平成9年12月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(佐田頴一議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

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  午前十時三分開議
○議長(木下秀男君) これより本日の会議を開きます。
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  【日程第一 議案第百二十四号から議案第百四十五号まで】
  【日程第二 一般質問】
○議長(木下秀男君) 日程第一、議案第百二十四号から議案第百四十五号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 12番佐田頴一君。
  〔佐田頴一君、登壇〕(拍手)
○佐田頴一君 皆さん、おはようございます。
 ただいま議長からのお許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。
 まず、携帯電話通信塔建設と電磁波問題について質問をしていきます。
 人々のニーズを満足させるコミュニケーションの手段として、いつでも、どこでも、だれとでも手軽に交信連絡ができる携帯電話は、緊急時の連絡がとれる手段として大変重宝がられ、一九七九年、今から十八年前にNTTが自動車電話としてサービスを提供したのが移動電話の始まりと聞きますが、その後、需要が著しく高まり、八八年の加入台数は二十万台、九一年には百万台、九四年度に電気通信事業が自由化されてからさらに増加し、九五年には一千万台、昨年の九六年度には二千万台に増加、ここ数年間に飛躍的な伸びを示しており、現在、北は北海道から南は沖縄まで全国ネットワークが完成して社会経済の活動に必要不可欠なものになりつつあります。しかし、より便利に使用するためには、当然それに応じた無線基地局をふやしたり、多くアンテナ基地を建てて通信の品質を高めていく必要があります。
 例えば、関西デジタルホン、日本テレコム株式会社だけでも、現在関西地区で五百五十局のアンテナが建てられ、年内に六百局に、来年春にはさらに八十局をプラスすると言われており、全国各地で携帯電話用通信塔が我々の全く知らないうちにどんどん建てられています。しかし、それに比例して中継塔建設をめぐって各地で反対運動も数多く繰り広げられており、携帯電話が急速に普及する陰で、通信塔の建設が予定されている地域では迷惑千万の恐怖におびえている住民の人たちが大勢いることも知っておいていただきたいと思います。反対の理由は、電磁波が人体に与える影響についてさまざまな憶測が飛び交い、本県を含む全国各地で携帯電話の中継地タワーの鉄塔建設の反対が巻き起こり、建設中止も続発しているのであります。これが今、携帯電話の電磁波問題として大きな社会問題となってきており、熊本県議会でもこの問題が取り上げられ、電磁界の健康への影響として指摘される小児がん、白血病との関係がこの問題を大きくしており、郵政省もこの問題について具体的に何もわかっていない現状が大きな不安を与えているのであります。
 そこで、もう少し具体的に私の地元の話をしていきたいと思います。本年七月初旬ごろ、那賀町JR名手駅前の民間ビル屋上に携帯電話通信塔名手通信局の建設が進められていましたが、付近の住民に対してはビル屋上の防水工事だと説明があったそうであります。その後、大きな重機等が持ち込まれたため防水工事だけではないと感じ、再確認したところ関西セルラー電話株式会社名手通信所の工事であることが初めて判明したのであります。しかも六月八日、朝日新聞で野上町の野上通信局の建設反対について報道されたばかりであり、野上町議会の工事中止の請願が採択されたころで、この問題に関心の深い時期と重なったころであります。このため、二百メートル以内に住む人たちやペースメーカー使用者、がんなど種々障害が発生することを心配する人たちが集まりつつあったため、地元町議、自治会長らが中心となって会社側に対し説明会を開催するよう申し込み、七月二十四日、町役場大会議室において、付近住民百五十名が出席して会社側より名手通信局の安全性について約三時間にわたり説明を受け、質疑を交わしたのでありますが、結果として会社側の説明には納得せず、住民の不安と怒りの声の中で計画の白紙撤回が主張され、現在の設置場所は不適地であり、市街地から郊外への移転を求めていくことを決めたのであります。次いで七月二十九日、町長、議長、地元町議代表、地元区長総代により、関西セルラー電話会社に対し携帯電話名手通信局建設工事の中止と設置場所変更を申し入れ、近畿電気通信監理局長に対しても同様の申し入れ書を手渡し、指導を要請して現在に至っています。
 しかし、現在の情報化社会が一段と進み、急速に進歩する社会の中にあって、いつまでもこの問題を中止のまま平行線でほうっておくわけにもいかないのではないかと考えます。和歌山県にあっても、これからの携帯電話の普及推進は重要な課題であるはずであります。
 現在、自動車電話や携帯電話の移動通信サービスのエリアは国道四十二号線と紀の川流域沿線のみであり、特に山間部の普及率はゼロに等しい状況から、これからさらに移動通信鉄塔施設を推進、地理的な制約条件を克服して情報通信網の拡大への整備を進めなければならないのが本県の立場であるからであります。会社側は、法的にすべてクリアしており何の問題もない、地元への説明も了解を得る必要もない、あるのは企業の道義的な考えだけであると主張されておりますが、結局、中止してほうっておくことにより、最後は行政責任も新たに追及される立場に追いやられることになりかねないと心配するものであります。今後、法的に問題のない施設への住民の拒否反応に対し、県として、町として行政の立場からどう扱えばよいのか、まず知事のご所見を承りたいと思います。
 次に、企画部長にお伺いします。
 名手通信局については、可能な限り速やかに郊外へ移転するよう町とも連携を進めて、県としてこの問題について具体的かつ有効な解決手段がないかどうかであります。あれば、ご教示願いたいと思います。
 次に、住民は、どうしてこの場所が選ばれたのか、施設の前提条件や安心度について十分な説明がないことに不信感を抱いています。今後、行政や住民と電話会社がトラブルを起こさないために、地域住民の意見を求め、意見を聞き、最も適切な候補地を選定すれば、住民の理解を得ることは十分可能であります。
 そこで、会社側のみで勝手に自由に施設をつくらせないため、県独自で何らかの規制を設けられないかどうかであります。例えば、設置市町村に対し、届け出義務などを条件とした県条例などができないかどうかであります。お教えください。
 次に、二として国道及び広域農道の道路問題について質問をしていきます。
 本県が目指す輝く和歌山新時代を推進していく中で、道路、特に生活道路は、人・物・情報の移動手段や活力ある経済、快適な町づくりの最たるものであり、県民が日常生活を営む上で不可欠な生活基盤でありますが、しかしながら私の住む地域の現在の道路整備の状況は依然として立ちおくれており、地域間格差は広がるばかりであります。そして、この地域格差是正こそが那賀郡東部地域の最大の悲願であると言っても過言ではないのであります。
 そこでまず、京奈和自動車道紀北東部工区内のインターチェンジ設置予定地選定問題から質問をしていきます。
 京奈和自動車道は、橋本市から高野口町までの橋本道路、高野口町から打田町までの紀北東道路、打田町から和歌山市までの紀北西道路と区間が分けられており、橋本道路十一・三キロメートルが平成元年度に事業化されて着々と事業の促進が図られ、紀北東部道路十七キロメートルも平成五年度から事業化され、かつらぎ町以西の整備についても早期整備を国に要望され、整備に先立っての基本計画決定、都市計画決定及び整備計画決定などを行うための諸準備をされています。まず、そのご苦労に対し、知事初め関係者の皆さん方に深く感謝とお礼を申し上げたいと思います。
 さて、今回の質問は、紀北東道路区間に設置されるインターチェンジの計画予定案が明示されましたので、この区間に設置されるインターチェンジの問題点と私の考え方について述べてみたいと思います。
 先日、建設省和歌山事務所と県の人たちで那賀町議会と町の都市計画審議委員会に対し、京奈和自動車道の法線計画の予備説明会が開催されたようでありますが、いずれも町議会と委員会より建設省が予定している東道路区間のインターチェンジに対し強い異議が続発し、二十分余りの説明予定時間が二時間にわたり質疑が繰り返され、その矛盾を指摘されたと聞いています。理由は、橋本工区で橋本市に二カ所、高野口町に一カ所、紀北東地区ではかつらぎ町に一カ所、那賀町はなく、粉河町に一カ所、打田町に一カ所のインターチェンジの設置が予定されており、紀の川筋の市町村で全くないのは私の町・那賀町だけとなっています。なぜ那賀町だけないのか、その疑問を尋ねると、かつらぎ町と粉河町の距離が短くて那賀町には設置できないとの理由であるそうです。しかし、その説明の中身を考えてみますと、まずかつらぎ町と粉河町のインターチェンジの設置を初めに決めた上で、那賀町につくると距離が短くなると説明にはあります。私は、かつらぎ町と粉河町の距離が短いというのであれば、かつらぎ町、粉河町のインターチェンジの位置を調整すればよいことであり、初めから那賀町にインターチェンジをつくらないと決めて作業を進めていることに問題があると指摘しているのであります。
 次に、各町内に設置される橋本市から打田町までのインターチェンジに接続する道路は国道、県道、町道でありますが、町道や県道が交差接続するから那賀町にインターチェンジをつくれと言っているわけではありません。れっきとした国道四百八十号線が交差する場所にインターチェンジをつくれと主張しているのであります。私の主張が間違っているのであれば、ここが間違っていると説明をお願いしたいと思います。
 再度言います。紀北地域の市町村でインターチェンジがないのは那賀町のみ、しかも大阪市内へ直結する幹線道路の国道と京奈和道路が交差する交差点にインターチェンジがないような状態をつくれば、大阪側の人たちから見ても大変不思議がられるし、我々地元に生活する人間として後世の子や孫たちの時代になっても、その当時の地元の政治家は何をしていたのかと強く批判されることになりかねず、今でもこの交差する地点の重要性の認識について、もっとしっかりするように追及を受けているのが現状であります。いよいよ各町の都市計画審議会が開催される時期にもなっていますので、この私の主張も多分最終の機会になると思いますが、再度、現在予定しているインターチェンジに、もう一つ那賀町にインターチェンジを追加するよう再検討してほしいと思います。知事のご答弁をいただきたいと思います。
 続いて、国道四百八十号線、旧泉大津粉河線の新トンネル整備状況についてお尋ねします。
 この府県間道路は、地元の門先生もたびたびこの壇上で質問を繰り返しているのでありますが、紀の川分水協定の関連道路であり、かつらぎ町四郷地区から大阪和泉市に抜ける三千五百メートル、二車線のトンネルを掘り、那賀町、かつらぎ町を通って大阪市内へ自動車で約一時間の、大阪への通勤範囲の地域をつくる道路として早急に整備すると説明を受けた道路であります。那賀郡は北西に向かって泉南方面や関西国際空港に通じる府県間道路が二線ありますが、那賀郡東部、伊都郡西部から泉北地域、大阪市内に直結する道路は、唯一この道路四百八十号線だけであります。
 私も、分水協定が結ばれた当時、知事から知事室に呼ばれ、この新トンネルは無料トンネルとしては全国二番目に長く、紀の川沿線の和歌山・橋本間の中間地点であり、この地域の生活、産業基盤の活性化と大阪へのベッドタウン化を含めてはかり知れない効果があると強調され、完成時期も平成十二年ごろを予定しているとの大変うれしいお話を承り、地元町議会にも報告したことがありますが、それからでももう長い年月が経過しています。現在、私の知る限りではほとんど進捗していないようであります。おくれる理由は何か、かつらぎ町の公図整備がおくれているため、予算をつけても用地買収ができないためであると聞かされます。公図訂正については、町当局ばかりに頼っていないで、国道ですから国も県も支援をして早期に解決することができないかであります。でなければ、当初目標の完成予定の平成十二年度まであとわずかになり、だんだんおくれるばかりとなります。
 まず、知事より、このトンネル事業完成の今後の見通しをお聞きしたいと思います。
 次に、企画部長にお尋ねします。
 地籍調査事業を積極的に推進するためには、一筆地調査に多くの職員を必要とするため過大な負担を強いられることになりますが、これら市町村に対し国や県より人件費補助などをして支援できないかどうかであります。
 また、土木部長にお尋ねします。
 この道路に対する県の予算は毎年二億円と固定しているが、大阪府側の予算額は十億とも聞いています。本当であれば、余りにも予算額に差があり過ぎるのではないかと思います。本県もなお一層国側に働きかけてほしいと思いますが、平成十年度の予算額をどの程度予定して国に要望するのか、お教えください。さらに、毎年要望している国道四百八十号府県間トンネルの直轄代行事業の早期採択を要望しているが、要望だけではだめであり、その見通しもお教えください。
 次に、国道二十四号線岩出バイパスの打田町黒土から粉河町を経て伊都郡に至る東伸計画について質問します。
 現在の国道二十四号線のバイパス道路は、和歌山市から打田町黒土まででとまっており、東に向かって粉河町、那賀町を通り、伊都郡、橋本市まで進む東伸計画のバイパス延長は、今、全く論議されていません。知事初め多くの関係者のご協力により和歌山市から打田町間の四車線バイパス工事もほぼ終わりに近づき、道路の沿線にも立派な商店や事業所ができて、地域としても、道路としても一段と都会的、近代的センスのある新しい町づくりが生まれつつあり、大変喜ばしい限りであります。
 それに引きかえ、時の流れは非情で、粉河町より東側に位置する道路は、粉河町から橋本市間は全く昔のままで放置され、戦前につくられた国道の道路幅の上に舗装しただけの道路であり、戦争前の昔の姿と一歩も変わっていないのが現在の国道二十四号線の道路状況であります。
 国においても、今までに打田町より東伸の必要性を十分認識され、昭和五十年ごろに岩出バイパスに引き続き東伸する計画を樹立され、紀北バイパス東部地区として、その概略とルートについて地元関係町に説明された経緯があり、私自身もその施行内容や土のう積み、橋梁地区について、そのルートとともに具体的に建設省和歌山事務所から説明を受けた一人であります。また、当時の県土木部長からも、将来の交通量の問題、渋滞の激化、身近な生活用道路として早い段階から計画されており、東伸についてはすぐにでも着工できると説明を受けたことがありますが、この東伸計画の説明を受けてからでももう何十年も経過しています。しかも一歩も前進していないのが、この一級国道の姿であります。特に、昭和六十二年六月の四全総において高規格幹線道路網の中に京奈和自動車道が位置づけられてから、京奈和自動車道に取ってかわられ、全く二十四号線の東伸計画の話は出ないようになったのが現在の姿であります。しかし、地元に住む我々にとっては、打田町より東に進むバイパス道路は、和歌山市から打田町間と同様に生活道路であり、経済活動の基幹道路となるため、京都、奈良方面に行く京奈和有料道路と同一に考えておらず、むしろ京奈和自動車道より優先して、あくまで当初計画どおり東伸のバイパス計画を強力に推し進めていただきたいのであります。
 平成二年十月十七日、那賀郡町村会より知事に対し、国土軸に直結する京奈和広域交通路も大変重要であるが、人口急増地帯の紀の川地域の活性化のため、地域交通を円滑に処理するための道路もぜひ必要であることを強調し、この地域が大きく前進するための最も重要な課題であることをうたって、その後、毎年、那賀郡六町共同で知事に対し陳情を続けているはずであります。既に国道二十四号線のバイパスは、岩出バイパスに続き和歌山バイパスも平成五年開通したので、残された地域は粉河町から橋本市間のみになります。京奈和自動車道が完成し、その上で二十四号線の交通量を調査し検討するでは、全く遅過ぎます。県民生活の将来にとってこの道路の重要性を再認識していただき、ぜひとも京奈和自動車道と並行して打田町より橋本市までの東伸計画を推し進めてほしいと思います。
 この上は、さらにこの道路の計画の推進について格段のご努力をいただき、早期に着工できるように建設省に働きかけてほしいと思いますが、まずこの道路東伸について知事のお考えをお示し願いたいと思います。
 続いて土木部長にお尋ねしますが、前述のとおり、和歌山市から打田町までのバイパス整備はほぼ終わりとなりましたが、次のバイパス東伸計画までの間、このままの状態でほうっておかれている状況を見ているわけにはいきませんので、国に対し、早急に新しいバイパス計画ができないならば、その代案として新規の東伸バイパス計画ではなく既存の二十四号線を利用して現在の二車線の道路幅の拡張整備を行い、せめて四車線に広げる道路改良工事として整備できないかであります。現在の余り人の通らない、凹凸の激しい、傾斜のある、人に優しくない歩道を廃止し、道路ののり起こしをすれば相当な道幅がとれるはずであります。人通りの多い人口密集地の道路には人の通れる歩道をつくらず、人の通らない郊外の田んぼの中に歩道をつけている現在の方法を改めれば解決できるはずであります。
 また、以前、粉河町以東の整備については、京奈和自動車道整備を考慮した国道二十四号線のあり方について、那賀郡東部幹線道路網整備連絡会を充実させ、平成元年から平成二年にわたり調査を行い、将来の地域開発の状況をにらんで整備を検討すると県より答弁した経過がありますが、その後具体的にどう整備し、また計画案があるのか、どう実施していくのか、二十四号線の四車線推進についての問題も含めてご回答いただきたいと思います。
 最後に、県営ふるさと農道・新竜門橋整備推進と紀の川南北広域農道への連絡道路新設計画及び鞆淵地区へのトンネル調査の進捗状況について質問をしていきます。
 紀の川右岸広域農道紀の川地区と同左岸広域農道紀の里地区を結ぶ路線として、地域の産業の発展に寄与し、地域の活性化を図ることを目的に、緊急に広域農道間を連絡する農道の建設が必要となり、新竜門橋農道事業が展開されています。現在、事業決定も終わり、今は測量、設計の段階と聞いていますが、もう少し新竜門橋を中心とした取りつけ道路についてもその状況を聞いてみたいと思います。
 総予算額四十四億で紀の川に農道橋をかける大事業が予定どおり進めば平成十四年に完成されることになりますが、今のところ紀の川にかける橋が中心で、県道和歌山橋本線の荒見地区と国道二十四号線井田地区までの延長千百十メートルの事業決定のみであり、当初目的の南北両広域農道までの計画とはなっていません。
 そこで問題として、荒見地区の県道より紀の里農道までの間と、国道二十四号線井田地区より紀の川農道までの間の農道計画については今のところ全く未定となっており、今後引き続きこの事業を推進する事業体が県営か町営かも決まっていません。南側については、さらにこの紀の里農道を経由して粉河町鞆淵、海草郡美里町、日高郡龍神村地域への道路建設を希望して、粉河町内の至るところに粉河、鞆淵、美里直結道路推進の大きな立て看板が立てられていますし、北側については、紀の川広域農道より西川原地区を経て、大阪、貝塚市に通じる道路計画を粉河町全域が望んで、那賀町、粉河町合同の促進連盟をつくり運動を続けているが、現時点では大変難しい大きな問題となってきています。
 さきの県議会農林水産委員会の粉河町の視察の際、粉河町長より引き続き県で県営として事業を進めてほしいとの要望がありましたが、一体県はどうするのか。北側の方は国道二十四号よりJRの線路までは都市計画の区域になっており、JRは線路に道路を通す場合、従来の態度から見て平面交差は許可せず、線路をまたぐ大橋をかけるか地下道にするのか、さらに小田井の水路が東西に走っていて遊水地帯の地形であって、この農道整備はなお莫大な資金を要する大事業となるため、町での単独事業ではとても無理であると思われます。
 そこで知事にお尋ねいたしますが、現在の第一次計画に続き、第二次計画の両広域農道までの間についても引き続き県営事業として採択し、実施してくれないかであります。県財政も大変な時期であることはよく承知していますが、まず知事のお考えを聞かせてください。
 次に企画部長に、紀の里農道から鞆淵地区へのトンネル構想についてお尋ねします。
 現在、平成八年度で二百万円の予算が既に計上されて、そのルートについて調査を実施されたところでございますが、果たしてどうなっているのか。財源として紀北地域の道づくりにも半島振興法の利用を検討していただき、その上で、将来の構想も含んでどこまで計画が進んでいるのか、その進捗状況をお教えいただきたいと思います。
 以上、道路問題の質問ばかりとなりましたが、これからは量から質へ優先順位を決めての事業となります。いずれも私たちの最大の悲願の道路整備でありますので、できる限り優先していただき、地元の皆さんが大きな喜びを受けられるようなよいご回答を期待して、質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
○議長(木下秀男君) ただいまの佐田頴一君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
  〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 佐田議員にお答えをいたします。
 まず、携帯電話通信塔建設に係るご質問でありますけれども、携帯電話は全国で三千万台を超える大変公共性の高い通信基盤でございます。また、ご承知のように、携帯電話に係る通信中継基地の許可は目下は国の事務となってございます。議員お話しのように、事業者は法的には地元説明を求められておりませんけれども、進出に当たりましては、社会的な責任を果たす上からも地元への説明が必要であろうと考えております。県といたしましては、これまでも市町村と連絡を密にしながら進出事業者に地元への説明を要請してきたところでございます。今後とも、県としてもでき得る限りの対応をしてまいりたいと考えております。
 次に、京奈和自動車道のインターチェンジに関するご質問でございます。
 高規格幹線道路のインターチェンジ設置につきましては、通常、交通条件、社会条件、自然条件などを総合的に勘案した設置間隔として五キロから十五キロに一カ所となっておるわけでございます。このことから、全体十六・九キロメートルの紀北東道路の場合には、中間に二カ所のインターチェンジとなるわけでございます。ご質問ございましたお気持ちについては十分理解できるわけでございますけれども、紀北地域から京奈和自動車道への利便性の観点からいたしますと、粉河町、那賀町の人口集中地域の中間付近、及びかつらぎ町地内に設置をすることでやむを得ないのではないかと考えてございます。
 なお国道四百八十号との連結につきましては、最寄りのインターチェンジへのアクセスとなる県道粉河那賀線等の整備により広域ネットワークの形成を図ることが必要だと考えております。
 次に国道四百八十号の問題でありますけれども、国道四百八十号の府県間道路については、府県間トンネルを含む府県境区間が平成六年度に本県側が、また平成八年度に大阪府側が事業化をしてございまして、両府県とも鋭意整備を図っているところでございます。その中で府県間トンネルについては既に基礎調査を完了してございますけれども、さらに大阪府と連携を図り、実施に向けた詳細な調査設計等を進めるとともに、トンネルの工事用道路を兼ねる本体バイパス工事を先行させることとしております。
 私も常々申し上げておりますように、早期に完成できることを願っておる一人でありますけれども、いろんな事情もございますので、今後とも地元かつらぎ町の用地交渉等のご協力をいただきながら、予算の増額などについても努力をしてまいりたいと考えております。
 次に、国道二十四号岩出バイパスの打田町から那賀郡東部、伊都郡への東伸の問題であります。
 県といたしましては、二十一世紀の将来を見据えて、県勢発展を図るために高規格幹線道路の整備促進が最重点の課題であると考えてございまして、紀の川筋につきましては、国道二十四号の交通混雑解消と地域の発展を図るために京奈和自動車道の整備促進に重点的に取り組んでございまして、紀北東道路についても平成五年度より事業着手をしているところでございます。
 率直に申しまして、最近の厳しい財政構造改革の中で、国の道路整備の方針は高規格幹線道路の整備促進に重点を置いておるわけでございまして、その他一般国道の整備については新規採択等が大変厳しい状況になってございます。こうした状況のもとで、国道二十四号岩出バイパスの打田町黒土以東の東伸については、私も長く県におりますので、かねてからさまざまな議論のありましたことは十分承知をいたしているところでありますけれども、当面、交差点改良等の現道対策事業を強く国に働きかけるとともに、沿道の地域整備の動向などを見ながら、将来の町づくりの中で検討を続けていきたいと考えております。
 次に竜門橋に関連する問題でありますが、県営ふるさと農道・新竜門橋整備推進についてでございます。
 本事業は、現在の竜門橋の幅員が狭く大型車の通行に支障を来しているために、地元の強い要望もございまして、ふるさと農道として計画したものでございます。従前の竜門橋は建設省のものであります。そういうふうな事情もあったわけでありますけれども、本年度は用地買収に着手をして、平成十年度は橋梁下部工事に着手する予定になってございます。
 お話にございました新竜門橋からの連絡道については、町の道路網構想があることは十分承知をしておりますけれども、現況では大変厳しい状況にございます。当面の課題としては、橋梁の一日も早い完成を目指して努力をしてまいらなければならないと考えてございます。
 他の問題につきましては、関係部長から答弁をさせていただきます。
 以上であります。
○議長(木下秀男君) 企画部長藤谷茂樹君。
  〔藤谷茂樹君、登壇〕
○企画部長(藤谷茂樹君) 佐田議員にお答え申し上げます。
 電磁波問題の解決手段はないかというご質問でございますが、知事から答弁申し上げましたように、県といたしましては直接的な指導権限はございませんが、近畿電気通信監理局並びに関係市町村とも連携しながら、事業者の速やかな対応を促してまいりたいと存じます。
 また県独自の規制はできないかということでございますが、法において国の権限とされるものについては地方公共団体の条例等になじみがたいものと考えてございます。しかしながら、地元市町村が知らない状況で事業進出がなされることについては問題があると考えてございますので、事業者に対し市町村への事前の連絡をするよう強く申し入れをいたしているところでございます。
 次に地籍調査に係る人件費については、市町村に相当の負担となっていることは承知してございます。こうした状況の中、平成十年度政府予算等に関する県の重点要望として、去る十二月四日にも知事から国に対し人件費補助制度の創設を強く要望したところでございます。しかしながら、人件費補助制度の創設については厳しい状況にあるため、県といたしましては、地籍調査を促進するため、これにかわるべきものがないか今後検討してまいりたいと存じます。
 次に、鞆淵地域へのトンネル調査の進捗状況についてでございますが、この道路は鞆淵地域と町中心部を連結する機能のみではなく、広く紀北地域の山間部と紀の川沿線部を連絡する役割をも担うものでありますので、県が調査を行ったところでございます。この調査により、本構想の具体化に当たっては、巨額の事業費、費用対効果、道路構造の技術的な問題など多くの課題が明確になりましたので、今後、紀の里農道等、関連道路の整備の進捗に合わせ、議員ご指摘の半島振興法の活用を含めた事業手法の検討や地域の活性化による需要の創出などについて、関係部局並びに地元町村と連携しながら、長期的視点に立って取り組んでまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(木下秀男君) 土木部長長沢小太郎君。
  〔長沢小太郎君、登壇〕
○土木部長(長沢小太郎君) 佐田議員の、国道に関する問題についてお答えいたします。
 まず、国道四百八十号の新トンネルの整備状況でございます。
 国道四百八十号については、府県境から県道那賀かつらぎ線までの五・七キロメートルが平道路として事業化されております。この区間はほとんどが公図混乱地域となっているため、かつらぎ町の協力のもとで公図訂正作業を進めております。平成十年度の事業費につきましては、一部公図訂正が完了した地区があることから予算の増額を国に要求しております。
 また府県間トンネルの直轄代行事業の見通しですが、代行事業導入については大阪府とも調整しており、今後とも早期事業採択に向け、大阪府とともに国に働きかけてまいります。
 次に、国道二十四号岩出バイパスの打田町黒土地点から那賀郡東部、伊都郡への東伸計画についてのご質問でございます。
 この国道二十四号等の粉河町以東の整備のあり方につきましては、平成元年度から二年度にかけて実施した那賀郡東部地域幹線道路網整備計画調査に基づき、京奈和自動車道を初め各路線の整備促進に重点的に取り組んでいるところでございます。
 まず京奈和自動車道につきましては、平成五年度に紀北東道路が事業化され、現在、都市計画決定に向けて地元調整の作業を鋭意進めているところでございます。
 またインターアクセス道路として、粉河町方面から粉河那賀インターへの主要なアクセス道路として、これは仮称でございますが長田竜門線等の都市計画道路、また那賀町方面から同インターへのアクセス道路として、同じく仮称でありますが馬宿名手市場線等の都市計画道路の計画決定の作業を鋭意進めておりまして、計画決定の後、逐次事業化等を進めてまいることになります。
 このほか、紀の川南岸部の東西幹線道路である県道和歌山橋本線については、粉河町遠方、荒見工区等の整備を重点的に促進しております。
 国道二十四号の打田町黒土以東については、当面、交通混雑対策として交差点改良等の現道対策事業を進めるよう国に強く働きかけてまいるとともに、今後、沿道の地域整備の動向を見ながら、将来の町づくりの観点も含め整備計画を検討してまいります。
 以上でございます。
○議長(木下秀男君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 12番佐田頴一君。
○佐田頴一君 ただいまご答弁をいただきまして、大変ありがとうございます。
 ただ、私の思っていることと大分差があるようで、私もこれで、よっしゃと了解するわけにいきませんし、あきらめないでもっと頑張りたいと思いますので、知事さん、なお一層のご協力を賜りたいと思います。
 それから携帯電話の問題ですが、町村へというふうに言うておりますけれども、町村に言うておらないんですね、今までは。だから問題が起こると、こういうことでございます。そんな言うても聞かん電話会社やったら、もう和歌山県に来てもらわなくてもいいんじゃないかと私は思いますので、なお一層の指導方を要請申し上げて、これで終わらせていただきます。
○議長(木下秀男君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で佐田頴一君の質問が終了いたしました。

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