平成10年6月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(全文)


県議会の活動

議 事 日 程   第二号   平成十年六月十五日(月曜日)
                午前十時開議
  第一 議案第百一号から議案第百四号まで(知事説明)
  第二 議案第八十二号から議案第百号まで、及び報第一号から報第三号まで(質疑)
  第三 一般質問
会議に付した事件
   一 議案第百一号から議案第百四号まで(知事説明)
   二 議案第八十二号から議案第百号まで、及び報第一号から報第三号まで(質疑)
   三 一般質問
出 席 議 員(四十七人)
     1  番    大    沢    広太郎
     2  番    木    下    善    之
     3  番    小    川         武
     4  番    吉    井    和    視
     5  番    下    川    俊    樹
     6  番    井    出    益    弘
     7  番    藁    科    義    清
     8  番    門         三佐博
     9  番    永    井    佑    治
     10  番    新    島         雄
     11  番    向    井    嘉久藏
     12  番    佐    田    頴    一
     13  番    和    田    正    一
     14  番    阪    部    菊    雄
     15  番    西    本    長    弘
     16  番    馬    頭    哲    弥
     17  番    谷         洋    一
     18  番    山    下    直    也
     19  番    高    瀬    勝    助
     20  番    松    本    泰    造
     21  番    堀    本    隆    男
     22  番    宇治田    栄    蔵
     23  番    宗         正    彦
     24  番    橋    本         進
     25  番    神    出    政    巳
     26  番    玉    置    公    良
     27  番    上    野    哲    弘
     28  番    東    山    昭    久
     29  番    尾    崎    要    二
     30  番    野見山         海
     31  番    木    下    秀    男
     32  番    町    田         亘
     33  番    中    山         豊
     34  番    井    谷         勲
     35  番    鶴    田    至    弘
     36  番    森         正    樹
     37  番    村    岡    キミ子
     38  番    新    田    和    弘
     39  番    平    越    孝    哉
     40  番    森    本    明    雄
     41  番    長    坂    隆    司
     42  番    冨    安    民    浩
     43  番    飯    田    敬    文
     44  番    中    村    裕    一
     45  番    松    本    貞    次
     46  番    大    江    康    弘
     47  番    和    田    正    人
欠 席 議 員(なし)
説明のため出席した者
     知 事     西    口         勇
     副知事     山    下         茂
     出納長     高    瀬    芳    彦
     知事公室長   中    山    次    郎
     総務部長    藤    谷    茂    樹
     企画部長    中    村    協    二
     生活文化部長  大    井         光
     福祉保健部長  小    西         悟
     商工労働部長  上    山    義    彦
     農林水産部長  尾    崎    武    久
     土木部長    長    沢    小太郎
     企業局長    西    浦    昭    人
     教育委員会委員長
             山    本         昭
     教育長     小    関    洋    治
     公安委員会委員長
             高    垣         宏
     警察本部長   米    田         壯
     人事委員会委員長
             若    林    弘    澄
     代表監査委員  宮    市    武    彦
     選挙管理委員会委員長
             谷    口    庄    一
     以下、各部局次長・事務局長・財政課長
職務のため出席した事務局職員
     事務局長    新    谷    哲    朗
     次  長    前         晴    夫
     議事課長    佐    竹    欣    司
     議事課副課長  北垣内         敬
     議事班長    松    谷    秋    男
     議事課主査   川    崎    良    雄
     議事課主事   安    井    伸    彰
     総務課長    西    野    光    彦
     調査課長    湯    川         忠
 (速記担当者)
     議事課主任   吉    川    欽    二
     議事課主査   鎌    田         繁
     議事課主査   中    尾    祐    一
     議事課速記技師 保    田    良    春
      ─────────────────────
  午前十時六分開議
○議長(木下秀男君) これより本日の会議を開きます。
      ─────────────────────
○議長(木下秀男君) この際、報告いたします。
 お手元に配付のとおり、知事から地方自治法第二百二十一条第三項に定める法人の経営状況を説明する書類の提出が、また監査委員から、監査の結果報告及び現金出納検査の結果報告がありました。
 以上、報告いたします。
      ─────────────────────
○議長(木下秀男君) 次に、報告いたします。
 知事から、議案の追加提出がありました。
      ───────────────────
                     財第59号
                     平成10年6月15日
 和歌山県議会議長  木 下 秀 男 殿
              和歌山県知事  西 口   勇
   和歌山県議会平成10年6月定例会追加議案の提出につい
   て
 地方自治法第96条の規定に基づく議決事件について、下記のとおり議案を提出します。
               記
 議案第101号  平成10年度和歌山県一般会計補正予算
 議案第102号  平成10年度和歌山県流域下水道事業特別会計補正予算
 議案第103号  平成10年度用地取得事業特別会計補正予算
 議案第104号  平成10年度建設事業施行に伴う市町村負担金について
      ─────────────────────
  【日程第一 議案第百一号から議案第百四号まで】
○議長(木下秀男君) 日程第一、ただいま報告の議案第百一号から議案第百四号までを一括して議題といたします。
 議案はお手元に配付しておりますので、まず知事の説明を求めます。
 知事西口 勇君。
  〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) ただいま上程されました補正予算案等について、ご説明申し上げます。
 最近の厳しい経済情勢に対応するため、本県といたしましても、先般策定された国の総合経済対策を踏まえ、公共事業等の追加や中小企業対策などを柱として、一般会計で二百六十六億六千百万円、特別会計で五億七千三百万円の補正予算をお願いするものであります。
 まず、公共事業等の追加についてでありますが、県内交通基盤の整備を促進するため、第二県土軸関連道路や府県間道路等の整備をより一層進めるとともに、南紀白浜空港の二千メートル化や日高港等の事業促進を図るほか、和歌山市周辺の渋滞対策についても積極的に取り組むこととしております。
 また、環境対策として紀の川流域下水道や農業集落排水施設等の整備を促進するとともに、自然公園施設の整備や和歌川の環境整備を進めるほか、防災対策として災害に関する情報を迅速に収集するための情報基盤の整備を行うこととしております。
 さらに、農林水産業の分野では、平成九年産ミカン及びカキの価格低迷による農家の経営安定を図るため新たな融資制度を創設するとともに、本県の高品質ミカンの生産体制を強化するため、高性能集出荷施設の整備を行うこととしております。
 次に、中小企業対策についてでありますが、本県の景気動向等を踏まえ、不況対策特別資金の融資枠を当初の五十億円から百億円に拡大するとともに、先般、紀陽銀行との間で事業譲渡の基本合意が成立した和歌山県商工信用組合との間で正常な取引関係にある中小企業者の資金需要に適切に対応するため、五十億円の融資枠で新たな融資制度を創設することとしております。
 以上が、予算案の主な内容であります。
 また、今回の補正予算に伴う市町村負担金について議決をお願いするとともに、別途、法人の経営状況に関する書類を提出しております。
 何とぞ、ご審議の上、ご賛同賜りますようお願い申し上げます。
      ─────────────────────
  【日程第二 議案第八十二号から議案第百号まで、及び報第一号から報第三号まで】
  【日程第三 一般質問】
○議長(木下秀男君) 次に日程第二、議案第八十二号から議案第百号まで、及び知事専決処分報告報第一号から報第三号までをあわせ一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第三、一般質問を行います。
 22番宇治田栄蔵君。
  〔宇治田栄蔵君、登壇〕(拍手)
○宇治田栄蔵君 六月県議会の冒頭に質問の機会を与えていただきました先輩同僚議員に対しまして感謝申し上げ、質問をさせていただきます。
 去る三月二十七日、県商工信用組合は自主再建を断念し、一年後をめどに紀陽銀行に事業を譲渡し解散すると発表しました。
 県信は、昭和二十九年に西牟婁信用協同組合として設立され、昭和三十一年に県商工信用組合と商号を変更し、その業務を拡大し、県内中小企業の発展に資金面から貢献してきたところであります。その後、平成元年、県富士信用組合を吸収合併し、現在に至ったもので、二月末時点で三十三店舗、預金量約三千十八億円、従業員数五百三十人で、全国信組で第八位の規模を誇り、県内経済の発展に大きく寄与してきました。
 ところが、一九八〇年代、急激な拡大路線をとった結果、バブルの崩壊とともに業績が悪化し、このため、平成五年、県は市川公室長を理事長に派遣し、翌年には県五十億円、紀陽銀行五十億円、全国信用協同組合連合会二百五十億円、総額三百五十億円の緊急融資を行う支援をし、県信自身もリストラにより店舗数は四十五から三十三店舗に、行員数も六百九十人から五百三十人に削減し、再建に取り組んでいました。
 このような努力にもかかわらず、折からの経済不況もあり、事業譲渡して解散するのやむなきに至ったのはまことに残念であります。平成八年十一月の阪和銀行の経営破綻に続く県信の解散は、金融界のみならず、地域経済や県民生活に深刻な影響を与えるものと考えられます。
 そこで、まず、県信が再建を断念し、紀陽銀行への事業譲渡を決断することになった経緯、及び取引中小企業対策など今後の県信対策について、知事のご所見をお伺いいたします。
 信用組合の検査・指導については、国の機関委任事務として県が行っております。県においては検査を通じ県信の経営状況を把握し得る立場にあったと思われますが、指導監督に問題はなかったのか、商工労働部長にお伺いいたします。
 紀陽銀行への事業譲渡は一年後をめどにということでありますが、それまでのスケジュールはおおむねどうなっているのでしょうか。特に、店舗の統廃合について県民は大きな関心を寄せています。指定金融機関となっている桃山町、美里町、本宮町の三町や店舗廃止が地域に深刻な影響を与える各市町村では、店舗の存続を強く望んでいます。紀陽銀行はどれぐらいの店舗を引き継ぐ予定なのか、商工労働部長の答弁を求めます。
 次に、県信破綻が県経済に与える影響についてお尋ねいたします。
 我が国の経済情勢を見ますと、例えば経済企画庁が発表した六月の月例経済報告は、三カ月連続で景気は停滞し、一層厳しさを増しているという総括判断を示しました。また、四月の完全失業率は四・一%と過去最高の数字となり、我が国経済が景気後退の中で物価が持続的に低下するという、いわゆるデフレーションの状態に突入したのではないかという観測もなされているところであります。また、六月十二日発表の国民所得統計速報によると、平成九年度の実質国内総生産は前年度に比べて〇・七%減少し、二十三年ぶりのマイナス成長となっております。一方、本県経済におきましても、本年五月の倒産企業が件数、金額ともに過去二十年間で最悪の状態になるなど、依然として厳しい状況にあります。
 県信は、昭和二十九年に設立されて以来、一時は四十六店舗を有し、現在もほぼ全県をカバーする三十三店舗を有しており、銀行との取引が難しい中小零細業者が利用しやすい金融機関として県経済を支えてきました。県内における取引中小企業数を見ましても、阪和銀行では四千件であったのに対し県信は約七千件となっておりまして、県信破綻の影響は阪和銀行のときより大きいのではないかと考えます。県経済への影響と対策について、商工労働部長にお伺いいたします。
 最後に、職員の雇用対策についてお尋ねいたします。
 県内の雇用状態は、本年五月の有効求人倍率が六カ月連続で前年を下回り、過去十年で最低の〇・五二倍となるなど、非常に厳しい状況であります。紀陽銀行が百人程度の採用を検討するようでありますが、五百余名全員の再就職となると大変厳しいものがあると考えられます。阪和銀行の際も県は積極的に雇用対策に取り組まれましたが、県信についても、これだけ多くの従業員が再就職できないとなると、和歌山という小さな経済にとって極めて重大な影響を及ぼすことになり、何らかの取り組みが必要であると考えております。県は県信職員の雇用対策についてどのように考えておられるのか、商工労働部長にお尋ねいたします。
 次に道路網の整備について、紀淡連絡道路、第二阪和国道、南港山東線、県道市道の見直しの四点について質問をいたします。
 去る四月五日、明石海峡大橋が開通し、本州と淡路島が陸続きとなり、近畿と四国が陸路で結ばれました。明石海峡大橋は全長三千九百九十一メートル、世界最大のつり橋で、総工費約五千億円、十余年の歳月を経て完成をいたしました。
 県議会太平洋新国土軸建設促進議員連盟では、五月二十六日、二十七日の両日、同橋の視察に参ったところであります。四月五日から五月二十四日までの通行量は百六十万台、一日平均約三万二千台で、一日のピークは九万台の通行があり、新名所となり多くの観光客が淡路島を訪れるなど、大きな開通効果をもたらしております。北淡町震災記念公園野島断層保存館は四月に完成し、二カ月で六十四万人の入場者があり、予想の十倍の入りで活況を呈していました。
 しかし、一方で県内の状況を見ておりますと、五月連休時に紀南地方の観光客が減ったというようなこと、また、和歌山から徳島へ渡る高速船の便数が半減し非常に不便になったことなど、和歌山県としてマイナスの効果も出ており、新しい太い流れができるとそこにいろいろな効果が吸い込まれていく、いわゆるストロー現象が生じているのであります。新しい道路を整備すれば古い道は寂れ、その道路に頼っていた地域の経済活動等についても衰退を余儀なくされるのであります。地域の発展が人や交通の流れによってもたらされるとすれば、明石海峡大橋ができた今、この和歌山に太い交通のパイプをつくっていかなければ将来の和歌山の発展は望めないということであります。それが大阪湾環状交通体系であり、また関西大環状道路であり、さらにまた太平洋新国土軸であり、二重三重の大きな人の流れをつくること、それが紀淡連絡道路をつくる意味であります。
 また、明石海峡大橋の開通だけがクローズアップされておりますが、その陰で同時に神戸周辺で五本の高速道路や自動車専用道路が開通し、一挙に神戸市西部地域の道路整備が進んだのであります。いわゆる関連道路の整備ということで、通常であればなかなか進まない道路整備が短時間に進む、このことの効果も実に大きいものがあります。一本の橋の開通が地域にいかに大きな恩恵をもたらすか、明石海峡大橋がそのことを目の当たりに見せてくれていると思います。
 明石海峡大橋が開通した今、次は紀淡連絡道路の番であり、ぜひとも早期実現を図られねばなりません。新全国総合開発計画並びに新道路整備五カ年計画に紀淡連絡道路が明確に位置づけられ、五月二十九日には閣議決定されたところでありますが、厳しい経済財政状況の中でいかに国を動かし、経済界を動かし、どのような戦略で紀淡連絡道路の早期実現を図っていくのか、知事のご所見をお伺いいたします。
 次に、第二阪和国道についてお伺いをいたします。
 第二阪和国道は、和歌山市内への大阪方面からの玄関口として、また住宅開発が進む紀の川北側の交通混雑を大幅に緩和する幹線道路として、和歌山市民が早期開通を強く望んでいる道路であります。また、今の南海橋の、朝夕車が突き合わせ、通学生の自転車がすれすれに通っていく現状を見ておりますと、いつ事故が起こっても不思議ではなく、中核市・和歌山市の中心部にまだこのような老朽橋が残されているのかと非常に残念であり、交通安全の面からも一日も早い開通が望まれるところであります。
 この道路は市街地部を通過するため、用地等について関係の皆さんの大変なご苦労があったと思いますが、市のご努力により用地買収も九割を超え、昨年からは楠見地区や紀の川右岸にも橋脚の姿が見えてきており、大変心強く思っておりますが、今後の見通しについて土木部長にお伺いをいたします。
 次に、都市計画道路南港山東線についてお伺いをいたします。
 和歌山市の中心部に流入する交通はJRなどの鉄道によって大きく分断されており、東西を連絡する幹線道路網の整備促進が大きな課題となっております。特に、現在、南港山東線の整備が進められている国体道路から東に向けての区間が、JR紀勢本線のガード下が非常に狭く、かつ低くて見通しも悪いために退避することもできない、こういう状況でありまして、車が対面交通できないために常に渋滞を起こしているわけであります。このように対面交通さえできないという道路はこの箇所だけと言っても過言ではないと思うわけであります。しかも、この付近は県立看護短大、そしてまた県営住宅があり、周辺の住宅開発も進んでおり、このために交通渋滞は日に日に増しているのが現状であります。この区間については南港山東線の整備が進められておりますが、一日も早い交通渋滞の解消のための道路整備、これが地元住民の要望でございます。この道路の見通しにつきまして、土木部長の答弁を求めるものであります。
 次に、和歌山市内の県道網についてお伺いしたいと思います。
 海草振興局の管内図を見れば、和歌山市内の県道網が複雑に入り組んでいるのにびっくりするのであります。例えば和歌山駅から紀三井寺に至る国体道路でありますが、宮前小学校北の交差点から紀三井寺交差点までは県道和歌山海南線であり、和歌山駅から宮前小学校北の交差点の間は、一部を除いて市道となっているわけであります。また紀の川北岸の道路では、岩出から北島橋までは県道、北島橋から紀の川大橋の間は市が占有する道路、そしてまた紀の川大橋から河口までは港湾道路として県が建設促進をしようとしているというふうに、一本の道が市道、県道、また市道というふうな形でばらばらになっているわけであります。このような例は、西脇山口線、シーサイドロード、市駅小倉線、湊神前線など、随所にこういう箇所が見られるわけでございます。
 こうして見ますと、市内の幹線道路のほとんどが、一本の道でありながら道路管理者が県であったり市であったり、一般の県民には実にわかりにくいのが現状であります。都市計画道路などの新しい道路を建設するときは、早期整備を図る上で県と市が協力し、それぞれ区間を分担して建設することはぜひとも必要でありますが、その道路が完成した後は一本の筋を通して、例えば国体道路であれば和歌山駅から紀三井寺交差点までの間を一路線の県道として認定するなど、県市の間で調整していただきたいと考えます。道路を建設する、あるいは管理する側からだけの道路行政であってはなりません。沿道に住む人々や道路を利用する県民の立場に立った行政が強く望まれるところでありますが、このことについて土木部長のご所見をお伺いいたします。
 次に、本県スポーツの振興についてお伺いいたします。
 現在、フランスでサッカーのワールドカップが開催されており、日本も初出場ということで、国民の目もテレビに集中し、またサポーターが多数フランスへ応援に行くなど、大いに盛り上がっております。昨日のアルゼンチン戦では、ゼロ対一で惜敗をいたしました。二戦、三戦は勝って、ぜひとも予選を通過してもらいたい、これが日本国民の願いであり、我々の願いでもございます。
 多くの感動を与えてくれた長野冬季オリンピックもそうでありますが、スポーツは卓越した技術だけでなく、そこに至るまでの心身の鍛練、精神的な重圧の克服など、その一人一人の選手の栄光とともに、その生きざまが多くの人々に深い感動を与えるものであります。
 さて、本県のスポーツでありますが、長野オリンピックに本県出身の選手が三名出場し健闘されたわけでありますが、全体的に見て低迷しているのではないでしょうか。国民体育大会を見ますと、二巡目国体のスタートであった十年前が十九位、九年前が二十位、八年前が二十七位と健闘していたのに、昨年は三十八位、平成八年は三十九位、平成七年は三十八位と、残念ながら近年振るわず、スポーツ王国和歌山としては不本意な状況と言わざるを得ません。昭和四十六年の黒潮国体では、県や各企業等で優秀な人材を確保した結果、総合優勝を果たしました。不振をきわめている現在、この現状を打開するには優秀な選手の確保と育成、さらにその選手を育てる指導者の充実が不可欠であります。
 毎年、教員採用検査が実施されておりますが、その採用に当たっては高い競技力を持つ選手にもっと配慮し、採用することが必要であると考えますが、教育長の答弁を求めます。
 一方、中学校、高等学校における運動部活動の状況ですが、運動部員数も減少し、また指導者においても専門的な技術を持った先生が少なく、やむなく衰退していく部活動もあると伺っておりますが、学校における運動部活動の現状と今後の活性化の方策について、教育長にお伺いをいたします。
 また、私も空手を行っている関係で、武道には強い関心を持っておりますが、武道については他府県では警察関係が職務柄中心的に優秀な人材を確保し、強化を図っていると伺っております。本県では優秀な武道関係の警察官採用についてどのような考えを持っておられるのでしょうか。私は、武道を通して鍛えた体、精神力、正義感等はこれからの警察官にはますます重要であると思いますが、最近の採用の状況とあわせて、その考え方について県警本部長にお伺いをいたします。
 次に、武道館の建設について質問をいたします。
 スポーツは青少年の健全育成に重要な役割を果たしており、また高齢化社会が進展していく中で、心のよりどころとして多くの人々に親しまれています。スポーツの振興を図る上で、スポーツ施設の整備は欠かすことのできないものであります。私は武道関係者の一員であることから、スポーツ施設の中でも、他府県に劣らない武道館の必要性を痛感しているところであり、武道関係者の早期実現に向けての期待は日に日に高まっています。先般、県立総合武道館の早期実現へ向けて、本県の武道愛好家約四万人の署名を添えて知事に陳情したところであります。県立武道館の建設に向けての進捗状況、及び本県スポーツ振興の考えについてお伺いいたします。
 最後に、県立医科大学の跡地利用についてお伺いをいたします。
 県立医科大学は、昭和六十三年、移転先が紀三井寺に決定されて以来、総工費約九百五十三億円、約十年の歳月を経てこの夏完成の運びとなり、本年九月には大学部門が、来年五月には病院が移転されます。同医大の完成までの関係各位のご努力に敬意を表するとともに、県民医療の中核かつ高次医療機関として県民の要望にこたえてくれるものと期待しております。
 県立医科大学の移転に伴い、跡地利用が問題となっています。この跡地は、和歌山市の中心部に位置し、和歌山城を前面とする面積約一・七ヘクタールの貴重な県有地であり、東は銀行、証券会社などの金融機関が、西は伏虎中学校がそれぞれ隣接しております。このように貴重な跡地であることから、その利用に当たっては県勢の活性化、県民福祉などに大きく寄与するよう利用されなければなりません。
 県当局においては、跡地利用懇話会を設置して跡地利用について検討しておられます。その懇話会のほか、県議会、和歌山市議会でさまざまな意見が出ているところでありますが、その中で、伏虎中学校を移転し一体開発すべしとの意見も出たことから、伏虎中学校は移転させられるのかと、伏虎中学校の教員、生徒及び父兄に少なからず動揺を与えています。
 伏虎中学校は、昨年創立五十周年を迎えた伝統校であり、昭和三十七年には在校生二千六百五十三名を数えた県下一のマンモス校、名門校であり、ドーナツ化現象で生徒数が減少したとはいえ、現在なお四百二十八名の在校生の勉学、スポーツの学びやとして重要な役割を果たしています。また、私を含めて同窓生の青春の思い出であり、心のふるさとであります。
 このような学校の役割に思いをいたすとき、軽々に伏虎中学校の移転を考えるべきではありません。今回は、跡地及び一部周辺地に限定してその利用を考えるべきであります。県当局においては跡地利用について現在どのように取り組んでいるのか、また今後の方針についてお尋ねいたします。
 以上で、私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
○議長(木下秀男君) ただいまの宇治田栄蔵君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
  〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 宇治田議員にお答えをいたします。
 まず、県信問題についてでございます。
 県商工信用組合は、市川新体制のもとで平成六年度から再建計画をスタートさせ、その遂行に向けて懸命に努力をし、相当の実績を上げてきたわけでございます。県といたしましても、中小零細企業の保護育成、地域信用秩序維持の観点からいたしまして、県、全国信用協同組合連合会、紀陽銀行の三者協調で、お話にございました総額三百五十億円の低利融資を実施してきたところでございます。
 しかしながら、旧経営陣から引き継いでまいりました多額の不良債権の重圧、さらに長引く景気の低迷などにより債権回収が徐々に厳しくなるという状況に加えまして、金融三法の成立によって早期是正措置が平成十年四月から導入されるという、県信にとっては非常に厳しい経営環境となったわけでございます。
 県信は、新組合の設立など、幾つかの可能性を検討してきたわけでありますが、九年度の決算見込み等から早期是正措置を乗り切ることは極めて困難であると判断いたしまして、本年二月に県に対し、紀陽銀行への事業譲渡のあっせん依頼があったわけでございます。
 県といたしましても、国、日銀などと協議をいたしまして、また県信の意向もお聞きをしながら、あらゆる方向で処理策を検討してきたわけでございます。結果、預金保険法の枠組みに基づきまして、本県リーディングバンクである紀陽銀行へ事業譲渡することが、預金者や取引中小企業を保護し、地域経済を混乱させないためにとり得る最善の策ではないかと判断をいたしまして、銀行、組合間の仲介を行ってまいったところでございます。
 業務を停止すれば阪和銀行のときを上回る混乱が予想された中で、紀陽銀行のご決断もございましてそのような事態を回避するに至ったわけでございまして、去る三月二十七日に紀陽銀行と県信の間で事業譲渡に関する基本合意がなされたところでございます。
 今後の県信対策についてでございますが、取引中小零細企業の金融取引の円滑化をどのように図っていくのか、地域住民の利便性を確保する観点から県信の店舗を地域にどう残していくのか、雇用情勢の厳しい中で五百余名の職員の再就職をどうするのかなどの課題が山積しておるわけでありまして、これらの課題は、紀陽銀行を初め関係各位のご協力もいただきながら解決を図っていく必要があると考えてございます。
 取引中小零細企業対策につきましては、事業活動に支障が生じている県信の正常取引先の方々に必要資金を低利で融資する県信対策特別資金の予算を本議会にお願いしているところでございまして、今後とも県経済安定のために努力をしてまいりたいと考えております。
 次に、紀淡道路に関連してのご質問であります。
 明石海峡大橋に関連してのお話がございました。私も同感でございますが、紀淡海峡道路が先般の新しい全国総合開発計画並びに新道路整備五カ年計画に初めて固有名詞が掲げられ、その構想を推進すると明記されたわけでありまして、いよいよ国家プロジェクトとして推進することが明確に位置づけられましたことは、実現に向けて大きな一歩を示したということになろうと思います。
 このことにつきましては、私としても回を重ねて国に強く働きかけてまいったところでございまして、また、県議会太平洋新国土軸建設促進議員連盟を初め、関係の皆さん方に大変なご協力をいただき、深く感謝をしておるところでございます。
 紀淡連絡道路につきましては、近畿圏のみならず、西日本全体の中で交流・連携を図るリーディングプロジェクトとして、早期実現に努力を傾注していかなければならないと考えてございます。しかし、財政構造改革の大変厳しい状況の中で、しかも全国では六つのプロジェクトが構想されているという状況の中で、幾つかの克服すべき課題があるわけでありまして、今後とも関係府県で構成している大阪湾環状紀淡連絡道路建設推進協議会、あるいは関西経済連合会など、関係団体の方々とともに力を合わせて強力に国に働きかけてまいりたいと考えてございます。
 県議会におかれましても、より一層のご協力を賜りますようにお願い申し上げまして、お答えにいたします。
 以上であります。
○議長(木下秀男君)  商工労働部長上山義彦君。
  〔上山義彦君、登壇〕
○商工労働部長(上山義彦君) 県信問題についてのうち、四点についてお答えします。
 まず県の検査、指導についてでございますが、県は国の機関委任事務として信用組合の検査や指導を行っております。
 まず検査については、平成五年度に国・県共同検査、七年度と八年度には県単独検査を行い、その結果に基づき必要な指示を行ってまいりました。また指導面でございますが、県信内に設置した経営改善委員会のヒアリングを四半期ごとに実施するとともに、県、全国信用協同組合連合会、紀陽銀行の三者で構成する県信再建支援連絡会議を定期的に開催するなど、再建計画の進捗状況を把握し、必要な指導を行ってきたところでございます。
 平成八年六月に金融三法が成立して以降は、十年四月の早期是正措置の導入を視野に入れながら、国、日銀等、関係機関と協議し、従来にも増して厳しい指導を行ってまいりました。経営は県信自身の責任で行うべきものであることは当然のことでありますが、結果的に県信の再建が立ち行かなくなったことにつきましては残念に思っているところでございます。
 次に、事業譲渡のスケジュールと店舗の存続についてでございますが、紀陽銀行と県信は、去る三月二十七日に基本合意を、また五月十五日に事業譲渡契約を締結し、現在、両者間で事業譲渡作業の準備を進めているところでございます。
 今後の主なスケジュールについては、六月二十六日に県信は総代会を開催し、事業譲渡等を審議する予定であり、また紀陽銀行も同日に株主総会を開催し、事業譲り受けを審議することになってございます。また、県信の資産を分類し、預金保険の贈与額を確定するための国・県共同検査を秋ごろに実施し、おおむね一年後を目途に紀陽銀行と整理回収銀行に事業譲渡する方向で進んでございます。
 県といたしましても、県信に顧問団を派遣して資産の劣化防止に努めるとともに、国や預金保険機構、受け皿銀行等の関係機関と協議しながら、本事業譲渡が円滑に進むよう指導を行っているところでございます。県信規模の金融機関を移行させるためには膨大な作業量があるため、事業譲渡が完了するまで積極的にその進行把握をしてまいりたいと考えてございます。
 店舗につきましては、紀陽銀行は原則として引き継がない方針でございますが、議員ご指摘のように、県信の店舗がなくなった場合、町指定金融機関となっている美里町、桃山町、本宮町など地元への影響も大きく、県に対しましても幾つかの町村から存続の要望をいただいているところでございます。今後、紀陽銀行と県信の協議を基本としながらも、地域事情が反映されるよう強く働きかけてまいりたいと考えてございます。
 次に、県経済の影響についてでございますが、県信は本年三月末現在で預金量約二千七百億円、組合員三万五千余名を有しており、また預金口座数約五十六万口、貸出先数約二万三千先、うち事業資金の貸出先は約七千二百先となっており、信用組合としては全国有数の規模となってございます。また、三十三店舗で県内全域をカバーしており、約五百名の職員を抱えてございます。
 こういった状況の中で、取引中小零細企業の金融取引の問題、地域の預金者等の利便性確保の問題、雇用問題等、県信の破綻が本県経済に与える影響は大きいと考えてございます。今後、事業譲渡を円滑に進める中で、できるだけ多くの県信取引先を紀陽銀行に引き受けてもらうよう働きかけるなど、必要な対策を実施してまいりたいと考えてございます。
 最後に職員の雇用問題についてでございますが、県信は五月末現在で五百三名の職員が在職しており、議員ご指摘のように厳しい雇用情勢であり、非常に憂慮しているところでございます。そういった中で、紀陽銀行には百名程度の採用を検討されており、また県信内にも雇用対策委員会が設置され、職員の意向調査を実施するなどの取り組みを行っており、今後就職あっせんを実施していくことになってございます。
 県といたしましても、社会的影響が大きいことを考慮し、預金保険機構や整理回収銀行に対し職員の雇用を働きかけていくとともに、事業譲渡作業の進行状況等を勘案しながら、職員の意向も踏まえ、積極的に対応してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(木下秀男君) 土木部長長沢小太郎君。
  〔長沢小太郎君、登壇〕
○土木部長(長沢小太郎君) 宇治田議員のご質問にお答えいたします。
 まず第二阪和国道でございますけれども、この第二阪和国道につきましては、県議会の第二阪和国道・京奈和自動車道建設促進議員連盟を初め、関係の方々のご協力をいただきながら事業の促進を図っているところでございます。
 先ごろ、建設省により、現在事業中の和歌山北バイパスの新道路整備五カ年計画期間内──これは平成十四年度内ということですが──の供用予定が公表されたところでございます。
 和歌山北バイパスの現在の進捗状況でございますけれども、用地は全体の約九一%が取得済みでございます。また、工事につきましては、楠見高架橋の全橋脚五十基のうち十二基が完成、十四基が施工中でありまして、また、仮称でございますけれども、新南海橋につきましては全橋脚・橋台九基のうち二基が施工中でございます。
 今後とも、関係する市とともに、関連する都市計画道路西脇山口線、六十谷手平線の整備やJR紀勢本線の鉄道高架などの事業を促進しながら、和歌山北バイパスの平成十四年度内の供用を国に強く働きかけてまいります。また、あわせて大阪府に向けての府県境部の早期事業化につきましても強く要望してまいります。
 次に南港山東線のご質問でございますが、この南港山東線は、和歌山市の市街地を東西に通る主要な都市計画道路でございます。現在、国体道路からJR紀勢本線を地下式で立体交差し、県道和歌山海南線に接続する区間について、交通の利便性の確保を図るために整備を行ってございます。
 JRとの立体交差部分につきましては、平成八年度からJR西日本に工事委託を行い、現在、地盤改良工事を行っているところであり、平成十三年度の供用開始を目途に努力してまいります。
 次に、県道と市道の見直しについてのご質問でございます。
 この県道と市道でございますけれども、一般的に申し上げますと、幹線道路的なものは県道、生活道路的なものは市道というふうにして管理しておるわけでございますけれども、交通量の増大に対応するための道路の建設をそれぞれの道路管理者の道路管理区分に従って実施して接続し、またそのまま管理しているということなどによりまして、一部管理区分が住民の方々にわかりにくくなっている箇所があるということでございます。
 今後は、議員ご提言のとおり、住民の方々にわかりやすくなるよう、交通の流れなどを見ながら、道路管理者間の調整が整う箇所から見直してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(木下秀男君) 企画部長中村協二君。
  〔中村協二君、登壇〕
○企画部長(中村協二君) 宇治田議員にお答えをいたします。
 県立医科大学の移転に伴う跡地利用につきましては、鋭意検討を進めているところでございます。
 現在の医大の敷地は、ビジネスや商業の集積地区に隣接する一・七ヘクタールの大規模な県有地であり、この有効な活用は県の活性化にとって大変重要な課題となっております。
 現在、この活用方策について跡地利用懇話会でご検討いただいているところでありますが、県といたしましては、第一回懇話会で出されました、この県有地へ導入すべき機能等についてのご意見や検討課題などをまとめ、次回の懇話会の中でさらに検討を深めていただく予定でございます。
 本年中には、同懇話会での意見を取りまとめていただき、ご報告をいただけるようお願いいたしております。その後、懇話会報告を尊重しながら、年度内に県としての基本構想を策定したいと考えております。
 以上でございます。
○議長(木下秀男君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) スポーツの振興に関する宇治田議員のご質問にお答えいたします。
 スポーツ活動を通しての爽快感や楽しさ、また健康の保持増進など、スポーツ活動は心豊かな生活の基盤づくりに極めて意義深いものであると認識いたしております。特に、高い競技力を有した本県選手が国際大会や各種全国大会で活躍することは、県民に明るい話題を提供するとともに、二十一世紀へ向けて輝く和歌山の創造に寄与するものであり、そのための優秀な人材の確保は大きな課題であります。
 ご質問の教員採用候補者選考におきましては、人間性豊かで幅の広い人材を確保すべく、筆答検査の成績に偏らず、実技や面接を重視して、部活動の指導力等を含めた優秀な人材を確保できるよう、毎年工夫改善を行っているところであります。
 なお、中高共通の保健体育につきましては、水泳、球技、武道などの専門的な実技検査も実施してございます。
 運動部活動の現状でありますが、平成八年度の本県生徒の運動部加入状況は、中学校で七四%、高等学校で四〇%となっており、全国との比較では、中学校ではやや上回っておりますが、高等学校では九%低い状況にあります。
 次に、運動部活動の指導者につきましては、専門的な指導者がいない学校に対して、運動部活動地域連携促進事業として、中高合わせて三十八校に四十六人の外部指導者を派遣いたしております。また、今年度から、特色ある学校づくりの一環として、高等学校の運動部を特別に指定し、競技力向上体制の整備及び競技力の向上を図ることを目的としたハイスクール強化モデル校指定事業を実施し、運動部活動の活性化を図ることといたしております。
 運動部活動は、心身ともにたくましい生徒を育成し、幅広い社会性を身につけるなど、望ましい人間関係を育てるとともに、学校全体の活性化にも大きな役割を果たすものであります。今後も、学校教育活動の一環として一層の充実を図ってまいりたいと考えてございます。
 次に県立武道館建設についてでありますが、スポーツの振興を図るためにスポーツ施設の整備は重要な課題であると受けとめております。現在、県立武道館を初めとするスポーツ施設全般のあり方について関係部局と検討を重ねているところであり、早期にその方向性を出せるよう努力してまいります。
 以上であります。
○議長(木下秀男君) 警察本部長米田 壯君。
  〔米田 壯君、登壇〕
○警察本部長(米田 壯君) 宇治田議員のご質問にお答えをいたします。
 警察官は、職務の性格上、強靱な体力と精神力のほか、犯人を制圧するための武術的な技能を必要といたしておりまして、警察官採用試験の募集活動において柔道や剣道の有段者も積極的に勧誘しているところであります。
 昨年度実施されました採用試験での採用者六十七人の中には、柔道有段者が七人、剣道有段者が十三人、空手有段者が三人、それぞれ含まれております。
 本県の警察官の採用試験は一般競争試験により行われておりまして、武道高段者を対象とした特別枠を設けた採用試験は行われておりませんが、全国では十数府県で武道高段者の特別枠を設けた採用試験が実施されておると聞いております。
 武道高段者の採用促進につきましては、本県警察においても今後の課題としてその必要性も含めて検討の上、採用試験の実施主体である県人事委員会と協議してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(木下秀男君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 22番宇治田栄蔵君。
○宇治田栄蔵君 先ほども申しましたが、六月十二日の発表によりますと、国内総生産はマイナス成長になったという状況でございまして、折からの経済不況の中、貸し渋りということが社会的にも非常に大きな問題となっております。そういう中で、この和歌山県は阪和銀行の経営破綻と、これに続く県信の解散ということでありまして、本当に和歌山県の経済はこれからどうなっていくんだろうと、大変皆心配しているわけでございまして、先行きが不安でございます。
 こういう中にありまして、やはりもうみんな県の行政に頼る部分がどうしても多くなってくるわけでございます。今後、県におきまして、本日は五十億の融資ということの補正予算も出てございますが、より一層充実した対策をお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
○議長(木下秀男君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で宇治田栄蔵君の質問が終了いたしました。
○議長(木下秀男君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 33番中山 豊君。
  〔中山 豊君、登壇〕(拍手)
○中山 豊君 議長のお許しを得ましたので、質問を始めさせていただきます。
 五月十六日午後十一時四十分、県内に大雨洪水警報が発令されたことにかかわり、特に長峰山系に前線が停滞し、局地的集中豪雨がありました。日方川、亀の川上流に鉄砲水となって流出、護岸崩壊、土砂、木材、ごみが多量に下流に流されたのであります。もちろん、下津町、有田郡金屋町、吉備町にも及んだのではないかというふうにも把握しております。県は、職員に非常招集をかけ、警戒に当たってくれたと聞きます。
 それで、この被害状況についてどうだったのか。
 二番目に、局地的な被害であったとはいえ、災害対策に抜かりなく取り組まれることになっているのでしょうか。
 三つ目、昭和二十八年の七・一八水害にも見られなかったほどに流量があり、護岸を越えて水田を洗い流すという箇所が幾つもありました。今後に備えて護岸の高さに考慮を払う必要があるのではないかという意見が被害者の中からも強く出ておりますが、いかがでしょう。
 四つ目、日方川、亀の川及び下津町加茂川等の護岸の復旧及び堆積土砂の多いことが今回の特徴だとされております。これのしゅんせつ等、特別の取り組みが求められているけれども、どう対処されるのか、お答え願います。
 次に、振興局設置に伴う海南工事事務所設置の問題についてであります。
 四月一日よりの振興局設置に伴い、海南工事事務所、海草教育事務所等が地元に設置されました。知事は、かねてより身近な課題は身近なところでとの県行政の理念を述べられ、これの発露として具体化に踏み切られたものと伺っておりますが、知事は副知事を辞して、知事選挙とはいえ県内をくまなく歩いたけれども、そこでわかったとして、知事当選後初めて議会に出られて所信を述べられました。そのときの言葉は、県民の声が県庁に届いていないということでした。正直言って、知事、そんなことをはばかりなく言ってもよろしいのかと、気遣いさえしたくらいであります。翻って考えてみて、よくぞ言ったと思いました。小野、大橋、仮谷と、戦後五十年の県政を厳しく総括することにも通ずる言葉だと受けとめ、だからこそ、そのときの議会で私は一般質問に立ったときに、それを取り上げて、よくぞ申されたものだと申し上げました。あれこれをつけ加えて解釈を申し上げることはやめます。要は、勇気ある発言と受けとめ、評価を与えたことを明確に申し述べます。
 以降、つぶさに西口県政を大所高所でうかがってみるにつけ、いろいろと申し上げれば幾多あるけれども、所信を貫き、実践されているとお見受けするのであります。その具体例が、中でも県の出先機関を地元へ決定され実行されたことと受けとめられるのであります。
 出先機関を充実発展させるには、なお時間的経過も必要であろうことは十分理解します。さて、出先機関を機能させてみれば、やはり、こうもすればいい、ああもすればよいと思うことが多くあろうと思うのでありますけれども、そこで、せめて土木関係の道路整備課、道路管理課及び用地対策の充実強化を急いでもらいたいわけであります。やがて総合的に機能を移すことを見通されているのかもしれませんけれども、当面、早いところでさきに申し上げた部署を移してもらいたいことを強く要望しておきます。
 身近な問題は身近なところでとの行政姿勢はまことに当を得て、見違えるほどの対応と、地元関係自治体はもちろん、住民も色めき立つほどの対応と期待をもってこたえていることを申し上げておきます。それの充実強化に励まれることを重ねて求めておきたいと思います。
 次に、貴志川にかかわる幾つかの架橋のかけかえの問題についてであります。
 昭和二十八年、七・一八水害により、ことごとく架橋は流されました。その後、かけかえられて五十年になろうかと思います。耐用の度合いもさることながら、社会の進展に伴い、これらの架橋のかけかえを望む声が強くなってきています。加えて、貴志川にかかる幾つかの橋に比べても余りにも劣るとの観点からの声が加わり、山橋、昭和橋、北野上橋の三橋のかけかえが強く求められているところであります。
 県の管理河川にかかる市道の橋であるだけに、直ちに県に対処方を求めることはそぐわない点もあろうことは十分承知しながら、海南市が地元住民の要求実現のために県に協議の働きかけがあったならば積極的に対応をされるかとのお聞きを申し上げておきたいと思います。
 次に、小関教育長の所信にかかわってのお話で幾つかをご質問申し上げます。
 和歌山県の教育行政の体制が、小関教育長のもと、新たに出発をいたしました。さきの議会で今日の和歌山県の教育についてその基本的なところにかかわって幾つか指摘もし、尋ねもしました。繰り返してお尋ねするつもりはないけれども、人がかわればまた新たな取り組みが開始されるであろうとの期待もあるところから、幾つか申し上げなければなりません。
 議会で新任者のごあいさつがありました。小関教育長は、「人と人、心と心のつながりを大切に」と申されました。これについて、いましばらく説明をお願いします。
 二番目は、和歌山県の教育は、恵まれた風土と地域社会に包まれ、中でも人間を大切にする教育を基軸に取り組まれ、発展させてきました。幾多の山河を越えながら、その歴史と実績は高く評価されるものがあろうかと思うけれども、これについてのお考えをお願いします。
 三つ目、そのよさとすばらしいものをはぐくみながら、時には管理主義、能力主義に持ち込まれようとすることに厳しく対処し切れていない面もあり、さまざまな問題解決に苦慮されてきたことは否めないのではないかと思うけれども、どうでしょうか。
 四つ目、単に教育行政の側面から眺めて、そこだけに原因を求めるには余りにも厳し過ぎるかもしれない。子供たちにあらわれている新たな荒れ、エスケープ、私語、突然のパニックなど、授業が成り立たない状況、また、非行、いじめ、登校拒否、ナイフによる傷害事件、授業についていけない子の増加に加えて、教育を直接担う職員の間に、何をやってもうまくいかない、達成感の喪失、行き詰まり感等から精神疲労が急増していることは新たな教育問題だとさえ言われ出しているのであります。
 いわゆる、教師がキレてしまうというのでしょうか。文部省調べでも年々増加傾向にあるとの調査を見たけれども、これに対する県内の状況、それへの取り組みはいかがなものでしょう。いわゆる燃え尽き症候群の広がりの状況と、それに対する問題把握と対策についてはいかがなものでしょう。
 次に、核廃絶への取り組みの一つをご提言申し上げ、取り組みをお願いしたいところであります。
 今議会の冒頭で、「核実験の禁止及び核兵器の廃絶を求める決議」がされました。この決議を積極的に評価しながら、幾つかの提起を試みたいわけであります。
 インド、パキスタンの核実験により、世界の核不拡散体制は崩されたのではと思うのであります。アメリカなど核保有国の核寡占の不合理性と核拡散の抑え込みの説得力のなさが暴露されたのではないでしょうか。
 加えて、日本は、非核三原則を堅持し、核廃絶を主張できる国としてまさしく存在感を強くしていると思うのであります。核不拡散条約は核保有五大国に対して核廃絶を求めていないことなどを考えれば、核不拡散体制の堅持にとどまらず、核廃絶に向けた現実性のある道筋を設定させるための世界戦略を持つため、世界唯一の被爆国・日本こそが立ち働くことを国際的に求められているのではないでしょうか。
 六月十日の朝刊の報ずるところ、非核八カ国が核廃絶への共同宣言、拘束力ある規制の提唱とあったけれども、これに日本国は入っていないようであります。先頭に立って推進せねばならないところだと思うけれども、日本国政府は何を考えているのか、理解に苦しむところであります。国民の非核、核廃絶への願いに沿うた外交になっていないのではないかとさえ思うのであります。本議会の決議はその意味を十分加味されたものと受けとめながら、以下、具体的に話を進めてまいります。
 現在、九八年核兵器廃絶国民平和行進が広島、長崎に向けて取り組まれています。その道すがら、核保有国が存在する限り核戦争の危険はなくならない、すべての国が核を廃絶するしかないと訴え続けて歩いているのであります。
 ところで、県の非核医師の会のニュース──今年の五月三十日発行とされておりましたけれども──を見せていただく機会を得ました。このニュースに海南在住のある商店経営者の手記がありました。「ビキニ水爆実験の生き証人・第五福竜丸のエンジン発見」と題したものでありました。
 手記は、次のようなものでした。「戦争を知らない息子が、一度切りの人生だからとのことで、原水爆禁止核廃絶の平和行進の通し行進者として歩いた。一九九一年五月十二日、東京夢の島、第五福竜丸展示館前をスタート、九十四日間、千キロメートル余りの道のりを『子供たちの未来に平和を』と訴えて歩いた。そのときの通し行進者の女性と縁があって結ばれた。そのときの仲人は、静岡県の三・一ビキニデー実行委員会委員長で、氏が和歌山にあいさつに来られ、和歌浦を見るなり開口一番、『和歌山はよいところだ。第五福竜丸の建造の地だ』と申された。通し行進者としての息子の決意と結び合わせるとき、第五福竜丸のエンジン引き揚げを資材をなげうってでも実現し、夢の島の本体のもとに返そう、そのことが日本の平和を求める強い絆となるであろうと決心し、それに取り組み、実現された。その間、大きな県民運動として発展し、支えられました。今日、中学校の修学旅行先の見学の一つにも位置づけられていることを承知しています」、と記されています。
 そこで、第五福竜丸の建造地は和歌山の古座町にある古座造船所だとのことであることにかんがみ、アメリカの水爆実験で死の灰を浴び、一九五四年三月、静岡は焼津港に帰った後、船体とエンジンが離され、エンジンは別の船へ積まれ、三重県御浜町沖合で沈没して二十年余の後引き揚げられ、本年二月、夢の島公園の船体のもとに返されたと言われます。
 非核医師の会ニュースに基づきながら、かなり長く経過を申し上げたけれども、言いたいことは、一つには、冒頭に申し上げた核廃絶への県民の心をさらに高揚させるため、エンジンが夢の島の船体のもとに返されたことを記念して、建造地・古座町に記念碑建立の取り組みを進められてはどうでしょう。本来は、和歌山県下に非核のメッカとして置くべきではなかったかとさえ思いつつ申すわけでありますけれども、まさに熊野灘を見はるかす適地を選んで建立することを建造地の古座町に働きかけられ、実現されることを強く求めておきたいものです。
 二つ目。あわせて、熊野体験博の平和ゾーンとして、建造地・古座町をメーンにそれなりの取り組みを企画されてはいかがなものか。全国広しといえども和歌山県しかできない特色ある取り組みとして、積極的に私の提起を受けとめて実現方、取り組みをお願いしたいものであります。
 次に、農業振興と発展に関連して幾つかお尋ねいたします。
 今度の議会で、農家への新たな融資の実施を提案されているところからも、行政としても、昨年のミカンや柿など、農産物の価格の低迷が農家の家計を直撃したばかりか、農業の再生産を脅かしている実態を認識されていることと受けとめます。そこで、もう一歩の対策を求めるものであります。
 先日、農林水産省の情報統計事務所から和歌山県の農業五十年史とも言うべき立派な体裁の本が発行されました。和歌山県民が幾多の試練を乗り越えて果樹王国を築いてきた、その歴史を見ることができるわけであります。
 しかし、近年、農産物の外国からの輸入の増大はすさまじいものがあります。農産物の輸入額は、日本全体では一昨年で四兆円を超えております。果実で、二十八年前の生産量が五百四十六万トン、輸入が百十八万トンであったのが、一昨年には国内生産が四百二十三万トンと減少し、輸入量が四百五十二万トンと大幅に伸びて、国内生産量と逆転するまでになっているのであります。
 先日、有田地方の農家の皆さんからお話を聞く機会がありました。そこで話されていた農家の皆さんは、農業への展望を失いがちになる中でも何とか農業でやっていけるところまで頑張りたいと申されるのであります。
 ご承知のように、昨年産のミカンは大変な豊作でありましたが、消費不況などによって価格が低迷をいたしました。それぞれの市場の卸値は、十一月のキロ百三十円が例年なら上昇するはずの十二月に百十円前後に下がり、一月には八十円、七十円という記録的な安値をつけたのであります。和歌山中央市場でも、十一月が百四十五円、十二月が百三十一円、一月は七十四円、二月が七十七円というものでした。
 さきの和歌山県農業の五十年の本によりますと、一反当たり生産経費が二十万円かかるということであります。労賃が同じく四十万円以上、合わせて六十万円が生産に必要な原価であります。有田の農家によりますと一反で約三トン、十キロ段ボールで三百箱ができるとのことですから、十キロで二千円がなければ自分の労賃が出ないことになります。有田の農家は、再生産を維持するためには十キロで千六百円から千八百円が要ると話していましたが、その実感と農水省の統計はまさに符合している金額であります。
 豊作だから少々値段が安くても農家には平年並みの手取りが入るかのように認識しているとしたら、大きな間違いであります。大阪やそれぞれの市場に出荷された昨年の和歌山県産のミカンは約一万五千トン、それぞれの市場の五四%を占めていますが、そこでの売上額は約十八億円だと推計されます。十キロ段ボールの出荷経費が六百円だということですから、それだけで総売上額の半分、九億円になります。農家はここから肥料や農薬などの生産経費、農機具や軽四の経費、水利の負担金を出し、その上、生活費を出すことになるのですから、ことしも去年のように金にならなかったとしたらもうやっていけないという声が出てくるのも当然であります。
 農業は、国の柱であります。自給率の低下を放置することは、国を危うくするものであります。農業を守る姿勢を強くされることを求めればと思うわけであります。
 そこで、お聞きいたしますけれども、さきの二月議会でも、有田地方のJAが緊急融資を行ったことに対して、県としての利子補給を求める質問が行われました。有田地方でのJAへの融資申請の実情を把握されていると思いますけれども、その現状をお聞かせください。そして、県として、融資だけでなく利子補給を行う考えにはなっていないのかどうか、見解をお示しください。
 次に、農産物の価格保証の問題であります。
 今、一部の野菜においては価格安定基金制度が国と県の事業として行われているわけですけれども、ミカンの生果においてもその実施を求めたいのであります。
 宮崎県の温州ミカンの価格保証制度を学ぶ機会がありましたけれども、宮崎のミカンの生産量は和歌山のほぼ六分の一であります。三千億円を超える宮崎県での農業生産の中にあっては低い役割にすぎないということですけれども、既に一九七七年から価格安定事業を開始し、昨年度の安値に対しては七千六百トンの生果に約一億円を基金から交付したとのことであります。
 昨年のような低価格が二、三年も続くことになれば、一気に離農が進み、ミカン山が荒れることが心配されます。果樹王国を言う和歌山県でこそ、果樹の価格保証制度を充実させるのが真の果樹王国というものではないでしょうか。ミカン類だけでなく、柿も同様であります。県として果樹の価格保証制度を充実強化させるときだと考えるものですが、いかがなものでしょう。
 関連して、野菜の価格保証制度による現在の基金造成額と過去三カ年間の交付金額をお聞かせください。
 また、負担区分の問題ですけれども、県と生産者が同じ負担というのは納得しがたいことであります。野菜の種類や指定産地をさらに拡大することなど、検討していただきたいと考えます。ご見解をお示しくださることをお願い申し上げて、一回目の質問を終わりたいと思います。
 ご清聴ありがとうございました。
○議長(木下秀男君) ただいまの中山豊君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 土木部長長沢小太郎君。
  〔長沢小太郎君、登壇〕
○土木部長(長沢小太郎君) 中山議員のご質問にお答えいたします。
 まず、五月十六日夜半の局地的集中豪雨に係る災害対策についての四点について、まとめてお答えさせていただきます。
 去る五月十六日夜半から十七日未明にかけまして、県北部とりわけ有田・海草地方を中心に、海南市で連続雨量百五十ミリメートル、有田市で最大時間雨量四十二ミリメートルといった集中豪雨に見舞われました。県におきましては、五月十六日二十三時四十分、水防配備態勢第一号を県下全域に発令いたしまして、職員を動員し、警戒態勢をとりました。
 被害状況についてでございますが、海南市を中心に、家屋の浸水五百八十一戸、がけ崩れ等の土砂災害二十一件、また、河川、道路、橋梁等の被害は県、市町村合わせて三百五十五件、被害額も約十八億円の報告を受けております。
 なお、公共土木施設の被災箇所につきましては、災害復旧事業等で対応いたしたく現在国に対して申請準備を進めておりまして、一日も早い復旧を目指し、積極的に取り組んでおります。
 亀の川の溢水した箇所につきましては、今後、状況を再調査し、現地に適した工法を検討し、適切な対応をしてまいりたいと考えてございます。
 また、日方川、亀の川及び加茂川の土砂の堆積につきましては、堆積土量が多く、治水上支障のある箇所のしゅんせつに取り組み、河川の適切な維持管理に努めてまいります。
 次に、貴志川にかかる橋のかけかえについてでございます。
 議員ご質問の、貴志川にかかる山橋、昭和橋、北野上橋の三橋につきましては、いずれも海南市道として昭和二十九年に架設されたものでございます。これにつきましては、地元からかけかえの要望があると聞いてございます。今後、海南市より要望があれば整備方法について協議してまいります。
 以上でございます。
○議長(木下秀男君) 農林水産部長尾崎武久君。
  〔尾崎武久君、登壇〕
○農林水産部長(尾崎武久君) 中山議員ご質問の、農業振興についてお答え申し上げます。
 融資申請の実情と利子補給についてでございますが、平成九年産ミカン価格の低迷に伴って有田地方のJAが実施した緊急融資は四月末で締め切ってございまして、その申請状況は、約一千件の十七億円となってございます。
 県といたしましては、厳しい生産農家の実情から、資金需要の調査を実施し、生産農家のなお一層の経営の安定を図るため、低利な融資を行うための利子補給に要する経費を今議会にお願いしているところでございます。
 農産物の価格保証についてのお尋ねでございますが、現在、果実については果実生産出荷安定基金があり、この制度に基づき、平成九年産の温州ミカンについて、本県では五億二千四百万円余りが農家に交付されることになっております。
 県といたしましては、今後とも既存制度の充実強化を国に対して強く働きかけるとともに、果樹産地の体質強化を図るため、園地のフラット化を初め、生産基盤の整備を重点に積極的な取り組みを行ってまいりたいと考えてございます。
 次に、野菜価格安定対策についてでございますが、平成九年度末現在の資金造成額は十二億三千万円で、補給金交付額はここ三カ年で一億七千五百万円となってございます。なお、県と生産者の負担区分については、国の野菜供給安定基金の業務方法書等で同額となるように定められておるところでございます。また、野菜の種類や指定産地の拡大については、毎年見直しを行いながら、現在十六品目、二十八産地を指定しており、今後も野菜生産農家の経営安定に努めてまいる所存でございます。
 以上でございます。
○議長(木下秀男君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 最初に、先般のごあいさつで申し上げました「人と人、心と心のつながりを大切にする教育」についてでありますが、不登校、いじめの問題を初めとして、最近の中学生による事件、さらには大人社会を含めたモラルの低下、家庭や地域の教育力の低下など、教育をめぐるさまざまな課題の背景の一つに、子供同士、親と子、教師と子供、そして地域社会等における相互の人間関係が希薄になっていることがあると指摘されております。
 社会を支えているのは人と人とのつながりであることをいま一度強く心にとどめ、人を思いやる豊かな心を育てるとともに、互いの信頼関係を高める教育を打ち立てていくことが極めて大切であると考えているところであります。
 次に、これまでの本県の教育についてでありますが、ご指摘のように、本県では恵まれた風土と温かい地域社会の中で、一貫してたくましく心豊かな人間の育成を目指す教育を推進し、多くの優秀な人材を輩出してまいりました。こうした伝統や成果を受け継ぎながら、特に近年は、特色と魅力のある学校づくりに取り組む中で、生徒の個性をより一層伸ばすとともに地域の振興にも寄与できるよう、学校間連携や総合学科を初めとする多様な学科の新設、改編を行ってきております。また、開かれた学校づくりの観点から、学校の持つ機能を地域に開放するとともに、地域の持つさまざまな教育力を活用して、勤労や奉仕等の体験を重視した学習を積極的に進めております。
 こうしたことに加え、本年度から本県教育の大きな柱の一つに「ふるさと教育の推進」を掲げております。ふるさと和歌山への理解を深め、誇りと愛情をはぐくむとともに、すばらしい自然や文化、歴史を生かした和歌山の教育を創造してまいりたいと考えております。
 次に、これまでの教育がともすれば知育に偏重した画一的なものになりがちであるという側面を持っていることへの反省に立って、子供の主体的な学習を促進し、一人一人のよさを伸ばす教育を推進するため、教育システムの多様化、弾力化や評価方法の工夫などを内容とする教育改革を実行しているところであります。
 しかしながら、まだ十分その趣旨が浸透していないのではないかとの指摘があるのも事実であります。教育委員会といたしましては、教育関係者の意識の改革を図りながら、趣旨を徹底し、改革の完成を目指して努力を傾けてまいる考えであります。
 最後に、今日の学校現場では、子供や保護者の価値観の多様化が進むとともに、複雑な社会環境の中でさまざまな教育課題に対応した実践が行われております。本県教職員のストレスによると思われる病気休暇及び病気休職者数は、ここ数年ほぼ横ばいの状況にあります。本県では、教職員のメンタルヘルスに関して、学校長等を対象とした研修会を初め、さまざまな機会を通じて理解を促すとともに、適切な対応について指導しているところであります。
 議員ご指摘の、いわゆる燃え尽き症候群と言われることにつきましては、注意深く状況を把握しながら、今後一層、教職員のメンタルヘルスの問題に取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(木下秀男君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 33番中山 豊君。
○中山 豊君 二つの質問に対して、答弁を求めず、要望という形式をたどった意味合いについて少し申し上げなければ、答弁を求めなかったことは軟弱だなどというふうに思われても片腹痛い話だから、そうでないんだということをまず申し上げておきたいと思います。
 申し上げた二つの課題については、議会開会が招集されて、質問の段取りがあって、その限られた期間の中で当局の皆さんとすり合わせながら答弁を用意されるというようなたぐいの問題よりも、もっと時間をかけて豊かな内容をつくり上げていく、創造していくという行政側のゆとりあるものが必要であろうと、こういうふうな立場から問題を投げかけて、即座に議会の場を通じて答弁をいただくという道を選ばなかった。そういう意味合いからも、当局の皆さんは、深く広く豊かな内容をつくり上げて具体化していただけるよう引き続き求めてまいりたいという心持ちで要望申し上げたことをご理解いただきたいわけであります。
 次に、災害の問題について、河川がはんらんをして護岸が決壊するとかどうだとかという事態に立ち至ると、直ちに災害復旧というふうな形で取り組みはされるということになっているんですが、護岸はしっかりしているけれども、その護岸の高さを乗り越えて、その護岸の裏側にある水田の耕作される黒土がすべて押し流されるというふうな事態に対して何ら被害者は、行政に向かってあれやのこれやのという施策を求めるということになりにくい状況にあります。だからこそ、せめてお願いしたいのは、このような越水する水害というのは将来にわたって起こらない保証は何もない。だから、あとしばらく、ブロックの一段ないし二段ぐらいは積み上げてほしいという要求も道理のある話だと思います。今、部長の答弁は明確に具体的にどうというふうなことはなかったけれども、河川の状況やいろんなことをご検討されるというお話のようですから、その検討の内容と具体化をお待ちすると、こういうような形でこれを受けとめておきたいと思います。極めて深刻な事態です。田んぼそれ自身が流されて、ことしの田植えにならないという田んぼは幾らもあるんですから。そのように申し上げておきたいと思います。
 次は、貴志川にかかる橋の問題ですけれども、市道にかかる橋だから県が直接あれこれということにならないのは十分承知の上で、もし市から県の方に要請があった場合には積極的に対応してあげてくれるかというふうな質問だったと思うんですが、ただ単に、申された地元の自治体から言うてきたらあれこれということじゃなくて、地域住民とのかかわり合いや地域の人たちから積極的にその問題が議員に投げかけられて、議員がかかわる地方自治体へも申し上げながらも、議会を通じてそのことを提起しているんですから、自治体から要請があればというふうな立場ではなくて、議会を通じてそのような反映をされているけれども地元の自治体としてはどうかというような形で、ある姿を引き出すというふうな県当局の積極的な姿勢を求めておきたいと思います。
 次に、教育の問題です。
 子供の問題もさることながら、直接教育に具体的責任を持たなくちゃならない教師がすべてダウンしかかっているということは、何事かならん話だと私は受けとめるんです。だから、教師がそのようにならないような手だてというのは、即子供を守る話、子供を正しく教育する環境をつくる根本的な課題だと思うわけです。
 今日の子供たちの起こしているさまざまな問題も、言うなれば教師が子供の心を、教育長が言うように「心を心として」「人と人として」という関係がやや脆弱な状態に陥れられていることの反映として子供の問題が起こっているとするならば、教師がダウンして子供の問題が正しく受けとめられないという状況ができたとするならば、まさに教育は致命的な打撃を受けるということになりかねません。そういうふうなことは釈迦に説法だと思いますけれども、注意深く対応していくという言葉の中に深い意味があるんでしょう。
 そういうことと受けとめながら、教師の精神疲労の問題については殊のほか気を使いながらお取り組みいただくようお願い申し上げて、僕の質問を終わります。
○議長(木下秀男君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で中山豊君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
○議長(木下秀男君) この際、暫時休憩いたします。
  午前十一時四十二分休憩
      ─────────────────────
  午後一時三分再開
○議長(木下秀男君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
      ─────────────────────
○議長(木下秀男君) この際、お諮りいたします。総務委員会に付託されております議請第三十九号「非核平和の県宣言を求めるについて」の請願に関して、請願者より件名を「非核兵器の県宣言を求めるについて」と訂正したい旨、願い出がありましたが、これを承認することにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(木下秀男君) ご異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
      ─────────────────────
○議長(木下秀男君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 2番木下善之君。
  〔木下秀男君、登壇〕(拍手)
○木下善之君 議長の許しをいただきましたので、ただいまから一般質問をいたします。
 まず最初に、産業廃棄物問題について。
 橋本市野地内の日本工業所の問題でございますが、西口知事の英断で、平成九年五月一日より産業廃棄物の持ち込み禁止、焼却中止となり、同年七月一日より焼却予定の産廃物約三分の一の持ち出し、残り三分の二は十二月より翌年四月末までの期間で一次、二次合わせて約二万立方メートル、トラックにして二千四百台相当の持ち出しをされました。
 一方、「産廃富士」と言われてございます奈良県西吉野村の産業廃棄物、あるいは岸和田市の人家に近いところの産廃などは全く手をつけられておらず、西口知事の熱意と法を超えた判断で解決の方向を示されたことに感謝いたしますが、職員が逮捕されたことは知事の努力もむなしいものとなります。今後まだまだ解決されなければならない問題が残っており、次の四点について生活文化部長にお尋ねいたします。
 まず、設置許可に至る経緯についてであります。
 日本工業所は、平成七年春ごろより現在地において野焼きが始まり、平成八年春まで野焼きが続き、この間、現場火災が発生するなど、消防車出動七回を数え、県は野焼きは違法であるとし、行政指導のもと、業者は平成八年二月二十二日処理施設設置申請、同年四月三日に産廃処理業と収集運搬業の許可を与え、同年四月十一日より本格的に焼却を開始されたのであります。この間の野焼きの焼却灰は持ち出さず、埋め立てされていることも現実であります。業者は、多量の本格的な産廃を持ち込む以前から長きにわたり野焼きの違法を繰り返されており、この初期にとめられなかったこと、火種の小さいときに消せなかった点も、今後の教訓と考えます。炉による焼却は平成九年四月までの一カ年余り続き、相当量焼却され、その間、周辺住民に多くの被害を与えたことは事実であり、通院者が続出、入院された者、煙の害のため転居された者が出るなど、周辺地域の関係者は困り果てたと言わざるを得ないのであります。この焼却炉は極めてお粗末で、野焼きと大差のない上昇温度、四百度から五百度の助燃剤を用いなければ焼却できない炉で、ここにも問題があったと思う。県の当時の担当職員が関与し、逮捕、起訴されたことはまことに遺憾であり、警察の捜査と司直の手によって判明されると思うが、設置許可に至る経緯と次の三点もあわせて答弁を願います。
 一、一カ年近い野焼きの焼却灰を全然持ち出していないことについて事実なのかどうか。
 二、許可に当たって違法はないのか。
 三、許可に当たり担当者が便宜を図ったことについてであるが、本来、法に基づいて指導監督あるいは告発すべき立場の者が黙認してきたのではないか。逮捕後で言えることは、違法行為に加担していたとすれば重大な問題であり、どうであったのか、お尋ねをいたします。
 次に、水質検査の相違結果と今後の定期水質検査の実施についてであります。
 本年三月二日、地元住民立ち会いのもと、県及び地元依頼の民間検査機関においての結果については、同一場所において同時に浸出水を採取した結果、県はすべての項目で排水基準、環境基準を下回り、有害物質は検出されなかったとし、一方、民間の検査機関の分析結果において、重金属類の二種類が環境基準を超えた結果となっております。同一場所の浸出水に相違が数値としてあらわれたことは、県としてどう判断をされるのか。見えない物体は数値を信頼するほかないわけであります。その見解について答弁を願います。
 また、本問題の完全解決に至る間、県は水質検査を実施する旨の答弁をいただいておりますが、今後定期的に検査を実施すべきであると考えます。次回はいつ実施されるのか、あわせて答弁を願います。
 次に、埋立地のボーリング調査について。
 平成八年四月より本格的な焼却施設の稼働が開始され、その後、平成九年四月末までの一年余りの焼却期間中に相当量の産廃が埋められていると地元関係者が言っております。事実を地元は確認しているとしているが、当時の保健所の担当者は一部黙認していたのではないか。このことは、まだ悪臭を覚えるとの周辺住民の声であり、地元は埋め立ての完全撤去することの強い意見であります。この不安を払拭させるべきでないか。したがって、埋立地のボーリング調査なり、他の掘削方法で調査をぜひすべきと思うが、どう考えておられるのか。答弁を求めます。
 次に、ダイオキシン調査について。
 大阪府能勢町の農業高校のクリ園の土壌から数カ月前に多量のダイオキシンが検出された問題で、全国の注目の的となっており、さらに細部の検査の結果、表土の入れかえにまで発展しています。つまり、一グラム当たり千ピコグラム以上検出された周辺地域の三万平方メートルの土壌の入れかえを決定し、準備が進められています。また北海道においては、焼却施設から五キロメートル以内の牛の乳脂肪を調査した結果、一グラム当たり四・六ピコグラムの高いダイオキシンが検出されているなど、今や国民の関心事はダイオキシンにあると言って過言でないと思います。オランダでは、牛の乳脂肪一グラム当たり六ピコグラム以上検出された場合、廃棄処分と言われております。これらの点から、日本は諸外国に比べ、環境保全の面で相当おくれていると言ってよいのではないか。ダイオキシン発生のメカニズムや人体への影響などで十分わかっていない面もあって、健康不安の解消に向けて国も急がねばならないのではないか。県は、国の指導待ちであるとかでなく、能勢町のように積極姿勢を示し、ダイオキシン検査を早急に実施し、その分析結果において出なければよし、規定以上に悪い調査結果が出たならば対策を施していくなど対応をすべきであり、調査についてどう考えてまいるのか、知事より答弁を願いたいのであります。
 次に、許可の取り消しと施設の即時撤去について。
 地球環境を初めとする地域環境の保全に、国民がまた県民一人一人が関心を持って努めなければならないときに、日本工業所の行いについて全国津々浦々まで産廃騒動として知られたダメージは、本県にとって、また地域にとってはかり知れないものがあります。そこへ、設置許可をめぐり業者の代表は贈賄容疑で逮捕されているなど、本事業の許可取り消しと焼却施設の即時撤去に踏み切るべきでないかと考えます。このことについて、知事の答弁を求めます。
 次に、綱紀粛正について。
 日本工業所の焼却施設の運転開始以降、申し上げたように、地元住民がのどの痛みなど訴えて通院患者がふえ、入院事態にまで発展した問題で、市及び地元関係者は県担当者に再三現状を訴え続け、私も速やかな対応を願いたいと強い要請をいたしましたが、県の出先機関の保健所の担当者は法を盾に取り上げず、また常に業者寄りの立場で対応されていたことを当時何度か耳にしたことがあります。今、逮捕・起訴されたことは当時現実にあったこととしか言いようがなく、昨年二月の私の一般質問で述べましたが、人間に害を与えていることは速やかに善処すべきとし、保健所の所長はドクターでありますので、現状調査の上、即座に通院患者宅を訪問して家庭内療法の指導ぐらいすべきでないかと発言をしておりますが、結局せずじまい。緊急事態の場合は臨機応変に対処すべきでないか。私は、このときの答弁を聞いて大変悲しい思いをいたしました。おまけに部下が収賄容疑で逮捕されたことはまことに遺憾で、痛恨のきわみであります。本人は当然、職場の上司も監督不行き届きとして相当な責任を負わなければならないと思う。そして、厳正に処分すべきであります。今後、こうした不祥事が二度と生じないよう、職員一人一人が気を引き締めて職務規律を遵守、綱紀の粛正について徹底して取り組まなければならないと存じます。そして、県民の公僕としてその職責を果たされるように、特に申し上げておきます。このことについて、議会当初、西口知事より陳謝の発言がありましたが、再度、知事より答弁を求めるものであります。
 次に、越境に関する指導要綱が生かされているかの問題で、平成九年六月十六日から施行されている県の要綱についてでありますが、今なお大阪を中心とする他府県より相当量の産廃と疑われる車両が入っております。このことについて、市、町及び住民からも強い要請があり、その実態を調査されたことがあるのか。また、特に早朝六時ごろからの指導取り締まりを行い、せっかくの指導要綱を十分に生かすべきであると考えます。
 本指導要綱が実施され、今日まで県外産業廃棄物搬入協議書の提出のあった業者数は何件であったのか。そのうち承認通知書の発行は幾らであったのかも、あわせて生活文化部長から答弁を願います。
 なお、この際、担当課だけの対応は無理というものでありますので、警察本部も含め全庁挙げて、さらに市町村の協力も得て産廃越境をとめることが本県にとって大切と考えますので、このことについても強く申し添えておきます。
 次に、本県農業の振興策について。
 農業問題もさらに厳しい現状の中、新たな農業基本法の制定に向けてさまざまな意見が出されておりますが、二十一世紀に向けた国民の食糧の安定確保は当然ながらも、農業者は希望の持てる農業をと願っており、後継者の育成が大きな課題であり、認定農業者や農業生産法人の育成とか、農業における現場の実情に即した考え方が大切と思っております。主食米作偏重の農基法ではだめでなかろうか。本県は急傾斜地の樹園地が多いなど、中山間地対策も重要な課題の一つであろうと考えます。食糧、農業、農村の構築のため、ひいては本県農業がさらに飛躍発展されるための新農業基本法であることを希望するものであります。
 質問に入ります。
 農産物価格の安定対策について。
 本県の基幹産業の一つは農業であります。果樹王国と言われ、中でもミカン、柿、梅は代表される果実であるが、昨年は価格が暴落となり、ミカンについては三月議会で多くの先輩・同僚議員からその施策に向けた質問がありました。安い原因は、何といっても生産過剰であること、景気の低迷による買い控え、消費者の嗜好変化などの要因も重なったと言えると思います。
 この際、柿の現状についてであります。
 門先輩議員が三月議会で質問されておりますが、昨年は近年にない暴落となり、採算を大きく下回り、そのため現在、柿農家は経営維持資金の借り入れが実に多いわけであります。全国生産量二十六万六千トン、前年比一二〇%、本県は六万五千七百トンの生産量で前年比一五三%と刀根の増加が目立ち、紀の川筋の主産地では収穫されなかった園地も見受けられ、奈良の産地も同様の光景が見られたのであります。ことしは今日まで災害もなく、生育は極めて順調で自然増が多く、昨年より生産量は相当多くなるのではないかと考えます。一方、柿の植栽動向を見ますと、一昨年までは比較的価格も安定したことなど、わせ柿の植栽は目をみはるものがあります。とりわけ、今日まで続いている米の生産調整による減反が、裏日本方面にも渋柿の植栽が増加している現状と聞いております。
 お尋ねすることは次の二点であり、第一点は、ことしの柿の生産と出荷に関して消費期間の延長をどうするのか、輸出向けの拡大をどうするのか、加工の対策、長期貯蔵であるとか、各産地間の計画出荷調整であるとか、市場流通を円滑にするため最大の努力を払うべきと考えますが、県としてどう取り組まれるのか、また農業団体とも連携を図るよう努力願いたいと思います。
 刀根わせの全国生産量は四万八千百五十トンで、そのうち和歌山県が三万三千五百トン、奈良県が八千九百トン、全国生産量の九〇%が和歌山県、奈良県産であります。昨年は刀根が後半暴落させたのが柿全体に影響したもので、和歌山県、奈良県の十分な協議をされるよう希望するものであります。
 第二点目は、長期的な価格安定対策についてお尋ねいたします。
 柿の全国主産県の関係者会議を持たれておることと思いますが、現在の生産量推移から、長期生産の需給の見通しの的確な再検討をしてその見直しを迫られているのではないか。農林水産省において、各府県の積み上げとともに、その対策について早期に万全を期すよう願うところであり、県として特に柿日本一の主産県としてミカンの二の舞を踏まないために今後どう取り組まれようとされるのか、お尋ねするものであります。
 次に、生産基盤の確立についてであります。
 農産物価格の低迷の続く中で、近代化し、省力化を図ることは大変重要であり、生き残るとか、産地間競争に勝ち残るためには、生産の基盤がしっかりしていることであります。幸い、ガット・ウルグアイ・ラウンド関連の圃場整備事業も県下各所で実施されていることは大変結構であり、県としても関係地元の熱意を酌み取ってやってほしい。
 そこで質問いたしたいのは、畑作地域とりわけ急傾斜地の多い本県の樹園地で、可能なところはフラット化を行うことが重要であります。フラット化の造成不可能な地域も多いが、可能なところは既成園の再開発を進めるべきと考えます。この場合、事業採択の中で立木の補償制度も含めることの希望が大変多い点について、今後可能かどうか答弁をお願いいたします。
 過日見させていただきましたが、粉河町の土地改良総合整備事業によって、既設園約四十ヘクタール、受益農家百十四戸の樹園地の整備が関係者の努力と熱意によってほぼ完成されており、大変立派なものであります。傾斜角度二十から二十五度が四度から五度にフラット化され、これから植栽とともに共同の大型機械を導入され、今後の厳しい産地間競争に打ち勝つものと思っております。大規模にフラット化されたすばらしいモデル圃場を県下広く知っていただき、PRする必要があるのではと考えます。そして、フラット化による楽々農業の推進を積極的に行うことについて答弁を求めるものであります。
 次に、紀の川左岸広域農道の今後の取り組みについて。
 本件は、平成三年度より着手されて工事も着々と進んでおり、紀の川左岸部の樹園地を東西に敷設することが農業振興の上で大きく寄与することは確かであり、望むところであります。本年も四億八千万円の事業費で進められ、おくれていた地籍調査も、一部を除き工区間はほぼ完了されたようであります。
 お尋ねしたいことは交通アクセスの問題であって、左岸中腹に立派な道路が設置されるが、農産物はすべて下へおろすという点から、下の公道と上の広域農道をつなぐ道路が極めて重要であり、県として橋本地域の上下をつなぐアクセス道路をどう考えているのか、お伺いするものであります。
 次に、紀の川用水の余剰水の利活用について。
 紀の川用水の当初計画は、二市七町の水田二千三百九十一ヘクタール、果樹園二千五十一ヘクタール、合わせて四千四百四十二ヘクタールを賄うとして計画されたが、一方、社会の変動と米の生産調整などの影響で、現在、水田、果樹園合わせて千七百ヘクタールの需要であり、計画に対し相当量水は余っていることとなっています。こうした点で、農水省が水の適正な利活用を図ることを目的として平成三年に制度化して推進されている国営農業用水再編対策事業において、利根川に続いて全国二番目として本事業における調査が平成八年、九年の二カ年で実施されております。農業用水の安定確保とともに、余剰水が有効に利活用されることは受益者の負担金の軽減にもつながるわけですが、この調査は完了されているのか。また、農水省はどう取り組まれているのか。適切な結果を早く出すべきと思いますが、どうか。
 以上、四件について答弁を農林水産部長にお願いいたします。
 次に道路交通網の整備促進についてでありますが、紀淡連絡道路が新道路五カ年計画において位置づけされましたことは大変意義深く、京奈和に続いて早期に事業化を望むところであります。
 まずお尋ねしたいのは、市脇・清水間の架橋と国道三百七十一号橋本バイパスの促進について。
 市脇・清水間架橋は、国道三百七十一号橋本バイパスの延伸部として、また高野山バイパスの玄関口としての架橋でありますが、長い間の念願でありました本事業については、西口知事の熱意と英断によるもので、今年度において事業化の運びとなり、公共事業として二億円の予算づけをいただき、国の採択をいただいたことは、関係地域の議員として感謝申し上げる次第であります。長きにわたっての誘致運動だけに、地元関係者は感無量であります。今後におきましては、国道三百七十一号橋本バイパスの延伸部として早期に開通をいただけるよう、今後なお一層の進展に向けて取り組んでいただけることを希望いたします。
 そこでお尋ねしたいことは、市脇・清水間架橋の今後の取り組みと、国道三百七十一号橋本バイパスも用地買収が相当進んでいると聞かされ、これが早期に本工事に向け着手されるよう切望し、それぞれ答弁をお願いいたします。
 次に、京奈和自動車道の本体工事着手について。
 京奈和自動車道橋本道路は、平成元年に事業化され、この間、調査測量と用地買収を中心に百五十四億六千万円を投じ、橋本区間においては用地買収も平成九年度末約五六%の進捗と聞き及んでおります。今日までの国及び県、関係市町のご努力と用地関係者の理解によるものであります。現在、工事用進入道路の設置、鉄塔の移設等に取り組まれております。
 そこでお尋ねしたいことは、本線工事の着手をぜひとも平成十年度内に実施されるよう国へ特段の要請をお願いしたいのであります。工事着手のつち音は地域活性化に向けての起爆剤であり、本体工事の着手についての以上二点、土木部長にお尋ねをいたします。
 次に、JR和歌山線の高速化と南海電鉄との相互乗り入れについてであります。平成十一年度政府要望に県として組み込まれておりますけれども、紀の川筋も電車が走っていることの認識を持っていただき、質問をいたします。
 平成十年度事業着手を目標に、県はJR和歌山線のスピードアップや快適性の向上を図るための具体的整備について検討を行うための調査が平成八年度において実施されているが、今年度より整備されようとしているのか、お伺いをいたします。
 現状は確かに乗降客が少ない点はあるが、西口知事が提唱されている紀泉百万都市構想の根幹をなすものはやはり交通網の整備であり、充実した都市基盤が必要であります。また、JRと南海高野線との相互乗り入れは可能であるとの見解を持っております。全国で幾つかの事例はあるが、紀北地域は大阪の通勤圏であり、人口の流出に歯どめがかかり、若者の定住も進み、産業、観光面の発展にもつながり、地域の活性化をもたらすこととなります。過去の運行のように、京都発の白浜・勝浦行き急行を、奈良も視野に入れて再現することが複線化の促進に拍車がかかるものと考え、JR和歌山線の高速化と南海電鉄高野線との相互乗り入れについて企画部長にお尋ねをいたします。
 以上をもちまして、私の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
○議長(木下秀男君) ただいまの木下善之君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
  〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 木下議員にお答えをいたします。
 まず、産業廃棄物問題に係るダイオキシン調査についてでございます。
 株式会社日本工業所敷地内の土壌中のダイオキシン類の検査につきましては、現在まで国から基準が示されていないため実施をしておりませんでした。しかし、国際的な関心の高まり、あるいは国の取り組みの進展を勘案いたしまして、実施に踏み切りたいと考えております。
 次に、許可の取り消し等についてのご質問であります。
 議会の冒頭にもご説明を申し上げましたが、日本工業所に対しましては、公判の推移を踏まえまして強い決意で臨むつもりであります。
 次に綱紀の粛正についてでございますが、今般、県職員が逮捕・起訴されましたことは、私といたしましても大変残念なことであり、極めて遺憾に存じております。このことを厳粛に受けとめまして、全職員に対し綱紀の厳正保持と服務規律の遵守を指示するとともに、各所属する研修の場でなお一層の徹底を図っていきたいと考えております。
 なお、処分につきましては、公判等の推移を踏まえまして厳正に対処いたしますとともに、さらに綱紀の粛正に努めてまいる所存であります。
 以上であります。
○議長(木下秀男君) 生活文化部長大井 光君。
  〔大井 光君、登壇〕
○生活文化部長(大井 光君) 木下善之議員にお答え申し上げます。
 産業廃棄物問題についてのうち、まず株式会社日本工業所に対する許可に至る経過についてでございますが、平成七年八月ごろから焼却炉に対する苦情がありました。そのため、改善の指導を行っていたところ、改善の約束とともに廃プラスチック類を焼却するための施設の設置許可、並びに産業廃棄物処理業の許可取得について相談がありました。施設の許可につきましては、改めて必要な指導を行い、許可したものであります。また産業廃棄物処理業の許可につきましては、処理施設の使用前検査を行った後、許可したものでございます。
 次に焼却灰の件についてでございますが、許可後のものにつきましては把握いたしておりますが、許可前のものにつきましては把握できておりません。
 なお、許可に当たっての違法はないか、また許可に当たり担当者が便宜を図ったのかというご質問についてでございますが、許可に当たりましては、法に定められた審査を行い、条件を満たしていたため許可したものであります。いずれも今回の事件の逮捕・起訴の理由にかかわる問題であり、当事者に接見できない状況にありますので、現時点ではこれ以上お答えはできませんが、今後の公判の推移等を注意深く見守ってまいりたいと考えてございます。
 次に、水質検査の相違の見解と今後の定期水質検査の実施についてであります。
 水質検査につきましては、民間の分析機関四業者に委託して行ったものであり、その四業者の分析結果が同様のものでありましたので、その結果を信用いたしております。また、今後とも水質の検査は継続して行っていく考えでございます。
 なお、次回のサンプリングにつきましては六月中に実施したいと考えております。
 続きまして、埋立地のボーリング調査についての質問でございますが、許可後に埋め立てたものにつきましては焼却対象物をふるい分けた後の土砂及び建設残土であると認識してございますが、現場の環境に対する影響を確認するため下流の水質検査を実施しております。排水基準に基づき、その結果が問題となる水質になった場合にはボーリング調査等を実施し、業者に必要な対策を講じさせる考えでございます。
 最後に、越境に関する指導要綱が生かされているかというご質問でございますが、昨年六月十六日に施行いたしました和歌山県産業廃棄物の越境移動に関する指導要綱につきましては、許可申請時や実績報告時など種々の機会をとらえまして周知を図っているところであります。要綱の趣旨は生かされているものと考えております。
 なお、県外産業廃棄物搬入協議書の提出のあったものにつきましては、本年五月末現在の提出件数は三百二十六件で、例外として認めたものは要綱施行時点で契約済みのもの三百十四件、リサイクル目的のもの十一件、合計承認件数は三百二十五件でございます。
 以上でございます。
○議長(木下秀男君) 農林水産部長尾崎武久君。
  〔尾崎武久君、登壇〕
○農林水産部長(尾崎武久君) 木下議員ご質問の、本県農業の振興策四点についてお答え申し上げます。
 まず農産物価格の安定対策についてでございますが、柿を含む農産物価格につきましては厳しい環境にあると認識してございます。こうした中、現在、生産者団体において販売促進のための市場関係者との協議会等を開催するとともに、出荷期間の延長を図る観点から、冷蔵柿や加工柿などへの取り組みのほか、マスメディアを活用した消費宣伝等も展開してございます。今後、さらにこうした取り組みを一層推進するとともに、海外におけるアンテナショップを活用した新しい販路の開拓にも取り組んでまいりたいと考えてございます。
 なお、議員お話しの産地間での計画的な出荷調整につきましては、非常に重要な課題であると考えてございまして、本年から紀の川流域の農協間で話し合いが行われるなど新しい動きも芽生えてきておるところでございます。今後、さらに他産地を含めた全国的な調整の場を設けるよう、関係団体に対し働きかけてまいりたいと考えてございます。
 次に果実生産の見通しについてでございますが、わせ渋柿の新規植栽が近年予想を上回っていることから、県といたしましては、農家の労働力配分なども考え合わせ、わせ渋柿よりも優良甘柿の導入を重視した営農指導に努めているところでございます。柿は果樹の基幹品目の一つであり、今後農家が安心して柿づくりに取り組める的確な需給見通しを国に対して強く求めてまいる所存でございます。
 次に生産基盤の確立についてでございますが、農産物の輸入自由化や農村の高齢化が進行する中、効率的で働きやすい農地の整備は重要であり、議員お話しの急傾斜園地のフラット化につきましても、地形上の制約もございますが、地元の要望を踏まえ、鋭意取り組んでいるところでございます。
 既存園地の再整備を進める上で立木補償についての要望が多いことは認識しておりますが、現行の事業制度では国の補助の対象として認められてございません。これまでも、国に対して制度要望をしてきたところでありますが、今後とも機会あるごとに国に働きかけてまいりたいと考えてございます。
 また、粉河町のようなモデル事例をPRすることは、本県農業を振興する上で大変重要と考えてございます。今後とも、市町村、農協等と連携を図り、事業の啓発推進に努めてまいります。
 次に、紀の川左岸広域農道の取り組みと交通アクセスについてでございますが、紀の川左岸広域農道は平成三年度、二期地区は平成五年度から着手しており、全体延長は一万七千九百三メートルで、その進捗率は平成九年度末事業費で四九%となり、平成十年度は事業費四億八千万円で工事を進めているところでございます。今後の取り組みにつきましては、橋本市は平成十年度、かつらぎ町は平成十二年度で広域農道に関係する部分の地籍調査が完了すると聞いており、今後、関係者の協力を得ながら用地買収を進め、事業の早期完成に努めてまいります。
 次に下の公道と広域農道との連絡についてでございますが、国道で二カ所、県道で三カ所、市町道で十二カ所が平面交差または取りつけ道路で広域農道との乗り入れが可能となっております。そのうち橋本市の東の起点となる市道清水西畑線は、幅員も狭く、急勾配、急カーブであるため、今後橋本市とも十分協議してまいります。
 次に紀の川用水の余剰水の利活用についてでございますが、紀の川用水を含め十津川紀の川土地改良事業で計画された紀伊平野及び大和平野の農業用水については、農業情勢の変化や都市化の進展による農地面積の減少などにより水利用計画の見直しが必要となっております。このため、農業用水必要量の見直しと余剰水の都市用水への転用による水資源の有効活用を目的として、平成八年度より農林水産省において国営農業用水再編対策事業の全体実施設計が実施されてきたところでございます。その中で農業用水の必要量の検討と関係改良区との調整を鋭意進めてまいりましたが、今後、都市用水の需要量や転用可能量の検討並びに河川協議等の協議調整が必要であり、引き続き平成十一年度まで全体実施設計を継続する予定となっております。県といたしましては、農業用水の安定確保と紀の川用水等の余剰水の有効利用を図るため、今後とも事業の早期実施に向けて積極的に取り組んでまいります。
 以上でございます。
○議長(木下秀男君) 土木部長長沢小太郎君。
  〔長沢小太郎君、登壇〕
○土木部長(長沢小太郎君) 木下議員の道路交通網の整備促進に関するご質問にお答えいたします。
 まず、第一点目でございます。国道三百七十一号の市脇・清水間の架橋につきましては、おかげをもちまして平成十年度に新規に公共事業採択されたところでありまして、本年度は現地の測量調査及び詳細設計と実施に向けたボーリング調査に着手いたします。今後とも事業促進に鋭意努力してまいります。
 また、府県間道路であります国道三百七十一号橋本バイパスにつきましては、京奈和自動車道橋本インターの関連道路でもありますので、用地買収の促進に努めているところでございます。本年度は、引き続き用地買収の促進とあわせ、一部本線工事に着手すべく検討してまいります。
 二点目でございますが、京奈和自動車道につきましては、各区間において事業促進が図られているところであります。このうちご質問の橋本道路についてでございますが、本年度におきまして、一連の用地買収が完了した橋本市隅田町真土地内における鉄塔の移設及び工事用道路を早期に完成させ、できるだけ早い時期に本線工事に着手すると聞いているところでございます。今後とも県といたしましては、橋本道路の早期供用に向け、関係市町とともに用地取得等事業の促進に努め、予算確保等についても国に強く要望をしてまいります。
 以上でございます。
○議長(木下秀男君) 企画部長中村協二君。
  〔中村協二君、登壇〕
○企画部長(中村協二君) 木下善之議員のご質問にお答えをいたします。
 JR和歌山線の高速化と南海電鉄との相互乗り入れについてでございますが、まずJR和歌山線の高速化につきましては、平成八年度の調査を受けて昨年度からJR西日本と協議を行っておりますが、事業費が二十億円程度を要することや地元負担の問題等さまざまな課題があり、現在、事業着手に向けて検討を行っているところでございます。さらに、本事業実現のためには沿線市町村の機運の高まりや採算性の問題等も重要な課題であり、今後これらさまざまな課題を整理し、沿線市町村の皆様とともにJR西日本に対し事業化を働きかけてまいりたいと考えております。
 また、JR和歌山線と南海高野線の相互乗り入れにつきましても、JRと南海の車体幅の違い、信号保安設備の違いなど施設面での問題、相互乗り入れ後の採算性の問題等、実現に向けて厳しい課題が数多くございますが、高速化事業の推進等による和歌山線の利用増進に努めるとともに、引き続き鉄道事業者に対し要望してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(木下秀男君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 2番木下善之君。
○木下善之君 それぞれ答弁をいただいたところでございますが、まず京奈和自動車道橋本道路の本線工事につきまして、今年度に着工をしてまいりたいという国の意向のようでございますし、その答弁をいただいたわけでございます。感謝申し上げておきます。
 問題は、日本工業所の産業廃棄物についてでございます。地元では、多量の産廃がまだ残っておると言われているわけでございます。埋立地のボーリング調査については、前回も今回も答弁の内容は全く同じであります。水質検査の結果を見ながらボーリングをしてまいりたいということでありますが、一度、調査方法についてそれぞれご検討いただいて、ぜひボーリング調査に踏み切るよう前向きな検討をお願い申し上げておきます。
 そしてまた産廃の越境の指導でございますが、答弁では指導要綱を十分生かしておるということであります。しかし、産廃と思われるダンプカーが非常に行き来しておるのが事実であります。果たしてこのダンプカーが協議済みのものばかりであるのか──私は、そうでないと思っております。ぜひ一度再調査をされるように強く申し入れておきます。
 次に紀の川左岸農道の交通アクセスの問題でありますけれども、この問題は過去三年有余、地元、市、県と工事用の進入道路で随分論議をしてきたんです。それは、私もすべて知り尽くしております。そういうことの上に立って質問をいたしておるわけであります。
 答弁をいただいたわけでございますけれども、急勾配の市道の問題等いろいろ難点もあろうと思いますが、今後、南海電車を高架で何とか越えるという工事用道路、そういう基本に立って市と県との協議に入っていただきたい、そういうことを強く申し上げておきます。
 以上三点、要望として申し上げておきます。
○議長(木下秀男君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で木下善之君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
      ─────────────────────
○議長(木下秀男君) 本日は、これをもって散会いたします。
  午後一時五十四分散会

このページの先頭へ