平成9年12月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(下川俊樹議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

○議長(木下秀男君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 5番下川俊樹君。
  〔下川俊樹君、登壇〕(拍手)
○下川俊樹君 平成九年十二月定例会、私で最後の登壇であります。連日ご精励をいただいているところであり、大変お疲れだと存じますけれども、最後までご清聴のほどよろしくお願いを申し上げます。
 私は、お許しをいただきまして、以下四項目について質問をさせていただきます。
 第一は鉄道整備であります。第二は救命救急医療、第三は熊野学研究センター、そして第四は市田川の改修についてであります。
 まず第一点は、JRきのくに線を走る特急電車のスピードアップ及びグレードアップについてでございます。
 この問題につきましては、私が議員当選以来、一貫して主張してまいったテーマであり、高速道路の南伸、内陸部道路整備と並んで紀南地域の交通対策の三本柱の一つとして取り組んでまいりました。幸い、高速道路の南伸も着実に整備され、また内陸部の山岳軸も、国道四百二十四号に加え、水上、栃谷から国道三百十一号線への整備、そして何よりも国道三百十一号線の大幅な改良により見違えるような成果を上げ、私どもが要望に要望を重ね、個人的にも親子二代にわたる悲願であった県内二時間交通圏の実現が目前に見えてまいりましたことは同慶の至りであり、地元の県会議員として大いに感謝を申し上げる次第であります。したがいまして、今回の質問は鉄道整備についてであります。
 平成十一年の四月から九月までの約半年間にわたって、熊野地域を舞台に南紀熊野体験博が展開されることになっており、地元の機運も相当盛り上がりを見せてきていることは、まことに喜ばしいことであります。それにつれて、地元の期待も日一日と大きくなってきてございます。
 熊野博に対する地元の期待とは何か。その内容はさまざまに考えられますが、今回は鉄道、道路といった交通面からの切り口からとらえてみますと、まず第一点は、この博覧会を機会に大きく基盤整備が進むということです。現に国道を中心とする道路面の整備は目をみはるものがあり、鉄道にも同様の期待がかかります。期待の第二は、整備された道路、鉄道を利用して博覧会終了後も継続的にお客さんが熊野地域に訪れてくれることであり、このことが継続的な熊野地域の活性化に結びついていくことへの期待であります。こうした二つの期待を背景に、以下、鉄道に絞って質問を進めてまいります。
 南紀熊野体験博では、田辺市と那智勝浦町の二カ所に拠点会場が設けられることになっておりますが、道路事情がよくなってきておりますので、リゾート博を例にとってみますと、参加者の大体七〇から八〇%ぐらいの人は乗用車や団体バスを利用することになると言われてございます。そうしますと、JRきのくに線を利用して二つの拠点会場へ来られる方は二、三割程度と見込まれるわけであります。そして、JRを利用される大方の人は、特急電車を利用するものとも思われます。
 ところが、現在、この特急電車には、オーシャンアロー、スーパーくろしお、くろしおの合わせて三つのタイプの特急電車が走っております。同じ乗車賃と特急料金、それと座席指定料を払っても、これらの電車の乗り心地には雲泥の差があると言っても差し支えありません。特に、特急くろしおの乗り心地が悪いということは衆目の一致するところであります。
 昨今、安く行ける海外旅行に押されて国内旅行は苦戦を強いられております。それは、海外の方がホテルも新しい上に安い、サービスも充実している、その上、パック旅行であれば航空運賃も非常に安いということがあり、国内旅行はどことも厳しい状況にあると言っても過言ではありません。このような状況の中で、南紀観光で利用されるJRきのくに線の一部の特急電車のサービスが余りにも貧弱であると言わざるを得ません。JRきのくに線の利用客がここ毎年落ちてきていると聞いておりますが、オーシャンアローは別にしても、特急くろしおであればだれもが二度と乗りたくないと思うのが普通ではないでしょうか。また、電車のスピードを見ましても、オーシャンアロー十八号では新宮から和歌山まで二時間四十分、くろしお十四号では三時間四分と、二十四分も余計に時間がかかります。きのくに線の高速化事業により本年の三月に新たに導入された新型の特急電車オーシャンアロー号については、スピードが速くかつ乗り心地も非常によいということで、快適な電車の旅を楽しめ、旅行客にもビジネスマンにも、また地元の人々にも大変好評であります。しかしながら、南紀熊野体験博にJRを利用して来ていただいても、特急くろしおに乗車された方には快適な旅行気分を味わっていただけないのではと、とても危惧するところであります。
 そこで、南紀熊野体験博を機会に、特急電車についてくろしお号からオーシャンアローへの全面的な切りかえを図るようJR西日本に働きかけるべきだと思いますが、知事、いかがでしょうか。所見をお伺いしたいと思います。
 次に、JRきのくに線のさらなる高速化についてでありますが、平成七年度と八年度の二カ年にわたってJRきのくに線の高速化事業が行われ、本年三月のダイヤ改正から和歌山・新宮間は二十分の時間短縮が図られてございます。新型の特急電車オーシャンアロー号が導入される以前は、スーパーくろしお八号で新宮から和歌山まで三時間七分かかっていましたが、オーシャンアロー十八号は二時間四十分で来られるようになっております。これを新宮から田辺までと田辺から和歌山までに分けて比較してみますと、新宮から田辺までは一時間三十八分、田辺から和歌山までは一時間二分となっております。これを距離で見ますと、全区間で二百・七キロ、新宮から田辺までは百五・二キロ、田辺から和歌山までは九十五・五キロであります。つまり、和歌山・田辺間は百キロを一時間で走り、田辺・新宮間百キロは約一時間四十分を要するということであります。また、これを平均時速から見てみますと、全区間で平均時速七十五キロ、新宮から田辺までは平均時速六十四キロ、田辺から和歌山までは平均時速九十二キロとなります。次に、オーシャンアロー号導入以前のスーパーくろしお八号では、全区間で三時間七分、新宮・田辺間で二時間四分、田辺・和歌山間で一時間三分となり、これを平均時速で見ますと、全区間で平均時速六十四キロ、新宮・田辺間で平均時速五十一キロ、田辺・和歌山間で平均時速九十一キロとなります。
 確かに、高速化事業により全区間で時速十一キロ、新宮・田辺間においては時速十三キロもスピードアップがなされておりますが、まだまだ高速化の余地があるのではないかと考えるのであります。新型オーシャンアロー号の導入やそれによるスピードアップは、地元の人々に大きな喜びと期待と拍手をもって迎えられました。私としましても、こんなうれしいことはありません。しかしながら、これはJRきのくに線改革の第一歩であり、地元の方々や私たちの要求はさらに第二段階のスピードアップにと、レベルアップしております。当局は、第一段階の成果に満足して気を緩めることなく、さらなるスピードアップへの取り組みを要望するものであります。
 もちろん、田辺から新宮までは単線であることは十分承知をしておりますが、特急列車用のポイント改良、そして線形の直線化、特に対向する駅舎におけるポイント強化とプラットホームを含めた線形の改良は当局の従来からの約束であり、早期の実現が望まれるところであります。JRきのくに線のさらなるスピードアップについて、知事の答弁を求めます。
 次に、新宮・東牟婁地域の救急医療体制についてお尋ねをいたします。
 心筋梗塞、脳卒中などの重篤患者が発生したとき、その医療を受け持つべき救命救急センターについては、南北二百キロに伸びる本県にあって、和歌山市に一カ所設置されているのみであります。もし紀南においてこのような患者が発生したときは、その患者に対する医療はどうなるのでありましょうか。現在の当地域の医療機関の状況を見れば、甚だ心もとないというのが実感であります。県勢の南北格差がよく指摘をされますが、人の命に地域格差があってはなりません。
 この救急センターの設置に関する厚生省の基準は、通常は人口百万人に一カ所、特例としても人口三十万人に一カ所と聞きました。この基準に従えば、新宮・東牟婁地方のようなこれから人口増加のそう望めないところにとっては、救急センターの設置はまず無理な話となります。しかも、当地域は高速交通体系がまだまだ未整備であり、加えて老年人口比率が非常に高く、今後さらに高齢化が加速すると考えられます。このような地域に対して一律に百万人だの三十万人だのといった基準を適用していくのは、地域住民にとっては大変つらく心配で、希望の持てる話ではありません。私はむしろ、視点を変えて、通常の輸送システムによる患者の搬送時間を基準として、例えば一時間圏に一救命救急センターといったような基準の方がより住民サイドに近い計画となるのではないかと考える次第であります。
 この際、人口の集積のみを当てはめる厚生省の基準の見直しや緩和を考えるか、それとも遠隔医療のような最新の技術を導入した現地診療体制の強化を目指すか、あるいは救急患者搬送の改善に取り組むのか、福祉の時代と言われる二十一世紀に向けて新宮・東牟婁のような地域を対象とした救急医療体制はどうあるべきか、私たちのぎりぎりの健康面を受け持つ重要な政策課題でありますので、この基本的な考え方について知事の答弁を求めます。
 また、今回は視点を変えて、観光対策という側面からもこの問題を考えてみたいと思います。
 熊野地域の貴重な資源の一つに観光があります。さらに県は、南紀熊野体験博を開催して熊野の魅力アップを加速させようと努められてございます。そこで、先般、エジプト・ルクソールの惨劇報道を見て、ふと観光客のセキュリティー確保という問題に思い及んだ次第であります。日本においてはあのようなテロリストによる人為的被害というものは余り考えられませんが、事故であれ自然災害であれ、あるいは食中毒のようなことであれ、一たび事件が起こってしまえば観光地のイメージに対する打撃は相当大きなものであると思われます。特に、被害者に対して速やかな救助・救急の治療が行われなければならないことは、地域イメージの問題にとどまらず、人道的見地からも当然であります。
 さて、このように観光振興ということにも関連するこの救急医療というテーマは、かねてから新宮・東牟婁地域の住民生活においても大変大きな問題であるわけでございますので、今回、ここに改めてお伺いをいたしたいと思います。県は新宮・東牟婁地域の救急医療体制についてどう取り組んでおられるのか、部長の答弁を求めるものであります。
 次に、熊野学研究センター構想について質問を続けます。
 本構想については、熊野デザイン会議以来のテーマであり、その後の経過については改めて繰り返す考えはありません。私は今回、この問題を南紀熊野体験博との関連においてとらえてみたいと思います。私なりに南紀熊野体験博を大ざっぱに整理してみますと、それはつまるところ、いかに熊野の魅力を全国の方々にお伝えするか、そして、その熊野の魅力を求めていかに長年にわたってこの地を訪れてくれるきっかけとするかということになるのではないかと思います。そのためには、本物の熊野を丸ごと提示しなければなりません。
 熊野には、海、山、川、温泉等、さまざまな魅力がありますが、悠久と守りはぐくんできた歴史、文化も大きな熊野の資源であることは今さら申し上げることもございません。私たちはこの博覧会を通じて、熊野がいかに魅力的か、そして大切かということを再確認し、そしてこの熊野をこれからも大切に整備し、保存し、二十一世紀の子や孫たちに引き継ぐこと、そして同時にこの熊野の魅力を全国の人たちに伝え知っていただくことが大きな役割であり、意義なのだということを再認識したいと思います。私は、そうした意味におきまして熊野学研究センターがあるのではないかと考えてございます。
 熊野の歴史に身を浸し、文学に心をはせ、環境を享受し、宗教を考える、まさに熊野の地が国民全体のいやしの地であり再生の地であるこの熊野を紹介し、全国に発信する場が熊野学研究センターではないのでしょうか。私は、熊野学研究センターをこう位置づけてございます。
 もとより、新宮市を初め東牟婁地方の方々が長年の悲願として取り組んでこられた熊野文化会館の建設が一方において強く要望されていることも、よく承知をいたしております。地元の方々が熊野の文化に誇りを持って、これをはぐくみ発表する場としての文化会館もまた大変重要な地域課題であります。熊野の文化を内から振興し、全国に発信するためにも、整備に当たってはぜひとも熊野学研究センターと熊野文化会館の同時施行を強く望むところであります。
 しかしながら、計画の具体化にはさまざまな問題、課題があろうかと思います。特に熊野学研究センターや熊野文化会館の立地場所については、周辺の環境や交通条件等が重要な検討課題であろうと思いますし、用地の選定はそれらを集約した問題でもあります。県当局も、この計画には鋭意取り組んでいただいていると聞いております。その努力を多としながら、現状の進捗状況について生活文化部長にお聞きをする次第であります。
 最後に、市田川の改修計画についてであります。
 千穂ケ峯に源を発した神倉川が浮島川等の支川を合流し、市街地を貫流して新宮川河口付近の右岸に合流する一級河川が市田川であります。延長は三・八キロ、うち新宮川合流点より丸山橋までの約二キロが国の直轄管理区域となってございます。支川浮島川には、昭和二年に国の天然記念物に指定された新宮藺沢浮島植物群落があり、暖地の浮島として、また大木で覆われていることなどから世界的にも貴重な文化財として、近年、新宮川の導水事業等により保護対策が進められております。
 新宮地方は、ご存じのように全国的に雨の多い地域であり、市の中心部を流れる市田川の流域は、宅地化に伴ってしばしば浸水被害に見舞われます。その被害は年間三回から四回、多いときで五回、床上浸水の被害を受け、国や県の地方機関が存在する地方中核都市としてはいかにもお寒い状態であると言わざるを得ません。このため、昭和四十五年度より、市田川については丸山橋から上流千八百三十メートル、浮島川については市田川合流点より浮島の森までの九百メートルについて、県で改修工事を実施しております。主な改修内容としては、堤防をつくったり、掘削による河積の拡大を図るとともに、ポンプ場を建設し、排水能力を高めることなどであります。特に昭和五十七年には、新宮川の洪水が逆流しないように、建設省により逆流防止の水門が設置されました。また、新宮川河口部の砂州は洪水のたびに流失するが、そのタイミングにより新宮川の水位は時として異常に上昇することがあり、その際は水門を完全に閉鎖する必要があります。締め切った後の上流からの洪水被害を防止する目的で、水門に隣接している毎秒五トンを排水するポンプ二台が設置されました。
 ところが、本年七月、台風七号、九号が相次いで本地域に襲来し、市田川の水位が上昇し、住宅千百戸が浸水するという大きな災害が生じたわけであります。私もこの対策のため、被害者の方々の声を聞くとともに、関係機関に復旧を強く要請して当面の対策を講じてきたところでありますが、この際、この市田川の抜本的な改修計画について、以下、計画概要をお伺いします。
 一点目は市田川河口部の堆積土の除去について、二点目は市田川の老朽堤防の補強について、三点目は水門のポンプの能力アップについてであります。以上、三点について土木部長の答弁を求めます。
 今回の質問は本当に一定の地域に限られた質問でございましたけれども、最後までご清聴いただきましたことに心から感謝申し上げて質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(木下秀男君) ただいまの下川俊樹君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
  〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 下川議員にお答えをいたします。
 まず、第一点の鉄道整備についてであります。
 本年三月に完了した紀勢本線の高速化事業につきましては、本県鉄道の利便性あるいは快適性の向上に一定の成果を上げたものと思ってございます。しかし、紀南地域の高速交通体系を整備するに当たりましては、高速道路の南伸とあわせてさらに鉄道の高速化を図っていくこともまた重要なことだと思っております。
 そのために、急カーブが連続している区間については大規模な短絡ルートを建設することも考えられるわけでありますけれども、多額の事業費がかかるわけでございます。したがいまして、今後、ポイントの改良、特急列車の行き違いを可能にするプラットホームを含めた線形の改良、JRが開発中の次世代型高性能車両の導入、こういった点の検討を進め、紀南地域県民の悲願である紀勢本線高速化の第二段階の早期実現に向けまして、沿線市町村のご協力をいただきながら取り組んでいきたい、そのように思っております。
 また、オーシャンアローの増便についてでありますが、JR西日本に対しては今までも働きかけてまいったところでございますけれども、ご指摘のように、南紀熊野体験博の開催もあり、県民を初め利用者の方々からの評価が極めて高いこともございまして、新しい車両を建造しなければならないという問題などもあるわけですけれども、引き続き強く要望してまいりたいと考えております。
 次に、救急医療に関するご質問であります。
 私もかねてから、紀南地方の多くの方々から救急医療に対する切実な要望をじかに聞かせていただいておるところでございまして、行政が果たすべき役割の一つであろうと認識をいたしておるわけでございます。
 議員ご質問のございました基本的な考え方についてでありますけれども、救急搬送の改善については、常備消防機関への高規格救急車の配備、さらに救急救命士の養成を行っていきたい。また、平成八年三月からは県防災ヘリコプターによる搬送システムが稼働しておるわけでございますので、重篤患者の搬送等については寄与するところが大きいと思っております。新宮医療圏に対しましては、救急医療体制の整備がさらに必要な地域であると認識をしてございまして、現在、関係市町及び関係病院と、自治体病院のあり方あるいは高次救急医療施設のあり方等について検討しておるところでございます。
 いずれにいたしましても、県民の皆さんが安心できるように、より高次の救急医療を提供できる体制づくりが不可欠であると、そのように考えてございます。
 以上であります。
○議長(木下秀男君) 福祉保健部長小西 悟君。
  〔小西 悟君、登壇〕
○福祉保健部長(小西 悟君) 下川議員ご質問の、紀南地域の救命救急医療についての二点にお答えをいたします。
 重症の救急患者に対応する二次救急医療につきましては、救急告示病院や休日・夜間における病院群輪番制が中心的な役割を担っております。心筋梗塞、脳卒中などの重篤救急患者に対応する三次救急医療につきましては、議員ご指摘のとおり、厚生省の指導基準が人口百万人に一カ所、特例としておおむね人口三十万人以上の二次医療圏で一カ所となっている、いわゆる救命救急センターが受け持つこととなり、和歌山市内に設置されているところでございます。新宮・東牟婁地方の救命救急センターの整備につきましては、施設設備や医師等のスタッフの問題、また救急医療の不採算性の問題等々があり、現時点では大変難しい状況でございます。
 しかしながら、現実に紀南地方でこうした重篤救急患者が発生した場合には、平成八年三月から県の防災ヘリコプターによる救急搬送システムが稼働しており、それまでの民間航空会社を利用した場合、年平均二名程度でございましたのが、平成八年度で八名、本年度は十一月末現在で八名というように、搬送実績がふえてございます。一方、搬送所要時間につきましては、例えば新宮市で患者が発生した場合、白浜の県防災航空センターから約二十分でヘリコプターが到着し、医師同乗の上、高次医療機関へ、例えば県立医科大学附属病院や日本赤十字社和歌山医療センターへ約四十分で速やかに搬送されることとなっております。
 新宮・東牟婁地方における今後の二次以上の救急医療につきましては、病院群輪番制の区域拡大を促進するとともに、救急搬送システムの活用も含めてより高次の救急医療が提供できる体制づくりを進めていくことが重要であるとの認識のもと、地元関係者と現在議論を進めているところでございます。
 なお、特に救急医療の整備につきましては、不採算性が強い医療部門であることから、補助制度等の充実について引き続き国に対して要望活動を行ってまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(木下秀男君) 生活文化部長中村協二君。
  〔中村協二君、登壇〕
○生活文化部長(中村協二君) 下川議員にお答えをいたします。
 熊野学研究センター及び文化会館の建設についてでございます。
 熊野学研究センター構想は、熊野地域の豊かな歴史や文化、民俗等を総合的に研究し、地域の活性化に結びつけようとするものでございます。熊野研究の中核施設で、その研究成果等、全国への情報発信拠点としての性格を有しているのが熊野学研究センターであり、そしてその実践の場として、また地域の文化活動の拠点施設として文化ホールを位置づけております。施設の維持管理など運営面での効率等を考慮して、同一敷地内での整備を図るべく、現在用地選定を行っているところでございます。
 今後、この熊野学研究センター構想が熊野地域の振興に寄与できるよう、地元の方々等のご意見を承り、関係機関と協議しながら鋭意検討してまいる所存でございます。
○議長(木下秀男君) 土木部長長沢小太郎君。
  〔長沢小太郎君、登壇〕
○土木部長(長沢小太郎君) 下川議員の市田川の改修計画についてのご質問にお答えいたします。
 まず、市田川河口部の堆積土に関するご質問でございます。
 これにつきましては、県としても市田川の治水安全土の向上のため、その除去を河川管理者である建設省に強く要望してまいりました。建設省では、早急に堆積土の調査を行い、治水上支障があれば除去する予定とのことでございます。また、新宮川河口部に存在する砂州についても堆積状況調査を行い、浸水被害の軽減を図るため一部開削を行うなどの適正な管理に努めると建設省から聞いているところでございます。
 次に、市田川の老朽堤防の補強についてでございます。
 今年の出水時に建設省が管理している区間において漏水現象が発生しましたが、早急に対策工事が必要であることから、建設省において現在対策を実施中であり、今年十二月末を目途に堤防の補強を完了する予定であるとのことでございます。
 三点目の水門のポンプ能力アップについてでございます。
 本年の台風七号、九号により新宮市で大きな浸水被害が発生したことに対して、関係行政機関である建設省、和歌山県、新宮市において協議を重ね、新宮市では内水排除計画の抜本的見直しを行い、平成十年三月末目途に計画を取りまとめるべく作業を行っているところでございます。また建設省では、この新宮市で作成中の計画をもとに市田川河口ポンプ増設等の早期着手に向け、計画策定を検討中ということでございます。県といたしましても、対策の実現に向け、新宮市に対する技術指導や事業化に向けた支援等を行うとともに、関係機関と連携を密にし、一層の努力をしてまいります。
 以上でございます。
○議長(木下秀男君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(木下秀男君) 再質問がございませんので、以上で下川俊樹君の質問が終了いたしました。
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○議長(木下秀男君) お諮りいたします。質疑及び一般質問は、以上をもって終結することにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(木下秀男君) ご異議なしと認めます。よって、質疑及び一般質問はこれをもって終結いたします。
      ─────────────────────
○議長(木下秀男君) 次に、議題となった全案件のうち、議案第百四十号平成八年度和歌山県歳入歳出決算の認定についてを除くその他の案件は、お手元に配付しております議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会にこれを付託いたします。
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  【日程第三 請願付託】
○議長(木下秀男君) 次に日程第三、請願の付託について申し上げます。
 今期定例会の請願については、お手元に配付しております請願文書表のとおり、所管の常任委員会にこれを付託いたします。
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○議長(木下秀男君) 次に、お諮りいたします。十二月十五日及び十六日は常任委員会審査のため休会といたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(木下秀男君) ご異議なしと認めます。よって、十二月十五日及び十六日は休会とすることに決定いたしました。
      ─────────────────────
○議長(木下秀男君) この際、各常任委員会の会場をお知らせいたします。
 職員から、これを申し上げます。
  〔職員朗読〕
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   総務委員会       第 一 委 員 会 室
   福祉環境委員会     第 二 委 員 会 室
   経済警察委員会     第 三 委 員 会 室
   農林水産委員会     第 四 委 員 会 室
   建設委員会       第 五 委 員 会 室
   文教委員会       第 六 委 員 会 室
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○議長(木下秀男君) 次会は、十二月十七日再開いたします。
○議長(木下秀男君) 本日は、これをもって散会いたします。
  午後二時十八分散会

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