平成8年9月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(全文)


県議会の活動

議 事 日 程 第五号 平成八年九月三十日(月曜日)
     午前十時開議
 第一 議案第百三十九号(知事説明・質疑・表決)
 第二 議案第百八号から議案第百三十八号まで、及び報第六号(質疑・委員会付託)
 第三 一般質問
 第四 請願付託
会議に付した事件
 一 議案第百三十九号(知事説明・質疑・表決)
 二 議案第百八号から議案第百三十八号まで、及び報第六号(質疑・委員会付託)
 三 一般質問
 四 請願付託
 五 休会決定の件
出 席 議 員(四十六人)
 1 番 大 沢 広太郎
 2 番 木 下 善 之
 3 番 小 川   武
 4 番 吉 井 和 視
 5 番 下 川 俊 樹
 6 番 井 出 益 弘
 7 番 藁 科 義 清
 8 番 門   三佐博
 9 番 永 井 佑 治
 10 番 新 島   雄
 11 番 向 井 嘉久藏
 12 番 佐 田 頴 一
 13 番 和 田 正 一
 14 番 阪 部 菊 雄
 15 番 西 本 長 弘
 16 番 馬 頭 哲 弥
 17 番 谷   洋 一
 18 番 長 坂 隆 司
 19 番 高 瀬 勝 助
 20 番 堀 本 隆 男
 21 番 宇治田 栄 蔵
 23 番 橋 本   進
 24 番 井 谷   勲
 25 番 玉 置 公 良
 26 番 上 野 哲 弘
 27 番 東 山 昭 久
 28 番 尾 崎 要 二
 29 番 野見山   海
 30 番 木 下 秀 男
 31 番 町 田   亘
 32 番 中 山   豊
 33 番 山 下 直 也
 34 番 鶴 田 至 弘
 35 番 森   正 樹
 36 番 村 岡 キミ子
 37 番 新 田 和 弘
 38 番 平 越 孝 哉
 39 番 森 本 明 雄
 40 番 神 出 政 巳
 41 番 松 本 泰 造
 42 番 冨 安 民 浩
 43 番 飯 田 敬 文
 44 番 中 村 裕 一
 45 番 松 本 貞 次
 46 番 大 江 康 弘
 47 番 和 田 正 人
欠 席 議 員(一人)
 22 番 宗   正 彦
説明のため出席した者
 知 事 西 口   勇
 副知事 山 下   茂
 出納長 高 瀬 芳 彦
 知事公室長 野 見 典 展
 総務部長 中 山 次 郎
 企画部長 藤 谷 茂 樹
 生活文化部長 中 村 協 二
 福祉保健部長 小 西   悟
 商工労働部長 日 根 紀 男
 農林水産部長 平 松 俊 次
 土木部長 長 沢 小太郎
 企業局長 佐 野 萬瑳義
 教育委員会委員長
    山 本   昭
 教育長 西 川 時千代
 公安委員会委員 高 垣   宏
 警察本部長 青 山 幸 恭
 人事委員会委員長
    若 林 弘 澄
 代表監査委員 宮 市 武 彦
 選挙管理委員会委員長
    谷 口 庄 一
 以下、各部局次長・事務局長・財政課長
職務のため出席した事務局職員
 事務局長 西 畑 彰 久
 次 長 中 西 俊 二
 議事課長 佐 竹 欣 司
 議事課副課長 島   光 正
 議事班長 松 谷 秋 男
 議事課主査 山 本 保 誠
 議事課主事 大 浦 達 司
 総務課長 塩 路 義 和
 調査課長 湊   孝太郎
 (速記担当者)
 議事課主任 吉 川 欽 二
 議事課主査 鎌 田   繁
 議事課速記技師 中 尾 祐 一
 議事課速記技師 保 田 良 春
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 午前十時三分開議
○議長(町田 亘君) これより本日の会議を開きます。
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○議長(町田 亘君) この際、報告いたします。
 知事から、議案の追加提出がありました。
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      財第152号
      平成8年9月30日
 和歌山県議会議長 町 田 亘 殿
    和歌山県知事 西 口 勇
 和歌山県議会平成8年9月定例会追加議案の提出について
 地方自治法第96条の規定に基づく議決事件について、下記のとおり議案を提出します。
     記
 議案第139号 平成8年度和歌山県一般会計補正予算
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 【日程第一 議案第百三十九号】
○議長(町田 亘君) 日程第一、ただいま報告の議案第百三十九号を議題といたします。
 議案はお手元に配付しておりますので、まず知事の説明を求めます。
 知事西口 勇君。
 〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) ただいま上程されました議案について、ご説明申し上げます。
 今回追加提案いたしましたのは平成八年度一般会計補正予算案でありまして、このたびの衆議院議員総選挙に伴う執行経費等の所要額を措置したものであります。
 何とぞ、ご審議の上、ご賛同賜りますようお願い申し上げます。
○議長(町田 亘君) 以上で、知事の説明が終わりました。
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 【日程第二 議案第百八号から議案第百三十八号まで、及び報第六号】
 【日程第三 一般質問】
○議長(町田 亘君) 次に日程第二、議案第百八号から議案第百三十八号まで、及び知事専決処分報告報第六号をあわせ一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第三、一般質問を行います。
 25番玉置公良君。
 〔玉置公良君、登壇〕(拍手)
○玉置公良君 皆さん、おはようございます。
 昨年の九月定例会において福祉のまちづくり条例の早期制定についてただしてまいりましたが、西口知事の早期英断で今議会に条例提案されましたこと、高く評価をしたいと思います。
 それではまず最初に、紀南への第一種公認の国際陸上競技場設置について質問をします。
 九月十六日に開催された和歌山県スポーツ・レクリエーション大会兼第三十二回県民総合体育大会に私も出席をさせていただきましたが、成功へ向けての県当局の取り組みに対し、まずお礼を申し上げておきたいと思います。
 大会前日の午後、私は白浜から和歌山までJR特急に乗ったとき、指定席はもちろん自由席も満席で、白浜から和歌山までずっと立ちっ放しでありました。私が乗った車両の人のほとんどは、翌日紀三井寺で開催されるスポレク大会に参加する紀南の子供たちや指導者でありました。
 私は、学生時代から陸上競技を続けてまいりました。二十五年前の高校生時代のことを思い出し、いつも県大会は紀三井寺まで来て一泊しなければならず、このことについては当時と何も変わっていないと感じました。その当時から県大会というと、公認の陸上競技場が紀南にないということで県営紀三井寺競技場に通ってきました。そして、宿泊しなくても参加できる競技場があればと、いつも思っていました。私が施設のすばらしさを知ったのは、二十歳のときです。東京で全国青年大会があり、四百メーター競技に出場し、タータントラックのすばらしい施設がある国立競技場で初めて走ったときの感動と喜びは今も忘れることなく、鮮明に記憶に残っています。
 また、西口知事におかれても、若いころスポーツマンとして、「紀南地方に西口あり」と名をはせたと聞いております。田辺商業高校時代には、中距離ランナーとして当時の中学記録を保持していたともお聞きをしています。そうした経歴の持ち主の方でありますから、トラック競技やフィールド競技にも十分な関心を持っていただいていると思います。
 ところで、和歌山県の体育施設の状況はどうでしょうか。平成六年度に和歌山県教育委員会が出している「和歌山県生涯スポーツの現状」によりますと、和歌山県下の公共スポーツ・レクリエーション施設は四百九十三カ所で、全国では、平成五年度の文部省の体育スポーツ施設現況調査報告によると六万二千七百八十六カ所であります。それぞれの人口比もあって単純には判断できませんが、和歌山県は多いとは言えない現状であります。陸上競技場は全国で七百五十七施設あり、和歌山県には七施設、その中で公認の陸上競技場は全国で六百八十五施設、和歌山県は平成六年度二月現在四施設で、府県別に見ると最低レベルであります。その中でも全天候型の競技場は、和歌山県には県営紀三井寺競技場一つしかなく、全国では残念ながら最下位であります。
 続いて、和歌山県の中・高校生の大会の現状はどうでしょうか。県大会を各地域で開催することは、競技力の向上や普及、指導者の育成等、いろいろな意味で重要であると私は考えています。和歌山県中学校体育連盟では、今年度、スポーツ振興とスポーツ水準の向上を図るため県下四地区で県大会を持ち回りしたそうでありますが、紀南地区での開催の際には、陸上競技の部は紀南地区で開催できず、県営紀三井寺競技場で開催せざるを得なかったようであります。高校の大会についても同様で、ほかの競技については紀南地区での開催はありますが、陸上競技を含む一部の種目は紀南地区で開催できずにいます。
 ご存じのように、全天候舗装競技場では天候により記録が左右されにくく、好記録が期待できます。また、大会の運営も天候に左右されず、そして一般開放すればトレーニングの効果も大きいところです。紀南地区の小・中・高校生にとっては、立派な施設がなく、記録を出す機会が少なく、記録も公認されないわけであります。どうか皆さん、この現状をぜひとも知ってほしいのであります。
 また、スポーツの競技力向上の面から考えてみますと、陸上・ホッケー競技では、近畿大会以上の公式大会は人工芝のグラウンドで行っており、人工芝のグラウンドが和歌山県にないため苦労していると聞いています。サッカーやラグビー競技においても、公式の大会は芝生のグラウンドで行われています。紀南地区には芝生のグラウンドが非常に少ないため、大会に参加しても芝生のグラウンドになれておらず力が発揮できないと聞いています。
 このように、公式大会と同じ条件の施設がないということは、競技面では大変不利になります。紀南に第一種公認の陸上競技場を設置し、またその競技場にフィールドでサッカーやラグビーができる芝生のグラウンドをつくれば、多目的に競技ができるようになります。
 こうしたこととともに、紀南地区の活性化と観光面から考えてみますと、高速道路の延伸や南紀白浜空港のジェット機を利用しての国際級の大会の誘致、またJリーグの試合や全国規模の大会の誘致が図られ、スポーツ観光としてすばらしい効果が得られるものと私は考えます。だれでもみんなが参加できるスポーツ施設の普及とともに高度な施設づくりは、この和歌山県にとって大変重要な課題であると考えます。
 私は、基本的には紀南地区に総合的なスポーツ施設を整備されることを切望していますが、今回は第一種公認の国際陸上競技場の設置に絞って質問をいたします。
 以下、三点について県当局の見解を求めたいと思います。
 第一点目は、県下の体育スポーツ施設の現状とこれからの課題について、及び紀南地区対策についてどのように考えているのか、お伺いします。
 第二点目は、県下のスポーツ振興とスポーツ水準の向上を図る観点からの対策、及び紀南地区対策についてお伺いします。
 最後の第三点目は、紀南地区にサッカーやラグビーなど多目的利用が図られる第一種公認国際陸上競技場設置についての県当局の見解を求め、紀南への第一種公認の国際陸上競技場設置についての質問を終わります。
 続いて、緊急的課題である公的介護保険制度の早期実現に向けて質問をしてまいりたいと思います。
 私は、高齢社会を迎えてますます深刻化する高齢者の介護問題について、もはや家族が担うという今までの日本型福祉社会は崩壊しつつあり、介護を社会化し、国民の公平な負担で介護を担っていくことが最も望ましい方向だと考えております。県議会においても慎重論の意見がありましたが、私は、今厚生省で検討されている公的介護保険制度はぜひとも実現をさせ、国民が社会連帯で介護問題を解決していくようにすべきだと考えております。
 このような観点から、公的介護保険制度に係る三点について県当局の見解をお伺いしたいと思います。
 まず初めに、公的介護保険の理念についてお伺いします。
 ご承知のとおり、平成元年十二月に策定されたゴールドプランを初め、福祉八法の改正、各都道府県及び市町村での高齢者保健福祉計画の策定、さらには新ゴールドプランの策定等、高齢者の介護に係る施策が推進されてきました。しかし、現行の制度は福祉、医療と縦割りとなっており、費用負担の問題や処遇の一貫性ができない等の問題が生じてきたため、新たな新介護システムの確立が求められるようになりました。そして昨年七月には、社会保障制度審議会が二十一世紀の社会保障体制の再構築に関する勧告を行い、その中で介護保険制度の創設が盛り込まれました。また、高齢者介護・自立支援システム研究会では、高齢者介護を「最期をみとる介護」から高齢者の「生活を支える介護」への転換を示唆し、四つの理念を掲げました。その一つは高齢者自身による選択、二つ目は介護サービスの一元化、三つ目はケアマネージメントの確立、そして四つ目は社会保険方式の導入であります。さらに、老人福祉審議会の議論、諮問、答申を経て現在に至っています。現在、厚生省では政府・与党との協議を行い、厚生省案として四十七都道府県に説明会等を開催しております。
 さて、この間、審議会、厚生省、与党の議論が迷走し、マスコミからさまざまな批判を浴びましたが、国民の新介護システムへの期待には高いものがあるということが各種世論調査の結果にあらわれております。例えば、読売新聞平成七年七月の調査では六七・五%、総理府平成七年九月八二・三%、毎日新聞平成七年九月八七%、NHK平成七年十一月九四%、朝日新聞平成八年二月六〇%、さらにこの七月の共同通信の世論調査では七九・四%という高い支持率を示しております。これらの国民の期待にこたえていかに高齢者の新たな介護システムをつくり上げるかが今求められているところであります。
 そこで、県当局に、この公的介護システムを実現するために和歌山県としてとるべき施策をどのように想定しているのか、ご見解をお伺いしたいと思います。
 次に、必ずしも積極的でない市町村にどう対応するのか、お伺いします。
 この公的介護保険制度の議論が始まって以来、全国市長会、町村会等の地方自治体から猛反発がありました。第二の国保になる、保険料の徴収をどうするのか、サービスの基盤整備をどうするのか等々の反対意見が相次ぎました。しかし、介護保険になれば現行の制度より地方負担が減ることや──例えば市町村の介護費用負担額は、厚生省の計算例によると、在宅サービスのみを実施した場合で三百億円、在宅と施設を同時に実施した場合で二千二百億円軽くなると言われております──また、医療費と違って介護は定額方式となり支出が安定していくことなど、地方への説明不足が反発を招いたと私は考えております。
 私は、市町村は介護保険から逃げることなく県民のニーズに積極的にこたえていくべきだと考えております。これら必ずしも積極的でない市町村に対して県当局は具体的にどのように対応するのか、お聞きしたいと思います。
 次に、基盤整備をどう進めるのかについてお伺いします。
 私は、公的介護保険制度に係る深刻な問題点は、財政システムにあるのではなくサービスの質と量にあると考えています。つまり、現在の新ゴールドプランのサービスの量では、この介護保険の理念である高齢者の自立支援が達成できないと考えるからであります。また、県民が望むサービスの質を向上させることも大きな課題であると考えております。これらを実現するためには、新ゴールドプランを超えたスーパーゴールドプランが必要になってくると思います。これらの基盤整備に対して、市町村任せではなく、県当局が主体性を持った施策を実行していくべきだと考えておりますが、ご見解をお伺いしたいと思います。
 続いて、最後になりますが、紀南への福祉の大学院や専門学校の設置について質問をしてまいります。
 私は、昨年の六月定例会で、紀南に福祉専門学校の設置の提言を仮谷前知事に行いました。そのときの質問を改めて申し上げてみますと、「施設福祉や在宅福祉の充実のために何といっても重要なことは、マンパワーの育成と確保であります。私は、高齢化、そして過疎化を逆手にとり、和歌山の紀南地方を福祉先進地として位置づけ、日本一の医療、保健、福祉の人材育成を進めることがかぎであると思います。時代は進んでおり、先に知恵を出した町が勝ちであります。これからの町おこしは、ハード面から人材育成というソフト面への取り組みが大変大事であると思います。本県が高齢者福祉先進県になっていくためには、マンパワーの確保が介護システムの構築と介護の安心基盤づくりのために最も重要な課題であると私は考えます。そして、そのことが紀南の過疎化を解決し、若者が定着できるキーワードになると確信します。全国平均より十年高齢化が早いと言われる本県は、その高齢者施策、とりわけ人材育成についても十年他府県よりも進んでいると胸を張れるよう、ぜひとも知事の英断で紀南への専門学校の設置をお願いするものであります」と訴えました。仮谷前知事からは、「紀南地方への養成学校の設置につきましては、貴重なご意見であり、福祉施設の充実がこれからの社会形成の上において重要な課題であると考えているところであり、提言の趣旨を踏まえて勉強してまいりたいと思っています」という前向きな答弁をいただきました。以降この一年余り、私自身も実現に向けて調査研究を重ねてまいりました。
 昨年の十一月には、広島県が平成七年四月に三原市に開校された県立保健福祉短期大学を視察調査してまいりました。全国平均より高齢化が進んでいるため人材がより早く欲しいとのことからいち早く福祉の人材の長期需給計画を平成三年度に立て、平成四年に準備委員会を発足させ、そして昨年四月に開校させました。事業費はすべて県費で百七十億円、備品等に十億円の予算を組んで設置しましたが、受験者の競争倍率は八倍と高く、言語療法士などは九倍の競争率でありました。人口八万五千人という三原市の町への経済効果も大きく、若い人たちがふえてきており、新しい商店もでき、地元に大学を支える会ができるなど、町おこしにも大きく貢献しているのであります。
 また、ことしの六月には、北海道栗山町立北海道介護福祉学校へ調査に行きました。平成元年三月に百六十名の定員で発足し、人口一万六千五百二十人の町おこしに大きく貢献をしています。時代を先取りして学校をつくったことや、国際化との関係で福祉先進地のフィンランドと都市提携を行うなど、ユニークな取り組みをしています。この設立によってアパートが建ち、地元の祭りに生徒が参加するなど、町の中に活気が出てきています。さらに、土・日のアルバイトなど、労働力の提供の面においても貢献をしてきています。
 二カ所の視察調査で共通して言えるのは、高齢社会を逆手にとり、時代を先取りした福祉の人材づくりをするため全国から若者を県内へ呼び込み、町おこしに成功しているということであります。
 公的介護保険が導入されれば、二十四時間対応の介護や訪問介護、訪問リハビリなどに必要なマンパワーがますます重要になってきます。例えば、厚生省はホームヘルパーを二〇〇五年には三十四万人、二〇一〇年には五十六万人必要としていますが、これでも不足になってきます。また、介護福祉士等の養成についても、若者だけでなく、子育てを終えた主婦や元気で社会参加や生きがいを求めている高齢者の方々の人材育成も積極的に進めていかなければならないと思います。さらに、介護や看護、生活援助には若者の手が欠かせません。ところが地方の若者は、学ぶ場や働く場が少ないということで都会に出ていきます。出ていくというより、逆に全国から若者を集める装置が大学院であり、専門学校であります。紀南の地にこそ、基本的な技術・知識を身につける学校はもちろん、より高度な技術・知識を身につける学校、大学院が必要であります。
 例えば、介護福祉士は全国に数多くありますが、より高度の技術・知識を身につけたい人たちが学べるところのないのが現状であります。また、子育てを終えた主婦や社会人が勉強して資格を取れる学校の必要性など、県内はもちろん、全国から来られる福祉の大学院や専門学校の設置が今強く求められていると私は思います。
 そこで、県知事としての所見を求めたいと思います。
 一つ目は、昨年の六月定例会で、専門学校の設置については提言の趣旨を踏まえ勉強してまいりたいとの仮谷前知事の答弁がありましたが、それ以降どのような取り組みをされてきたのか。また、昨年から厚生委員会でも意見を申してきた福祉の人材の長期需給計画について、具体的に明らかにされたいと思います。
 二つ目は、私の提言した福祉の大学院や専門学校構想についてどのような考えを持っておられるのか、西口知事の所見をお伺いしたいと思います。
 三つ目は、県の重要課題として担当職員を位置づけて主体的に取り組むべきだと思いますが、どのような計画や支援があるのか明らかにされることを求めて、私の質問を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。
○議長(町田 亘君) ただいまの玉置公良君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
 〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 玉置議員にお答えをいたします。
 まず、公的介護保険に関するご質問でございます。
 今日、我が国における急速な高齢化の進展に伴い、介護が必要な高齢者が増加しております。同時に、介護の長期化や重度化が進んでおり、介護の問題は老後生活における最大の不安要因となっております。
 老後の介護不安を取り除き、さらに人生の最期まで人間としての尊厳を全うしたいという願いにこたえるためには、家族愛に根差し、国民の共同連帯によって高齢者が自立した生活を送れるような公的介護保険制度の実現というのは、私も強く願っております。しかし、制度の創設に当たっては、国民の十分な理解と合意が重要であると考えております。そのためにも、市町村、県民からの意見等を収集し、必要に応じて国へ要望していきたいと考えております。
 次に、福祉の専門学校等の紀南地方への設置については、前仮谷知事時代に議員からご提言をいただいておることは承知しております。
 人材育成機関の設置につきましては、今後の本格的な高齢化社会への対応とあわせて、地域振興を図る観点からも大変重要な課題であると存じております。
 既に民間では、本年は和歌山市に、さらに明年は中紀地方に設立の動きがあります。今後とも、福祉の人材に対する需要などを十分把握して、その動向を勘案いたしながら鋭意研究を重ね、検討してまいりたいと考えております。
 以上であります。
○議長(町田 亘君) 福祉保健部長小西 悟君。
 〔小西 悟君、登壇〕
○福祉保健部長(小西 悟君) 玉置議員ご質問の、公的介護保険制度の早期実現に向けての二点についてお答えをいたします。
 まず、必ずしも積極的でない市町村への対応についてでございますが、県内各市町村においては、高齢者の介護は極めて重要な課題であり、その緊急性についても十分認識の上、介護サービスの充実に最大の努力を払っているものと考えております。そうした中で、介護保険制度の導入については、将来にわたり安定的な社会システムとして運営していくことが重要との認識のもと、財政及び事務運営等の問題点を要望しているところでございます。県といたしましても、厚生省担当官を招き、市町村等関係者に対して説明会を開催したところでございます。今後も、保険者として予定されている市町村が安定した事業運営を行えるよう、国に強く働きかけてまいります。
 次に、基盤整備についてどう進めるかについてでございますが、県においては平成五年に和歌山県老人保健福祉計画を策定し、その目標の達成に向けて努力しているところであり、現在のところ、計画に対する整備はほぼ順調に進んでいるところでございます。また、介護保険制度導入に当たって介護に関するサービス基盤の整備を計画的に進めるため、国において市町村介護保険事業計画及び都道府県介護保険事業支援計画に関して検討されていると聞いております。県といたしましては、こうした国の動向を踏まえ、市町村とも十分協議しながら、県民の皆様が安心して介護サービスを受けられるよう、質・量の整った計画を策定してまいりたいと考えております。
 次に、紀南に福祉の大学院や専門学校の設立を求めるとの三点についてお答えを申し上げます。
 議員ご質問の、昨年六月定例会における答弁以降の取り組みについてでございますが、これまでに、県内の福祉職場等に対し、福祉職場に勤務する職員の実態等についてアンケート調査を行うとともに、他府県の福祉・保健・医療マンパワーの確保対策について状況把握に努めているところでございます。
 次に福祉人材の長期需給計画については、本格的な高齢社会への対応は重要な施策と考えており、計画を作成するに当たり、早期に県内の福祉・保健・医療従事者の現状や需要等の調査を実施したいと考えてございます。これらの需要調査の状況を見きわめながら各職種の状況把握をし、さらに研究を進めてまいる所存でございます。
 次に、県の重要課題としての位置づけやどのような計画、支援があるかについてでございますが、知事が答弁申し上げましたとおり、人材の育成は、本格的な高齢化社会への対応を図る観点から重要な課題と考えております。今後、各種の調査結果等の動向を見きわめながら、引き続き検討してまいります。また、人材育成についての相談に対して適切な指導・助言に努めてまいります。
 以上でございます。
○議長(町田 亘君) 教育長西川時千代君。
 〔西川時千代君、登壇〕
○教育長(西川時千代君) 体育スポーツ施設の現状と課題、及び紀南地区対策についてお答えいたします。
 本県の体育スポーツ施設の現状につきましては、議員ご指摘のように十分とは言えない状況にございます。今後、スポーツの振興を図る上で、トップレベルの大会が開催でき、また県民が身近に利用したりスポーツを楽しめる場としてのスポーツ施設の整備充実が重要であると考えてございます。
 現在建設が進んでいる多目的ホールはこうした条件を備えた施設の一つでありますが、紀南地方においては課題があると考えてございます。
 次にスポーツの振興についてでありますが、近年スポーツへの関心が高まり、日常生活の中でスポーツを行う人や頂点を目指す人、あるいは見て楽しみや喜びを感じる人など、その目的も多様化してきております。このため、ニュースポーツの紹介や各種大会、スポーツ教室の開催、プログラムの提供、指導者の育成などの事業を実施し、県民のニーズにこたえられる環境づくりに努めているところであります。今後とも、各市町村や競技団体等と連携を図りながら、より一層充実させてまいりたいと考えております。
 また、スポーツ水準の向上につきましては、勝利に向けて懸命に取り組む姿は人々に大きな感動や活力を与えますし、学校や地域の活性化にもつながると考えます。そのため、中学校・高等学校一貫した指導体制の確立や指導者の育成、地域を挙げての取り組み、企業との連携など、全県的な視野に立ったスポーツ水準向上対策を推進しているところであります。
 特に紀南地方については、伝統ある合気道や全国的なレベルを有する弓道あるいはカヌーなどの競技もあることから、今後とも地域に定着したスポーツ活動を積極的に支援してまいりたいと考えます。
 次に第一種公認の陸上競技場の設置についてでありますが、このことにつきましては、本県の地理的特徴や地域的バランス、二巡目国体の開催を視野に入れた全県的な体育スポーツ施設のあり方、さらには南紀スポーツセンターの再開発をも含め、スポーツ振興審議会で論議いただいているところであり、今後幅広く研究してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(町田 亘君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 25番玉置公良君。
○玉置公良君 ご答弁、ありがとうございました。三点質問いたしましたけれども、それぞれについて要望のみをしておきたいと思います。
 まず第一に、紀南への第一種公認国際陸上競技場設置についてでございますけれども、この夏、アメリカで開かれたアトランタオリンピックがございました。我が日本選手団のメダル獲得数は、戦う前の予想とは裏腹に、金メダルが三個、銀メダルが六個、銅メダルが五個の、総メダル数十四個──比較の仕方もあれですけれども、例えばお隣の韓国に比べて総メダル数で十三個も少ない結果となっております。特に、水泳や体操、柔道関係者の方々はオリンピックの結果に目を白黒させたと聞いております。また、大会後、スポーツ関係者の間では、幼児や少年時代からスポーツ選手を育成するとともに助成をしていく活動に力量を置くシステムが中国を初めとするほかの諸外国に比べておくれているんではないかと、こういう指摘がされたと聞いております。この育成や助成をしていく活動での取り組みについては、ソフトの面では指導方法の見直しを図るなどすればクリアできると思いますけれども、ハード面を見てみると、やっぱりスポーツ施設が整備されていないと幾らソフト面の強化を図っても絵にかいたもちで、選手の質的向上はあり得ないと思います。
 また、本県では国体選手も活躍されておりますけれども、残念ながら年々目立たなくなってきていると聞いておりますし、さらに都道府県の団体順位は年々低下をしており、昨年は三十八位だったと聞いております。県としても、選手の強化対策事業として四つの事業を合わせて八千七百万円余りの予算を組んで一生懸命取り組んでおられ、このことについては敬意を表したいと思いますけれども、やはり私は、選手の強化策の一環としてハード面での整備が何よりも大事であると思っております。なぜなら、ソフトの面では、本県には過去にすばらしい実績を残された名コーチや名指導者がたくさんおられると聞いております。したがって、まず第一に施設の整備に重点を置いて取り組まれることを強く求めておきたいと思います。
 そして、先ほども質問いたしましたように、紀南の小・中・高校生には立派な施設がなくて記録を出す機会が少ない、紀南には公認の競技場がないので幾らよい成績を出しても記録が公認をされない。このようなことを解消していくためにも、ぜひとも紀南地区に公認の陸上競技場が一日も早くつくられるよう要望しておきたいと思います。
 続いて、公的介護保険制度についてであります。答弁を聞きました。県内市町村の導入についての必要認識が高いと聞き、少し安心をしております。
 人生のサイクルの中で、働く時期とそれに連なる引退時期に対応する社会保障の制度は、一応整っていると思っております。病気になったら医療保険、仕事中のけがには労災保険、失業には雇用保険、引退後の所得保障には年金保険、最低の支えには生活保護制度があります。ところが考えてみますと、人生の最期を締めくくる部分を支える社会保障というのは、まるでお寒い限りであると思います。体が弱ったときの支えである介護社会制度として確立して初めて、人生が幸せだと言えると思っております。そのためにもこの公的介護保険制度の導入について、県としても積極的に取り組まれることを要望しておきたいと思います。
 最後の、福祉の人材育成をする大学院や専門学校の設立についてでございます。福祉の人材の長期需給計画については、答弁を聞いておりますと、一年前に質問させてもらって以降、それぞれ努力したと思いますけれども、県の取り組みは大変遅いと感じました。大変重要な課題であると思いますので、早急に取り組まれることを要望しておきたいと思います。
 また、福祉の人材を育成する大学院や専門学校を県立で設立するということについては、今回答弁を聞いていても消極的であると私は感じました。民間主導型でいきたいという考えであるようにとらえましたけれども。
 今、私の住んでいる田辺・西牟婁地域では、福祉に関心のある方や仕事のために勉強したい方々が──私も入れてもらっております──そういった勉強会を定期的に行っております。そうした方々が中心になって、紀南に福祉の人材育成をするための大学院や専門学校をつくろうという声が上がってきているんです。近々準備会を発足して、どのくらい金が要るのか、どういう教授陣が要るのかも含めて準備会で考えていこうじゃないかと、こういうことになってきております。私は、去年からただしているように、やっぱり県立で設立していくのが本来であり、願いでもあります。しかし、こうした答弁を聞きましたし、そればかり言うていても進みませんから、また今、紀南地方でも民間主導型でつくっていこうじゃないかという機運が上がっておりますので、県としてもこういった取り組みに対し、県立で設立するくらいの気構えで積極的に支援をしていただきたい。このことも要望して、以上三点については要望として終わりたいと思います。
○議長(町田 亘君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で玉置公良君の質問が終了いたしました。
○議長(町田 亘君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 26番上野哲弘君。
 〔上野哲弘君、登壇〕(拍手)
○上野哲弘君 一般質問を行います。
 まず最初に、地方分権について質問いたします。
 平成五年六月に、憲政史上初めて衆参両議院において地方分権の推進に関する決議が全会一致で採択されました。これを受けて昨年五月に地方分権推進法が五年間の時限立法で成立し、いよいよ地方の時代が具体化されようとしています。
 地方分権の推進は国を挙げての課題であり、中央省庁も積極的に取り組んでいただけるものと思いますが、現実には、各省庁のみずからの権限を守ろうとする姿勢が非常に強いと聞いております。我々はこの壁を打ち破り、真の意味での地方分権を実現するためには、地方自治体側に、国からの権限を譲ってもらうのではなく奪い取るものだという気概が必要だと考えております。そのためには、行政と住民が一体となって地方分権を実現する機運を地方から盛り上げていくことが不可欠であります。
 先日、本県において地方分権推進のためのシンポジウムが開催され、熱気あふれる議論が交わされたことはまことに意義深いことだと、大いに評価するところであります。シンポジウムにおけるパネルディスカッションにおいてパネリストの松原弁護士は、地方分権になると三つのことが実現すると発言されました。一つ目は逃げない行政の実現、二つ目は行政サービスへの競争原理の導入、三つ目はふるさとづくりの夢を安心して語れるようになる、というものであります。私も、そのとおりかと思います。
 地方分権により地方自治体のみずから治める責任の範囲は飛躍的に拡大し、地方の職員も、事務を進めるに当たり、国の各省庁の指示を口実にして主体的な判断を回避することが困難な事態に直面し、安易に各省庁の指示を仰ぐこともできなくなります。地方自治体はこれまで以上に地域住民の期待と批判に鋭敏かつ誠実に応答する責任を負うことになり、「逃げない行政」が実現されるものと思います。また、国の縦割り行政の弊害が是正され、地方自治体は地域の総合的な経営主体として、他の地域と競争しつつ、地域の実情に則した自主的かつ責任ある行政が展開できるようになり、住民へのサービスが向上するものと考えられます。さらに、国がつくった画一的な基準に縛られることなく地域の個性を競うことができるようになり、多様で魅力ある地域振興が図られるものと思います。しかし一方で、地方自治体の責任がそれだけ増すことになるわけであります。
 県には地方分権の時代に対応するための体制づくりが求められていると思いますが、本県の現状と地方分権に関する知事の所見をお伺いいたします。
 それでは、各論についてお伺いいたします。
 他府県での一連のゼネコン汚職事件を契機として、地方分権により地方の首長の権限が強化されると地方での不祥事がふえるとの意見が出されています。私は、このような意見は極めて短絡的な発想であると思いますが、こういった分権慎重論に対する知事の所見をお伺いします。
 引き続き、総務部長にお伺いいたします。
 まず財源問題についてでありますが、地方分権を実効あるものとするためには、国と地方の税体系、補助金・負担金のあり方など、財政、税制のあり方を抜本的に見直し、地方の事務量に見合った財源を地方が確保する必要があると思います。本県としては、分権に見合う税についてどのように考えておられるのか、お聞かせください。
 次に、当面、都道府県により重点を置いて国からの権限移譲が進められるようですけれども、私は最終的に、住民により身近な存在であり地域づくりの主体である市町村への移譲を進めることが必要と考えています。県と市町村との関係は今後どのようにあるべきか、お伺いいたします。
 また、地方分権が推進された場合、国から地方に権限が移譲されることになります。地方分権を進める上で、市町村は広域行政を推進し、その受け入れ体制を整備する必要があると思いますが、あわせて県の役割をお伺いいたします。
 市町村が地方分権に対応するためには、従来からの「国が考え、地方が実行する」という体制から「地方がみずから考え、みずから実施する」体制への移行を行う必要があると考えます。こういった意味で、平成元年のふるさと創生一億円事業は、地方の知恵や能力をはかる試金石であったと思います。ふるさと創生事業の内容と成果はどのようなものであったのか、所見を伺います。
 以上、地方分権に関してさまざまな観点から質問申し上げます。明快な答弁をお願いするところであります。
 続きまして、紀南地方における医療・福祉ゾーンの確立についてであります。
 ただいま玉置議員から、医療・福祉に関する総論について詳しく発言がありました。私の方は少し各論になろうかと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 今日、我が国においては、これまで経験したことのない高齢化社会が到来しております。国におきましては、将来の国民福祉の充実に向かって介護保険の導入を考えており、最重点の国民的課題として高齢化対策が進められておるところであります。また、地方分権にもありますように、国、県、市町村の行政のあり方について論議されているところでもあり、また地方においては、一自治体のみの行政ではなく広域行政の必要性が叫ばれておるところでもあります。
 そのような観点から、紀南地域における医療・福祉について県当局の所見をお伺いいたします。
 これまでの行政は、国、県、市町村と縦に流れているため、縦割り行政と言われるゆえんであります。この際、地方分権の一環として、県主導による横割り行政の推進を強く求めるものであります。
 そのような中、前段でも申し上げましたように、高齢化社会に向けての整備、すなわち高齢者にとって自由で快適な生活を送れる住みやすい地域づくりとして、平成元年、厚生省においてふるさと21健康長寿のまちづくり構想が打ち出され、新宮市が地域指定されたところであります。現在、県開発公社の造成による新宮市佐野・蜂伏地域には公的施設、民間施設が整備されております。その内容は、次のとおりであります。県立みくまの養護学校、県立なぎ看護学校、第三セクター方式による健康増進センターピーアップ・シングウ、医療法人による老人保健施設みさき、社会福祉法人による特別養護老人ホーム温泉ハウスくまの等が運営されております。また、地域医療の中核として、病院も当地への設置を考えておるようであります。
 そこで、お伺いいたします。
 これだけの施設が集約された地域は県下でもないようでありますが、さらに保健婦養成あるいは理学療養士等福祉大学的施設も考えられると思います。また、この点につきましては、当地域は三重、奈良、和歌山の三県による施設も考えられると思いますので、所見をお伺いいたします。
 その目的とするところは、さらなる施設の整備により広域的医療・福祉ゾーンとして確立されれば、二十一世紀に向けて特色ある地域づくりを目指せるものと思いますが、いかがでしょうか。
 先日、NHKテレビの番組で介護移住が取り上げられておりましたが、医療・福祉と移住における住宅地の販売についてお伺いいたします。
 その放映内容でありますが、淡路島五色町のことであります。町長みずから移住のための町造成地を販売しており、その販売手段として老後の保障を購入者に植えつけていたと思います。当蜂伏団地周辺が医療・福祉ゾーンとして確立されれば全国的にも注目されると思いますが、県及び開発公社の今後の販売対策と残地の概要及び利用目的について所見を伺うものであります。
 当然ながら、介護移住は年金生活者がその主な対象となりますが、五色町の福祉対策の一環としての介護移住について、その所見をあわせてお伺いいたします。
 続きまして、新宮港第二期整備事業についてお伺いいたします。
 新宮港につきましては、一昨年の議会で質問いたしました。当時は巴川製紙新宮工場の閉鎖が問題となり、二期工事にも少なからず影響があったと思われますが、私の質問に対して山根土木部長から次のような答弁がありました。巴川製紙が閉鎖になっても新宮港二期工事は何ら変更がない、むしろ新たな地域振興を考える上で港の活用を積極的に推し進めたい旨の発言であったと思います。それから約二年、国の第九次港湾整備五カ年計画にも組み入れ、早期に事業着手を図るべく地元市町と話を進められていると伺っておりますが、二期工事のタイムスケジュールについて答弁を求めるものであります。
 ご承知のとおり、新宮港の管理者は和歌山県であります。港は県がつくるものであるならば、なぜこのように遅延してしまったのか。新宮市あるいは那智勝浦町双方の納得のいく話し合いができていなかったことも一つの原因ではあったと思いますが、県がその問題とするところをもっと的確に把握して対処すべきではなかったのか。その点についてお伺いしたいと思います。それと申しますのは、この事業着手ができないのではないかと、地元において不安を感じている人もおられますので、心強い答弁をお願いするものであります。
 古い話になりますが、昭和四十四年八月二十七日、那智勝浦町宇久井から新宮港第一期事業着手に際して数項目の要望提示があり、その実現を条件に承認するとなっております。その主なものに宇久井港の整備と同港域の開発が示されているわけですが、その点についてどのように対処されたのか。港湾整備はもとより、地域振興の面からお伺いいたします。
 新宮港は、今さら申すまでもなく、紀南地域の産業振興の一つの起爆剤として期待している一方、否定的な人々も少なくありません。それと申しますのは、港を活用するためのバックボーンが小さ過ぎるからであります。私も、今のままで推移するならば余り期待できないと思いますが、しかし我々としては、あらゆる可能性を求めて突き進むしか道がないと考えております。
 先日、太平洋新国土軸建設促進議員連盟において、多くの先輩・同僚議員とともに紀淡海峡を渡り、神戸まで最新の高速船ジェットフォイルに同乗いたしました。時速八十四キロ、快適な船旅で、海の交通に対して再認識したところであります。今後ますます技術が進歩し、テクノスーパーライナーのような大型高速船が島国である日本の周辺あるいはアジア地域を濶歩する時代が到来すれば将来においてこの新宮港の位置が重要視されるものと思いますが、当局の所見をお伺いいたします。
 続いて港と道路についてでありますが、新宮港の活用に真剣に取り組むならば、港と直結した幹線道路が必要となってきます。高速道路紀南延伸もさることながら、五條・新宮間の高規格道路がその第一義と考えます。将来は太平洋新国土軸に直結し、紀伊半島縦貫道路としてはもとより、舞鶴からの日本海太平洋道路として注目を浴びることになろうかと思います。この道路の最近の状況をお聞かせ願います。
 次に湾と地域振興についてでありますが、現在はもとより将来においても日本全国四十七都道府県中で海のない県は、群馬、栃木、埼玉、長野、山梨、岐阜、滋賀、そして奈良県であります。この奈良県に対して、地域振興を考える上で海の活用を、行政はもとより民間団体にも広く呼びかけることが必要かと思います。奈良県とは国道百六十八号、百六十九号でつながっており、海の振興を考える上で、また宇久井側の振興策の一環として、奈良県海の家などの誘致も考えられると思います。
 さて、今、那智勝浦町宇久井の振興策について一部触れましたが、最後に私は、新宮市と那智勝浦町にまたがる港湾整備と地域振興の基本について申し上げたいと思います。
 これまでの一般質問は、ほとんど地域振興で終始いたしました。この地域振興を考える上で一番問題となるのは、縦割り行政であります。すべての公共事業は国、県、市町村とつながっており、この港にしても、国、県、新宮市が主体となっています。しかし、航空写真で上から見ますと、この湾は新宮と那智勝浦が共有しているわけです。そうならば、なぜ同一認識でこの事業を進めなかったのか。今、縦でなく、横のつながりが叫ばれております。港湾整備における県の役割について、広域行政の観点から所見をお伺いします。
 以上、第一問を終わります。
○議長(町田 亘君) ただいまの上野哲弘君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
 〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 上野議員にお答えをいたします。
 地方分権についての所見ということでございますが、和歌山に住む私たち自身がみずからの創意と責任のもとに、住んでよかったと言える和歌山をつくるためには、必要以上の国の関与をなくし、国から地方への権限移譲と事務量に見合う財源を確保することが不可欠であると思っております。
 特に財源の確保につきましては、地方分権が名ばかりの分権とならないように、地方分権推進委員会の勧告を控えた今こそ本音の議論を大いに行うことが必要であると思っております。また、真の意味での地方分権を実現するためには、広範な世論の高まりが必要であります。その意味で、先日、地方分権推進のためのシンポジウムを開催いたしましたところ、多数の県民の皆様にご参加をいただき、熱気あふれる議論を交わしていただくことができました。今回のシンポジウムは、県民の皆さんと行政が一体となって地方分権の実現に取り組む契機となったものと思っております。
 なお、本県における体制づくりに関しましては、地方分権に対応した行財政運営を進めるための新しい体制づくりを目指し、行政改革を進めているところでございます。
 次に、地方分権により地方での不祥事がふえるなどという分権慎重論も一部にあることは、承知をいたしております。こういった考え方は、議員ご指摘のとおり、極めて短絡的な発想であろうと思っております。むしろ、地方分権の推進に伴い、住民に身近なところへ権限が移譲されることになりますので、国に権限が集中している現状と比較して、住民への情報提供、参加機会の拡大等の方策をとることにより、行政執行に対する住民のチェック機能も強化することができるというふうに考えております。
 他の問題は、関係部長から答弁いたします。
○議長(町田 亘君) 総務部長中山次郎君。
 〔中山次郎君、登壇〕
○総務部長(中山次郎君) 地方分権に関する四点についてお答えを申し上げます。
 まず、分権に見合う税についてでございますが、現行の地方税制につきましては、地方の歳出規模に比べて地方税収の割合が小さいことや、都道府県税が景気の影響を受けやすい不安定な構造になっているなどの問題があると指摘されてございます。
 地方分権の推進が時代の要請となっている今日、地方公共団体がその責任を適切に果たしていくためには裏づけとなる財源の確保が重要でございまして、この財源の充実確保を図るため、安定的で伸長性のある税体系の確立等について引き続き国に対して要望してまいりたいと考えてございます。
 次に分権における県と市町村の関係についてでございますが、県勢の発展には、県と市町村が適切なパートナーシップに基づいて相互協力関係の一層の強化を図ることが必要でございます。そのためには、各市町村がそれぞれの歴史、文化、自然条件などの個性を生かした、多様で活力ある町づくりを進めることができますように、市町村の自主性、自立性を確保しなければならないと考えてございます。
 今後とも、住民に身近な行政は住民に身近なところで処理することを基本に、国から地方への分権の動きに並行して、県から市町村への権限移譲等について、市町村のご意見をお伺いしながら積極的に進めてまいりたいと考えてございます。
 次に分権を進める上での広域行政についてでございますが、地方分権という時代の大きな流れの中、将来、国から地方に権限移譲されることが予想されまして、住民に最も身近な地方公共団体である市町村が今後重要な役割を担うものと考えてございます。このような状況におきまして、多岐にわたる行政施策を効率的に実施していくためには、市町村の区域を超えた広域行政の推進ということが今後ますます重要になってくるものと考えてございます。
 市町村が広域行政を推進する手段といたしまして、これまで一部事務組合や協議会等の制度の活用が図られてきたところでございますが、平成六年の地方自治法の改正によって国等からの権限移譲に対応できる広域連合制度が創設されるなど、広域行政推進体制も多様化しているところでございます。
 今後は、それぞれの市町村の地域の状況を勘案しながら、地方分権推進の担い手としてふさわしい、より効果的な広域行政が展開されますよう、県としても適切な指導を行ってまいります。
 次に、分権の試金石としてのふるさと創生事業についてでございますが、議員ご承知のとおり、昭和六十三年度から平成元年度にかけての、地方が知恵を出して国が支援するという新しい発想に基づくみずから考えみずから行う地域づくり事業、いわゆるふるさと創生一億円事業を一つの契機といたしまして、本県の各市町村においても、温泉開発等、地域の特性を生かした個性豊かな地域づくりの取り組みが行われてきたところでございます。
 このふるさと創生一億円事業は、全国の市町村に対して一律に一億円が交付され、市町村は住民の意見等を取り入れて地域の特性を生かした各種事業を実施するということでありまして、本県の各市町村においても、それぞれの地域の特性を生かした事業に活用されているところでございます。県といたしましても、これら市町村の自主的、主体的な町づくりへの取り組みに対し、今後も積極的に支援してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(町田 亘君) 福祉保健部長小西 悟君。
 〔小西 悟君、登壇〕
○福祉保健部長(小西 悟君) 上野議員ご質問の、紀南地域における医療・福祉ゾーンの確立についての二点につき、お答えいたします。
 紀南地域における人材育成機関として、昨年四月、新宮市になぎ看護学校を開設してございます。また新宮市は、全国に先駆けて厚生省のふるさと21健康長寿のまちづくり構想に基づいてその指定を受け、平成元年度に基本構想を策定し、蜂伏地区を福祉エリアゾーンと位置づけて計画の推進が図られたところでございます。
 議員のお話のとおり、当該地区には各種福祉施設等の集積が進み、福祉エリアゾーンとして整備が進んできているところでございます。県といたしましても、今後も新宮市が進める保健・福祉・医療の計画に対し、十分協議してまいりたいと存じます。
 次に介護移住についての所見でございますが、五色町のケースはその地域に合った特色ある施策であると考えておりますが、こうした施策についても今後の参考とさせていただき、さらに個性豊かな魅力ある福祉の基盤づくりに向け、市町村と協議しながら推進してまいりたいと思います。
 以上でございます。
○議長(町田 亘君) 企画部長藤谷茂樹君。
 〔藤谷茂樹君、登壇〕
○企画部長(藤谷茂樹君) 上野議員のご質問にお答え申し上げます。
 新宮蜂伏団地は平成二年四月より分譲開始し、一般分譲区画数四百区画に対し七年度末までの分譲数は百八十区画で、残区画は二百二十区画でございます。また、公益施設用地には健康・医療及び福祉施設が建設され、徐々にではありますが、団地内も熟成しつつあります。
 議員ご指摘のように、当団地には健康・福祉施設が集約された形で立地してございますが、さらに背後地には熊野の山々、前面には太平洋が広がり、自然環境がすばらしい土地でもございます。
 残区画の販売促進につきましては、現在、土地需要が低迷している状況でございますので厳しいものがございますが、こうした当団地の特性をPRし、地元新宮や東牟婁地域だけではなく京阪神地域にも販売網を広げるとともに、ふるさとで暮らしたいと考えているUターン希望者や自然豊かなところで過ごしたいと考えている都市住民にもターゲットを当て、分譲促進に努めてまいりたいと考えてございます。
 当団地は、いまだ多くの未分譲地を抱えてございますが、今後、公的利用も含め、一日も早く成熟した団地として地域の発展に寄与できるよう、地元新宮市のご協力も得ながら、直接当団地の管理・販売に携わっている県土地開発公社ともども知恵を絞ってまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(町田 亘君) 土木部長長沢小太郎君。
 〔長沢小太郎君、登壇〕
○土木部長(長沢小太郎君) 上野議員の、新宮港第二期整備事業についてのご質問にお答えいたします。
 まず最初に進捗状況についてでございますが、新宮港は新宮市及び那智勝浦町にまたがっており、紀伊半島南部に立地する唯一の外貿港湾でありまして、この港を紀南振興の重要な拠点と位置づけております。
 そこで、昭和四十五年から昭和五十四年に整備した第一期計画に引き続き、地場産業振興のための基盤整備、外貿貨物需要に対応した大水深岸壁の整備、さらに震災等大規模災害時における緊急物資等の海上輸送のための耐震岸壁や避難緑地の整備を盛り込んだ第二期計画を定め、事業化の努力を行っているところであります。しかしながら、事業を進めるに際しては地元自治体や漁業関係者の理解と協力が不可欠でありますけれども、残念ながら今日まで十分なコンセンサスが得られていないところであります。
 県といたしましては、地元情勢も徐々に好転していると考えておりまして、引き続き関係各位のご理解とご支援を得て鋭意調整を進め、早急に事業化を図ってまいりたいと考えております。
 次に、関連する道路状況についてのご質問でございます。
 議員ご質問の地域高規格道路についてでございますが、この道路は全国的な高規格幹線道路と一体となって幹線道路ネットワークを形成するものでありまして、自動車専用道路またはそれと同等の機能を有し、沿道交通状況に応じて時速六十キロメートルから八十キロメートル以上の速度サービスを提供できる、質の高い道路であります。
 地域高規格道路の五條新宮道路は、紀伊半島縦貫道路として太平洋沿岸部と半島の内陸部を連結強化する目的で、新宮市から奈良県五條市までの間が整備を進める路線として計画路線に指定されております。このうち、新宮市内約十キロメートルの区間が調査区間に指定されており、今後必要な調査を実施し、整備区間の指定を経て事業化の運びになります。奈良県側については、県境部の十津川道路のうち八キロメートルが事業化されており、また大塔村内の八キロメートルが調査区間に指定されております。
 今後、県といたしましても、奈良県と連携を図りながら必要な調査を進め、整備促進に努めてまいります。
 以上でございます。
○議長(町田 亘君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 26番上野哲弘君。
 〔上野哲弘君、登壇〕
○上野哲弘君 どうも議席では発言しにくいので、登壇させていただきます。
 ただいま、地方分権につきまして、総論及び各論について答弁をいただきました。この分権論議は、私なりの理解を申し上げるならば、狭い意味での分権と広い意味での分権があると考えます。前者は、霞ケ関と県庁、市役所及び町村役場ということであります。後者は、根本的に国と地方自治の問題であると思います。この質問では、広い意味での分権について伺いたいと思います。
 地方分権推進法には、「国においては国際社会における国家としての存立にかかわる事務、全国的に統一して定めることが望ましい国民の諸活動の事務規定(中略)若しくは全国的視点に立って行わなければならない施策及び事業の実施」等に専念すべきであるとうたわれております。これらの条文と五年間の時限立法で、どれほどの分権が実現されるのか。すなわち、広い意味での地方自治が語れるのか。地方分権推進委員会の中間報告で感じたことを伺います。
 次に、税についてであります。地方自治あるいは地方分権を論ずる場合、地方が自由に使える税の確保が最大の論点になるものと思いますが、答弁では、安定的で伸長性のあるものであると言われております。具体的にどのようなことが考えられるのか、あわせてお願いします。
 さて、税についての質問の中で、どうも私の考えていることが当局の方となかなか接点が見出せないようなこともあり、これを再質問する予定にしておったのですが、まとまりませんので私なりの考えを申し上げたいと思います。国がやるべき仕事と地方がやらなければならない仕事の区別、またアメリカ合衆国における州政府のこと、日本における幕藩体制等、地方自治の本質にかかわることが頭の中をよぎって、どうもまとまらなくなったわけであります。そこで、この分権論議をする場合の基本的なことで申し上げたいと思います。
 中央集権の中での分権論議にはおのずから限度があり、それによって地方分権が骨抜きになったり申しわけ程度の権限移譲にとどまるのではないか、我々は地方の者としてもっと大きく論ずべきであるとの認識に至り、以下申し上げたいと思います。
 このような話があります。江戸幕府終えん間近、十五代将軍徳川慶喜は、討幕の機運が盛り上がってきた慶応三年十月、大政を奉還し、江戸幕府を終わらせました。しかし慶喜は、引退したのではなく、あくまでも徳川家を中心とした国家体制をつくろうとしました。これに反発した西郷、岩倉が策をもって討幕へと進めたのであります。当時、大名諸侯はそれでもよいと考えておりましたが、西郷らは強引に討幕に走り、その結果、明治維新となったのであります。
 この話を地方分権に置きかえますと、大名諸侯と同じく申しわけ程度の権限移譲による緩やかな改革になるか、それとも明治維新のような税を含んだ大胆な改革に持っていくか──歴史が証明するところであります。また、「歴史は繰り返す」とも言います。地方自治から中央集権へ、今度は中央集権から地方自治へ移行することにより、新たな社会の構築が始まろうとしております。
 現在の政治状況を考えますと、案外早い時期に税を含んだ地方分権が可能になり、二十一世紀の日本社会は、幕藩体制のよさも取り入れた地方自治になるかもわかりません。行政の間ではこの論議にある程度の制約があろうかと思いますが、地方の住民においては広い意味での地方分権を論じてもいいのではないか、そのような思いで質問に至ったところであります。今回は私の意見として申し上げ、要望といたします。
 次に介護保険についてでありますが、この問題の基本は、移住を考えた場合、福祉の問題について市町村がいろんな面で面倒を見なければだめだという意味合いで、今の国の体制はそういう中での介護となっているわけですけれども、もう少しこれを広く取り上げて国民全般の問題とした場合、先ほど申し上げたように、医療を充実すれば市町村長の財政に負担がかかるという論議がありますが、しかしよく考えてみると、地域医療を充実することが国民全体にとっていいのであれば、もっと国はこれを支援すべきではないか。
 先ほど申しました医療・福祉ゾーンの確立について、これからどんどん全国的な範囲の中で移住を求めてくる可能性が出てくるわけです。しかし、そういう負担を地元市町村でしなければならないのであれば、余り歓迎されないものとなります。しかしながら、どこかでこれを面倒見なければだめだという考えからすると、今、地方分権のこと、税のことを申し上げましたが、もっと国家的な中でそういうものを推進する、地方の市町村が負担しないような社会をつくるべきではないか。そういう面から申し上げました。
 また、明治維新の話もしました。税については、今の中央集権がよいという判断じゃなしに、今までの歴史の中でも──ここは和歌山藩です。お互いに年貢を取ってこの地域を治めたわけです。そういう面から考えると、これからの社会ということも踏まえ、今後いろんな発想を出して考えていくべきではないかと、そのような思いをいたしました。これは一つの私の意見であります。これを要望としまして、再質問を終わります。
○議長(町田 亘君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で上野哲弘君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
  ─────────────────────
○議長(町田 亘君) この際、お諮りいたします。議案第百三十九号平成八年度和歌山県一般会計補正予算については、衆議院議員選挙執行の必要上、急を要するため、都合により委員会付託等を省略し、本日直ちに採決いたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(町田 亘君) ご異議なしと認めます。よって、議案第百三十九号は委員会の付託等を省略し、直ちに採決することに決定いたしました。
 議案第百三十九号を採決いたします。
 本案を原案のとおり決することに賛成の諸君は、ご起立願います。
 〔賛成者起立〕
○議長(町田 亘君) 起立全員であります。よって、本案は原案のとおり可決されました。
○議長(町田 亘君) なお、この際、お諮りいたします。ただいま議案第百三十九号の補正予算が議案第百八号の補正予算に先立って議決されましたので、その結果、議案第百三十九号の議案中、補正前の金額等、数字を整理する必要が生じておりますが、これについては、会議規則第四十二条の規定により、その整理を議長に委任されたいと思います。これにご異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(町田 亘君) ご異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
 なお、これに基づき整理いたしました結果については後刻報告いたしたいと存じますので、ご了承を願います。
○議長(町田 亘君) この際、暫時いたします。
 午前十一時二十八分休憩
  ─────────────────────
 午後一時三分再開
○議長(町田 亘君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
○議長(町田 亘君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 10番新島 雄君。
 〔新島 雄君、登壇〕(拍手)
○新島 雄君 お昼御飯がお済みだと思います。おなかの皮が突っ張れば、目の皮がたるんでまいります。そんな気持ちの皆さんもいらっしゃるかもしれませんが、一般質問もオーラスを迎えました。私で終わりでございます。どうか、いましばらくだけご辛抱を賜りたい、そのように思います。
 お許しをいただきましたので、質問に入らせていただきます。
 質問は、私の性格と同じように地味ですが、品のある、これからの和歌山のためには必ず考えなければならないことであると考えます。勉強不足から不十分な質問になるかもしれませんが、私の思いや考えの一端をお聞きいただき、先輩、同僚議員の皆さんにはご指導をいただければと思っております。どうかよろしくお願いを申し上げます。
 和歌山、紀州、紀伊の国──こんなすてきな響きの地域に、私たちは住んでいます。人間は、みずからの繁栄を願う余り、周囲の環境を犠牲にしてきました。私たちは、発展という名のもとに地域の本来のよさに目を背け、自分たちの価値観や使命感を見失いつつあるのではないでしょうか。和歌山の持つ独特の文化を歴史的遺産としてのみ扱い、そのよさを生かした新しい文化の創造に消極的なのではないでしょうか。先人たちが自然や歴史、宗教、そして時代認識に心を配りながら発展を心がけたように、未来に向けて調和のとれた、快適で心休まる人間的な和歌山を創造しなければなりません。そのためには、物事の本質を見抜く目を持って、真の和歌山の姿は何なのか、和歌山らしさとは何なのかを問い続けなければなりません。
 そんな中で、平成八年度予算の中に、輝のくに景観づくり調査として三百三十八万八千円が上程され可決されております。私は、この件について質問をさせていただきます。
 この議案に賛成をした私にとっては、少し不満の残るものであります。なぜならば、予算が少ないということであります。調査委託料百六十万、会議費百七十八万八千円となっております。まず、ここでお断りをしておきます。この質問をするに当たり、担当部局より、この質問をしてくれとか、予算のことを言ってくれとかの圧力を受けた覚えは一切ございません。部局の名誉のためにも申し添えます。また、財政当局におかれましては、厳しい財政事情の中、よくこの施策を取り上げていただいたと感謝をいたしております。こんな大切な、そして先を見越した予算は、知事の西口カラーとして、大胆に思い切って予算を組んでいただきたかったと思っております。何はともあれ、景観というものがこの和歌山でも施策の一つとして取り上げられ、県民に知らされていくことを大変うれしく思っております。
 六月にヨーロッパ各地を訪れる機会を得ました。歴史に息づく各都市には、おのおの町の薫りや町の顔が見られました。こんなことがありました。皆さんご存じの黄色と赤のMのマーク──マクドナルドの広告塔のことであります。何と、お店があるのに広告塔がないのです。縦横一メートル程度の看板が店舗の横にあるだけで、そこには日本で見られた風景はありませんでした。ガイドさんの説明では、屋外広告物に関して大変厳しい規制がなされているということでありました。地域と行政が力を合わせて、住みやすさ、心地よさ、住民の求めている町づくりを進めているのがよくわかりました。
 そこで、知事にお伺いをいたします。
 この輝のくに景観づくりの目指すものは何なのですか、知事自身の熱い思いを込めてお答えをいただきとうございます。
 また、本事業が予算化され、検討をしているという景観条例ですが、条例制定を進める上で対処せねばならない問題も多いと考えます。景観を取り上げれば、自由と規制、または開発と保存、この二つが共生をしていかなくてはならないのです。住民意識の普及や啓発、またイベントの実施、そんなものも必要になります。それにも増して重要なのは、人材の育成であります。このように話を進めていきますと、もう少し予算があってもいいのではないか、そのようにも思います。しかし、ことし一年で終わる事業ではないのも事実であります。来年からはもう少しだけでも予算をふやしていただけたらなあ、そのようにも思います。そして、積極的にこの事業を県民に推し進め、県内五十市町村が私たちのふるさとに愛着を持ち、自信を持ち、住民一人一人がつくり出す、和歌山らしさを大切にした県土づくりを期待しております。英知を集め、すばらしい事業にしていただくようお願いを申し上げつつ、啓発等今後どのように取り組んでいかれるのか、お答えください。
 また、景観に関して、言葉や文字だけでは理解してもらうのが大変だと考えます。目で見て理解をしていただく必要もあろうかと存じます。三年坂通りを見てください。県民の皆さんが美しいなと感じ、夜などはあえてこの道を通って家路につく、そんなことをおっしゃる方も多数いらっしゃいます。そんな観点から、モデル地区を指定し、住民の意見に耳を傾け、各地域の特色を生かしたすばらしい郷土づくりを進める必要があります。この輝のくに景観づくりに関してどのような戦略をお持ちなのか、お教えください。そして、事業がスタートして半年がたちました。これまでの経過と問題点もお答えいただきたいと思います。
 また、余談になるかもしれませんが、景観との関連で不思議に思っていることが一点あります。それは、紀の川河口にあるみなと大橋と青岸橋のことであります。なぜ二つの橋の色が違うのか、景観上おかしいのではないかと思うのは私一人でしょうか、お教えいただきたいと思います。
 以上、輝のくに景観づくり調査に関する質問を終わります。
 次に、教育に関しての質問をさせていただきます。
 十八年前、和歌山市内において学区制なるものができました。現場からの声がそうさせたのか、生徒や保護者の要望なのか、それとも教育委員会がリーダーシップをとってつくったものなのかわかりませんが、現在も続いております。そして十八年。教育の機会均等、学校選択の自由の立場から、私はこの施策に対し当時より疑問に思い、不満を持っている者の一人であります。施策として十八年間の判断を迫られる時期だと私は考えますが、いかがですか。
 なぜ、子供たちが自分の希望する学校へ行けないのか、受験すらできないのか、不思議でなりません。皆さん、そう思いませんか。私は子供のころ、ある学校で野球がしたい、あのユニホームを着たい、そんな思いを持って進学をいたしました。それが、未来を担う子供にはできないのであります。子供の夢を実現させてやることはできないのであります。
 ここで、学区制実施当時の南北学区における中学三年生の生徒数を比較してみます。昭和五十四年当時で、北学区で二千三百三十三名、南学区で二千九百六十名、この差は六百二十七名です。現在までに、新設校ができた関係上、ある中学校が学区を変わりました。本年では、北学区で約一・一八倍の二千七百四十五名、南学区では何と五八%の千七百九名であります。南北生徒数の差は千三十六名にもなります。生徒数の差が逆転をし、なお千名以上の差が出ているのであります。また専門学科、すなわち全県一区とする学科でありますが、昭和六十三年より約二年ごとに普通科高校に併設をしてまいりました。推薦入学者も年々ふえております。専門学科の推薦入学者数を見てみますと、昭和六十三年から導入され、平成八年では和歌山市内で四・八倍、全県では十一・四倍にもなります。これは、多様な生徒の個性を伸ばすことや、各学校における特色ある個性的な教育を展開するためにとられた施策であったと思います。しかし、これらの数字を見る限り、また実施以降私学が二校できたのを踏まえてまいりますと、学区制そのものが崩壊しようとしているように思えてなりません。それとも、全県一区の大学区制へ移行しようとする準備段階なのでしょうか。
 学区制を論じる中で常に使われる言葉に、「学校間格差の是正」があります。これは言葉をかえれば、みんな同じにやりましょうということではないでしょうか。運動会で一生懸命頑張って一着でゴールインした者も最後にゴールインした者も、すべて一緒に、御苦労さん、よく走りましたということではないでしょうか。私は、ある部分ではそれは認めております。しかし、私は小学生のころ、運動会で何冊もノートをもらいました。今は、だれももらえません。学校間格差を是正するということは、自由競争の社会においては、それをも否定してしまうことになりませんか。
 今、和歌山は、知事もかわり、攻めの行政へ変わろうとしております。教育においても、守りより攻め、そんな教育が今必要とされるのではないですか。本年の当初予算を見てみますと、初めて教育費が土木費を追い越しました。これは画期的なことであります。できれば、この質問は教育委員会だけにするのではなく、現場におられる先生方にも聞いてほしい気持ちもあります。そして、これらは私の教育に対する、また学区制に対する持論の一部でありますので、先輩議員や同僚議員にご批判やご指導をいただければ大変幸せでございます。
 今回、この質問をするに当たり過去を調べてみました。県議会議場にて十八年間、この質問は一度も取り上げられておりません。しかし、施策として現在活用されておろうとも、勇気を持ってよりよい方向に導くために、また和歌山の教育が他府県からも一目置かれるよう、レベルアップするよう、心から願っての質問であります。
 そこで、教育長にお尋ねをいたします。
 十八年前に実施された学区制ですが、どういう経緯でできたのか。また、十八年たった今、説明したように状況が大変変わってきております。私学もふえました。この間の成果並びに問題点を踏まえどう判断なさるのか、十八年間の総括をお聞かせください。
 最後に、教育先進県へ向けて、学区制をも含めこれからの取り組みをどうなさるのか、お教えください。
 以上三点を質問し、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(町田 亘君) ただいまの新島雄君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
 〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 新島議員にお答えをいたします。
 私も常に主張をしているところでございますけれども、和歌山県は私たちが守ってきた後世に残すべき美しい自然、歴史、文化に恵まれておるわけでございます。本県では、これらの資源を生かし、観光、リゾートを中心とした施策を進めてまいってきたところでございますけれども、海外を含め、来県される方々に魅力を感じていただけるように、さらに美しい景観を創造していく必要があろうかと思います。美しい景観は、県民の生活に安らぎと潤いを与え、郷土に対する愛着をはぐくむものであることから、本県にふさわしい景観の施策について輝のくに景観づくり懇談会を設けまして、条例の制定も視野に入れながら推進をしていきたいと考えております。
 なお、予算額につきましては、この調査委託料がすべてではございません。平成八年度予算編成の三次要求として出したものでありますけれども、私自身も前向きな意欲を持っておりますので、今後積極的に対処していきたいと考えております。
○議長(町田 亘君) 土木部長長沢小太郎君。
 〔長沢小太郎君、登壇〕
○土木部長(長沢小太郎君) 新島議員の、輝のくに景観づくり調査についてのご質問にお答えします。
 まず、住民啓発等、今後の取り組みについてでございますけれども、景観づくりに当たりましては一定の規制も必要となってまいります。このため、県民のご理解を得ることが必要であり、啓発活動としてPRのためのパンフレットの作成や講演会、アンケート調査等を実施してまいりたいと考えております。
 モデル地区指定等の事業計画についてでございますけれども、景観づくりの事業計画として、身近に景観のよさを体感していただくために、建築物や屋外広告物などの形態、色彩の規制、電線類の地中化、緑化、広幅員歩道などのゆとりのある空間づくりを進めるモデル地区の指定を行い、重点的に整備を進めてまいりたいと考えております。またそのほか、公共施設の指針の策定、専門家の参画、市町村との協力体制づくり、住民への啓発活動なども重要だということから、これらを行っていきたいと考えております。
 現在の取り組み状況でございますけれども、現在、輝のくに景観づくり懇談会の開催に向けて鋭意準備を進めているところでございます。また、既に実施した市町村に対するアンケートに加え、有識者や住民の方々の意識調査も今後実施することとしております。
 最後に、紀の川河口にかかるみなと大橋と青岸橋の色彩についてのご質問でございますけれども、青岸橋は和歌山下津港の中心に位置しております。そういうところから赤色を採用いたしまして、港の玄関口としてのシンボル性や美観性を強調いたしております。これに続くみなと大橋については淡いグレー色を用いておりますが、これは先ほどの青岸橋を一層際立たせるということと、周辺への景観にも配慮したものでございます。
 近年、土木施設についてシビックデザインという概念が全国的に普及しておりますけれども、今後とも土木構造物等の造形や色彩について、従前にも増して地域の歴史や文化、周辺環境等に配慮して景観形成の先導的役割が果たせるよう取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(町田 亘君) 教育長西川時千代君。
 〔西川時千代君、登壇〕
○教育長(西川時千代君) 学区制に係る三点についてお答えいたします。
 学区制につきましては、高等学校教育の普及とその機会均等を図る観点や通学事情等を勘案し、一つの学区に普通科高校二校ないし三校程度の中学区制を採用しております。また、専門学科につきましては全県一区とする大学区制をとってきているところでございます。
 議員ご指摘の和歌山市の南北学区につきましては、昭和五十二年の高校教育協議会の報告において、学校間格差の是正と学校選択の自由との調和を図るとともに、他の学区とのバランスを図る必要があると示されたことを受けて、昭和五十四年度から実施しているものでございます。
 この南北学区については、地域住民にも定着してきていると考えております。社会の変化や生徒の学習ニーズの多様化に対応するため、中学区制をベターとしながらも、全県一区の総合学科、国際交流科、環境科学科などを新たに設置してきたことにより学区間の壁は低くなり、生徒の学校選択の幅は、当時に比べ拡大してきたと考えてございます。これからは、生徒一人一人の個性や可能性を伸ばすことのできる、より柔軟で選択幅の広い教育が一層求められております。
 教育委員会といたしましては、今後とも特色ある学校づくりを初め、単位制の導入や学校間連携などを推進し、本県教育の充実発展を図ってまいりたいと考えております。こうした取り組みを進めるとともに、学区制の今後のあり方につきましても、これまでの経緯を十分踏まえながら、生徒や保護者等の要望、中学校、高等学校教育に与える影響、さらには今後の教育改革の進展や社会情勢の変化などを見きわめ、総合的かつ慎重に研究してまいりたいと考えてございます。
 以上です。
○議長(町田 亘君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(町田 亘君) 以上で、新島雄君の質問が終了いたしました。
○議長(町田 亘君) お諮りいたします。質疑及び一般質問は、以上をもって終結することにご異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(町田 亘君) ご異議なしと認めます。よって、質疑及び一般質問はこれをもって終結いたします。
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○議長(町田 亘君) この際、報告いたします。
 さきに議長に委任いただきました議案第百三十九号の数字等の整理の結果については、お手元に配付のとおり報告いたしますから、ご了承願います。
○議長(町田 亘君) 次に、知事から、お手元に配付の公文書写しのとおり、議案第百三十九号が議決されたことに伴う議案第百八号の予算につき、数字訂正の申し出があります。
 お諮りいたします。本件については、知事からの申し出のとおり、これを承認することにご異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(町田 亘君) ご異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
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○議長(町田 亘君) 次に、ただいま議題となっております全案件のうち、議案第百三十八号平成七年度和歌山県公営企業決算の認定について、及び本日議決いたしました議案第百三十九号平成八年度和歌山県一般会計補正予算を除くその他の案件は、お手元に配付しております議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会にこれを付託いたします。
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 【日程第四 請願付託】
○議長(町田 亘君) 次に日程第四、請願の付託について申し上げます。
 今期定例会の請願については、お手元に配付しております請願文書表のとおり、所管の常任委員会にこれを付託いたします。
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○議長(町田 亘君) 次に、お諮りいたします。十月一日及び十月二日は、各常任委員会審査のため休会といたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(町田 亘君) ご異議なしと認めます。よって、十月一日及び十月二日は休会とすることに決定いたしました。
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○議長(町田 亘君) この際、各常任委員会の会場をお知らせいたします。
 職員から、これを申し上げます。
 〔職員朗読〕
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 総務委員会  第一委員会室
 福祉環境委員会 第二委員会室
 経済警察委員会 第三委員会室
 農林水産委員会 第四委員会室
 建設委員会  第五委員会室
 文教委員会  第六委員会室
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○議長(町田 亘君) 次会は、十月三日再開いたします。
○議長(町田 亘君) 本日は、これをもって散会いたします。
 午後一時三十六分散会

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