平成9年12月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(全文)


県議会の活動

議 事 日 程   第五号   平成九年十二月十二日(金曜日)
                午前十時開議
  第一 議案第百二十四号から議案第百四十五号まで(質疑・委員会付託)
  第二 一般質問
  第三 請願付託
会議に付した事件
   一 議案第百二十四号から議案第百四十五号まで(質疑・委員会付託)
   二 一般質問
   三 請願付託
   四 休会決定の件
出 席 議 員(四十六人)
     1  番    大    沢    広太郎
     2  番    木    下    善    之
     3  番    小    川         武
     4  番    吉    井    和    視
     5  番    下    川    俊    樹
     6  番    井    出    益    弘
     7  番    藁    科    義    清
     8  番    門         三佐博
     9  番    永    井    佑    治
     10  番    新    島         雄
     11  番    向    井    嘉久藏
     12  番    佐    田    頴    一
     13  番    和    田    正    一
     14  番    阪    部    菊    雄
     16  番    馬    頭    哲    弥
     17  番    谷         洋    一
     18  番    山    下    直    也
     19  番    高    瀬    勝    助
     20  番    松    本    泰    造
     21  番    堀    本    隆    男
     22  番    宇治田    栄    蔵
     23  番    宗         正    彦
     24  番    橋    本         進
     25  番    神    出    政    巳
     26  番    玉    置    公    良
     27  番    上    野    哲    弘
     28  番    東    山    昭    久
     29  番    尾    崎    要    二
     30  番    野見山         海
     31  番    木    下    秀    男
     32  番    町    田         亘
     33  番    中    山         豊
     34  番    井    谷         勲
     35  番    鶴    田    至    弘
     36  番    森         正    樹
     37  番    村    岡    キミ子
     38  番    新    田    和    弘
     39  番    平    越    孝    哉
     40  番    森    本    明    雄
     41  番    長    坂    隆    司
     42  番    冨    安    民    浩
     43  番    飯    田    敬    文
     44  番    中    村    裕    一
     45  番    松    本    貞    次
     46  番    大    江    康    弘
     47  番    和    田    正    人
欠 席 議 員(一人)
     15  番    西    本    長    弘
説明のため出席した者
     知 事     西    口         勇
     副知事     山    下         茂
     出納長     高    瀬    芳    彦
     知事公室長   野    見    典    展
     総務部長    中    山    次    郎
     企画部長    藤    谷    茂    樹
     生活文化部長  中    村    協    二
     福祉保健部長  小    西         悟
     商工労働部長  日    根    紀    男
     農林水産部長  平    松    俊    次
     土木部長    長    沢    小太郎
     企業局長    佐    野    萬瑳義
     教育委員会委員 目    黒    威    徳
     教育長     西    川    時千代
     公安委員会委員長
             高    垣         宏
     警察本部長   米    田         壯
     人事委員会委員長
             若    林    弘    澄
     代表監査委員  宮    市    武    彦
     選挙管理委員会委員長
             谷    口    庄    一
     以下、各部局次長・事務局長・財政課長
職務のため出席した事務局職員
     事務局長    西    畑    彰    久
     次  長    前         晴    夫
     議事課長    佐    竹    欣    司
     議事課副課長  島         光    正
     議事班長    松    谷    秋    男
     議事課主査   川    崎    良    雄
     議事課主事   大    浦    達    司
     総務課長    塩    路    義    和
     調査課長    湊         孝太郎
 (速記担当者)
     議事課主任   吉    川    欽    二
     議事課主査   鎌    田         繁
     議事課速記技師 中    尾    祐    一
     議事課速記技師 保    田    良    春
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  午前十時二分開議
○議長(木下秀男君) これより本日の会議を開きます。
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○議長(木下秀男君) この際、報告いたします。
 過日提出のありました議案第百四十一号から議案第百四十五号までは、いずれも職員に関する条例改正案でありますので、地方公務員法第五条第二項の規定により人事委員会の意見を徴しましたところ、次のとおり回答がありました。
 職員にその回答文を朗読させます。
  〔職員朗読〕
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                     和人委第333号
                     平成9年12月11日
 和歌山県議会議長  木 下 秀 男 殿
        和歌山県人事委員会委員長  若 林 弘 澄
   職員に関する条例の制定に係る意見について
 平成9年12月9日付け和議会第360号で意見を求められた標記のことについて、地方公務員法第8条第1項第3号の規定により下記のとおり回答します。
               記
 議案第141号  職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
 議案第142号  教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
 議案第143号  市町村立学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
 議案第144号  警察職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
 議案第145号  知事等の期末手当の特例に関する条例
             意  見
 上記議案第141号から議案第144号までの条例案については、いずれも適当であると認めます。
 議案第145号の知事等の期末手当の特例に関する条例案中、人事委員会が意見を述べるべき第3条の教育長の期末手当の特例については、諸般の事情を勘案すれば、やむを得ないものと考えます。
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  【日程第一 議案第百二十四号から議案第百四十五号まで】
  【日程第二 一般質問】
○議長(木下秀男君) 日程第一、議案第百二十四号から議案第百四十五号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 44番中村裕一君。
  〔中村裕一君、登壇〕(拍手)
○中村裕一君 おはようございます。
 私からは、以下五点につき、順次、一般質問をさせていただきます。
 まず、日高港についてであります。
 昭和四十年代後半の発意以来、実に二十年余の時を経て、今日ようやく着工の運びとなりました。長年にわたりご尽力をいただいてまいりました先人、関係者の皆さんに、心から感謝申し上げる次第であります。
 さて西口知事は、ベイフロンティア構想を重要施策の一つとして掲げ、不利な半島性を逆手にとって、県土の半分が面する海を最大限に利用しようとしておられます。神話の時代より我が県には海にまつわるエピソードが多くありますが、私も海こそ本県の活路を見出すべきところだと確信をいたします。知事のベイフロンティア構想にかける決意をお聞かせいただきたいと思います。そして、その中で日高港の果たす役割をどう位置づけるのか、そのための港湾運送体制をいかに組むのかを述べていただきたいと思います。また、平成八年度より実施しております輸入促進地域の指定に向けての調査結果はどうだったのか、ご報告を願います。
 次に、高速道路の紀南延伸についてであります。
 先日、吉備町の県営、町営の両工業団地を視察しました。既に団地の大部分には工場が立地し、操業しているのを見て、関係者のご努力や高速道路の効果を実感いたしました。御坊でも、昨春、湯浅御坊道路が開通し、徐々にその効果が発揮されつつあります。この効果を御坊以南の皆さんにも早く届けなければなりません。目下、御坊・南部間については県及び関係市町村挙げて地元交渉を続けておりますが、平成七年二月のくい打ち式以来、もうすぐ丸三年を迎えます。しかし、道路公団の工事期間を短縮するのは限度がありますから、高速道路の早期完成は用地買収を早くする以外に方法がないのです。
 私は、いつも近畿道や関空道を通るたびに、こんな市街地でもよく用地買収ができたと感心をいたします。関空道の最後の工区が着工されるとき、ニュースで強制収用される一軒を見ましたが、大阪府はこの関空道の用地買収に、何と百五十人もの府職員を投入したと聞きます。
 高速道路は、総論で県民の悲願だとは言われても、各論になると問題も多く、なかなかはかどらないのが現実であります。地元要望の中には確かに地域のエゴもありますが、当然、行政で既にやっていなければならないものや、客観的に見ても、この際ぜひやっておくことが合理的なものもあります。地元要望は、従来、メニュー事業や道路公団のサービスでかなりの部分をやってきましたが、この厳しい財政状況下では地元要望にこたえるのが困難になってまいりました。そこで、市町村で対応する事業に対し県が補助することになりましたが、これについては評価したいと思います。しかし、それぞれの市町村の財政力までも考慮してはおりませんので、実際に事業が始まると、自治体によっては貧弱な財政がより一層厳しくなるのではないかという心配が今から予想されます。したがいまして、来年度に向け、県においてより以上の取り組みをお願いするとともに、高速道路の紀南延伸に対する知事のさらなる決意をお示しいただきたいと思います。
 三点目は、学校保健法についてであります。
 いよいよ風邪の季節がやってまいりました。やがて、年中行事のように、新聞には学級閉鎖や学年閉鎖の記事が掲載されます。閉鎖をするのは抵抗力の弱い子供たちに感染しないようにするためですが、実は風邪だけではなく、学校を介して感染が広まるという例はこれまでも多くありました。記憶に新しいところでは昨年のO157、伊都の赤痢も学校という抵抗力の弱い子供たちが集団生活するところで、あっという間に感染が広がりました。ところが、学校は公衆衛生行政から少し離れたところにあるのです。と申しますのは、学校は学校保健法という法律で守られており、この法律の第一条には、「学校における保健管理及び安全管理に関し必要な事項を定め、児童、生徒、学生及び幼児並びに職員の健康の保持増進を図り、もって学校教育の円滑な実施とその成果の確保に資することを目的とする」と書かれております。具体的には、子供たちや職員の健康診断、伝染病の予防、換気や照明などの環境衛生、施設や設備などの安全点検を計画的に実施しなければならないとしております。加えて、これらを合理的に実施するため、学校には学校保健委員会の設置が望ましいとも言われております。
 今日、医学の進歩は著しく、長い間人類を苦しめてきたウイルスが滅びつつあります。しかし、一方では新たなウイルスが次々と出現し、抗生物質に抵抗力をつけた旧来のウイルスも復活してきたと聞きます。何かあったときに備えておくことの大切さは危機管理の常識でありますが、学校保健法はまさに学校における危機管理のかなめとなるものだと思います。
 そこで、教育長より、県下の学校保健委員会の設置状況、保健法による健康診断、各種検査の実施状況、その経費の出所についてご報告いただき、あわせて今後の取り組みをお聞きしたいと思います。
 さて、もう一点、教育問題についてであります。
 時代が情報化社会の到来を告げ、その進歩も目覚ましく、インターネットや携帯電話が普及し、地球の裏側で起きていることをリアルタイムで見れるようになり、今や便利を通り越し、少々混乱の感さえあります。特にメディアは多様化し、第四の権力と言われるほど強大な社会的影響力を持つようになってくると、世論までもがマスメディアによって形成される状況が出現してきました。そこで、マスメディアの発信する情報を、みずからの力で読み、分析し、選択する能力が必要となってきます。その能力を養成するのが、実はメディアリテラシーという教育であります。この教育はアメリカで始まり、既に広まりつつあると聞きますが、今こそ日本でもこのような教育が必要なときではないでしょうか。私たちは、日本の将来のために、みずから物を考え、そしてそれを堂々と主張できる子供たちを育てなくてはなりません。そのためには、まずメディアに流されない子供を育てる教育が必要だと思います。教育長のご見解をお示しいただきたいと思います。
 最後に、最近の金融不況についてお伺いをしたいと思います。
 戦後、我が国の経済は、多少の停滞や後退の局面はありましたものの、一貫して右肩上がりの成長を続けてきました。その健全な発展に、直接的、間接的に大きく寄与してきたのが銀行であります。人体に例えて申し上げるなら、銀行は我が国経済運営の心臓の役割を果たしてきました。ところが、今その銀行の経営基盤が揺らぎ、国民の銀行に寄せる信頼感が一部で薄らぎつつあり、まことにゆゆしき状態に立ち至っております。バブル期に生じた不良債権の処理や景気停滞による安定的な資金需要の激減に加え、金融ビッグバンに備えた体力強化など、銀行を取り巻く環境は甚だ厳しく、もはやサバイバルの様相さえ呈しているのであります。
 こうした局面で、大蔵省がつぶさないと言ってきた都市銀行の一角を占める北海道拓殖銀行が倒れ、四大証券の山一証券の自主廃業など一連の金融機関の倒産劇は、その規模の大きさや公共的側面から、我が国の経済や社会に大きな影響を与えております。本県においても、昨年末の阪和銀行の倒産が及ぼした影響は周知のとおりで、銀行の安定こそ地域経済の発展にいかに大切であるかが実証されました。もはや、大方の県民の皆さんの思いは、もう二度と繰り返さないでほしいとの気持ちでいっぱいではないでしょうか。しかしながら、先月二十五日に起きた紀陽銀行の一部支店での預金引き出し騒動については、数日で終息はいたしましたが、本県指定金融公庫でもある紀陽銀行の本県経済における役割の大きさを考えると、単なる一過性の出来事としては看過できないと思います。
 そこで、このような経済情勢下、国の金融行政に多く期待するのは当然でありますが、できることは本県においても自主的にやっていくべきとの視点に立ち、以下、三点について質問を申し上げます。
 まず一点目、二〇〇一年のペイオフ実施までは預金が全額保護されるにもかかわらず、こうした騒動が起きるのは、預金全額保護ということが余り知られていないからだと思います。本来、大蔵省や日銀がやるべきことではありますが、この際、県としても周知徹底方を考えてみてはどうでしょうか。
 次に、いわゆる貸し渋り対策として、県においても中小企業融資相談窓口を開設しておりますが、さらなる充実が必要であると思いますけれども、いかがでしょうか。
 三点目に、十二月十日発売の「文芸春秋」一月号に、紀陽銀行についての記事が掲載されております。「丸の内コンフィデンシャル」というところに載っております。朗読をさせていただきます。
 「まだある年内の金融破綻」、「関西の危ない銀行リストの常連、紀陽銀行が最終コーナーを回った。短期金融市場からの資金調達がままならなくなってきたためで、北海道拓殖銀行の行き詰まりと同じパターンでの『年内破綻』説が有力だ。 紀陽銀行は十一月二十日、九八年三月期の業績見通しを、『四百億円の経常赤字』と大幅に下方修正した。千三百九十億円ある不良債権の処理にメドをつけるために系列ノンバンクへの支援分を含めて六百六十億円の償却原資を捻出するための赤字転落、という説明だ。日本銀行OBの石原正之常務は『これで不良債権処理のメドがついた』と述べたが、この発言を額面通り受け止める向きはゼロに近い。二十五日には各地の店舗で取り付け騒ぎが起こり、『六百億円もの預金が下ろされた』。南出頭取が記者会見で『破綻の噂は事実無根』と述べたが、水面下で都銀大手へ支援要請を繰り返している。『住友金属工業が、従業員の給与振込指定銀行から紀陽を外した』ことに衝撃を受けた金融関係者は多い」。
 このように記述されておるわけでございますが、この記事を読んで、預金のほとんどない私でさえも大変心配をしたわけであります。この記事にはわざと不安を与えてやろうというような悪意さえ感じられるわけでありますが、県としてこの中身についてどのように理解をされておるのか、そしてこのことについて何か対応を考えておられるのか、お答えをいただきたいと思います。
 以上で、私の質問を終わりたいと思います。ご清聴ありがとうございました。
○議長(木下秀男君) ただいまの中村裕一君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
  〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 中村裕一議員にお答えをいたします。
 まず、ベイフロンティア構想に対する私の決意ということであります。
 ベイフロンティア構想は、将来に向けて、船舶のふくそうしている大阪湾内の港湾にかわり、紀伊水道地域において近畿圏の物流の効率化、あるいは災害リスクの分散を図り、近畿圏経済の一翼を担おうとするものでございまして、現在取り組んでいる次期長期総合計画でも戦略的構想として位置づけてまりたいと考えております。
 日高港は、和歌山下津港と並んで本構想を支える重要な港湾として、今後、海洋立県和歌山にふさわしい、世界に開かれた海の玄関として積極的に整備してまいりたいと考えてございます。
 また日高港については、昭和五十八年に港湾計画を策定いたしましてから、長い年月にわたって地元調整を進めてまいりました。難航しておりました漁業補償交渉についても、本年三月にようやくまとまったわけでございます。
 県といたしましては、現在、埋立申請など所要の手続を進めておりますが、本年度中に事業着手をして早期に供用開始のできるように努力してまいりたいと考えております。このことにより日高港が紀中地域の振興拠点となり、ベイフロンティア構想の一翼を担っていくものと考えてございます。
 次に、高速道路に関連してのご質問であります。
 近畿自動車道紀勢線については、本県を国土軸、国際軸に直結し、広域的な連携や交流を強化するとともに、県内産業及び観光等を支える重要な基盤でございまして、県勢の活性化を図るためにぜひとも必要であると考えております。
 高速道路紀伊半島一周の早期実現に向けて、現在、事業区間の整備促進とともに、昨年整備計画に格上げになりました海南・吉備間及び南部・白浜間については早期に施行命令が出されるように、また基本計画である白浜・那智勝浦間についても整備計画区間に格上げをされるよう、国に働きかけてまいりたいと考えてございます。今後とも、県政の最重点施策の一つとして積極的に推進したいと思っております。
 またスタッフ強化と地元要望についてでありますが、近畿自動車道紀勢線御坊・南部間については、現在、沿線市町村とともに積極的に用地買収を進めてございまして、建設はまさにこれからピークに向かっていくわけでありますが、今後とも事業の進展に伴い、必要な箇所への適切な職員の配置に努めていきたいと思っております。
 また、高速道路に関連する地元要望については、厳しい財政事情の状況下でございますけれども、短期間で集中投資する必要がございまして、地元市町村と適正な事業区分のもとに、現行の市町村補助金制度を最大限に活用するとともに、高速道路建設に関連する県事業についても積極的な対応をいたしたいと考えております。
 他の質問につきましては、関係部長から答弁をいたします。
 以上であります。
○議長(木下秀男君) 土木部長長沢小太郎君。
  〔長沢小太郎君、登壇〕
○土木部長(長沢小太郎君) 中村議員の、日高港についてのご質問にお答えいたします。
 まず、港湾運送体制はどうするのかというご質問でございます。
 この港湾運送事業と申しますのは、民間の方が行う経済行為でございまして、私ども港湾管理者が関与することには限界がございます。しかし、日高港が今後外国貿易機能を備えた港湾として発展するためには、荷主あるいは船会社のニーズに合ったサービスの提供や効率的な港湾運送体制が確保されることが必要であると考えておりまして、港湾管理者として可能な対応を検討してまいりたいと考えております。
 次に、輸入促進地域指定の調査結果はというご質問でございます。
 この輸入促進地域──FAZと申しますけれども──は、輸入促進法という法律に基づいて、輸入の促進や流通の円滑化を図るために、関連する施設や活動を集積させる地域でございます。
 輸入促進法による地域指定がなされると、事業主体となる第三セクターあるいは企業に対する支援措置がとられることとなります。県では、平成七年度より和歌山下津港と日高港を対象にいたしまして、その適用の可能性を調査してまいりましたが、その結果、日高港では木材関連を主体とした企業の関心が高いことから、県としては、今後引き続き情報の提供や所要の支援を行ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(木下秀男君) 商工労働部長日根紀男君。
  〔日根紀男君、登壇〕
○商工労働部長(日根紀男君) 金融の問題、三点についてお答えいたします。
 まず一点目の、金融不況下における県の役割ということで、預金者の預金全額保護について県としても周知を図れとのお話でございます。
 最近の一連の金融機関破綻により、預金者の不安心理から預金の流出騒動が起こるという状況の中で、十一月二十六日に大蔵大臣、日本銀行総裁談話が緊急に発表されて、改めて預金を全額保護する方針が強く打ち出されているところでございます。預金保護の周知徹底については、議員お話しのとおり、本来、国及び金融機関の役割と考えます。県といたしましては、地域金融の信用不安の助長につながらないように細心の注意を払いながら、あらゆる機会を通じて預金保護制度の周知に努めてまいる所存でございます。
 二点目の中小企業金融でございますが、十二月一日に県に設置した融資相談窓口については、開設以来、日に三十数件に上る相談がございまして、県として積極的に対応しているところでございます。
 融資状況に関する緊急調査によると、金融機関の融資条件等が厳しくなると考えている中小企業者の割合も高いことから、経済団体等にも相談業務の取り組み要請を行っているところでございます。
 今後、県といたしましても、窓口業務の充実はもとより、国民金融公庫など政府系金融機関に開設されている特別相談窓口とも十分連携を図りながら、中小企業者の金融の円滑化に取り組んでまいる所存であります。
 三点目の雑誌報道の件でありますが、議員ご指摘の記事については、銀行からの報告によりますと、内容は事実無根のこと並びに事実と著しく相違する点が多いということで、現在、雑誌社に対する法的措置を含め、対応策について顧問弁護士にも相談しながら検討しているとのことであります。県といたしましては、根拠のないうわさやこの雑誌記事等による信用不安が起こらないよう、預金者や利用者に十分周知を図る努力をされるよう銀行に対して働きかけてまいりたいと考えております。
○議長(木下秀男君) 教育長西川時千代君。
  〔西川時千代君、登壇〕
○教育長(西川時千代君) 学校保健法と情報化社会における教育のあり方についてお答えいたします。
 学校保健委員会は、議員ご指摘のとおり、児童生徒の健康の保持増進や安全の確保を図る上で重要な組織であると考えております。教育委員会といたしましては、これまで管理職研修を初め各種研修会、講習会において学校保健委員会の設置、活動内容の充実について指導を行ってまいりました。学校内の健康問題は、職員会議や教職員保健部、児童生徒保健委員会等で取り上げられ対応されてきましたが、専門家や保護者等を含めた学校保健委員会の設置状況は十分とは言えない状況でございます。
 近年、子供たちを取り巻く健康問題が多様化してきている中で、学校保健の諸課題に対処し、専門事項の研究や実施上の諸問題を協議するため、学校保健委員会の設置を促進するとともに、さらに運営の強化を図る必要があることから、過日、県立学校に対し学校保健委員会の設置について指導を行ったところであります。小中学校についても、各市町村教育委員会に対し、その設置等に向け指導してまいる考えであります。
 次に学校保健法に基づく健康診断については、すべての学校において実施されております。ただ、学校環境基準による各種検査は地域により差があるのが実態でありますので、今後一層の徹底を図るよう指導してまいります。なお、検査に要する経費については、学校管理費から支出されております。
 学校保健法の目的は議員のご指摘のとおりであり、その重要性にかんがみ、今後、趣旨の徹底についてきめ細かい指導をしてまいる所存であります。
 次に、情報化社会の進展に伴う教育のあり方についてであります。
 近年、さまざまなメディアを通じて情報がはんらんし、子供たちの生活や心に好ましくない影響を及ぼしている面もあると指摘されております。こうしたことから、情報教育は単に情報機器を操作するだけでなく、多種多様なメディアの中から情報を主体的に取捨選択するとともに、情報を活用し、みずから発信できる能力を育成することが重要な課題であると考えております。
 教育委員会といたしましては、あらゆる教育活動において、みずから考え、判断できる力を身につけさせるとともに、疑似的、間接的体験に埋没することのないよう、身近な自然や友達、地域社会の人々との触れ合いを通じて豊かな感性をはぐくむ教育の推進に力を注いでまいる所存でございます。
 以上でございます。
○議長(木下秀男君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
  〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○議長(木下秀男君) 再質問がございませんので、以上で中村裕一君の質問が終了いたしました。
○議長(木下秀男君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 18番山下直也君。
  〔山下直也君、登壇〕(拍手)
○山下直也君 おはようございます。
 ただいま議長のお許しをいただきましたので、順次、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
 今議会において、知事より上程されました諸議案の中、平成十年度予算編成について説明がなされたわけでありますが、その中で「県税収入は平成三年度をピークに低迷を続け、いまだ本格的な回復基調に至っていないのが現状であります。その結果、(中略)平成十年度以降、多額の財源不足が生じることとなり、ここに至って県債残高の累増と元利償還費の増加、基金の減少などの財政状況に直面しております。 このような状況を踏まえ、当面する平成十年度予算では、歳入に見合った歳出規模の適正化、県債発行額の抑制を基本に、真に必要な分野への財政資金の重点化、量から質への転換、歳出の合理化、効率化など、本県の将来を見据えた財政の構造的転換を進めてまいらなければならないと考えております。 そのために、十年度の予算要求基準は従前に比べかなり厳しい内容といたしましたが、(中略)禍根を次の世代に負わせる事態になることを何としても回避せんがためのものであります。(中略)私は不退転の決意で当面の財政運営に当たってまいる所存であります」との決意を述べられておりました。
 私自身、まさに知事のお考えに同感であり、そういう点において、ふるさと和歌山県の将来に危機感を持つものであります。よって、これらのことを踏まえ、順次、五項目にわたり質問等をさせていただきます。
 まず第一点目といたし、福祉の町づくりについてお尋ねをいたします。
 過日、和歌山県長期総合計画素案についての説明会があり、その中で次のような事柄が述べられておりました。「我が国の総人口は平成十九年に約一億二千七百万人でピークを迎え、以後、本格的な人口減少の局面に入ると見込まれているが、本県人口も、出生率の低下の影響もあって大きな増加は見込めない。さらに年齢構造を見ると、平成七年における本県人口のうち老年人口つまり六十五歳以上の人口は十九万五千五百七十五人、和歌山県総人口の一八・一%を占めることとなり、これは本県が全国に先駆けて高齢社会を迎えていることになり、加えて年少人口つまり十五歳未満の人口は減少傾向にあり、昭和六十年に二十二万五千二百八人であったのが平成七年には十七万五千六百六十人となり、本県の年少人口の占める割合は平成二十二年には一三・九%まで減少するものと見込まれている。この先、長寿化、少子化に伴う高齢化は今後さらに進行するものと考えられ、和歌山県の総人口に占める老年人口の割合は、平成二十二年つまりわずか十二年後には二四・四%まで上昇いたし、県民四人に一人が高齢者となり、本県はまさに超高齢社会になるものと見込まれる」とのことでありました。
 また、去る十一月十七日、県民文化会館小ホールにおいて、和歌山県主催、和歌山県福祉のまちづくり推進協議会協賛による福祉のまちづくりシンポジウムが開催され、私も参加をさせていただきました。その中で、長男がダウン症候群という障害を持って生まれ、わずか生後百五日でこの世を去ったという悲しい体験を持ち、またみずからも脳内出血にて倒れ、約四十日間の入院闘病生活を送り、今も左足が不自由だという、そんな体験を通しての元ニュースキャスター小林完吾氏の講演を拝聴いたしました。「いのちはいのち、みんな同じ─共に生きる─」と題した講演は、約一時間後、感動のうちに終了いたしました。その講演の中で小林完吾氏いわく、リハビリテーションの大切さと、理学・作業療法士をこれから何よりも優先させてふやすべきであり、そのためにこの道を目指す若者に対し、また養成するために県等にて奨学金を出すべきであると述べておられました。関係機関である諸学校に進む人たちの学資、学費を応援すべきであり、これに自分たちの税金を使ってもだれも不満は言わないであろうとのこと、全くそのとおりであると感じました。
 私が講演を聞いていて一番ショックであったこと、それは人間である以上、必ずみんないつかどこかで倒れるときが来るということ、体のどこかのぐあいが悪くなってくるということ、今四十二歳の自分にとって、日常余り考える機会がなかったことだけに大変ショックでありました。体の一部が悪くなったとき、体のどこかに故障が出て悪くなったとき、冷静にそれとともに生きていかねばならないということ、またそのとき、でき得るならば人の手をかりず何事も自分でできるように、自分で生きていけるようにということ、すなわち自立性の大切さ、中でもせめてトイレくらいは自分でという気持ちは、やはりだれもが持つものであろうと思いました。また、講演の中で「トイレ権」という言葉も初めて聞いたわけでありますが、実はこれは人間の尊厳につながるものであり、逃れがたい老いへの道につながるものであろうということを大いに感じさせられたわけであります。高齢者、障害者みんな一緒じゃないか、そんなふうに言ってくれる人がたくさんいるような和歌山県を、そんな心ある県民、心通う町になってくれることを望みますと、小林氏は訴えておられました。
 シンポジウム開会に先立ってあいさつに立たれた知事の言葉の中に、「どの地域にあっても、どの立場にあっても、皆が楽しく生き生きと生活できるふるさとづくりを」という一節がありましたが、私もまさにそのとおりであると感ずるものでありますし、当日あいさつの後、時間の許す限り客席で講演を聞き入っておられた知事の姿を拝見いたし、改めて知事の福祉の町づくりに対する前向きな姿勢をかいま見た思いがいたし、感激をいたしました。
 また、十二月九日付の新聞報道によりますと、「数の不足 将来深刻に 調査で高い需要確認」という見出しのもと、県理学療法士協会と県作業療法士会が西口県知事に対し、公立理学療法士、作業療法士四年制大学の設置を求める要望書を提出したという記事が掲載されておりました。その内容は、県は七七年から、理学・作業療法士の確保を目的に、県理学療法士及び作業療法士修学資金貸与事業を行っており、養成学校在学者で将来、県内の医療機関等に勤務しようとする人にこの修学資金を貸与し、条件を満たせば返済を免除するというものであります。しかし現在、本県において理学・作業療法士の数は、九三年に県が実施した需要調査から割り出した目標数には達しておらず、特に作業療法士の数は全国で最下位となっているとのことでありました。県理学療法士協会の坂口副会長は、理学療法と作業療法をだれにでも受けてもらえるよう人材養成は急務であり、県内に養成施設があれば地元に定着してくれる有資格者がふえると強調され、また県作業療法士会の森会長も、現在、作業療法士は和歌山市に集中し、それ以外の地域には皆無であり、これでは必要な患者さんに作業療法が行き渡らない、したがって行政の一層のバックアップをお願いしたいと、養成機関の設立を訴えておられます。
 ちなみに、まことに残念なことではありますが、全国で理学・作業療法士ともに養成機関がないのは六県あり、このうち四県は現在、計画・検討中であるが、本県を含め二県は計画も検討もないというのが現状であるとのことであります。理学・作業療法士養成の大学の新たな設立は今日の厳しい財政状況のもとでは大変難しいと考えますが、私の資料によりますと、神戸大学を初め信州短大、群馬短大、金沢短大等、療法士養成機関としての役割を果たしている大学や短大があります。したがいまして、例えば地元和歌山大学において療法士養成機関としての機能を取り入れていただけるよう県からお願いすることはできないのであろうかなどと考えます。
 以上のことから、知事にお尋ねをいたします。
 福祉の町づくりを進めていく上でマンパワーの確保、とりわけ理学・作業療法士の重要性というものが、前段述べてまいりましたとおり極めて大きいものであると感じるわけでありますが、このことに対するお考えと、療法士養成機関設置に対するご所見を賜りたいと存じます。
 また、公共の建物の整備としてエレベーターの設置等が進められておりますことは存じておりますが、高齢者、障害者の方にとって、まず公共の場へ行くための交通手段が問題であり、すべての人々が公共の場を利用できる機会の均等を保障し、介護、介助なしに自由に行動できる環境づくりのため、私が本年二月議会において提案させていただきました福祉バス導入に対するその後の取り組みについて、福祉保健部長にお尋ねをいたします。
 さらに十二月九日、国会において可決された介護保険法に関連してお尋ねをいたします。
 二十一世紀の超高齢化社会の到来を目前に控え、本県においては平成五年度に和歌山県老人保健福祉計画(ゴールドプラン)が策定され、平成十一年度を目標に在宅福祉サービスを初め、さまざまなサービスにおいて目標量が設定されておりますが、ハード面及びソフト面における数値目標の達成状況、並びにその目標量が現時点において県民のニーズにこたえ得るだけの十分な量であるのかどうか、福祉保健部長のご答弁を賜りたいと思います。
 ちなみに、県内において特別養護老人ホームや老人保健施設のない市町村もあり、既に地域格差が生じてきていると思われますが、このような状況のもとで介護保険の各種サービスを十分提供できるのか、不安を感じる次第であります。これに対する県当局の見解を、福祉保健部長よりお示しいただきたいと存じます。
 また、現在、御坊市にて介護保険モデル事業が進められてきた中で、六段階の要介護判定に対し、コンピューターによる一次判定と介護認定審査会による二次判定との判定結果に約二割から三割の相違があったと聞いておりますが、その内容はいかなるものであったのか、お伺いをいたします。
 また、あくまでも介護保険の窓口は市町村でありますが、不服申し立てについては県に設置される介護保険審査会が窓口になり、したがって今後そのことについて対応していけるのかどうか、あわせて福祉保健部長よりお答えをいただきたく思います。
 続きまして、コスモパーク加太計画においてお尋ねをいたします。
 このことについては、私は平成八年六月議会において、この地区を紀淡連絡道路の一大インター用地として活用されてはどうかとの提案をさせていただきました。この点について、当時土木部長からは「コスモパーク加太に関連するジャンクション等につきましても、将来的にネットワークの必要性及び地形的な条件などを含め、私どもなりに検討してまいりたいと考えております」との答弁をいただき、また企画部長からは「リゾート、研究開発、居住の三つの機能を持つ国際的複合都市の整備を基本目標としているところでございます。昨秋より着手している幹線道路整備により東西にほぼ二等分され、西側区域にはスポーツ、レクリエーション、リゾート、観光、国際交流などの交流型エリア整備を、また東側区域については、居住を基本としながら、研究などの企業活動、あるいは公共的施設などの定住型エリア整備を目指してまいりたい」との答弁をいただいたわけであります。
 インター用地としての活用については、今後、新しい全国総合開発計画や新たな道路整備五カ年計画との関連もあるため、県としてこのことに積極的に取り組んでいただきたく、再度ここに要望しておきたいと存じます。
 また、コスモパーク加太計画地内また周辺へのインター設置が実現いたしますと、大阪府側や和歌山下津港との連絡、近畿自動車道、京奈和自動車道等との高速・高規格道路との連結が重要であると認識されているところであり、具体的には、大阪府側とは加太・岬スカイライン、和歌山下津港とは本港雑賀崎地区、住金港内を経てコスモパーク加太へ至るルート等が考えられるわけでありますが、これら自動車専用道路等によるネットワークについてどう考えておられるのか。ちなみに、私は、こういった交通体系のネットワーク構想を持った上で国へ積極的に働きかけていくことが最も肝要かと存じますが、いかがなものか、お伺いをいたします。
 交通アクセスが極めて弱いコスモパーク加太にとって、この地を生かしていくためには、交通体系の整備ということにかかっていると言っても過言ではないと思いますが、以上、その側面から土木部長にお尋ねをする次第であります。
 次いで、株式会社和歌山ドームの人工スキー場計画の進捗状況とその後の見通しについて質問をさせていただきたく準備をいたしておりましたが、ここにあるように本日の新聞において着工がさらにおくれ、オープンも二〇〇〇年以降にずれ込むとの記事が大きく掲載されており、このことについては昨日の和歌山市議会総務委員会で明らかになったとのこと。
 この人工スキー場計画自体の変更、または規模の縮小等も含め、今日まで私自身非常に危惧をいたしておりましたが、今どういう状況になっているのか、改めて県としてのご見解をお尋ねいたします。
 なお、この件については、本県の若者たちの夢が乗っております。どうか、誠意ある企画部長からのご答弁をお願いいたします。
 また、この地に関連して、もう一点お尋ねをいたします。
 実は、常々思っていたことでありますが、この地における上下水道の整備いわゆるインフラ整備についてはどうなっているのか、窓口である地元和歌山市との話し合いはなされてきたのかどうか、現状と今後の見通しについてもお伺いをいたしたいと思います。
 続いて、三点目の質問に入らせていただきます。
 大阪府泉州沖に平成六年九月、関西国際空港が開港して三年が過ぎました。二十四時間利用可能な海上空港として利用者も多く、海外へ旅立つ人の数も関空効果と言われるほど年々増加をいたしております。和歌山県においても、パスポートの発行数が増加していることも考えますと、関空のおかげで海外が近くなり、和歌山の国際化の玄関口になることも期待されております。また、利用者増加に伴い発着便数も増加し、二本目の滑走路建設が計画され、二〇〇七年の完成の暁には関空利用者数は三千万人になるものと見込まれております。関西国際空港が利用者にとって便利なことは、空港までの交通アクセスが充実しているということでありましょう。道路網に関しては、和歌山市内からは阪和道で、大阪市内あるいは神戸方面からは阪神高速湾岸線で空港と直結しており、マイカーはもちろんのこと、近畿圏内の各主要都市からはシャトルバスも運行されております。あるいは、高速船を利用しての海上ルート、またJR、南海電気鉄道等の列車利用も可能であります。
 しかし、ここで一つお考えいただきたいのは、関空に列車が乗り入れたことにより、空港利用者にとって大変便利なことが、和歌山市から大阪府内へ通勤している人たちにとっては不便が生じてきているという現状があるということであります。
 平成九年五月九日付の新聞によりますと、「関空快速ができて 検証JR阪和線」と題された記事が掲載されておりました。そこには「ダイヤ改正のたびに遠くなる大阪」という見出しのもと、関空開港に伴うJR阪和線の、以下述べるような問題点が挙げられておりました。
 まず第一点目といたしまして、現在、和歌山市内から大阪府内へ通勤する人は約一万人と言われ、その足となるJR阪和線が関空開港後不便になったというのであります。関空開港前、和歌山・天王寺間を五十二分から五十五分で走っていた快速列車が、現在は通勤時間帯で一時間十分近くかかっているとのこと。
 二点目として、列車の本数の問題であります。通勤時間と重なる十七時三十分以降、天王寺から和歌山へ向かう快速と整理料金三百十円がかかるはんわライナーを合わせても一時間に三本ないし四本しか走っておらず、さらに関空開港前より本数が減っている時間帯もあるとのこと。また二十一時台では、天王寺から和歌山行きの快速が二本なのに対し関空快速は三本あり、和歌山へ帰るには、関空快速に乗り、途中日根野駅にて別ホームでの乗りかえをしているということ。特急についても、くろしおが一時間に一本なのに対し、関空特急はるかはラッシュ時でも三十分に一本あり、ノンストップで走るそうであります。ちなみに、関空快速が登場した平成六年六月から関空開港の九月までの一時期、関空快速は和歌山に乗り入れされていたこともあったそうですが、ダイヤ改正後は一本も乗り入れされなくなってしまったとのこと。
 三点目としては、車両の問題であります。関空快速はほぼ新型車両であるのに対し、阪和線を走る快速列車のほとんどは二十年以上経過した車両であり、また和歌山市以南に向かう列車の中にはいまだトイレなしの車両もあり、約三時間もの間トイレを我慢しなければならないということが起こっていると聞いております。
 四点目の問題は、料金に関してであります。和歌山・天王寺間で定期券を利用して特急くろしおに乗車する際、自由席には特急料金のみで乗れるわけでありますが、指定席の場合は定期券の利用ができないため乗車券も購入しなければならないということ。
 以上、所要時間の短縮、快速列車本数の増便、また車両、料金等の問題、そして終点天王寺で終わらせぬよう快速の大阪駅までの乗り入れ等を改善していただくことで和歌山を大阪の通勤圏に入れていくこと、それが和歌山県の経済の活性化、発展につながるのではないでしょうか。
 以上、述べてまいりました五点にわたる問題点について、県としてはどう認識をされておるのか、また現状に対する見解をお聞かせいただきたいと思います。
 さらに、JRに対し県より申し入れをしていただきたく、これに対する県のお考えをお示しいただきたいと思います。約一万人の通勤客は、土曜、日曜を除き毎日仕事で、つまり生活の足として利用しているという事実をよくお考えいただきたいと思います。
 次に、交通死亡事故防止に関連して、警察本部長にお尋ねをいたします。
 だれもが安全に通行できる交通社会の実現や悲惨な交通死亡事故の減少、抑止は県民すべての願いであります。昨年の全国の交通事故による死者数は、九年ぶりに一万人を下回ったと聞いております。また県内においても、全国同様、交通事故での死者数が大幅に減少し、十年ぶりに百人を下回ったとのことで、大変喜ばしい結果であると考えます。しかしながら、県内において年間百名近くの人々が輪禍の犠牲となり、亡くなられているという現実は、社会全体の課題として厳しく受けとめる必要があると思うのであります。特に本県については、湯浅御坊道路の御坊市までの延伸、二十四時間型社会の常態化、さらに急速な高齢化社会への移行等を背景に、交通事故の質的な変化、量的な増大が今後ますます進展していくことが懸念されるところであります。
 去る十一月二十日付の新聞に「増える高速道の事故 延伸に伴い十年で七倍に」という記事が掲載されており、その中で一九八七年には一日平均七千四百台だった和歌山インター付近の通過車両が、大阪直結前年の一九九二年には二万五千台に、現在では三万七千台までふえ、これに伴い、八七年にはわずか五十二件だった事故が、九二年は二百三件、昨年は三百四十六件、ことしは十月末で既に三百五十三件に達するなど急増しているとのことであります。
 このような情勢の中で、交通事故を減少させ、あるいは抑止を実現する上において、我々ドライバーのマナーの向上はもちろんのこと、警察の果たす役割は極めて大きいと考えるところであります。もちろん、今日まで高速道や一般道における交通事故防止のため、県警においてはパトロール強化を図り、阪和自動車道に速度自動取り締まり装置を設置、加えて日本道路公団と協議の上、長峰トンネルの中央線にポストコーンを設置、カーブ手前での矢印表示や誘導のための黄色反射板、スリップしにくい路面舗装、また要望させていただきました阪和道への夜間照明の設置や自発光式道路びょうの増設等、これら設備面の改良を含む事故対策をとっていただいてきたことに対しては十分承知をいたし、大いに感謝をしているところであります。
 そこで、お尋ねをいたします。
 警察として現在の交通事故の現状をどうとらえているのか、また今後どのような方針のもとで交通死亡事故の抑止対策を推進していかれるのか、さらに本年の交通死亡事故発生状況、死亡事故の特徴的傾向等を含めて警察本部長にお伺いをいたします。
 最後になりましたが、雑賀崎沖埋立計画についてでございます。
 本件については、既に今議会で先輩・同僚の三名の議員より質問がなされ、各方面にわたり論議がなされてまいりました。特定重要港湾和歌山下津港を、将来、大阪港や神戸港の代替機能をも有する物流拠点、コンテナ貨物の基地として整備されようとしていることは、地域経済に大きな夢を与えるとともに、近畿府県が広域的に進める大阪湾ベイエリア開発にとっても極めて重要なプロジェクトとなるであろうことは理解をするところであります。したがいまして、県当局が景観に配慮した秩序ある開発を進めることについては何ら申し上げるつもりはございません。しかしながら、本県には雑賀崎地区を初め貴重な自然環境やすばらしい景観が残されていることが大きな魅力でもあり、その中で多くの県民が生活をしていることも再認識しなければなりません。
 今議会冒頭の宇治田議員の質問に対し知事は、「本県のすばらしい自然、古い歴史・文化を大切にし生かしながら、同時にさまざまな施策によって本県の発展を図っていく必要がある」と申され、さらに「今日までの経過を踏まえながら、埋め立ての位置や形状についてもさらに関係各位の意見をお聞きしながら柔軟に対応してまいりたい」という答弁をされておりました。この問題は、土木部初め商工労働部、企画部、生活文化部等、それぞれに関連していく大きな問題であり、したがって今後も開発を考えていく上において十分に地元住民、また関係団体等の理解と認識を得るため、一層の努力をされることを要望させていただきます。
 先日、読売新聞のある記事に目がとまりました。それは、「住民納得の『夢』描いて」というタイトルのもと「『頭の中に『夢』を描いたのに、そんなのはダメと否定されたような……』。雑賀崎沖の埋め立て計画に反対運動が広がっていく状況について、県幹部はこうつぶやいた」とのことでありました。
 私は、この記事を読み、県幹部の夢を自分の頭の中だけにとどめず、できる限りオープンにすべきであったのではないか、またでき得るならば行政に携わる者の持つ夢と住民の夢とが同じであってほしかったと感じました。県は、埋立予定地の変更について、地元の意見を聞いて調整すると言いますが、今度こそそれが一部の県幹部の夢ではなく、地元住民、ひいては県民と同じ夢を描いていけるものであってほしい、そう願ってやみません。
 終わりに当たり申し上げます。「人皆心あり」、知事がいつも言われていることであり、私の好きな言葉でもあります。これから各質問に対しご答弁をいただくわけでありますけれども、県当局におかれては、どうかこの「人皆心あり」の意を十分にお酌み取りをいただき、誠意あるご答弁をお願いいたし、私の質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。
○議長(木下秀男君) ただいまの山下直也君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
  〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 山下議員にお答えをいたします。
 福祉の町づくりに関連をいたしまして、理学・作業療法士の養成などについてのご質問であります。
 私も、要介護高齢者、障害者等の自立を促進するためには、理学療法士、あるいは作業療法士といったリハビリ関連職種等のマンパワーの確保が欠かせないところだと考えてございます。理学療法士、作業療法士の確保については、昭和五十二年度から修学資金貸与制度を設けてございまして、近年その制度の利用者が大変増加をしてございまして、今後とも本制度の充実に努めなければならないと考えております。また先般、お話にございましたように、理学療法士協会あるいは作業療法士会からもお話がございましたけれども、県内の養成機関等の設置については、リハビリ関連職種の必要性がますます高まるものと認識をしておりますので、これからの大きな課題と受けとめてございます。国の需給計画見直しの動向も見ながら、今後十分研究を重ねたいと考えております。
 以上であります。
○議長(木下秀男君) 福祉保健部長小西 悟君。
  〔小西 悟君、登壇〕
○福祉保健部長(小西 悟君) 山下議員にお答えをいたします。
 まず、福祉の町づくり関連の福祉バス導入についてのその後の取り組みについてでございます。
 議員ご指摘のとおり、障害者や高齢者の方々が、みずからの意思で自由に行動し、主体的に社会参加が行われるためには、交通機関の整備についても建物の整備と同様に大変重要なことであると認識しております。このため県としては、現在、身体に障害のある方にも利用しやすいバス、タクシーの導入について事業者に対して働きかけているところでございます。またバスの運行に際しては、バスと停留所との段差の解消や道路等の諸問題があり、こうした各分野にまたがる問題を検討するため、本年四月に設置した施策連絡会議の中で道路、公園、交通関係ワーキングチームを設け、現在検討してございます。さらに庁外における取り組みとして、事業者や関係団体等五十九団体と三人の学識経験者で構成する福祉のまちづくり推進協議会を本年九月に設置し、県民意識の高揚を図るための啓発や情報交換等を実施し、県民参加による町づくりを行うべく取り組んでいるところでございます。今後とも、県、市町村、事業者、県民がともに力を合わせて一体となり、障害者や高齢者の方々の社会参加を促進するため、交通問題も含め、福祉の町づくりの一層の推進を図ってまいります。
 次に、介護保険法導入に関しての四点についてお答えいたします。
 和歌山県老人保健福祉計画における数値目標の達成状況でございますが、特別養護老人ホーム等の施設サービスについては、既に目標を達成しているものも含め、おおむね順調に進捗してございます。一方、在宅サービスについては、ホームヘルパーの確保が平成九年三月現在で五五%という状況であり、制度導入時の平成十二年までには目標を達成すべく、市町村に対しより一層の指導に努め、サービス量の確保を図ってまいりたいと考えております。
 次に市町村間の地域格差については、特別養護老人ホーム等の施設サービスは老人保健福祉圏域の中で広域的に整備するものとし、在宅サービスは各市町村ごとに整備しているところでございます。その意味では、在宅サービスは市町村がそれぞれ特色のあるものを整備していくものと考えますが、このことが不公平感につながらないように指導していく必要があると考えております。
 次に介護保険認定モデル事業についてでございますが、平成八年度に全国で六十カ所、本県においては御坊市で実施されたところでございます。ご質問の判定結果の差異については、一次判定はコンピューターによるものであり、二次判定はかかりつけ医の意見書もあわせ審査員が総合的に判定したことにより生じたものでございます。具体的には、一次判定で比較的軽度の介護度であったものが、痴呆の状態等を総合的に勘案すると最重度であるとの二次判定された例もあり、またその逆の例もございました。全国的にも御坊市と同じく相当の差異が生じており、厚生省においては、その差異を縮小すべく調査項目の見直し等も含めて本年度は対象箇所を拡大し、本県においても県単独実施も含め十三カ所で実施しているところでございます。
 次に不服申し立ての介護保険審査会については、具体的な内容等について今後政令で定められるところですが、本県の地域性や迅速な対応などを考慮しながら検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(木下秀男君) 土木部長長沢小太郎君。
  〔長沢小太郎君、登壇〕
○土木部長(長沢小太郎君) 山下議員にお答えいたします。
 コスモパーク加太計画についてのうち、自動車専用道路等によるネットワークについてでございます。
 和歌山市北部地域を中心とする自動車専用道路等による規格の高い道路ネットワークについては、現在、和歌山下津港を通り紀淡連絡道路と結ぶ新たな臨海線、さらに大阪府側へと続く、仮称でございますけれども加太・岬スカイライン計画について諸課題の検討を行っているところでございます。また、紀淡連絡道路によりまして京奈和自動車道や阪和自動車道とも連結することによって、より充実した道路ネットワークを構築できるものと考えておりまして、今後ともこれらの構想の具体化に向け、国及び大阪府に強く働きかけながら検討を進めてまいりたいと考えております。
 議員ご質問のコスモパーク加太へのアクセスについては、現在策定中の本県の新たな長期総合計画での位置づけを踏まえた道路整備が必要と考えており、コスモパーク加太計画の具体化にあわせて検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(木下秀男君) 企画部長藤谷茂樹君。
  〔藤谷茂樹君、登壇〕
○企画部長(藤谷茂樹君) 山下議員にお答え申し上げます。
 コスモパーク加太区域内に株式会社和歌山ドームが計画しております人工スキー場建設計画についてでございますが、同社からの依頼に基づき、県土地開発公社が行っておりました建設用地の造成工事は本年十月に完了し、現在、造成費用の清算と引き渡し等について同社と県公社で協議中でございます。
 一方、スキー場等の施設工事については、先般、一、二年程度工事着工を見合わせたい旨の申し出がございました。その説明によりますと、三年前の計画発表当初に比べ、最近の社会経済環境は一変し、非常に厳しく不透明なものであるので、今後の余暇人口やスキー需要の動向を踏まえながら、総事業費、施設規模、事業内容等を再検討し、厳しい経済環境のもとでも対応可能な安定した事業計画を再構築する検討期間として一、二年を要するとのことでございます。県としては、和歌山市及び県土地開発公社と調整を図りながら、今後ともその実現に向けて積極的に対応してまいります。
 次に上下水道の整備についてでございますが、上水道については、和歌山市水道事業第五期拡張整備計画の中に組み入れていただくこと、また下水道計画については、公共下水道計画の北部処理区域に組み入れていただくことについて、これまでに市と協議を行い、基本的に合意を得ています。今後は、策定中のコスモパーク加太の土地利用計画が確定されれば具体的な内容について協議を進めてまいります。
 次に、JR阪和線の時間短縮、利便性向上等に関してのご質問でございます。
 JR阪和線は、和歌山県北部、大阪泉南地域と大阪市を結ぶ沿線地域住民の通勤、通学輸送に加えて、近年は関西国際空港への旅客輸送を担うなど、県民にとって極めて重要な線区であると認識してございます。
 快速電車の所要時間短縮と増便の問題についてでございますが、関西国際空港開港後の日根野駅停車、旅客需要の増加による通勤時間帯の六十谷駅、紀伊駅への快速電車の停車により所要時間が増加せざるを得ない面もございます。しかしながら、現在JR西日本において積極的に検討されている大阪駅への快速電車の直接乗り入れによる乗りかえ時間の短縮とあわせて総合的に改善されるものと考えられますので、この大阪駅への快速電車の乗り入れ実現を強く要望してまいりたいと存じます。
 次にトイレの問題については、阪和線と紀勢線の直通運転が実施された時点で、ラッシュ時における旅客需要に対応するため、ロングシートの一〇三型電車を使わざるを得なかったという事情によるものでございます。県といたしましても、長距離区間を利用する方々にとっては切実な問題でありますので、引き続きトイレつき車両の連結など申し入れてまいりたいと存じます。
 料金の問題につきましては、現行の料金制度のもとでは定期券で指定席には乗車できないことになっているものでありますが、和歌山以南の県内部分は特例的に認められているものであります。今後、天王寺からの定期券利用についても認めていただくよう働きかけてまいりたいと存じます。
 今後とも、県民の利便性向上、地域活性化の観点から、阪和線の輸送改善についてJR西日本を初め関係機関に対して積極的に要望してまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○議長(木下秀男君) 警察本部長米田 壯君。
  〔米田 壯君、登壇〕
○警察本部長(米田 壯君) 山下議員のご質問にお答えをいたします。
 本年十一月末現在の全国の交通事故による死者は八千六百六十一人、前年対比でマイナス二百八十二人でございます。死者数は減少しているものの、発生件数、負傷者とも年々増加傾向にございます。
 次に、県下の本年十一月末現在における交通事故の発生状況でございますが、人身事故総数は七千百九十九件、死者数は八十四人、負傷者数は八千七百五十六人でございます。全国的特徴と同様でございまして、死者数はマイナス六人と減少しておりますけれども、発生件数、負傷者ともわずかに増加しております。
 本県で、過去年間交通死者がピークを迎えたのは昭和四十四年でございまして、当時、年間死者二百三十人、車両台数一万台当たりに直すと十二・二人という数でございました。その後、諸対策を強力に推進してきた結果、昨年は死者九十四人、車両台数一万台当たりにすると一・四人というところまで抑え込むことができておるわけであります。しかしながら、運転免許人口、車両保有台数は年々増加を続け、加えて阪和自動車道や湯浅御坊道路の延伸による国土軸への直結等により交通流・量とも増加し、それに伴う交通死亡事故の増加が憂慮されるところでございます。
 最近の交通死亡事故の特徴的傾向といたしましては、一つは、高齢者の死者が三十人ございまして、全交通死者八十四人の三五・七%を占め、昨年に比べても二・四ポイント増加するなど、依然として高水準で推移しております。また、五年連続して死者数の最も多い年齢層となっておりまして、今後とも高齢化社会の進展に伴い死者の増加が懸念されるところであります。二つは、国道四十二号、二十四号等の二けた国道、それから阪和高速道路における死亡事故が多く、全死者の四二%、三十五人の方が亡くなっております。特に、夜間死者に占める割合が六五・七%と高くなっております。三つ目は、車両単独の死亡事故も多く、全死者の四三%、三十六人の方が亡くなっております。
 これらの死亡事故の原因についてでありますけれども、前方不注意、安全不確認等のうっかり運転による事故が二十九件、全体の三七%を占めております。さらに、信号無視等の悪質違反、飲酒運転を伴う原因の事故が二十八件発生をいたしまして、これが全体の三五%を占めております。
 今後の対策でございますけれども、交通事故のない安全な社会を実現することは県民すべての悲願であり、また交通事故は県民の日常生活の中でも最も身近で関心の高い問題でございます。このため警察といたしましては、交通事故の実態を踏まえ、関係機関、団体、とりわけ県や市町村で結成している交通事故をなくする推進協議会等との連携を強化して、広報啓発活動や参加・実践・体験型の交通安全教育などによる高齢者対策の推進、信号灯器の大型化、道路標識のワイド化・高輝度化、自発光式道路びょうの増設等の交通安全施設の整備充実、二けた国道や高速道路等における速度自動取り締まり装置を活用した大幅な速度超過の取り締まり、飲酒、無免許運転などを重点とした交通事故に直結する悪質、危険性の高い交通違反の取り締まり等の諸対策を講じていくこととしております。また現在、年末の交通事故防止を重点にパトカーと制服警察官を大量投入して街頭活動の強化を図っているところでございます。
 以上でございます。
○議長(木下秀男君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(木下秀男君) 再質問がございませんので、以上で山下直也君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
○議長(木下秀男君) この際、暫時休憩いたします。
  午前十一時二十一分休憩
      ─────────────────────
  午後一時二分再開
○議長(木下秀男君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
○議長(木下秀男君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 34番井谷 勲君。
  〔井谷 勲君、登壇〕(拍手)
○井谷 勲君 議長のお許しを得ましたので、通告に従って一般質問をさせていただきます。
 紀泉百万都市圏構想実現のための紀北地域の問題についてお尋ねいたします。
 まず初めに、京奈和自動車道に関しての道路問題についてでございます。
 京奈和自動車道は、京阪神都市圏の外環状道路の一翼を担う路線として関連地域相互の連携強化を図るとともに、住宅開発や産業立地等に伴う新たな交通需要に対応する路線であり、さらに西日本の広域経済文化圏の形成に向けた太平洋新国土軸の早期実現に資する道路として早期整備が望まれております。このうち、橋本道路については平成元年度に事業化され、用地買収が進み、一部工事にも着手されております。一方、紀北東道路についても平成五年度に事業化され、都市計画決定のための諸調査が実施されていると聞いております。一昨日は佐田議員から、紀北東道路並びに国道二十四号岩出バイパス打田町黒土地点から那賀郡東部への東伸計画の必要を強調されておりますので、私は省略いたします。また、本年度より打田町から和歌山市間の紀北西道路十二キロが事業化され、事業着手に向けた諸調査が進められていることと思われます。
 このように、京奈和自動車道については早期実現に向けて着々と進められているところですが、一般的に高速道路は、単に人や物を速く運ぶという役割だけではなくその沿線地域の産業活動等を促し、特にインターチェンジ周辺においては他府県でも工場等の立地が進んでおり、地域社会に与える影響は大変大きいものがあります。
 そこで、南麓サイエンスパーク、桃山町の工業団地等への新たな企業誘致を促し、関西国際空港の全体計画を見据えた地域振興の発展に寄与するとともに、知事が提唱されている紀泉百万都市圏構想の実現のためにも、関西国際空港や阪神圏と近接した岩出町根来地域の県道泉佐野岩出線周辺に京奈和自動車道紀北西道路へのフル規格のインターチェンジが必要であると考えております。土木部長の所見をお伺いいたします。
 続きまして、那賀地域への企業誘致の促進についてであります。
 全国的に長引く消費の低迷、また金融不安への懸念等により景気の先行きについては大変危惧されているところですが、このような中で政府においては先月十八日、二十一世紀を切り開く緊急経済対策を策定しております。この対策には、規制緩和、土地の流動化、中小企業対策などの七分野百二十項目にわたる施策を盛り込んでおられます。今回の特徴を一言で申しますと、短期的な需要を創出するよりも、中長期的な視点に立って民間の活力が発揮できるよう我が国の経済構造改革を推し進めることに重点を置いていることであります。新聞紙上などにも、この対策では景気に対して即効性がないと評判は芳しくありませんが、構造対策への取り組みとしては一部に評価する向きもございます。
 さて、このような経済構造改革への対応は、当然本県にも求められるものであります。構造改革の背景となっている時代認識、つまり少子化・高齢化社会の到来、価値観の多様化、また経済の国際化、情報化の進展等々の社会経済環境の変化はまさに二十一世紀に向かっての大きい奔流であり、本県はその流れを的確にとらえ、県勢の浮揚を図っていかねばなりません。特にこの対策で指摘されたところでもありますが、今や、経済の国際化を背景に企業が最適な事業環境を求めて国を選ぶ時代になってきております。海外へ進出する企業が増加する一方、国内の立地件数は低迷しております。
 このように全国的にも厳しい状況にある中、本県の企業誘致もこの数年芳しくありませんが、それでも昨年は打田町の北勢田ハイテクパークにコテック、また本年もかつらぎ町の西渋田工業団地に松阪興産の誘致がなされております。これは、県当局を初め関係機関の努力のあらわれと考えております。しかしながら、本県が二十一世紀に向けて大きく飛しょうするためには、厳しいことは重々理解しておりますが、企業誘致についてはより強力に推し進める必要があるのではないでしょうか。
 紀の川流域は、県の第四次長期総合計画において、関西国際空港への近接性を生かした新たな開発拠点として、産業、研究開発、学術などの機能の集積を目指す紀の川テクノエリア、紀の川テクノゾーンに位置づけられております。この長期計画が策定されて既に十一年が経過しておりますが、この間に、念願でありました関西国際空港が平成六年に、また研究開発・学術機関として近畿大学の生物理工学部が平成五年に開学しており、さらに京奈和自動車道を初めとする交通網の整備も進みつつあります。
 このような中、特に那賀地域は発展への基盤が着実に形成されているわけですが、先ほど申しましたとおり、全国的にも厳しい状況にある中、どのように当地域への企業誘致を促進していくのか、商工労働部長にお尋ねいたします。
 次に、第三点として那賀地域の農業問題についてであります。
 日本経済の先行きについては悲観論が次々に勢いを増すという情勢になっておりますことは、ご承知のとおりでございます。例えば、この十月末には長期国債が一・六%を下回り、世界でも最低の金利水準を記録しております。また、マスコミ報道に見られる山一証券の自主廃業を初めとする大手金融機関の崩壊に代表される金融市場の混乱等々、数え上げれば切りがないのであります。このことは、私たちが今迎えようとしている時代に対して最もふさわしい処方せん、政策が十分に用意されていないことから発しているのではないかと考えております。しかし、だからといって根拠のない悲観論に陥ってしまうと、百害あって一利なしであります。こうしたことは、過剰な世論の動向にも大いに責任があることであろうと思います。ともすれば極端な見方や過度の単純化したモデルに走りがちな私たちの気質にも一因があるものであります。
 あのオイルショックのときを思い出します。もはや対応すべき技術なしという悲観論が支配されていた中、私たちが省エネ技術の開発で乗り切ったことは記憶に新しいところでございます。技術の現場では、不易と流行の二つの分野が相互に補完し合いながら新しい技術を開発しているのであります。不易の部分を見ず、一時の流行だけを追う論議は現場を離れた観念論に陥りやすいことは、歴史の証明するところであります。
 農業にも同様のことが当てはまるのではないでしょうか。農業問題を語るまくら言葉として、これまでどれだけ多く「厳しい」、「非常に厳しい」という言葉が使われてきたのでしょうか。将来に不安を持った悲観論があちこちと聞かれるのであります。確かに一般論として、現状を認識するとその情勢は厳しいということでございますが、オレンジ・果汁の自由化を初め、最近では米の部分開放や農林水産物の関税引き下げ等を内容としたウルグアイ・ラウンド農業合意などに見られる国際化の進展とともに、国内に目を移しますと、緊急課題である財政構造改革を推進する一方で、昭和三十六年制定の農業基本法にかわる新たな基本法の制定に向けて本格的な検討が開始され、食糧、農業、農村の指針づくりに取り組まれつつあります。しかし、こうした情勢の変化、すなわち流行の部分に目を向け過ぎ、農業本来の持つ価値といいますか、変わらない不易の部分を忘れがちなのではないでしょうか。
 本県の農業生産は、自然との共生を前提とし、適地適策を基礎に営々と築かれて引き継がれてきた先人の技術がうまくかみ合わされ、そこに四百年の歴史と伝統を持つ有田ミカン、また桃、カキ、梅等の日本一の銘柄産地が形成されてきたことは論をまたないのでございます。いま一度原点に立ち返り、一時の豊凶に左右されることなく不易の部分に目を向け、もっと農業に自信を持っていいのではなかろうかと考えるのであります。
 地域には、地域に適した作目があります。そして、地域に根差した技術があります。これを忘れてはいけないのであります。と同時に、時代は動いております。流行の部分にも心しなければなりません。安全や健康を優先される消費者ニーズの台頭、農業生産の担い手の高齢化や後継者不足に対応した生産基盤の整備等々、多くの課題に機敏に対処していく必要があります。二十一世紀の本県農業を展望するとき、不易と流行の分野がそれぞれ補完し合うことができれば明るい未来が開かれてくるのではないかと私は確信します。
 そこで、本県農業の縮図と申しますか、那賀地域の農業について考えてみることにします。
 那賀地域は、京阪神の大消費地に隣接する地の利に恵まれた中で、果実、野菜、花、畜産等の各部門において多様な振興が積極的に図られてきましたが、景気の低迷や都市化の進展とも相まって農業生産は厳しい環境に置かれているのではないでしょうか。例えば果実につきましては、昨年は地域特産の桃、カキともに高価格で推移し、農業経済もある程度潤いがあったのではないかと私は思います。ことしはどうでしょうか。気候に恵まれ、順調な生育を見せておりますが、夏場の降雨などがあり、九月下旬の極わせミカンでは糖度が低く、近年にない低価格となっております。
 国、県では、こうした情勢に対処し、緊急需給特別対策として温州ミカンの市場隔離を発動するなど積極的な取り組みが行われておりますことは、高く評価をいたします。しかし、品質面のことですので、今後その価格回復は至難のわざではないかと思われます。積極的な販売推進を初めとする関係機関の一体となった取り組みを切望するものであります。またカキにつきましても、大幅な生産増ということもあり、やはり厳しい価格情勢にあります。農業にとってはダブルショックであり、農家の嘆きが聞こえてくるようです。
 私は、農家が手塩にかけて育ててきたものが今年のような価格で推移するときの心情は、痛いほどよくわかります。しかし、農家にも自信を持ってもらいたいものであります。将来を見据え、適地適策を基本に地域の実態に合わせながら、時代の先を読んで農業経営を構築していただきたいと心から願うものであります。
 松下幸之助氏の言葉の中に「道」と題したものがあります。その中で、「自分には自分に与えられた道がある 天与の尊い道がある 広い時もある せまい時もある のぼりもあれば くだりもある 思案にあまる時もあろう しかし 心を定め 希望をもって歩むならば 必ず道はひらける 深い喜びもそこから生まれてくる」と言っております。
 農家の自助努力に期待しながら、農林水産部長にお尋ねいたします。
 今後も大きく変化を続けるであろう情勢の中で、二十一世紀に農家が自信の持てる那賀地域の農業の展開方向をお示しいただきたいものです。
 以上で、私の一般質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。
○議長(木下秀男君) ただいまの井谷勲君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 土木部長長沢小太郎君。
  〔長沢小太郎君、登壇〕
○土木部長(長沢小太郎君) 井谷議員のご質問にお答えいたします。
 京奈和自動車道のうち、紀北西道路に関するご質問でございます。
 京奈和自動車道紀北西道路は平成九年度に新規事業化されたところでありまして、現在、計画決定に向けた調査が建設省において鋭意進められているところでございます。県といたしましては、広域ネットワークの形成等の観点から、県道泉佐野岩出線へのインターチェンジ設置を国に対して要望してまいる考えでございます。
 以上でございます。
○議長(木下秀男君) 商工労働部長日根紀男君。
  〔日根紀男君、登壇〕
○商工労働部長(日根紀男君) 企業誘致の促進についてのご質問にお答えいたします。
 県といたしましては、県内それぞれの地域の持つ特色や魅力を生かした企業誘致に積極的に取り組んでいるところでございます。
 那賀地域につきましては、議員のお話のとおり、北勢田ハイテクパークあるいは桃山第二工業団地を初めとする工業団地や道路交通網の産業基盤の整備も着々と進展し、また至近距離に関西国際空港も位置していることから、国際的な事業展開を図る企業にとっても大変魅力的な地域になってきているものと考えております。
 さらに、高等教育研究機関である近畿大学生物理工学部、和歌山大学システム工学部の開設、また県工業技術センターや県デザインセンターなどの整備によりまして、企業に対する研究開発の支援体制も着実に整ってきております。
 県としましては、このような地域が企業の立地に際してハード・ソフト両面においてすぐれた事業環境を有することを最大限に生かしてまいりますとともに、全国でも高水準な優遇制度をもって積極的に企業誘致の促進を図ってまいる所存でございます。
○議長(木下秀男君) 農林水産部長平松俊次君。
  〔平松俊次君、登壇〕
○農林水産部長(平松俊次君) 那賀地域における農業の展開方向についてのご質問でございますが、那賀地域は、将来、紀泉百万都市圏として発展が見込まれる中で、進取の気性に富んだ農家による養液栽培など、集約的な農業も見られるところでございまして、こうした立地条件等を生かした、より収益性の高い農業が展開できる地域であると認識してございます。
 県では、将来に向けた力強い農業を切り開いていくため、二十一世紀農業振興計画を策定し、基本的な振興方向として、技術革新、高品質、安全・健康を一層推進する三H農業の展開を目指すこととしてございますが、那賀地域につきましては、先人たちが築いてきた技術力を背景に、地域の特性を生かした桃、カキ等の落葉果樹や緑化木をベースとしながら、新技術を導入した軟弱野菜や需要の拡大が見込まれる花壇苗等も取り入れた、都市と共存した多様な農業の展開に努めてまいりたいと考えてございます。
 また、県といたしましては、こうした農業生産の核となる中核農家が自信を持って取り組めるよう、高い農業所得の実現を目指した経営モデルとして桃を中心とした複合経営なども示してございまして、これら実現のため、ウルグアイ・ラウンド国内対策を有効に取り入れるなど、積極的な施策展開に努めてまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○議長(木下秀男君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○議長(木下秀男君) 再質問がございませんので、以上で井谷勲君の質問が終了いたしました。
○議長(木下秀男君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 5番下川俊樹君。
  〔下川俊樹君、登壇〕(拍手)
○下川俊樹君 平成九年十二月定例会、私で最後の登壇であります。連日ご精励をいただいているところであり、大変お疲れだと存じますけれども、最後までご清聴のほどよろしくお願いを申し上げます。
 私は、お許しをいただきまして、以下四項目について質問をさせていただきます。
 第一は鉄道整備であります。第二は救命救急医療、第三は熊野学研究センター、そして第四は市田川の改修についてであります。
 まず第一点は、JRきのくに線を走る特急電車のスピードアップ及びグレードアップについてでございます。
 この問題につきましては、私が議員当選以来、一貫して主張してまいったテーマであり、高速道路の南伸、内陸部道路整備と並んで紀南地域の交通対策の三本柱の一つとして取り組んでまいりました。幸い、高速道路の南伸も着実に整備され、また内陸部の山岳軸も、国道四百二十四号に加え、水上、栃谷から国道三百十一号線への整備、そして何よりも国道三百十一号線の大幅な改良により見違えるような成果を上げ、私どもが要望に要望を重ね、個人的にも親子二代にわたる悲願であった県内二時間交通圏の実現が目前に見えてまいりましたことは同慶の至りであり、地元の県会議員として大いに感謝を申し上げる次第であります。したがいまして、今回の質問は鉄道整備についてであります。
 平成十一年の四月から九月までの約半年間にわたって、熊野地域を舞台に南紀熊野体験博が展開されることになっており、地元の機運も相当盛り上がりを見せてきていることは、まことに喜ばしいことであります。それにつれて、地元の期待も日一日と大きくなってきてございます。
 熊野博に対する地元の期待とは何か。その内容はさまざまに考えられますが、今回は鉄道、道路といった交通面からの切り口からとらえてみますと、まず第一点は、この博覧会を機会に大きく基盤整備が進むということです。現に国道を中心とする道路面の整備は目をみはるものがあり、鉄道にも同様の期待がかかります。期待の第二は、整備された道路、鉄道を利用して博覧会終了後も継続的にお客さんが熊野地域に訪れてくれることであり、このことが継続的な熊野地域の活性化に結びついていくことへの期待であります。こうした二つの期待を背景に、以下、鉄道に絞って質問を進めてまいります。
 南紀熊野体験博では、田辺市と那智勝浦町の二カ所に拠点会場が設けられることになっておりますが、道路事情がよくなってきておりますので、リゾート博を例にとってみますと、参加者の大体七〇から八〇%ぐらいの人は乗用車や団体バスを利用することになると言われてございます。そうしますと、JRきのくに線を利用して二つの拠点会場へ来られる方は二、三割程度と見込まれるわけであります。そして、JRを利用される大方の人は、特急電車を利用するものとも思われます。
 ところが、現在、この特急電車には、オーシャンアロー、スーパーくろしお、くろしおの合わせて三つのタイプの特急電車が走っております。同じ乗車賃と特急料金、それと座席指定料を払っても、これらの電車の乗り心地には雲泥の差があると言っても差し支えありません。特に、特急くろしおの乗り心地が悪いということは衆目の一致するところであります。
 昨今、安く行ける海外旅行に押されて国内旅行は苦戦を強いられております。それは、海外の方がホテルも新しい上に安い、サービスも充実している、その上、パック旅行であれば航空運賃も非常に安いということがあり、国内旅行はどことも厳しい状況にあると言っても過言ではありません。このような状況の中で、南紀観光で利用されるJRきのくに線の一部の特急電車のサービスが余りにも貧弱であると言わざるを得ません。JRきのくに線の利用客がここ毎年落ちてきていると聞いておりますが、オーシャンアローは別にしても、特急くろしおであればだれもが二度と乗りたくないと思うのが普通ではないでしょうか。また、電車のスピードを見ましても、オーシャンアロー十八号では新宮から和歌山まで二時間四十分、くろしお十四号では三時間四分と、二十四分も余計に時間がかかります。きのくに線の高速化事業により本年の三月に新たに導入された新型の特急電車オーシャンアロー号については、スピードが速くかつ乗り心地も非常によいということで、快適な電車の旅を楽しめ、旅行客にもビジネスマンにも、また地元の人々にも大変好評であります。しかしながら、南紀熊野体験博にJRを利用して来ていただいても、特急くろしおに乗車された方には快適な旅行気分を味わっていただけないのではと、とても危惧するところであります。
 そこで、南紀熊野体験博を機会に、特急電車についてくろしお号からオーシャンアローへの全面的な切りかえを図るようJR西日本に働きかけるべきだと思いますが、知事、いかがでしょうか。所見をお伺いしたいと思います。
 次に、JRきのくに線のさらなる高速化についてでありますが、平成七年度と八年度の二カ年にわたってJRきのくに線の高速化事業が行われ、本年三月のダイヤ改正から和歌山・新宮間は二十分の時間短縮が図られてございます。新型の特急電車オーシャンアロー号が導入される以前は、スーパーくろしお八号で新宮から和歌山まで三時間七分かかっていましたが、オーシャンアロー十八号は二時間四十分で来られるようになっております。これを新宮から田辺までと田辺から和歌山までに分けて比較してみますと、新宮から田辺までは一時間三十八分、田辺から和歌山までは一時間二分となっております。これを距離で見ますと、全区間で二百・七キロ、新宮から田辺までは百五・二キロ、田辺から和歌山までは九十五・五キロであります。つまり、和歌山・田辺間は百キロを一時間で走り、田辺・新宮間百キロは約一時間四十分を要するということであります。また、これを平均時速から見てみますと、全区間で平均時速七十五キロ、新宮から田辺までは平均時速六十四キロ、田辺から和歌山までは平均時速九十二キロとなります。次に、オーシャンアロー号導入以前のスーパーくろしお八号では、全区間で三時間七分、新宮・田辺間で二時間四分、田辺・和歌山間で一時間三分となり、これを平均時速で見ますと、全区間で平均時速六十四キロ、新宮・田辺間で平均時速五十一キロ、田辺・和歌山間で平均時速九十一キロとなります。
 確かに、高速化事業により全区間で時速十一キロ、新宮・田辺間においては時速十三キロもスピードアップがなされておりますが、まだまだ高速化の余地があるのではないかと考えるのであります。新型オーシャンアロー号の導入やそれによるスピードアップは、地元の人々に大きな喜びと期待と拍手をもって迎えられました。私としましても、こんなうれしいことはありません。しかしながら、これはJRきのくに線改革の第一歩であり、地元の方々や私たちの要求はさらに第二段階のスピードアップにと、レベルアップしております。当局は、第一段階の成果に満足して気を緩めることなく、さらなるスピードアップへの取り組みを要望するものであります。
 もちろん、田辺から新宮までは単線であることは十分承知をしておりますが、特急列車用のポイント改良、そして線形の直線化、特に対向する駅舎におけるポイント強化とプラットホームを含めた線形の改良は当局の従来からの約束であり、早期の実現が望まれるところであります。JRきのくに線のさらなるスピードアップについて、知事の答弁を求めます。
 次に、新宮・東牟婁地域の救急医療体制についてお尋ねをいたします。
 心筋梗塞、脳卒中などの重篤患者が発生したとき、その医療を受け持つべき救命救急センターについては、南北二百キロに伸びる本県にあって、和歌山市に一カ所設置されているのみであります。もし紀南においてこのような患者が発生したときは、その患者に対する医療はどうなるのでありましょうか。現在の当地域の医療機関の状況を見れば、甚だ心もとないというのが実感であります。県勢の南北格差がよく指摘をされますが、人の命に地域格差があってはなりません。
 この救急センターの設置に関する厚生省の基準は、通常は人口百万人に一カ所、特例としても人口三十万人に一カ所と聞きました。この基準に従えば、新宮・東牟婁地方のようなこれから人口増加のそう望めないところにとっては、救急センターの設置はまず無理な話となります。しかも、当地域は高速交通体系がまだまだ未整備であり、加えて老年人口比率が非常に高く、今後さらに高齢化が加速すると考えられます。このような地域に対して一律に百万人だの三十万人だのといった基準を適用していくのは、地域住民にとっては大変つらく心配で、希望の持てる話ではありません。私はむしろ、視点を変えて、通常の輸送システムによる患者の搬送時間を基準として、例えば一時間圏に一救命救急センターといったような基準の方がより住民サイドに近い計画となるのではないかと考える次第であります。
 この際、人口の集積のみを当てはめる厚生省の基準の見直しや緩和を考えるか、それとも遠隔医療のような最新の技術を導入した現地診療体制の強化を目指すか、あるいは救急患者搬送の改善に取り組むのか、福祉の時代と言われる二十一世紀に向けて新宮・東牟婁のような地域を対象とした救急医療体制はどうあるべきか、私たちのぎりぎりの健康面を受け持つ重要な政策課題でありますので、この基本的な考え方について知事の答弁を求めます。
 また、今回は視点を変えて、観光対策という側面からもこの問題を考えてみたいと思います。
 熊野地域の貴重な資源の一つに観光があります。さらに県は、南紀熊野体験博を開催して熊野の魅力アップを加速させようと努められてございます。そこで、先般、エジプト・ルクソールの惨劇報道を見て、ふと観光客のセキュリティー確保という問題に思い及んだ次第であります。日本においてはあのようなテロリストによる人為的被害というものは余り考えられませんが、事故であれ自然災害であれ、あるいは食中毒のようなことであれ、一たび事件が起こってしまえば観光地のイメージに対する打撃は相当大きなものであると思われます。特に、被害者に対して速やかな救助・救急の治療が行われなければならないことは、地域イメージの問題にとどまらず、人道的見地からも当然であります。
 さて、このように観光振興ということにも関連するこの救急医療というテーマは、かねてから新宮・東牟婁地域の住民生活においても大変大きな問題であるわけでございますので、今回、ここに改めてお伺いをいたしたいと思います。県は新宮・東牟婁地域の救急医療体制についてどう取り組んでおられるのか、部長の答弁を求めるものであります。
 次に、熊野学研究センター構想について質問を続けます。
 本構想については、熊野デザイン会議以来のテーマであり、その後の経過については改めて繰り返す考えはありません。私は今回、この問題を南紀熊野体験博との関連においてとらえてみたいと思います。私なりに南紀熊野体験博を大ざっぱに整理してみますと、それはつまるところ、いかに熊野の魅力を全国の方々にお伝えするか、そして、その熊野の魅力を求めていかに長年にわたってこの地を訪れてくれるきっかけとするかということになるのではないかと思います。そのためには、本物の熊野を丸ごと提示しなければなりません。
 熊野には、海、山、川、温泉等、さまざまな魅力がありますが、悠久と守りはぐくんできた歴史、文化も大きな熊野の資源であることは今さら申し上げることもございません。私たちはこの博覧会を通じて、熊野がいかに魅力的か、そして大切かということを再確認し、そしてこの熊野をこれからも大切に整備し、保存し、二十一世紀の子や孫たちに引き継ぐこと、そして同時にこの熊野の魅力を全国の人たちに伝え知っていただくことが大きな役割であり、意義なのだということを再認識したいと思います。私は、そうした意味におきまして熊野学研究センターがあるのではないかと考えてございます。
 熊野の歴史に身を浸し、文学に心をはせ、環境を享受し、宗教を考える、まさに熊野の地が国民全体のいやしの地であり再生の地であるこの熊野を紹介し、全国に発信する場が熊野学研究センターではないのでしょうか。私は、熊野学研究センターをこう位置づけてございます。
 もとより、新宮市を初め東牟婁地方の方々が長年の悲願として取り組んでこられた熊野文化会館の建設が一方において強く要望されていることも、よく承知をいたしております。地元の方々が熊野の文化に誇りを持って、これをはぐくみ発表する場としての文化会館もまた大変重要な地域課題であります。熊野の文化を内から振興し、全国に発信するためにも、整備に当たってはぜひとも熊野学研究センターと熊野文化会館の同時施行を強く望むところであります。
 しかしながら、計画の具体化にはさまざまな問題、課題があろうかと思います。特に熊野学研究センターや熊野文化会館の立地場所については、周辺の環境や交通条件等が重要な検討課題であろうと思いますし、用地の選定はそれらを集約した問題でもあります。県当局も、この計画には鋭意取り組んでいただいていると聞いております。その努力を多としながら、現状の進捗状況について生活文化部長にお聞きをする次第であります。
 最後に、市田川の改修計画についてであります。
 千穂ケ峯に源を発した神倉川が浮島川等の支川を合流し、市街地を貫流して新宮川河口付近の右岸に合流する一級河川が市田川であります。延長は三・八キロ、うち新宮川合流点より丸山橋までの約二キロが国の直轄管理区域となってございます。支川浮島川には、昭和二年に国の天然記念物に指定された新宮藺沢浮島植物群落があり、暖地の浮島として、また大木で覆われていることなどから世界的にも貴重な文化財として、近年、新宮川の導水事業等により保護対策が進められております。
 新宮地方は、ご存じのように全国的に雨の多い地域であり、市の中心部を流れる市田川の流域は、宅地化に伴ってしばしば浸水被害に見舞われます。その被害は年間三回から四回、多いときで五回、床上浸水の被害を受け、国や県の地方機関が存在する地方中核都市としてはいかにもお寒い状態であると言わざるを得ません。このため、昭和四十五年度より、市田川については丸山橋から上流千八百三十メートル、浮島川については市田川合流点より浮島の森までの九百メートルについて、県で改修工事を実施しております。主な改修内容としては、堤防をつくったり、掘削による河積の拡大を図るとともに、ポンプ場を建設し、排水能力を高めることなどであります。特に昭和五十七年には、新宮川の洪水が逆流しないように、建設省により逆流防止の水門が設置されました。また、新宮川河口部の砂州は洪水のたびに流失するが、そのタイミングにより新宮川の水位は時として異常に上昇することがあり、その際は水門を完全に閉鎖する必要があります。締め切った後の上流からの洪水被害を防止する目的で、水門に隣接している毎秒五トンを排水するポンプ二台が設置されました。
 ところが、本年七月、台風七号、九号が相次いで本地域に襲来し、市田川の水位が上昇し、住宅千百戸が浸水するという大きな災害が生じたわけであります。私もこの対策のため、被害者の方々の声を聞くとともに、関係機関に復旧を強く要請して当面の対策を講じてきたところでありますが、この際、この市田川の抜本的な改修計画について、以下、計画概要をお伺いします。
 一点目は市田川河口部の堆積土の除去について、二点目は市田川の老朽堤防の補強について、三点目は水門のポンプの能力アップについてであります。以上、三点について土木部長の答弁を求めます。
 今回の質問は本当に一定の地域に限られた質問でございましたけれども、最後までご清聴いただきましたことに心から感謝申し上げて質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(木下秀男君) ただいまの下川俊樹君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
  〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 下川議員にお答えをいたします。
 まず、第一点の鉄道整備についてであります。
 本年三月に完了した紀勢本線の高速化事業につきましては、本県鉄道の利便性あるいは快適性の向上に一定の成果を上げたものと思ってございます。しかし、紀南地域の高速交通体系を整備するに当たりましては、高速道路の南伸とあわせてさらに鉄道の高速化を図っていくこともまた重要なことだと思っております。
 そのために、急カーブが連続している区間については大規模な短絡ルートを建設することも考えられるわけでありますけれども、多額の事業費がかかるわけでございます。したがいまして、今後、ポイントの改良、特急列車の行き違いを可能にするプラットホームを含めた線形の改良、JRが開発中の次世代型高性能車両の導入、こういった点の検討を進め、紀南地域県民の悲願である紀勢本線高速化の第二段階の早期実現に向けまして、沿線市町村のご協力をいただきながら取り組んでいきたい、そのように思っております。
 また、オーシャンアローの増便についてでありますが、JR西日本に対しては今までも働きかけてまいったところでございますけれども、ご指摘のように、南紀熊野体験博の開催もあり、県民を初め利用者の方々からの評価が極めて高いこともございまして、新しい車両を建造しなければならないという問題などもあるわけですけれども、引き続き強く要望してまいりたいと考えております。
 次に、救急医療に関するご質問であります。
 私もかねてから、紀南地方の多くの方々から救急医療に対する切実な要望をじかに聞かせていただいておるところでございまして、行政が果たすべき役割の一つであろうと認識をいたしておるわけでございます。
 議員ご質問のございました基本的な考え方についてでありますけれども、救急搬送の改善については、常備消防機関への高規格救急車の配備、さらに救急救命士の養成を行っていきたい。また、平成八年三月からは県防災ヘリコプターによる搬送システムが稼働しておるわけでございますので、重篤患者の搬送等については寄与するところが大きいと思っております。新宮医療圏に対しましては、救急医療体制の整備がさらに必要な地域であると認識をしてございまして、現在、関係市町及び関係病院と、自治体病院のあり方あるいは高次救急医療施設のあり方等について検討しておるところでございます。
 いずれにいたしましても、県民の皆さんが安心できるように、より高次の救急医療を提供できる体制づくりが不可欠であると、そのように考えてございます。
 以上であります。
○議長(木下秀男君) 福祉保健部長小西 悟君。
  〔小西 悟君、登壇〕
○福祉保健部長(小西 悟君) 下川議員ご質問の、紀南地域の救命救急医療についての二点にお答えをいたします。
 重症の救急患者に対応する二次救急医療につきましては、救急告示病院や休日・夜間における病院群輪番制が中心的な役割を担っております。心筋梗塞、脳卒中などの重篤救急患者に対応する三次救急医療につきましては、議員ご指摘のとおり、厚生省の指導基準が人口百万人に一カ所、特例としておおむね人口三十万人以上の二次医療圏で一カ所となっている、いわゆる救命救急センターが受け持つこととなり、和歌山市内に設置されているところでございます。新宮・東牟婁地方の救命救急センターの整備につきましては、施設設備や医師等のスタッフの問題、また救急医療の不採算性の問題等々があり、現時点では大変難しい状況でございます。
 しかしながら、現実に紀南地方でこうした重篤救急患者が発生した場合には、平成八年三月から県の防災ヘリコプターによる救急搬送システムが稼働しており、それまでの民間航空会社を利用した場合、年平均二名程度でございましたのが、平成八年度で八名、本年度は十一月末現在で八名というように、搬送実績がふえてございます。一方、搬送所要時間につきましては、例えば新宮市で患者が発生した場合、白浜の県防災航空センターから約二十分でヘリコプターが到着し、医師同乗の上、高次医療機関へ、例えば県立医科大学附属病院や日本赤十字社和歌山医療センターへ約四十分で速やかに搬送されることとなっております。
 新宮・東牟婁地方における今後の二次以上の救急医療につきましては、病院群輪番制の区域拡大を促進するとともに、救急搬送システムの活用も含めてより高次の救急医療が提供できる体制づくりを進めていくことが重要であるとの認識のもと、地元関係者と現在議論を進めているところでございます。
 なお、特に救急医療の整備につきましては、不採算性が強い医療部門であることから、補助制度等の充実について引き続き国に対して要望活動を行ってまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(木下秀男君) 生活文化部長中村協二君。
  〔中村協二君、登壇〕
○生活文化部長(中村協二君) 下川議員にお答えをいたします。
 熊野学研究センター及び文化会館の建設についてでございます。
 熊野学研究センター構想は、熊野地域の豊かな歴史や文化、民俗等を総合的に研究し、地域の活性化に結びつけようとするものでございます。熊野研究の中核施設で、その研究成果等、全国への情報発信拠点としての性格を有しているのが熊野学研究センターであり、そしてその実践の場として、また地域の文化活動の拠点施設として文化ホールを位置づけております。施設の維持管理など運営面での効率等を考慮して、同一敷地内での整備を図るべく、現在用地選定を行っているところでございます。
 今後、この熊野学研究センター構想が熊野地域の振興に寄与できるよう、地元の方々等のご意見を承り、関係機関と協議しながら鋭意検討してまいる所存でございます。
○議長(木下秀男君) 土木部長長沢小太郎君。
  〔長沢小太郎君、登壇〕
○土木部長(長沢小太郎君) 下川議員の市田川の改修計画についてのご質問にお答えいたします。
 まず、市田川河口部の堆積土に関するご質問でございます。
 これにつきましては、県としても市田川の治水安全土の向上のため、その除去を河川管理者である建設省に強く要望してまいりました。建設省では、早急に堆積土の調査を行い、治水上支障があれば除去する予定とのことでございます。また、新宮川河口部に存在する砂州についても堆積状況調査を行い、浸水被害の軽減を図るため一部開削を行うなどの適正な管理に努めると建設省から聞いているところでございます。
 次に、市田川の老朽堤防の補強についてでございます。
 今年の出水時に建設省が管理している区間において漏水現象が発生しましたが、早急に対策工事が必要であることから、建設省において現在対策を実施中であり、今年十二月末を目途に堤防の補強を完了する予定であるとのことでございます。
 三点目の水門のポンプ能力アップについてでございます。
 本年の台風七号、九号により新宮市で大きな浸水被害が発生したことに対して、関係行政機関である建設省、和歌山県、新宮市において協議を重ね、新宮市では内水排除計画の抜本的見直しを行い、平成十年三月末目途に計画を取りまとめるべく作業を行っているところでございます。また建設省では、この新宮市で作成中の計画をもとに市田川河口ポンプ増設等の早期着手に向け、計画策定を検討中ということでございます。県といたしましても、対策の実現に向け、新宮市に対する技術指導や事業化に向けた支援等を行うとともに、関係機関と連携を密にし、一層の努力をしてまいります。
 以上でございます。
○議長(木下秀男君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(木下秀男君) 再質問がございませんので、以上で下川俊樹君の質問が終了いたしました。
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○議長(木下秀男君) お諮りいたします。質疑及び一般質問は、以上をもって終結することにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(木下秀男君) ご異議なしと認めます。よって、質疑及び一般質問はこれをもって終結いたします。
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○議長(木下秀男君) 次に、議題となった全案件のうち、議案第百四十号平成八年度和歌山県歳入歳出決算の認定についてを除くその他の案件は、お手元に配付しております議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会にこれを付託いたします。
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  【日程第三 請願付託】
○議長(木下秀男君) 次に日程第三、請願の付託について申し上げます。
 今期定例会の請願については、お手元に配付しております請願文書表のとおり、所管の常任委員会にこれを付託いたします。
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○議長(木下秀男君) 次に、お諮りいたします。十二月十五日及び十六日は常任委員会審査のため休会といたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(木下秀男君) ご異議なしと認めます。よって、十二月十五日及び十六日は休会とすることに決定いたしました。
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○議長(木下秀男君) この際、各常任委員会の会場をお知らせいたします。
 職員から、これを申し上げます。
  〔職員朗読〕
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   総務委員会       第 一 委 員 会 室
   福祉環境委員会     第 二 委 員 会 室
   経済警察委員会     第 三 委 員 会 室
   農林水産委員会     第 四 委 員 会 室
   建設委員会       第 五 委 員 会 室
   文教委員会       第 六 委 員 会 室
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○議長(木下秀男君) 次会は、十二月十七日再開いたします。
○議長(木下秀男君) 本日は、これをもって散会いたします。
  午後二時十八分散会

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