平成9年12月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(森 正樹議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

○議長(木下秀男君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 36番森 正樹君。
  〔森 正樹君、登壇〕(拍手)
○森 正樹君 久しぶりの登壇でございまして、少し緊張しております。冒頭に、先輩・同僚議員の皆様におかれてはしばらくの間ご清聴賜りますように、よろしくお願い申し上げます。
 先月下旬発行の「週刊ダイヤモンド」別冊、銀行安全度ランキング特集号は、全国の書店店頭に置かれると同時に売り切れが続出、ほとんどの書店で即日完売となりました。これは極めて異常なことであります。よく知るある書店の店長に聞きましたところ、通常、同種の雑誌は売り切れることが余りなくて、次号が発行されるまで店頭に積み上げられていることが非常に多い、そういうことでありました。しかし、今回のこの別冊号に関しては異例のことだそうであります。──これがその本でございます。ご承知のとおり、世界でも金融機関のランキングで最も権威のあるムーディーズの最新報告に基づいて日本の金融機関の安全度ランキングを特集した雑誌でございます。
 ちなみに私は、和歌山市内にある約八十の書店、並びに海南市、有田市、那賀郡の主要な書店を含めて九十店舗に電話を入れてみました。その結果、もともと同誌を扱っていない一部の書店を除きまして、すべての書店では二、三日で売り切れになっております。また、発売日に売り切れたという書店が約四〇%に上りました。ある書店などは、私が電話で「『週刊ダイヤモンド』の」と言ったところまでで、私の言葉を遮るように「あっ、あの別冊ならもう売り切れてありません」ということで、電話がガチャンと切れました。そのような返事が返ってくるほどでありました。なお、大阪の大店舗を誇る書店の数店にも、念のため電話を入れてみました。再入荷等のこともあって電話を入れてみましたが、すべて発売日に完売したということでございました。私の知る範囲での話でございますが、再入荷の予定があるのは大阪の梅田の書店と那賀郡の岩出町にある書店の二店だけだった状態でございます。
 最近起こった、マスコミも注目していない事実ではございますが、これは何を物語っているのか。私は、国民の皆さんがこの数年の金融不安に対していかに重大な関心を持っているか、身近な問題として、自分が取引関係にある銀行は大丈夫かと、そういう懸念を抱いていることの証左にほかならないと思うものであります。
 ところで、我が国経済は、平成三年以降のいわゆるバブル崩壊後、実質ゼロ成長に陥っております。この結果、国民は失業率の増大、雇用不安、リストラ、賃金の伸びの鈍化、低金利などに苦しめられ、国や地方自治体は税収不足や財政赤字の拡大に直面しているのであります。また、地価や株価の大幅な下落は、ただでさえ膨大な不良債権をますます肥大化させ、ひいては金融システムの信頼性を揺るがし、低迷する景気をさらに奈落の底へたたき落とそうとしていると言っても過言ではありません。
 このような状況を踏まえて昨年秋持ち上がってきた構想が、金融ビッグバンであります。一九七五年に米国でメーデーと呼ばれた金融改革、一九八六年にサッチャーさんによって断行されたイギリスの証券ビッグバンに倣って、大蔵省が従来の護送船団方式に見切りをつけ、「フリー、フェア、グローバルな市場に」というキャッチフレーズのもとに導入しようとする改革のことであります。
 これまで大蔵省の厳しい管理監督のもとに置かれていた金融機関は、アメリカ合衆国を中心とする外圧の中でその自由な競争に任せ、各金融機関の自助努力と透明で自由なルールに任せるということになるそうであります。ある専門家は、素手で立ち向かう日本の金融機関が完全武装の外国金融機関に果たして勝てるのかという懸念を表明しておられましたが、まさに言い得て妙だと思います。この日本版金融ビッグバンによって、今後、経営内容の悪い金融機関は自動的に淘汰されていくことになるとの懸念も聞こえてまいります。そこで、不良債権の増大を恐れる銀行は、いわゆる貸し渋りを始めております。これによってゼネコンや不動産業界を中心に多くの企業は苦境に立たされ、資金の流れが悪くなって堅実な経営の中小企業までが資金ショートに伴う経営不安に陥り、それによって一層金融不安が高まるという悪循環が起こっているのであります。加えて今年度に入りまして、消費税の引き上げ、特別減税の打ち切り、医療費の引き上げなど、国民への大幅な負担増が景気の底冷えに決定的な追い打ちを加える結果となってしまったのであります。
 ここまで私が申し上げたことは端的に数字にあらわれておりまして、本年度四・六月期のGDP(国内総生産)が石油危機以来二十三年ぶりの大幅な落ち込みとなったことを見ても明らかであります。また国及び地方自治体の債務残高は、平成八年度末で国が三百二十兆円、地方が百三十六兆円となり、重複を差し引いてもその債務残高は四百四十二兆円に上り、実にこれはGDPの九〇%に達するのであります。
 このような我が国の経済情勢の中で、阪和銀行に始まり、日産生命、山一証券、三洋証券、北海道拓殖銀行、徳陽シティ銀行など、次々と金融機関の破綻が報道されました。そんな折、先月二十二日から二十四日の三連休を中心に、和歌山県内及び大阪府南部地域に衝撃的なうわさが流布いたしました。すなわち、紀陽銀行が合併工作に失敗して業務停止になる、二十五日にその正式発表が行われるというものであります。私も、連休最後の二十四日だけで、十指に余る人たちから問い合わせや相談を受けました。私は全員に、だれから聞いたのか、またうわさの出どころはと聞いてみましたけれども、出所は知らないが友人、知人から聞いたという返事がすべてでありました。私は、単なるうわさに躍らされることなく、軽挙妄動せず静かに見守ってほしいということを言うしかありませんでした。そして、あの二十五日、二十六日の騒ぎであります。県庁までの道筋、私も少し遠回りをして車で紀陽銀行の支店四店の前を通ってみましたが、どの支店も人であふれ返っておりました。この光景を見て私は、日本人の付和雷同体質について嫌というほど思い知らされました。証拠もない単なる耳にしたうわさについて、確認もせずに思い込むと同時に人にも言いふらす、人によっては想像を加えて、すなわち尾ひれをつけて喧伝するという、日本人の最も悪い欠点がさらけ出されたような思いをいたしました。
 この一連の騒動に関して、その発端となったうわさの火種について、一部の仕手筋が株価操作のために仕組んだのではないかという推測が行われております。事実、騒動前後から約一週間、紀陽銀行株は激しく乱高下を繰り返し、最安値と最高値の差は二百円にも上ったと聞いておりますが、約千六百万株が取引されたという話もお聞きしております。この騒動で、我々は幾つかのことを学びました。一つは、仕手筋にやすやすと株価操作のターゲットにされてしまった紀陽銀行の体質と甘い経営感覚であります。地銀本来の使命である地域経済界の事業者の経営を支援するという点を忘れ、土地、株、ゴルフ会員権のバブルご三家に手を染め、金もうけに走ったという面はなかったか。その結果、膨大な不良債権を生んだのではないか。そしてもう一つは、県民側の付和雷同的体質の問題であります。
 そこで、当局にお尋ねをいたします。
 第一に、今回の紀陽銀行にかかわる取りつけ騒ぎについて、十一月二十五日、早々と出納長がコメントを発表されましたが、この騒動についてどう認識し、どのように対応されたのか。また、県当局の窓口に苦情や問い合わせがあったと思われますが、その対応と相談件数、あるいは主な内容などについてお答えをいただきたい。
 第二に、紀陽銀行の不良債権が膨大に上り、いわゆる貸し渋りなどの行為がこの騒動を呼ぶ遠因になったという県民の一部の厳しい指摘もありますけれども、当の紀陽銀行のこの騒動に対する認識と対応はどうだったのか。また、大蔵省、日銀の対応はいかがでありましたか。
 第三に、県の指定金融機関である紀陽銀行に対して、今回の騒動による被害の拡大防止と再発防止に関してアドバイス、助言など申し入れをすべきだと思うが、どうでありましょうか。
 第四に、紀陽銀行以外のすべての金融機関においても同種の事件が今後起こらないという保証は全くありません。再発防止のための有効な手だてについてどう考えておられるのか。
 第五に、このような騒動が起こるには原因となった何らかの作為があったことは明らかであります。県民の不安をあおり、いたずらに混乱に陥れる行為は悪質であり、全く反社会的であると言わざるを得ません。証券取引等監視委員会に対して調査を要請したり県警への告発も考える必要があると私は思いますけれども、どうでありましょうか。紀陽銀行に対し、そのようなアドバイスをするお考えはないか、お聞かせをいただきたいと思います。
 次に、関西国際空港に関する幾つかの問題についてお尋ねをいたします。
 本年夏の八月三十一日から九月四日まで、関西国際空港開港三周年の記念イベントが同空港内において華々しく行われました。中でも八月三十一日と九月四日の両日は終日、空港連絡橋の通行料が無料となり、空港島内の駐車場の駐車料金が半額となっておりましたため、実に多くの人が詰めかけ、にぎわったようであります。この日は私も、友人の子息の結婚式に参加するため岸和田市へ行ったのでありますが、いつもはすいている阪和道から関空連絡道、湾岸線へのルートが大渋滞で、大変な混雑でありました。この関空連絡道の途中に空港島内駐車場の利用状況を知らせる電光掲示板がありますが、私の知っている限り、開港以来初めて「満車」という赤い表示が出ておりました。いつもは、「空港島内駐車場を利用してください」という表示であります。結婚式の帰り、私も、ただですので空港島に寄ってみました。家族連れや若いカップル、お年寄り夫婦など、日ごろの航空便利用者とは違う、実に多くの一般の見学客でターミナルビルとその周辺はあふれ返っておりました。関西の空の表玄関として関西国際空港が人口に膾炙し、広く親しまれてきたことを象徴する出来事として、日ごろ、関西国際空港の全体構想の実現を願い、関心を持つ者の一人として深い感銘を覚えた次第であります。
 また、最近のことでありますが、東京出張の帰り、都内で搭乗券を買うために旅行会社の窓口に立ち寄ってみました。そのとき、隣の窓口で、ある女性客と職員の会話が聞こえてまいりました。関西空港経由で海外旅行に出かける人であります。この女性が「関西空港を初めて利用するんですけど、アクセスは不便なんでしょう」と聞いているのに対して、旅行会社の職員は、「いいえ、大阪の都心からJR、南海電車のどちらでも三十分ぐらいで行けますし、高速道路も二本つながっていて、車でも一時間かからないと思いますよ」と説明をしておりました。地元関東に成田空港があるのに関西空港経由で海外旅行に出かける人が関東でも少しずつふえているのかなと、うれしく聞いていた次第であります。
 また、関東以外の東北、北海道あるいは九州方面などからも、成田ではなくて関西空港経由で海外へ向かう旅行客が急増していると聞いております。いよいよ二期工事の早期完成、そして全体構想の一日も早い実現を目指し、ますます利便性の高い国際ハブ空港づくりに取り組んでいく必要があると感じた次第であります。
 そこで、関西国際空港を取り巻く幾つかの問題についてお尋ねをいたします。
 第一点は、大阪府下の一部地域を残し、陸上飛行ルートのための実機飛行テスト受け入れの意思表示が出そろったと聞いておりますが、その実施時期はいつごろと考えられるのか。
 第二点、将来もし陸上飛行ルートが導入された場合、どのようなメリット・デメリットがあると考えられるのか。
 第三点、実機飛行テストは即陸上飛行ルート実現につながるのか。
 第四点、二期事業が明年、平成十年度から実質的にスタートすることになりますが、土砂採取事業も含めてその完成までのタイムスケジュールをこの際改めてお示しいただきたいと思います。
 第五点、土砂を購入する関西国際空港用地造成株式会社と土砂を供給する側の大阪府や土砂採取に当たる企業との間で土砂単価交渉が最近行き詰まっていると聞いておりますが、いかがでありますか。
 第六点、この土砂単価交渉が暗礁に乗り上げることで二期事業そのものの期限内完成への影響はないのか。
 第七点、国の空港特別会計への一般会計からの大幅繰り入れなど遅々として進んでいないと思いますし、関西国際空港という国の基幹事業に取り組む大蔵省や運輸省の姿勢は相変わらず弱いと言わざるを得ないと思いますが、この点についてどうか。また、国への働きかけなどについてお答えをいただきたい。
 最後の七点のみ知事の、あとは企画部長のご答弁をいただきます。
 最後に、環境問題について若干お尋ねをいたします。
 今あたかも京都において気候変動枠組み条約第三回締約国会議、通称・地球温暖化防止京都会議が行われております。間もなく幾つかの成果を生んで終わろうとしております。しかし同時にまた、この会議によって山積する課題や難問がいかに多いかが浮き彫りにもなりました。地球環境問題は二十一世紀の我々人類の共通の重い課題であり、その道のりは決して平たんではないと思います。私たちは、京都会議の成果を踏まえ、今後本県が取り組めること、当然の責務としてやらなければならないことを積極的に実行に移していく必要があると思います。
 我が国のCO2排出量は世界第四位で約四・九%でありまして、日本一国でアフリカ全体五十三カ国の三・四%、南米大陸十四カ国の三・一%を上回っているのであります。いかに我が国が地球温暖化防止に向けて積極的に取り組まなければならないか、その責務がいかに重大であるかが、この数字を見ただけでもわかります。
 そこで私は、世界の中の日本が置かれている立場にかんがみ、本県としても真剣に地球温暖化防止のための幾つかの取り組みを進めていかなければならないと考えます。以下、幾つかその取り組みについて当局の見解をお尋ねいたします。
 第一に、地球環境保全に向けて県行動計画を策定すべきであると思うが、どうか。
 第二に、県内主要事業所と環境保全協定を結び、低公害車の導入、アイドリング防止、リサイクル製品の積極活用、有害物質の適正管理の実施など、地球温暖化防止、省資源、リサイクル運動の推進を目指すべきだと思うが、どうか。
 第三に、冷蔵庫、カーエアコン、大型空調機等々、廃棄処分されるものの中からフロンを回収することが急務とされておりますが、フロン回収機の普及など、業界や市町村に対する積極的な助言指導を行うべきではないか。
 第四に、環境保全意識の高揚のために環境家計簿の普及に積極的に取り組むべきと思うが、どうか。
 第五に、次代を担う若者の間に環境保全意識を高めるために、小・中・高校における環境保全教育の実情と今後の取り組みについてお答えをいただきたいと思います。
 第六に、豊かな自然環境を有する本県としては積極的にエコツーリズム運動の推進を目指すべきであると思いますが、あたかも平成十一年に開催される南紀熊野体験博はエコツーリズムの精神に合致するイベントと言えると思います。この点についてお答えをいただきたい。
 第七に、エコスクール、こどもエコクラブの取り組みについて現状と今後の方針はどうか、お示しをいただきたいと思います。
 以上で質問を終わりますが、それぞれ知事並びに関係部長の簡潔にして前向きの答弁を期待申し上げまして、この質問を終わらせていただきます。
 ご清聴ありがとうございました。
○議長(木下秀男君) ただいまの森正樹君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
  〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 森議員にお答えをいたします。
 関西国際空港問題に関連してのお尋ねでありますが、国の空港整備特別会計につきましては、平成八年の航空審議会の第七次空港整備五カ年計画の基本的考え方において、一般財源の拡充を含めた所要の財源確保に取り組む必要性が示されたわけでございまして、運輸省においてもこうした考え方に沿って財政当局との折衝を行っていると聞いてございます。
 関西国際空港二期事業につきましては、国の財政構造改革による公共事業費の抑制という大変厳しい状況の中ではございますが、第七次空港整備五カ年計画の最優先課題と位置づけられておりまして、平成十年度運輸省概算要求の最重点項目の一つとして現地着工経費千二十九億円が要求されているわけでございます。
 先般、県議会関西国際空港対策特別委員会におかれても国に要望していただいたところでございますけれども、私も十一月二十六日に関西国際空港全体構想早期実現期成会の要望活動として、また十二月四日には国に対する県の予算要望の中で運輸省と大蔵省に要望してまいったところであります。
 国においても関西国際空港二期事業の重要性は十分認識していただいていると考えておりますけれども、今後なお一層強く国や関係方面に対して要望活動を行ってまいりたいと考えております。
○議長(木下秀男君) 出納長高瀬芳彦君。
  〔高瀬芳彦君、登壇〕
○出納長(高瀬芳彦君) 金融不安問題の質問の三点についてお答えをいたします。
 まず、紀陽銀行に係る取りつけ騒ぎについて県はどのように対応したかということでございますが、紀陽銀行における十一月二十五日の状況は異常な事態であると感じ、監督官庁である大蔵省に知事が出向き、また一方近畿財務局にも問い合わせ、経営の問題はないと確認をしたところでございます。その後、紀陽銀行頭取の記者会見や近畿財務局、日本銀行大阪支店のコメントが出され、県としても県民、預金者に対し、財務内容や中間決算に特に問題はない、今後とも指定金融機関としての役割を果たしていけるものと確信しているとのコメントを同日出し、対応を図ったところでございます。
 次に県民からの問い合わせや苦情についてでございますが、二十五日と二十六日に、財務状況や預金保護に関する電話による問い合わせが両日合わせて六十件余りありました。大蔵省や近畿財務局の発表のとおり財務状況については問題なく、また預金保護については二〇〇一年三月末までは全額保護される旨説明をしたところでございます。
 次に、県指定金融機関である紀陽銀行に対する被害の拡大防止と再発防止のための助言についてでございますが、指定金融機関として十一月二十一日に発表した今期中間決算での計画などを着実に推し進め、健全経営を図るとともに信用保持に万全の措置を講じるよう、再度要請してまいりたいと考えてございます。
 最後に、このような騒動を起こした原因者に対する証券取引等監視委員会への調査要請についてでございますが、議員ご承知のとおり、証券取引等監視委員会は大蔵省の外局として株式取引を常時監視しており、調査については独自の判断に基づいて行われるものであります。また、一般的にどの案件を調査しているかどうかは公にしてございませんので、確かなことはわかりません。ただ、紀陽銀行が任意に申し出を行うかどうかについては、現在検討していると聞いてございます。
 以上でございます。
○議長(木下秀男君) 商工労働部長日根紀男君。
  〔日根紀男君、登壇〕
○商工労働部長(日根紀男君) 金融不安問題二点についてお答えをいたします。
 まず、この騒動に対する紀陽銀行の対応並びに大蔵省、日本銀行の対応はどうだったかという点でございますが、紀陽銀行からの報告によりますと、十一月二十五日は連休明けの給料日と企業の決済日が重なり平常よりも窓口業務が混雑すると予想はしていたものの、当日朝からの各店舗の来店者数などから異常な状況であると認識したとのことでございます。同行といたしましては、このため鎮静化に向けて早急な対策を講ずる必要があるという判断から、同日午後四時三十分より南出頭取と久山専務が銀行の財務内容及び経営への取り組み姿勢を説明し、経営不安のうわさを完全に否定するための記者会見を行ったところでございます。また二十六日には、店頭での張り紙表示はもとより、職員が経営状況の説明を行い、預金者等に対して理解を求める行動をとってございます。さらに、二十七日付で新聞紙面広告を行うなどの対応がなされたところでございます。
 次に、近畿財務局及び日銀大阪支店の対応でございますけれども、二十五日には連名で紀陽銀行についてのコメントを発表するとともに、二十六日には近畿財務局長と日銀大阪支店長が共同記者会見を行い、紀陽銀行の経営不安説を完全に否定したところであります。
 このように、紀陽銀行、近畿財務局、日銀大阪支店による迅速な対応の結果、窓口での混雑も二十五日がピークで、二十六日には鎮静化に向かい、二十七日にはほぼ平静状態となり、預金者及び県経済への影響は最小限にとどめられたものと見ております。
 次に、他のすべての金融機関においても同種の事件が起きないような手だてはということでございますが、うわさ等で金融機関の信用不安が発生するということは、県民はもとより県経済に与える影響は極めて深刻なものだと思いますし、あってはならないものと考えております。したがって、こうした事態を避けるため、各金融機関は預金者、取引者の信頼を得ることが最も重要であると考えています。
 今後、金融機関のみずからの経営健全化はもとよりでありますが、積極的な情報開示を進めていくことによって根拠のないうわさ等による信用不安は避けられていくものと考えております。
 以上でございます。
○議長(木下秀男君) 企画部長藤谷茂樹君。
  〔藤谷茂樹君、登壇〕
○企画部長(藤谷茂樹君) 森議員にお答え申し上げます。
 関西国際空港の新飛行経路案に係る実機飛行テストの実施につきましては、先般、知事定例記者会見において、関係市町村の意向もお聞きした上で、新経路案を総合的に判断するためには実機飛行テストを実施していただき、実際に騒音の程度を検証する必要があるとの表明を行ったところでございます。大阪府、兵庫県におきましても、実機飛行調査に対処していくと聞いてございます。
 実施時期につきましては、十二月四日に運輸省から関係三府県に対し、新経路案に係る実機飛行調査の実施計画書案の提示があり、今後調整してまいりたいとのことでございますが、年明けの一月中になるものと考えてございます。
 次に陸上飛行ルートのメリット・デメリットについてでありますが、関西国際空港の現行経路では、航空機の安全性確保の観点から一年間の離着陸回数は、現在の一本の滑走路では十二万回程度が限度であるとされておりますが、新経路を導入することによって約十六万回の離着陸が可能となり、さらに二期事業によって二本目の滑走路が供用されると約二十三万回の離着陸が可能となります。また、これにより東京便などの増便及び時間短縮効果にもつながるものと考えてございます。しかしながら、陸上を飛行することになりますので、騒音の影響について今後実機飛行調査を実施していただき、実際に騒音の程度を検証する必要があると考えてございます。
 次に実機飛行調査につきましては、先ほども申し上げましたとおり、飛行経路問題について、騒音等を勘案し、総合的に判断するために実施するものと考えてございます。しかしながら、運輸省から現状の問題点について説明を受け、現在の関西国際空港は昼間の時間帯を中心に離着陸回数が限界に達しており、これ以上の増便が困難な状況であるということは認識してございます。国際ハブ空港として関西国際空港の本来の能力を発揮させ、また県民の利便性を向上させるためには国内線を含めてさらなる増便が必要でありますし、二期事業を円滑に推進するためにも飛行経路問題の早期解決が重要であると考えております。
 二期事業のスケジュールは、平成十年度末に地盤改良と護岸工事に着手し、平成十二年中ごろから本格的な埋立工事が始まる予定になっており、現在、運輸省において予算獲得に向けて財政折衝が行われるとともに、関西国際空港用地造成株式会社においてこのスケジュールに沿った土砂調達の準備が進められているものと存じます。本県におきましては、株式会社青木建設と鹿島建設株式会社を事業主体とすることで、現在、関係機関及び関係部局と協議・調整を進めているところでございます。
 他府県の状況についてでありますが、兵庫県は淡路地域における民間事業者の土砂採取地から搬出する方向で検討を進めているとのことであり、また大阪府については、府の土地開発公社を事業主体にして現在用地集約を進めるとともに土量を五千万立方メートルから八千万立方メートルの範囲で四段階に分けて企業から提案を募り、その提案に基づいて用地造成会社と協議を行っていると聞いてございます。
 ご指摘のありました単価の問題については、基本的には用地造成会社とそれぞれの事業者との交渉によるものと考えておりますが、本県といたしましては、二期事業が円滑に推進されるよう、今後の交渉経過に注意を払ってまいりたいと考えております。二期事業につきましては、土砂供給など多くの課題がございますが、県としましては、平成十九年の二本目の滑走路の供用開始に向け、積極的に協力してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(木下秀男君) 生活文化部長中村協二君。
  〔中村協二君、登壇〕
○生活文化部長(中村協二君) 森議員にお答えをいたします。
 地球温暖化防止についての六点でございますが、まず地球環境保全に向けて県行動計画を策定して積極的な行動に移るべきと思うがどうかということについてお答えをいたします。
 地球温暖化防止に関する県の計画につきましては、二酸化炭素等温室効果ガスの削減目標やその方策等に関する京都会議での結果を踏まえ、県環境基本条例第十条の規定に基づき、今後策定を進める環境基本計画の中で本県における地球温暖化防止のための具体的な施策について取りまとめ、積極的に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 次に、県内主要事業所と環境保全協定を結び、地球温暖化防止、省資源、リサイクル運動の推進に取り組んではどうかというご質問でございますが、事業者における地球温暖化防止、省資源、リサイクル等の取り組みにつきましては、国の環境基本法や和歌山県環境基本条例の中で、事業者は、その事業活動に関し、環境への負荷の低減その他環境の保全にみずから努める責務を有すると定められているところでございます。
 今後、多くの事業者において環境への負荷の低減に関するいろいろな自主的な取り組みが進められてまいるものと期待いたしてございますが、議員ご指摘の環境保全協定のご趣旨についても、今後必要に応じて研究してまいりたいと存じます。
 三点目は、冷蔵庫、カーエアコン、大型空調機等の廃棄処分される粗大ごみからのフロン回収が急務と思うがどうかというご質問でございますが、本県におけるフロンの回収状況といたしましては、平成九年十一月現在において、広域圏組合等を含む十九市町村で廃冷蔵庫等からのフロン回収に取り組んでいるところでございます。一方、カーエアコン、大型空調機器等からのフロン回収につきましては、回収の仕組みや費用負担の方法等、通商産業省が示した回収促進プロジェクトに基づき、関係業界において取り組みが進められているところであります。今後とも、市町村及び関係業界に対し、なお一層の啓発指導に努めていきたいと考えております。
 次に、環境保全意識の高揚のために環境家計簿を導入してはどうかというご質問でございますが、環境家計簿は環境庁が昨年度から取り組んでいる四つのチャレンジ運動の一つであり、本県といたしましても、六月の環境月間での街頭啓発など、機会をとらえて普及啓発に努めているところでございます。
 なお、このほか、地球温暖化防止をテーマとした環境月間記念講演会の開催、環境庁が提唱している日常生活における省資源、省エネルギーなどの具体的な取り組みの実践を誓う百万人の誓いへの参加呼びかけ等により、地球温暖化防止について普及啓発を実施してきたところでございます。さらに、近畿府県、政令市から成る地球温暖化防止京都会議関西行政協議会におきまして、一、不必要なアイドリングをやめる、二、不要不急の自動車の運転を自粛する、三、暖房温度を二十度以下にする、四、電気製品の主電源を切るなど節電に努めるの四つのアピールを統一して広く呼びかけることになり、本県としても、チラシの配布等により啓発に努めているところでございます。
 次に、エコツーリズム運動の推進を積極的に行うべきと思うがどうかというご質問でございますが、最近、エコツーリズム、すなわち従来型の観光とは異なり、環境への影響を最小限に抑えながら地域の自然や文化、住民の伝統的な生活様式に触れ、学び、楽しむといったことを目的とした自然志向型の観光スタイルが注目されてきております。これは、人々が自然に親しみ、大切にすることを学ぶ貴重な機会であり、同時に地域の発展、活性化につながるものでございます。
 県といたしましては、本年度から事業化している近畿自然歩道の整備や自然公園内の利用施設の整備を図り、エコツーリズムの支援設備として活用してまいりたいと考えてございます。さらに、新県民運動・感動わかやま21のテーマの一つである「自然と共生 快適わかやま」を展開する中で、観光客等の自然に接する際のマナーの向上を訴えるキャンペーン、ネイチャーフレンドシップ運動を推進しておりまして、この取り組みがエコツーリズム運動に寄与するものと考えてございます。
 また、平成十一年度開催の南紀熊野体験博におけるさまざまな自然との触れ合いをテーマとした体験イベントは、まさにエコツーリズムの精神を先取りしたものであると考えてございます。
 最後に、エコスクール、こどもエコクラブの取り組みについてでございますが、この制度は環境庁において平成七年度から全国的に呼びかけ、子供たちが地域の中で仲間と一緒に地域環境、地球環境について学習や実践を行うための集まりでございます。
 現在、本県では十八クラブ、四百三十人が登録しておりまして、それぞれの単位において身近な環境問題に取り組んでおり、県といたしましても、指導者講習会を実施するなど、地域に密着した活動をサポートしてございます。今後、さらにこどもエコクラブへの参加を呼びかけてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(木下秀男君) 教育長西川時千代君。
  〔西川時千代君、登壇〕
○教育長(西川時千代君) 環境教育にかかわって二点についてお答えいたします。
 環境問題は身近な問題から地球規模の問題まで極めて広範にわたっており、その学習は、自然科学、社会科学の分野から一人一人の感性や心の問題にまで及ぶ重要な課題として、学校教育と家庭教育、社会教育の連携の中で継続的に進められるものでございます。
 各学校では、理科、社会、家庭、保健体育などの各教科や道徳、特別活動等においてさまざまな取り組みが進められております。例えば小学校においては、自然と親しもうという目標を掲げたフィールドワーク、河川のクリーン作戦、リサイクル活動などを展開したり、中学校、高等学校では酸性雨調査、河川の水質調査、臨海実習等の取り組みが進められておりますし、毎年、小中学校三校を環境教育実践校に指定し、研究を推進しております。このような実践を通じて人間と環境とのかかわりについて理解と認識を深め、社会の一員として一人一人の生活や行動が環境に配慮したものとなるよう指導しているところであります。
 とりわけ環境教育においては、日常生活における実践的な能力や態度の育成が重要であることから、美化活動や草花の栽培、奉仕等、体験的な活動などの取り組みを通して公共心、公徳心を育成することが大切であると考えます。
 今後、家庭、地域と連携し、社会全体の意識やマナーの向上を図る取り組みと一体となった指導を推進してまいりたいと考えます。
 次にエコスクールの取り組みについてでありますが、学校施設についても、環境への負荷の低減に対応した施設づくりが求められております。こうした中で文部省においても、通産省との連携のもと、本年度からパイロットモデル事業としてエコスクールが実施されております。県内では、本年度、南部川村の上南部小学校が事業認定されていますが、今後ともこの趣旨を踏まえ、環境を考慮した学校施設の整備促進を図ってまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(木下秀男君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 36番森 正樹君。
○森 正樹君 先ほど私、紀陽銀行の取りつけ騒ぎのことに関して、県民の付和雷同体質──まあ国民の付和雷同体質について申し上げました。確かにそういう一面もあるんですが、しかし片一方で、無理のない、やむを得ない部分も多々あるのであります。と申しますのは、これまで日本の金融機関というのは、全く情報を外に開示してまいりませんでした。例えば、金融機関で何か不祥事が起こる。そうすると、その金融機関のトップはどうするかと言うと、まず大蔵省に報告をする。その指示を仰いで、例えば責任者の首を切ったり処分することで済ます。お茶を濁す。そして後々外に漏れると、慌てて記者発表して報告する。それで初めて国民は知る。そういうスタイルが一般的でありました。いわゆる大蔵省による護送船団方式の悪弊、横並び方式の悪弊であります。厳しい言い方をする人は、これはまさに秘密主義だと、そう言います。国民は、自分の取引している銀行に関して情報が何も提供されないのであります。
 そういう点を反省して、何年前になりますか、ディスクロージャー誌の発行が義務づけられました。これが、紀陽銀行のディスクロージャー誌であります。非常にあっさりしたものでありますが、日本のほかの金融機関の中には、宣伝も兼ねて非常にカラフルな表紙でつくっているものもたくさんあります。私も幾つか見ましたけれども、問題は中身であります。こういう形で少しは情報開示されましたけれども、その中身というのはほとんどが数字の羅列あるいは銀行の案内でありまして、そういう数字の羅列、いわゆる財務諸表なんかを見せられても一般庶民はわからないのであります。
 今、外圧によってビッグバンが進められようとしておりますけれども、そうした守られた形、護送船団方式の中から急に世界の中へほうり出されて果たして日本の銀行はうまいこといくのかという不安、心配。そして、ここ数年の金融機関の、業務停止であるとか倒産であるとか廃業であるとか、いろんな言い方をしておりますが、要するに倒産であります。そういう姿を見せられて、国民の皆さんは本当に不安になっている。したがって、こんな本が売れるのであります。ムーディーズの最新報告に基づいたこの本があっという間に売り切れたのであります。国民はそういう情報に飢えているということが、このことをもってもわかると思います。
 そういう意味で、これから世界の金融市場の中で日本が外国の金融機関と対等に伍していくために、もちろん、もっと経営の刷新をしていかなければなりませんが、もう一つ情報開示をしっかりしていかなきゃならない。自分の取引する金融機関の中身について県民の皆さんがよく知っていけるような、そんな情報開示をしていくことが必要だと思います。
 紀陽銀行がもし万が一、億分の一つぶれるようなことがありますと、和歌山県経済にとって大変なことであります。絶対つぶしてはならないと私は思いますが、現にこのムーディーズの報告に基づくランキングでも紀陽銀行は中位よりちょっと上にランクされておりますし、決して悪くありません。出納長や財務局長のコメントにもありましたとおり、まさに経営内容は決して悪くないのであります。悪くないというよりもいい方だと、そのように私も認識をしております。しかしながら、前段で申し上げたように、やっぱり県民の皆さんの信頼が得られるような取り組みをしていく必要がある。したがって、経営の健全化に取り組むと同時に、もっともっと広く県民の皆さんに親しんでもらえるような、安心してもらえるような情報提供、情報開示をしていくことが必要だと思います。──もし傍聴席に紀陽銀行の幹部の方がおられたら、ぜひ南出頭取、久山専務にお伝えをいただきたいと思います。
 それから、証券取引等監視委員会に対する調査要請でありますが、確かにこれは大蔵省管轄のことで、出納長の立場では余り言い得ない部分があると思います。しかし、現に最近同じような騒ぎのあった京葉銀行は、直ちに証券取引等監視委員会に対して調査要請をいたしました。紀陽銀行に関してもそうですが、明らかに株価操作があったと聞いております。どちらがより規模が大きかったのか小さかったのか、それは知りませんけれども、少なくとも即座にそういう調査要請をしております。私は、紀陽銀行も早くやるべきだと。それが県民の皆さんに安心していただけるための一つの手だてにもなるし、それを機会に経営内容は健全だということを知っていただく場にもなる、また再発防止のための手だてにもなると思います。そういう意味で、ぜひすべきだということを私は声を大にして申し上げておきたいと思います。
 それから、私は日ごろ余りこの本会議での当局の答弁に期待はしていないんですが、久しぶりに中村生活文化部長の答弁を心強く聞きました。行動計画に積極的に取り組むというご答弁でありましたが、ぜひとも一日も早く行動計画を策定していただきたい。我が国の地球における、世界における置かれた立場というのは、先ほどの質問で申し上げたように、日本一国で南米大陸全体よりも、あるいはアフリカ大陸すべてよりもCO2の排出量が多いのであります。それもかなり多い。それほど日本は、この地球の環境を守るために、温暖化防止のために課された責務は非常に大きいということが言えると思います。日本の中の和歌山であります。その一端を担う和歌山県として、やはり一日も早くこの行動計画を策定すべきだ、そしてさまざまな施策を実行に移すべきだということを、これも強く申し上げておきたいと思います。
 それから、教育長、ご答弁いただいてあれですが、最近私、自分の健康管理も含めて、いつも犬を連れて片男波に散歩に行くのですけれども、最近の若者のマナーの悪さというのは、本当に目に余るものがあります。例えば夏の間などは花火に打ち興じているわけですが、その後へ行ってみますと、海岸じゅうに食べ物や瓶、缶類が散らばっている。花火の燃えかすは、もう砂浜全体に散らばっている。本当にひどい状態であります。また、防波堤にはさまざまな落書きがあります。そういう現場を幾つも私は目撃して、何度か注意したこともございます。反発する若者もありました。素直に聞く子もありました。しかしいずれも、私服は着ておりますが、一見、明らかに高校生とおぼしき連中であります。そういう子供たちが何でこんなにマナーが悪いのか。日本人の特性で、一人だったらおとなしいのに集団になったらああいう行動に走るのかという気もしますけれども、学校でしっかり──もちろん、一番は家庭であります。家庭でしっかりそういうマナー、公徳心の教育をしてもらわなければなりませんけれども、やっぱり学校でもきちっとそうした環境保全のための教育というか、この地球は自分たちの地球なんだ、この地域は自分たちのものなんだ、この町は自分たちの町なんだ、だからきれいにするんだと。例えば、自分の家で自分の部屋はきれいにするけれども、廊下につばを吐いたりごみをほうったりしますか。道路というのは、それとやはり同じではありませんか。そういうことを子供たちに教えるべきだと。
 これはかつて小中学校用に発行された資料で、生活文化部の方で出されたものだと聞いておりますが、ぜひとも高校用の副読本ぐらいつくって子供たちに自分たちの問題として考える機会を持っていただきたい、取り組んでいただきたいとお願いしたいと思います。
 最後に、関西国際空港について一点だけ申し上げます。
 先般、知事も答弁の中で言われたように、我々高瀬委員長以下関西国際空港対策特別委員会の東京陳情で運輸省に対していろいろ意見を申し上げました。
 最近、私はある資料を読んでおりましたら、HSCTについて、いわゆるマッハ五で飛ぶ、二十一世紀の将来の早い時期に導入されるであろうという超々音速機の問題であります。この本会議で前にも申し上げたことがありますが、今の研究ではこのための国際スーパーハブ空港を世界に六つつくる。北米大陸に三つ、それからアジアに一つ、ヨーロッパに一つ、そして豪州に一つと、大体その六つになるであろうというのが研究の主流であります。そういうふうに資料で拝見をしました。
 このアジアのスーパーハブ空港の位置をめぐって、今、アジアでは熾烈な競争が行われております。そのことについては、もう何回もこの場で申し上げたのできょうは言いませんけれども、六千五百メートルの滑走路がそのためには必要だと言われておりますが、今、日本の中でそれに対応できるところは一つもないわけであります。確かに、スーパーハブ空港があるないで大きな差がある。もちろん、そのヒンターランドの市場の問題等々がありますから、空港があるだけですべて発展するとか、そうは言えませんけれども、日本というこの国の中に、特に関西周辺にHSCTのためのスーパーハブ空港ができれば関西の大きな経済発展の起爆剤になると思いますし、日本の発展にもつながる。
 そういう意味で、恐らく二十一世紀の早い段階に導入実現されると思いますので、そういうことを視野に入れた取り組みをしていただきたいし、その前に、当然のことながら第二期事業を早く実現をしなければなりません。私は前にも申し上げましたが、この二〇〇七年に、二期事業じゃなくて前倒しをしてでも全体構想を実現するぐらいの取り組みが当然だと思います。そうすることが、将来、HSCTのためのスーパーハブ空港づくりにも一歩早く踏み出せることにつながるからであります。
 幾つか申し上げましたが、すべて要望にいたします。どうぞ、よろしくお願いします。ありがとうございました。
○議長(木下秀男君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で森正樹君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
○議長(木下秀男君) この際、暫時休憩いたします。
  午前十一時五十七分休憩
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