大変な年でありました。まず私は、長期にわたった「カレー事件」の解決に昼夜を分かたず大変なご苦労をくださった警察本部の皆さんに、心からねぎらいと感謝の念をささげるものであります。
 しかしながら、今の世相は依然として暗く、経済情勢は戦後最悪であります。そこで知事は、年の初めに明るく元気にわかやま元気宣言をなされ、今年こそ和歌山の明るい未来を切り開く正念場の年との強い決意から、勇気と知恵を出して予算編成に臨まれたと聞いております。
 そこで、明るく活力に満ちた和歌山県を築いていくために、まず強くお願いしておきたいのは、知事の時宜を得た幾つかの元気宣言関連施策を力強く推し進めてもらいたいということであります。
 平成十一年度予算案を見てみますと、歳入については、景気低迷による税収等は前年度よりマイナス一五・一%の八百六十八億円と大きく伸び悩み、また県債管理基金の全額取り崩しなど非常にご苦労されて、〇・二%の伸びながら、前年度以上の財源を確保されております。
 歳出については、公債費等の義務的経費が増大する中で、残る財源を景気対策、福祉保健対策、環境対策、道路整備等々、必要性の高い分野に重点的に配分をされたものとなって、この厳しい財源難の中で県民生活に最大限の配慮がなされた知事のご努力に敬意を表するものであります。
 本年は、まさに我が国経済にとって極めて重要な年であります。国、地方を挙げて経済の再生に取り組むべきことは申し上げるまでもありません。今般の不況の特徴として、過去の経済悪化局面では比較的安定していた個人消費の極めて低調な動き、さらに土地がさっぱり動かない、株も安くて動かないことなどが、多くの方々の声としてあります。私は、恐らく、リストラの不安、雇用や年金の不安、預貯金金利の低下などに加えて老後の不安、将来への不安といった心理的な要因で個人消費が低迷しているところが大ではないかと思っております。そうであるとすれば、県民の皆さんに先行きへの安心感を与えることが景気対策の観点からも最も重要であります。今は何としても、不況の打開、景気の浮揚であります。私たちは、暗いムードに一刻も早く終止符を打って、笑顔いっぱい、活力に満ちた和歌山を築いていくことが、目下県政に課せられた最大の使命であると強く考えるのであります。
 さきに知事の所信を聞かせていただいたところでありますが、県民みんなが笑顔を取り戻して、明るく安心して暮らせることが私たちの最も大きな願いであります。明るく活力に満ちたふるさと和歌山を創造するために、どのような点に配慮し、どこに重点を置いて平成十一年度予算を編成されたのか、改めて県民の前に明らかにされてはどうか。知事の郷土愛に燃えるご答弁をお願いいたしたい。
 次に、金融機関の問題について質問いたします。
 本県にあっては、阪和銀行の倒産に続き、県民に長く親しまれてきた県商工信用組合がこの四月末に閉鎖するという金融不安の真っただ中にあります。県信から融資を受けている中小企業など取引先は、一万八千以上に上ると言われています。中でも、取引先企業について紀陽銀行へ事業譲渡される先は一部であり、多くの企業は取引金融機関を見つけるのに大変な苦労をされていると聞いております。県としてこれらの企業に対する融資面を含めて心のこもった対策をされるべきではないか、現状及び今後の取り組み姿勢を商工労働部長からご答弁願いたい。
 次に、和歌山並びに御坊第二発電所建設について質問いたします。
 平成三年五月二十七日付で住友金属工業は西防波堤沖埋立地利用計画の見直しについて希望表明し、さらに平成六年三月三十日、沖合移転計画の中止及び埋立地の利用計画策定を和歌山県にゆだねることを発表されました。以来県は、必要な機関設置、環境影響調査の審査などの経過を踏まえ、またこの和歌山県議会では県経済活性化の立場から平成九年七月の定例本会議において、和歌山発電所、御坊第二発電所の建設促進決議が多数の賛成で採択されました。その後、知事の決断で、平成九年七月三十日に行われた第百三十五回電源開発調整審議会においてその計画が承認されたと伺っております。ここで私は、西口知事の未来へ希望をつなぐ勇気ある的確な判断を高く評価するものであります。さらに、平成十年十一月十一日、住友金属工業と関西電力の両者は、公有水面埋立法に基づいて八十一・五ヘクタールの埋立地の権利移転許可申請書を和歌山県に提出されております。
 和歌山発電所は出力三百七十万キロワット、御坊第二発電所は四百四十万キロワット、両発電所合わせて二兆円を超すビッグプロジェクト、さらに加えて、県経済への波及効果は九千億円を超えると言われております。低迷している県経済を大きく浮上させるためにも、このプロジェクトに期待されている多くの県民の方々とともに、環境保全対策、安全対策に十分配慮されながら、一日も早い和歌山発電所の着工、さらに御坊第二発電所の埋立工事の着工を強く望むものであります。知事のご答弁をお願いいたしたい。
 次に、ミカンの振興についてであります。
 ありがたいことに、昨年のミカンは、一時の自然環境の悪い中、また景気の低迷する中であったにもかかわらず、日本一うまいミカンをつくらねばとの農家の方々の努力と、ミカンを食べるとがんにならないという当局並びに関係各位のベータ・クリプトキサンチンのPR、さらに先進の光センサー選果機の効果が大きく、高値を呼びました。
 ある元ミカン行政に携わっていた方から、「昨年のミカンが高値でよかったのう。やっぱり味のいいのと減産策がいいのよ。五十年代からの全国ミカンの減反が今でも輝いているよ、西本さん」と申してくれました。
 一昨年と同じように、今年は全国的に大豊作が予想されています。大豊作の年は、価格が低迷あるいは暴落をいたします。一昨年のようでは、ミカン農業をやっていく意欲が失われます。そこで、今年の全国生産量を昨年並み、すなわち百十五万トンぐらいまでに抑え込まねばなりません。よく摘果をしていただき、和歌山のミカンが味も価格も日本一となりますよう、当局のご尽力に期待し、農林水産部長のご答弁をお願いいたしたい。
 仮称でありますが、鏡石トンネル建設促進について質問いたします。
 昭和五十七年度より十三年の歳月と六十二億円かけて完成された白馬トンネルのおかげで、新宮─和歌山間がぐんと時間短縮されました。そして、多くのドライバー、また道の駅でふるさと産品を販売している地元の方々に大変喜ばれ、さらに、国道四百二十四号の沿線に出されたラーメンの店や大阪から家族全員で住みついてくれている喫茶店と、楽しい日々を送られています。一方、県道海南金屋線の金屋町側は、既に五十五年度から十六年の歳月と二十三億円をかけて完成されました。さらに、金屋町側に市場バイパスとして約十八億円、海南側に同じく約十二億円の道路整備を行っていただいています。
 そこで、白馬トンネルと同じように、金屋町のみならず日高以南の方々も希望する海南─金屋間のトンネルは、国道四十二号渋滞解消のためにも一日も早い建設を願うものであります。海南市側に地すべり地帯があるようで難工事であると聞いておりますが、今後どのような調査をされルート決定されていくのか、また着工がいつごろになるのか、土木部長のご答弁をお願いいたしたい。
 最後に、世界半島会議について質問いたします。
 私は昭和六十年の二月県議会本会議において国際半島会議なるものをこの紀伊半島で開催してはどうかと提案したことがありましたが、このたび知事並びに関係者のご尽力で、静岡県に次ぎ、第二回世界半島会議が今年の九月に国土庁の主催により那智勝浦町で開催されます。私はその会議に大きな期待を寄せておりますが、世界の半島、全国の半島からどれほどの方々が参加されるのか、また我が紀伊半島にどのような成果があるのか、知事のご所見をお伺いいたしたい。
 終わりに臨み、本県の苦難の出来事があった歴史を見てみますと、忘れもしない、昭和二十年七月の戦災、二十一年十二月の南海道地震、二十五年九月のジェーン台風、さらに二十八年七月のあの大水害、三十四年と三十六年九月の伊勢湾台風と第二室戸台風など、大きな災いを受けてきました。しかし、いずれも先人、先輩の不屈の精神、血と汗と涙、歯を食いしばっての必死のご努力で、見事ふるさと和歌山県を今日のように立派に復興させてくれました。今改めて私は、敬けんな気持ちで深く深く敬意と謝意を表するものであります。
 長い人生には、つらいこと、苦しいこと、悲しいことが多々あります。それらを乗り越えてこそ、大きな喜びがわいてくるのであります。今こそ私たちは、西口知事を先頭に、百八万県民が心と力を合わせて、笑顔いっぱい、活力に満ちた和歌山県を築いていこうではありませんか。
 皆さんのご清聴に心から感謝申し上げ、質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(下川俊樹君) ただいまの西本長弘君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
  〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 西本議員にお答えをいたします。
 お答えの前に、最後に西本議員がおっしゃられた、先人の苦労に感謝をしながら苦難のときこそ勇気を奮ってという力強いご発言に大変感激をいたしました。私も大いに努力をしたいと思っております。
 それでは、お答えいたします。
 まず、明るく活力に満ちたふるさと和歌山の創造に向けた平成十一年度予算における取り組みについてでございます。
 私は、本年を和歌山県の未来を切り開いていく上での正念場の年ととらえ、新年に当たり、県民の皆様とともに元気を出してすばらしいふるさとづくりを進めることを宣言いたしました。景気低迷の長期化を反映して悲観的なムードが蔓延しておりますが、後ろ向きな発想からはふるさと和歌山のあすを築く力は生まれてきません。今は、過度に悲観的な発想から脱却して、一人一人が勇気を奮って困難に立ち向かっていくことが強く求められていると私は思っております。私はこの意味で、この元気宣言を通じてそのことを県民の皆さんに訴えたかったわけでございます。
 具体的に平成十一年度予算におきましては、まず景気回復に全力を尽くすことが重要と考えまして、当面の需要喚起の観点から投資事業規模を確保するとともに、国のいわゆる十五カ月予算の考え方を踏まえ、その一部を平成十年度補正予算に積極的に前倒し計上することにより年度末から年度始めにかけての切れ目のない事業実施を図ることとしたところでございます。また、最近の金融情勢を踏まえ、中小企業向け制度融資の新規融資枠を拡大するとともに、信用保証協会の機能強化など、いわゆる貸し渋り対策にも必要な措置を講じたところでございます。さらに、より中長期的な視点に立って、新たな活力の源泉となるはつらつとした産業の育成──いわゆるベンチャーランド事業であります──県民の皆さんが将来にわたって生活の安定向上を確信できるような福祉保健分野も含めた環境整備を積極的に推進することとしてございます。
 こうしたことから、平成十一年度予算編成に当たりましては、さまざまな分野において県勢の活性化につながる新規事業を積極的に開拓して元気宣言を実効あるものとしていく観点から、昨年度の組織横断型予算編成の導入に加え、元気予算として従来の予算要求限度枠にとらわれない新たな予算づくりの手法を設けるなどいたしまして、ソフト、ハード面で予算編成手続上の工夫を凝らし、約八十億円を計上したところでございます。
 ただいま申し上げました基本的な考え方に基づき、明るく元気な和歌山の創造を目指して各般の施策を平成十一年度予算に盛り込んだところでございますけれども、これらの施策を着実に実施することによりまして、間もなく訪れる新しい時代を明るく希望のあるものとするよう全力を尽くしてまいりたいと決意をいたしております。
 次に、和歌山発電所等についてであります。
 和歌山発電所につきましては、ご承知のように、現在発電所用地となる西防埋立地二工区の権利移転許可申請がなされているところでございます。その内容につきまして、昨年十一月以降審査を続けてきたところでございまして、近く完了する予定となってございます。その後、関係機関との調整が整い次第、準備工事が開始されるものと考えてございます。また、御坊第二発電所につきましては既に埋立免許の出願がなされてございまして、今後、御坊市長の意見等を踏まえ、運輸大臣あてに認可申請を行う予定でございます。
 私は、これら両発電所の立地が県経済、地域の活性化にとって非常に重要なプロジェクトであると考えまして、県議会の建設促進決議などもちょうだいいたしまして、一昨年七月の電源開発調整審議会──いわゆる電調審──への回答の際に決断をし、今日に至ったところでございます。今後、環境保全対策あるいは安全対策並びに地域課題などに十分配慮をしながら、できるだけ早期に着工できるよう努力してまいりたいと考えてございます。
 次に、世界半島会議についてでございます。
 このことにつきましては、お話がございましたように、かつて西本議員から本会議でご提言がございました。この会議では、先進的な地域づくりを進めている海外の自治体の代表者を含め、約四百名規模の参加がございます。それぞれ特色ある各地域の振興方策の発表とパネルディスカッション等を通じて、情報交換が行われる予定になってございます。
 この会議を南紀熊野体験博の期間中に開催することにより、南紀熊野地域を初めとする紀伊半島全体の自然、歴史、文化等の魅力を国内外に広くアピールするとともに、この会議で得た地域づくりのノウハウを今後の紀伊半島の振興対策に生かしてまいりたいと考えてございます。
 以上であります。
○議長(下川俊樹君) 商工労働部長上山義彦君。
  〔上山義彦君、登壇〕
○商工労働部長(上山義彦君) 金融機関の問題についてお答えします。
 和歌山県商工信用組合におきましては、ことし五月六日に預金及び正常な貸出金は紀陽銀行へ、それ以外は整理回収銀行への事業譲渡に向け、現在それぞれに対する作業を行っております。
 県信の貸出先約一万八千先のうち約半数の八千五百先が紀陽銀行へ事業譲渡される予定でございますが、県信と取引のある中小企業金融対策といたしましては、譲り受け金融機関である紀陽銀行を初め、他の金融機関への移行を促進するため、県信対策特別資金の創設や不況対策特別資金等の活用ができるよう制度融資の拡充に取り組んできており、既に約二千八百先が移行しております。
 また、県信対策特別資金融資の利用状況は、一月末現在、四百八十七企業、約四十五億円となっており、三月の決算期を控え今後もさらに資金需要が見込まれることから、融資枠を七十億円に拡大するとともに、平成十一年度においても二十億円の融資枠を確保するため、今議会にその予算をお願いしているところです。さらに、政府系金融機関に対しては国の融資制度の活用、また信用保証協会、各金融機関に対しては昨年十月から実施されている金融安定化特別保証制度の活用について、県信と取引のある中小企業者の資金需要に対し積極的に対応していただけるようお願いしてきたところであります。
 今後とも、県信と取引のある中小企業の他金融機関への移行が円滑に促進されるよう取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 農林水産部長尾崎武久君。
  〔尾崎武久君、登壇〕
○農林水産部長(尾崎武久君) 西本長弘議員ご質問の、ミカンの振興についてお答え申し上げます。
 平成十一年産のミカンについては表年に当たりますことから、通常の栽培管理では大幅な供給過剰が懸念されているところでございます。こうした厳しい環境に対処するため、去る二月二日、生産者団体が中心となって全国規模の温州みかん生産安定推進大会が開催され、昨年並みの生産量の実現に向けた強力な取り組みを行うこととしたところでございます。
 県といたしましても、こうした動きと歩調を合わせ、適正な需給バランスが図られるよう強力な摘果や出荷調整を柱とする生産出荷安定指針の発動も視野に入れながら、全国みかん生産府県知事会議等を通じて国に強く働きかけてまいりたいと存じます。また、高品質なミカン生産を図るため、きめ細かな摘果推進やマルチ被覆等の技術指導の徹底とともに、光センサーを利用した糖度を識別できる選果機のより積極的な導入等に努めてまいりたいと存じます。
 一方、消費拡大対策につきましては、昨年、新たな取り組みとしてウルグアイ・ラウンド議員連盟のご支援をいただき、ミカンの持つ発がん抑制効果を強くPRしたところでございます。今後とも、消費者ニーズを踏まえながら、生産者団体と一体となって適地適作を強力に推進し、果樹王国和歌山の堅持に努めてまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 土木部長長沢小太郎君。
  〔長沢小太郎君、登壇〕
○土木部長(長沢小太郎君) 西本長弘議員の、仮称でございますけれども、鏡石トンネル建設についてお答え申し上げます。
 議員ご質問の海南金屋線の海南市─金屋町間のトンネルにつきましては、海南市側が地すべり地帯でありますことから、通常行われる地形調査や地質調査に加えて水文調査──これは水の流れ、地下水の調査を行うものですけれども──地すべり調査など、多岐にわたる調査が必要でございます。これらの調査の進捗を図り、総合的に判断して計画を確定してまいりたいと考えております。
 また、着手時期についてのご質問ですけれども、海南市重根地区から扱沢地区までは未改良区間でありますので、まずこれらの整備を図る必要がございます。この区間は公図混乱地域で地籍調査が必要でありますが、この区間の整備を図り、早期に着手できるよう努力してまいります。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(下川俊樹君) 再質問がございませんので、以上で西本長弘君の質問が終了いたしました。
○議長(下川俊樹君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 36番森 正樹君。
  〔森 正樹君、登壇〕(拍手)
○森 正樹君 ただいま議長から発言を許されましたので、質問に入りたいと思います。
 戦後最悪の経済危機に見舞われている日本丸に果たして明るい未来はあるのか、二年後にやってくる二十一世紀を明るい希望の世紀とするのか、あるいは失望のふちに沈んでしまうのか。本年一九九九年という年はまさに重大な岐路に立つ年であり、また、私たち政治に携わる者にとって極めて重大な責めを負うことになると申せると思います。
 和歌山県もまた、我が国と同じく、今まことに厳しい経済危機、構造的不況下に置かれているのであります。西口知事は去る十七日、二月定例会本会議初日の知事説明の中で、「我々は今、試練の時期を迎えております」と表現されました。まさにそのとおりであります。誤りなく県政をリードし県民を安心させることができるのか、その手腕が試されているのであります。
 そこで、平成十一年度の予算編成と執行について、以下四点にわたりお尋ねをいたします。
 まず第一に、予算編成のかなめとも言うべき税収見込みについていかが把握しておられるのか。
 何よりも、不景気による税収の伸びの鈍化と緊急経済対策等の減税による税収減で税収の落ち込みは明らかでありますが、平成十一年度の税収見込み額は八百六十八億八千七百万円でありますから、県税決算額で見てみますと、ちょうど十年前の平成元年(一九八九年)とその前年の昭和六十三年(一九八八年)の水準にタイムスリップしているのであります。戦後、右肩上がりの経済成長を遂げてきた我が国経済、本県経済が平成二年、三年をピークに失速し陰りが見える中、いかに税収を確保するのか、また法定外普通税、外形課税の導入など、新たな税財源の確保に真剣に取り組むべきだと思うがどうか、総務部長の答弁を求めます。
 第二に、財政調整基金、県債管理基金の取り崩しについてであります。
 次年度の財源確保のため二百八億円の積み立てをしてはおりますが、一方で両基金合計で三百六十二億円の取り崩しを行うこととしており、平成十一年度末残高はついに二百五十億円となるのであります。平成四年度末には九百五十二億円と約一千億円近くあった基金が、明年度当初予算編成時の財源確保のための取り崩しを考えると、平成十二年度には底をつくことが十分予想されるのであります。次年度のこととはいえ、このような危機的財政状況を考えるとき、地方財政再建法に言ういわゆる赤字再建団体に転落するおそれはないのか、新年度で取り崩す三百六十二億円という金額の必然性とあわせ、総務部長の答弁を求めます。
 第三に、県債残高についてであります。
 新年度の財源確保のため百三十二億円に上る県債の増発を行うほか、公債費の償還先送り──いわゆる借りかえ──や単独債の発行等による財源捻出九十七億円を行うこととしております。これにより県債残高見込みは六千三百二十五億円と、過去最悪の水準に達するものと見られております。これは既に和歌山県の一般会計予算総額をはるかに超えており、危険な状態と言えるのではないか。これを県民の一人一人の借金として置きかえると、一人五十七万六千円となるのであります。県財政を預かる総務部としてこのような状況が正常と言えるのかどうか、何らかの手だてはないのか、総務部長のお答えをいただきたい。
 第四に、地方交付税の異常な伸び率についてであります。
 昨年末、十二月二十日、閣議決定による国の平成十一年度予算編成方針の資料中の平成十一年度地方財政収支見通しの概要によれば、地方交付税の伸び率が一九・一%と極めて異常な数値を示しているのであります。このような異常な伸びを示したことが過去にあったのか、加えてこの数値が一体何を物語っているのか、総務部長、率直にお答えをいただきたいと思います。
 次に、地方主権についてお尋ねをいたします。
 私は一年前にも同趣旨の質問をいたしました。地方主権について、西口知事に基本的認識をただしたことを思い出します。今回も地方主権の一日も早い回復を願う立場から、何点かにわたって議論を展開し、当局の見解をただすものであります。本年は地方分権推進計画に基づく法整備が端緒につく年であり、この議論は決してむだにならないと確信するものであります。
 ところで、地方分権推進委員会の第四次、第五次勧告、そしてこの分厚い「地方分権推進計画」という本に少し目を通させていただきまして、私は全く失望を禁じ得ませんでした。それはなぜか。当時の橋本総理大臣の決断のなさと族議員や大蔵官僚の激しい抵抗によって、大事な部分があらかた骨抜きにされてしまったからであります。
 確かに、機関委任事務制度は廃止されることになります。地方自治体の首長を一方的に国の一地方機関、下部組織と位置づけ、各省庁が所管する事務を各大臣の指揮監督のもとで実施させるという制度で、中央集権による官僚の地方統制の典型であり、都道府県の事務の実に七割から八割にも達しているのであります。この五百六十一にも及ぶ機関委任事務は確かに廃止されますが、その四五%に当たる二百七十五項目の事務が、法定受託事務の名のもとに国が地方自治体に対し関与できる余地を大きく残しており、一部では看板のかけかえとの批判も聞かれるほどであります。運用次第によっては、国の関与の色濃い名目だけの地方分権に終わる危険性がないわけではありません。このことについて総務部長はいかがお考えか。大蔵省などに遠慮する必要はありません。率直にお答えをいただきたい。
 第二に、地方自治体の税財源の確保についてであります。
 税財源の確保は、権限移譲とともに地方主権の車の両輪であり、地方自治体にあっては欠くべからざるものであります。権限だけあっても財源がなければ真の地方主権、地方分権とは言えず、予算配分を通じて国が地方自治体を支配する構造が残ることになります。大蔵官僚や族議員の猛烈な抵抗はこの点に集中したと言っても過言ではないのであります。
 地方自治法第二百五十条には自治体の地方債発行には自治大臣の許可が必要であると明記しており、住民が選んだ首長が住民の要望する施設を建設するための地方債の発行について自治大臣の許可を受けるために自治省にお百度参りをする必要が一体どこにあるのか。いや、もっと言えば、これは地方自治を定めた日本国憲法の第九十二条に違反していると断言したいのであります。このことについて、西口知事、どう思われますでしょうか。率直な胸のうちをお聞かせいただきたい。
 第三に、公明党が四年前の平成七年(一九九五年)に実施いたしました地方分権・規制緩和に関する重点項目調査によれば、個性的な町づくりのための都市計画の権限や農地転用、保安林の指定・解除の権限など、数々の具体的な権限移譲を希望する声が強いことが明らかとなりました。また、税収の配分見直し等による自主財源の確保や国庫補助金の一般財源化を求める意見も極めて多くありました。私は、これが地方自治体の偽らざる意思であり、大多数の県民、国民の声であると思いますがどうか、西口知事にお尋ねいたすものであります。
 ともあれ、憲法に明確に規定されているように、主権は国民にあるのであり、その国民、住民と密着している地方自治体に住民のための事務事業を行う権限が存在するのは理の当然であります。すなわち、地方にこそ主権は存在するのであり、早急な地方主権の確立は緊急命題であることを再度申し上げて、次の質問に移ります。
 三点目の柱は、関西国際空港に関する諸問題についてであります。
 先ごろ、関西国際空港に離着陸する国際・国内便の便数が開港以来初めて減少したことがマスコミ等で報じられておりました。昨今の社会経済情勢下ではやむを得ないのかなとも思いますが、アジアのハブ空港という枢要な位置を占めるべく続けられてきた努力に少し水を差された感がしないでもありません。この便数の減少という事実が関西国際空港のハブ機能の低下につながらないか、まず企画部長の答弁を求めます。
 第二に、巷間伝え聞くところによりますと、土砂採取事業のおくれが懸念されておりますが、同事業のスケジュールは大丈夫なのか、また二期事業の進展に影響はないのか、企画部長にお尋ねをいたします。
 第三に、この土砂採取事業に伴う災害や環境面での不安など、一部に声が上がっていることが新聞紙上でも報じられております。これらの不安の声を解消するために県としてどのような役割を果たそうとされているのか、知事の見解をお伺いいたしたい。
 第四に、関西国際空港が持っているハブ空港としての優位性を生かしてもっと積極的なポートセールスを展開する必要があると思うがどうか。また、関西国際空港株式会社等に任せるのではなく、本県としても、知事や副知事、出納長、さらには各部長も総出でトップセールスに力を入れるべきだと私は思います。全員に答弁を求めたいところでありますが、代表して西口知事からお答えをいただきたい。
 第五に、新飛行ルートの導入に伴い飛行時間の短縮や発着枠の拡大といったメリットが期待されるところでありますが、この導入による騒音等の影響はないのか、企画部長の答弁を求めます。
 四番目に、町並み整備についてお尋ねをいたします。
 この問題について私はこの壇上で何度申し上げたか、数えたこともございませんが、関西国際空港の問題に次いで数多く発言させていただきました。今ここで、過去の私の提言や主張について一々その成果を問うつもりはございません。西口知事がいみじくも当初予算説明の中で言われました。「二十世紀は、物の豊かさを一心に追求した時代でありました」、「他方、この間、心の豊かさという人間にとって本来最も重要なことが、ややもすればないがしろにされてまいりました」、「これまで営々と築き上げてきた繁栄をここで終えんさせることなく、新しい世紀においてさらなる発展を遂げていくためには、英知を結集し、これらの課題解決に全力で取り組んでまいらねばなりません」と、このように申されております。「英知を結集し」──実にいい言葉だと思います。知識の寄せ集めではありません。英知の結集であります。ぜひとも頑張っていただきたいと思います。
 二十一世紀には、県民の皆さん一人一人が心の豊かさを実感でき、快適な生活が営めるように、そして健常者も障害者もともに何の不安もなく日常活動ができる、そんな思いやりにあふれた町を創出することがぜひとも必要であります。
 加えて、観光立県という観点から、県外、国外から本県を訪れた人たちが、和歌山の町はしっとりと落ちついた美しい町であり快適な都市だ、もう一度旅行に来てみたいと言ってもらえるような、そんな町づくりに取り組む必要があると私は考えます。もちろん、観光客を受け入れる場合の重要な問題として、接客態度や言葉遣いなどのソフト面も極めて重要でありますが、その問題については次の機会に譲り、今回は主にハード面に限定することをご了承いただきたいと思います。
 過去の質問でも言及したことでありますが、極めて重要な視点でありますので、覚えておられる方もあろうかと存じますが、再び紹介をいたしたいと思います。それは、大久保利通と嵐山の景観維持に関する逸話であります。今は亡き司馬遼太郎氏の「街道をゆく」第二十六巻の「嵯峨散歩」の中で紹介されている話であります。
 「かれは幕末、──彼というのは大久保利通であります──京で奔走していたころ、ここで舟遊びをしたことがある。 そのときさすがに天下の名勝だと感心したのだが、維新後わずか六年のあいだにすっかり面変りしてしまっていた。 大久保はおどろき、土地の故老にきくと、山水というものは自然にそこにあるだけで美しいというものではないのです、人間の手が入りつづけて美観を保っているのです、旧幕のころは嵐山の保全のためにどういう組織があり、とりきめがあり、これだけの金がおりていました、などといったので、大久保は政治の何たるかを教えられる思いだったという。」という逸話であります。
 実は私、市議会議員時代にもこの逸話を引き質問をしたことがあります。当時、和歌山城は天守閣の周りに樹木や雑草が自然のまま生い茂り、どの角度から眺めてもお城が十分に見えず、決して美しい景観とは申せませんでした。そこで、天守閣や白壁の景観を確保するために樹木の伐採、剪定とライトアップを提案したのであります。そのとき、自然破壊だとか電気代のむだだといった見当外れの批判がありましたが、随分と和歌山城の景観は向上したし、今も続いております。私の主張は間違っていなかったと自負しております。
 世界遺産に登録されているブナの原生林で有名な白神山地や屋久杉が圧倒的な屋久島の自然は、人間が指一本触れてはなりません。しかし、人間が住む町は景観保持のためにたゆまない手入れが必要なのであります。雑草が生い茂り、樹木が無秩序に伸び放題では、決して良好な景観とは言えないのであります。
 私は、かつて姉妹都市提携の調査のためにドイツのフランクフルト、デュッセルドルフ、ブッパータールという三都市を訪れましたが、町並みの美しさに感服をした思い出があります。たばこの吸い殻や空き缶、ごみを投棄する人がいないことはもちろんでありますが、何よりも街路が整然と整備され、歩道が広々としており、電線が地中化され、街路樹が青々と生い茂り、雑草が伸び放題のところは一つもなかったと記憶をしております。国や地方自治体の強い主導のもと都市計画が進んでいることもあずかって貢献していることは、言うまでもありません。
 前置きが長くなりました。本題に入ります。
 第一に、キャブシステム、CCボックスの進捗はいかがであるのか、新年度でどの路線でどの程度着手できるのか、土木部長の答弁を求めます。
 第二に、県庁所在都市である和歌山市の表玄関とも言うべきJR和歌山駅前、南海和歌山市駅前の再開発のめどは立っているのか、土木部長にお尋ねをいたします。
 第三に、和歌山市内の東西幹線とも言うべき都市計画路線の湊神前線、南港山東線、西脇山口線の進捗状況はいかがでありましょうか、土木部長にお尋ねをいたします。
 第四に、三年坂通り、けやき通りなどに続いて歩道の設置、街路樹の植栽、街灯の整備など、町並み景観の向上に取り組むべきだと思うが、その方策とスケジュールについて、これも土木部長からお答えをいただきたい。
 第五に、観光地を初め県内の主要な道路や公園などの景観保持のために、樹木の伐採、剪定や雑草の刈り取りなどに取り組む必要があると思うがどうか、土木部長の見解をお伺いいたします。
 最後に、スポーツ振興についてお尋ねをいたします。
 ローマの詩人ユヴェナリスの風刺詩から出た有名なことわざ「健全なる精神は健全なる身体に宿る」にあるごとく、健康で頑健な身体をつくり出すスポーツの重要性について、今さら改めて申し上げるまでもないと思います。加えて、スポーツに汗を流すことで得られる効用について考えてみますと、礼儀を重んじることを知る、チームワークの精神が身につく、克己心が養われるなど、枚挙にいとまがないと思います。
 ともあれ、青春時代にスポーツに汗を流し打ち込んだ人間に、ネクラで陰気な人間は余りいないのであります。不況の今こそ、百八万県民総スポーツ運動を提唱し、明るく元気な和歌山県を取り戻すべきであると思いますが、西口知事いかがでありましょうか、ご意見を承りたい。
 第二に、スポーツ人口の拡大のためには施設の充実と指導者の育成・配置、そして県民すべてが安心して気軽にスポーツに取り組める環境づくりが何よりも必要であります。このことについて教育長の答弁を求めるものであります。
 ところで、昨年、下川議長の代理として文教委員長のゆえをもちまして、三日間、秋季国体本県選手団の激励と応援のために神奈川県に行ってまいりました。なぎなた、相撲、レスリングなどの競技会場を回り、声をからして声援もし、選手団の活躍に感動も味わうことができ、貴重な体験をさせていただいたと感謝しております。
 ところで、残念ながら、最終成績は天皇杯が四十三位、皇后杯が四十七位と振るわなかったのであります。スポーツは一概に勝つことだけが目的とは思いませんが、やはりやる以上は勝負の世界でありますから、勝つにこしたことはありません。本県スポーツの競技力の向上のために今後どのように取り組んでいかれるのか、教育長の見解を承りたい。
 最後に、スポーツにおけるメッカづくりについてであります。
 高校野球と言えば甲子園球場、ラグビーと言えば花園ラグビー場、サッカーと言えば国立競技場、テニスと言えば有明の森テニスコートと、即座に思い浮かぶメッカがあります。
 また一方で、イベントから入る地域おこしの観点を申し上げます。これまでのように箱物をつくって人を呼ぶのではなく、イベントを開催することで内外から多くの人に来てもらう、人が集まればお金が落ちる、観光等の収入がふえれば財政も潤う、財政が豊かになれば施設の充実に充てられる、施設が充実すればさらに人が来てくれるという、善循環の波を起こしていくことができると思います。そうした意味で、本年四月下旬からスタートする南紀熊野体験博は、イベントから入る善循環のタイムリーな企画であると私は思います。
 そこで、提案であります。何か一つのスポーツのメッカを和歌山につくってはどうか。全国的規模の大会を誘致してはどうか。例えば、ヨットと言えば和歌山と日本じゅうの人々に言ってもらえるような毎年恒例のイベントを開催し、やがては施設の整備につなげていく、そういう善循環の波を起こしていくお考えはないか、西口知事並びに教育長にお尋ねをいたしたいと思います。
 なお、以上で質問を終えますが、各部長並びに教育長に申し上げます。答弁は、余計な説明や言いわけは一切不要であります。やるなら「やります」、できないなら「できない」と、四文字で済むことであります。「やります」、「できない」の四文字答弁を心がけていただくようお願いをいたします。要を得て簡潔な答弁をお願い申し上げ、私の第一回目の質問を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。
○議長(下川俊樹君) ただいまの森正樹君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
  〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 森議員にお答えをいたします。四文字というわけにはまいらないかもしれませんが、ご了解いただきたいと思います。
 まず、地方債の許可制度についてでございます。
 この制度は、単に地方公共団体の行為への関与としての許認可ではなく、マクロで地方債資金を確保し、それを税財政基盤の脆弱な団体も含めて個々の団体に配分する枠組みの基礎となっているものでございます。地方財源を保障する地方財政制度の一環をなすものとしてこれまで運用されてきたものと承知をしてございます。
 地方団体間で財政力に大きな格差がある現状を前提にして、すべての地方団体が生活関連社会資本等の整備に欠かすことのできない地方債の確保が円滑にできるようにするという観点からは、殊に財政力、資金調達能力の弱い団体にとりましては一定の成果を上げてきたものと思います。
 しかしながら、地方団体の自主性を高め自己責任のもとに財政運営を行うべきであるという見地からは、これまでもそのあり方について議論のあったところでございます。現行制度の持つ機能を維持しながら、地方団体の自主的、主体的な財政運営に資する観点からの制度の見直しについて種々検討されてきたところでございまして、国におきましては、地方分権推進委員会の意見等を踏まえ、新たに協議制に移行する方向が打ち出されておりますので、各地方団体の円滑な資金調達を保障しながら、地方分権の流れに沿った財政運営の一層の自主性、主体性が確保されていくものと考えてございます。
 次に、地方主権に関連してのご質問であります。
 権限移譲と財源確保についてでございますけれども、地方分権推進計画に基づき機関委任事務のうち約六割が地方公共団体本来の事務である自治事務となるとともに、従来都道府県から要望しておりました保安林の指定・解除、農地転用の許可に関する事務などが都道府県へ移譲されることとなります。しかし、お話にございましたように、率直に申し上げまして、当初の地方分権の趣旨から申しますとほど遠い感は否めません。
 また、地方分権を実効あるものとするためには、権限移譲のみならず、地方が担っている事務量にふさわしい自主財源の確保が不可欠でございます。この点に関しまして地方分権推進計画には、地方税については、地方における歳出規模と地方税収入の乖離をできるだけ縮小するという観点に立ってその充実確保を図ると記載されてはおりますけれども、残念ながら具体性に乏しい内容となってございます。したがいまして、今後とも国庫補助・負担金の整理合理化に対応して地方税、地方交付税等の一般財源を拡充強化することを国に対して強く働きかけていかなければならないと考えております。
 次に、関西国際空港の土取り事業に関連してのご質問であります。
 地元自治会から、今回の土砂採取事業について、住民に防災面、環境面でいろいろ不安や疑問があるということは伺ってございます。事業者が関係住民に計画内容を十分説明して事業への理解を得るのはもちろんでありますけれども、県といたしましても、事業計画や環境影響評価準備書を厳正に審査いたしますとともに、事業に対する環境監視体制の確立を初め、住民の不安を解消するために必要な対策など、努力をしてまいりたいと考えております。
 また、ポートセールスであります。
 最近の関西国際空港の運営状況が、国内あるいは東アジア地域の経済不況の影響を背景とした航空需要の低迷によりまして、全体として就航便数あるいは旅客数が伸び悩んでいる状況にございます。このような状況のもとで、関西国際空港株式会社では空港の利用促進を図るための推進組織を新たに設けまして、今後、具体的な行動を行っていくとのことでございます。
 本県といたしましては、地元地域の発展には関西並びに我が国の空の玄関口である関西国際空港の発展が不可欠と考えてございますので、今後、関係自治体、経済団体等とともに、トップがみずからというお話でございましたが、私も含め、関空会社とも連携をいたして、国内外のプロモーション活動を積極的に展開していきたいと思っております。
 最後に、スポーツ振興についてであります。
 先日、県のスポーツ賞の表彰式を行いましたのでその際にも申し上げたわけでありますけれども、本年一月に私がわかやま元気宣言をさせていただきました。その中の一つに「人が元気」を挙げてございます。スポーツはまさにこのために大きな力を発揮するものだと思っておりまして、健康の保持・増進、体力の向上はもちろんでありますけれども、爽快感あるいは達成感などを通して人間形成にも多大の影響を与えることなど、心身の健全な発達に資するものでございます。
 したがいまして、地域でのスポーツ、学校でのスポーツ、そしてハイレベルの競技スポーツなど、県民みんながスポーツに取り組むことが明るく元気な和歌山県をつくっていくために極めて大切であろうと思っております。
 最後に、特色あるスポーツの大会を和歌山に誘致していくことのお話がございました。和歌山のスポーツを全国あるいは世界にアピールするという観点で大変意義のあることだと思っておりますので、ことしも種々の大会が和歌山で開催をされますが、今後とも競技団体、市町村とも連携をしながら実現を図ってまいりたいと考えております。
 以上であります。
○議長(下川俊樹君) 総務部長藤谷茂樹君。
  〔藤谷茂樹君、登壇〕
○総務部長(藤谷茂樹君) 森正樹議員にお答え申し上げます。
 まず、税収見込みと新たな税財源の確保についてのご質問でございますが、多様化する行政需要への対応、地方分権推進ということからも、自主財源の拡充が望まれるところであります。
 平成十一年度の県税収入につきましては、最近の経済情勢、地方税制改正案等を踏まえ見積もり作業を行ったところ、税率引き上げにより県たばこ税で約四億円の増収は見込まれるものの、一方、税制改正による減収が約三十二億円、加えて企業収益の悪化による法人二税や消費の落ち込み等による地方消費税で大幅な減収が見込まれることから、県税全体では前年度当初予算額に比べ百五十四億八千六百万円、率にいたしまして一五・一%減の八百六十八億八千七百万円を見込んでおります。この税収確保のため、より厳正な課税・徴収に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 また、新たな税財源の確保については、現在の法人事業税は景気の変動に影響されやすいことや法人が種々の行政サービスを受けていること等の観点から、課税標準を現行の所得から売り上げ金額、人件費等の外形的な基準で課税する外形標準課税の導入が政府税制調査会で検討されております。都道府県レベルでも、外形課税に対する協議組織を平成八年に設置し、導入に向けた問題点の整理などの意見交換を行っているところであります。今後とも、幅広い観点から新たな税財源の確保に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、基金の取り崩しと財政再建団体転落への危惧についてでございます。
 平成十一年度予算におきましては、基金繰入金として総額三百八十一億円を計上いたしておりますが、このうち県債管理基金と財政調整基金の両基金で約三百六十二億円の取り崩しを予定してございます。これは、税収等、歳入が伸び悩む中、歳出面では県債の元利償還費が前年度に比べて九十八億円増加するなど、義務的経費の増により前年度当初を上回る収支ギャップが生じたことから、これを埋め合わせるために取り崩さざるを得なかったものでございます。
 議員ご指摘の地方財政再建促進特別措置法によりますと、実質収支の赤字額が標準財政規模の五%を超えるといわゆる財政再建団体となることとなってございます。本県の場合には、決算段階で基金の取り崩し等により埋め合わせることのできない赤字額が約百五十億円を超えることとなった場合には該当することとなりますので、今後の財政運営には予断を許さない厳しいものがございますが、今後とも歳出の合理化、効率化に極力努めるとともに、財源調達のためのあらゆる対策を講じることによりまして、最悪の事態に至ることのないよう努めてまいる所存であります。
 次に、県債残高についてでございます。
 一般会計における平成十一年度末の県債残高は、六千三百二十五億円に達する見通しでございます。これに伴い後年度の公債費負担も増加してまいるわけでございますが、財政構造の弾力性確保の観点からは決して好ましいものではないと認識してございます。しかしながら、目下の急務は現下の不況から一日も早く脱却し景気の回復を図ることであるとの認識のもと、社会資本整備の財源確保のために県債を発行しているところであり、現状の経済情勢からはやむを得ざる措置としてご理解を賜りたいと存じます。
 いずれにいたしましても、県債残高の増大に伴う財政上の問題につきましては強く認識しているところでございまして、今後とも財政運営に著しい支障が生じることのないように努めてまいりたいと考えてございます。
 次に、平成十一年度地方財政計画における対前年度一九・一%という地方交付税総額の伸びについてでございますが、このような顕著な伸びを示したのは平成元年度の一七・三%以来のことでございます。平成元年度の伸びは、地方交付税の算定基礎となる国税の増に支えられたものとなっております。これに対して今回の場合は、主として景気低迷による地方税の大幅な減収による深刻な財源不足に対処し、地方財政の巨額な収支不足を補てんするための措置であります。
 平成十一年度の地方財政計画におきましては、交付税特別会計における八兆円を超える借り入れ措置等を講ずることにより何とか所要の交付税総額が確保されるものと承知してございますが、地方財政の悪化が極めて深刻な事態にまで立ち至っている現実を如実に示した形となっているものと理解してございます。
 次に、地方主権についてのご質問のうち法定受託事務に関するご質問でございますが、この事務は旅券の発行事務や国政選挙のように、国が直接執行すべきではあるが、国民の利便性等の観点から法律、政令により地方公共団体が受託して行うものであることから、自治事務に比べて国が関与する範囲が広く、議員ご指摘のような批判があることは承知しております。
 しかしながら、機関委任事務制度廃止に伴い、国による包括的かつ権力的な指揮監督が廃止され、国の関与の基本類型が一般ルール法で設定され、国の関与の手続が定められることとなっております。あわせて、地方公共団体に対する国の関与に関する係争について公平中立な立場から審査し勧告等を行う機関として国地方係争処理委員会が設置されるなど、国と地方公共団体の関係の公正、透明性等を確保するための手段が講じられる予定でございます。したがいまして、機関委任事務廃止後において国が行う関与の内容が、国と地方公共団体の関係を対等なものとする地方分権推進委員会の勧告の趣旨に反する場合には、このような制度を活用してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 企画部長中村協二君。
  〔中村協二君、登壇〕
○企画部長(中村協二君) 森議員にお答えをいたします。
 関西国際空港に関する諸問題のうち、一番、国際・国内便の便数減少はハブ機能の低下につながらないかということでございます。
 関西国際空港の就航便数につきましては、開港後順調に推移してまいりましたが、最近では我が国や東アジア地域の景気低迷の影響等により国際線は伸び悩み状況となっておりまして、国内線も平成八年中ごろから減少傾向となっているなど、ハブ機能の低下が懸念されているところでございます。
 関西国際空港は、国内外のネットワークが充実し、国際線と国内線の乗り継ぎの利便性が高いという優位性を持っておりまして、関西ひいては我が国の発展を図っていく上でさらなる空港機能の拡充と利便性の向上が必要であると考えてございます。県といたしましては、関西国際空港のハブ機能が損なわれることのないよう、国や関係者に対して国内外での路線形成や増便を強く働きかけてまいりたいと存じております。
 次に、土砂採取事業のスケジュールにおくれはないのか、また二期事業の進展に影響はないのかというご質問でございます。
 事業者は、平成十二年夏の土砂搬出開始をめどに、現在、鋭意地元関係者への事業説明や許認可手続を進めております。事業者からは今のところ大きなおくれはないと聞いておりますが、地元の状況からして今後相当厳しい日程になるものと思われます。まだ二期事業のスケジュールにも流動的な部分がございますので、関西国際空港用地造成株式会社とも情報交換をしつつ、埋立工事に支障が出ないよう調整を図ってまいりたいと存じております。
 今後とも地元の意見や要望に誠意を持って対応していくことが重要であると考えてございますので、県といたしましても、二期事業を推進する立場から、地元の理解や協力が得られるよう最大限の努力をしてまいりたいと存じます。
 次に、新飛行ルートの導入による騒音等の影響はないのかというご質問でございます。
 関西国際空港の新たな飛行経路につきましては、昨年十二月三日から運用が開始されたところでございます。騒音等の測定結果によりますと、航空機騒音は十二月のWECPNL、いわゆるうるささ指数でございますけれども、和歌山市大川で最大値六三、日高町高家で五五となっておりまして、いずれも航空機騒音の環境基準でございますWECPNL七〇を下回ってございます。また、地元等においては特に混乱もなく、現在のところ苦情等も聞いてございません。
 なお、今回の新飛行ルートの導入に当たりましては、県からも要請したところでございますけれども、関西国際空港により従来の和歌山市大川に加えて新たにルート直下となりました日高町高家に航空機騒音の常時観測局が設けられてございます。県といたしましては、今後ともこれら測定結果を踏まえまして、関係機関と連携しながら環境監視に努めてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 土木部長長沢小太郎君。
  〔長沢小太郎君、登壇〕
○土木部長(長沢小太郎君) 森議員の町並み整備についてのご質問にお答えいたします。
 まず一点目でございますけれども、これは潤いのある生活環境をつくり出すとともに、安全で快適な歩行空間の確保、良好な都市景観の向上、災害に強い町づくりを進めるため、キャブシステムあるいはCCボックスなどの電線類の地中化を進めているところでございます。
 平成十一年度につきましては、和歌山市内の国道四十二号ほか七路線で三千六百七十八メートルを整備することにいたしておりますが、これによりまして、平成七年度から十一年度までの第三期電線類地中化五カ年計画において予定されておりました一万一千百六十八メートルが完成いたします。今後とも、道路管理者としてより一層の整備に向け電線類の管理者と積極的に調整を図ってまいりたいと考えております。
 二点目でございます。
 JR和歌山駅前における市街地再開発事業につきましては、和歌山市がけやき大通り第二街区において平成九年度に事業推進計画を作成し、現在、関係権利者と事業化に向けた協議を行っているところでございます。また、南海和歌山市駅前における市街地再開発事業につきましても、同様に和歌山市が昭和六十年度に事業推進計画を作成し、それに基づき平成七年度に準備組合が設立され、現在、関係権利者の合意形成と保留床処分計画の策定に取り組んでいるところでございます。
 三点目でございます。
 都市計画道路湊神前線、南港山東線、西脇山口線は、和歌山市内の東西幹線道路として重点的に整備促進を図っているところでございます。現在、湊神前線については、国体道路から東側のJR紀勢本線をまたぐ跨線橋を含め前後の取りつけ工事を行っておりまして、全体として平成十三年度完成の予定であります。また、新堀橋のかけかえ工事につきましても平成十二年度完成の予定であります。
 南港山東線につきましては、国体道路から東側の中島地区でJR紀勢本線を地下式で立体交差する整備を行っておりまして、平成十四年度完成の予定であります。一方、西脇山口線につきましては、和歌山市磯ノ浦から西脇地区と県道梅原和歌山市停車場線の延時から大谷地区の楠見小学校付近の整備事業を行っておりまして、両地区とも平成十四年度完成の予定でございます。今後とも、関係者のご協力を得、早期に整備が図れるよう努力してまいります。
 四点目でございますけれども、議員が申されました三年坂通り、けやき通り、あしべ通りにつきましては、周辺の町にふさわしい歩道、植栽等の整備を行っておりまして、好評をいただいております。現在、各地で都市計画道路等、順次整備中でありますが、これにつきましても町並みの景観等に十分配慮しながら事業を進め、地域に合った町づくりを進めてまいりたいと考えております。
 五点目でございますが、街路樹の剪定につきましては、年一回、それぞれの木の種類に適した時期を選んで行っているところでございます。また、雑草につきましては、地元道路愛護団体等の自主的な参加も含めまして、年二回、特に那智山道──これは県道那智山勝浦線でございますけれども──これらの観光地の道路では特に年三回のペースで刈り取りを行っているところでございます。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) スポーツの振興についてお答えいたします。
 まず、スポーツ施設の充実と環境づくりについてでありますが、スポーツの振興を図る上で、県民が身近に利用したり、トップレベルのスポーツが可能な場としての施設の充実が大切であります。現在、県有施設の整備のあり方について検討いたしておりますが、あわせて市町村におけるスポーツ施設の充実促進のための国庫補助金確保を含めた支援を一層進めてまいりたいと考えております。
 次に、指導者の育成及び競技力の向上についてであります。
 競技力向上のために指導者の果たす役割は大きく、その資質によって選手の競技力に大きな影響を与えるものであります。県では、競技団体のコーチ、スポーツドクター、スポーツ医科学委員会等が一堂に会したビクトリーサミットを開催しており、また文部省、日本体育協会などが主催するスポーツコーチサミットに本県コーチを参加させるなど、技術指導のみならず科学的なトレーニングの研修にも取り組んでいるところであります。また、新年度にはがんばれ!「スポーツ和歌山」推進事業として、国際大会等で活躍した選手、指導者を招いてのシンポジウムや中央のトップコーチをアドバイザーコーチとして委嘱し、高度な技術、戦術の指導を受けるなど、なお一層指導者の育成に力を入れるための予算をお願いしているところであります。
 最後に、スポーツの拠点づくりについてであります。
 本県の特性を全国にアピールするものとして、豊かで恵まれた海、山、川の自然環境を生かしたアウトドアスポーツが挙げられます。その中でも特に本県の海域はヨットレースに最適と言われ、平成六年に世界レーザー級ヨット選手権大会を開催した際には、各国の競技者に本県の海のすばらしさを認識していただいたところであります。平成十一年度は、県内の海に面した地域を中心に第三回全国マリンスポーツフェアを開催し、さまざまなマリンスポーツを展開することといたしております。
 今後、各市町村と連携しながら、なお一層アウトドアスポーツの普及振興を図り、全国に発信いたしてまいりたいと思います。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 36番森 正樹君。
○森 正樹君 まず初めに、予算の問題であります。
 新年度で取り崩す三百六十二億円という金額の必然性をお聞きしたのはなぜか、であります。平成十一年度末には二百五十億円の残に対して、平成十二年度もこの新年度と同様三百五十億円程度取り崩すと仮定するならば、新たに百億円積み足しても基金はゼロになるのであります。全国の都道府県は一体どうなっているのか、特に予算規模で類似する県の状況はどうであるのか、この際、総務部長から報告をしていただきたい。
 基金が底をつくというのは非常事態と申さなければなりません。そのような状況がわかった上で、本年三百六十二億円も取り崩す必然性は那辺にあるのか、そういう意味でお聞きをしたんです。したがって、そういう意味で、ただいま申し上げた点、もし答えられるのであればその範囲でお答えをいただきたい。
 地方主権についてであります。
 税財源の地方への移譲について、これに激しく抵抗したのが実は大蔵省であります。これは新聞報道ですが、ちょっと参考までに紹介したいと思います。
 「税財源の分権に抵抗したのが大蔵省だ。政府の巨額の借金を背景に『税財源を政府から地方自治体に移すという言葉はもちろん、具体的な税の名前も報告に書き込んでもらっては困る』と分権委──これは先ほど申し上げた地方分権推進委員会のことであります──に圧力をかけた。 分権委は『財政事情が厳しいからといって足元ばかり見ていてはだめだ。地方財政の在り方について将来のビジョンを示さなければ勧告の意味がない』と応戦したが、結局、勧告には『移す』という言葉さえ記されなかった。 民間有識者による分権委が大蔵省と衝突した時も、当時の橋本首相は傍観していた。最高責任者がリーダーシップを発揮しなかったことが、税財源の分権が進まなかった最大の原因だ」と、このような新聞の報道でありました。
 まさに今、我が国の財政も危機的状況であります。もう既に五百五十兆円近い借金があって、GDPを超えているわけです。和歌山県も同じであります。そういう中で、国にあっては政府がよほど決意を持って大蔵省に対抗して──財政課長に申しわけありませんが、大蔵省に対抗する姿勢を示さない限り、税財源の地方への移譲は進まない。また、各都道府県にあってももちろん同じであります。県から市町村へのそういう分権もしなけりゃいけない。我々は、そこら辺の問題をぜひ真剣に考えていかなければならないと思います。これはもう言いっ放しで答弁は結構でございます。
 ところで、地方分権の際にいつも出てくる言葉がありますが、これは宮澤弘さんという参議院議員の発言で、「機関委任事務制度の廃止には根強い反対がある。その理由として、地方公共団体特に市町村の事務処理能力の欠如の問題があげられる」と。こんな失礼な発言はないと私は思うのであります。要するに、地方に任しておいたら何をするかわからん、危ない、だから地方には任せられないんだと、そういう発言とも場合によってはとれるのであります。
 法定受託事務の件でございますけれども、確かに機関委任事務は廃止されます。これは本当にすばらしいことだと思います。五百六十一もの機関委任事務が廃止されるということは、大変喜ばしいことであります。しかし、法定受託事務という名のもとに約四五%が残るわけです。しかも、国が関与する余地を残してしまった。先ほどの地方への税財源の移譲のところでも申し上げたとおり、大変激しい抵抗をした族議員と大蔵省。この問題についても、中央が地方に対して口出しできる形をそう簡単になくすとは私は思えません。そうした意味で失望したということを先ほど質問の中で申し上げたわけでありますが、今後、粘り強く地方の声として──先ほども申し上げましたように、主権は国民にあるんです。住民にあるんです。だから、地方主権であり、地方分権なんです。そういう意味で、ぜひとも地方の声を中央に上げていっていただきたい、これも要望であります。
 それから、土木部長に一言申し上げたい。
 ちょっと勘違いをされているんじゃないかなと思ったんです。というのは、例えば、片男波海岸とか白良浜とか那智の滝とか高野山とか、そういうところだけが観光地じゃないんですよ。和歌山県というのは観光立県──これは確かに間違いありませんね、知事。観光立県を目指しているんですよね。そういう県にあっては、県域すべてが観光地なんです。外から来たお客さんに、和歌山県はすばらしいところだ、美しい町だと言ってもらえるように、あらゆるところのそうした景観保持のために──そのために私は大久保利通の話をわざわざ引用いたしました。江戸幕府の権力が残っているときには、京都で幕末の志士が走り回る大変な幕末騒乱の中であっても、嵐山の景観、渡月橋を挟んで刻々と変わっていくあの美しい姿が見事にちゃんと保持されていたんです。それはちゃんとしたそうしたシステムがあって、お金がたくさんおりていて、それを維持する人があって、景観は維持されていたんです。ところが、明治政府に変わったために、予算もおりなければ、人もいなくなったし、そうした仕組みもなくなった。だから、わずか六年で嵐山の景観が本当に見る影もなく壊れてしまって、六年ぶりに訪れた大久保利通が愕然とした。そういう意味で、大久保利通は政治の何たるかを教えられる思いだったと、そのように言っているわけです。
 それと同じことを、私は土木部長にもぜひ申し上げたい。観光地はそうした一部のところだけじゃないんです。和歌山県域全体が観光地なんです。そうしたところの景観をきちっと保持していくために、町並みの修景の向上のために、ぜひとも努力をしていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 それから、スポーツ振興について一点だけ。
 私、これも議長の代理で武道連盟の式典に参加させていただきました。県立武道館であったんですが、あばら家と言ってしまえば大変失礼かと思いますが、県立の施設としてはとてもお粗末であるということを実感として見させていただきました。この改良にも──ぜひとも新しい、もっと立派なものをつくるべきだと。
 僕は去年、神奈川県に行かしていただいたときに鎌倉市のなぎなた会場に行かしていただきました。そこにすばらしい市の施設の武道館がありました。それと比較対照して見ると余りにも和歌山県立武道館がお粗末であると。過去に宇治田栄蔵議員、長坂隆司議員も発言されておりますが、この県立武道館を含めて施設の改良新設、施設の充実に取り組んでいただきたい。
 それから、スポーツのメッカづくりについてであります。
 一回だけの大会というのは意味がないんです。これは二年置きでも結構ですし、毎年だったらなおいいですが、恒久的な形で続いていくからこそ意味があるのであって、そうした意味でやってほしいと言っているんです。単発では意味がないので、その点だけは重ねて申し上げておきたいと思います。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 総務部長藤谷茂樹君。
  〔藤谷茂樹君、登壇〕
○総務部長(藤谷茂樹君) 森議員の再質問にお答えを申し上げます。
 まず、他府県の財政状況についてでございます。
 特段把握してございませんが、地方財政をめぐる状況は総じて厳しいものと認識をしてございます。一般会計規模の全国平均では、マイナス四・五%であると理解をしてございます。
 それから、平成十二年度の財政運営についてであります。
 議員ご質問のとおり大変厳しい状況にありますが、歳出の重点化あるいは効率化に取り組んで財政運営に努めてまいりたい、そのように考えます。その場合に、この残る基金も有効に活用しながら予算編成に努めてまいりたいと考えます。
○議長(下川俊樹君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(下川俊樹君) 再々質問がございませんので、以上で森正樹君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
○議長(下川俊樹君) この際、暫時休憩いたします。
  午前十一時四十六分休憩
      ──────────────────
  午後一時三分再開
○副議長(井出益弘君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
○副議長(井出益弘君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 33番中山 豊君。
  〔中山 豊君、登壇〕(拍手)
○中山 豊君 お見受けすると、日照時間も長くなっているせいか、快い日焼けをされている皆さん、結構なことでございます。
 さて、通告に基づいて質問をさせていただきますけれども、猿の被害対策から始めさせていただきます。
 自然との共生、自然保護という課題は一方ならぬ関心のあるところで、私も具体的な取り組みを惜しむものではないわけでありますが、次のような事柄について、県当局の対応について幾つかお尋ね申し上げたいと思います。自然保護、環境の問題についてのそもそも論から始めたいけれども、今回は具体的課題についてお聞きすることにいたします。
 県立大池公園を包む鶏冠山、大旗山、高倉山等を取り巻く丘陵地周辺、北野上といったら高津、孟子、別院、そしてこちらの方へ来たら阪井、そして亀川、小野田、そして和歌山市の方へ行って山東、これが大池公園を包む一つの集落であります。その方面に、おびただしい猿害というのでしょうか、猿による農作物被害が発生しているところです。
 桃、クリ、ミカン、野菜、タケノコ等、その季節季節に襲来をし、農産物を荒らし、昨年の秋は小野田地区のミカンの被害は特別大きかったと住民から寄せられているところです。時には人里近くにまで来て、児童生徒に危害を加えないかと心配されたりしていることもあります。
 また、タイワンリスが放たれ、増殖し、野生化し、和歌山城の森の木の皮をかじり、やがて枯死させかねないところにあります。農業用ため池にブラックバスを放ち、増殖し、在来の淡水魚が絶滅に追いやられるなど、生態系に異変が引き起こされています。自然界にも国際化が及び、先に示した猿の被害などを初め、これらの現象についてどう考えたらいいのか、厄介なことだなと思いながらも、幾つか申し上げたいところであります。
 猿も自然、あくまでも共生を考え保護を貫くべきなのか。農業者の立場に立ってみたら、余りにも大きな被害に対しては耐えられないという問題もあります。こういうふうな問題を基本的なところでどう考えたらいいのか。被害を食いとめるため、猟友会の皆さんの力をかりることになっています。しかし、あくまでも一時的な措置で、的確な処方とはなっていないようであります。かつて、カモシカの被害から山を守る取り組みをなされたことを知っています。その経験から導き出した施策があるはずであろうと思うけれども、猿とカモシカとはまたいろいろ被害の状況も対応の仕方も異なるものであるでしょう。
 なかんずく、猟友会の協力を得ていろいろ駆除及び被害を最小限に食いとめるという取り組みをしながらも、猟友会の皆さんには適当な待遇等をとられていないというふうに寄せられたりしているわけです。依頼された猟友会の皆さんへのそれなりの報酬があってしかるべきではないか、こういうふうに申されるわけであります。猟友会に依頼をする場合には、猟友会の責任者のところへ声がかかります。猟友会の責任者は会員の皆さんに出動を依頼するわけでありますけれども、何らの対応もないということから、その責任ある立場の人は会員の皆さんに大変申しづらいという声も寄せられているところです。
 聞くところによるとそれぞれの自治体ごとにいろいろ対応策が異なっているようでもありますけれども、あっちではこう、こっちではこうというようなことではなくて、県の指導に基づいて市町村が足並みをそろえ、整合性のとれた対応策でご協力いただいた猟友会の皆さんにおこたえ申し上げるというふうなことであってしかるべきではないかと思いますけれども、お考えをまずもってお聞きしたいと思います。
 次には、貴志川の護岸の問題です。
 貴志川の清流を守れと、かつて貴志川町のほたるサミット開催に思いを寄せながら、ある石油精製企業が海南市別院地区内に廃棄物を処分したことから油が地下に浸透して貴志川に流出していることを指摘申し上げて、護岸の改修を抜本的に求めたところでありました。そのことについて、事態の推移と今日の状況を知りたいわけです。
 なぜなら、浸透流出する油を集めてくみ取るように設けたコンクリートの溝が根方から浮き、極めて不安定でいつ壊れるかもしれない。ただでさえ用をなさず油の流出が心配されている上に壊れでもしたら、もろに油が貴志川に流出し汚染しかねないという状況であります。上流で親水性の岸辺利用整備をしたこととの整合性を保つ立場からも、全面的にやり直すべきところです。この質問を準備することと軌を一にして何か工事をしているようですけれども、これについてもどういうことなのか、その内容との関連でお答え願えないでしょうか。
 貴志川の清流を汚さないということは、先ほど述べた貴志川町のほたるサミットに事を寄せて申し上げたことと関連するだけではなくて、あれから下流に、野尻、孟子、高津、あるいはまた七山、これらの地区の住民たちは、貴志川の伏流水とはいえ依拠して生活をなさっていることにかんがみるとき、ひとときもこの油の流出によって貴志川が汚染されるということのないように心すべきだということを常に思って、当局にお答えをお願い申し上げるところであります。
 次に、昨年の台風七号、九号により受けた被害に対する復旧工事は大変見事なものがありました。さすがに地元に工事事務所が移されたことによるところだと、衆目を集めているところです。ところが、亀の川は小野田及び浄光寺原あたりで倒木竹が川を覆い、時には流れを阻害しかねない状態にあるけれども、これについての対処はどう考えるべきなのか。管理責任のある県当局に何らかの対処策が求められてよいのではないかと考えるのですが、いかがなものでしょう。
 川が持つ多様で豊かな自然環境の保全、創出、共生を求めて水辺の植生回復、瀬、ふち等の河原復元をさせる事業が新規に計画されているけれども、別院地区の油浸透流出については完全護岸を求めてこれを阻止するという対策が求められてならないところです。ご所見をお願い申し上げます。
 次に、道路問題についてお尋ね申し上げます。今まで取り上げてきたそれぞれの道路については一定の方向を示されたこととして、これまでご指摘申し上げていない路線についてお尋ね申し上げます。
 一つは、先般建設大臣から道路公団に向け施行命令が出された高規格道路海南吉備線の四車線化についてであります。施行命令が出された現在、今後の事業の進捗見通しをお尋ねするとともに、関係住民が深く要求されている事柄などについてお聞きをいたします。
 一昨年末の海南市議会で、日限地区高速道路対策住民の会から提出された海南吉備線のトンネル・道路新設計画に伴う請願が満場一致で採択され、県にも市議会から意見書が上がっているところだと思います。請願は、工事計画の決定には住民の意見を十分に取り入れること、防災、環境対策に万全を期すこと、住民の質問に回答することを求めたものであります。
 住民が心配しているのは、計画地点を活断層が通っていると見られる地域であること、西山田川が土石流危険渓流として指定されていることで、万全な防災対策が何よりも強く要望されているところです。また、四車線化によりこれまでの対面交通から片側通行になり、現在はトンネルの中で排気口を通じて排煙されているけれども、四車線になると排煙対策がどうとられるのか、また、通行量の増加見通しと騒音、大気汚染がどれほど影響を受けることになるのか、新たに設けられるインターチェンジがどうなるのかなどが、住民の主たる不安の材料であるわけです。
 こうした住民の不安に対して、県なり公団がきちんとした説明を行い、住民の理解を得る努力を惜しまないことが重要だと考えます。今述べた点について現時点での見解を求めるとともに、住民に十分な説明の場を持つことが求められてなりません。この点についても県の答弁を求めたいところであります。また、自動車道側道がJR高架側道と効果的に連結されることも求められるところであります。
 二つ目は、県道和歌山野上線の野上中北山地区内の狭隘部分の拡幅整備についてであります。
 この区間については言うまでもなく交通量が多く、これの整備は周辺の道路体系への波及も大きいわけであります。野尻、別院地区においての取り組みは、当局の姿勢がよく反映されて住民に喜ばれているところです。八幡橋方面からの整備構想を示していただきたいと思います。
 最後に、児童生徒の体位・体格と体力・運動能力についてと、県民のスポーツ体育活動についてであります。先ほど登壇されて質問された森さんと重なるところがあると思うけれども、私なりの思いを込めて質問をさせていただきます。
 近年、児童生徒の体位・体格の向上はそれなりのものを示しているようですけれども、それに比べて体力・運動能力が伴って向上しているとは言えないところにあるとして、これに対する取り組みを求める立場から、幾つか指摘しながらお尋ね申し上げます。
 学力偏重社会の影響でしょうか、これについての確とした取り組みが見えにくいのはなぜでしょうか。今、子供の状態として、転げる際に顔から先に突っ込んで大けがをしたり、何でもない転び方で骨折をするなど、敏捷性や持久力、集中力が極度に欠けてきていると言われます。それに加えて、戸外での遊びが著しく少なくなった。中学校のクラブ活動、体育活動が大きくさま変わりしてしまっている。発育盛りの時代に、どの子も体力・運動能力を養う機会が十分保障されているとは言えないようになっているのではないでしょうか。
 先般来、現場の体育関係の何人かの先生を訪ねて回って、この課題についての聞き取りをさせていただきました。総じて先生方の申されるのは、一言で言うならば、社会も学校も家庭も子供に対して甘やかし過ぎているのではないか、そういう時代だという認識を示しながら、青少年の諸問題が社会的課題となっている今日こそ、スポーツ、文化活動を通して健全なる精神と身体の育成を図り、積極的に全校クラブ制等を取り込むようなことにしてはどうだろうかというふうなことを述べながら、各論的に、過剰な進学熱によるスポーツ、文化活動への参加の制限が加わっていること、耐える、鍛える、継続する、根気強くなど、意欲的に苦しさに立ち向かえる精神力の低下等、特徴的なものだけですけれども、これが生徒側に見える問題点だと言われます。
 保護者の側に目をはせた問題点として、現場の先生方はこのように言います。過干渉、過保護──いわゆる甘やかしですね──家庭での指導力の低下、これはもう著しいという先生たちの共通の認識でもって示されるところです。
 学校や社会側の問題として主なところで先生方がお示しくださるのは、学校では体育、文化行事が縮小傾向にあるということ。二つ目の問題として、指導者が不足していること。教員の部活動の経験者が少ない、いないと申されます。部活動の推進をせよという形での文部省及び教育委員会からの指導の姿が見えにくいとも言われます。積極的に部活動を育成する方向ではないのではないかというふうな認識を示されておるようです。社会体育に移行する動きがあるけれども、予算化が伴っていないというご批判もあるようです。少子化の中で、チームプレー等の活動が成り立たない、塾やスポーツクラブの低年齢化によっての弊害が著しい、こういうことを現場の先生が申しているわけであります。
 こういうふうなことをいろいろ考えてみるのに、各種大会での和歌山県勢の成績は低迷状態を続け、これが恒常化してしまっているようであります。成績主義であってはならないが、取り組みの結果がおのずから出てくるものとしたら、児童生徒の体力・運動能力の向上、社会体育、中でも競技力向上に向けての必要な取り組みが求められてならないわけであります。競技力向上は地域社会の活性化に大いに効果的であります。
 子供たちの遊びの創出、それと社会体育活動の進展、学校教育の中での体育活動のあり方、中学校、高校の体育クラブ、運動クラブ活動の進展のさせ方、各種大会に向けての取り組みの工夫、地域における社会体育、スポーツ活動の振興等が挙げられます。また、社会体育活動をする際の家庭の負担の大きさが活動の妨げになっていることは体育関係者の共通の悩みになっています。大会派遣費の負担軽減策が必要であるとも指摘されております。
 和歌山国体からおよそ三十年。あのころとられた施策は今日どうなっているのかを問いながら、幾つかを取り上げてみたいと思います。
 国体用に設けられた施設は、今日的な県民のスポーツ体育活動の要求に耐えられるものとはもはや言えないところにあるのではないでしょうか。総点検をして、次に備える段取りに入らねばと思います。例えば、五十メートル温水プールや芝生の競技場などの要求は根強いものがあります。
 また、中でも学校クラブを初めとする青少年段階での育成、経験と活動についての振興策が求められてなりません。このまま推移すれば、二回目の国体が近づくにつれ、これまたやにわに取り組まねばということになるのは必至でありましょう。高知県で予定されている国体は、大会運営費だけで二百十八億円、そのうち国から三億五千八百万、日体協から二千万、ほとんど県や市町村の負担となっているようであります。このような財政負担を招く国体の運営に大きな問題はあるにしても、やがて和歌山が二回目の国体を開くようになればどうなるのか。早目に段取りをすることを求めつつ、スポーツ振興と子供たちの体位・体力向上に伴う体力・運動能力の向上についての施策を強化してかかる必要があることを提起したいわけであります。
 がんばれ!「スポーツの和歌山」推進事業に見るように、限られた選手だけを対象にした取り組みでは本県スポーツ界全体のレベルアップにつながらないのではないか。いかに底上げを考えて対策をするかが肝要なのではないでしょうか。ビッグホエールのような一点豪華主義の体育スポーツ施設ではなくて、多くの県民、子供がスポーツに親しめる施設の設置、地域のスポーツ活動を支える指導者の育成、何よりも、県としてのスポーツ振興計画を制定し、計画的に県民、子供の運動・体力向上策を持つことが必要なのではないでしょうか。知事の発表されたわかやま元気宣言はどう生かされようとするのかということが気になるところです。県のお考えをお示し願いながら、私の第一回目の質問といたします。
 ありがとうございました。
○副議長(井出益弘君) ただいまの中山豊君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 生活文化部長大井 光君。
  〔大井 光君、登壇〕
○生活文化部長(大井 光君) 中山豊議員の猿による被害対策についての質問に対しまして、ご答弁いたします。
 野生鳥獣は自然を構成する重要な要素の一つであり、人と野生鳥獣の共生を図ることが基本とされております。しかしながら、野生鳥獣が農作物等に被害を与える場合には適切な対応が必要であると考えております。
 これまで、野生鳥獣による農作物等の被害対策につきましては、電気さく、防護さく、追い払い等のいわゆる防除処置を講じる一方、防除処置を講じてもなお被害が減少しない場合には有害鳥獣として駆除しているところでありまして、これらを有効的に組み合わせた対処が必要と考えております。
 有害鳥獣駆除の実施に際しましては、議員お話しのように猟友会の方々のご協力を得ているところでありますが、県としても市町村が行う猿の有害駆除に対してその一部を補助しているところでございます。今後とも、市町村等と連携を図りながら適切な保護と管理に努めてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(井出益弘君) 土木部長長沢小太郎君。
  〔長沢小太郎君、登壇〕
○土木部長(長沢小太郎君) 中山豊議員のご質問にお答えいたします。
 まず、貴志川護岸についてでございます。
 議員ご質問の油の処理については、これまで当該土地を所有している企業が地山からしみ出してくるものについて集積し、くみ取り処理しているところです。今般、企業側より一部護岸の補強等の工事について申し出があり、これを許可したところですが、この工事は三月上旬をもって完了する予定であります。これにより、地山からしみ出てくる油の貴志川への流入防止に資するものと考えてございます。
 また、当該地点上流において平成五年度から実施してまいりましたふるさと振興水辺環境整備事業については、平成八年度に既に完了したものでありますが、これによりこの付近の親水性の向上に寄与しているところでございます。
 次に、亀の川の海南市小野田付近の倒木竹については既に除去作業に着手しており、三月中旬を目途に完了する予定であります。一方、同市浄光寺原付近については調査の結果、竹木が繁茂しているものの倒木竹は認められず、流水の流下に支障がないものと思われるので特段の措置を講ずる必要はないと考えているところでございます。
 なお、平成十一年度から生きもの共生川づくり事業を新たに実施したいと考えておりますが、議員ご指摘の適切な河川管理の実施と同様、河川環境の保全と整備も今後の重要な課題と認識しているところであり、地元の皆様方のご協力を得ながら円滑に推進してまいる所存でございます。
 次に、道路問題についての二点のご質問です。
 まず高規格幹線道路海南吉備線の四車線化ですが、これは昨年十二月二十五日、建設大臣から日本道路公団に対し施行命令が出されたところであります。事業を円滑に進めるためには地元関係者の幅広い理解を得ることが不可欠であり、地元説明会等を通じ十分協議を行いながら事業を進めるとともに、関係する機関と調整を図りながら進めてまいりたいと考えております。
 和歌山野上線の八幡橋から国道三百七十号交差点までの六百メートルのうち一部残っております狭隘区間解消のため、現在測量設計を実施しているところでございます。今後、地元関係者のご協力により早期に拡幅を行いたいと考えております。
 以上でございます。
○副議長(井出益弘君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 体力とスポーツ活動についてお答えいたします。
 児童生徒の体力や運動能力につきましては、本県を含め、全国的に低下の傾向が指摘されているところであります。この背景としては生活環境の変化に伴うさまざまな要因が考えられ、さきの中央教育審議会の答申でも、幼児期から小学生段階での遊びの重要性、自然の中での活動、知育優先の教育の見直しなどが取り上げられております。
 体力を向上させる上で最も大切なことは運動を継続して行うことであり、このためにも学校体育においてはみずから運動に親しむことを大きなねらいとし、学習を展開するよう指導しているところであります。また、競技力の向上とあわせて、児童生徒の体力の向上も含め、ジュニア層の育成強化策などに中長期的な視野のもとに取り組んでまいりたいと考えております。
 施設の整備につきましては、県民が身近で気軽に利用できる施設や二巡目国体の開催を想定した施設整備など、広くスポーツを振興する立場から検討を進めていきたいと考えております。
 以上であります。
○副議長(井出益弘君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 33番中山 豊君。
○中山 豊君 幾つか要望を申し上げて、質問を終わりたいと思うんですけれども。
 ともすると、質問をして再質問の段階になったときに、質問の締めくくりの一つの形態というか、一つの体裁として要望を申し上げるというようなことが間々あるように見受けられるんですけれども、そうではなくて、要望をさせてもらうということは、今までに当局の皆さんが進めておられる行政上の実態と現段階において、質問者には、いっときの議会で質問して直截的に答えが返ってくることを期待するわけにもいかないという課題が残ります。その課題は、引き続いて当局の皆さんは課題として受けとめていただいて、調査研究してそれの具体化のためにどう立ち働くかと、こういう意味合いで要望をお受けとめいただきたいということをまずもって申し上げたいと思います。
 道路問題で、海南吉備線の四車線化に基づいて土木部長の答弁をいただきました。地元説明会等を通じ、十分協議を行いながら事業を進めていくというお話であります。地元住民にその事業の具体的な内容等をお示しいただき、地元住民の要求とどうかみ合ったものになっていくのかということをつぶさに追求をしながら具体化されていくという、こういう姿勢のあらわれとしてお受けとめさせていただきました。その立場を貫いて、地元住民と十分協議を重ねられて具体化を進めていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 貴志川の護岸の問題ですけれども、これは手前で親水性の岸辺を工事していただきました。その段階で、下流に向けてその親水性の工事をずっと延伸していただけるという期待を持っておったんだけれども、そして一時そういうふうな当局のご意向もあったようですけれども、いつの日か後退してしまったようであります。これは大変残念な話なので、あそこから油の地下への浸透と貴志川への流出ということを抜本的に防いでいこうとするならば、護岸対策というのはさらに調査研究なさって、どうすれば最も効果的なのかを深くきわめて具体化をしていただくよう続けて課題とすることを申し上げて、これは終わりたいと思います。
 猿の問題ですけれども、市町村の行政に対して県が補助するというお話のようでした。市町村の行政に対する補助ということが前提でありますから、市町村がそれに対して機敏に、しかも効果的な措置がとられなかったら県は何もしないということになりかねないような話でもあります。そういうようなことのないように、せっかくのことですからつぶさに被害の調査をして、どのような対策が効果的なのかご検討いただいて、住民からの要求にまさにかみ合った対策をとられるようお願い申し上げておきたいと思います。
 体力・運動能力の問題ですけれども、今議会の教育長の答弁だけでどうなるというように余り期待するものでないと初めから思いながら、この問題はかなり長期にわたって研究協議して実態を高めていく課題として受けとめていただきたいと前もって申し上げながら、特に学校体育においてはみずから運動に親しむことを大きなねらいとして学習を展開するよう指導しているというお話ですけれども、これがこうなっていない、指導の結果として目に見えてこないというのが私が申し上げたい真意なのであります。指導しているけれども、指導しっ放しというのではなくて、どうすればこれが体位・体格に見合うような体力・運動能力が見えてくる取り組みになるのかと、こういうあたりもやはり大きな課題としてお受けとめいただいて研究対策をとられるよう強く求めて、終わりたいと思います。
 以上です。
○副議長(井出益弘君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で中山豊君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
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○副議長(井出益弘君) 本日は、これをもって散会いたします。
  午後一時三十九分散会

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