平成9年12月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(長坂隆司議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

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○副議長(阪部菊雄君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 41番長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕(拍手)
○長坂隆司君 議長のお許しをいただきましたので、晴れて一般質問をさせていただきます。
 雑賀崎沖埋立問題と和歌山下津港についてであります。
 このテーマで私は、本年九月定例会一般質問四日目に質問をさせていただきました。そのときの再質問で、こう要望させていただきました。「このたびの埋め立てに当たって当局は、雑賀崎の地域住民の方、漁業に携わる方、観光業に携わる方、和歌山市当局、そして片男波から雑賀崎に至るこの和歌の浦の地をこよなく愛する一般市民のそれぞれの声を十分に聞かれておりますか。まずその作業から入ってください」と。
 確かに県当局は、県の港湾審議会で承認された後の内容を、十月に入ってから何回か説明に雑賀崎地区を回られておりました。しかしながら、最初に計画ありきとする県のやり方は、和歌浦観光旅館組合、十月七日に地元女性の方々の呼びかけによる雑賀崎の自然を守る会、和歌の浦観光協会、そして四連合自治会等の計画の白紙撤回を求める大きな反対運動に発展し、その声は国の運輸省、環境庁にも届き、八万人以上の反対署名が集まるに至ったのであります。
 私も、地元関係者や大学の教授にお会いして、自分の港湾整備の必要性を認めている立場を明らかにした上でお話を聞かせていただく機会も何度かありました。皆様、お立場、お立場で傾聴すべきご意見をお持ちでありました。
 反対運動を展開されている方々に大港湾の必要性を認識していただくためには、当計画が和歌山県に大きな経済的メリットをもたらすものでなければなりません。わずか三百万トン強といった貨物の微増と言わず、それこそ混雑をきわめる大阪湾内の危険を回避するために、わざわざ瀬戸内海へ大型船を航行させなくてもよいように、太平洋岸の、そして大阪湾の玄関港である和歌山下津港が、神戸港、大阪港の単なる補完港ではなく、両港に負けない物量をさばける大港湾に変貌させたいという意思を内外に示すべきではないでしょうか。そのためには、三十年先、いや五十年先までを視野に入れた将来設計を世に出してもよいのではないでしょうか。
 完成目標年度を二〇一〇年としておられますが、海陸一貫輸送を目指し、二十一世紀初頭着工を目指している紀淡海峡大橋の完成にも歩調を合わせていることが容易に推測されるわけであります。物が流通する交通の要衝には人もおのずと集まりますし、人の集まるところには産業も集積されるものであります。ただ、時代はバブル経済もはじけ、生活の豊かさというよりも、心の豊かさを求める時代に入っております。人の集まるところには、それらの人々の心をいやすものがなければなりません。それは、ほかでもない自然であります。和歌山港には、すぐ近くに男性的な海岸美の奥和歌の浦、雑賀崎があるのです。この自然美、景観を守らずして、磨かずして、二十一世紀の真のあるべき大港湾は誕生し得ないと言っても過言ではないと思います。人の手でつくった人工的な緑地帯では、ただのオブラートにしかすぎません。心のいやしにはならないのです。これからの港湾は、単に大型コンテナ船を就航させて大量貨物を動かすだけにとどまらず、人の心を満たす、そしていやしてくれる自然環境との共存を求めなければ、ただのコンクリートのしかばねにすぎないものになってしまいます。この反対運動の高まりは、単なる住民エゴではあり得ないと思います。
 中央港湾審議会における環境庁意見を見せていただきました。「本港沖地区に計画されている廃棄物処理・活用用地については、埋立を厳に抑制すべきとされる瀬戸内海における大規模な埋立てであり、瀬戸内海国立公園の特別地域に隣接していることから、特別地域内の重要な視点場である雑賀崎地区から望見した紀淡海峡から太平洋にかけての景観に著しい影響を与えるものである。 これは、『瀬戸内海環境保全特別措置法第十三条第一項の埋立てについての規定の運用に関する基本方針』に定める、埋立てによる自然景観への影響の度合が軽微であること、自然公園法による特別地域(その周辺を含む)での埋立ては極力さけることの各事項に抵触するものと考える」とあります。これは、県にとっても、もはや無視できる見解ではありません。
 十一月二十八日の中央港湾審議会の発表を受けて長沢土木部長は、「当初の計画には固執しない。今後、反対意見も十分聞いた上で、計画変更を視野に入れながら作業を進める」と明言されました。そして西口知事は、「真摯に受けとめたい。埋立地の位置や形状について広く意見を聞き、柔軟に対応したい」とコメントを発表されました。
 知事が、聖徳太子の「人皆心あり」をご自身の座右の銘とされているとお聞きいたしておりますが、まさに「真(まこと)」の政治を標榜される西口知事を私は信じております。どうか、大交流時代の日本の中心として和歌山下津港を一大物流拠点へと導くとともに、観光立県和歌山の名にふさわしい自然景観を守り、むしろ磨いて輝かせる作業も同時に行ってください。この二つを両立させてこそ、和歌山県の生きる道が開けてくるものだと私は信じて疑いません。
 そこで、質問に入らせていただきます。
 一、今回の埋立計画に対する反対運動の高まりは、県にとりましても看過できないものになっております。そして、地元女性から声を上げたこの活動には、何の政党色もありません。生活に根差した女性の方々が、地元の男性にも理解いただき、広く地区外の人々をも共鳴させた、和歌山県で初めての女性の社会参加運動という重要な一面を見逃してはならないと思います。先ほども申しましたが、知事の政治信念からも真心で受けとめていただき、誠意ある対応をいただけるよう、壇上からではありますが、要望といたします。
 また、今後、埋立免許を取得して環境影響調査へと着手するためには、見直し計画のまとめが急務であります。地元住民を初め、各界の意見を聞く作業は避けて通れません。国の港湾審からまだ日も浅いですが、和歌山県の将来を考えれば一刻の猶予も許されません。県民は今、県当局の誠意を問うております。連日、先輩議員からも質問がありました。見直し計画、そしてその後のスケジュール等、早晩公表いただけるよう、ここで強く要望いたしておきます。
 二番目、県の港湾計画はオール関西の視点で港湾機能の充実を図ろうとするもので、大阪湾を取り巻く都市圏との役割分担、機能分担の意味から重みがあり、運輸省としても期待の大きいものであります。だからこそ、もっとできる限りオープンに審議されるべきであったと思います。県の審議会が承認されて初めてマスコミを通じて県民に公開されるという進め方こそ反対運動の起きる根本原因であります。計画段階の中でスムーズに計画を策定させるために非公開で行うというのならば、当初から当該港湾に身近な港湾業務関係者、地元住民の代表者の方などももっと港湾審のメンバーに入れているべきではないですか。
 三番目、山部赤人、藤原卿の詠んだ歌には、雑賀崎から遠く加太、友ケ島、淡路島を望み見るものが幾つか見られます。雑賀崎の持つ万葉ゆかりの歴史を尊重するならば、せめて番所の鼻から加太、友ケ島の望める位置まで計画の港湾関連用地を後退させるべきであります。その分を水軒の一文字防波堤沿いに本港沖地区のより北側へ持っていくのと、テクノスーパーライナー等、内貿拠点の整備をうたった、もともと大水深のある北港沖地区に外貿機能を持たせることによって補うしかないと思います。
 そして、例えば北港地区には欧米航路を、本港地区には東南アジア航路を持ってくるといった仕向け地、航路別整備を行うことが、ひいては同じ和歌山港内で相互補完機能をあわせ持つことになるのではないでしょうか。そのためには、北港地区と本港地区を最短距離でつなぐ橋を伴う道路の整備も不可欠であり、紀の川河口大橋ももはや無料にして本格的に臨港道路の機能を持たせるべきでありましょう。
 また、紀淡海峡大橋と和歌山港を直結させる湾岸道路がどうしても必要となってきます。現在の阪和高速、そして第二阪和国道との、今以上市街地の渋滞を引き起こさない道路アクセス計画もお示しいただきたい。
 そして、それが再び紀の川以北の景観破壊とならないような配慮をどうつけていくか、これも人工と自然との共生面から今後の重要な課題になってくると思われます。そして、今県が行っている西浜地区と雑賀崎地区の土地造成事業における港湾関連用地、埠頭用地についても、最大限むだのない、効率のよい施設の集積を行っていただきたいと思います。
 この際、県民の理解を得られるように、県の埋立計画の見通しとして必要だと認識されているポイントを具体的にお示しいただきたいと思います。
 二番目に、県立高等学校の学区制について質問させていただきます。
 和歌山市地区の学区二分割については、昭和四十七年以来、入学者選抜制度のあり方について議論され、昭和五十四年度に南北学区ということで実施に至ったわけであります。当時の県議会での諸先輩議員と教育委員長、教育長とのやりとりを、私も興味深く読ませていただきました。昨年九月議会において新島議員もご質問されましたが、私も学区制について常々疑問に思う者として、あえて重複を顧みず質問させていただきます。
 昭和五十四年当時の中学三年生の生徒数は、和歌山大学附属中学校を含めて、北学区で二千五百六十五名、南学区で三千百六十六名でありました。平成九年現在では、北学区で二千七百十四名、南学区で千六百九十七名と南北生徒数が逆転し、一千十七名という大きな差が出てきております。
 学区制施行前、既に昭和五十二年十二月議会の一般質問で岡本保議員が、「旧和歌山市──すなわち南学区だと思いますが──は非常に人口が減っておる。また、特に河西、河北、こういうところはどんどん人口がふえておる。だから、分割案を決める場合には、少なくとも十年先を見通した、長期展望に立ったところの分割案でなければならないと私は思う」と発言されております。
 二十年も前から適切な警告をいただいているのに、今まで学区制の見直しについて、当局において踏み込んだ議論がなされていないのはおかしいのではないでしょうか。私は、南北学区制という中学区制には反対であります。各高等学校には、もともと中学生を引きつける伝統とか強みがあります。例えば、A高校は野球の名門校で、ぜひあの高校で野球をしたい、あのユニホームを着てみたいとか、B高校ではサッカーが毎年強い、C高校にはある科目で名物教師がいる、D高校は文武両道で自由な校風だそうだとか、いろんな魅力を持っていると思います。まして、高等学校は義務教育ではありません。中学生に自由に高校を選ばせてあげることこそ、彼らにさまざまなやる気を持たせ、自信を伸ばしていくことになるのではないでしょうか。本当に自分が行きたい学校ならば、多少遠くても通学することをいとわないと思います。和歌山市のみではありません。私は、家庭の事情等が許されるのなら全県一区で高校を選択してもよいと思うのです。和歌山市内の野球少年が、どうしてもあの日高中津分校へ入学したいと言っていたり、あの黒潮の見える大自然に囲まれた学校で伸び伸び勉強したいとか思っている生徒が現実にいるのです。学力という尺度だけで学校間格差を云々することこそおかしいと思うのであります。
 私は、現行学区制の施行以前に高校を卒業いたしましたが、仲間の中には和歌山市外から住所を移して下宿暮らしをして高校に通ってくる学生がかなりいましたし、事実、ある年には全生徒数の一三%強が和歌山市外の中学校を出た者であったという統計もございます。学区制施行後も、事前にそれぞれの学区からもう一つの学区へ住所を移してくる学生も現にいたわけであります。
 今、専門学科において推薦入学というものが大きな割合を占めるようになっております。この原因の一つに南北学区制の問題が大きくかかわってくると思うのであります。専門学科はともかく、普通科においても、中央教育審議会においては推薦制度の採用の推進傾向が見られるということでありますが、生徒の自由競争、機会均等の立場から、中学校三年間をフルに勉学にスポーツにとエンジョイしてもらうためにも、この方向へ行くことはぜひ避けていただきたいものです。そもそも推薦制度というものは、一部のエリートを確保するための制度である一面があると思います。学内格差、学内における優越感、劣等感を生じさせるものであると思います。それの方が学校間格差よりも大きな問題だと思います。学校間格差というものを単に学力の差でとらえるのはおかしいのではないでしょうか。ぜひ、慎重にご議論いただきたいものです。
 南北学区制の採用に当たって当時県教育委員会は、現行中学区単独選抜制のもとでは同一学区内の高校数が多いほど格差が大きく、このため大学入試を目指して比較的学力の高い生徒が特定校に集まるという現象や、特定高校を目指して義務教育段階の熾烈な受験勉強が強まるなどの問題点が指摘されたと述べられておりますが、大学進学を目指す中学生たちが、友達も行くからと言って学習塾に通うことがもっと多くなり、中学生に対して受験勉強を強いている状態に現在とて変わりはありません。いや、小学校低学年のころから塾に通わせる家庭も少なくありません。有力な私立の進学校もできましたし、十八年前とは高等学校地図も随分さま変わりしております。学力だけでなく文武両道で高校生らしく伸び伸びとした学校生活を送っているのだという自信と充実感を公立高校生に持たせることは、学校側にとっても学生側にとっても大切であると思います。すべて一線に高等学校を並べて、高等学校側自身にも努力していただいて、中学生に自由に受験を選択してもらえばよいと思います。ただ専門学科を多くつくることによって無理に学校の目玉をつくるよりも、すべての基礎学科目を学ぶ機会のある普通科での学習を真に身につくものにするためにも学区制を廃止していただきたいと思います。
 基本的に高等学校というところは、学校生活をエンジョイしながらも勉強をするところであります。高校で総合的に各科目を勉強しながら、将来の自分の適性、進路というものを見つけていっても遅くないと思います。中学三年のときに将来に向かって専門的なものを選択させるのは少し無理があるような気がしてなりません。十五歳のときから自分の進路を固定化して、かえって自分を追い込んでしまう危険性もあります。各専門分野の大学へ進学したくても、例えば美術系の大学へ進学したくても、英語なり国語なり、その他基礎的なレベルの知識、学力を身につけてこそ、その専門分野をより大きな視野で学んでいけるもの、外へ大きく羽ばたいていけるものだと思います。
 最後に、「二十一世紀を展望した我が国の教育のあり方について」という中央教育審議会のまとめの中で中高一貫教育の導入についても述べられておりますが、これと学区制とを決して結びつけてほしくありません。全くの別問題ととらえていただきたいと思います。
 そこで、教育長にお尋ねいたします。
 和歌山市だけにとどまらず、現行学区制について、見直しも含めた今後のあり方をどう考え、検討されていくおつもりですか。
 これで、私の第一回目の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
○副議長(阪部菊雄君) ただいまの長坂隆司君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 土木部長長沢小太郎君。
  〔長沢小太郎君、登壇〕
○土木部長(長沢小太郎君) 長坂議員のご質問にお答えいたします。
 雑賀崎埋立問題と和歌山下津港の問題でございます。
 まず、県の港湾審議会の審議のあり方とメンバーについてでございます。
 計画策定に当たっては、整備構想調査委員会を設置するなど、さまざまな意見を集約しながら計画案の検討を重ね、その上で地方港湾審議会でご審議をいただいたものでございます。この地方港湾審議会は、学識経験者や地元経済団体、港湾関係者、地元代表としての市長、町長のほか、県議会議員、関係官庁などといった各界各層より成る委員構成となっておりまして、それぞれの立場でご審議をお願いしたところでございます。
 次に、埋立計画の見直しとして必要であると認識されているポイントについてというご質問でございます。
 和歌山市下津港における物流機能の配置といたしましては、本港区において、現在既にある程度集積している外国貿易機能を活用しながらこれを拡充する、北港区においては、将来のテクノスーパーライナーなどの高速船にも対応可能な内貿機能を新たに展開していくべきであると考えております。こうした本港区と北港区を結び、さらに背後圏と円滑に接続するためには、議員ご指摘の臨港道路体系の整備はぜひとも必要であると考えております。
 今回の港湾計画では、本港沖地区と臨港道路一号線、都市計画道路南港山東線を結ぶ臨港道路本港沖線や北港沖地区から国道二十六号を結ぶ臨港道路紀の川右岸線などを位置づけておりますが、さらに紀淡連絡道路と接続し、北港区から今回の本港沖埋立地を利用して本港区に至る湾岸道路をも構想しております。また、臨港道路紀の川右岸線から第二阪和国道へのアクセス道路についても検討を行っているところであります。これらの道路により円滑な物流体制が確保され、和歌山下津港の港湾機能はより充実し、県経済の活性化につながるものと考えております。
 また、議員ご指摘の現在事業中の西浜地区については、これは輸入原木を水面から陸上貯木に転換するための貯木用地などとなっております。また雑賀崎地区については、市内の住工混在地の環境改善などを図るため、機械金属関係の工場を移転集約する工業用地やその関連用地であります。このようなことから、和歌山下津港で不足している貨物保管のための倉庫や上屋などの物流関連施設用地や紀北における防災用ヘリポート用地を新たに本港沖に計画したものであります。
 今後は、これら計画が掲げた目標を達成し、本県の発展を図るために、景観保全の観点をも含めて適切に対処してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○副議長(阪部菊雄君) 教育長西川時千代君。
  〔西川時千代君、登壇〕
○教育長(西川時千代君) 高等学校の学区制についてお答えいたします。
 県立高等学校の学区制については、高校教育の機会均等、生徒の通学事情、学校選択の自由等を総合的に勘案し、一学区につき全日制普通科高校を二校ないし三校程度とする中学区制をベターなものとして採用しているところでございます。和歌山市の学区についても、こうした考え方に立って実施してきております。
 一方、これまで社会の変化や生徒の学習ニーズの多様化等に対応する教育改革を積極的に進めるとともに、全県一区の国際交流科、環境科学科、情報処理科などの専門学科を初め、生徒一人一人の適性や進路希望に応じ、幅広い選択履修ができる総合学科などを新たに設置してまいりました。また、自分の学校にない科目を他の学校で履修できる学校間連携など、先進的な取り組みを推進してきてございます。こうしたことにより、生徒の学校選択の幅も拡大してきております。また和歌山市においては、南北学区間における生徒数のアンバランス等を踏まえ、本年、現行学区制を一部見直したところでございます。
 全県的な学区制の今後のあり方については、これまでの経緯、生徒や保護者の願い、県民の幅広い意見などを十分踏まえながら、中学校、高等学校教育に与える影響、さらには今後の教育改革の進展や社会情勢の変化等を見きわめ、総合的かつ慎重に研究してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(阪部菊雄君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 41番長坂隆司君。
○長坂隆司君 ご答弁をいただきました。
 今、難問の山積する国政における迷走を思うとき、ふと県政に思いが及びます。県民の声をよく聞いて、県民、住民の目線で物を考えていただきたい。真剣に埋め立ての位置や形状、そして景観、自然環境への配慮を検討いただき、可能な限り早い段階で見直し計画を県民にお示しいただきたいと思います。
 このたびの住民運動は、かつての新不老橋建設の際の反対とは、運動の性質、流れ、そして力強さが異なるものだと思います。まさに、これが「自然と共生 快適わかやま」をうたった県民運動に発展するかもしれません。すなわち、「CAN DO WAKAYAMA」「感動わかやま21」かもしれませんよ。私も、和歌山県経済の大きな発展のために、和歌山下津港の港湾整備の必要性を信ずる者として、県は本当に県民に今回の計画の趣旨、本質を納得してもらえるような形で計画を見直しつつ、将来に向かって前進していっていただきたいと要望します。
 学区制については、和歌山市は人口が四十万人弱あります。二、三校から選択というより、六校から選択しても決して多くないと思います。それくらい選択肢があった方が、受験する側もいろんな個性を、自分の可能性を振り返って考えてみる意味で有意義ではないでしょうか。今は、実社会に出てからが大事であります。だからこそ、現行学区制移行の際、問題点として挙げられた、中学生に過大な受験勉強を強いるとか、学校間の生徒の間の優越感、劣等感が生じるとかということは、学区制の大小にかかわらず、残念ながら少なからず起こり得ることです。ご答弁をいただいた中の、学校間連携などの施策や学校での活動を通じた愛校心の高揚などで緩和もされましょうし、むしろ同一行政区域内でもあるし、青少年時代の一通過点を生徒の自由意思を尊重して、生徒自身を生かすためにも、より大きな選択の機会を与えてあげてもよいと思います。どうか、今後とも学区制について検討を重ねていただくよう要望申し上げて、再質問にかえさせていただきます。
 終わります。
○副議長(阪部菊雄君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で長坂隆司君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
○副議長(阪部菊雄君) 本日は、これをもって散会いたします。
  午後六時十四分散会

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