平成10年6月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(全文)


県議会の活動

議 事 日 程   第三号   平成十年六月十六日(火曜日)
                午前十時開議
  第一 議案第八十二号から議案第百四号まで、及び報一号から報第三号まで(質疑)
  第二 一般質問
会議に付した事件
   一 議案第八十二号から議案第百四号まで、及び報一号から報第三号まで(質疑)
   二 一般質問
出 席 議 員(四十七人)
     1  番    大    沢    広太郎
     2  番    木    下    善    之
     3  番    小    川         武
     4  番    吉    井    和    視
     5  番    下    川    俊    樹
     6  番    井    出    益    弘
     7  番    藁    科    義    清
     8  番    門         三佐博
     9  番    永    井    佑    治
     10  番    新    島         雄
     11  番    向    井    嘉久藏
     12  番    佐    田    頴    一
     13  番    和    田    正    一
     14  番    阪    部    菊    雄
     15  番    西    本    長    弘
     16  番    馬    頭    哲    弥
     17  番    谷         洋    一
     18  番    山    下    直    也
     19  番    高    瀬    勝    助
     20  番    松    本    泰    造
     21  番    堀    本    隆    男
     22  番    宇治田    栄    蔵
     23  番    宗         正    彦
     24  番    橋    本         進
     25  番    神    出    政    巳
     26  番    玉    置    公    良
     27  番    上    野    哲    弘
     28  番    東    山    昭    久
     29  番    尾    崎    要    二
     30  番    野見山         海
     31  番    木    下    秀    男
     32  番    町    田         亘
     33  番    中    山         豊
     34  番    井    谷         勲
     35  番    鶴    田    至    弘
     36  番    森         正    樹
     37  番    村    岡    キミ子
     38  番    新    田    和    弘
     39  番    平    越    孝    哉
     40  番    森    本    明    雄
     41  番    長    坂    隆    司
     42  番    冨    安    民    浩
     43  番    飯    田    敬    文
     44  番    中    村    裕    一
     45  番    松    本    貞    次
     46  番    大    江    康    弘
     47  番    和    田    正    人
欠 席 議 員(なし)
説明のため出席した者
     知 事     西    口         勇
     副知事     山    下         茂
     出納長     高    瀬    芳    彦
     知事公室長   中    山    次    郎
     総務部長    藤    谷    茂    樹
     企画部長    中    村    協    二
     生活文化部長  大    井         光
     福祉保健部長  小    西         悟
     商工労働部長  上    山    義    彦
     農林水産部長  尾    崎    武    久
     土木部長    長    沢    小太郎
     企業局長    西    浦    昭    人
     教育委員会委員長
             山    本         昭
     教育長     小    関    洋    治
     公安委員会委員 中    尾    公    彦
     警察本部長   米    田         壯
     人事委員会委員長
             若    林    弘    澄
     代表監査委員  宮    市    武    彦
     選挙管理委員会委員長職務代理者
             中    村    利    男
     以下、各部局次長・事務局長・財政課長
職務のため出席した事務局職員
     事務局長    新    谷    哲    朗
     次  長    前         晴    夫
     議事課長    佐    竹    欣    司
     議事課副課長  北垣内         敬
     議事班長    松    谷    秋    男
     議事課主査   川    崎    良    雄
     議事課主事   安    井    伸    彰
     総務課長    西    野    光    彦
     調査課長    湯    川         忠
 (速記担当者)
     議事課主任   吉    川    欽    二
     議事課主査   鎌    田         繁
     議事課主査   中    尾    祐    一
     議事課速記技師 保    田    良    春
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  午前十時三分開議
○議長(木下秀男君) これより本日の会議を開きます。
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  【日程第一 議案第八十二号から議案第百四号まで、及び報第一号から報第三号まで】
  【日程第二 一般質問】
○議長(木下秀男君) 日程第一、議案第八十二号から議案第百四号まで、及び地方自治法第百七十九条の規定による知事専決処分報告報第一号から報第三号までを一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 11番向井嘉久藏君。
  〔向井嘉久藏君、登壇〕(拍手)
○向井嘉久藏君 おはようございます。
 議長のお許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。
 いつも産廃の質問をしておりまして、こういう質問ばかりしておりますと私も余りうれしいことはないわけで、喜んでやっておるわけではございません。また県の方々も、また向井、産廃かと、こういうことにもなろうかと思うんですが、しかし、一日も早くこの産廃の質問をせんでもいいようになってほしいなと、心から思っておるわけでございます。
 そういうときに、ふと新聞に目をやりますと、紙面に活字が躍っておりました。「ゆたかさ指数二十三位に躍進 近畿トップ」、こういうことでございます。
 住むなら富山、遊ぶのは長野、育てるなら北海道。経済企画庁は五月三日、暮らしにかかわる活動分野を「住む」「育てる」等八分野に分類し、都道府県別に百二十四項目を数値化した平成十年版「新国民生活指標」(ゆたかさ指標)を発表いたしました。
 総合順位では、福井県が五年連続一位、最下位は六年連続で埼玉県でありました。この日、たまたまテレビを見ておりますと、埼玉県の知事がえらい怒っていました。「何でおれとこが六年も連続して最下位や」──まあ、頑張っておられる知事さんの心情はよくわかるわけでございまして、やってもやっても最下位。この知事さんの言うのには、「おれとこは人口がどんどんふえておる。悪い県に人がふえるはずがない」、こういう論法でありました。しかし、やっぱり頑張っておる和歌山県が二十三位に出てきた。これは、私にとって非常にうれしい。何かこう、勇気づけられる、自信が持てる、こういう数字でありました。
 それで、きょうは冒頭にこのうれしい数字──担当者に聞きますと、いろいろあるようでございます。しかし、それはそれといたしまして、二十三位になったということのうれしさをかみしめながら質問をさせていただきたいのでございます。
 和歌山県は二十三位で、前年度の三十一位から大きく躍進しての近畿でトップでございました。「癒す」、十六位、前年度に比べまして二ランクアップ。「遊ぶ」、四十位、八ランクダウン。「学ぶ」、二十五位、六ランクアップ。「交わる」、十八位、一ランクダウン。「住む」、三十一位、一ランクアップ。「費やす」、三十一位、六ランクアップ。「働く」、二十一位、四ランクアップ。「育てる」、九位、四ランクアップ。余暇に対する支出などを指数化した「遊ぶ」で四十位に低迷している一方、育児費などから算出した指標「育てる」は九位となり、子育てや医療などの分野で高い評価を得ております。このゆたかさ指標を単に数値の遊びととらまえるだけではなく、それぞれの分野で県民が努力した総合点と、素直に喜びたいのであります。
 数値を見ていると、現在の和歌山県の姿が見えてきます。と同時に、これから進む道も見えてきます。例えば、四十位の「遊ぶ」は、下位だからといって悲観することはありません。カラオケや映画館等の数でございます。たとえ多いからといって、自慢になるようなものでもございません。反対に、まじめで働き者で締まり屋の県民性かもしれません。ちなみに、貯蓄率は非常に高うございます。医療関係では、「癒す」が改善されました。例えば、がん等の成人病による死亡率は下位にあります。個々の項目についてチェックし努力すれば──何が県益か、県民の利益になるのか、これを検討し、実行していかなければならないと思います。
 ここで、私は知事にお尋ねするわけですが、このゆたかさ指標から将来本県が目指すところは何か、これをお伺いしたいと思うのであります。
 次に、産業廃棄物についてお尋ねいたします。
 周辺住民に四十人以上の入通院患者を生んだ橋本市野地区の産業廃棄物処理問題を背景に、業者と県職員による汚職事件が発生し、二人が逮捕されるという意外な展開となりました。逮捕理由は、県職員は株式会社日本工業所が橋本市野地区内で行う産業廃棄物処分が法律に基づく処分業の許可を受けないまま業として行っていたことを黙認したこと、一つには、産業廃棄物収集・運搬・処分業の許可申請に対し有利便宜な取り計らいを受けたいことに対する謝礼として業者から二回にわたり数十万円の供与を受け、わいろを受けた、また、業者は同趣旨のもとに同額を供与した、こういう逮捕理由であります。
 さらに、再逮捕されました。再逮捕理由は、業者と県職員は保健所上司に、今後、現場指導に関して有利な取り扱いを受けたい趣旨のもとに旅行クーポン券等──数十万円相当でありますが──の供与の申し込みをした容疑であります。上司に「よろしく頼む」と言うてクーポン券等を渡す申し入れをした、太鼓持ちをした、何をか言わんやであります。この意外な展開にも、地元住民の反応は「意外」ではなく「やっぱり」でありました。
 これを受けて、地元住民は県警に告発いたしました。告発人、五百五十九名、この人数はこの種の告発としては前代未聞の数でございまして、これもわずか二日間で集まった人数であります。
 被告発人、達川龍雄こと徐泰龍、被告発人、谷口泰崇、被告発人、株式会社日本工業所代表取締役徐泰龍、被告発人、住所氏名不詳の和歌山県職員数名。告発状の内容は、一つには運搬業、処分業の無許可営業、二つには廃棄物最終処分場の無許可設置、三つには不法投棄であります。
 これまで、私どもは当局との見解の相違、法解釈の違いと考えておりました。これまで県当局が地元住民や私どもに回答してきたことが、根底から覆ってしまったのではないでしょうか。
 ここで、告発事情の一部を紹介させていただきたいと思います。これは、県警に告発した告発状の一部であります。
 「日本工業所は、平成八年三月七日に和歌山県知事より、産業廃棄物処理施設(焼却施設)としての設置許可を受け、さらに同年四月三日付けで産業廃棄物運搬収集および処分についての許可を受けている。 しかしながら、第一に、日本工業所は平成六年四月ころから、残土処理と称して、本件土地に建設廃材を中心とする産業廃棄物を投棄しはじめ、あるいは野焼きを行い、業として第三者から処分の委託を受けて産業廃棄物の運搬業・処分業を無許可で行っていた。 その後、前述の許可を受けたものの、許可を受けたのは、あくまで汚泥、廃油等七種類の産業廃棄物の焼却による中間処理の許可であり、最終処分場としての埋立処分に基づく投棄の許可は一切受けていない。にもかかわらず、本件土地において、日本工業所は安定五品目といわれる廃棄物はもちろん、阪神大震災に伴う震災廃棄物、自らの焼却施設から発生するばいじん(管理型処分場に処分されるべき産業廃棄物)も本件土地に埋立投棄していた。目撃者によれば汚泥等も焼却されないまま廃棄されている可能性が高い」云々とあります。
 許可申請前の事前審査の省略、申請時に必要な建築確認、都市計画用地使用に係る申請手続等を省略または故意に無視した、また、住民の指摘にかかわらず公然と違法を見逃していたのは個人だけではできないといううわさもあります。今回の事件は、まことに残念でなりません。緑豊かな環境を破壊し、住民の健康を金で売り渡した行為は断じて許されません。
 具体的な質問に入る前に、知事にお尋ねいたします。
 知事は、六月八日、開会当日、今回の事件について陳謝をされました。その中で、業者についても厳しく対処するとの発言がありましたが、この真意はどういうことなのですか。許可の取り消しを意味するものでしょうか。また、今後どのように解決を図っていくおつもりなのかをあわせて伺いたいと存じます。
 生活文化部長に質問いたします。原点に戻ってお伺いいたしたいと思います。
 一つ、一般的に、産業廃棄物中間処理場を業として営むのにはどのような手続が必要なのか、お伺いいたします。また、日本工業所の場合はどうであったのか、許可事務に沿った事務をしたのか、これをお伺いしたいと存じます。
 二つには、県当局は大筋で日本工業所に違法はないとしておりますが、今でもその見解に立っておられるのか。また、公然と不法投棄を不作為、作為的──これは逮捕理由の一つでありますが──に見過ごし、現実は最終処分場としてしまった。これを今後どのようにするつもりなのか、お伺いいたします。
 三つには、搬出したとする二万立方メートルの野積み産廃のマニフェストを明らかにしていただきたいのであります。
 「産廃二万立方メートル行方不明」、これは六月二日の読売新聞の、相手先の業者に対するインタビュー記事でありますが、日本工業所が処分を依頼した搬出先の業者には処理能力がない上、同業者はダンプカー三台しか搬入しなかったと証言しております。この記事に対して担当の課長は、日本工業所に確認したところ、間違いなく搬入しているとの説明で、マニフェストも提出され、間違いないものと信じておりましたが調査する──ここでも、まだ県の指導に従う紳士的な業者という認識であります。マニフェストは、県担当者だけが見るためのものではございません。公開をお願いします。
 また、新聞記者からのインタビューに対してコメントをされた、マニフェストも提出されて間違いないと信じていたが調査する、この調査は終わっておりますか。終わっておりましたら、ご報告をお願いしたいと思います。また、まだでしたら、調査の意思ありやなしや、確認をいたしたいと思います。
 四つには、野積み産廃はまだ残っております。県がトラック道路という名目で、目測では長さ約二百メートル、幅十メートル、高さ五メートルにわたり放置されておりますが、この認識についてお伺いしたいのであります。
 産廃の上からかけていた土が雨に洗われ、薄化粧がはげ、一部産廃が顔を出しております。県が野積み産廃は全部搬出を終わりましたというふうに宣言した後、すぐ土がかけられてきれいに薄化粧がされました。しかし、その後、たび重なる雨でその土が洗われ、今、至るところで産廃が露出しております。こういう問題についてお伺いしたいのであります。
 五番目、ダイオキシン調査についてお伺いいたします。最近、ダイオキシン、ダイオキシンとマスコミが新聞、またテレビで報道いたします。そんなことで、ダイオキシンも非常に迷惑しておるんやないかなと。
 こういうふうな記事があります。「ダイオキシンに効く薬」ということで通信販売しておった人が逮捕されている。また片方では、ダイオキシンの検査をする業者が不法な談合をした。結局、談合ということは検査価格のつり上げにほかなりませんが、これでまた公正取引委員会から勧告を受けた。こういう不祥事が、ダイオキシンに連なって非常に続出してきております。
 三月十三日でございましたが、二月議会での私の一般質問に対して県当局は、土壌調査暫定マニュアルはできたけれども、評価基準が示されていないのでその評価はいたしかねる、国から示された段階で調査する、こういうふうに回答していただいております。また、専門家の意見を聞けということに対しては、環境庁、厚生省の指導を仰ぎながら対応するとのことでございましたが、指導は仰いだのか、指導内容はどうであったのか、これについてお伺いいたします。三月十三日のことでございます。既に三カ月が経過しておりますが、いかがでしょうか。
 その後、ダイオキシンの新しい展開として、大阪府能勢町において焼却場周辺の土壌から異常な数値のダイオキシンが検出され、大阪府が環境庁並びに厚生省と協議の上、汚染された土壌の搬出を決定いたしました。また、茨城県新利根村では、処理場近くの住民の血液の中から基準値を大きく超えるダイオキシンが検出されました。県が埋め立てを認めてきたトロンメル下の土壌からは、ダイオキシン濃度二百六十ピコグラムを検出し、焼却灰からは三万ピコにも及ぶダイオキシンが検出されております。この高濃度ダイオキシンが日本工業所内にばらまかれたと思われる。この調査はいかがされますか。この調査をされたい。住民の不安は募るばかりであります。県当局のダイオキシンに対する認識が希薄ではないのか、私はそのように思います。もっと危機感を持っていただきたい。
 六つには、次回の住民との同時水質検査についてであります。
 きのうの同僚議員からの質問でも、次回も水質検査はいたします、こういう答弁があったように認識しておりますが、地元住民との合意に基づき県は、同一時刻、同一場所での水質検査のため三月二日、浸出水の採取が実施され、後日の発表では、この採取した水について双方の検査結果に相当の開きがありました。マスコミのインタビューに対して県当局は、我が方は四社に検査を委託した、地元住民は一社である、したがって我が方の数字は正しいんや、こういうコメントを発表されていたように記憶しております。地元の検査が誤りであるようなコメントにも、私にはとれました。これについてどのようにお考えになっておるのか。四社だったら正当なのか。一社だったら間違いなのか。僕はそういうもんでもないと、このように思っております。
 そこで、お願いやらでございますが、今後も同一場所、同一時刻の定期検査はされるつもりですか。これについてお答えいただきたいと思うのであります。
 公務員のモラルについて申し上げたいと思います。
 逮捕・起訴された者の処分については当然でありますが、漏れ聞きますに、業者から旅行、飲食等の接待を受けた者がほかにもいるといううわさであります。たとえ逮捕を免れたとしても、公務員としてのモラルから判断すれば、これを決して許すことはできないのであります。
 最後に、撤去をさせる会が六月六日、住民に対して報告会をいたしました。四百名もの出席がございました。その折に、顧問弁護士の話がありました。その顧問弁護士の話を少しご披露させていただきますが、「今まで焼却されておった炉から焼却の火が消えた。また、野積みされておった産廃が搬出された。こういうことは、今までは裁判で勝訴しない限り起こらないんだ。しかし、住民の運動がこれをさせ、県が決断した。これは、全国的にも例のないことである」と、弁護士が一定の成果として報告しておりました。私は住民の皆さん方に、十里の道も九里をもって道半ばとすべし、こういう言葉を送りたい、エールを送りたい、こういうふうに思います。
 六月六日の住民報告会で四百名の出席を得た中で、アピールが発表されました。そのアピールの中で四項目がありました。許可の取り消し、情報の完全公開、ボーリング調査の実施、完全撤去であります。きのう、同僚議員から同じように質問がありまして、四項目が重複しておりましたので、通告の趣旨は変えておりませんが、印象として少し変わったかもわかりません。私は一応、これで質問を終わらせていただきますが、終わりに、新聞を見ますと、橋本市は議員協議会を開き、今回の業者との癒着に関していろいろご意見を言われております。県と業者が責任をとれ、市の対応は不明確である、また、県に裏切られた、だから県と業者が責任をとってもらいたい、こういうコメントが新聞に載っております。
 しかし、橋本市で起こっている事件であります。私は、県と橋本市は住民のこの苦しさをご理解いただき、協力し合って一日も早い解決をしていただくことこそが本来の行政の責任ではないか、このように思っております。
 以上で、一般質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(木下秀男君) ただいまの向井嘉久藏君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
  〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 向井議員にお答えをいたします。
 まず、新国民生活指標いわゆる「ゆたかさ指標」についてのご質問であります。
 このたび経済企画庁が発表いたしました国民生活指標いわゆる「ゆたかさ指標」では、議員ご指摘のように、本県の全国順位が三十一位から二十三位に、近畿府県では四位から一位に上がりまして、マスコミ等で取り上げられたところでございます。これは、新しく追加されました老人ホームヘルプサービス利用状況が全国二位に位置づけられたことを初めとして、主に福祉関係指標が全国上位にランクされたためでございまして、本県が取り組んでまいりました福祉施策が認められたものと受けとめております。
 そもそも、国民生活の豊かさという多様なものを指標化することは大変難しいわけでございまして、同一の物差しで地域を比較することは限界があると思っております。また、データ面から見ますと、本県の誇る自然、歴史、文化遺産等がほとんど考慮されておりません。国民の生活実態を適切にあらわしているかどうかにつきましては、先ほどの埼玉県知事の議論もありますように、さまざまな議論があるところでございます。
 しかしながら、一定の条件のもとでの指標ではございますけれども、全国比較の観点から参考となることもまた事実でございます。当指標のみならず、全国比較におきましては、本県が立ちおくれている分野もございます。そうしたところに重点を置いた行政を進めることは大変重要なことだと考えております。また、豊かさに対する県民ニーズも多様化してございますので、絶えず県民の皆さんが何を求めているかを的確に把握いたしまして、県民一人一人が真に豊かさを実感できる県づくりを進めてまいりたいと考えております。
 次に、産業廃棄物に関連してのご質問でございます。
 業者に対する対応についてでございますが、冒頭の説明でも申し上げたところでありますし、さらに昨日も木下議員にお答えしたところでございます。株式会社日本工業所に対しましては、公判の推移を踏まえまして、強い決意で臨む所存でございます。また、今後の対応につきましては、ダイオキシン調査あるいは水質検査による環境監視を行いながら、橋本市と十分協議をして進めてまいりたいと考えております。
 他の問題につきましては、担当部長から答弁をいたします。
○議長(木下秀男君) 生活文化部長大井 光君。
  〔大井 光君、登壇〕
○生活文化部長(大井 光君) 向井嘉久藏議員から質問ございました点について、産業廃棄物につきまして回答させていただきます。
 まず、産業廃棄物処理業の許可の手続についての質問でございます。
 一般的には、まず施設を設置する土地が森林法、農地法等の規制に適合しているかどうかを調査し、その後、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づく施設の設置許可、処理業の許可という手続となります。株式会社日本工業所の場合についてでございますが、自家処理施設としての焼却炉が既に設置され、使用されていたものでございます。
 また、許可事務が適正であったかどうかのご質問についてでございますが、許可に当たりましては、法に定められた審査を行い、条件を満たしていたため許可したものでございます。
 次に、日本工業所に違法行為はなかったかというご質問でございますが、今回の事件の逮捕・起訴の理由にかかわる問題でございますので現時点でお答えできませんが、今後の公判の推移等を注意深く見守ってまいりたいと考えてございます。
 続きまして、野積み産廃のマニフェストについてでございます。
 株式会社日本工業所が橋本市から搬出した産業廃棄物は、約二万一千立方メートルでございます。そのうち約一万九千立方メートルにつきましては、許可処分業者の処分場で処分されております。残りの約二千立方メートルにつきましては、堺市の自社用地に残されていることが判明いたしましたので、早急に適正処分するよう強く指示いたしました。なお、約一万九千立方メートルの廃棄物の処分先につきましては、マニフェスト及び運搬証明により確認いたしてございます。
 続きまして、野積み産廃がいまだ残されているが、その認識についてというご質問であります。許可後に搬入された廃棄物につきましては、現場から撤去されたものと認識いたしてございます。
 続いて、ダイオキシン調査についてでございますが、現在のところ国から評価基準が示されていないため実施いたしておりませんでしたが、国の取り組みの進展などもございますので、実施いたしてまいります。
 最後に水質検査についてでございますが、日本工業所下流の水質検査につきましては、民間の分析機関四業者に委託して行ったものでございます。その四業者の分析結果が同様のものでありましたので、その結果を信用いたしております。なお、今後とも地元とも連絡をとりながら、水質検査を引き続き実施していく考えでございます。
 以上でございます。
○議長(木下秀男君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 11番向井嘉久藏君。
○向井嘉久藏君 少し、確認の意味で再質問させていただきます。
 マニフェストについてでありますが、地元の住民の方々が毎日監視小屋で監視をして、搬出するたびに、ダンプカーのナンバー、出入りの台数、これらをチェックしておりました。そうすると、空の状態で出ていくダンプがほとんどだと。積載していないんです、ほとんど。そのダンプが千数百台になったわけでございます。
 そうすると、地元の方々は不審に思ったわけでございます。なぜこういう動きをするのか。県から一億五千万もの出費をさせておきながら、わざわざ労力の要るようなやり方をなぜするのか。これを不思議がりました。県にも申し入れました。おかしいではありませんかと。一億五千万もらったら、ちょっとでもたくさん積んで、一台でも少なく外へ持ち出すことが業者としては利益につながるわけであります。そういう意味からいえば、空同様のダンプが出ていくことに不審を覚えておったのであります。
 また、この積み出し先、搬出先の処分業者はどこかと言いますと、もともと、日本工業所が受け入れたところのもとの業者であります。だから、産廃は処分されずに行ったり来たりしてお金を生んでおる、こういうことです。そして、一部は堺市平井町の日本工業所の所有地に野積みをされておる。これは、民家から十メートルくらいしか離れておらない。相当な地元での苦情につながっておる。現在も積まれておるわけです。
 堺から来たものが、和歌山県がお金を出して、処理しないでまた堺へ戻っている。だから、二万立米行方不明というような新聞記事になったわけであります。そして、堺市は今慌てているわけです。地元の突き上げがきついです。もともと、地元に迷惑をかけて、地元の突き上げで堺市が早急に処理しなさいと言って、業者は早急に処理しますと持ってきたのが橋本です。その産廃がまたもとへ戻っておる。そうすると、どうなるか。地元で相当強硬な意見があるようでございます。そうすると、また橋本へ戻ってきやせんか。地元の住民は不安でたまらんわけです。これが一つ。
 もう一つは、和歌山県がわざわざお金を出して県外へ持ち出せと言うた産廃の一部が、何と和歌山県へまた戻ってきておる。一部が粉河へ行っておる。何のために和歌山県が貴重なお金を出して──和歌山県へ戻してもらうために。証拠がないと言われるかもわかりませんが、これは住民がダンプカーの後を追って、カメラにおさめ、ビデオにおさめてあります。こういう事実があるわけです。ですから、マニフェストの公開をしてください、チェックさせてください、こういうふうにお願いしておるわけです。相当数の空のダンプが出て行った。中に埋められておるんと違うかな、こういうふうに疑問を持つのはだれとて同じことでございます。そういう意味で、マニフェストの公開をお願いしたい。
 もう一つは、ダイオキシンの問題であります。
 今、部長から、ダイオキシンについては調査いたしますという回答をいただきました。和歌山県のダイオキシンに対する考え方が百八十度変わった、大変大きく踏み出した。私は、こういう意味で評価させていただきたいと思いますが、異常な数値が仮に出たとしたら──出ないことを祈っておりますが、摂南大学の宮田先生が調査したそのときには出ております。ですから、私はダイオキシンの調査をされるときは、地元住民と一緒にどういうふうにやっていくかということを、水質検査と同様に事前によく打ち合わせて実施していただきたい。また、異常な数値が出たときにはボーリング調査等々を必ずやっていただきたいというふうにお願い申し上げます。
 また、水質検査につきましては、同一場所で同時刻に地元住民と一緒にやりましょうというお答えをいただきましたので、また一つ大きく前進したと思いますが、県は水質検査のときに、やっぱり複数の検査機関でやる予定なのですか、これをお伺いしまして再質問といたします。
○議長(木下秀男君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 生活文化部長大井 光君。
  〔大井 光君、登壇〕
○生活文化部長(大井 光君) 三点、再質問でいただいたわけであります。
 まず、マニフェストの公表の件でございます。
 この件につきましては、ことしの当初議会におきましても、具体的な搬出先を明らかにすることは差し控えさせていただきます、したがいまして、マニフェストも搬出先を明らかにすることになりますので、マニフェストの公表はいたしかねますということを、ここで説明させていただいております。諸事情がございますので、公表を差し控えさせていただきたいと思います。
 第二点目のダイオキシン調査の件でありますけれども、ただいま、仮定のことでは申し上げかねますけれども、もちろん調査につきましては、国から示されておりますサンプリング、また分析方法によりまして、国の指導をいただきながら調査してまいりたいと考えております。
 それから、水質検査であります。
 先ほど、地元関係者と協議の上行うとご回答いたしましたけれども、その検査方法につきましては、この間の第一回目の場合は四社でやりましたが、信頼を得るために複数、二社以上になろうかと思っております。
 以上であります。
○議長(木下秀男君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(木下秀男君) 以上で、向井嘉久藏君の質問が終了いたしました。
○議長(木下秀男君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 10番新島 雄君。
  〔新島 雄君、登壇〕(拍手)
○新島 雄君 私たちのチームのエースの質問が終わりました。怒りをかみ殺した、厳しい質問であったように思います。これを野球で言いますと、ピッチャーが怒っているのに、同じように女房役まで怒ってしまいますとゲームになりません。穏便にゲームをつくっていかねばならないのですが、私は、大変お世話になった先輩に「政治は怒りだ。怒りを持って行政に参画しろ」、そんなことを教えていただいたのを今もう一度思い出しているような次第であります。
 向井先生の質問が終わりますと、傍聴席ががらんとしてしまいました。それにもめげず、お許しをいただきましたので、元気よく質問を始めさせていただきます。
 「私が変わる。世界が変わる。地球の恵みを守るため 京都議定書と私たちの挑戦」と題して、昨年十二月の地球温暖化防止京都会議での採択を受け、五月に環境庁より内容と意味を解説したパンフレットが出されました。──これでございます。
 この中の小さな文字があるのですが、「地球の温暖化は、オゾン層の破壊、酸性雨、砂漠化などの地球規模の環境問題の中でも、最も深刻な問題です。それは、温暖化の問題には、一、石油や石炭の利用など人類の経済活動そのものが原因であること 二、温暖化がもたらす食糧生産の減少や海面上昇による土地の浸食、洪水や干ばつなどは、私たちの生活に重大な影響を与えること 三、影響は私たちの子孫の代になるとますます大きくなること などの特徴があるからです。地球の気温は人類がこれまでに経験したことがない速度で急上昇しています。」、そんなことが書かれております。
 六月は環境月間であります。産業型公害や都市生活型公害、さらには地球規模での環境問題を解決していくには、県民、行政、事業者など、それぞれの立場で積極的に環境保全に取り組んでいかねばなりません。
 そこで、事業所における取り組みの一つとして、私はかねてよりISO一四〇〇〇、すなわち環境管理及び監査にかかわる国際標準規格について関心を持っておりました。平成十年三月現在で全国で八百を超える認証取得がなされており、企業だけでなく、自治体としても千葉県の白井町、新潟県の上越市などが取得し、大阪府などでも取得に向けて準備を進めていると聞いております。県レベルでは、滋賀県の工業技術総合センターだけが取得しているということであり、ISO一四〇〇〇と、もう一つISO九〇〇〇シリーズというのがありますが、これにおいては三月末現在において県内で二十二社が取得していると聞いております。
 私は、このISO一四〇〇〇シリーズが県内でもどんどん普及していくことを願い、また和歌山県が環境に優しい県であるというアピールをする意味でも、次の質問をしたいと思います。
 まず、県内におけるISO一四〇〇〇の認証取得状況をお教えいただきたい。そして、自治体の取得という観点から、県みずから取り組んでいくお考えや姿勢があるのかどうかお教えをいただきたい、そのように思います。
 次に、公共性の高い交通機関の利便性という観点より質問をいたします。
 南海貴志川線、これは今、JRの和歌山駅というところでとまってしまいます。これを何とかして南海の和歌山市駅まで乗り入れることができないだろうかということであります。
 何年か前にも先輩議員が質問をなさっておりますが、私は、和歌山市の河西地区というところに住んでおります。仮に、今、私は運転免許が何らかの理由で停止になったといたします。そうなると、免許センターへ講習を受けに行かなくてはなりません。では、公共の交通機関を利用して免許センターへどうして行くかということを考えてみますと、まず南海加太線を利用して市駅へ出ます。ここから、和歌山バスに乗ってJRの和歌山駅へ行きます。そこでまた、南海の貴志川線に乗りかえます。そして、今度新しくできるであろう交通センター駅まで行くという経路を使うと思います。
 もう一つの方法は、この南海市駅とJR和歌山駅との間を走っている和歌山線というんですか、JRが一時間に一本程度走っておりますが、それを利用するという方法です。どうしても二度の乗りかえをしなくてはなりません。なぜゆえに同じ南海電鉄を利用するのに二度の乗りかえを必要とするか。どうしても不思議でたまりません。
 また、JRと南海市駅との間には線路があるのです。この線路を利用すれば走れないことないではないかと、素人考えをしてしまうわけであります。この乗り入れが可能となってきますと、加太線へ乗った時点で、乗りかえなしに交通センター駅まで行ける可能性がぐんと高まるわけであります。
 これは、将来的な夢の話として、また要望としてお聞きをいただいたらいいんですが、この路線が結ばれるということになりますと、今度は、南海加太線を大川峠を越えて南海の多奈川線と結ぶことが可能ではないのかと、ついつい思ってしまいます。そうなると、貴志川方面からJR和歌山駅を通り南海の和歌山市駅へ行く、そして加太まで行く、そこからまだ紀淡海峡の連絡道を望みながらみさき公園へ遊びに行く、そんなルートもできてくるわけであります。欲を言うならば、今、市駅から和歌山港駅まである電車が和歌浦まで延びておれば、難波から乗りかえなしに和歌浦の旅館街へ直行できる、そんなこともついつい思ってしまいます。
 この路線を何とかして──技術的にはいろんな問題があるのかもしれませんが、同じ南海電鉄ですので、どうにか結べないかという要望です。それに対する県当局のお考えなり、また今までどう対処してきたのか、お答えをいただければ幸いであります。これについては、南海電鉄の営業面ということも考えなくてはなりませんが、それ以上に、公共性の高い交通機関であるという使命感を考え合わせていただけたらと、そのように思います。
 最後の質問であります。教育に関する質問をいたします。
 教育長は、四月二十三日の記者会見の席上、次のようにおっしゃっておられます。「教育現場も転換を迫られている。私なりに、和歌山らしい教育を創造していきたい」と、抱負を述べておられます。
 では、その「和歌山らしい教育」とは何なのかということであります。私は、この「和歌山らしい」という言葉の持つ意味は大変重要であり、またすばらしい言葉であると考えます。行政の場においても、また私たちのふるさとを語る上でも、常に求められるのがこの「和歌山らしさ」ではないかと思います。
 では、この「和歌山らしさ」を教育現場において、また教育長自身どう表現し、具現化をしていくおつもりなのか、お教えをいただきたいと思います。
 人つくらずして、国滅びます。今こそ、人づくりの重要性を再認識し、できればこの質問には担当者の作文ではなく、教育長自身の言葉で、気持ちで答弁をいただけたらと、そのように思います。
 もう一点、質問をいたします。
 公立高校の推薦入試枠についてであります。
 この問題については議論を要するところでありますが、昨年の和歌山市中学校校長会及びPTA連合会からも要望が出されております。私も常々、推薦で入学してしまう生徒が多いため、三月の入学試験で合格を目指そうと頑張っている生徒の枠が非常に狭められているのではないかと考えております。校長会及びPTA連合会の要望は、推薦枠を各専門学科において五〇%程度に抑えてほしいとのことであります。現在、多いところでは八〇%にも達しているのが現状であります。
 全国的に、この専門学科における推薦を比較してみたいと思います。まず、全国平均は三二%程度であります。では、和歌山はどうなっているか。平均で、約二倍の六二%弱にも上っております。この数字は、宮城県の九八・八%──ほとんど一〇〇%なんですが──それに次いで堂々の二位であります。
 ここで、宮城県の、専門学科以外の内容を少し紹介をさせていただきます。普通科での推薦入試枠は九六%、総合学科においては一〇〇%であります。そうなってくると、宮城県の公立高校の入試そのものが限りなく一〇〇%に近い推薦入試であるということです。現時点においては特殊な県になるかと思います。それを除けば一位、そこを入れて二位ということであります。
 では、和歌山県においての普通科、総合学科はどうなっているかということでありますが、普通科の推薦枠はゼロであります。総合学科においては六五%。では、全入学者に対する推薦入学の比率を見てみますと、和歌山県の場合、二七%弱になります。全国平均を見てみますと一七%、ここでも一〇ポイント上回っております。では、全国的にどの程度の地位を占めるかと言いますと、上から六番目であります。ちなみに、普通科の推薦枠が一%未満の都道府県を調べてみました。和歌山県を含めて、九都道府県であります。
 そんな数字をずっと並べてみましたが、今後、この専門学科における極めて高い推薦入学者の比率や普通科における推薦枠の導入、こういうことをどう考えておられるのか、またどう方向性を示していかれるのか、そういうことをお答えいただきたい、そのように思います。
 以上で、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(木下秀男君) ただいまの新島雄君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 生活文化部長大井 光君。
  〔大井 光君、登壇〕
○生活文化部長(大井 光君) 新島議員にお答え申し上げます。
 ISO一四〇〇〇についてのうち、県内における認証取得状況についてでありますが、事業者が自主的に環境保全に関する取り組みを行うため、環境に対する方針をみずから設定し、事業所内の体制や手続を整え、客観的な立場から監査を行うシステムの国際規格がISO一四〇〇〇シリーズであります。平成十年三月現在で、県内三事業所でISO一四〇〇一が取得されていると聞いております。業種としては、鉄鋼業一社、電気製品製造業二社であります。
 続きましては、県みずから取り組まないのかというご質問でございますが、大規模な事業者、消費者である県庁みずからが地球温暖化防止に向けた取り組みを進める必要があることから、本年四月に和歌山県庁環境保全率先行動計画を策定し、出先機関を含め、全庁的に省エネルギー、ごみ減量化、職員の意識向上などの取り組みをスタートしております。
 この取り組みは、Plan(計画の制定)、Do(実行)、Check(点検)、Action(見直し)という、いわゆるPDCAサイクルを繰り返す内容となっており、ISO一四〇〇一の環境マネジメントシステムを踏まえたものとなっております。
 ISO一四〇〇一の認証取得については関心を持ってございまして、今後鋭意研究してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(木下秀男君) 企画部長中村協二君。
  〔中村協二君、登壇〕
○企画部長(中村協二君) 新島議員の公共交通機関の利便性について、南海貴志川線の和歌山市駅への乗り入れについてのご質問にお答えをいたします。
 JR和歌山駅と南海和歌山市駅間を結ぶ鉄道につきましては、JRのみ一時間に一往復程度運行されておりますが、運行頻度が少ないことや乗り継ぎの問題があると考えております。
 一方、南海貴志川線の和歌山市駅への乗り入れにつきましては使用電圧──JRは千五百ボルト、南海は六百ボルトでございますが──信号保安設備の違い、その他、運転に必要な設備改良など問題点が多く、これらを解決するためには多額の費用が必要と聞いてございます。しかしながら、議員ご指摘の乗り入れにつきましては、公共交通機関の利便性向上を図るための一つの方策であり、将来的な課題として検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(木下秀男君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 教育問題についてお答えいたします。
 最初に、和歌山らしい教育の創造ということについてでございます。
 ご承知のとおり、本県は全国に誇ることのできる恵まれた自然、歴史、文化を初め、輝かしい業績を残した先人や各分野で活躍する多くの人材を有しております。郷土の持つこのようなすばらしい教育資源を十分生かし、子供たちが和歌山で学ぶことに誇りと喜びを持つことのできる教育を推進することが本県の教育に携わる者に対して課せられた大きな使命であると考えております。
 そのためには、全国どこにでもある教育をそのまま画一的に和歌山に当てはめて行うのではなく、独自のさまざまな工夫が必要であると思います。本県では、特殊教育諸学校と高等学校との連携を初めとする広範な学校間連携、全校生徒が農業実習を行う総合学科での試み、さらに、天文台の協力を得て地元の小中学校で天体や情報に関する学習を行うなど、他府県では余り例を見ない取り組みも少なくありません。
 今後とも、こうした特色ある取り組みを一層幅広く進めるとともに、ふるさと和歌山に根差した教育を力強く推進することにより、郷土のそして社会の一員としての確かな自覚を持って、二十一世紀をたくましく生き抜いていく心豊かな子供たちを育ててまいりたいと考えております。
 次に、推薦入試についてであります。
 推薦入試は、生徒の多様な個性や能力、適性、意欲等を積極的に評価するという観点から、職業関係学科を中心に導入をしてまいりました。入学した生徒は、目的意識が高く、その後の学習活動においても積極的な面が見られ、そのことが結果として本県の専門学科及び総合学科の教育の充実に大きな役割を果たしてきたものと考えております。
 推薦入試の枠につきましては、学校、学科の特色に応じて弾力的に定めることができるようにしており、議員ご指摘のとおり、全国的に見ても高い割合になっておりますが、当該学科で学びたいという強い気持ちと適性のある生徒を数多く受け入れることにより、学科全体に活力が生まれ、生徒も生き生きと高校生活を送っております。
 高校入学者選抜につきましては、今後とも多方面からさまざまなご意見をいただきながら、より一層の改善を進めていく必要があり、推薦入試のあり方についても重要な研究課題の一つとして、議員ご指摘の趣旨を含め、幅広い観点に立って検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(木下秀男君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(木下秀男君) 再質問がございませんので、以上で新島雄君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
      ─────────────────────
○議長(木下秀男君) 本日は、これをもって散会いたします。
  午前十一時十五分散会

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