平成8年12月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(長坂隆司議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

○議長(町田 亘君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 41番長坂隆司君。
 〔長坂隆司君、登壇〕(拍手)
○長坂隆司君 議長のお許しをいただきましたので、通告に従って今議会、心機一転一般質問をさせていただきます。
 まず、地域医療と防災について質問いたします。
 一、地域医療を担う要素としては、A、地域、B、住民、C、保健、医療、福祉機関、D、地方自治体の四つが挙げられるでしょう。
 その中でも地方自治体は、行政組織としてその予算の計画と実施を行ったり、時に中央政府の指示を受けたりします。その意味でも数少ない公立の医科大学を持つ和歌山県は、地域医療にとって大きな使命を持つものと言えましょう。公立の医科大学は全国に八つあります。県立は奈良、福島と和歌山、その他公立として札幌医科大学、横浜市立大学医学部、名古屋市立大学医学部、京都府立医科大学、大阪市立大学医学部であります。それぞれの都道府県にとって公立大学附属病院というものが、第三次救急医療体制を責任を持って担うべきものでありましょう。奈良、福島、札幌そして横浜には、既に救急医学講座ができております。大阪においても、講座はなくとは救急部があります。しかるに、和歌山県立医科大学には残念ながらないわけであります。全国的な流れとしても、救急医学講座の開設が相次いでおります。
 今後、講座をつくる予定があるのでしょうか、もしなければ、救急部を設置するおつもりがあるのでしょうか、どういった機構、体制をとられるのか、できるだけ具体的にお示しください。
 二、厚生省においても、人口百万人に一カ所から人口三十万人に一カ所の割合で、救命救急センターを設置する必要性が年々大きく論じられているようであります。昨年の九月議会において、私が紀南における第三次救急医療施設の設置の必要性について質問いたしましたとき、保健環境部長より、「紀南地方における三次救急医療体制の確保は重要な課題でございますが、現在、国立南和歌山病院等を中心に高次救急医療体制が運営されており、今後より一層総合的な救急医療体制の整備充実に努めてまいりたい」と答弁をいただいております。その後、平成七年十二月に政府予算等に関する要望活動で、国立南和歌山病院の高次医療体制整備についての要望を行ったと発表がありましたが、実際問題として国立の病院の人員増等、難しい問題もあるのではないかと思われます。
 いずれにせよ、紀南地方に救命救急センターを設置するか、今まで以上に総合的な病院の整備をすることが急務であると思われます。和歌山県立医科大学附属病院の紀南分院創設の可能性とあわせて県当局の所見をお伺いいたしたいと思います。
 三、関連でありますが、医療僻地と言われる地域、無医村域を抱える和歌山県において、若い医者が、博士号の取得云々と言うよりも、家庭問題、教育問題、情報から取り残されるのではないかという懸念などから、なかなか僻地へ行きたがらない傾向が強いと伺っております。公の責務を負った和歌山県立医科大学としては、率先して僻地医療についても次代を担う青年医師に対する指導体制を構築していただきたいと熱望いたします。県立医大の卒業生自体が六十名と、医局内の運営で手いっぱいの状況があるからと言って済まされる問題ではないと思います。他府県の大学病院から和歌山県の各地へ派遣されている実例もあります。人員の医療僻地への派遣について、県はどうお考えですか。
 四、全県的な医療ネットワークの構築についてであります。
 既に、心電図をファクスでいち早く送ったり、脳外科関係では画像を送ったりして関連病院とのコネクションを図っているようですし、五年ほど前から医大が県外の十二の大学とつないでパソコン通信を始めたということですけれども、画像を送るのに時間がかかることから、今では国外を含めてインターネット通信を行っていると聞きます。医大内にも委員会が既に設けられ、インターネットによる二次各病院とのコネクションを検討し、新医大へ移転後すぐに稼働できる体制を構築中と伺っております。早期の病理の解明、地域格差をなくす意味でも、さらには高齢化社会における在宅医療、福祉においても大きな効果をもたらすものだと思います。
 若い先生方も熱心だということで今後頼もしい限りでありますが、秘密の遵守とか有料化といった情報の規制の問題を含めて、現在検討中の全県をカバーできる医療ネットワークについて具体的なところをお聞かせください。
 五、消防防災のうち、まず救急救命士についてお伺いいたします。
 現在、和歌山県には消防隊員で四十数名の救急救命士が活躍中と聞いております。救急医療の専門的知識と技能を習得し、現場では傷病者が医療機関に搬送されるまでの間に高度な応急措置を行うといったプレホスピタルケア、すなわち病院前救護を行う救急救命士は、和歌山市においても、去る平成八年十一月十七日の朝刊にも掲載されていましたが、ある救急救命士の方が患者を蘇生させ、社会復帰を実現した話は真新しいトピックスでありまして、救急救命士のさらなる養成が今後ますます社会的に必要性を増してくるものと思われます。財団の養成所が東京と北九州に、また全国の政令指定都市や府県に十カ所の養成所があって、年二回の国家試験に備えて研修があるようです。平成八年の前期合格者は全国で五百三十三名、そのうち消防職員は三百三十三名、和歌山県からは計九名の消防関係者が合格されており、他都道府県に引けをとらない優秀な救急救命士が誕生しております。財団の中央研修所には和歌山県の人員枠が十二人しかないと伺っておりますが、先ほど述べました無医村の存在、僻地医療の面からも北高南低にならないような救急救命士の養成は急務であると考えます。大阪市や神戸市といった大都市の養成所は、それぞれの自治体のニーズをかなり充足させるところまで養成が進んでいると聞きます。
 本県は、救急救命士の養成についてどのような年次計画をお持ちですか。例えば、平成九年中の入校者を何人予定しておりますか。財団の研究所枠が限られているのなら、政令指定都市にある養成所で研修を受けられるような受け皿づくりを県がぜひともすべきであると思いますが、いかがですか。また、救急救命士が乗っている救急消防隊は全体の中でどれくらいの比率ですか。そして、その比率を将来どの程度まで引き上げていくおつもりですか。
 六、去る平成八年十一月二十九日、金曜日、早朝より寒さの厳しい中、メーン会場の和歌山市のコスモパーク加太を初めとして県内各地、近畿二府四県と福井、三重、徳島三県が参加した平成八年度近畿府県合同防災訓練がとり行われました。阪神・淡路大震災の後、整備を推進してきた警察の広域緊急援助隊と消防の緊急消防援助隊の総合的訓練も近畿で初めて披露されました。参加人は約一万八千人に及ぶものでありました。主催の和歌山県、和歌山市を初め、県内各市町村、そして他府県、国の関係機関等協調体制のもと、昨年の滋賀県で行われた合同訓練にまさるとも劣らない本番さながらの熱気あふれる訓練が無事終了し、広域防災活動体制の充実強化と県民の防災意識の高揚、理解を求めたわけであります。
 消防防災にとって一番重要なことは、住民一人一人の防災への理解であります。個人個人が防災へ参画する意識が何よりも必要なのではないでしょうか。真の防災というものは、それこそ身近な十人単位ぐらいの啓発活動から始まるものではないでしょうか。阪神・淡路大震災においても、個人の意思で、良心で助けられた数は決して行政に助けられた数に劣ってはいないのではないでしょうか。本来、防災というものは、行政主導でなく個人の防災意識から生まれてくるものでなければならないと思います。住民の防災に対する意識の啓発の必要性を引き続き県に要望するものであります。今回の合同訓練について、県の感想と所見をお伺いいたします。
 次に、和歌山下津港についてであります。
 昨年七月、和歌山県で初めての外貿定期コンテナ航路が和歌山下津港と釜山港との間に開設されて約一年半が過ぎようとしています。全国各地で地方港の整備が進められる中、和歌山県においても県、市、民間事業者の協調のもと、鋭意ポートセールスを展開されてきました。特にこの秋にはポートフォーラム96として、九月十一日に東京にて、そして十月六日から十二日まで中国の青島市、上海市で開催されました。東京においては、首都圏の商社やメーカーなどの荷主企業、国内外の有力船社や物流業者など多数参加のもと、和歌山下津港のポートセールスが展開されたのであります。さらに中国においても、青島、上海両市で当局や中国の主要船社との会合を重ね、和歌山下津港をアピールされました。
 昨年の韓国との間の定期航路開設後のコンテナ貨物取り扱いの順調な推移、近年の高速道路などの整備、関空まで車で四十分といった京阪神へのアクセスの向上、通関の速さや港湾施設の利用料金の安さ、港湾整備状況、さらには大阪湾と太平洋をつなぐ紀伊水道一帯をベイフロンティア地域と位置づけた、二十一世紀に向けた海陸一体の高度な複合物流拠点としての将来性が強くアピールされたのであります。
 そこで、質問事項に入ります。
 一、荷主にとって一番の興味事項は物流コストの低減であります。幸い、和歌山下津港は各種港湾料金が大型外貿港に比べて安く、大阪港や神戸港と和歌山港間のコンテナドレージ料が省けるといった利点は荷主には絶対見逃せないところであります。東京フォーラムには有力な総合商社も参加されておりますし、貨物次第で引き合いは新たに出てくるのではないかと思われます。それには、港湾貨物運送業者のセールス力、集荷力が物を言うことは言うまでもないことであります。荷主あるいは船会社へのポートセールスというアプローチを官民一体となって継続的に行っていく必要があると思いますが、当局はどうお考えですか。
 二、中国におけるポートフォーラムでは、当地の法務局、シノトランスやコスコといった主要船社とも協議し、友好関係を強化し、お互いが優遇措置を与える形で、両サイドの協力のもと航路開設を検討していくことが話し合われたわけですが、現在の貨物量では実現に至るまでなかなか難しいものがあります。直接の航路が開設されるまでは釜山港でのトランシップ、すなわち釜山港で積みかえて仕向け港まで輸送するやり方をまず考えていく必要があると思います。トランシップをすることによるリスクの増大、リードタイムの増加等、問題点はありますが、まずきっかけをつかむことから粘り強いポートセールスが必要になるでしょう。上海には日本の企業も多く進出しており、和歌山市に工場のある花王株式会社も現地工場がこの夏より開設されたと聞きます。今後、和歌山工場との間の貨物輸送も大いに期待されるところであります。また、京阪神は台湾、香港といった地域との物流も多く、和歌山においても中国との取引以上の貨物取扱量があると聞きますが、今後こうした地域を含めてポートフォーラムを開催する予定はありますか、航路開設の今後の戦略とあわせお答えください。
 前述のように、航路開設の前に、台湾ならカオシゥォン(高雄)港、キールン(基隆)港や香港経由で他東南アジア地域と交易するやり方、すなわち中継港まで貨物を集積するやり方を含めてご意見を伺いたいと思います。
 そして、参考までに中国、台湾、香港と和歌山県との間の輸出入の貨物取扱量を可能な限り最新のもので聞かせてください。
 三、和歌山下津港での貨物取り扱いについて、最近の特徴、動向についてお答えください。
 四、現在、全国の地方港の中に大型コンテナ船が就航可能な港湾整備を進めているところが多々ありますが、各ポートがそれぞれの特徴を生かした広域的な役割、機能分担を考えた整備であってほしいと考えます。和歌山下津港が大阪湾の玄関港であり、太平洋側の窓口港たり得る地理的な利点を生かして、シンガポール港のようなフィーダーサービスのできる中継港的要素をセールスして、京阪神方面への貨物の集積港としての将来性を国内外にアピールしてはどうかと考えますが、いかがでしょうか。
 コンテナ内の貨物をすべて一つの最終目的地へ輸送する場合だけでなくて、目的地の近い貨物を混載してコンテナ一本に仕立ててもいいのです。運賃面で、混載するメリットも出てくると思います。すなわち、フルコンテナ貨物の取り扱いだけでなく、コンテナ一本に満たない貨物を寄せ集めてコンテナ一本に仕立てる混載サービスに対応できる港湾の設備や上屋をつくっていく努力が必要であります。集荷への努力というものは船会社や港湾運送業者の力に負うものが大きいでしょうが、我が県の港の発展のために官民協力して初めて和歌山下津港を一級の港たらしめるのではないでしょうか。県当局のご見解をお伺いいたします。
 五、船会社や荷主にとって、港湾の利用に当たって、港湾の施設設備の整備状況は大きな関心事であります。殊に荷主にとって、貨物を搬入する上屋の充実は大きなポイントになります。従来の水面貯木場の埋め立て、移転など和歌山港の港湾エリアの拡大に県当局は尽力されていると思いますが、この十月に導入されたシーナックスという官民共同の迅速なる海上貨物通関情報処理システムにより和歌山港で通関される貨物も増加してくると思われますが、今後、公共上屋の増設について県はどうお考えですか。
 三つ目に、県内のスポーツ施設についてであります。
 県議会議員に当選させていただいて以来、県内は言うに及ばず、県外いろんなところを視察させていただく機会に恵まれ、大変ありがたく勉強させていただいております。サッカーのJリーグ昇格に燃える町だとか、国体が間近に開催されるとか、世界選手権が開かれたとか、ビッグイベントを控えている地域にはすばらしい体育館やサッカー場などのスポーツ施設がありました。
 和歌山県においても、昨年秋の県知事選挙において西口勇知事が一三六の公約の中に、「スポーツ王国和歌山を目指して」、「誰もが気軽に楽しめる生涯スポーツの振興とレベルの高い競技力をもつ選手の育成を図り、活力ある和歌山を目指します。 また、国際大会から地域スポーツまで開催できる、各種のスポーツ施設づくりを進めます」として、七つの目標を掲げておられました。私も、全県的なスポーツ振興の観点から、適地に各スポーツ施設を配置、整備されることを望むものであります。和歌山県における二回目の国体の開催についても、近畿の順番など待っていないで、地域振興、地域の活性化のために、こちらから積極的に招致する気迫で臨んでいただきたいと思います。スポーツ王国和歌山の復活のために、競技者を育てる視点で各スポーツ施設をできるだけ早く整備していっていただきたいと思うわけです。
 武道館の建設については、本年の二月議会で質問させていただきました。真剣にお取り組みいただくことを改めて要望させていただきます。今回は、競技を幾つかに絞って質問いたします。
 一、和歌山紀三井寺にある紀三井寺公園内には、野球場、球技場、テニスコート、陸上競技場等あります。県立のスポーツ施設がこの地に集中しておりますので、この公園内にかかわるスポーツについて、以下質問いたします。
 まずは野球でありますが、野球王国と言われた和歌山が誇れる野球場に整備して、高校球児が目指す甲子園球場のような象徴的なものを将来目指していただきたいと思います。
 サッカーについては、和歌山県も日本に誇るJリーグ選手を生み出しております。各地の小学校、中学校においても大変な人気であります。こうした若者の熱気、やる気を満足させるような、Jリーグを目指せるようなサッカー場あるいは球技場を整備していただきたいと願います。
 テニスにおいては、時に全日本レベルの選手を和歌山においても輩出いたしております。近々、国内外の有力選手を呼んで、和歌山オープンのようなトーナメントを開催できるようなコートに整備していただきたいと思います。近年、車いすでテニスを楽しまれるプレーヤーもふえ、和歌山においても有力な選手がおられる中、大会も開催されております。身障者の方あるいは車いすに乗られる方に配慮したテニスコートづくりをお考えいただきたいと思います。
 陸上競技場についても、国体、国際大会が誘致開催できるような整備をお願いしたいと思います。
 以上、紀三井寺公園内の野球場、球技場、テニスコート、陸上競技場の将来に向けた整備計画をお示しください。
 また水泳でありますが、和歌山県は典型的な海洋県であります。水の美しい河川も数多くあります。地理的に幼少のころより水に親しむ機会の多い我が県ですから、当然、水泳競技における潜在能力は高いと思われます。しかしながら、自己の技能をそれ以上に高めていくためのプールがありません。ぜひ、和歌山県を代表するスポーツにしていけるような五十メートルの室内温水プールの建設をお考えいただきたいと思います。五十メートルを二十五メートルに変えたり、水深も調節できる配慮が必要であろうと考えます。大新公園プール、秋葉山プールを家族、友人で気軽に楽しめるファミリープールとして磨きながら、競技者が有効に練習し競技できる新たなプールの建設を望むものであります。このようなプール建設についてご意見を伺います。
 二、一において現状の都市公園施設を対象に挙げて質問を申し上げましたが、一つ今後の国体の開催を例にとりましても、今の紀三井寺公園の四、五倍の規模が必要になってくるそうですが、そうなると現状の公園内の施設では限界があります。西口知事のまことに力強い公約の実現のために、競技力の向上を視野に入れながら、将来の個々のスポーツ施設の新設について、国や関係市町村そして民間と歩調を合わせた活動が必要になってまいりますが、県民の殊に青少年の熱きスポーツへの夢を実現させるためにも、今後の計画的なお取り組みを知事よりぜひお聞かせください。
 三、和歌山県多目的ホール、和歌山ビッグホエールについて質問します。
 このホールでは、世界規模のスポーツ大会を初めとして、コンベンション、シンポジウム、さらにコンサートや展示会といった多彩なイベントが開催できると聞き及んでいますが、名実ともに和歌山の誇るべきシンボルとなるよう整備を進めていただきたいものです。今回は、特にスポーツ利用に焦点を当てて質問いたしたいと思います。
 来年夏オープン予定ということで、既に来年の使用の仮予約も殺到しているのはうれしい悲鳴でありましょう。広さは大阪城ホールと同規模で、本年国体が行われた広島県の大アリーナに迫る三千二百八十平方メートルに及び、和歌山県立体育館の約二倍、主な競技としてバスケットボール、バレーボール、テニスなら四面とれ、ハンドボールで二面、剣道、空手など武道についても八面とれるということで、今後の和歌山県における全国大会、国際大会開催に大きな期待を寄せるものであります。
 しかしながら、各種スポーツには当然のことながら、それぞれの必要備品があります。備品の収納スペースに限りがあるということで憂慮されるのは、武道で言えば畳、体操などで使用される各種競技用具などでありましょうが、各種スポーツ施設の整備が全国的に見てかなりおくれをとっている和歌山県にとっては、どんなスポーツにも対応できる既存のスポーツ施設を補完して余りあるような、それこそスポーツ全般押しなべて使用できるような体制をつくっていくべきだと考えますが、その点、県はどのようにお考えですか。
 既存の県立のスポーツ施設とあわせて、能率よく有効に使用できるようにしていただきたいし、あくまで県立の多目的ホールなのですから料金面もできる限り抑えていただきたいと思うわけですが、いかがですか。また、国際レベルの大会となると、練習会場となるようなサブ施設が至近に必要ですが、近い将来の課題と受けとめていただきたいと思います。
 もう一つ、さきのパラリンピックにおいても日本人選手は大活躍でしたが、障害者の方々が心身ともに自立を求めてスポーツ競技に励まれることはすばらしいことでありまして、さきの項で述べたように、このたびの県多目的ホールの施設においても、利用面、設備面で十分な配慮がなされているのでしょうか。
 以上、大きく三点、一回目の一般質問とさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。
○議長(町田 亘君) ただいまの長坂隆司君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
 〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 長坂議員にお答えをいたします。
 私に対するお尋ねは、将来に向けたスポーツ施設の新設についてでございます。
 議員お話しのように、スポーツは県民の皆さんが心豊かで明るい生活を営み、また活力ある郷土づくりを推進する上で極めて大切であろうと私も思っております。
 最近のスポーツに対する県民のニーズは大変多様化してきておるわけでありまして、気軽に利用できる施設、競技力向上の拠点となる施設、あるいは見て楽しむための施設など、市町村と連携しながら整備する必要があろうと考えてございます。
 今後、生涯スポーツの推進、競技力の向上、さらにはお話にございました二巡目国体の積極的な開催の意欲なども視野に入れまして、施設の適正な配置等について、県スポーツ振興審議会でも論議をいただきながら、ご提言の趣旨を踏まえ積極的に取り組みたいと考えております。
 以上であります。
○議長(町田 亘君) 福祉保健部長小西 悟君。
 〔小西 悟君、登壇〕
○福祉保健部長(小西 悟君) 長坂議員にお答えをいたします。
 まず、紀南における第三次救急医療施設の整備と県立医大附属病院の紀南分院創設についてでございます。
 紀南地方におけるより高次な機能を有した医療機関の整備等については、当地方の皆様が安心して生活される上からも大切なことと考えています。そうした中で特に高次の救急患者等については、圏域内の基幹病院を中心に医療機関が連携を図るとともに、必要に応じて本年三月に運航を開始した防災ヘリコプター等の活用により対応しているところであります。県といたしましては、今後とも地域の実情や住民のご要望を踏まえ、県民の安心できる医療体制の整備充実に努めてまいりたいと考えております。
 次に、僻地医療についてでございます。
 議員ご指摘のように、山間地域などにおいては医師の確保が容易でない状況にあります。これら僻地診療所などの医師確保については、自治医科大学卒業医師の派遣や県内三カ所の僻地中核病院からの医師派遣を行っております。また、診療所の医師が休暇、研修時の代診医師の確保のため、本年度から新たに三病院を僻地医療支援病院として指定し、僻地診療所の医師確保に努めているところであります。今後とも、市町村の要望をお聞きするなど実情の把握に努めながら、僻地保健医療の充実を進めてまいります。
 次に、全県をカバーする医療ネットワークの構築についてでございます。
 議員ご指摘のとおり、情報化の進展の成果を医療ネットワークの構築に役立てることは有益なことと考えています。これまでも県では救急医療情報システムや結核、感染症サーベイランスシステム等の医療システムが既に稼働しており、また県立医科大学附属病院においては画像の転送等を実験的に実施しているところであります。一方、国においては、災害が発生した場合にも対応できる広域災害救急医療情報システムの整備を促進するとともに、新たに在宅医療のための遠隔医療について検討を開始したと伺っています。今後、これらの動向や結果を見きわめながら、どのように医療サービスを充実できるか検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(町田 亘君) 総務部長中山次郎君。
 〔中山次郎君、登壇〕
○総務部長(中山次郎君) 地域医療と防災についての中の二点にお答えいたします。
 まず、消防職員の救急救命士養成状況についてでございます。
 現在まで、十七消防本部の四十三人が既に合格し、養成中の十二人と合わせて今年度末には五十五人になる予定でございます。また、平成九年度には二十一人が養成予定であり、以後の各消防本部の救急救命士養成希望は平成十年から平成十二年までの間で八十二人あり、これらによってすべての消防本部に救急救命士が配備されることになります。
 次に、政令都市の救急救命士研究所への入所につきましては、各消防本部と政令都市の協力関係の程度により受け入れが決められているケースが多く、県においては、現在、国に対し状況の理解とその対策を協議しているところでございます。
 次に、救急救命士の搭乗している救急隊につきましては、県内救急隊五十五隊のうち十二隊が活動中でございまして、今後とも早期にすべての救急隊に救急救命士が搭乗できるよう全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えてございます。
 次に、平成八年度近畿府県合同防災訓練についてでございます。
 本訓練は、本年二月二十日に締結された近畿二府七県震災時等の相互応援に関する協定に基づき実施したものでございまして、自衛隊等の国の機関を初め、警察、消防、ライフライン関係機関は言うに及ばず、民間ボランティア団体、社会福祉施設及び小中学校の自主的な参加もいただき、地域住民との連携のもとに広域防災体制の充実強化と県民の防災意識の高揚を図ることを目的に、参加機関二百四機関、参加人員約一万八千人という、かつてない規模で実施いたしたところでございます。
 その結果、阪神・淡路大震災の課題でもありました各関係機関相互の連携と広域防災体制の実践がなされ、あわせて県民の防災意識の高揚が図られたものと考えてございます。また、この防災訓練を実践、検証することにより、大規模災害時のさまざまな課題を浮き彫りにし、今後、十分な検討を加えて広域防災体制の強化を図るとともに、より一層住民参加の推進に努力してまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○議長(町田 亘君) 土木部長長沢小太郎君。
 〔長沢小太郎君、登壇〕
○土木部長(長沢小太郎君) 長坂議員の、和歌山下津港に関するご質問にお答えします。
 まず、荷主あるいは船会社へのポートセールスについてでございます。
 ご指摘のとおり、ポートセールスは官民一体となって息長く継続することが必要だと考えておりまして、東京や中国で開催したポートフォーラムでも、県のほか港湾関係の事業者団体にも参加していただいたところです。今後とも、官民連携のもとでポートセールスに努力してまいりたいと考えておりますので、議員各位のご支援、ご協力をお願いいたします。
 次に、海外でのポートフォーラムと新規航路の開設についてと、台湾、香港との貨物取り扱いについてでございます。
 まず取り扱いにつきましては、平成五年度に運輸省が実施いたしましたコンテナ貨物流動調査、これが最新のものでございますが、これによりますと、神戸港、大阪港等を利用している和歌山県内発着の外貿コンテナの貨物量は県全体で年間七十三万トンと推計されております。内訳は、輸出が二十三万トン、輸入が五十万トンとなっております。このうち、アジア地域との輸出入は五十三万トンで全体の七三%を占めており、うち韓国が九万トンで全体の一三%、同じく中国が十六万トンで二三%、台湾が八万トンで一一%、香港が三万トンで四%、こういう推計結果になっております。したがいまして、航路誘致の当面の重点地域はアジアと考えておりまして、特に中国、香港、台湾を中心にいたしまして今後のポートセールスを展開してまいりたいと考えております。
 なお、現状において神戸港もしくは大阪港という我が国の基幹港湾を利用しているコンテナ貨物を釜山港という他国の経由に切りかえることにつきましては、物流の安定性確保等で議論が残るところでございます。しかしながら、ご指摘のとおり、現在、和歌山下津港に開設されている航路は、釜山港を経由して台湾、香港、シンガポール、タイ、ベトナムなど東南アジアの各地と結ばれており、荷主の方でおのずからより効率的、経済的な輸送経路が選択されることになろうと考えております。
 次に、和歌山下津港の最近の貨物動向についてでございます。
 平成七年の総取扱貨物量は五千五百三十八万トンでございまして、前年に比べ、およそ一○%増加しております。増加の主な原因は、原油等の輸入、フェリー貨物の増加でございました。このうち外貿貨物は、およそ半分に当たる二千四百三十五万トンでございます。このうち、公共埠頭で取り扱われる貨物は七十七万トンとなってございまして、全体では前年並みとなっていますが、取り扱いの最も多い原木について見ると四十二万トン、前年に比べ、およそ一○%の減少となっております。
 なお、昨年七月から扱いを始めたコンテナ貨物の一年間の取扱量は二十フィートコンテナに換算して約三千七百個、重量に換算して四万トンとなっております。内訳は輸入が八割を占めており、品目は輸入では綿糸、化学工業品、輸出では機械が大きな割合を占めております。
 次に、中継港としての生き方と集荷に対する官民協力についてでございます。
 和歌山県は海の国際軸とも言える太平洋航路に近接していることから、大阪湾海上交通負荷軽減、陸上高速交通網と連携した物流の効率化、大規模地震等の災害に備えたリスク分散の三つの柱を備えたベイフロンティア構想を提唱して、和歌山下津港を中心に港湾整備を図ることにしております。これは、海外との貿易貨物を和歌山下津港で取り扱い、これをご指摘の海上フィーダーより、むしろ阪和自動車道や京奈和自動車道等の陸上高速交通網に接続させることによって、輸送時間の短縮や在庫コストの削減を図り、もって近畿圏全体の経済の活性化に寄与してまいりたいと考えているものでございます。
 なお、貨物の集荷につきましては、あくまでも民間主体の経済行為と考えますけれども、県といたしましても、和歌山下津港の整備やアクセス道路等の交通体系の改善により、集荷の円滑化を図ることによって和歌山下津港の利用促進、ひいては地域全体の経済の浮揚に努めてまいりたいと考えております。
 和歌山下津港の最後の、今後の公共上屋の増設についてでございます。
 現在、公共上屋は和歌山下津港内に六棟ございますけれども、利用率がほぼ一○○%となっておりまして、ご指摘のとおり、供給不足の状態に陥っております。上屋の増設につきましては、現在、埋立整備中の西浜地区やマイナス十三メートル岸壁背後で民間活力の活用、民活による手法の導入も含めて検討してまいりたいと考えております。
 次に、県内のスポーツ施設についてのご質問のうち、紀三井寺公園内のスポーツ施設の整備と競技用プールの建設についてでございます。
 紀三井寺運動公園や秋葉山、大新等の県営水泳場につきましては、県民のニーズに対応できるよう再整備を順次進めているところでございます。
 具体的には、昨年テニスコートの改修を行い、現在、陸上競技場においてスタンドのリフレッシュを、野球場ではグラウンドの改修を進めているところであります。秋葉山及び大新プールも含め、公園内の運動施設について、安全かつ快適にご利用いただけるよう、今後とも再整備に努めてまいります。
 なお、大規模なイベント等の開催を行うに当たり、県の運動公園として都市公園施設へのニーズが高まってくれば、その対応について検討する必要があると考えております。
 以上でございます。
○議長(町田 亘君) 生活文化部長中村協二君。
 〔中村協二君、登壇〕
○生活文化部長(中村協二君) 多目的ホールのスポーツ利用についてお答えをいたします。
 多目的ホールは、「和歌山ビッグホエール」と名称も決定し、来年七月二十日のオープンに向け、施設のPRや利用促進等を行っております。
 さて、和歌山ビッグホエールのスポーツ使用についてでございますが、床は県立体育館と同じ木張りで、バレーボール、バスケットボール、テニス、バドミントン、卓球など多様な競技に対応できるようになっており、これら備品のほか、式典や集会、展示会、コンサート等に対応できる備品も用意いたしております。しかし、限られた収納スペースの中ですべてのスポーツに対応できる備品を装備することは難しいため、競技によっては主催者に準備をお願いすることもございます。今後、備品の充実に努めるとともに、既存のスポーツ施設との連携を図るなど、効率的な施設の使用方法等も考え、大規模な大会の開催等にも対応してまいりたいと存じます。
 次に、使用料につきましては、全国の類似施設等から見ても利用していただきやすいものと考えております。とりわけスポーツの利用につきましては、施設使用料を低廉にするとともに、使用方法等についても配慮いたしたいと考えております。
 次に、ご指摘のサブ施設についてでございますが、国際大会や全国大会等を誘致し、和歌山ビッグホエールのなお一層の有効利用を図るために、サブ施設の整備についても早急に検討する必要があると考えます。
 次に、当施設の障害者や高齢者の方々に対する利用面や設備面への対応でございますが、車いす対応の観客席やトイレ、駐車場等の確保を初め、身体障害者の皆さんにもご利用していただきやすいシャワー室の設置やエレベーター等にも配慮いたしております。利用面につきましても、広くご利用いただけるよう検討してまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○議長(町田 亘君) 医科大学附属病院長西岡新吾君。
 〔西岡新吾君、登壇〕(拍手)
○医科大学附属病院長(西岡新吾君) 県立医大の第三次救急医療体制に対応する機構、体制についてでございます。
 本学専門課程においては、議員ご質問の救急医学講座は現在のところ予定しておりません。
 救急医学につきましては、カリキュラムで救急医学という講義科目を設け、一方では臨床研修の中でも取り入れ、救急医療に対応できる医師の養成に努めているところであります。救急医療は学内各診療科を初めとする全医療従事者の協力が必要であり、新医大においては中央診療部として県民の医療ニーズに対応できるよう、充実した救急部の設置を計画しているところであります。
 次に僻地医療についてでございますが、本学といたしましては、地域医療への支援ということで、学内に渉外委員会及び関連病院委員会等の組織を設けております。県内の病院からの医師派遣要請に基づき、これらの委員会で協議をして派遣できる体制をとっております。今後とも、僻地を含めた地域医療への支援体制の拡充に努めてまいる所存であります。
 以上です。
○議長(町田 亘君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 41番長坂隆司君。
○長坂隆司君 福祉保健部長へ、要望を二つ申し上げます。
 平成七年九月二十七日の一般質問で、私は和歌山県救急医療情報センターに医師を常駐させられないものかと質問を行いました。また、ことしの二月、和歌山県消防長会が県救急業務検討委員会で、近い将来、十年以内に県は医療情報センターが和歌山県の救急救命士に指示できるように常時医師をセンターに配置してほしいと要望、最近も和歌山市の方から市長の方に投書があったらしいですが、急患がいるので夜間にセンターへ問い合わせをしたら、病院の紹介をいただいただけで、急を要する状況の中、満足な指示、回答が得られなかったという苦情が幾つかあったと聞いております。ぜひ県におかれても、この問題を早急に具体的に進めていただきたいと思います。
 もう一つ、和歌山県立医科大学附属病院の紀南分院創設の可能性について質問いたしましたが、確かに膨大な費用もかかりましょうし、ほかの基幹病院との兼ね合い等もあると思います。しかしながら、僻地医療の問題、全県的な医療ネットワークづくりなどの面で、和歌山県が抱える地域医療のさまざまな問題点を解消していくのに、はかり知れない効果があることは確かであります。ぜひ考慮の中に入れていただくことを要望いたしまして、私の一般質問を終わらせていただきます。
○議長(町田 亘君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で長坂隆司君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
○議長(町田 亘君) この際、暫時休憩いたします。
 午前十一時三十七分休憩
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