平成9年9月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(松本泰造議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 午後一時三分再開
○副議長(阪部菊雄君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
○副議長(阪部菊雄君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 20番松本泰造君。
 〔松本泰造君、登壇〕(拍手)
○松本泰造君 議長のお許しを得て一般質問をさせていただく前に、去る九月二日早朝の前和歌山県知事仮谷志良さんご逝去の訃報は実に悲しい出来事であり、余りにも早くあっけない他界に、県勢発展のため燃焼し尽くされたご功績、ご苦労、ご努力に心からの敬意と感謝を込めて哀悼の誠をささげ、ご冥福をお祈り申し上げる次第であります。
 それでは、通告に従って一般質問をさせていただきます。
 まず、青年の声を県政に反映する施策についてであります。
 本県には百人委員会というのが二つあるようでありまして、その一つは高齢者による喜の国いきいき百人委員会、いま一つは西口知事誕生とともに発足をした女性一〇〇人委員会であり、両委員会ともそれぞれの立場で貴重な意見を県政に反映させるべく積極的に活動を展開しているようであります。
 ところで、県政界では、西口知事ご自身が若いころに青年団活動に没頭されたゆえをもって、現在、和歌山県青年団OB会の会長に就任をされており、県議会においても多くの議員さんが青年団活動の経験者であるなど、青年団のOBが、県政はもとより市町村議会や各種団体の役員として地域発展のため尽力中であり、不肖私もその一人であります。
 青年時代、地域の青年団活動を通じて夢を語り合い、奉仕活動に汗を流し、地域社会の中で活動した青年団という組織が現在ではほとんど有名無実のような形になった裏には、社会構造の変化や大学進学率の向上、職業の多様化など、いろんな要素があろうかと推察されますが、多種多様な職業の青年が横断的に交流する機会がなくなったと言っても過言ではありません。しかしながら、和歌山の未来を背負うはずの若者たちが夢を語り合い、連帯のきずなを深める、そんな機会を何とかつくり出し、未来思考の青年の声を県政に吸収・反映させる一つの方策として青年百人委員会を設置し、その活動を通じて地域の若いリーダーを育てていく足がかりとしてはどうかと考えるのでありますが、西口知事の考えを伺いたいと思います。
 次に、県譲渡工業用地の活動支援についてであります。
 去る八月三十一日、有田市の東燃所有地において和歌山県防災総合訓練が、官民五十数団体、総勢千八百名が参加して盛会裏に実施されましたが、防災訓練の会場となったこの土地は、昭和三十七年に県企業局が埋立造成工事を開始し、昭和四十一年十一月竣功と同時に当時の東亜燃料工業株式会社に工場用地として売却されたものであります。自来三十年余り、この間、昭和四十八年には石油精製施設七万バレルの増設が計画されたものの、地元同意が難航・挫折し、県北部臨海工業地帯の一角として県勢浮揚を目指して造成された敷地約十五万坪が全く活用されないまま今日に至っております。
 こうした中で、一昨年の電気事業法の改正に伴い、東燃和歌山工場では電力卸供給事業に参入の意向を固め、第一回目の昨年、地元同意を得た上で関西電力の入札に応札したところであります。地域経済の起爆剤として、また雇用の拡大や市の財源確保の見地から有田市議会が推進決議するなど、市民挙げての大きな期待を寄せてきたのでありますが、地元の願いもむなしく落札に至らず、大変残念な結果に終わりました。
 明けて、ことしも関西電力では二〇〇四年操業開始分として七十万キロワット枠の入札募集があり、厳しい価格競争の中で東燃和歌山工場も五十万キロワット規模のクリーンエネルギーによる発電事業への参入を目指し、入札に参加したと聞いており、去る八月二十九日に締め切られた入札には、東燃の計画を含め九社十プロジェクトが応札した模様であり、この秋には落札企業が決定されるとのことであります。
 さて、和歌山県下では、関西電力自体が計画をしておる和歌山市の和歌山発電所三百七十万キロワットと御坊第二発電所四百四十万キロワットの両発電所計画が、西口知事の苦渋の決断により、七月の電源開発調整審議会に対し、条件つきながら同意をされたところであります。両発電所建設に伴う経済波及効果としては約九千億円が見込まれ、雇用の拡大や電源三法に基づく交付金等への期待も含まれているものと推察されます。すなわち、和歌山発電所では和歌山市と隣接の岩出町、貴志川町、海南市が交付金の対象となり、一方、御坊第二発電所では御坊市と隣接の日高町、川辺町、美浜町、印南町が交付金の対象となりますが、この二つの発電所の中間に有田市が位置しており、しかも県企業局が工場用地として譲渡した埋立地に発電設備を建設して電力供給事業に参入し、経営の安定と遊休地の有効活用を図りたいという今回の計画であります。有田市はもとより、隣接の下津町、湯浅町、吉備町、いずれの市町ともに、地域経済の活性化と地方自治体の財源確保の見地から東燃の火力発電所計画は極めて重要な意味を持つものと考えられます。
 さて、東燃株式会社は和歌山県で操業を開始して以来約六十年、この間、安定的に多額の県民税を納めてきた企業であり、特に昭和五十八年には事業税五十九億円、県民税十一億円の計七十億円を納入し、当時の県税総額の一〇%を占め、昭和六十一年にも六十八億円余りの県税を納入するなど、県財政に大きく貢献をしてきた企業であります。規制緩和後、低迷の続く石油業界の中にあっても、平成八年度は事業税、県民税合わせて十一億七千四百万円を納入するなど、今後も安定的に操業を継続して本県の発展に貢献してもらわねばなりません。
 今回、東燃の買電事業への参入について、和歌山県として、県下自治体のバランス上、さらには県が造成して売却した工場用地の所期の目的達成の見地からも、関西電力に対し政治的配慮をさせるなど、積極的に応援をしてやっていただきたいのでありますが、知事の考え方を伺っておきたいと思います。
 第三点目は、国道四十二号渋滞解消対策についてであります。
 国道四十二号の有田市・海南間の渋滞解消につきましては、過去三回の一般質問のたびに善処方を要請し、県当局や県議会建設委員会の実態調査、関係先への陳情活動等を行ってきたところであり、特に県土木部や議会建設委員会の皆様方のご理解と真剣な取り組みに感謝を申し上げる次第であります。
 この区間の渋滞解消運動については、平成四年十一月に有田市と下津町とで設立した国道整備促進協議会が本年五月に沿線の海南市及び有田郡町村会を含めた国道四十二号・有田下津海南整備促進協議会として再出発するなど、沿線住民の願いや悩み解消のため運動組織を充実してきたところでありますが、折しも国においては厳しい財政状況下、新規公共事業の抑制等、全く逆風の中での運動であるとはいえ、朝夕や休日の渋滞、事故発生時の麻痺状態は依然として深刻であります。
 そこで、その後の取り組み等について何点か質問と要望を行いたいと思います。
 まず第一点は、当面の交差点改良などの進捗状況とその効果についてであります。
 第二点目として、この区間の北向き車両に対する電光掲示による道路情報板の設置についてであります。
 本年四月十六日水曜日の午後二時半ごろ、下津町塩津の観音崎トンネル内で大型車両とワゴン車が正面衝突し、片側一車線の海南・下津間が約二時間半にわたり通行不能に陥り、上下線とも完全に麻痺する事態が発生しました。私は、この日ちょうど、その直後に海南方面から有田市への帰宅途中でありました。藤白インター手前の電光掲示板の、塩津観音崎トンネル内で事故発生との表示を見て、一般有料道路を経て下津インターから小南交差点を経由して国道四十二号を南下したのでありますが、北行きは全くの麻痺状態が延々有田市まで続き、特に貨物車両の多さに驚かされました。これらの車両の運転者は、この先で一体何があって渋滞をしているのか全くわからない状態に置かれていました。こんなとき、もし北行き車両に対する電光掲示板が小南交差点の手前にあれば、一般有料道路に迂回することによりかなり交通渋滞を回避できるものと考えられます。特に海南・下津間は急峻な山が迫った地形であり、北海道におけるトンネル崩落事故のような事故がいつ何どき発生するかもわからない区間であります。
 そこで、県として建設省に対し、緊急時の道路情報伝達の手段として電光掲示板の設置方を要請していただきたいのでありますが、見解を賜りたく存じます。
 三点目に、この区間の抜本対策、例えば海南・下津間の四車線化等への取り組み、問題点等について現状をご説明願いたいと思います。
 第四点目は、一般有料道路の料金システムの改善についてであります。
 去る八月二十五日の朝日新聞によると、「地方を中心に利用率の低い有料道路の利用を促進するため、建設省は来年度から、通勤者向け割引など新しい割引制を導入する方針を決めた」との記事が掲載されてありました。この記事によりますと、検討されている割引の主なものは、通勤などで有料道路の特定区間を利用する車両向けの割引、イベントや行事期間中の割引等々が前向きに検討されているとのことであります。これらは、建設大臣の諮問機関である道路審議会が本年一月の中間答申で、割引制度活用により有料道路の利用増を図るよう求め、建設省としては負担の公平さを基本としながらもニーズに応じた多様な料金設定を可能なものから導入していくとあります。もし、建設省がその意向であるとすれば、本県における海南インター以南の一般有料道路の料金システムの改善について要望すべきと考え、次の二点について問題提起をいたしたく存じます。
 まず一点目は、日本一高いと言われる海南・湯浅間を通勤車両に対する割引を適用することができないのかどうか。もしそれが可能になれば国道四十二号の国道渋滞が幾分緩和されるはずであり、一石二鳥の効果をもらたすものと思われます。
 二点目として、湯浅・海南間の割引回数券が発売されていますけれども、湯浅から和歌山まで走った場合、割引回数券が利用できないシステムとなっており、湯浅から和歌山までの正規料金を徴収されます。割引回数券を有効に活用するには、一たん海南の料金所を出て、もう一回高速に乗り直さないと割引の特典を受けられないわけであります。道路が全国の高速道路網につながっているのに、料金システムがつながっていないために大変不便を感じている実態にあります。このため、有田地方以南のトラック協会の車両等はほとんど、国道四十二号を経由し、海南インターから全国共通カードを使って高速道路を利用せざるを得ない実態にあります。高速道路紀南延長という恩恵を運送業者が享受しがたい実態を何とかこの際システム改善の中で善処できないものか、建設省や公団に対する働きかけ等について見解を賜りたいと思います。
 第五点目は、新しい定時制高校のあり方についてであります。
 平成九年三月二十四日、箕島高校定時制終業式の夜、一人の女生徒がこんな答辞を残してこの学び舎を巣立っていきました。「明るい春を感ずるきょうこのごろ、この春を象徴するかのように、私にもついに卒業の日がめぐってきました。私は、この学校に二年生のときからお世話になりました。前の学校ではつまずいてしまったけれど、今度こそは絶対卒業するんだという強い気持ちをずっと持ち続けてきました。高校の卒業資格だけはどうしても欲しくて、もう一度学校へ行こうと決心してやってきたこの箕島高校定時制は、私にとってとてもすばらしいところでした。本当にこの学校に来てよかったと思います。先生方や周りのみんなは、とても親切でした。定時制で学んだのは勉強だけじゃなく、ほかにももっともっと大切なたくさんのことがあることも学び取りました。私の人生に大きな影響を与えてくれました。しかし、あと一年でこの学校が閉校になるのがとても残念です。U君、K君、Aちゃん、もう一頑張りです。頑張ってください。そして、この定時制の最後を立派に飾ってください」──これが卒業の夜に彼女が学校と後輩に贈った答辞の内容であります。
 終戦後の混乱の中で箕島高校に働きながら学ぶ定時制高校が設置されて以来五十年、我が国の高度経済成長、高校進学率の上昇に反比例して夜間定時制高校への志願者が減少し、箕島高校の定時制は平成九年度の卒業生三名を送り出してその幕を閉じることになりました。
 同校では、今、卒業生が相集い、来年春の母校閉課記念事業を盛大かつ厳粛にとり行い、「有田の灯は消えず」の気概を後世に伝えるべく精力的な取り組みが続けられているところであります。集まってくる卒業生一人一人の心の中に去来するものは、働きながら学べる制度があったおかげでそれぞれに今日があるんだという感謝の気持ちのあらわれと言っても過言ではありません。この五十年間にこの学び舎を卒業した八百二十三名の卒業生に成りかわり、箕島高校定時制を今日まで継続してきてくださった県並びに県教育委員会と学校関係者のご尽力に、この場をおかりして心から感謝と敬意をささげる次第であります。
 さて、戦後五十年以上が経過し、少子化時代の中で義務教育の現場では不登校生徒が年々増加し、高校では学校不適応や進路変更、問題行動や病気やけが、留年等で退学していく生徒の数もまた増加傾向にあります。こうして高校を退学したり挫折したりする子供たちのために、前段申し上げた女生徒のように、再出発できる受け皿としての新しい昼間の定時制高校の必要性を痛感するものであります。
 和歌山県下では、既に定時制・通信制の紀の川高校や青陵高校のように新たな定時制のあり方として実績を挙げている事例があり、他府県でも、ある程度緩やかな制約の中で不登校の習慣をいやし、年齢差やおくれ、障害を気にすることなく立ち直る生徒を生み出しているようであります。教育の場では、優秀な生徒に対する対応も大変重要でありますけれども、その一方で挫折していく生徒たちが立ち直れるよう、再出発の場を提供し、全体のレベルを上げていくこともまた大変大事なことではなかろうかと思います。
 そこで教育長に伺いたいのでありますが、実績を上げている紀北の紀の川高校のような時代に即応した昼間の定時制高校を、青少年健全育成の見地からも、また挫折やおくれから再出発する場としても、将来中紀・紀南に新しく各一校程度設置する検討をしていただきたいのでありますが、教育長のご所見を賜りたいと思います。
 最後に、広域農道整備の有田川地区事業の推進について農林水産部長に質問をいたします。
 有田市を初め吉備町、金屋町及び地元関係者の熱意と県当局のご尽力により、広域農道有田川地区のうち、金屋町有原から吉備町田角までの十三キロ区間が国において第一期区間として採択をされ、平成九年度より事業実施されますことはまことに、喜ばしい限りであります。この農道は、有田市初島町の国道四十二号から分岐して有田川右岸中腹の果樹園地帯を横断し、吉備町田角を経て金屋町有原地区までの二十五キロとのことであり、これが完成すると、有田の基幹産業である、全国に誇る有田ミカンの集出荷に大きく寄与するばかりでなく、金屋町から有田市をバイパスして国道四百十二号を経由し、海南方面への利便性を高め、また長峰山脈の中腹を通過するため、眼下に有田川、その先に広がる紀伊水道の景勝が一望できるなど、新たな観光ルートとなるものと期待をされております。しかしながら、昨今の国の財政構造改革による公共事業の削減、ウルグアイ・ラウンド農業合意対策関連事業の二カ年延長等、事業の促進にとってはまさに向かい風の中で、来年度以降公共事業費の抑制に伴い、新規事業の採択が非常に厳しい状況にあると聞かされているところであります。
 こうした情勢下、せっかく採択をされた広域農道有田川地区事業への支障が懸念されるところでありますが、それ以上に危惧されるのが、第二期区間として計画をされておる吉備町田角から有田市初島間の十二キロ事業採択であります。この広域農道は、金屋町から有田市までが完成してこそその利便性なり波及効果を発揮するものであり、沿線の関係者はこぞって一日も早い全線の完成を夢見て、今から待ち望んでいるところであります。
 県におかれては、こうした地元の熱望をご認識の上、国に対し事業採択について強く要望していただけるものと期待しているものでありますけれども、事業採択や事業着手の時期、また完成予定時期はいつごろになるのか、見通しを伺いたいと思います。
 以上で、通告による質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
○副議長(阪部菊雄君) ただいまの松本泰造君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
 〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 松本議員にお答えをいたします。
 まず、県下の青年の声を県政に吸収・反映させる方法として青年百人委員会をつくってはどうかというご提言でございます。
 私も議員と同様に、若い時代に青少年活動をしてきた者でございまして、県では青少年局長など、青少年行政に携わってきてまいりました。若い人たちの考えや意見をお聞きして県政に反映させることの重要さということについては、常々考えておるところでございます。
 戦後大変華やかであった青年団活動は既に五十年が経過をいたしまして、青年たちは、青年団のみならず青年会議所、あるいは商工会、またボランティア活動や趣味などのグループ活動等、目的別にさまざまな活動を行っているのが現状でございます。そしてご承知のように、一部の地域におきましては、それらの団体が連絡協議会を設け、地域の活性化のために連帯して大変活発に活動を行っているところもございます。
 このような状況のもとで、青年たちの意見あるいは考え方などを県政に反映させるために、各種の委員会あるいは審議会等、機会あるごとに青年の代表のご意見も伺っておるわけでございます。ただ、議員のご質問のご趣旨は大変貴重なご提言として受けとめさせていただきたいと思っております。
 次に、県が造成をし、東燃株式会社に売却した工業用地の活用支援ということでございます。
 電気事業法の一部改正により一般企業による発電事業への新規参入が可能となったことを受けて東燃株式会社では、平成八年度に引き続き今年度も関西電力株式会社の電力卸供給入札に参加したことは、私もよく承知をいたしております。
 東燃株式会社の発電事業への新規参入は、環境への影響面という課題もございますけれども、遊休地の活用を初め、雇用、税収の増加、電源立地促進対策交付金による公共施設整備など、地域活性化に寄与する計画であると考えておるところでございます。
 こうした考え方に立って私といたしましても、地域活性化の観点から、かねてから、政治的な配慮も含め、関係方面に強く要請を行ってきておるところでございます。ただ、入札でありますので、買電価格が基礎となるわけであります。その辺のところをご理解いただきまして、今後、議員各位のご協力もぜひお願い申し上げたいと考えております。
 以上であります。
○副議長(阪部菊雄君) 土木部長長沢小太郎君。
 〔長沢小太郎君、登壇〕
○土木部長(長沢小太郎君) 松本議員のご質問にお答えいたします。
 まず最初に、国道四十二号渋滞解消対策についてでございます。
 当面の渋滞対策についてでございますが、この交差点改良につきましては、去る八月に下津町小南交差点の右折レーン設置工事が完成したところであり、残る海南市冷水交差点の横断歩道の移設工事及び有田市里交差点の右折レーン設置工事については現在用地交渉中であり、地元市等のご協力を得て用地買収を円滑に進め、早期に工事に着手するよう今後とも建設省に働きかけてまいります。
 また、改良工事が完成した下津町小南交差点の整備効果につきましては、今年度、建設省において渋滞の実態調査により効果の検証を行う予定と聞いております。
 次に、電光掲示による道路情報板の設置についてでございます。
 事故等の緊急時における交通渋滞対策につきましては、渋滞情報を的確に提供し、海南湯浅道路に効果的に交通誘導するための方策について、去る四月の事故時の状況を十分踏まえながら検討するよう関係機関に働きかけてまいります。
 次に、抜本対策の取り組み、問題点についてでございます。
 平成八年度に行ったアンケート調査によりますと、交通量全体の約六五%を地元発着の通勤交通などが占めており、この交通量は将来海南湯浅道路が四車線化されても現国道に残り、依然として海南・有田間の渋滞が予想される結果となっております。こうしたことから、今後とも交差点改良の整備効果を検証しながら渋滞の実態等について引き続き調査を進め、建設省、県及び地元市町で構成している国道四十二号有田市海南市交通渋滞対策協議会で、抜本的な対策を含め、渋滞対策の検討を進めてまいります。
 次に、一般有料道路の料金システムの改善についてのご質問でございます。
 通勤車両に対する割引制度の導入についてでございますが、この有料道路の通勤割引につきましては、地方を中心とした有料道路の利用を促進するため、建設省において特定区間を高い頻度で利用する通勤者等を対象として割引制度導入の検討が行われているところであります。県といたしましても、その動向を見ながら海南湯浅道路にこの割引制度が適用されるよう要望してまいりたいと考えております。
 割引回数券使用時の料金システム改善について、料金システムが高速道路網につながっていないという問題でございます。
 有料道路の回数券割引制度は、特定区間を継続・反復使用する利用者のサービス向上及び利用の定着を図るため設けられておりまして、現在のところ、この特定区間を越えての回数券使用は認められておらないということでございます。県としましては、このたびの制度の改善に当たり、ご質問の趣旨を踏まえ、より一層の制度充実を日本道路公団に対し要望してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○副議長(阪部菊雄君) 農林水産部長平松俊次君。
 〔平松俊次君、登壇〕
○農林水産部長(平松俊次君) 広域農道整備の有田川地区事業の推進についてのうち、広域農道有田川二期地区の事業採択の見通しについてでございますけれども、県といたしましても早い時期に着手したいと考えてございます。しかし、有田市での計画ルートでは、公図が非常に乱れている地域が多く事業遂行が困難であるため、これの解決策として、市に対し地籍調査の促進を強く働きかけているところでございます。この進捗を見ながら、国に対し早期着手できるよう強く要望してまいりたいと考えてございます。しかし、議員のお話のとおり、公共事業の抑制もございまして、新規事業の採択については非常に厳しい状況にございます。
 次に完成予定時期でございますが、平成九年度に着手した有田川一期地区につきましては、平成十八年度完成予定でございます。また二期地区につきましては、事業着手後十カ年間の計画でございます。
 以上でございます。
○副議長(阪部菊雄君) 教育長西川時千代君。
 〔西川時千代君、登壇〕
○教育長(西川時千代君) 新しい定時制高校のあり方についてお答えいたします。
 定時制教育につきましては、これまで、働きながら学ぶ青少年の教育の場として大きな役割を果たしてきてございます。しかしながら、近年の社会変化の中で定時制教育をめぐる状況は大きく変化し、入学の動機や年齢など、多様な生徒を受け入れるとともに、リカレント教育の場としての役割も果たすようになってきてございます。
 本県では、平成四年度に青陵高校、紀の川高校、南紀高校の三校に単位制を導入いたしましたが、そのうち、紀の川高校に加え青陵高校にも昼間部を設置するとともに、定時制教育の活性化のため、三年間で卒業できる制度いわゆる三修制の導入、通信制や全日制との連係など、さまざまな施策を講じてきております。こうした中、多くの定時制高校において生徒たちはそれぞれの目的の実現に向け、生き生きと学習に取り組んでおり、その中で、登校拒否を経験した生徒が立ち直っている状況も見られます。
 今後は、これまでの取り組みを充実発展させるとともに、定時制高校が生涯学習を支える地域の学校としてより一層の役割を担っていくことが大切であると考えております。
 議員ご指摘の中紀・紀南地域の昼間定時制高校の設置につきましては、かねてから研究課題となっているところであり、今後さらに行き届いた教育を進める観点から、地域の実情等を踏まえ、引き続き総合的に研究してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(阪部菊雄君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 20番松本泰造君。
○松本泰造君 知事初め関係部長より答弁をいただきましたが、一、二点要望を申し上げて質問を切り上げたいと思います。
 まず、二番目の県譲渡工業用地の活用支援について、知事から答弁をいただきましたけれども、本年七月に関西電力の二つの発電所計画に知事が条件つきながら同意したことによって和歌山県の電力発電量は千二百万キロワットとなりまして、福井県の九百八十万キロワットを上回る最大の発電県となるわけであります。そのことに苦渋の決断をされた西口知事は、恐らく今、関西電力に対して近畿で一番強い発言力を持っている方だと思います。したがって、東燃の発電所計画についても、和歌山県発展の見地からご理解とご協力をいただきますように、特に要望申し上げておきたいと思います。
 次に、一般有料道路の料金システムの改善についてであります。
 実は、この道路が御坊までつながるまでは、この区間の料金精算のゲートがございました。割引回数券で精算をできたものが、御坊までつながった時点で海南インターの料金所の位置が変更されてしまって現在のシステムになっているわけでありまして、高速道路との通しの場合の区間割引が適用されないわけであります。また、高速道路紀南延長という、単に観光面のメリットだけではなしに、本県産業の活性化面でも十二分に活用されねばならん道路でありますけれども、料金が高い、あるいは割引率も低い、こういったことでトラック運転手に敬遠をされている実態にも目を向けていただきまして、何とかシステム改善の中で善処されるべく建設省や道路公団へ働きかけていただきますよう、要望申し上げておきたいと思います。
 次に教育長に、新しい定時制高校のあり方については今後引き続き総合的に研究していきたいとの答弁をいただきましたけれども、できるだけ早い時期に実現に向けて取り組まれるよう要望を申し上げておきたいと思います。
 なお、関連して、一点だけ教育委員会に要望したいことがございます。
 有田地方における高校のことしの春の受験傾向では、最近不景気の関係もあるのかと思いますけれども、私学へ行く子が減ってきて公立高校への希望者がふえてきているようでありますし、またことしの春に開設をされた有田中央高校の総合学科は県下各地から生徒が受験できるということもありまして、新たな流れの中でことしの春は大変厳しい状況にあったようであります。加えて、三年前から箕島高校の定時制の閉課の影響も深刻でありまして、ことしは受験に失敗をした生徒がかなり町立下津高校定時制の二次募集で救われたという話も聞くところであります。こうした新しい流れの中で、有田地方では来年春の中学校卒業生の数が三十名減って、再来年には逆に八十名ふえるというふうなことであります。来年の有田地方三高校の定数につきましては、先ほど申し上げた箕島高校定時制の閉課や有田中央高校の総合学科の人気度、こういった要因もご賢察をいただいて現状維持を図っていただきますように、特に要望申し上げる次第であります。
 以上、要望を申し上げ、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。
○副議長(阪部菊雄君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で松本泰造君の質問が終了いたしました。

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