平成9年9月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(鶴田至弘議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

○議長(木下秀男君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 35番鶴田至弘君。
 〔鶴田至弘君、登壇〕(拍手)
○鶴田至弘君 お許しをいただきましたので、質問に入らせていただきます。
 まず、不適正支出の問題についてでございます。
 過日、予算執行調査改善委員会の調査として、十三億四千万円の不適正支出の存在とそれに伴う善後策についての発表がありました。去る六月議会において私は、この委員会の活動に期待を寄せ、納得のいく調査が行われることを求めて質問をいたしたところでございます。発表された内容に対する所感を述べ、再び質問をいたします。
 まず、遅きに失したとはいえ、県民の批判にこたえてみずから内部調査を行い、相当の痛みに耐えながらこの結果を発表した県当局の努力を評価したいと思います。長年の陋習をみずからの手で打ち破るということは、本当に困難なことです。市民オンブズマンの調査や全国的な流れという客観的な条件がその決断を促したと言えるでしょうが、自浄能力を一定発揮されたことに対して、まずご苦労さんと申し上げたいと思います。
 しかし、この種の問題は、あいまいさやごまかしがあっては後を正常化する妨げになります。うみはうみとして出し切る方がよいと思いますので、以下質問をいたします。
 平成六年から平成八年の三年間の調査でしたが、それ以前は調査されていません。この三年間で十三億四千万円という巨額です。これ以前を考えると一体幾らになるのかと、そら恐ろしくなります。バブルの最盛期のころや大型プロジェクトの華やかなころは相当なものではなかったかと憂えるものです。これ以上調査は困難との話でありますが、程度の問題はあるでしょうけれども、全くできないということではないと思います。県民から預かった税金の問題です。困難です、と済ましておられては困ると思います。県民の信頼を取り戻すべくいま一歩の努力を求めます。
 二番。議会関係と警察、それに外郭団体はこの調査から除外されています。情報公開条例の対象外だというのが理由とされておりましたが、予算執行が適正かどうかをみずから調査するのに情報公開条例は関係ありません。議会、警察は聖域だとする理由もありませんし、警察も議会も当然対象となるべきだろうと思いますが、いかがでしょうか。除外された理由と調査の意思の有無を尋ねます。
 三番。私は、過去の質問において、この調査が外部からの点検にこたえられるものであってほしいと願いました。結果、一定の数字は発表されましたが、詳細はわかりません。大変俗な言葉になりますが、まだほかにもあるんと違うかと問われたとき、どうぞ調べてくださいという姿勢が見えません。発表された数字が正しいのかどうか、点検のしようがありません。庁内の内部関係者による自己調査、自主申告とのことですが、せめて課ごとの調査結果が発表されるべきでしょう。情報公開が盛んに言われていますが、このようなときにこそその精神は生かされるべきではないでしょうか。
 四番。不適正支出の概念と返還の関係がよくわかりません。説明によると、私的流用はなかったとされます。予算の組み方と現場の実際に乖離があった、したがって公的に流用した、とされます。言いかえれば、県民のために支出したということであります。ところが、県民のために使ったにもかかわらず私的に返還するという、明らかに論理的矛盾に突き当たります。職員に二百万円も三百万円も負担させての返還ですし、不適正支出されたのは県民の税金です。県民にとっても職員にとっても、大変なことです。ここのところはもっと厳密にすべきだと思います。返還すべきもの、不適正だが明らかに県民のために支出したものを第三者を含めた機関で検討し直すべきではないでしょうか。仲間うちだけの相談で、一括返還することにより、私的流用などと言われるややこしいことも含めて個人的返還で塗り込んでしまうというやり方は、納得いきません。不適正支出総額とその使途との差額四億円余りもわからない話です。ですから、選挙にでも使ったのと違うかといううわさも生まれてくるんです。橋本総理が先日、永田町の論理は間違っていたと言っていましたが、このあいまいさが県庁の論理だとしたら、県民の納得を得られるものではありません。臭い物にはふた方式でないとは思いますが、第三者を交えた機関で厳密に洗い直すべきだと思います。いかがでしょうか。
 五番。再発防止について、さまざま検討されております。これらの策が厳正に行われれば、まず不祥事は発生しないでしょう。しかし、それができるかどうか。一つは、今回の問題について、県民の疑問に詳細に答えるかどうかが試金石であろうと思います。痛みが伴うことがあるかもわかりませんが、その方が十四億円の返還よりも値打ちがあるだろうと思います。情報公開の拡充を言われていますが、一方では監査請求が棄却されたりしています。監査委員会がこの不適正支出の大問題の本質を理解されていないのではないかと疑いたくなるほどです。ついては、今後の情報公開のあり方について、何をどう改善されようとしているのかを明らかにしていただきたいと思います。
 不適正支出で捻出したお金に職員の待遇改善に該当するような使い方もあっただろうと思います。規定以上のことを不正に捻出した金で行うことは法治国で許されることではありませんが、しかし、職員の労働条件の不備は当然是正されなければなりません。残業、超勤手当、遠方への出張と宿泊など規定を改め、満足してもらえるような条件にすべきです。厚生福利においても考慮すべき点は見直すべきでしょう。詳細な点は労使間の論議や職場の論議で明らかにして、こそくな手段を用いなくてもいいように制度改善を図るべきだと考えるものです。
 私は、予算執行の調査改善委員会の発表の不十分さにもかかわらず、調査発表したことには大きな意義を感じ、評価するものです。しかし、不透明な部分が多過ぎます。願わくは、いま一歩踏み込んで県民から提起された問題に思い切って回答していくべきだと考えます。そうしてこそ本物になると信じるからです。いま一歩の努力をいただきたいと思います。
 以上で、予算執行問題についての質問といたします。
 次に、火電の問題についてお尋ねをいたします。
 七月十六日、知事は電調審に対し、和歌山火電、御坊第二火電について建設の同意の回答をいたしました。この点について質問をいたします。
 知事の同意の背景には、火電建設を促進すべしという県議会の決議もあり、県下財界の圧力や国からの強い催促などがあったと推測されます。しかし一方では、火電建設に強く反対する人々、不安や疑問を抱く人々も決して少なくありませんでした。知事も十分承知のことだろうと思います。
 対立した大きく分かれる二つの見解があっても、知事としては一定の判断をしなければならないときは当然あります。しかしそれは、少なくとも十分の議論を尽くした上でという条件が伴うことであります。この二つの火電について、必要な議論や提起された疑問に誠実に十分答えたという経過があったでしょうか。人に心あり、少数意見に耳を傾けると、知事はよく口にされました。しかし、事この火電問題については、その言葉とは逆の姿勢が目立ちました。
 御坊第二火電問題をとってみても、提出された重要な疑問に答えられていない点が少なくありません。例えば、オリマルジョンの問題です。私も、この燃料の安全性についての危惧を去る六月議会で質問いたしました。海上災害防止センターの実験による安全性の証明は疑義があるとしての質問に対して、当局の答弁は、海上災害防止センターは権威ある機関であるからその証明は正しいとする、極めて形式的で非合理的な答弁でした。少なくとも、質問に対してその安全性を科学的に論証したものではありませんでした。
 ちなみに北海道電力知内発電所では、地元の理解が得られるまではオリマルジョンの使用を中止し、重油燃料に切りかえることになり、引き続き検討課題となっています。さらに言えば、我が和歌山県と縁の深いフロリダ州でも、オリマルジョン発電は、住民の反対運動の意を酌んでその建設は中止される状態であります。電調審に対する環境庁の意見も、オリマルジョンの危険性を証明するものばかりです。そのような中でなぜ知事が同意回答したのか、納得のいく見解を聞かせてください。
 第二火電建設予定地の御坊塩屋地区では、建設について関電から何の説明も受けていない、せめて地元説明をと求めていたにもかかわらず、説明会は開かれないままの状況でした。知事も承知のことだと思います。そういう状況を残したまま同意の回答とは、少数の声にも耳を傾けるとした知事の政治姿勢にもとるものではありませんか。所信をお示しください。
 梅に対する影響も、安全性を確認したものではなく、有害性があればその時点で対応するというもので、農家の期待を裏切りました。
 七月十五日、炎天下に七百名を超える農民が県庁前に集まり、知事に対して「お父さん」と呼びかけ、せめて梅生育不良の原因が解明されるまでは建設同意は待ってほしいと訴えました。農民の焦りと不安の中で時には激しい言葉も飛び交いましたが、それで彼らを責めることはできないでしょう。知事はその場にあらわれず、訴えは職員が聞きおき伝えるということになりましたが、翌日、知事の電調審への回答、建設同意が彼らへの明確なかつ非情な回答になりました。彼らの切実な要望に背を向けて建設同意をした理由、なぜ待てなかったかを明らかにしてください。
 三月の回答を保留した時点と比べて、疑問や不安はほとんど何ら解決していないのです。県議会決議や、周辺町長の、知事に任せるというあいまいな建設同意表明など、政治状況の変化はありましたが、住民の不安にこたえたものではありませんでした。少数意見を切って捨てた理由を明らかにしてください。
 和歌山火電についても同じです。地元住民の意見を尊重するという言葉にもかかわらず、地元合意は得ているという住友金属の言辞を唯一の論拠に、今なお公害の存在を訴える人々の声に直接耳を傾けようとはしてくれませんでした。地元の声は住友から聞いているとした一貫した県の姿勢は、私は何度考えてもその論理がわかりません。なぜ直接住友周辺の住民の声を聞こうとしなかったのでしょうか。知事にお尋ねをいたします。
 埋立地の地盤軟弱性や中央構造線上に近接する危険の指摘に対する当局の回答も、疑問を提出したものを満足させるものではありませんでした。自然科学上の見解の相違は、実験を経ない限り、時には交わらないこともあるでしょうし、したがって私は果てしない議論を求めるものではありません。しかし、論議の機会は十分に保障し、それを一定尽くした上での判断であるべきです。しかし、そんな場が保障されたでしょうか。極めて不十分ではなかったでしょうか。県民の要望、疑問をさっさとかわして、電調審の日程に政治判断のスケジュールを合わせる知事の政治姿勢を大変残念に思いました。これに対する知事の所感を求めます。
 続いて、西防埋立地の問題についてお尋ねをいたします。
 西防埋立地に関西電力の火力発電所の建設が進行しています。近い将来、かの埋立地の住金から関電への所有権の移転が行われる予定とされています。埋立地は、公害工場の移転を目的として特例的に認められたものでした。転用に当たっても厳しい条件がつき、所有権の移転に際しても不当な受益が行われないよう、法において強く求められています。この点に関して当局の見解をお聞きしたいと思います。
 一番、不当な受益とはどういう内容を指すのか。適当にもうけてもよろしいということなのか、考えを示してください。私は、企業が県民に対して約束を守らず企業の都合で売買するものであるから、この行為にあっては受益自体が認められないと思うのですが、いかがでしょうか。
 二番、造成原価と売買価格を県民の前に開示する必要があると思いますが、いかがでしょうか。私はかつて、造成費用は幾らだったのかと当局にただしましたが、明らかにされませんでした。一工区、二工区、三工区、それぞれ原価を明確にしていただきたいと思います。住友、関電、県の間でこの問題についての扱いもいろいろ議論されていると聞きます。前の質問では答弁を得られませんでしたが、今回はもう明らかになっているだろうと思いますので、お示しください。
 三番、不当な受益のない譲渡が行われるためにそれを保障する機関も必要でしょうが、どのように考えておられますか。公明正大な取引が行われるよう体制を考えていればお示し願います。この不当な受益の条項は関電にも適用されると考えられますが、いかがでしょうか。
 四番、埋立原価に関連しますのでお尋ねをいたしますが、環境保全公社と住金の廃棄物、その他企業の廃棄物の関係についてです。同地は廃棄物を投入して造成されたところですが、投入に当たっては一定の料金が必要でした。投入料金は、平成五年まで、住友金属はトン当たり八十五円から八十七円であったのに対し、その他の企業にあっては五百円から千三百円と、六倍から十五倍と大きな差がありました。住金はみずからの廃棄物を極めて安い料金で投入でき、一般企業の投棄物で表土を覆う以外は、みずからの土砂を搬入することなく埋め立てがなされました。その上、搬入された廃棄物を海中に投棄する作業費として、トン当たり二工区まで七十五円から七十七円、三工区では七百十九円、環境保全公社から住金に支払われ、その合計は三十九億六千万円となっています。すなわち、住金は自社の土地を造成する作業を行って、廃棄物を処分するという理由で環境保全公社から四十億円近い金をちょうだいするというシステムがつくられていたわけです。
 三工区では、転用もまだ決まっていないにもかかわらず、住金の投入費も一般企業並みに変更はされましたが、その作業費用もトン当たり七百円を超えて受け取ることになりました。これは住友ペースだなという感じを否めません。西防埋立地の価格に関することですのでお聞きしているのですが、投棄料金が一般企業と住金になぜこんな大きな差をこしらえたのでしょうか。また、埋立地での作業は住友自身の土地造成作業であると考えられますが、なぜ四十億近い金が環境保全公社から住金へ支払われるようになるのですか。三工区では転用が未定の現在であるにもかかわらず、搬入料金、作業料金が変更されましたが、なぜですか。全体として、この地の埋立造成費の計算に当たって、そのような仕組みはどのように勘案されるのでしょうか。以上、質問をいたします。
 次に、緩衝緑地についてお尋ねをいたします。
 この緑地のそもそものスタートは、この議場でも幾度か論じられましたように、埋立造成地をつくるに当たり、当時の公害緩和の一環として住友金属が事業主体となって進み始めたものでありました。それは大変結構なことでありました。しかし住金は、事業団方式でやれば大幅に自社資金を使わずに済むことに着目し、国、県を巻き込んで事業団方式で進めることに成功いたしました。事業団方式にすれば、自社資金を幾ら節約できるか、企業用地を事業団に購入させれば幾らになるか、その土地の分で税金がどれだけ節約できるか、議会対策はどうするか等々、住金内部での議論の資料を読みますと、さすがに大企業、県や市が対策の対象になっていることがよくわかります。以来十五年、湊、松江、西松江の緑地化が進められ、総工費約百一億円を投入されました。本来ならば、公害を出している企業が行うべき事業ですが、この費用のうち国が二十九億円、県が約四十億円、事業費の約三分の二を国と県が負担をいたしました。もちろん、この緑地の中には公共的建造物が若干組み込まれている点もあり、一定部分は国、県が負担することは当然という面もあるでしょう。しかしそれは、事業全体の一部分であります。いかに大企業への甘い行政が国においても県においても行われていたかを物語るものであります。
 ついては、この三緑地をつくるに当たって、どこの土地を何ヘクタール、幾らで用地買収されておりますか。もしわかっていれば明らかにしてください。実は、この問いは数カ月前から環境事業団や県の都市計画課にお尋ねをしているのですが、わからないのです。わからなければ仕方がないのですが、きょうここで正式に質問として提出しておきます。
 未確認で得た情報によれば、緑地の用地の大半は元住金の用地で、事業団の用地買収費も大半が住友に支払われたという話です。これが事実だとすると、住友の公害を和らげるため事業団は住友の土地をわざわざ買い上げてそこに緑地をつくってあげたという、住友にとっては大変ありがたい話になるわけです。三緑地で収用された住友の土地の面積と全額を明らかにしてください。
 また、計画決定されている河西緩衝緑地の残りが約十ヘクタールあると聞きます。事業費も企業負担で行うと議会答弁でありましたが、間違いありませんか。事業日程などもあわせて明らかにしてください。
 次に、住友金属企業内の緑地化の問題です。
 工場立地法によりますと、九千ヘクタール以上の敷地面積を持つ工場は、その二〇%を緑地とすることが義務づけられています。ただし、この法律ができた昭和四十九年以前の創業企業は、それは努力目標とされているそうです。住金はこれに該当いたしますが、和歌山市との間で、できるだけ近いうちに一五%を達成するという約束が行われています。しかし現状は六・八%で、福利施設等を加えても七・八%にとどまっています。埋立許可を受けるため緑化事業も華々しく宣伝されていましたが、この進捗率はいただけません。企業はいかなる計画を持ち、それを進めようとしているか。当局はどのように掌握されていますか。和歌山市との約束を果たすための指導を強められたいと思いますが、いかがでしょうか。
 続いて、埋立地の安全性の問題についてお尋ねをいたします。
 ことし十月、大阪市は此花区に計画しているテーマパーク、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンにある住友金属工業の廃棄物処分跡から、環境基準を超える六価クロム、砒素などの有害物質が確認されています。大阪市の報告では、セレンが環境基準の十五倍、六価クロムが十二倍、砒素が三倍など、五ポイントにおいて延べ九項目が環境庁の重金属等に係る土壌汚染調査・対策指針、有機塩素系化合物等に係る土壌・地下水汚染調査・対策暫定指針──非常に長い名前ですが──その指針を上回っていたものです。この土地は、住金が鉱滓などの産業廃棄物の最終処分場としていたことから、住金和歌山工場の西防波堤沖埋立地は大丈夫なのかという疑問が起きてまいります。それは、埋め立てにかかわる処分基準と、人の健康を保護し生活環境を保全する上で維持することが望ましい土壌環境基準が、カドミウムや鉛、セレン、六価クロムにおいては三十倍の開きがあるなど、基準そのものが大きく異なっています。西防埋立地の第三工区が親水性を持つ公共利用を構想されていることから、西防埋立地の土壌の有害物質が検出されていないかどうか、県当局の答弁を求めます。
 また、ユニバーサルの予定地については、報道では、住金は昨年春、すべての物質で環境基準をクリアしたと建設主体の第三セクターに報告していたとのことでありますが、実際は環境基準を上回っていたということになっています。行政が責任を持って検査をする必要があると思います。いかがでしょうか。
 最後に、新しいエネルギー──自然エネルギーの問題についてお尋ねいたします。
 紀伊半島は、従来の火力発電に加え、和歌山火力、御坊第二火力の建設によって新たな公害発生源をつくり出そうしていますが、地球温暖化を初め我々の地球環境の危機が叫ばれているとき、まことに残念なことであります。
 私は、昨年十二月の議会で、紀伊半島が大気汚染の発生源半島になるのではなく、無公害の新エネルギー創出の先進半島、先進県になることを求めて質問したところでありますが、本年、「和歌山県新エネルギービジョン」なる美しい冊子をちょうだいいたしました。ついては、二、三質問いたします。
 一番、和歌山県が太陽熱利用のエネルギー開発に適していること、既にその点で全国平均を上回っていることなどが述べられておりますが、県としてその特性を生かす特別の手だてをどう考えておりますか。二〇一〇年の国の指標との関係で見れば、県も国並みの水準の目標で設定されておりますが、それでは和歌山県の特性が発揮できないのではないでしょうか。もっと大きく設定すべきではないでしょうか。
 二番、県下の既に設置された自然エネルギー活用装置は、冊子の資料を見る限り、市町村や民間企業の中には見られますが、県の施設には一切ありません。最近建築された、またはされつつあるビッグホエール、図書館、博物館、医大などにも見当たりません。平成七年に検討委員会が設置されているようですけれども、具体的施策がないのはなぜでしょうか。十分議論されていないのではないでしょうか。モデルプロジェクトが提起されておりますが、これは実際に導入することになるのでしょうか。導入するとすれば、いつごろをめどにしているのかをお示しいただきたい。また、現在進行中の県の大型建造物、医大総合健康福祉センターを初めとして県の公共施設への導入をどう考えておられるか、お答えいただきたいと思います。積極的に推進されることを求めるものであります。
 三番、国の補助制度も貧弱の限りである現在、県も市町村に対し独自の補助制度を設け、県の意欲を示し、市町村を援助してはどうでしょうか。
 最後に、今年度は予算ゼロに等しいわけですが、来年度いかなる施策を講じるつもりか、検討委員会で何を検討しているのかを明らかにしていただきたいと思います。
 以上で、第一問を終わります。
○議長(木下秀男君) ただいまの鶴田至弘君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
 〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 鶴田議員にお答えをいたします。
 電調審への回答と私の政治姿勢に関するお尋ねでございます。
 御坊第二発電所及び和歌山発電所計画につきましては、電源立地の基本的な考え方に基づき、地域振興の立場で対応を行ってきたところでございます。
 まず、ご質問のオリマルジョンの安全性についてでございますけれども、去る七月十六日に国に提出した回答におきましても、オリマルジョンの流出防止について、未然防止に万全を期するとともに、万一流出した場合には即応できる有効な防除対策を講じるよう関西電力株式会社に対し指導すること、また万一の流出に対応するため、国の関係機関による大型油回収船の配備及び四国南部沿岸海域排出油防除計画の整備強化を求めてございます。
 また、梅農家の要望についての対応でございます。ご承知のように三月の電調審は、その対応などもあって回答を見送ったところでございます。その後、関西電力株式会社から、既設御坊発電所の所要の対策、あるいは発電所の排煙が梅生育不良の直接の原因であることが明らかになれば損害補償を行う、さらに御坊第二発電所についても万全の対策が講じられるまで運転を延期するという回答を得たところでございまして、また梅の生育不良の原因究明と樹勢回復対策についても、関係機関挙げて懸命に取り組むなど、状況の進展が見られたわけでございます。
 さまざまなご意見をもっと聞けということでございました。住友金属製鉄所の周辺の方々のご意見につきましても、私自身も直接お会いをし、お聞きしたこともございました。個別事項については各担当部局においてお聞きをし、お答えをしてきたところでございます。さらに、きのくにホットラインに寄せられたご意見については、私自身直接目を通してお答えを申し上げてきたところでございます。
 また、先ほどご質問にもございました、七月十五日に、私の出身地である田辺市の梅農家の方々が大勢県庁にお越しになりました。翌七月十六日には、県議会の推進決議を初めいろいろな手順を経て、苦渋の決断ではありますけれども、国への回答とともに記者発表を行う予定になっておりました。その前日の七月十五日でありましたので、来られた方々には大変申しわけなかったのでありますけれども、私も公務外出中であり、外部にはその段階で何も申し上げることのできない事情があったこともご理解をいただきたいと思います。
 なお、当日来られました代表の方々には、それ以前にも私も直接お会いをいたしまして、梅対策などについて種々ご説明を申し上げてきたところでございます。
 住民の方々にいろんなご意見があるのは当然でございます。私も、議員お話しのように、常々、県民の方々のご意見をできるだけお聞きしようという立場をとっておりますので、そのことに変わりはございませんけれども、このような大きなプロジェクトになってまいりますと、住民すべての方々のご意見をお聞きするとなると、なかなか取りまとめができないわけでございます。これまでも議会でご答弁を申し上げてきましたけれども、最終的には、地元意見というのは市町村長及び市町村の議会、そこらで集約がされるものだと思うわけでありまして、それを基礎として判断をしなければならないという立場にあることもご理解をいただきたいと存じます。
 そういうふうな経過を経まして、県議会の推進決議がなされたこと、関係市町の同意をいただいたこと、環境保全対策の適正な実施と安全対策の徹底が図られること、さらには地域の活性化に寄与する計画であること等から判断をいたしまして、二十項目の意見を付して電源開発基本計画に組み入れることへの同意を回答したものであります。少数意見を切り捨てていくという、そういう態度ではありませんけれども、最終的には何かの決断を出さなきゃならんという、その立場にあることもぜひご理解をいただきたいと思います。
 以上であります。
○議長(木下秀男君) 副知事山下 茂君。
 〔山下 茂君、登壇〕
○副知事(山下 茂君) 予算執行状況についてのご質問のうちで、調査対象期間の件について私からお答えをさせていただきます。
 今回の予算執行状況調査は、各所属での調査をすることを基本にしたために、各所属で保管している支出関係書類の保存期間は三年が中心でございますので、文書が存在する三年間を調査対象として実施をいたしたわけでございます。
 平成五年度以前も調査できるのではとのご意見でございますけれども、この調査は、ただいま申し上げました支出関係書類の照合だけでなくて、関係職員等からの聞き取り調査を実施する中で職員等の記憶に頼る部分も多いわけでございまして、書類の保存期間のことなどとあわせて、これ以上さかのぼって調査をするということは極めて困難でございます。
○議長(木下秀男君) 総務部長中山次郎君。
 〔中山次郎君、登壇〕
○総務部長(中山次郎君) 不適正支出についての数点にお答え申し上げます。
 まず一点目の、議会、警察及び外郭団体において自主的な予算執行状況調査を行うことにつきましては、それぞれの機関の判断によるべきものと考えてございます。
 外部からの点検についてでございますけれども、今回の調査につきましては、庁内に予算執行調査改善委員会を設置し、種々検討を重ねながら実施したところでございますが、調査に当たっては、調査のために県の平常業務に支障を来し、県民の皆さんにご迷惑のかかることのないよう、またできる限り早期に実態の把握を行い、適正執行に向けての改善を行うために可能な限り短期間で終えられますよう、県内部で調査を実施いたしました。
 また、課ごとの調査結果を明らかにすべきとのご意見でございますが、今回の調査は特定の個人や所属を特定することが目的でなく、予算の執行状況を的確に把握し、不適正な点があればそれを改めるために行ったものでございます。
 調査に当たっては、それぞれの所属での徹底した調査の後、予算執行調査改善委員会が再度確認調査を行う等、二重、三重のチェックを行っており、適正な調査が行われたものと確信してございます。
 次に不適正支出と返還の関係でございますが、今回の調査により明らかになった不適正執行金の多くは、執行時、組織の運営上必要であった経費に充てられたものと考えてございますけれども、交際費や食糧費で執行すべきところ、旅費の科目で支出し、慶弔費や接待費に充てるなど、その事務処理に問題があったため、既に職員に支給されている旅費も含め、不適正執行金の全額を県へ返還することとしたものでございます。
 次に再発防止のための情報公開の徹底についてでございますが、今回の問題を踏まえ、行政情報の透明性をより高めるため、食糧費、旅費、物品購入費、交際費支出関係公文書の開示方針を定めたところでございます。また、開示請求に対する迅速かつ適切な対応を図るため、庁内に公文書開示検討委員会を設置したところでございます。今後、これらの趣旨を踏まえ、より一層適正な運用を行ってまいりたいと考えてございます。
 最後に、職員の厚生福利の制度改善を図るべきということでございますけれども、今回の不適正な執行の原因の一つに制度と実態の間に乖離があり、それに起因する執行事務手続の不備が挙げられるため、今後、職員の出張旅費等も含め、不適正執行の背景、原因を踏まえ、策定した改善にのっとり、職員の意欲の減退につながらないように配意の上、現行の制度や運用の見直しを図ってまいる所存でございます。
 以上でございます。
○議長(木下秀男君) 土木部長長沢小太郎君。
 〔長沢小太郎君、登壇〕
○土木部長(長沢小太郎君) 鶴田議員のご質問にお答えいたします。
 まず、西防埋立地の所有権移転についてでございます。
 不当な受益についてですが、公有水面埋立法上、不当受益の有無は、譲渡価格が適正であるか否かにより判断することになります。県といたしましては、譲渡申請があれば、埋め立てに要した費用等を勘案し、住友金属工業株式会社が不当に受益しないか慎重に審査し、適正な判断をしてまいる所存であります。
 次に埋立原価の公開ですが、公有水面埋立法の規定に基づく埋立地の譲渡申請がなされておらない現段階では、造成原価及び売買価格は明らかではありません。
 不当な受益を生まない体制ということでございますが、公有水面埋立法第二十七条に基づく譲渡許可申請については、公有水面埋立法を所管している土木部において慎重に審査することになります。
 また、法第二十七条第二項第三号の規定についてのご質問ですが、これは権利の移転をしようとする住友金属工業株式会社に適用される条項であります。
 埋立地の廃棄物処理価格についてでございますが、埋立地の譲渡価格の審査に当たっては、住友金属工業株式会社が当該埋立地に廃棄物を処分した実績も勘案し、適正に審査することとしております。
 次に、河西緩衝緑地についてのご質問でございます。
 まず、緑地造成と土地買収についてでございますが、河西緩衝緑地は、住友金属工業株式会社和歌山製鉄所を中心とした工業地域と住居地域とを緑地帯で分離し、地域住民と産業との調和を図り、潤いと活力ある都市づくりを目的として、昭和五十七年九月、既存の河西公園、その他企業緑地も含め、延長七・六キロメートル、面積約七十六・七ヘクタールを都市計画事業として施行するために河西緩衝緑地として都市計画決定を行っております。
 この整備した区域は、公共的な公園、緑地として十分利用が可能な範囲であるため、環境事業団法に基づき緩衝緑地事業として事業団に委託して都市計画事業を行ったものであります。
 なお、ご質問の三緑地の収用につきましては、現在調査中であり、確認はできておりません。
 次に、未整備区域の約十ヘクタールの整備につきましては、企業において整備をする方向で検討依頼をしてきたところであり、住友金属工業では事業化に向けて鋭意調査検討しており、緑地の整備を進めていくということであります。県としても、この意向を受け、緑地の整備に向けて一層の努力をしてまいりたいと考えております。
 次に工場内緑地の進行についてでございますが、議員のご要望の趣旨については、和歌山市及び企業に対し十分伝えてまいります。
 以上でございます。
○議長(木下秀男君) 生活文化部長中村協二君。
 〔中村協二君、登壇〕
○生活文化部長(中村協二君) 鶴田議員にお答えを申し上げます。
 西防埋立地の廃棄物処理価格についてのご質問でございます。
 和歌山環境保全公社が徴収する廃棄物処分料金につきましては、当時の実勢単価に基づき、公社の理事会で決定されたものでございます。
 また、住友金属の処分料金につきましては、住友金属工業株式会社自身の埋立地であり、護岸及び最終覆土等の費用を住友金属が負担するものでありまして、他の企業と同じ料金では不合理であるという観点から別料金になったと聞いてございます。
 次に、住金自身の埋立地であるのになぜ公社から金が支払われたのかというご質問でございます。
 西防沖埋立地につきましては、護岸は住友金属が設置し、その中を公社が廃棄物の処分場として使用していたものでございます。そして、公社は廃棄物の押し出し作業を住友金属に委託していたものであり、その費用を住友金属に支払っていたものでございます。
 次に、三工区での搬入料金、作業料金の変更についてでございます。
 和歌山環境保全公社の処分料金につきましては、平成六年度から変更をいたしております。その理由につきましては、公社と民間処分場、またフェニックス等、他の公共関与処分場との料金格差が大きいため、廃棄物のリサイクルが進まないこと等の問題から処分料金の改定を行ったと聞いてございます。
 また、作業料金の変更の件につきましては、三工区の公共移管の表明以降、自社処分場的に利用することが不適当であるとの住友金属の考え方によりまして、従来公社が無料で使用していた住友金属の施設使用料の負担発生や、三工区埋め立てにおける作業工法の変更等による埋立費用の増加によるものと聞いてございます。
 次に、埋立地の安全性についてでございます。
 住友金属工業株式会社の西防埋立地における廃棄物処分の管理につきましては、財団法人和歌山環境保全公社が行ったところでございます。
 廃棄物の受け入れ基準につきましては、廃棄物処理法上の有害物質は受け入れないこととしており、公社が随時抜き取り調査及び分析を行い、管理を行ってきたところであり、基準を満たしているものと承知をいたしております。また公共用水域につきましては、県及び和歌山市が水質調査を行い、安全を確認いたしたところでございます。
 なお、三工区の利用に当たりましては、廃棄物の処分場であったことを前提に、環境に配慮した利用について検討してまいる所存でございます。
 以上でございます。
○議長(木下秀男君) 企画部長藤谷茂樹君。
 〔藤谷茂樹君、登壇〕
○企画部長(藤谷茂樹君) 鶴田議員ご質問の、自然エネルギーの活用についてご答弁申し上げます。
 和歌山県長期総合計画の第三次中期実施計画の中で、資源・エネルギー施策体系の一つとして、自然エネルギー等クリーンなエネルギーの活用を検討することといたしてございます。この方針に基づきまして、平成七年度から二カ年にわたり新エネルギービジョン策定事業を実施したところでございます。
 まず、太陽光発電につきましては、国において重点導入を図るべき新エネルギーの一つと定めており、新エネルギーの中で目標とする導入量の増加率が最も大きくなっております。県といたしましても、太陽光発電の重点的導入を図るため、国の目標値をもとに太陽光発電の設置対象の中で大きな割合を占める県内住宅数で案分し、本県の目標値を五万キロワットと設定してございますが、県の特性を生かすためにもさらなる導入促進の検討を行ってまいりたいと考えてございます。
 次に、大型プロジェクトや県の諸施設等における自然エネルギーの導入についてでございますが、今後、関係部局と連携しながら推進を図ってまいりたいと考えてございます。
 なお、医大及び総合健康福祉棟につきましては、自然エネルギー導入検討時には既に基本設計や実施設計を終え、工事発注の段階であり、導入するには設計見直しや建設費の大幅な増大が見込まれるため、断念したところであります。
 次に、市町村に対する県の補助制度を設置することにつきましては、国のエネルギー施策に基づく補助制度もございますので、県としての制度の必要性について検討してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(木下秀男君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 35番鶴田至弘君。
○鶴田至弘君 それでは、再質問をさせていただきます。
 まず知事に。電調審への同意回答をするまでに知事は多くの努力をしてこられたというお話をされました。私も、そのとおりだと思います。随分いろいろと関電にも注文をつけ、対話をされるところでは対話を進めてこられたと思うんです。また、ある時期に知事が判断をしなければならないという、それはもう当然のこととして私は質問のときにも申し上げましたが、しかしそれは、やはり住民との十分な対話があった上でのこと。それが必要だろうということを申し上げているわけです。
 象徴的な出来事が、あの七百名の農民の皆さん方の県庁への来訪ですよ。十分な話し合いがあったら、ああいうことは起こりません。田辺からバスを連ねてあの炎天のところへ出てくるというような非常に大きなエネルギーが出てきたのも、やはりまだ話が十分詰んでいない、納得されていないということだと思うんですね。
 あるいは住友周辺の方々の問題にしても、私はこの場で幾度か、県が直接聴取すべきであるというお話をいたしました。知事から、個々的には聞いたと答弁がありましたが、県の当局としては、それは住友から聞くということで一貫してあって、直接聞くということは今まで拒否をされてきたんですよ。そういう状況の中で、本当に住民に納得してもらえるような話があったのか、あるいは住民の願いにこたえるような姿勢があったのかということについて、私は当然そういう疑いを持たざるを得ないと思っているんです。
 御坊市塩屋の話も、そうですね。電源の立地の話のところで、地元の塩屋では、関電から話がない、行政からも十分な話が全然ない、そういうような状況を何とかしてほしいという幾度もの要望がありましたが、それがかなえられませんでした。そういう点で──別に知事が直接話をしなくてもいいんです。全体としてやられればいいんです。県庁全体としてやられればいいんですが、そういうようなことができていなかったと、そういう段階での決断ではなかったかと、非常に残念に思うわけです。答弁は要りません。
 副知事にお尋ねをいたします。平成五年以前の問題です。資料がないから調査できないというお答えでした。長い間の慣行として不正支出が続いていたというお話が前提にあるわけですけれども、長い間の慣行として続いておるとすれば、五年以前もずうっとあったということになるんですね。そうすると、六年以降は職員が返還をする、それ以前は返還をしなくてもいいと、こういうような矛盾したことになります。完全な調査は無理であろうと思いますが、当然、その努力はすべきでないかと思います。調べるのが困難だからそれはもう知らないというのでは、余りにも県民の税金に対する感覚がどうなっているんだろうかというふうに疑わざるを得ません。本当にできないんかどうかを客観的に調査して、もしできないのであれば、しかるべく一言が県民にあって当然ではないでしょうか。お尋ねをいたします。
 総務部長にお尋ねします。第三者の点検を受けよという質問に対して、平常業務に支障のないように早く調査をしたかった、適正執行を急ぎたかったというふうなご答弁でした。これは理由にならないと思います。一、二カ月おくれたからといって、問題の本質を不十分に解明するよりも、一、二カ月おくれても正確なものが出てくることが大切です。客観的に第三者が点検できるような仕組みをつくるのが当然ではなかったか。まず、その点をお尋ねいたします。
 それから、課ごとの調査を明らかにしてはという質問に対して、個人や所属を特定することが目的でないのでそういうことはしないとおっしゃいました。それはそれで結構ですが、課ごとに示せと言われれば示せるようにしておくべきだと思うんです。そこでもう情報が途切れてしまう。そこが、非常にこの調査のあいまいさを残しているところなんです。二重、三重にチェックをしたと。私、その言葉を信用します。しかし、自分たちでチェックをしたというその限界、そこが問題だと思うんです。監視カメラの話がおとといありましたけれども、やはり第三者の点検というのが必要ではないでしょうか。
 公的流用と個人による返還の問題ですが、極端に言いますと、すべて公的に間違いなく使用されたというのであれば、私は必ずしも返還は必要ではないのではないかと思っております。しかし、本当にすべてが公的に使われていたのか、あるいはそのほかの使用があったのか、そこのところが我々になかなかチェックできないわけですね。だから第三者の判断を仰いでほしいと。そうすれば職員の負担も、不必要なところまで払わなくても済むんじゃないかという思いもあるわけです。だから、そこのところをきっちりする必要があるんではないか、そういうふうに思います。
 情報公開についてもご答弁がありましたけれども、課ごとの調査結果がいまだに明らかにされないとか、あるいは公私の区別について厳密な報告がないとかというようなことでは、これからの情報公開の先が思いやられます。やはり、先ほどから幾つかの質問をさせていただきましたが、そのような点を明らかにすることこそが今後の情報公開を正常ならしめるものではないかと思います。
 以上、総務部長に質問します。
 土木部長に尋ねます。原価の公開の問題です。まだ原価が幾らかわからないという話はわかりましたが、公開するのかどうか、その点について土木部長の返答をいただきたいと思います。
 それから、不当な受益を生まない体制という問題です。これは、今のところ何も考えていないという話もありましたが、私は、緩衝緑地の問題あるいは廃棄物処理の仕方の問題等について、やはり県の住友への対応は随分と甘いものがあるというふうに考えます。やはり厳密にしていくためにそういう体制をきちっと確立すべきだということを求めたいと思います。不当な受益についても、住友金属がこの法によって縛られるというのは当然のことであろうと思いますが、それに対応する関電も当然その範疇に入るのではないかと思います。県としてはその辺どう指導されようとしているのか、質問をいたします。
 以上、土木部長にお尋ねします。
○議長(木下秀男君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 副知事山下 茂君。
 〔山下 茂君、登壇〕
○副知事(山下 茂君) 調査期間の問題につきまして、重ねてのお尋ねでございます。
 繰り返しになってしまいますけれども、先日また先ほどもお答えをいたしましたとおり、関係書類の保存期間は三年が中心でございますし、この種の調査はやはり職員等の記憶に頼る部分が多いわけでございまして、これ以上さかのぼって調査することは極めて困難でございます。
○議長(木下秀男君) 総務部長中山次郎君。
 〔中山次郎君、登壇〕
○総務部長(中山次郎君) 再質問にお答えします。
 第三者を入れるべきということでございますけれども、調査に当たっては内部調査とし、厳正を期したところでございます。職員みずからの責任において調査することにより、みずからの問題とする意識改革にもつながったと考えてございます。
 二点目の、課単位に公表すべきという問題でございますけれども、今回の調査は不適正な点を明らかにし、その背景、原因を究明するなど、全体の構造的なものを主眼に置き、より適正な執行に向けての改善策を策定し、実行するために行ったものでございます。
 三点目の返還の関係でございますけれども、不適正執行金の多くは、組織の運営上必要な経費に充てられたものでございますが、その事務処理等に適切を欠いたため返還したところでございます。
 四番目の情報公開についてでございますが、この四月より相手が公務員の場合は開示するなど明確化あるいは充実化するとともに、今後においては公文書開示検討委員会でも種々検討してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(木下秀男君) 土木部長長沢小太郎君。
 〔長沢小太郎君、登壇〕
○土木部長(長沢小太郎君) 鶴田議員にお答えいたします。
 譲渡価格の公開の問題でございますけれども、譲渡許可申請の内容につきましては、審査結果が出た段階で、審査内容を含めて明らかにすることになります。
 それから、不当な受益を生まない体制の中で、関西電力はどうなのかというご質問でございます。
 先ほど申しました公有水面埋立法の規定は、権利の移転の相手方である関西電力には適用されないということでございますけれども、社会常識と著しく乖離した価格での取得は適当ではないというふうに考えております。
 以上でございます。
○議長(木下秀男君) 答弁漏れはありませんか。──所定の時間が二分でございますが、再々質問をされますか。
 〔「はい」と呼ぶ者あり〕
○議長(木下秀男君) 簡潔に願います。
 35番鶴田至弘君。
○鶴田至弘君 副知事にお尋ねします。
 長い間の慣行として不適正支出があったということが前提として話されているわけですけれども、ならば、平成五年以前も相当あっただろうということは推測されます。だからその点、過去の問題については調べられないということで事は終わりで済むんでしょうか。一言、県民に対して何らかの言葉があってしかるべきではないでしょうか。お尋ねします。
○議長(木下秀男君) 以上の再々質問に対する当局の答弁を求めます。
 副知事山下 茂君。
 〔山下 茂君、登壇〕
○副知事(山下 茂君) 私ども、この件につきましては、例えばプレス発表の場では、ほぼ全庁的に不適正な処理が行われていたことに対しておわびを申し上げてございます。
 それから、「半ば慣行として」というふうな表現は使ってまいっておりますが、長いかどうか、この点については私どもはわからないということを申し上げてございますので、そういう状況であるというふうにご理解いただきたいと思います。
○議長(木下秀男君) 質問の発言時間が終了いたしましたので、ご了承をお願いいたします。
 以上で、鶴田至弘君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
○議長(木下秀男君) この際、暫時休憩いたします。
 午前十一時四十一分休憩
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