平成9年2月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(玉置公良議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 午後一時四分再開
○副議長(下川俊樹君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
○副議長(下川俊樹君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 26番玉置公良君。
 〔玉置公良君、登壇〕(拍手)
○玉置公良君 十日から始まりました一般質問は十人の方が登壇いたしましたけれども、私は重複をしないように二点に絞って質問をしていきたいと思っております。
 まず、骨髄バンクについて質問してまいります。
 血液のがんと言われている白血病や悪性の不良性貧血など、血液の病気によって我が国では年間六千人以上の人々が発病され、このうち多くの方が骨髄提供者不足がネックとなって、治療のかいもなく亡くなられています。これらの方々の命を救うのは、骨髄移植しか現在の医学では方法がありません。
 さて、「なめたらあかんぜよ」のせりふで有名になったあの美人女優の夏目雅子さんも、この種の病気で亡くなられたと聞いております。「時代屋の女房」や「瀬戸内少年野球団」など数多くのすばらしい映画で主演女優を務めたあの素敵な女優さんにもうお会いできないのは、夏目雅子ファンの一人として残念でなりません。
 この白血病や悪性の不良性貧血など血液をめぐる病気は、日ごろ健康な人でも突然に発病するケースも多くあると聞いています。しかも発病者は若い人や子供に多く、この病気による骨髄の移植希望者は昨年十月末現在、全国で四千五百五十七人で、このうち十六歳から二十五歳までが最も多く一千二百二十一人、また六歳から十五歳までが九百二十六人、ゼロ歳から五歳児までが四百八十七人となっています。幼い命や若い命を救うためにも、骨髄バンク制度の普及拡大が絶対必要視されなければならないと思います。県内でも、昨年十月末現在で四十三人の方が移植を希望しています。希望しているというよりも、適合したドナーを文字どおり命がけで待ち望んでいるところであります。
 そこで、骨髄バンク制度についてお伺いいたします。
 この公的骨髄バンクができて丸五年がたち、我が国ではこれまで一千回に上る骨髄移植が行われ、ほとんどの方が延命し、新たな人生を再スタートされています。しかし、我が国のドナー登録者は八万人弱で、アメリカでは人口が日本の約二倍ながら二百二十五万人が登録されており、人口が日本の六分の一である台湾では十二万六千人の方々がドナー登録をされています。また、白血球の型であるHLAは種類が多く、適合するドナーの確率も数百万分の一と非常に低い確率だと聞いています。このためにも多くの方々の協力が必要となり、骨髄バンクへの登録者の拡大が必要視されています。
 また、我が和歌山県での取り組みについて振り返ってみますと、四年前の夏に和歌山市でシンポジウムが開かれて以来、骨髄バンク制度の必要性がPRされ、その後、関係者やボランティアの方々によって熱心に運動が展開されています。また登録の受け入れ体制面では、当初、日赤の血液センターで週四人しか検査登録手続ができませんでしたが、その後、和歌山市、田辺市、新宮市、高野口町でも可能となってきています。しかし、残念ながら県内での登録者は一九九六年十月現在で五百六人と全国水準をかなり下回っており、近畿の中でも最も少ないのが本県の現状であります。このことを踏まえて、この制度の普及充実に県当局のより一層の取り組みを求める次第であります。
 そこで、本県では登録者がなぜ少ないのかということでありますが、この点について県当局はどのように分析されているのかお伺いしますとともに、県の医療機関では過去に何例骨髄移植手術が行われているのか、また手術例が少ない場合、その理由の一つとして医療体制が整っていないのかどうかについてもお伺いします。
 さて、登録者の少ない最大の原因は、この骨髄移植がなぜ大事なのかということが県民の皆さんに余り知れ渡っていないのが現状であるからだと思います。
 そこで啓発面についてでありますが、県行政の一部局だけでの取り組みではなく、県行政一体となって取り組む体制が必要だと考えます。私は、ことし地元で行われた四カ所の成人式に出席しましたが、どの会場でもドナー提供を呼びかけるチラシは置いていたり配られたりはしていませんでした。県当局は、「県民の友」はもちろんのこと、テレビ、ラジオ等や県内各市町村の広報紙に掲載するよう指導されたりしてドナー提供者の必要性を訴えていただくとともに、学校教育の場で人の命を助ける必要性の教育に重点的に取り組んでいってほしいと考えますが、当局の見解をお伺いしたいと思います。
 そこで啓発について深く考えてみますと、骨髄移植や骨髄移植手術といった用語が使われていますが、私はどうもこの言葉が仰々しいというか、手術自体が何か恐ろしいもののようなイメージがあると思います。そのためにも、明るくさわやかなイメージでアピールできるよう配慮すべきであると提案しておきたいと思います。
 今月の朝日新聞の夕刊で、骨髄バンクのボランティア活動に積極的に取り組んでおられる総合商社ニチメンの関連会社の四十七歳になる役員さんの記事が紹介されていました。この方は、高校一年生の長女を悪性リンパ腫で亡くされ、その後この制度の必要性について広く理解してもらうためボランティア活動を続けているものです。これまでの活動の中で、健康をテーマにした児童生徒の作文コンテストを毎年続けていますが、啓発面でさらにインパクトをつけようと、ことし九月にロックコンサートを開くという記事で、このコンサートを通じて若い人たちにも血液疾患の患者さんの思いを知ってもらおうと企画したということであります。熱心なその姿勢には本当に頭の下がる思いがいたします。このように考えれば、いろいろなアイデアがあると思います。より効果的な啓発ができるようお願いしておきたいと思います。
 続いて、ドナー休暇制度についてお伺いいたします。
 この制度は、骨髄移植のためのドナーの登録及び骨髄提供する際の検査や入院をするときに法的に休暇扱いされる制度で、和歌山県では平成五年四月から制度化されていますが、この制度の利用者もまだ少ないと聞いております。また、県内市町村でもこの制度を取り入れていないところは七町村あると聞いています。この制度の普及充実のためにも、公的機関が率先垂範しなくてはならないとともに、民間の事業所にも広く普及させていかなくてはならないと思いますが、この点の取り組みについてもお伺いいたします。
 最後に、ボランティア活動についてお伺いいたします。
 知事の所信あいさつの中でも、「一昨年の阪神・淡路大震災やナホトカ号重油流出事故への救援を見ておりましても、ボランティアの活動には目をみはるものがあり、今もこうした住民サイドの主体的な活動が大きなウエートを占める時代なのだと痛感いたします」と話されておりました。和歌山もそうですが、全国的にもこの骨髄バンク推進運動を支えるのは多くのボランティアです。子供を骨髄移植で助けられた、知人が白血病になりバンクの大切さを認識した、テレビで知り自分も役に立てるならと思ったなど、動機はさまざまですが、いずれにせよ、それぞれ仕事を持ち、家庭のことに気を使いながらの活動であります。骨髄バンクの推進のために取り組まれているこういった命のボランティアの方々のご尽力に対して、県当局はボランティアの窓口機関の整備を図られてはいかがなものか。具体的にはボランティア紹介センターのようなものを設け、さまざまなボランティア団体がそこに登録できるようにし、逆に何かのボランティア活動に参加して役に立ちたいと思う人に紹介するなどのことができると思いますが、県当局の見解をお伺いいたします。
 人のためにという視点を、日本人はいつぞやから失ってきたと思います。天下国家を論じ、理想社会を熱っぽく語る人も、人のためにという発想を偽善的と退けてきた嫌いがあると思います。人間の生き方としても、目指すべき新しい社会の創造という点でも、ボランティア活動をもっと重視してみることが大変大事であると思います。
 今、和歌山県の県勢浮揚をどう図るかという議論が盛んになってきています。関西空港ができた、新しい白浜空港ができた、自動車道が延長されたなどのことが強調されています。私もこれらは積極的に評価をしていますが、よき地域社会をつくる道筋を歩む上でこれらハードな部分は、例えるならば車の両輪のうちの片方にしかすぎません。もう片方の車輪としては福祉、医療、教育などのソフト部分がありますが、それらの評価はどの程度人に優しい社会がつくられているのかが大きな指標になってくると思います。行政が住民にどれだけサービスできるかだけではなく、住民同士がお互いに助け合える風土があるかどうかであると思います。これは、いわば文化の問題であると思います。そうした意味で、骨髄バンクドナー登録者数が和歌山県ではまだ低い水準にあることは大変気になる事柄でございます。
 昨年七月に私も参加させていただいた骨髄バンクシンポジウムで講演されたユニバーシアード神戸大会女子マラソン優勝者の深尾真美さんは、「よく、『なぜドナー登録したの。なぜ、骨髄提供する気になったの』と人から問われるのですが、実は私には特別な動機や事情があるわけではないのです。たまたま、骨髄バンクに私も役に立てるのならと登録したにすぎません。そして、たまたま型の合う患者さんがおられたので提供したのです。ただ、それだけのことです」と述べられていました。このさりげない意識と行動こそがボランティアの真髄だと思います。今後、和歌山県で、全国で骨髄バンクの運動がますます発展し、病気に苦しむ患者さんやその家族の方たちが涙を見せないで済むよう、多くの方々のご支援、ご協力をお願いし、骨髄バンクについての私の質問を終わります。
 続きまして、十日から始まった一般質問では県立医科大学附属病院の問題を中心に質疑がされてきましたが、私は医科大学の教育方針について質問してまいります。具体的には、推薦入学制度と県立医科大学看護短期大学部の教育方針についてただしてまいります。
 平成八年四月に、県民の期待にこたえて和歌山県立医科大学看護短期大学部が創設されました。ところが、昨年、私の知人や高校の保護者や教師の方々から、せっかく和歌山県が県民の期待にこたえてつくった学校なのに、また地元在住者や地元高校の生徒の希望も多いのに、なぜ推薦入学制度がないのか、こういった怒りを込めたご意見をいただきました。
 私は、昨年二月定例会の厚生常任委員会で、推薦入学制度のなかった理由と平成八年度からの実施について質問したところ、推薦入学制度の是非は教授会が決めるということ、委員会の管轄が違うのでこの意見を伝えたいとのことでありました。そして、ことし一月の平成七年度決算審査特別委員会での医科大学関係の審議の中で、一昨年の地元の意見や厚生委員会での意見を踏まえ見解をお聞きしたところ、医科大学長は、平成八年度は推薦入学を予定していない、その理由は、以前、医科大学においても推薦入学制度があった、推薦で入学した学生のフォローアップを行ったところ、決して優秀ではないとの結果であった、具体的には、高校の進路指導では一般の入試に受験しても合格できない生徒を推薦してくる、結果として必ずしも優秀でないとフォローアップの結果が出たとの趣旨の、私にとって疑問を感じる答弁がありました。私は、答弁の趣旨を踏まえ、推薦入学制度がなぜ設けられないのかとただし、この制度を要望したところであります。また、決算審査特別委員会において医務課長にただしたところ、同じ県立のなぎ看護学校や高等看護学院等は推薦入学制度を設けており、結果としてほかの一般入試による生徒と遜色なく看護婦としての道を歩んでいますとの、さきの医科大学長とは違う趣旨の答弁がありました。
 また、和歌山赤十字看護専門学校、和歌山労災看護専門学校、和歌山看護専門学校、社会保険紀南看護専門学校など、県内にある看護学校の中で推薦入学制度を実施していない学校はありません。同じ県立の看護学校でありながらこの医科大学の運営について強い疑問を感じ、あえて今回一般質問で、推薦入学制度と県立医科大学看護短期大学部の教育方針について質問する次第でございます。
 まず、全国の現状について調べてみました。一九九七年ガイドブックで調べたところ、全国に二十三公立看護短期大学があり、そのうち二十一の大学が推薦入学制度を実施しています。推薦入学制度を実施していないのは名古屋市立と和歌山県立医大看護短大部だけであります。推薦応募条件は、県内在住者か県内高校がほとんどとなっています。また、全国にある国立短期大学は十九大学あり、そのうち推薦入学制度を実施しているのは十五大学で、年々推薦入学制度の導入がふえ、実施していないのはわずか四大学になっています。また、全国にある公立大学の看護学部は十大学あり、そのうち九大学が推薦入学制度を実施しています。平成七年四月に開設されたのは五短大あり、五短大すべてが推薦入学制度を実施しています。平成八年四月開設されたのは、お隣の奈良県立医科大学看護短期大学部と和歌山県立医科大学看護短期大学部であり、和歌山県立医科大学看護短期大学部のみが推薦入学制度を実施していないことが明らかになりました。これは、たった一回の学力テストで合否を決めることではなく、生徒を総合的に判断していくため推薦入学制度を重要視していくよう教育のあり方が変わってきたものだと理解しています。
 たった一回の学力テストで合否を決めることは疑問であり、テストのよい生徒がよい看護職員とは言えないと思います。看護職員に求められる重要なことは人間性であると思います。人間性を図る基準として、高校三年間の生きざま、つまりクラブ活動や生徒会活動、欠席、欠課、遅刻、ボランティア活動の状況等を、面接や小論文等によって総合的に図るものだと思います。全国的にも、国公立大学の推薦はここ数年、急テンポで活発化しています。東京大学医学部では、オウム事件の発生を踏まえて、学生の人間性をチェックするために、学力テストだけではなく、新しく面接制度等を導入したと聞いています。その時代の流れに反すると言わざるを得ない県立医科大学看護短期大学部の教育方針について、大きな疑問を覚えるものであります。
 そこで、推薦入学制度の意義と是非及び教育方針について、県教委及び県立医科大学看護短期大学部の学長の見解を求めたいと思います。
 続いて、県立医科大学看護短期大学部が推薦入学制度を設けなかった理由として、高校の進路指導で一般の入試に受験しても合格できない生徒を推薦してくる、結果として必ずしも優秀でないとの趣旨の理由を挙げていますが、これが事実であれば、高校の進路指導、いわゆる県教委と県立医科大学間との連携がうまくいっていない問題であり、そのことが結果として県民の期待や願いを裏切っていることになると考えますが、県教委及び県立医科大学看護短期大学部の学長の見解を求めたいと思います。
 最後に、これらを踏まえて、本県では国立大学一つ、県立大学一つ、私立大学二つ、私立短期大学二つと、大学の数も少ない状況であります。県内高校からの進学者のうち約一割の生徒しか県内の大学へ行けないという状況も踏まえていただくとともに、県内の看護職員が足りないことから、県内で働いてもらう看護職員を養成していくことを主な目的として開設してきた経過からも、ぜひとも平成九年度からは推薦入学制度を実施されるよう強く求めるとともに、設置者である西口知事の設置目的も含めた答弁を求め、私の質問を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。
○副議長(下川俊樹君) ただいまの玉置公良君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
 〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 玉置議員にお答えをいたします。
 看護短期大学の設置目的であります。
 議員のお話のように、県内看護職員の充足とともに、県内の保健医療の向上と福祉の増進に寄与することのできる資質の高い人材を育成することを目的に看護短期大学は設立したわけであります。それだけに、卒業生の県内医療機関への定着を心から期待しているところであります。
 以上であります。
○副議長(下川俊樹君) 福祉保健部長小西 悟君。
 〔小西 悟君、登壇〕
○福祉保健部長(小西 悟君) 玉置議員ご質問の、骨髄バンクの五点についてお答えをいたします。
 県内のドナー登録者数につきましては、議員ご指摘のとおり、各都道府県と比べると、登録者の人口比では全国三十三位と全国水準を下回っており、今後一層、骨髄提供者の必要性を広く県民に浸透するよう啓発に努める必要があると考えてございます。また、国に対し強く要望してきた骨髄ドナー登録時における一次、二次検査の同時実施も本年四月から実施される予定であり、ドナー提供者の負担を軽減できるため、本県においてもドナー登録者の増加につながるものと大きく期待をしているところでございます。
 次に県内の骨髄移植実施件数でございますが、これまで県立医科大学附属病院で三例の実施があり、いずれも血縁者間でございます。骨髄バンクを活用した移植を行うには、骨髄移植推進財団の認定を受ける必要がございます。このためには十五例の移植例が必要であり、現在、本県には認定病院はございません。このような現況のため、各医療機関に対し積極的な取り組みについて働きかけているところでございます。
 次に、普及啓発に関しましては関係部局と連携をとりながら進めているところでございますが、特に市町村についても、各広報紙への掲載をお願いしているところでございます。さらに、若年層への普及啓発といたしましては骨髄バンク啓発用ビデオの活用等を考えておりますので、教育関係部局と協議を行うとともに、より効果的な啓発方法等について研究してまいりたいと考えております。
 次にドナー休暇制度でございますが、未実施の七町村に対し地方公共団体が率先して制度化するよう要請するとともに、各事業者に対しても関係部局と協議しながらドナー休暇の必要性を訴えてまいります。
 最後に骨髄バンクに係るボランティア活動でございますが、議員ご指摘のとおり、当該事業はボランティアの方々の尽力が大切でございます。現在、骨髄バンクの推進に協力していただいている団体は二団体ございますが、さらに県ボランティアセンターのご協力をいただきながら、一人でも多くの方に登録していただけるよう努めてまいります。
 以上でございます。
○副議長(下川俊樹君) 教育長西川時千代君。
 〔西川時千代君、登壇〕
○教育長(西川時千代君) 血液の病気に対する啓発と推薦入試制度の認識、二点についてお答えいたします。
 まず骨髄バンクに関連してでございますが、従前から学校教育の場において生命を尊重する心や他人を思いやる心など、豊かな人間性を育てる教育を進めてきているところでございます。議員ご指摘のとおり、人の命を大切にする教育は大変重要なことであり、今後も一層推進してまいりたいと存じます。
 血液の病気に対する基礎的な理解を深めるための啓発については、関係部局から資料等の活用について協議があった場合、学習指導要領との関連もございますが、その活用について研究していきたいと考えてございます。
 次に大学等における推薦入試制度についてでございますが、教育委員会といたしましては、生徒のよさを多面的に評価するという新しい学力観に立った入学者選抜方法として、全国の多くの大学、短期大学等で取り入れられてきているものと理解してございます。
 本県の高等学校においては、在学中の成績のほかに、目的意識や適性、部活動、生徒会、ボランティア活動など総合的に評価し、校内の選考委員会で審査の上、校長が候補者を決定し、それぞれの大学の特色や専門分野にふさわしい学生の推薦に努めているところでございます。今後とも、大学の推薦入試については適切な進路指導を行うよう高等学校を指導してまいりたいと考えます。
 以上でございます。
○副議長(下川俊樹君) 医科大学看護短期大学部学長山本博之君。
 〔山本博之君、登壇〕
○医科大学看護短期大学部学長(山本博之君) 玉置議員のご質問にお答えいたします。
 推薦入試制度と本学の教育方針の問題に関しては、議員ご指摘のとおり、入学者選抜の多様化が推進されている中にあって、本看護短期大学の入試においても、看護職制としての適性を持った人材を求めて、学力検査だけでなく面接試験も行い、高等学校の調査書等もあわせて総合的に判定しているところでございます。
 過去に、医科大学においても推薦入試制度を取り入れた時期もございましたが、昭和五十一年から実施していない状況でございます。しかしながら、本看護短期大学においては、皆様のご意見や他の短期大学の状況も踏まえつつ、今後推薦入試制度を検討してまいりたいと考えております。また、今後も優秀な多くの県内生が本学を志望されることを期待いたしまして、県内の高等学校及び教育委員会との連携をなお一層強めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○副議長(下川俊樹君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 26番玉置公良君。
○玉置公良君 答弁ありがとうございました。
 まず、骨髄バンクについてであります。
 一つは、本県の登録者数が全国三十三位と低い、その最大の原因は啓発にあるということが今の答弁の中で認識されました。県ご当局におかれても関係部局と積極的に連携を進めていただきたいし、先ほど教育長からも、学校教育で人の命を大切にする教育の啓発方法について積極的に取り組んでいただけるという前向きの答弁をいただきました。そのことについて大変心強く思っておりますし、今後ともよろしくお願いをしたいと思います。
 二つ目は、体制面のことでご答弁いただきましたけれども、登録時に時間がかかっていた第一次、第二次の検査が本年四月から同時実施されると、かなりドナー提供がスムーズになるのではないか、今後登録者の増加に大きな拍車がかかるのではないかと思っております。心強く思いました。
 このほか、現在まで三例ある手術の例ですけれども、一日も早く十五の手術例にまで到達していただいて、血縁者間以外でも手術ができるように、認定病院となるように、さらなる取り組みをお願いしたいと思います。そして、新しく建設される県立医大の新病棟でのより一層の延命、医療活動に取り組んでいただきたいと思います。
 これをなぜ言うのかと言いますと、私の知っている方で骨髄移植をされた方がございまして、認定病院が県内にないため県外でしておる、そのためにアパートを借りたり、滞在に伴う医療費や生活費が、私もびっくりしたんですけれども一千万円ほどかかったと、こういうことも聞いておりますので、一日も早い時期に認定病院が本県に誕生することをお願いしておきたいと思います。
 私自身は、両親を早く亡くしたということもあって命の大切さを感じている一人でございますけれども、少しでもお役に立ちたいという思いでアイバンク、腎臓バンク、骨髄バンクにも登録をさせてもらっておるわけであります。県ご当局を初め県議会や県民ぐるみでの、これからの活動のさらなる支援、協力を改めてお願い申し上げておきたいと思います。
 続きまして、推薦入学制度についてであります。
 教育長からは、新しい学力観に立った入学者選抜方法として、全国の多くの大学、短大等で取り入れられているものと理解している、進路指導における推薦者についても、それぞれの大学の特色や専門分野にふさわしい学生の推薦に努めている、今の時代の流れとしてこの制度があるということ、そしてこの制度にふさわしい生徒をきちっと送り出している、推薦入学制度を奨励していくという意味での答弁をいただきました。私、先ほども壇上から質問させていただきましたけれども、去る一月の委員会での学長答弁との違いが、ここではっきり確認されたわけであります。そして知事からも、県内の看護職員の充足とともに、県内の保健医療の向上と福祉の増進にという答弁がございました。
 改めて、なぜ県立の学校かということですが、和歌山県の住みよい快適な地域づくりを目指すために県立の学校が設置されているという、その原点を改めて踏まえていただきたいと思います。
 先日、県立医大の前期試験の合格発表が新聞で報道されておりましたけれども、十五人の合格者のうち県内高校出身者はわずか四人と、こういう結果でありました。医大の学長選挙の後の山本新学長でございまして、答弁は以前の学長さんとは趣がやや変わったと思いますが、この制度導入を早速検討していただきたい。今、表明していただきましたけれども、一日も早くやってほしいということを改めて要請しておきたいと思います。
 そして、二十一世紀を展望してみると、高齢社会を迎える中で医療ニーズが多様化してきていると思います。そういった中で、お医者さんや医療専門職の養成が必要不可欠な課題となってきていると思うんです。そして県立医大や看護短大にも、その時代の流れにふさわしい、地域のための学校づくりについてのさらなる取り組みを要請しておきたいと思います。
 私は大学の組織は詳しく知りませんし、教授会を中心とした決定等はだめであるとは申しませんが、さきの覚せい剤事件やミルクの混入事件、それにさきの学長選挙でも私たちを驚かせたわけであります。このような制度等の運営のあり方については、広く民間人や女性や各方面の意見を組み入れた運営協議会のような組織も導入させるなどして、これからの時代にふさわしい学校づくりに取り組んでいただきたい、そのことを申し上げて私の質問を終わりたいと思います。
○副議長(下川俊樹君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で玉置公良君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
○副議長(下川俊樹君) 本日は、これをもって散会いたします。
 午後一時四十三分散会

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