平成9年9月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(上野哲弘議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

○副議長(阪部菊雄君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 27番上野哲弘君。
 〔上野哲弘君、登壇〕(拍手)
○上野哲弘君 通告に基づきまして一般質問を行います。
 まず観光振興について、副題として「二十一世紀の基幹産業は観光であるとの指摘について」、お伺いいたします。
 世界観光機関の発表によりますと、昨年の世界じゅうの外国旅行者は五億九千万人、西暦二〇〇〇年には七億人を超え、二〇一〇年には十億人を突破すると予測しており、二十一世紀はまさに大旅行時代となり、観光ビッグバンが到来すると言われております。その要因として、人生の価値観に意識変化が加わり、若者、女性、シルバー層、それぞれに合った余暇を楽しむ空間が一層求められるとし、また世界の外国旅行者の八割が先進国でありますが、二十一世紀になると中国、インドを初めアジアにその波が押し寄せ、観光需要が急増すると予測しております。さらに、これからの観光は単なる名所だけでなく、食べ物とかサービス、文化等、人それぞれにためになる学びのシステムを地域がどう用意できるかであると指摘しております。
 現在のところ、世界で最も多く外国旅行者を引き入れているのはフランスで、全世界から六千万人が訪れ、ブランド品から食事に至るまで一大産業として繁栄しております。ちなみに日本は、海外に出かけた人は千七百万人、日本を訪れた外国旅行者は四百万人で、フランスの一割にも満たないところであります。日本はもっと観光に対する優秀な人材とお金を投入しなければ世界の流れについていけないと申されております。
 関西国際空港に隣接した観光立県をうたっている和歌山県において、外国人旅行者を受け入れる方策がなされているのか、お伺いしたいと思います。
 また、平成十一年には南紀熊野体験博が開催されますが、その進捗状況と、二十一世紀の観光は基幹産業であるとの指摘に、産業としての観光をこの体験博に組み入れていただきたいと思いますが、所見をお伺いいたします。
 続きまして、市田川浸水対策についてお伺いします。
 全国有数の多雨地帯であります熊野川流域の洪水による浸水被害は、有史以来、数十回に及ぶ記録が残されており、特に明治二十二年の大洪水では、上流の十津川村落を廃村に追い込み、本宮大社を流失させ、多数の人命を奪った未曾有の大災害が記録されております。なお、村を追われた人々は新たに北海道にて新十津川村を開村し、今日に至っております。
 最近の事例では、昭和五十七年、台風十号による新宮市での浸水被害は、床上浸水五百二十一世帯、床下浸水千九百三十四世帯に及び、被害額は三十六億二千万円に達し、市民からは行政に対し抜本策を求められたところであります。当時、浸水の原因として熊野川からの洪水が市田川に逆流したとして、建設省により激甚災害緊急特別事業の指定を受け、逆流防止の水門が設置されたところであります。あわせて、新宮市内の降雨による市田川堤防溢水を防止するため、排水機も設置されました。その後、地域住民としては二度と浸水被害に遭わないと思っていたやさきの昭和六十三年九月六日に襲来した台風十九号では、床上浸水二百三十八世帯、床下浸水千四百二十九世帯が被害をこうむりました。たび重なる被害の中、本年六月二十日、台風七号により床下浸水が発生、三十世帯が被害に遭い、さらに七月二十六日の台風九号では家屋の一部破損三世帯、床上浸水百八世帯、床下浸水八百三十七世帯、その他浸水百六十件、計二千数百人の方々が被災されました。
 当局に伺います。
 一、これまでの浸水対策に不備があったのかどうか。それとも計画水量がオーバーしていたのかどうか。
 一、市田川堤防はセミバック方式と聞いておりますが、水門の閉鎖と熊野川河口の砂州との関連をどのように考えておられるのか。
 一、ダム放流について、台風時、下流への被害が最小限となるような操作が可能かどうか。
 以上、お伺いいたします。
 なお、浸水被害をこうむっている地域住民には、行政は一つであります。すなわち、新宮市民であり、和歌山県民であり、日本国民であります。この際、あらゆる面から浸水メカニズムを解明し、市、県、国が一体となっての対策をお願いするものであります。明快な答弁をお願いいたします。
 続きまして、広域行政についてお伺いいたします。
 県における地方分権の確立と広域行政の推進についてであります。
 現在、国の内外から行政改革が叫ばれ、国、地方ともどもこれら改革問題を避けて通れなくなりました。国においては、許認可にかかわる規制緩和の推進、中央省庁の統廃合、あるいは国の機関委任事務の廃止等が論議されているところであります。一方、地方においては地方分権の確立がその重要課題であります。その確立を阻害しているのは、国、県、市町村という行政組織の中での国のひもつき予算等による財政基盤にあると言えます。つまり、縦割り行政であり、金太郎あめ行政であります。いずれの市町村も同じ施策になってしまっていると指摘されているところであります。これらすべて中央集権国家の弊害と言わざるを得ません。それでは、すべてにおいて現体制が悪かったのかと言えば、そうとも言えません。戦後五十年、経済成長を遂げた我が国において金属疲労を起こし、引退せざるを得ないということではないでしょうか。
 我々地域住民にとって本来の地方分権を確立するために新たな体制づくりを構築するとして今の中央集権国家を解体するとすれば、その大前提として国から徴税権を受け持つということになります。しかしながら、現状のまま徴税権だけを獲得すれば地域間格差がますます広がり、先進国と後進国くらいの収入格差が生じるものと思われます。ある調査で、滋賀県草津地方は現在よりも五十一万円の減税となり、経済力の乏しい新宮地方は三十一万円の増税になると試算されております。
 地方分権の確立は、お互い地域間競争がなされるということであり、競争が地域を活性化させるものと思われます。今日、我々は中央集権国家から地方分権国家を目指しているわけでありますが、かつて地方分権国家から中央集権国家に移行した百三十年前の江戸期、幕藩体制に戻り、今後、地方分権とはいかにあるべきか参考にすべきものと思います。
 当時の政治体制は、ご存じのとおり、中央政府である徳川幕府と地方自治体である全国三百に及ぶ藩で国家体制をつくり上げておりました。藩の財政収入は農民からの貢租と商人などからの運上金、冥加金で成り立っており、その大半は農民からの年貢であったため、当初は新田開発に力を注いできましたが、その後は固定したとなっております。そのような状況で、中央政府である幕府は藩に対して、補助どころか参勤交代など多大の出費を強要したため、藩財政は常に困窮したとなっております。藩の対策として、米以外に地元物産を開発し、財政の立て直しを行っております。その例として、薩摩藩における砂糖の専売が挙げられます。また、時代とともに各地で紙とか茶、かわらなどの産品が生まれ、新宮藩では炭の専売で多額の収入があったと記録されております。
 地方分権の成功は自主独立であり、競争原理を組み込まなければならないと思いますが、県として地方分権を推進する上で今後どのような対応を考えておられるのか、お伺いいたします。
 地方分権の確立で必然的に問題化されるのは、広域行政の推進であります。正直言って、広域行政の旗振り役は県と思っておりますので、その点を十分考慮していただきたいと思います。
 先ごろ、二十一世紀の関西を考える会では、関西の六府県を廃止して二十の市に再編するという提言がなされました。その根幹であります徴税権において、国税は消費税と個人所得税とし、その他法人税、資産税等は市税とするというものであります。すなわち、この提言では県がなくなるということになりますが、これでは広域行政の推進役としての県の存在理由がないと思われます。所見を伺います。
 もう一点。先日、北川三重県知事に会い、三重県の取り組みについて聞いてまいりました。その中で、二十一世紀の構想として、もう県なんか要らない、限られた予算、人員で効率的な行政を目指すために行政のスリム化は必然であり、中二階的な存在はむしろ邪魔にならざるを得ないと述べられております。本当に県は要らないのか、所見を伺います。
 私はそれより、広域行政の立場から、視点を変えて、今までのような市町村は要らないと言うべきと思います。すなわち、地方分権の確立に伴う広域行政の推進は、県がみずからつくり上げるべきものと考えます。前段で言われた六府県を二十の市に再編するのでなく、六府県を二十の地区に分割する、そのような発想をしましたが、知事の所見をお伺いいたします。
 続きまして、県会議員選出における広域的区割りについてお伺いいたします。
 広域行政の推進をうたうならば、当然、議員の選出についても考えなければなりません。特に今回は、岩出町の人口増加により定数配分が決定された時点で県下の議員定数に影響が出てまいりますので、私なりの提案を行い、当局の所見を伺うものであります。
 当初、その考えだけで質問する予定でおりましたが、前段の質問で、もう県なんか要らないという指摘に、市町村なんか要らないと申し上げました。また、県を廃止して市に再編するのではなく、県を分割すると申しました。前者の定義では、もう県議会なんか要らないということになりますので、この場では私の意見に賛成していただけるものと確信しております。しかし、この話、先の長い話になりますので、当面、岩出町の問題から質問したいと思います。
 地方自治法第八条により、市制施行は人口五万人を超えた場合にすることができるとなっております。聞くところによりますと、岩出町は現在四万五千人を超え、約三年後に五万人に達すると言われております。現行の県議会定数からいけば、岩出市になった時点で二名の定数が割り当てられることになろうかと思います。県の人口が比例して増加していければ全定数の枠も広げられると思いますが、今のところそのようにならないと考えます。そうであるならば、その二名増をどの地域から減員するかということにかかってまいります。
 この際、定数配分を考慮しなければならないのであれば、広域的見地から、また岩出町の現況から、和歌山県議会の議員選出の区割りを現行の十四区から八区に提案するものであります。すなわち、和歌山市、岩出那賀郡、橋本伊都郡、海南海草郡、有田有田郡、御坊日高郡、田辺西牟婁郡、新宮東牟婁郡という選挙区になります。つまり、和歌山市を除いて県下の市と郡を同じ選挙区にして、地域に応じた均衡ある選出を考えるべきかと考えます。区割りについて当局の所見を伺います。
 なお、三重県において市と郡の合区がなされておりますので、申し添えておきます。
 ごみ処理施設についてお伺いいたします。
 本来、ごみ処理は市町村の固有事務となっており、その対応は当該自治体が行うものであることは当然であります。しかし、世の中が変化し、環境問題が大きな社会問題となってきた今日、国及び県においても放置できない重要課題と申せます。
 本年一月、厚生省において、新たなダイオキシン排出濃度規制が通達され、処理施設のガイドラインが示されました。それによりますと、ダイオキシン削減対策に沿った焼却炉施設は一日最低百トンの能力で二十四時間連続運転となっており、今建設計画を立てている新宮市においてはその能力一日六十トン程度でありますので広域化が必要と考えますが、県当局として現在どのように考えておられるか、伺います。
 また、建設年度の違いにより近隣町村との広域化ができないとき、新宮市単独で建設計画をしなければなりませんが、一日百トン以下の焼却炉の申請は受理してもらえますか。また、補助金はどうなりますか。百トン以下の単独ごみ処理施設としてRDF──固形燃料化したものです──が選択できますが、RDF施設にした場合の受け入れ先について県はどのように考えておられるか。以上、お伺いいたします。
 以上で、第一回目の質問を終わります。
○副議長(阪部菊雄君) ただいまの上野哲弘君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
 〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 上野議員にお答えをいたします。
 まず、国際観光の推進についてであります。
 ご指摘のように二十一世紀は観光の時代であり、中でも成長著しいアジア地域で海外旅行がブームになると言われてございます。このために、現在、主としてアジアをターゲットとして、海外観光展等を通じて、本県の観光魅力、あるいは関空に至近の距離に位置する交通の利便性を積極的にPRをし、海外からの誘客に努めておるところでございます。また、和歌山を訪れる外国人の方々に安心して旅行を楽しんでいただけるように、ホスピタリティーあるいは施設面などの環境づくりに努めてまいりたいと考えてございます。
 本県は自然や温泉、歴史文化といったすばらしい観光資源に恵まれておるわけでありまして、このふるさとの財産を生かしながら、来られた方々がすばらしい自然の中で心が豊かになるような観光のあり方を求めていきたいと考えております。そして、それを全国に、世界にアピールしていくのが今回の南紀熊野体験博であると考えておるところであります。
 私も、観光産業の地域への経済効果あるいは雇用効果は非常に大きいものであると認識をしておりますので、今後とも地域活性化の重要な柱として観光振興に取り組んでまいりたいと思っております。
 次に、広域行政、地方分権などについてであります。
 地方分権は、地域住民の自己決定権の拡充を図ると同時に、地方の自己責任を拡大することを目的としておるわけでございます。議員指摘の地域間競争に関しましては、地方分権推進委員会は、昨年の三月の中間報告において、地方公共団体の意欲と力量の発揮によってつくり出された地域の個性を地方公共団体は競い合っていくべきではないかという提言をしておるところでございます。こういった中で、本県といたしましても、道路などの基盤整備を着実に進め、産業や県民福祉を向上する施策に積極的に取り組み、来るべき地方分権の時代に備えているところでございます。
 次に、県廃止論に対する所見ということであります。
 三重県知事に私も伺いましたら若干ニュアンスが違っておりましたけれども、それはさておきまして、現行の地方自治制度においては、県は市町村を包括する広域的自治体として広域にわたる事務を処理するものとされてございます。一方、市町村固有の事務であっても、時代の推移とともに広域化が求められているものも多くあるわけでありまして、これらは市町村の広域的連携の中で処理されるべきものでございます。県といたしましても、広域的な行政を推進するための総合調整の役割を果たしているところでございます。
 現行の地方自治制度に関するさまざまなご提言があることは、承知をいたしております。しかし、今後も県のこういった機能は大変重要であると認識をしておりますので、私としては都道府県は必要であると考えております。
 以上であります。
○副議長(阪部菊雄君) 生活文化部長中村協二君。
 〔中村協二君、登壇〕
○生活文化部長(中村協二君) 上野議員にお答えをいたします。
 南紀熊野体験博の進捗状況と観光産業化についてでございます。
 まず、南紀熊野体験博の進捗状況についてでございますが、南紀熊野体験博実行委員会が本年四月に設立されまして、五月には基本計画の承認がなされました。現在、実施計画を鋭意策定中でございまして、イベント計画、会場計画、広報計画等について、近く、より具体的にお示しすることができるものと考えてございます。
 こうした中で、既にシンボルマークとロゴタイプを決定し、JR主要駅において懸垂幕の掲出を行うなど、広報活動を展開しているところでございます。
 一方、県といたしましても、南紀熊野体験博推進本部を設置し、全庁体制で南紀熊野体験博に向けて取り組みを進めているところでございます。また各地域におきましても、体験イベントの実施等、地域が一体となって取り組むための地域実行委員会が順次設立され、推進体制が整ってきているところでございます。
 次に、産業としての観光と南紀熊野体験博の関連についてでございますが、和歌山県の魅力の一つは、申すまでもなく豊かな歴史文化とすばらしい自然の調和にありまして、熊野三山や熊野古道、徐福伝説などの観光資源が存在する東牟婁地方を初めとする南紀熊野地域は、とりわけすぐれた和歌山のリゾートの魅力を有する地域でございます。南紀熊野体験博は、この地域を主な舞台として広域開催することとなっておりまして、この地域の魅力を通して和歌山県全体のすばらしさを国内外に広く情報を発信していくことを基本理念といたしております。
 広域開催を基本とする南紀熊野体験博におきましては、十万人の熊野もうでや黒潮マリンスポーツフェスティバル、さらには地域の人々が企画運営する多種多様な体験型イベントなどの機会に、大勢の人々がこの地域を訪れ、自然に親しんだりスポーツや祭りに参加していただくことを通して南紀熊野のすばらしさを実感していただくことになってございます。こういったことが既存の観光資源の活性化や新たな創出につながり、この地域の持つ観光資源の魅力を高めるとともに、地域の人材育成を進める契機となり、ひいては当地域の観光産業の振興に大きく寄与するものと考えてございます。こうした視点に立ちまして、地元の人々や市町村、また関係団体と連携を図りながら、開催に向けて積極的に取り組んでまいりたいと存じます。
 次に、ごみ処理施設の広域化についてでございます。
 ダイオキシン類排出削減対策といたしまして、一日の焼却能力が三百トン、最低でも一施設百トン規模以上の広域化が必要とされてございます。そのため、現在、ごみ処理の広域化について検討するために市町村の考え方を調査しているところでございます。
 ご指摘の百トン未満の申請受理についてでございますが、焼却能力一施設百トン以上の全連続炉がダイオキシン類削減対策の恒久基準値である〇・一ナノグラムを達成するための最低基準とされてございます。したがいまして、百トン未満の焼却施設ではダイオキシン対策が困難なため、目下のところ補助事業として採択されないものと理解をいたしております。
 ごみ燃料化につきましては、固形燃料化された後の引き取り先の適当な施設が県内に存在しないため、環境対策を含め、新しい処理方法について今後市町村とともに研究してまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○副議長(阪部菊雄君) 土木部長長沢小太郎君。
 〔長沢小太郎君、登壇〕
○土木部長(長沢小太郎君) 上野議員の質問にお答えいたします。
 市田川浸水対策についてでございます。
 まず、新宮市内の浸水の原因につきましては、市田川の水が堤防を越えてあふれ出たものではなく、市田川の水位上昇により、市内に降った雨が堤防の市街地側にたまったために起きたものであります。この対策としては、市街地の水路の整備と雨水を市田川へ排水するポンプの設置が必要であります。新宮市では、今まで水路整備を行ってまいりましたが、まだポンプの設置に着手されていない状況でございます。
 二点目に、市田川と新宮川との合流点に設置している水門は、新宮川本川の水位が上昇して市田川に逆流するのを防ぐため設置されたものですが、新宮川河口の砂州が洪水で押し流されない場合、新宮川本川の水位の上昇が大きくなり、その結果、市田川の水門を閉鎖している時間が長くなるものと考えられます。
 三点目に、新宮川水系のダムは、発電等を目的とする利水ダムであるため、洪水調節を行う義務のないダムであります。しかし、池原ダムと風屋ダムでは、大規模な出水が予想されるとき、事前にダムの水位を下げる運用がされており、今年七月の台風九号による出水に際し、この運用によって洪水の調節の効果があったものと認識しております。
 議員ご質問の、本格的な調整を行わせることは、利水容量を治水容量に転換することで発電量の減少による補償等の問題が生じ、非常に困難であると聞いております。
 今回、新宮市で大きな浸水被害が発生したことに対して、関係行政機関である国、県、市において協議を行い、市では内水排除計画の抜本的見直しを行うとともに、平成十年度にポンプ施設の整備に着手することを決定し、これを受け、建設省でもポンプの増設等の対策を講ずることになりました。県といたしましても、対策実現に向け、市に対する技術指導や事業化に向けた支援を行うとともに、関係機関と連携を密にし、一層の努力をしてまいります。
 以上でございます。
○副議長(阪部菊雄君) 総務部長中山次郎君。
 〔中山次郎君、登壇〕
○総務部長(中山次郎君) 県議会議員選出の広域的区割りについてお答え申し上げます。
 広域行政を推進する上で、県議会議員選挙区を現行の十四選挙区から八選挙区にとのご提案でございますが、都道府県の議員の選挙区は、公職選挙法上、郡・市の区域によることが原則となっており、議員ご提案の区割りにつきましては、法上、八選挙区とすることはできないところでございます。
 なお、法律上、一定の要件に該当する場合には複数の選挙区を合区するという特例もございます。例えば三重県における市と郡の合区につきましては、郡の人口が議員一人当たりの人口の半数に達しないため、法律上定められた合区によるものでございます。
 以上でございます。
○副議長(阪部菊雄君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 27番上野哲弘君。
○上野哲弘君 ごみ処理について要望したいと思います。
 ただいま答弁をいただきましたが、何ら具体策が出ておらないように思います。この状態のまま推移することは当該自治体にとって不安であり、また県の主導が答弁のようにあいまいな状態では県に対する不信感が増幅するばかりで、広域行政の推進役である県の存在価値を疑わざるを得ません。各自治体におけるごみ処理施設を国のガイドラインに沿った計画にするのは非常に困難であることは理解できますが、新たな発想でこの難題に向かって対処していただきたいと思います。
 例えば、処理場の外見をちょっと工夫していただきまして、嫌われ者のこのような施設から脱皮をしていただけるようなことも考えていただきたいなと、そのように思っております。
 このたびのガイドラインをクリアするには幾つかの選択肢があろうかと思われますが、将来のごみ施設を考えた場合、私見でありますけれども、固形燃料化したRDF施設にすべきで、その受け入れ施設を県主導で考えていくべきではないかと、そのように思います。
 けさの新聞で、県は今後市町村と協議しながら小規模施設を見直し、ごみ処理の広域化を図る大型施設の整備を検討すると出ております。県の対応に期待いたしたいと思いますので、よろしくお願いするところであります。
 続きまして地方分権及び広域行政なんですが、新聞等で岩崎筑波大教授が、高齢化や広域的な対応が欠かせない環境問題に備えるため、住民に最も身近な市町村が基礎体力をつけなければならないと前置きして、次のように述べられております。政令指定都市を目指した合併等は今後ふえるだろうけれども小規模自治体同士の合併は余り適当な手段ではない、市町村合併はそれ自体が目的ではない、地域住民が将来にわたって安心して暮らせるようにするための手段と考えるべきであると。まさにそのとおりかと思います。県における広域行政の推進に対する積極的な対応を要望いたしまして、質問を終わります。
○副議長(阪部菊雄君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で上野哲弘君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 次会は九月二十九日再開し、質疑及び一般質問を続行いたします。
○副議長(阪部菊雄君) 本日は、これをもって散会いたします。
 午後二時十八分散会

このページの先頭へ