平成10年9月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(中山 豊議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

○議長(下川俊樹君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 33番中山 豊君。
  〔中山 豊君、登壇〕(拍手)
○中山 豊君 台風七号が進路を紀伊水道にとって和歌山県北部を直撃するような、そういう状況下にあるようです。あらしを呼ぶような論戦はまず避けて、これが慈雨になるように念じながら、極めて身近で地域的な問題を取り上げるためにさりげなく穏やかな尋ね方をするやに聞こえるかもしれないけれども、当局の皆さんは心を込めてご答弁いただくよう切に求めて質問に入りたいと思います。
 まず、厚生病院の重油流出事故に関連してです。
 八月十九日正午前までに重油タンクにA重油を充てんした後、その夜半、地域の住民は十時ごろと申していますが、油臭いと、関心を示し合うという事態になります。その翌日八月二十日、早朝六時半と聞き及んでいるけれども、貴志川に油が流出しているのではと住民から海南警察署に通報され、それから当局にはしかるべき組織と機関が対応してくれた結果、野上厚生病院から流出していると判明されたとのことであります。
 野上厚生病院が発生源と特定されるまでの間、住民が油臭いと関心を示し出してから十五、六時間も経過しているところが問題だと指摘申し上げながら、幾つかの教訓とすべきところをはっきりさせるためにお尋ね申し上げます。
 まず一つに、県管理河川に油が流出したとの事故発生が認知されて以後の県の対応は素早く的確になされ、評価すべきだと思うけれども、何ゆえにこんなことになったのか。日常不断に災害防止の管理が行き届いていると思うけれども、どうなっていたのか。県からの設置者への指導とチェックはどうなのか。県下に幾つかこれに類するような施設があるのではないかと思うので、特に足元を固めながら着実に防災対策をとっていくことが常日ごろから大事ではないかという立場からお尋ね申し上げておきたいと思います。
 二つ目、聞くところによれば、防災に係る危機管理についての体制及び意識が設置者において極めて弱かったようにも聞き及んでいるが、今日までの指導と今後についての所見をお聞かせください。
 三つ目、貴志川から取水して簡易水道を設け、各家庭に給水しています。給水戸数は千二百九十戸で、十九日の夜半から二十八日まで十日間、給水車で各戸に給排水するという大変な苦労を強いる結果となりました。設置者は当然被害を受けられた方々に当たられるところでしょうけれども、その過程で県当局に相談があれば何らかの協議に応じられるよう要望しておきたいと思います。
 四つ目、事故にかかわるてんまつをやや詳細に申し上げれば、タンクの油圧系の装置の一部が破損した上、周りに万一に備えて設けている防油壁内部の会所にひび割れがあって、そこから地下に浸透し、老朽化している排水口に流れ込み、貴志川へと及んでいるようであります。年度ごとのチェックはそんなところにまで及んでいなかったのでしょうか。これが石油コンビナートで発生するようだと大変なことだと思ったりもしました。念には念を入れて災害発生のないように進められるようお願いを申し上げながら、決意を述べていただきたいと思います。
 二番目、紀勢本線海南駅付近連続立体交差事業完成に向けてのお話であります。
 十月十日に高架事業完成式を計画されているところですが、よくぞここまでやり上げてくれたかの実感を禁じ得ないものがあります。しかし、上り下りが高架上を電車が走るようになったからと言って事業がすべて終わったわけではありません。そこで、まさに完了させるために幾つかのお尋ねを申し上げたい。
 まず一つは、残事業の大方は、側道の整備を初め環境にまつわる事業ではないかと思われます。そこで、残る事業の全体計画を示されたいわけであります。
 以前にもお聞きした藤白地区内の側道及び四十二号へのつながり等、地域住民の要求に対して回答もされているようだけれども、ほぼ同意のとれるところにあるのでしょうか。なお折衝が必要とされるのでしょうか。
 二つ目、日方は山崎町の側道すなわち芦原踏切から海南踏切までの整備について、住民は計画変更を求められています。地元で説明会を持たれたようだが、さらに不満が増幅しているやに聞きます。どうなさるのか。海南市は住民の要求実現に向けて県当局に求めてこられかねないところにあるのではないでしょうか。
 計画は交通体系または地形的に困難との話もあるようだけれども、鉄道高架は鉄道踏切で遮断され、市民生活の上からも産業発展の上からも交通困難を解消させるというところから高架事業がそもそも始まったわけであり、それが使命であるはずであります。その完成からして、交通体系上、地形上無理と今さら申されるとしても納得できないわけであります。そのような条件をどう克服して絵をかくかというところで計画が策定されなくてはならないはずであります。決めた計画が受け入れられない事態に出くわして、あれこれと申しわけをし、言を左右にして計画を押しつけるというようなことは、断固許されないわけであります。計画変更のし直し、絵をかき直すしかないと思うのですが、お考えをお述べください。
 三点目、道路整備についてです。
 道路問題の解決は、用地問題が済めば大方はできたようなものだとよく聞かされております。例えば、まだバイパスの全体が解決して着工できる状態ではないけれども、それを促進するためのインパクトをつけるということの効果を期待してか、県道和歌山野上線野尻地区において一部を既に着工させ、県当局のやる気を示し、地区住民の共感を呼んでいるところもあって喜ばれているかと思えばそうではなく、全く逆な事態、すなわち国道四百二十四号冷水地区内で長年問題になっているところでありますが、用地交渉が済み、契約が済み、年度末までに着工と言われながらも手つかず、夏までにはとのことだったけれどもそれにもならず、今日に至っている。どんな理由があるのか詳細わからないけれども、こんな場合、いかなる理由があるにせよ、着工することにならないのか。遅延させればさせるほど関係周辺住民の協力が得られにくくなり、すべての工事に大きな支障となる。これは有田方面からも問題視されているところであることをつけ加えて申し上げながら、所見をお伺いしたいと思います。
 四つ目、生きものの生息環境を回復する事業について、すなわち自然共生型地域づくり事業についてであります。これについては、一九九七年より環境庁は補助事業として全国の自治体に呼びかけているところだが、県下のこれに対する取り組み状況と県のこれに対しての促進方についてどうなされているか、ただしたいわけであります。
 県下自治体の申し出により進達する程度に済ませているようにお見受けするけれども、県もこれについて積極的に援助をし、豊かな県内の環境保全に独自の取り組みを上乗せしてはどうでしょうか。
 この事業は、うまく取り入れたとしたら水田機能の保全に大きく貢献することにもなるし、子供たちの教育上にも効果を期待することができると確信しているところであります。日本の伝統文化の継承発展にも欠かすことのできない要素があると考えているわけであります。単に県が取り次ぎをするということにとどまらず、市町村の取り組み、促進方に努め、農林水産部等々と連携・連帯をして取り組まれることを強く求めて、所信をお伺いしたいと思います。
 次は、広域ごみ処理問題についてであります。ここで取り上げようとするのは、一般家庭用ごみの処理についてであります。
 ダイオキシン発生が大きくクローズアップされるようになって以来、厚生省はこれの取り組みに対し、一日百トン完全燃焼可能な焼却炉の設置を進める方向を打ち出し、これに基づいて県下でも動きを起こされてきているところであります。県も推進方かなり力を尽くしているように見受けられるけれども、例えば那賀、海草・海南の一市九町の広域にわたって市町での会合が持たれ、検討が加えられているようでもあります。これについても幾つかお尋ねいたします。
 まず、この取り組みの現状についてお聞きしながら、県はあくまでも厚生省サイドによる広域処理の方向をとられるのか。
 二番目、ダイオキシン対策で考えるなら、必ずしも一日百トンをみずから広域処理という方式によらずとも、県下幾つかの自治体で取り組まれているように小規模な自治体の独自性を尊重され、可能な対策をとれるべく支援・指導なされるとよいと思うけれども、またやみくもにそれぞれの自治体にある幾つか抱えている問題を顧みることのないやり方はどうかと思うのですが、いかがでしょう。県として、一振興局管内にとどまらず二振興局管内にまたがる場合、それらを総括的に進める機構や組織はどうなさるのでしょうか。基本的なところでお聞かせください。
 次に、ことしの桃の出来高についてであります。
 気象状況が大きく影響してか、ことしの桃はふできで、海南高津のみならず桃山から紀北全域に見られる傾向であるようにも聞いているけれども、いかがでしょうか。
 収穫が始まった時点で、これはおかしい、大変だとのことで、県の担当課に対して、まず実態を把握していただき、何ゆえかの原因を究明をされるよう依頼をいたしました。天候に左右されることは農業の常とはいえ、長期予報等勘案して対策をとるよう、技術開発もあろう、蓄積してきている心得から対処する心得もあろう。それらに依拠することなく、あれよこれよで突っ込んでしまった向きもなきにしもあらずといった感がなかったのでしょうか。
 果樹試験場に持ち帰ってどういうことなのかをきわめ、今後に備えるということだったけれども、その後の結果から見て、来年にどう対処しようと注意を喚起し指導なさろうとしているのでしょうか。
 あの二年前でしたか、せん孔病が爆発的に発生した年以来、桃研究会なる組織をつくり、何かにつけて対処方取り組まれています。これらの取り組みの成果等ともあわせて来年以降に備えてほしいわけですけれども、いかがでしょう。
 ことしのようなふできが続けて起こると和歌山の桃の基盤崩壊につながりかねないと思われます。さらに、災害と見て共済の適用はどうなのか。すべての気象災害に共済金支払いの対象とされるとのことですけれども、組合員は十分認識していない向きもあり、PRを含め対処されるようご要望申し上げておきます。
 最後に、出先機関充実強化を求めて、以下述べたいと思います。
 振興局設置に伴い、地元の課題は地元でとの知事の行政理念は、まさにそのとおり。海南・海草の地元へ工事事務所等出先を移されたことは正解であり、ここ半年とはいえ、短期間に上げた成果には多大なものがあると皆さんからの評価を得ています。それに加えて申し上げたい。基本的には総合庁舎を設置してすべての機関を移されることを求めつつ、当面、可及的速やかに工事事務所内に道路整備、管理、用地の担当を移され充実強化されるよう強く求め、英断を期待して終わります。これは要望といたします。
 以上です。ありがとうございました。
○議長(下川俊樹君) ただいまの中山豊君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 総務部長藤谷茂樹君。
  〔藤谷茂樹君、登壇〕
○総務部長(藤谷茂樹君) 中山議員にお答え申し上げます。
 野上厚生病院重油流出事故に関連してでございますが、まず災害防止における日常の管理についてでございます。
 消防本部では、毎年、順次定期検査を実施し、指導しているところでありますが、野上厚生総合病院では警報装置ブザーで覚知するまで油漏れに気づかず、また野上美里消防本部への通報がなされなかったため、関係機関の捜索により油流出元が発見されるまで時間を要したことにより対応がおくれたものと、消防本部より報告を受けております。
 なお、野上美里消防本部は、同病院の危険物施設である屋内タンク貯蔵所に使用停止命令及び施設の改善を命じるなど、適切な措置を行ったところでございます。
 次に、今日までの指導と今後についてでございます。
 各消防本部の指導と危険物施設管理者等の防災意識の向上により、最近では大きな危険物事故が発生していない状況でありますが、今回の事故は地域住民の生活を脅かすなど、社会的影響の大きさを考えますと、県といたしましては、これを深刻に受けとめ、県民の安全確保のため、あらゆる機会をとらえて危険物施設等の事故防止について指導してまいりたいと存じます。
 最後に、石油コンビナートで発生させては大変、念には念をということであります。
 石油コンビナート地域で一たび災害が発生した場合に周囲に及ぼす影響が極めて大きいことから、毎年、関係機関と連携して石油コンビナート等総合防災訓練を実施しているところです。今後も念には念を入れて、立入検査や自主的点検等を通じて災害が発生しないよう指導に努めてまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 土木部長長沢小太郎君。
  〔長沢小太郎君、登壇〕
○土木部長(長沢小太郎君) 中山議員のご質問にお答えします。
 まず、紀勢本線海南駅付近連続立体交差事業完成に向けての三点のご質問にまとめてお答えいたします。
 この連続立体交差事業は、来る十月十日に上下線の高架化が実現し、供用開始の運びとなりました。残事業の計画につきましては、側道の整備、旧駅舎の跡地を利用した駅前広場の整備、高架下の整備などであります。このうち側道につきましては、平成十一年完成を目途に整備を図る予定です。
 次に、藤白地区内の側道から国道四十二号への接続等につきましては、側道の利用形態等を考慮しながら検討してまいりたいと考えています。
 また、藤白地区の地蔵踏切から南側の側道及び芦原踏切から海南踏切を越え、JR日方トンネル付近までの側道計画につきましては、以前から地元説明会等により調整を行ってきております。今後とも、海南市とも十分協議しながら整備を進めてまいりたいと考えております。
 次に、道路整備についてのご質問でございます。
 議員ご案内のとおり、道路整備を推進していく上で最大の課題は用地取得にあります。しかしながら、地権者の権利意識の高揚もあり、用地取得は極めて困難な状況になってきております。このような中で、議員ご指摘の箇所につきましては、既に一部の地権者との契約も完了しており、物件移転待ちの状況でございます。海南市及び地元関係者の方々の協力を得ながら、早期解決に向け、法的措置も視野に入れ、引き続き努力するとともに速やかに本工事に着手してまいります。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 生活文化部長大井 光君。
  〔大井 光君、登壇〕
○生活文化部長(大井 光君) 中山議員ご質問の生きものの生息環境を回復する事業、いわゆる自然共生型地域づくり事業であります。
 この事業は、議員お話しのように平成九年度から創設された事業であります。これは、地域の環境の状況を踏まえて、野鳥やトンボなどの多様な生き物が生息する身近な環境を回復整理し、ネットワーク化する事業に対し、その費用の一部を国が補助を行うといった内容でございますが、これに類する事業といたしまして、県においても自然保護意識の普及啓発を図る目的で、平成三年度から平成五年度まで身近な生きものの里づくりとして、本宮町のみんなでつくるトンボの楽園づくりや貴志川町のホタルのとびかうまちづくり等に対して補助を行い、その活動の支援を行ったところでございます。
 自然共生型地域づくり事業に対し、現在のところ市町村からの要望はございませんが、その原因が市町村の財政負担上の理由によるものかなど実態調査を行い、その結果を踏まえて県としての対応を検討してまいりたいと考えてございます。
 続きまして、広域ごみ処理問題についてのご質問にお答えいたします。
 ごみ処理の広域化につきましては、議員お話しのように、昨年九月に厚生省から、最低でも一日百トン規模でないと国庫補助金が受けられないこと、またことし一月には各都道府県の広域化計画に位置づけがなければ交付税の上乗せの対象にならないことなどが示されました。市町村が独自に処理施設を設置することにより規模に満たない市町村が生じた場合には、国庫補助金も交付税の上乗せも受けられないことになります。またダイオキシン対策としても、広域化は施設の規模や維持管理の面からも望ましい方向であると考えてございます。こうしたことから、県におきましては、原則として市を含めた郡単位で広域化を進めるよう市町村と協議しているところであります。
 なお、二つの振興局にまたがる海南・海草郡及び那賀郡の場合ですが、一市九町から成る海南・海草・那賀広域ごみ処理施設建設協議会において広域処理の検討を進めておりまして、両振興局長と私がかかわっているところであります。
 以上であります。
○議長(下川俊樹君) 農林水産部長尾崎武久君。
  〔尾崎武久君、登壇〕
○農林水産部長(尾崎武久君) 中山議員にお答え申し上げます。
 ことしの桃の出来高についてのご質問でございますが、平成十年産につきましては、統計情報事務所の六月一日現在の調査によりますと、予想収穫量は前年産を一九%上回る一万三千八百トンとなっております。しかしながら、高温多雨や日照不足等の影響もあり小玉化の割合が多く、農協の取扱実績では前年産の五%増にとどまっていると聞いております。こうしたことから、作柄としては、小玉化は多いものの平年作に近いものと考えてございます。
 お話の海南市の件につきましては、農業改良普及センターが現地に出向いて農家との話し合いの場を持ち、せん孔病に対する薬剤の一斉防除や暴風対策等についての助言・指導を行ったところでございます。
 今後とも、試験研究機関を中心に普及組織や農業団体との連携を図りながら、高品質果実生産のためのマルチの被覆や優良品種の選抜、さらには病害虫対策の徹底等、技術指導の強化に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 また、省力化のための園地整備や生理障害等の課題に対応するため、昨年三月、生産者の方々を初め関係機関の多数の参加を得て、和歌山県桃研究協議会が設立されたところであります。県といたしましても、こうした動きを積極的に支援するとともに、桃農家の経営安定と産地の体質強化に一層努力してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 33番中山 豊君。
○中山 豊君 三、四点、ご要望申し上げておきます。
 最後にご答弁いただいた農林水産部長、桃の話ですけれども、収穫量は平年作並みだ、むしろ五%増だったかもわからんというような意味合いの、統計をもってのお話でした。農家の皆さんは、小玉が多かったために、収穫量がそんなにあったからといっても実収入は去年の二分の一以下だという認識に立たれているんですよ。そういうお話だけを聞いていると、うん、桃がたくさんとれたんだなと、こういうふうなことにしかならないので、これはお気をつけてくださる方がいいのじゃないか。農家の皆さんの真意にこたえるような、情感に訴えるような答弁にはなっていないのではないかと思われるのでお気をつけていただいて、農家の皆さんの心持ちをとらまえて農業生産に意欲を燃やしてもらえるような、励ましのあるようなお話をこれからご研究いただくようにお願い申し上げておきたいと思います。
 二つ目は、土木部長、側道の問題です。海南市と協議してというお話ですけれども、今までいろいろな問題で投げかけていって、海南市と協議をしてというご答弁をいただいて、さらにそれから具体的に進展したためしはないと僕は実感しているわけなんです。だからこの場合、協議してというのは、計画どおりさせてもらうよというふうな意味合いで協議なさるのではなくて、海南市が地元の皆さんの意向を受けて県へ上げてこられたとき、ご相談に上がったとき、それをどうするかというときに、計画どおりにいくんだという立場での協議なのか、あるいはまた、やはりそうだなということで地元の要求が満たされるような立場で協議を進められるのか。今の答弁だとしたら、そこまで踏み込んで考えてみると不明確なんです。だから、再度そこのところでどうよと尋ねたいところだけれども、それは仁義にもとるのでもう尋ねないで、協議してと言うんだから、協議の内容は地域住民の要求にこたえて方向を出すという、こういう立場での協議をお進めいただくようお願いを申し上げておきたいと思います。
 次に生活文化部長、交付税の上乗せ措置も受けられないと言われたから、ああそうか、地方自治体、市町はお金がないので上乗せ措置というふうなことになれば結構だなと、すっと乗っかっていきそうな感じにもなりかねないんだけれども、これはまだ上乗せ措置がどういうものなのか、そしてまたそれらがそれぞれの市町にかかわっていったらどういうことになるのかという点がつまびらかでないので、そのあたりは今後いろいろ研究もし、検討もされ協議もされていくと思うのですけれども、またその過程でお願いをするということだけにとどめておきたいと思います。
 さらに生活文化部長、自然共生型地域づくりの話ですけれども、これはどうなんでしょう、本宮とかそのあたりで三年から五年の間に県が独自でお試しになったという──その事業はこういうふうな形でもう五年で打ち切っていますね。その事業はどういう事業だったのか。どういう成果をおさめたのか。そして、地域から見てそのような事業がどういう結果を生み出しているのか。あるいはまた、環境庁がお進めになっているこのたびの事業に参加しよう、取り入れようという市町村が一件もなかったみたいですけれども、それはやっぱりそのPRにもあるのかもわかりません。そして、補助が三分の一だということだから、三分の二は自前でやらなくちゃならんという財政負担も影響しているのかもわからない。そういうふうなことをこもごもに総括し点検をして、ならば県も何ぞこういうふうな事業のために手をかそうではないかというあたりをちょっとご研究くださるように、まずお願いしておきたいと思います。
 そして、最後に厚生病院の問題ですけれども、やっぱり初期の対応が極めて幼稚なんですね。これはそのまま置いておいたら、その状態がずうっと引き続いていかざるを得ないような状況ではないでしょうか。たまたま厚生病院でそうなったというだけの話であって、それに類するような施設というのが県下に幾つかあるのではないか。そういうことにもかかわってこようかと思うので、そのようなことにならないように一つの教訓をそこから導き出して、あそこにこういうふうなことがあったから皆さんに大変迷惑をかけたよということで総括していただいて、そして初期の対応と事故が大きく広まらないような取り組みを特にお気をつけていただくようお願い申し上げておきたいと思います。
 以上です。
○議長(下川俊樹君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で中山豊君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 次会は九月二十四日再開し、質疑及び一般質問を続行いたします。
      ─────────────────────
○議長(下川俊樹君) 本日は、これをもって散会いたします。
  午後二時三十二分散会

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