平成10年12月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(木下善之議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午後一時二分再開
○副議長(井出益弘君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
○副議長(井出益弘君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 2番木下善之君。
  〔木下善之君、登壇〕(拍手)
○木下善之君 議長のお許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。
 まず初めに、台風七号等の被害対策について。
 本年九月二十二日の七号台風及びその後の十号台風は近年まれな大きな被害をもたらし、七号台風にあっては田辺市で瞬間最大風速五十一メートルを記録した風台風でありました。その被害額も実に大きく、農林水産関係で二百四十七億円に達しましたが、柿、ミカンを中心に百四十三億円、山の倒木被害九百三ヘクタール、約四十三億円が主なもので、農林漁業者に携わる者として予期しない、また想像以上の被害に対し、大変苦慮しているところであります。
 県が即刻四十億円の緊急対策融資等の対応をされたことは大変結構であり、さらに激甚災害指定、天災融資法の適用に向けて取り組まれ、過日、閣議決定を見たこと等、災害復興に向け望ましいものと考えております。
 さて、お尋ねすることは被害地の造林計画についてでございます。
 森林が本県にとって重要な役割を果たしていることは言うまでもなく、県土の保全、水資源の涵養、保健休養、自然環境の保全等の公益的機能を総合的に発揮し得る森林経営の確立が重要であると認識をいたしております。私も幾つか被害林を拝見いたしましたが、相当樹齢のものが数百本単位で全滅した林地を各所で見受けました。林業者の生の声として、余りにも被害が甚大で木材価格も低迷であり、一方、林業者は高齢と労力不足が相まって、倒木の搬出はもとより改植は困難とされる声が意外に多く、また部分改植など、考えはさまざまであります。確かに、植えつけ後、下刈り、枝打ち、間伐等、造林に要する労力は多大とされ、現在の風倒木の多くは二十ないし三十年生が目立ち、風であおられた完全倒木に至っていない木も製品にならないようで、伐採を余儀なくされるという林地も多くあります。とにかく山への愛着を持たせることであり、被害林地の今後の改植に当たって、事業の採択要件の緩和と補助の増額等を含め、これら被害に遭われた林地の造林をどのように進めてまいるのか、お伺いいたします。
 次に、風倒木の利活用について。
 私の提案でありますが、この際、南紀熊野体験博の予算を拡大し、また国庫補助の要請の検討もなされ、県下の市街地学校あるいは大阪市内の学校へ風倒木を角材にして無償配布することはいかがなものか。あわせて、南紀熊野体験博とのかかわりをPRする等、この無償配布が木の国和歌山から木のぬくもりが伝わっての木工細工に活用いただけないか検討してはどうかと考えます。
 ことしは暗いイメージが続きましたが、新春にはこうした明るい話題を茶の間に、学校に向けてはどうか。大変な労力を要するが、造林に対する意欲の高揚を図る上で少しでも生かせるよう、モデル的でも構想を練ってみてはと考えます。
 以上、倒木の利活用についてお尋ねをいたします。
 次に、緊急融資の申し込みと今後の見通しについてであります。
 水稲、果実等の倒伏、落果は単年度の減収でやむを得ないと思うが、農業共済での対応を強く要望しておきます。また、農業用施設の二十数億円の被害の大半はビニールハウス災害であり、これらの施設の多くは農業後継者が主体を占めているだけに低利の特別融資を活用するものと考えるが、現在の緊急融資の申し込み状況及び今後の見通しについてお伺いいたします。
 なお、貸し出しに当たっては十分な相談窓口となっていただき、格段の対応を願いたく、重ねて要望を申し上げておきます。
 以上、三点について農林水産部長にお尋ねをいたします。
 続いて、橋本市野地内の産業廃棄物問題について。
 県は株式会社日本工業所に対し、本年九月十一日付にて、産業廃棄物収集運搬業の全部の取り消し、産業廃棄物処分業許可の全部の取り消し、産業廃棄物処理施設設置許可の全部の取り消しの行政処分をされました。このことは、今日までの経緯から、また違法性の面でも当然であります。しかしながら、地元地域としては終結したとは思っていないわけで、多くの産廃が盛り土の中に埋まっていると言われ、排ガスの発生、水質汚濁、土壌汚染等につながり、地元関係地域として一日も早く完全解決を望みたいとするところであります。また、本問題を早期に終結させることは行政の責務であろうと考えます。
 以下、順次質問をいたします。
 ダイオキシンの調査結果について。
 まず、ダイオキシンの調査結果については、環境庁がようやく来春にもダイオキシン類の基準を最終的にまとめるとし、一応、中間報告として、市街地の一般住宅地の基準値を土壌一グラム当たり千ピコグラムとし、濃度がこれ以上の場合は土壌の除去や覆土等の対策を必要とするということです。工業所、事業所は別に定めるようであるが。
 さて、県は八月二十八日、現地の土壌中のダイオキシン調査で四検体と浸出水一検体を実施しましたが、その測定結果は、土壌一グラム中において四十三、六十三、三百五十、千七百ピコグラムとなっており、環境庁の暫定指針の千ピコグラムよりはるかに高い数値が出ている点をどう受けとめているのか。また、同一敷地内で大きな開きがあることについてどう判断されているのか、伺いたい。
 県は、今後検討委員会をつくり対応したいとしているが、委員会の設置の時期、あるいは本会での検討範囲についても聞いておきたい。
 なお、浸出水の結果はどうであったのか、また周辺地域のダイオキシン調査を続いて実施されるのかどうかの答弁をお願いいたします。
 次に、ボーリング調査について。
 さきの一般質問において、水質検査の結果を見て、必要な場合ボーリング調査を行いたいとの答弁でありましたが、地元として、行政がされないとすれば、相当経費を要してでもボーリング調査を行い、事実確認をする意見があります。これほど地球環境の保全が今日課題となっており、また行政が進んで地球環境の安全宣言に向け取り組まなければならないとき、県としてボーリング調査をどう考えているのか、お伺いいたします。
 次に、水質検査の結果と今後の対応についてであります。
 十月二十九日の水質検査結果についてどうであったのか、今日まで何回か定期の水質検査が実施されているが、検査結果からその水質についてどう判断をされるのか、また今後定期的に実践するとなればどうお考えであるのか、計画を示していただきたい。
 関係住民の健康調査についてであります。
 過去にも何回か申し上げているように、この中間処理施設が原因で入院あるいは通院者が続出、今日なお家に帰れなくて市営住宅にいるなど、初期の保健所の対応に問題があった。今後定期的に関係住民の健康調査を行うべきと考えるがどうか、お伺いいたしたいと思います。
 以上四点、生活文化部長にお尋ねをいたします。
 続いて、南紀熊野体験博に関して。
 いよいよ、南紀熊野体験博の開幕も百四十日と迫ってまいりました。このことは先輩・同僚議員より質問されており、紀北の者が申し上げることはいかがかと存じますが、お許しを得てお尋ねいたします。
 シンボルパークとしてのメーン会場は田辺市、那智勝浦町が、また奈良、三重両県を視野に入れ、そして関係十六市町村がそれぞれ地域色豊かな多くの体験イベントを催され、ようこそ和歌山へと南紀を満喫していただけるための受け入れ体制も着々と進められていることと存じます。計画資料を拝見いたしますと、それぞれのカラーを出し尽くされるほどに綿密な計画をされていて大変喜ばしく、ぜひ成功願いたいものであります。
 お尋ねすることは、まず今後のPR活動についてであります。
 開催地が世界リゾート博と違って広域で、一般には少し戸惑う傾向にあると思います。細かいイベントが多いのも地域のよさで結構でありますが、十万人の熊野詣など、期間中の見どころや目玉をはっきりさせることも必要だと思います。このPRを今後どのようにされるのか。また休祭日、夏休み等は特に渋滞のおそれがあると予想されるので、できる限り電車、バスといった乗り物をご利用くださいとしたPRが特に必要でなかろうかと考えます。
 交通アクセス、特に交通渋滞の緩和策についてであります。
 交通のアクセスは、電車、船、飛行機等の計画もありますが、会場が広域であるだけに車が大半を占めると予想されます。シャトルバス運行に期待すること大でありますが、田辺のメーン会場はよいとしても、ことしの九月、勝浦会場を見させていただきましたが、主要道路は国道四十二号一線で、しかも主会場が四十二号線沿いとあって、新宮・串本間がうまくいくだろうかと心配いたします。この辺の整理をどうされるのか。休祭日、夏休み等は数キロ離れたところよりバス輸送する考えはあるのか。車は動かず、時間だけ経過したのではダメージにつながりかねないので、その万全な対策について。
 以上二点を生活文化部長にお伺いいたします。
 次に、農林水産物の利活用について。
 海、山、川はいずこの県でもあり、それなりの利活用がなされているわけで、本県の海、山、川、自然、文化等の特色を生かし、旅人の心に残る体験博であってほしいわけであります。
 例えば温暖な農林水産業県として、さきの本県国体の印象で他府県の方が沿道の花木は見事なものでしたと申されたことが私の記憶にあります。自然の中でも花は旅人の心を和ます大切なものと受けとめており、県外調査に参りますと幹線道路数キロにわたりフラワーロードという花木ラインも各所で目につくが、とりわけ花木は全国有数の生産県であります。メーン会場は当然ながらも各沿道の草花はどう計画されているのか、伺いたいのであります。
 また、和歌山丸ごと食べようという食の典で、この際、熊野牛のバーベキューを月何回か定期的に各河川敷を利用して開催し、備長炭を用いて一度に二、三千人規模のものを適正な価格で提供し、松阪肉をしのぐキャンペーンの機会ととらえて実施してはどうかと思うが、いかがなものか。予約の窓口も当然必要であろうと思うが、ヘリコプターでなければカメラにおさまらないというほどの規模でやればこのPRがさらに集客に拍車をかけると思うが、どうだろうか。また捕獲高全国一のマグロも、専門家の実演だけでなく参加者みずからの解体実習と即売という考えはいかがなものか。
 次に林業関係では、さきの台風による倒木が大変多く、材木として販売に供せないものも実に多い。この際、風倒木を体験博に用いることも大切でなかろうか。各沿道の休憩所、施設、あるいは組み立ていすを木取りとしてパンフレットを用いた紹介を行い、家庭で組み立てをいただくような即売も原価でするなど考えて、集材経費、素材の加工経費等、原価はどの程度となるのか検討してみてはどうか。私は、折り畳みの長いす等を一万とか二万とかの大規模で売れないか、そういうことを提案しておるわけであります。そして、車のお客様に二、三組のいすセットを購入していただき、末永く和歌山の香りが各家庭に根づいていただくことを念願する一人であります。これらに関し、伊都振興局も紀北から大の応援をさせていただくとしております。その他、木工細工の用材として各会場で展示即売を行うとされているが、いずれも大規模で行えないだろうかということであります。
 余ったものは一部無償で学校へ配布するとか、また今後の販売に備え、本県の特色を生かしたアイデアを体験博で出し切ってほしいと考えますが、いかがなものか。農林水産部長にお伺いいたします。
 次に、関連広域地域の役割と波及効果について。
 西口知事は、この博覧会は、単に紀南における博覧会だけでなく和歌山県全域の心のリゾートを全国にPRするものだと言われております。開催概要にもありますように、関連広域地域、特に伊都・橋本地域における役割と波及効果をどのようにお考えになっているのか、知事にお尋ねをいたします。
 続いて、今後の地域イベントへの取り組みについて。
 伊都・橋本地域においても、南紀熊野体験博の盛り上がりに合わせて、数年後、紀の川や高野山といった地域特性を生かしたイベント開催への住民の機運が芽生えつつあります。ついては、県として今後こうした広域的な地域イベントへの取り組み計画についてどのように考えられるのか、西口知事の所見をお伺いいたします。
 最後に、道路網の整備促進についてであります。
 国道三百七十一号橋本バイパスの工事着手について。
 過日、京奈和自動車道橋本道路の起工式が行われ、橋本市真土・高野口町大野区間十一・三キロメートルのいよいよの工事着手がなされました。このことは、第二国土軸として大きな役割が果たされるとともに紀北地方にもたらす経済効果ははかり知れないと考え、西口知事のご熱意に感謝し、さらに紀北東・西道路の早期工事の着工と完成に向け積極的な取り組みを願うものであります。
 さて質問は、大阪との府県間道路で本県東部の国道三百七十一号橋本バイパスの用地買収も相当進んでいると聞かされ、また地元振興局にあっては本道路の積極的な推進を図る上でプロジェクトチームを編成し取り組まれている等、体制も整いつつあると考えたとき、一日も早い工事の着手が望まれているところであります。とりわけ、昨今の経済環境からして工事のつち音は地域の起爆剤となり得ると考え、国道三百七十一号橋本バイパスの工事着工時期について土木部長にお尋ねをいたします。
 次に、県道山田御幸辻停車場線の御幸辻地内の未改良区間についてであります。
 旧南海高野線の高架橋周辺であるが、二つの大きな団地に向けての幹線道路とされており、十年近く前よりわずか四十メートル区間が片側通行であります。朝夕のラッシュ時は大きな問題となっており、多くの周辺関係住民が何とか早期開通をと願っておるところであります。昨年二月の私の質問後、今日まで一年十カ月経過の中でどう対処されたのか、ひとつ具体的に説明を願いたいのであります。
 地権者はわずか四件であり、英断をもって対処されるよう申し上げ、土木部長の答弁を求めます。
 以上をもちまして、私の一般質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。
○副議長(井出益弘君) ただいまの木下善之君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
  〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 木下善之議員にお答えをいたします。
 南紀熊野体験博につきましては、現在、来年四月の開幕に向けまして鋭意準備を進めているところであります。体験博の開催の意義は、南紀熊野地域を象徴的に取り上げることによりまして和歌山県を新しい心のリゾート地として国内外に広く印象づけ、本県全体への継続的な集客力を高めることにございます。したがいまして、今回の体験博は言うならば県全域が会場地でございまして、関連広域地域の市町村におきましてもそれぞれの地域の特色を生かしたイベントを開催していただくなど、全県的な体験博の実現に向けての取り組みをお願いしておるところでございます。
 先ごろ、県内の熊野古道の関係市町村と県によりまして熊野古道連絡協議会を設立し、一体となって熊野古道の魅力をアピールするためさまざまな計画をしていただいておるところであります。
 熊野古道と言えば南の方だけだという認識がございましたけれども、京都からずっと和歌山市も通り、海南も通ってということが最近では認識をされてございます。また伊都・橋本地域におきましても、熊野古道小辺路ルート等を活用した関連イベント等の実施を検討していただいてございます。昔から高野もうでと熊野もうでが組み合わされて行われたという経緯もございまして、伊都・橋本地域から高野、龍神を経て熊野地域へのルートも十分考えられるわけでありますので、この地域にも多くの方々が来ていただけることを期待しておるわけでございます。
 私は、こうしたイベントの開催は地域の活性化と発展につながる有効な施策の一つであると考えてございます。イベント開催への参画を通じて、地域住民の皆さんがさまざまなノウハウを蓄積され、また新たな人的交流の輪を広げられることによりまして、自信と誇りを持って、みずからの手で地域づくりを進めていく契機になろうと考えておるわけであります。
 議員のご質問にございましたように、既に紀北地方でもこうした地域特性を生かしたイベント開催への機運が高まりつつあることは、私もよく承知をいたしております。例えば、北紀高野曼陀羅なども言われておるわけでありますが、地域の活性化を目指す一つの大きな動きであろうと大変うれしく思っておるわけでございます。今後とも県といたしましては、地域の発展につなげるために、広域的な連携協力のもとで地域住民が主体となって実施されるイベントに対しましては市町村と協力して支援を行ってまいりたいと考えております。
 以上であります。
○副議長(井出益弘君) 農林水産部長尾崎武久君。
  〔尾崎武久君、登壇〕
○農林水産部長(尾崎武久君) 木下議員ご質問の、台風七号等の被害対策と南紀熊野体験博に関しての農林水産物の利活用についてお答え申し上げます。
 まず台風七号等の風倒木被害対策でありますが、十二月二日、橋本市ほか四町村が激甚災害指定市町村として告示されました。これら五市町村を初め、被害を受けた県下三十九市町村において、森林災害復旧事業や指定被害地造林など被害の状況に応じた適切な事業導入を行うこととしてございます。しかしながら、議員ご指摘のとおり林業をめぐる状況は大変厳しく、経営意欲の低下が懸念されることから、復旧事業に要する所有者負担について、より一層の軽減に努めてまいる所存でございます。一方、保安林等におきましても、治山事業による風倒木処理に取り組んでおり、今後も市町村、地元と一体となって早期の復旧に努めてまいりたいと考えてございます。
 次に、風倒木の利活用につきましては、通常の木材に比べ品質の低下が見られるなど、利用を図る上で制約がございます。また、価格も低く抑えられるなど採算的にも非常に厳しいことが予想されますが、風倒木の処理と利活用を促進することは、被害地における森林機能の早期回復を図る上で極めて重要であると考えてございます。このため、損傷の度合いによって土木資材やログ材等としての利用、学校等への木工教室用資材の提供、チップ、おが粉の炭化による高付加価値化の検討など、国への働きも含め、総合的な需要拡大に努めてまいります。
 さらに、南紀熊野体験博における利活用といたしましては、熊野古道周辺の台風被害箇所の復旧資材や休憩所の木製ベンチ、いす、案内板の整備、児童を対象にした木工体験や炭焼き体験のイベントへの活用を計画しているところでございます。今後、議員ご提案の趣旨も踏まえ、関係団体等との連携を密にしながら、なお一層の有効利用が図られるよう取り組んでまいる所存でございます。
 次に、緊急融資の申し込み状況及び今後の見通しについてでございますが、台風七号等農作物被害対策緊急資金につきましては、ビニールハウス等の施設復旧費十億円、収入減補てん費三十億円、合計四十億円の融資枠となってございます。十一月末現在での申込額は、施設復旧費百四十八件で三億四千二百九十万円、収入減補てん費六百二十九件で十一億二千五百九十五万円、合計七百七十七件、十四億六千八百八十五万円となってございます。今後の申し込みにつきまして農協等に調査したところ、施設復旧費、収入減補てん費、それぞれの融資枠で対応できる見込みと考えてございます。
 次に、南紀熊野体験博における農林水産物の利活用についてでございますが、田辺市、那智勝浦町のそれぞれのシンボルパーク内に紀州材を使用した物販施設として南紀熊野市場を設置し、梅干しを初めとした農林水産加工品など地場産品を中心に展示販売を行うとともに、県下市町村参加のもと、短期の物産市も計画しているところでございます。
 議員お話しのシンボルパークや沿道等への花の植栽につきましては、訪れた人々をもてなすため熊野花いっぱい運動を展開することとしており、また熊野牛に関するイベントにつきましても、和歌山ブランドとしてPRにつなげるため、例えば熊野古道沿いでの熊野牛食体験など、地域として特色あるものを計画しているところでございます。なお、マグロにつきましては、ご提案の趣旨を十分踏まえ、今後の課題として関係団体等とも協議してまいりたいと考えてございます。
 今後も、周辺市町村や関係団体との連携のもと、農林水産物の利活用について幅広い視点から取り組みを進めてまいる所存でございます。
 以上でございます。
○副議長(井出益弘君) 生活文化部長大井 光君。
  〔大井 光君、登壇〕
○生活文化部長(大井 光君) 木下善之議員の産業廃棄物問題、南紀熊野体験博関連のご質問に対してお答えさせていただきます。
 産業廃棄物問題についての四点の質問にお答え申し上げます。
 まず、第一点目のダイオキシンの調査結果についてでありますが、八月二十八日に実施した調査結果では、最高千七百ピコグラムという数値が検出されましたが、去る十一月二十四日に中央環境審議会土壌農薬部会の中間取りまとめが環境庁から公表され、この中間取りまとめの暫定ガイドラインでは、現時点において対策をとるべき土壌汚染の暫定的なガイドライン値を土壌一グラム中千ピコグラムとすること、ただし、この暫定ガイドライン値は居住等日常生活を行っている場所を対象としているので、土地利用の形態、人の行動様式、暴露経路等によって暴露リスクが異なるので一律に適用するものではないという内容のものでございました。
 したがいまして、事業所である当該場所における検査結果に対する影響評価につきましては、現段階においては判断できないところであります。しかしながら、県といたしましては、生活環境保全上の観点から、早急に環境庁、厚生省と協議しながら、さらに専門家による検討委員会を設置し、検討してまいりたいと考えてございます。
 検討委員会につきましては、本年十月一日に設置いたしました和歌山県廃棄物処理に係る技術アドバイザー会議を中心に現在事務手続を進めているところでございまして、今月中に第一回目の会合を開催いたしたいと考えてございます。検討内容につきましては、会議の進捗によりまして柔軟に対応すべきものと考えてございますが、現時点では濃度分布を把握するための再調査の実施、土壌汚染に伴う健康影響の考え方、及び対策の必要性と内容、この三つのテーマを想定いたしております。
 また、浸出水のダイオキシン類濃度につきましては全国の主要河川の調査結果の範囲内でありましたが、ご質問にありました同一敷地内での想定結果の開き、あるいは周辺地域のダイオキシン類調査につきましても検討委員会において検討していただく考えでございます。
 続きまして、ボーリング調査の実施についてでありますが、これまでの水質調査の結果から現段階では必要ないものと考えてございます。
 なお、ダイオキシン類調査結果に基づく対応につきましては、検討委員会において検討いただくことといたしてございます。
 三点目の、水質検査の結果と今後の対応でございます。
 十月二十九日に実施いたしました水質検査の結果につきましては、分析機関から得られた検査結果を近く公表する予定でございますが、基準を下回ってございます。これまでの結果につきましても、問題は認められておりません。
 また、今後の検査についてでございますが、年四回、おおむね三カ月置きに従来からの採取地点において実施していく考えでございます。
 それから、四点目の関係住民の健康調査についてでございます。
 県がこれまでに実施した大気及び水質に係る公害関係法令に基づく調査において基準を超えていないことから、現時点では考えてございませんが、ダイオキシンに係る健康影響につきましては、最初に申し上げましたとおり検討委員会の検討事項として検討していただく考えでございます。
 続きまして、南紀熊野体験博に関する質問でございます。
 まず一点目の、今後のPR活動についてでございます。
 各種媒体による広報活動やキャンペーンレディーによる熊野比丘尼隊の全国キャラバンなどにより広報宣伝を行ってきたところでございますが、従来の博覧会とは異なり広域オープンエリア型の体験博でありますので、イベントの内容や開催時期、場所などをきめ細かくお知らせする必要があると考えております。
 テーマイベントの一つである十万人の熊野詣の中核イベントとして熊野御幸記の旅を予定いたしておりますが、こういった核となるべきイベント、またゴールデンウイーク、夏休み期間中のお楽しみイベントなどを具体的にお示しすることは、議員ご提案のとおり、体験博の内容をご理解いただく上で大変有効であると考えてございます。そのため、今後、体験博全体を紹介するために発行する公式ガイドブックにつきましても、南紀熊野体験博のイベントをわかりやすく、参加したくなるような誌面とするとともに、南紀熊野の魅力の紹介のほか、県内全域の観光ガイドや交通アクセスも掲載するなど、幅広く活用していただけるものを作成したいと考えてございます。
 また、イベントを時系列に紹介するイベントカレンダーも効果的な時期に配慮しながら数回に分けて発行する予定でございますが、今後、イベント内容、公共交通機関の案内など、より具体的に、詳細に広報してまいる所存でございます。
 続きまして、交通アクセス、特に交通渋滞の緩和策についてでございます。
 南紀熊野体験博に来訪あるいは参加される方々に、満足し、よい印象を持って帰っていただくためには、交通対策に万全を期すことが重要な課題であると認識してございます。そのため、現在、交通緩和対策について、企画部、土木部、県警本部等一体となって取り組んでいるところでございます。
 まず、那智勝浦シンボルパーク周辺の道路整備でございますが、国道四十二号の渋滞要因となっている天満トンネルは、大型車が対向できるよう現在のトンネルを開削する計画であり、工事は国道の迂回路設置工事とトンネル開削工事の二期に分けて実施し、体験博までには迂回路の供用が開始される予定でございます。また、臨海交差点では串本方面からの大型車が右折できるよう右折帯の整備を行うとともに、那智駅前交差点では信号機の改良を行うこととしております。
 次に、国道からシンボルパークへの誘導につきましても、和歌山方面からの乗用車等は勝浦交差点から、バス等については臨海交差点からの誘導に分散化を行い、混雑の緩和を図りたいと考えております。
 さらに、那智勝浦シンボルパークの駐車場につきましては会場駐車場二カ所と周辺駐車場を合わせて約六百五十台ございますが、さらに臨時駐車場を確保し、シャトルバスの運行も検討しており、混雑期の交通渋滞の緩和を図るとともに会場周辺に警備員を配置するなどして、周辺地域住民にできるだけご迷惑をかけないよう対応してまいる所存でございます。
 一方、公共交通機関の利用促進を図るため、JR紀伊勝浦駅から特急列車に接続したシャトルバスを運行するほか、那智駅にも一部特急列車が停車していただけるめどが立ちましたので、これら公共交通機関のアクセスを公式ガイドブック、交通関係パンフレット等各種媒体により積極的にPRし、交通渋滞の緩和に努めてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(井出益弘君) 土木部長長沢小太郎君。
  〔長沢小太郎君、登壇〕
○土木部長(長沢小太郎君) 木下議員のご質問にお答えいたします。
 まず一点目の、国道三百七十一号橋本バイパスの工事着手についてでございます。
 府県間道路である国道三百七十一号橋本バイパスにつきましては、京奈和自動車道橋本インターの関連道路でもある重要な道路でありまして、現在、用地買収を重点的に進めているところでございます。さらに、この十一月にはプロジェクトチームを編成しまして一層の事業の促進に努めているところでございますが、既に工事着手可能な部分を選定したところであり、現在、本年度内の着工に向けた準備を進めているところでございます。
 次に二点目の、県道山田御幸辻停車場線の未改良区間につきましては、事業中の国道三百七十一号橋本バイパスとの関連や周辺の土地利用の状況から、早急に整備する必要があると十分認識しているところでございます。そのため、以前より地籍訂正を行うべく関係地権者と土地境界の確定のための作業を実施してまいりましたが、土地の境界等についての同意、協力がまだ得られていない状況であります。今後はさらに関係地権者と調整するとともに、橋本市の協力を得ながら、この区間の整備に向け努力してまいります。
 以上でございます。
○副議長(井出益弘君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 2番木下善之君。
○木下善之君 それぞれご答弁をいただいたわけでございますが、一点だけ要望を申し上げておきたいと思います。
 ただいま土木部長からの答弁で、まず第一点の三七一号の橋本バイパスの着工は今年度中に実施するというありがたい答弁をいただいたわけでございます。これは感謝するわけでございますが。
 もう一つの県道、山田御幸辻停車場線は十年間という期間に四十メートルというわずかの区間がなぜできないのかということを本当に謙虚に受けとめてほしいなと思います。今でも片側通行という実態で、これは県の職員の皆さんも存じておると思うのでございますけれども、ここは何千人と通っているんですね。相当な通行量なんです。今では、社会問題になっているんです。大阪から転入している多くの方は、和歌山県というのは一体どうなっているのよと。私らもう、ナメクジに塩かけられたようなものですわ。どうなっているのよと。それをひとつ謙虚に受けとめていただきたいなと。
 私、来年度また演壇で質問できるかできないかはわかりませんけれども、登壇できる段階ではお礼を申し上げたいというぐらいに強く申し上げて、終わります。
○副議長(井出益弘君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で木下善之君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
      ─────────────────────
○副議長(井出益弘君) 本日は、これをもって散会いたします。
  午後一時四十七分散会

このページの先頭へ