平成8年9月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(全文)


県議会の活動

議 事 日 程 第三号 平成八年九月二十六日(木曜日)
     午前十時開議
 第一 議案第百八号から議案第百三十八号まで、及び報第六号(質疑)
 第二 一般質問
会議に付した事件
 一 議案第百八号から議案第百三十八号まで、及び報第六号(質疑)
 二 一般質問
出 席 議 員(四十七人)
 1 番 大 沢 広太郎
 2 番 木 下 善 之
 3 番 小 川   武
 4 番 吉 井 和 視
 5 番 下 川 俊 樹
 6 番 井 出 益 弘
 7 番 藁 科 義 清
 8 番 門   三佐博
 9 番 永 井 佑 治
 10 番 新 島   雄
 11 番 向 井 嘉久藏
 12 番 佐 田 頴 一
 13 番 和 田 正 一
 14 番 阪 部 菊 雄
 15 番 西 本 長 弘
 16 番 馬 頭 哲 弥
 17 番 谷   洋 一
 18 番 長 坂 隆 司
 19 番 高 瀬 勝 助
 20 番 堀 本 隆 男
 21 番 宇治田 栄 蔵
 22 番 宗   正 彦
 23 番 橋 本   進
 24 番 井 谷   勲
 25 番 玉 置 公 良
 26 番 上 野 哲 弘
 27 番 東 山 昭 久
 28 番 尾 崎 要 二
 29 番 野見山   海
 30 番 木 下 秀 男
 31 番 町 田   亘
 32 番 中 山   豊
 33 番 山 下 直 也
 34 番 鶴 田 至 弘
 35 番 森   正 樹
 36 番 村 岡 キミ子
 37 番 新 田 和 弘
 38 番 平 越 孝 哉
 39 番 森 本 明 雄
 40 番 神 出 政 巳
 41 番 松 本 泰 造
 42 番 冨 安 民 浩
 43 番 飯 田 敬 文
 44 番 中 村 裕 一
 45 番 松 本 貞 次
 46 番 大 江 康 弘
 47 番 和 田 正 人
欠 席 議 員(なし)
説明のため出席した者
 知 事 西 口   勇
 副知事 山 下   茂
 出納長 高 瀬 芳 彦
 知事公室長 野 見 典 展
 総務部長 中 山 次 郎
 企画部長 藤 谷 茂 樹
 生活文化部長 中 村 協 二
 福祉保健部長 小 西   悟
 商工労働部長 日 根 紀 男
 農林水産部長 平 松 俊 次
 土木部長 長 沢 小太郎
 企業局長 佐 野 萬瑳義
 教育委員会委員長
    山 本   昭
 教育長 西 川 時千代
 公安委員会委員 高 垣   宏
 警察本部長 青 山 幸 恭
 人事委員会委員長
    若 林 弘 澄
 代表監査委員 宮 市 武 彦
 選挙管理委員会委員長
    谷 口 庄 一
 以下、各部局次長・事務局長・財政課長
職務のため出席した事務局職員
 事務局長 西 畑 彰 久
 次 長 中 西 俊 二
 議事課長 佐 竹 欣 司
 議事課副課長 島   光 正
 議事班長 松 谷 秋 男
 議事課主査 山 本 保 誠
 議事課主事 大 浦 達 司
 総務課長 塩 路 義 和
 調査課長 湊   孝太郎
 (速記担当者)
 議事課主任 吉 川 欽 二
 議事課主査 鎌 田   繁
 議事課速記技師 中 尾 祐 一
 議事課速記技師 保 田 良 春
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 午前十時四分開議
○議長(町田 亘君) これより本日の会議を開きます。
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 【日程第一 議案第百八号から議案第百三十八号まで、及び報第六号】
 【日程第二 一般質問】
○議長(町田 亘君) 日程第一、議案第百八号から議案第百三十八号まで、及び知事専決処分報告報第六号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 14番阪部菊雄君。
 〔阪部菊雄君、登壇〕(拍手)
○阪部菊雄君 議長のお許しを得まして、質問をいたしたいと思います。
 去る二十一日、県立体育館において、自由民主党和歌山県連の政経文化パーティーが極めて盛大に開催されました。大変多忙な日程の中、自由民主党総裁橋本龍太郎総理大臣、亀井運輸大臣、片岡遊説局長、前田勲男県連会長、西口知事を初め、次期小選挙区立候補者、三区野田実、二区岸本光造、一区東力の三人の先生の必勝を期して、二千五百有余人の党員・党友が結集いたしました。いよいよ本日より、初めての小選挙区制の戦いが始まろうといたしております。
 さて西口知事、あなたはかなり厳しい選挙を戦い抜いて、見事当選されて約十一カ月余でございます。一三六の公約を掲げて、県政において、清新にして誠実でわかりやすい行政目標を示し、着実に百八万県民の信望を集めており、慶賀の至りであります。特に、県下の道路整備促進、太平洋新国土軸、紀淡海峡大橋の早期実現に向かって極めて強い決意で臨まれており、大いに意を強くしているところであります。
 いよいよ質問の本論を申し上げたいと思います。
 知事は、今月三日、香港駐在員事務所開設にご出席されました。かつて私も何度か商用で行ったものであります。香港は来年──たしか七月と思いますが──中国に返還されることになっており、アジア地域の経済拠点都市として一国二制度のもと、どのように変化、変貌するのか定かではありません。しかし、香港事務所を設置した以上、今後の役割や目的について、またどのような運営をされようと考えておられるか、所見をお伺い申し上げます。
 次いで知事に、伊都・橋本地域の土木行政について質問いたします。
 第一番目は、花園村民百年の夢でありました町村道花園長谷線、すなわち美里町・花園村間の県道昇格と約千九百メートルのトンネルの早期着工についてお伺いいたしたいと思います。
 きょうは、議場の傍聴席には花園村の多くの方々がお越しになり、知事の答弁やいかんと見守っております。これは、西口知事の支持者ばかりでございます。
 私は、平成四年十月七日、一般質問をいたしました。当時の議長は馬頭先輩議員でございました。本問題につきましては多大のご協力を賜り、大変ありがとうございました。厚く御礼申し上げます。私は、そのときの知事──仮谷知事でございますが──に花園村民の悲痛な願いをこの壇上で切々と訴えました。当時副知事でありました西口知事、あなたは大変記憶力のよい方ですから覚えていると思います。
 去る九月五日、読売新聞に部矢村長の歌集が出版された記事を家内から聞き、早速拝見いたしました。文化人・歌人の部矢村長が、過疎の悲しみ、喜びを歌に託した歌集であります。その中で特に私の琴線にじいんときた歌は、「灯に狂う蛾の如くにも生き来しと 老婆泣きたり離村の夜に」、過疎化しつつある山村の悲哀を詠んでおります。さらに、「犬ひとり行きし跡のみ続く雪 踏みて未明を陳情へ発つ」。歌集「山峡の賦」から二つを紹介させていただきました。
 去る九月十日、美里町長、花園村長、町村議長・議員、関係者、県議会より六名の多数の皆さんが、県道昇格と地蔵峠トンネルの早期実現について陳情いたしました。県道に昇格するには権原取得が必要とされていますが、現状は公図が混乱しているので、百年河清を待つに等しい難題であります。トンネルに至るまでの両町村の土地所有者の登記承諾書をもって、県道昇格とトンネル着工についてゴーサインを出していただきたいのであります。私は、西口知事のご決断をお願いするものであります。
 次に、農林水産部長にお伺いいたします。
 平成四年九月の一般質問で私が提案いたしました、ふるさと農道緊急整備事業として紀の川左岸から慈尊院、紀の川架橋、高野口町道八号線──現在、県代行で続行していただいておりますが──京奈和インターから右岸の広域農道を結ぶ延長千四百五十メートル、全幅十一・五メートルについては事業認定がなされており、平成十一年度までに工事を完了すると聞いておりますが、その後の経過についてご説明をいただきたいのであります。
 さて、土木部長にもお伺い申し上げたいと思います。
 京奈和自動車道橋本・高野口間十一・三キロメートルに、本年度五十億円余の土地買収費等の予算化が実現いたしております。地籍調査については橋本市は大いに頑張っておりますけれども、調査員増員のための人件費が不足で、思ったほど進捗しておらないのが事実であります。また、同時進行として橋本インターより高野口への側道も推進していただきたいのであります。
 部長、あなたは、伊都県事務所での建設常任委員会の県内調査で伊都・橋本より陳情された席上、本問題について、人件費を助成しているところもあり、早急に検討するとの発言がありました。よろしくお願い申し上げますとともに、予算化された用地買収費について、既に全線地籍調査を完了している高野口地内については、橋本地内で消化できないものは早急に調査され、高野口地内の買収に充当されればと思いますが、ご所見をお伺いいたします。
 さらに、高野町梨子木峠からかつらぎ町志賀間のトンネル調査費を十二月定例議会に予算化していただきたいものであります。また、国道四百八十号線整備の府県間トンネルの進捗は現在どの程度までになっているのか、さらにまた、紀の川流域下水道の終末処理場の用地買収の現状と供用開始はいつごろになるのか、また、かつらぎ町並びに地元との話し合いをどのように進めているのか、お答え願いたいのであります。
 さて、西口知事のおかげで、橋本・伊都地方が地方拠点法に基づき地域指定を受けました。将来どのようなメリットがあり、どのように発展に寄与するのか、企画部長からお答えをいただきたいのであります。
 もう一つ、それには特に国道三百七十一号のバイパス建設と清水橋架橋が急務と考えておりますが、土木部長に所見をお伺い申し上げ、非常に短うございますが、第一回の質問を終わります。当局の積極的で誠意あるご答弁をお願い申し上げる次第でございます。
 ありがとうございました。
○議長(町田 亘君) ただいまの阪部菊雄君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
 〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 阪部議員にお答えをいたします。
 まず、香港駐在員事務所の開設に関するご質問でございます。
 関西国際空港が開港いたしまして、本県にとりましてアジアがより身近な地域となったわけでございます。このことから、本年をアジア交流元年と踏まえまして、県内企業のアジア地域での国際的な活動を支援し、同時に本県産業、観光のPR活動、現地での和歌山県人会活動など国際経済交流の促進、並びに地域経済の活性化を図るために香港駐在員事務所を開設したところでございます。
 お話にございましたように、香港は来年七月に中国に返還されるわけであります。中国政府は、一国二制度を保障する基本法によりまして、五十年間は現行の経済、行政等の各制度を維持するとのことでございます。返還後もアジアの経済拠点都市としての機能に変わりはなく、投資や経済等の情報収集に関しては最適地であると思ってございます。現地の経済関係の方々に伺いましても、大きな変化はないであろうということであります。これからますます発展するであろうアジアとの交流並びに連携を深めながら、本県の産業振興を図ってまいりたいと考えております。
 次に、町村道花園長谷線についてであります。
 ご質問にございましたように、きょうは傍聴席に、花園村長さん、議長さんを初め、花園村の方々もお見えであります。その前でいささか事務的な説明になって恐縮でありますけれども、県道認定については、地方的な幹線道路網を構成している路線で、既に市町村道として認定されているもの、また路線の登記事務処理が完了しているものということになっておりまして、確実に登記事務処理ができる見込みのある路線に限って行うということになっておるわけであります。
 ご質問の路線につきましては、花園村と美里町を結ぶ唯一の路線でございまして、全線町村道に認定をされております。また、伊都郡西部を南北に結ぶ地域幹線道路網を形成する路線であると考えられますので、仰せのように登記事務処理をまだ進めていただかなければなりませんけれども、議会のご同意も得て県道認定の方向で進めていきたいと考えております。
 さらに、地蔵峠トンネルの着工についてであります。
 花園村にとってのトンネルの必要性は、私も現地に何回かお伺いをいたしましたし、村長さん、議長さんを初め、村民の方々の大変強い心情は十分理解しているところでございます。それだけに、一日も早く着工したいと思っております。現在、トンネルのルート検討を行っておるわけでございまして、事業の実施には用地買収を伴うため公図訂正の必要がございます。その際には花園村、特に隣接の美里町のご協力をぜひお願いしなければならないと考えておるわけでありますが、県といたしましては早期事業化を図ってまいりたいと考えております。
○議長(町田 亘君) 農林水産部長平松俊次君。
 〔平松俊次君、登壇〕
○農林水産部長(平松俊次君) ふるさと農道緊急整備事業についてお答えをいたします。
 平成七年度に着手いたしましたふるさと農道緊急整備事業、上中・慈尊院地区の全体計画は、九度山町慈尊院から高野口町大野の橋梁を含む六百メートルと、高野口町上中と下中の八百五十メートルでございます。
 このうち橋梁部の進捗でございますが、現在、詳細設計、河川法の手続を行っており、平成九年度より橋梁下部工事に着手できるよう作業を進めているところでございます。また、道路部となる上中・下中間につきましては用地交渉の準備を進めているところであり、予定工期の平成十一年度完成を目指し、努力してまいる所存でございます。
○議長(町田 亘君) 土木部長長沢小太郎君。
 〔長沢小太郎君、登壇〕
○土木部長(長沢小太郎君) 阪部菊雄議員のご質問にお答えいたします。
 まず最初に、京奈和橋本道路についてでございます。
 この京奈和自動車道の橋本道路については、現在、用地買収が鋭意進められているところであります。本年度の事業予算に関しましても、大幅に増額されたところであります。
 ご質問の公図訂正に伴う費用の助成についてでございますが、橋本市域においては、市が事業主体となり、国土庁の補助を受け、地籍調査を鋭意実施しているところでございます。今後とも、公図訂正に伴う人員体制等について、市とも十分調整を図るとともに、建設省等に対しても必要な費用の確保について強く要望してまいりたいと考えております。
 次に、高野口地内の用地買収促進についてお答えいたします。
 平成七年度末時点での橋本市における用地買収の進捗率は、側道部分も含め、面積比率で約二一%であります。残りの用地につきましては、公図混乱地が多いことから、その訂正に時間を要するものと思われます。そのため、今年度の予算を橋本市で消化できない場合も考えまして、公図訂正が完了している高野口町で使うことも、現在建設省で検討していただいているところであります。今後とも、橋本道路全体の進捗を建設省に働きかけてまいりたいと考えております。
 次に、国道三百七十一号の橋本バイパスにつきましては、平成元年度に国道二十四号から府県境まで延長六・五キロメートル間の事業化を行い、現在、用地買収を重点的に進めているところでございます。本体工事の着手前に残土処理場の確保が必要となりますので、その確保に努めるとともに、早期に本体工事に着手できるよう努力してまいります。
 橋本バイパスの延伸部である市脇清水架橋につきましては、高野山から高野龍神スカイライン等を経て紀南に通じる重要な道路の一部として積極的に調査を進めております。具体的には、昨年度までに橋台、橋脚部のボーリング調査を完了し、現在、建設省とルート協議、河川協議等を進めているところでございます。今後は、都市計画決定の変更も含め、関係機関と協議を進め、早期に事業化できるよう努めてまいります。
 国道四百八十号の梨子木峠につきましては、線形が悪く、幅員狭小で、縦断勾配も急です。冬期には凍結するなど、交通の隘路となっております。これを解消するために、トンネルを含めたバイパス計画が最適と判断し、既に概略ルートの検討を実施したところであります。今後、さらに詳細な調査を進めるため、必要な調査費を確保し、早期事業化に努めてまいりたいと考えております。
 同じく、国道四百八十号の府県間道路につきましては、平成六年度に平道路として、また大阪府側も平成八年度から父鬼バイパスとして事業化されております。平道路につきましては、当地域の公図が混乱しているため現在その訂正作業を進めており、完了したところから用地買収に入る予定でございます。府県境をまたぐトンネルの基礎調査は既に完了しておりますけれども、地すべり等が見受けられる箇所もございますので、さらに詳細な地質調査も必要と考えております。今後、大阪府と連携を図りながら必要な地質調査を進め、早期のトンネル工事着手に向けて努力してまいりたいと考えております。
 紀の川流域下水道伊都処理区でございますが、伊都浄化センターの用地につきましては、地権者の方々のご協力を得まして、現在、全体計画面積十九・○ヘクタールのうち十三・七ヘクタールが買収済みであります。また、一期計画面積七・○ヘクタールのうち六・○ヘクタールが買収済みであります。
 浄化センター本体工事につきましては、初期に対応できる用地が確保できましたので本年度中に着工し、平成十一年度中に供用開始を行いたいと考えております。
 また、関連する地域整備につきましては、現在、地元の方々と町及び県で協議を進めているところであり、さらに十分話し合いを進めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(町田 亘君) 企画部長藤谷茂樹君。
 〔藤谷茂樹君、登壇〕
○企画部長(藤谷茂樹君) 阪部議員にお答え申し上げます。
 地方拠点法は、職・住・遊・学の備わった地域圏の形成を目指したものでございますが、これを実現していくための施策として、公共事業の重点実施や地方単独事業に対する支援措置のほか、税制上の優遇措置等が設けられてございます。
 橋本・伊都地方につきましては、これらの活用により、京奈和自動車道を初めとする基盤整備の一層の整備促進や市街地整備の進展などによる都市機能の充実が図られるものと考えてございます。また、地元就労の場の確保等を図り、同時にスポーツ、レクリエーション機能や文化機能の整備が進むことにより、本県北東部玄関口の役割を担う自立した都市圏が形成されていくものと期待してございます。現在、地元市町村において共同して地域の整備のための基本計画を策定中でございますが、県といたしましても、地域の創意工夫を最大限に生かしつつ、個性的で魅力あふれる計画内容となるよう指導してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(町田 亘君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 14番阪部菊雄君。
○阪部菊雄君 香港駐在員事務所の開設について、知事からいろいろとお話を承ったわけでございます。
 実のところ、現在私どもの織物会社の方も、知れてはおりますけれども香港へ輸出いたしております。知事、多分十一月ごろになると思うんですが、大阪の鐘淵化学が高野口町のパイル織物の展示会をやりまして、当社の製品も出すことになっておりますので、そのときには駐在員の方にも十二分にごらんいただきまして、地場産業振興のために知事からハッパをかけていただきたいと思うわけでございます。
 さらに、町村道花園長谷線については、知事から非常に温かい前向きのご答弁をちょうだいいたしまして、恐らくきょう傍聴にお越しになった方も、もう近いうちに実現するのではないかなという大きな希望を持てたと思っております。
 きのう木下秀男議員が、さきの知事選挙の得票率を申し上げておりました。私もちょっとメモしたんですが、それを見ますと、花園村の有効得票の八五%が「西口勇」と書いてあったようでございます。北山村は七○%でございます。非常にあなたに熱いエールを送った。もう本当にかたい地盤でございますので、ひとつよろしくお願いいたしたいと思うわけでございます。
 この地蔵峠にかける花園村民の期待につきましては十分ご承知いただいておりますので、重ねては申し上げません。
 さらにまた、農林水産部長、土木部長、いろいろと前向きのご答弁をちょうだいし、大変ありがとうございました。
 これは要望でございます。
○議長(町田 亘君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で阪部菊雄君の質問が終了いたしました。
○議長(町田 亘君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 39番森本明雄君。
 〔森本明雄君、登壇〕(拍手)
○森本明雄君 順次、質問を進めてまいります。
 最初に、シルバー人材センターであります。
 日銀は、八月二十八日、景気は一本調子の回復にはなっていないとしながらも、緩やかな回復という景気判断に変化はないと強調しました。しかし一方では、現在の失業率や求人倍率にあらわれているように、高齢者の就労環境は大変厳しい状況となっています。国や自治体は就業支援に向けてさまざまな施策を実施していますが、その一環としてシルバー人材センターが存在しています。そのねらいは、臨時的かつ短期的な就業の機会の確保に置かれています。
 シルバー人材センターは、全国で約七百団体、会員数約三十五万人、県内には四団体、会員数一千四百五十四人であります。今度、都道府県ごとに連合を設置し、シルバー人材センターのない地域であっても、どこでも高齢者がシルバー人材センター事業によって仕事の提供を受けることができるように、あるいは社会的にそのことが大きな成果を上げることができるように改正されました。会員数を、二十一世紀初頭には三倍の百万人に拡大すると言われています。それには、絶対的な受注件数をふやす必要がございます。会員の拡大と空白地域での事業実施、並びに仕事量の確保について、その対応をお伺いいたします。
 全国シルバー人材センター協会で行っているシルバー人材センターに対する発注者の意識調査によりますと、これまでシルバー人材センターに仕事を依頼する上での不安点として、責任ある仕事をしてくれるかということが二二・二%とかなり高い比率を占めています。やはり、臨時的かつ短期的では仕事を発注する企業側も二の足を踏むのでしょうか。このことは、結局、仕事のあっせん面で非効率の現象を生んでいるのではないかと懸念します。もちろん、行政言葉で言うと、シルバー人材センターは常用雇用労働を卒業した後、任意的な就業を希望する高齢者のための組織ということ、それを担保するための基本的な要件ということは十分わかっていますが、仕事開拓上のネックになってはいないでしょうか、お伺いいたします。
 会員の就業意欲は高いものがあると思われますが、会員の希望する就業時間や希望日数あるいは月間配分金の希望額、すなわち会員の要望とその実績についてお伺いいたします。
 次に、安全教育についてであります。
 事故の発生状況でありますが、全国では平成二年度が三千五百十六件、六年度が三千九百六十四件で、発生率は二年度が一・五六%、六年度が一・一九%であります。県内では、事故発生は全くないということであります。非常に喜ばしいことではございますが、今後、会員、地域、仕事量それぞれの拡大に伴い、事故発生の可能性が高くなってまいります。より以上の安全教育の実施が重要となってまいりますが、取り組みについてお伺いをいたします。
 次に、医薬分業の推進についてであります。
 国民医療費の九五年度見込み額が二十七兆千六百億円に達し、前年度比五・三%増と国民所得の伸び率一・○%を大幅に上回り、対国民所得比も七・二%に乗りました。こうした問題に対して、検討を重ねてきた医療保険審議会が七月末に出した第二次中間報告では、現在は医療費に含まれているため一ないし三割にとどまっている薬剤費の患者負担についても、これを五割に引き上げる案が示され、論議を呼んでいます。
 我が国の医療費に占める薬剤費の比率は三○%寸前にあり、欧米諸国と比較して飛び抜けて高いのであります。したがって、薬代の半額自己負担といった国民負担増で薬剤費を抑制していこうとする前に、なお残る薬価差益問題や薬漬け、検査漬けと言われる医療体質からの脱却にも取り組んでもらいたいものであります。薬剤費というのは国民医療費約二十七兆円の中で約三○%を占めますので、八兆円の公共事業だという議論もあるようであります。また、年間の薬価差益は約一兆円とも言われています。今後の少子・高齢社会の中で医療費の増嵩ということは大変大きな問題ですので、今日までも医療機関の薬価差益依存の経営体質の改善、薬剤の過剰使用の排除について議論がされてきたと思います。国民、県民の負担も含めて、合理化できることは何とかしてほしいと私は思うのであります。
 今日まで、エイズの問題に限らず、ソリブジンの問題とか医薬品による副作用の問題が非常ににぎわしてまいりました。医薬品の副作用を防止するという点については、薬剤師によるチェックを十分に行う必要があります。また、高齢化社会の中で、多科受診、重複服用、相互作用を防止するという面で正しい面分業を定着する必要があります。まさに、質の高い医薬分業を進めることが県民医療にとって大変重要なことと思います。
 医療供給体制の上からの医薬分業については、本年四月末に医療審議会から「今後の医療供給体制のあり方について」という意見具申がされました。医療計画において、かかりつけ薬局による医薬分業等、医療関係施設相互の機能や業務の連携についてということで、都道府県で必ず定めるのが適当であるということが示されました。従来、地域医療計画の中で任意的な記載事項として示されていましたが、この地域医療計画を従来の地域における必要病床数だけではなく、かかりつけ薬局による医薬分業、医療関係施設相互の機能や業務の連携等を医療計画の中に必ず明記するという方向で医療計画の見直しが提言されたものであります。したがって、医薬分業についても医療計画の中に必ず具体的に盛り込んでいくという方向が示されたと思います。このことは、医薬分業の推進がますます重要であることが示されたものだと思います。
 本県における医薬分業の進展状況は、人口千人当たり、処方せん発行枚数については、平成五年で二十・六枚、全国四十四位、全国平均は百四十・六枚であります。処方せんの受け取り率は、五年度で二・二%、全国四十四位、全国平均一五・八%、六年度は二・六五%、七年度は四・一四%です。年々増加の傾向にあるとはいえ、全国平均に比べると極めて低い現状であり、今後強力な推進が必要だと思います。現状に対する認識と質の高い医薬分業推進の取り組みについてお伺いいたします。
 次に、教育問題であります。
 明治の初めに今の教育制度ができて、義務教育の年限を少しずつ延ばしながら、また内容も変化させながら全体のレベルを上げることに努力してきたと思います。それはそれなりに成果があったと思いますが、戦後、今の制度になって五十年、その間の世の中の変化は非常に大きく、子供たちの状況も大きく変わりました。そうしたことを考えますと、現在の教育制度のあり方が基本的に見直されるべきではないか、二十一世紀を迎えるに当たってそう思うのであります。
 教育が限界に来ている、一つの壁にぶつかっているという認識は、教育界の方も感じていると思います。例えば、よく言われることは現在の六・三・三・四、この制度が始まったのは私が中学に進学する昭和二十二年でした。戦争が終わって、何もなくなってしまった焼け野原、その中で今まで六年間だった義務教育を九年間にすることは大変な事業だったと思うのであります。しかし、一生懸命頑張って、その結果、中学まではほとんどすべての子供が行くようになり、その当時三○%前後だった高校進学率も、その後の経済成長やその他の理由で向上して、今では九○%台後半の進学率となりました。すべての子供に九年間の義務教育をしなければいけないということが最大の目標でつくられた六・三・三制、今はその意味はほとんどなくなり、むしろその後の高校にほとんど全部が進学し、いろいろな種類のいろいろな能力を持った、いろいろな特徴の子供が高校に入り、それで高校の中においていろいろな問題が起こっています。五十年間たちますと、政治、経済のさまざまな制度も制度疲労が生じてきます。
 そうしたことを考えますと、六・三・三制を前提とする今の学校の制度、教育の制度というものにメスを入れることによって、現在、現象としてあらわれているさまざまな問題の解決の糸口になるのではないかと思えてならないのであります。ご所見をお伺いいたします。
 今、入学試験が過熱しています。受験地獄とも言われています。教育に地獄ということは決してあってはならないことであります。その中で、特に中学から高校に進学するときに大きなプレッシャーになっているようです。この年齢というのは、勉強の面ではもちろんですが、スポーツ、音楽、いろんな趣味、教養、自分の好きな技術などを覚え、鍛えられ、伸びていくという非常に重要なときだと思います。そのど真ん中で入学試験にだけ煩わされ、スポーツをやめ、絵や音楽の勉強をやめます。本来ならば、その持っている自分の一番いい特性を伸ばすことができたかもしれない人が、そこでとまってしまいます。結果的に人生全体として大きな損失であり、社会全体にとっても損失だと思うのであります。できれば、中学三年と高校三年をもっとスムーズにつなぐ中高一貫の制度にすることができないのかと思うのであります。
 中教審は、七月十九日、第一次答申を文部大臣に提出いたしました。次は、一人一人の能力・適性に応じた教育のあり方はいかにあるべきかという第二のテーマに移って審議するものと思われます。その際には、中と高のつなぎ問題について鋭意検討していくものと思います。
 今、全国的に見て、中高一貫教育は、多くの私立や国立大附属校で実施されており、それぞれ非常に高く評価されているところであります。公立では、特例措置として宮崎県で県立の中学校、高等学校をつくって中高一貫の教育を展開しています。開校は平成六年で今三年目に入っていますが、高校入試に追われることなく、ゆとりある教育が実施されていることの意味は大きいと思います。
 中高一貫教育につきましては、昭和四十六年の中教審答申の中で、既に教育の荒廃や受験戦争などの弊害が指摘され、中高一貫教育を含めた学制改革を提言しています。また、昭和六十年には臨教審が提言しているところであります。ところが、ほとんど手がつけられないまま四半世紀が経過しました。教育改革には学制改革が必要だという意見は一致していても、どこをどうするかについては議論百出で、具体案としてまとまらなかったというのが真相だと思うのであります。教師と生徒の双方のレベルアップを図るため、本県にモデル校を設けて中高一貫教育の導入を図ってはどうかと思います。中高一貫教育の評価と導入についてお伺いいたします。
 県立高校と中学校を指定して中・高を通して系統的な教育を行う中高連携教育につきましては、西牟婁郡、伊都郡を地域指定し、中・高連携推進支援モデル事業を実施するため、教育の内容について検討しているとお聞きしていますが、実施に至るスケジュールと実施内容についてお伺いいたします。
 なお、ぜひ実施していただきたい内容として、まず教科活動の連携として教師の相互派遣、そして派遣教師による授業は、中学と高校の教師が同じ教壇に立ち一つの授業を受け持つチームティーチング方式であります。例えば、大学を出たての教師にはベテランの教師、スポーツマンの教師には学究タイプの教師と、いろんな組み合わせで違った視点があれば子供たちそれぞれに目が行き届きます。また、二人いれば相談し合いながらできます。また、こうした教科活動だけにとどまらず、生徒間の交流活動としてクラブ活動の連携や合同行事の実施などで中・高生の教育レベルの向上を図り、地域の特色を生かした教育を進めていただきたいのであります。そして、さらに指定地域の拡大を願うものであります。ご所見をお伺いいたします。
 臨教審が生涯学習体系に移行という大きな方針を打ち出してから、平成二年には生涯学習振興法も制定されました。また、生涯学習審議会も設置されました。その間、県教委を初めとして関係団体の取り組みも大変活発になってきています。各地の公民館などで地域住民のニーズに沿った多種多様な学級や講座が開設されています。県民の学習意欲も高まってきています。実際に学習者の数もふえているのが現状だと思います。しかし、学習の機会の確保については充実してきていると思いますが、学習はしたいが身近なところに施設や場所がないという理由で学習活動をしていない人も少なくないと思うのであります。したがって、身近なところでの学習機会を拡充することが大きな課題の一つであると思います。
 また、学習の内容についてでありますが、現状では趣味や教養あるいは高齢者の健康問題などを扱った講座が多く見受けられます。それは人生を豊かにするもので大変重要なことでありますが、科学技術の高度化、情報化、国際化といった社会の変化に対応して、継続的に新しい知識や技術を身につけられるよう学習機会の充実を図ることも重要な課題だと思います。こういった職業生活に結びつくような知識、技術の習得は、これまで企業内教育において行われてきたものでありますが、近年、産業構造や雇用形態も変わってまいりました。また、雇用される側の個人の意識も変わってきました。今後、こういった面で社会人を対象としたリカレント教育の果たす役割が大きくなるものと思います。さらに、学校五日制が実施されている中で、青少年の学校外活動をより積極的に推進していくことも重要な課題だと思いますが、今後の取り組みについてお伺いをいたします。
 次に、PTAについてであります。
 戦後、昭和二十二年から二十五年ごろにかけて全国のほとんどの小・中・高において結成され、いろんな活動を進めています。文部省とのかかわりにつきましては、昭和二十九年に社会教育審議会父母と先生の会分科審議会があり、そこでPTAの参考規約が示され、これが当時におけるPTA規約の参考として役割を果たしてきたと思います。
 PTAは、それぞれの学校を中心にして、学校に在籍する児童生徒の親及び教師によって学校ごとに組織されている任意の団体であります。任意団体ならば、主体的にお父さん、お母さんがつくるということになりますが、そうではなく、参考規約は文部省の通達によって全国に徹底されているという、何か変則的で不自然な位置づけになっていると思うのであります。そして、参考規約ではありますが、実質、県教委がつくったというより、それぞれの学校で規定されている規約は参考規約とほとんど同じ内容になっているのではないでしょうか。そういう意味では、参考規約とはいえ非常に拘束力のあるものと考えられます。そのPTAは何となくありますが、全員会員で、メンバーに入っているのか入っていないのか自覚もないままに、一部のお父さん、お母さんは自分の子供を学校に行かせています。実質は校長先生の下請機関のようになっていると批判する父母の声もあります。
 文部省ではPTAについて、実態は学校の後援会的な役割を果たしているところが多い、学校としては、後援会的な役割だけではなく、学校とPTAが一体となって学校運営をどうしていくかということを学校の側から相談する場というようなことに積極的に位置づけて運営をしてもらいたいと言っています。しかし、保護者個人が自分の子供について教師から意見を聞く機会はあっても対等ではありません。まして、学校運営にかかわることについては一方的にお伺いするだけで、対等に意見交換をするということは非常に少ないと思います。
 今、学校と家庭をつなぐ唯一の組織がPTAであります。とりわけ、いじめに代表される諸問題にしても、学校と家庭の連携と、地域社会も含めての連携と情報交換がますます大事になってきます。PTAは法律上根拠がある組織ではなく任意団体ですので、その構成員で規約を決め、団体の運営を行っていく、そして少なくとも個々の会員がそれぞれの都合に合わせてPTAの活動に参加できるような活動形態の工夫、職業を持っている人たちがPTA活動にも参加できるような条件づくり、また学校教育における父母の位置づけを明確にする必要があるのではないかと思います。PTAも設置されて五十年近くたっているわけで、制度疲労を起こしているのではないでしょうか。そういう意味で、PTA活動の活性化を図るため、一度見直しする必要があると思います。PTA活動の現状と活性化への取り組みについてお伺いいたします。
 平成六年十一月二十七日に、愛知県西尾市で中学生の自殺事件がありました。十二月にそれを受けて出された文部省の通達の中に、いじめに関する定義について触れられています。「自分より弱い者に対して、一方的に身体的、心理的な攻撃を継続的に加え、相手が深刻な苦痛を感じているものであって、学校としてその事実を確認しているもの。なお、起こった場所は、学校の内外を問わないもの」となっています。これは、裏読みすると、確認していないものはいじめではないと言っているように受け取れます。その後、昨年「学校としてその事実を確認しているもの」の文言が削除されました。これは、各学校においていじめがあるのではないかとの問題意識を持つとともに、いじめであるかどうかの判断は、あくまでもいじめられている子供の認識の問題であるということ、表面的、形式的な判断で済ませることなく、子供の立場に立って細心の注意を払い、積極的ないじめの実態把握が行われるようにするため講じた措置であったと思います。ただ、いじめ対策緊急会議の緊急アピールの文章に、「いじめがあるのではないかとの問題意識を持って」という、「あるのではないか」という認識の甘さというものは、本当に大切な問題として取り組んだのかどうか疑いを持たれてもおかしくはありませんでした。
 例えば、日本PTA全国協議会の調査書に、学校とPTAがいじめについて全く話し合っていないというところが三四%、学校とPTAがいじめ対策委員会を設置していないところが七四%になっています。また、文部省のいじめ専門家会議が本年七月十六日に出した最終報告は、いじめ問題での学校の限界を認めましたが、それに対し日本PTA全国協議会長は、「一昨年末、文部省が学校に設けるよう提言したいじめ対策委員会にしても、PTA会長でその存在を知る人は少ない。学校とPTAがもっと連絡を密にしていかないと、せっかくの提言が生きない」と、学校と保護者の連携の強化を訴えるコメントが報道されました。さらに最終報告では、家庭の積極的なかかわりなど、社会全体でいじめに取り組むことへの期待、さらに家庭、地域、学校の一層の連携の強化を求める声など、さまざまな注文が出されたようであります。
 現代の教育問題とは、実に教育する側の問題と言えます。しかし、家庭や地域においても、本来的に備わっていた教育力が衰えていると思います。すなわち、教育のエネルギーの源泉が枯れつつあるのが現状だと思うのであります。
 日本のいじめは、大人の嫉妬社会がそのまま映し出されているとも言われています。まず、事件の中心には被害者と加害者がいます。それを取り巻くように、見て見ぬふりを決め込む人やはやし立てたりする人、一方で全く無関心の人がいます。それが、当事者同士の関係をさらに複雑にします。いじめの問題は、決して当事者間だけでなく、クラス全体の問題であり、場合によっては学年、学校全体の問題でもあります。そうした意味で、犠牲者が出ても、なお「いじめはなかった」と言う学校、「いじめはなかったと信ずる」と言う教師、これでは無責任と言われても仕方がありません。
 いじめは、早期発見、早期対応が第一であります。しかし、子供は千差万別で、興味も関心も違います。きょうはこうであっても、あすはどうなるのか。一人の子においても、一瞬、一瞬の変化の連続で、小さなサインを毎日いっぱい出していると言われています。ある識者は、「教師の生命のレーダーがフル回転していなければ、心のエネルギーがないと子供の心はキャッチできるものではない。すなわち、絶対に理解してみせるという強い責任感、何としてもこの子を守ってあげたいという深い愛情、そして教師自身、いかなる理由があろうともいじめは絶対に許さないと言い切る毅然たる態度と確信の大きさ、私がいれば大丈夫、必ず解決するという雰囲気が自然のうちに生徒に伝わっていく」と指摘しています。いわゆる教育とは人格と人格の触れ合いから生まれます。よき人間にしかよき人間は育てられないのは道理だと思います。結局は、人間としての生き方が問われているのだと思います。いじめ問題についての私の考え方に対する見解をお伺いいたします。
 いずれにしても、いじめ根絶への取り組みについては対症療法に偏るのではなく、今後、学校、家庭、地域社会がそれぞれの役割を果たせるよう、そして中でも学校においては、第一に子供たちとの対話を中心とし、一人一人を大切に、その個性を生かす教育を着実に推進し、抜本解決に向けた積極的な取り組みを望むものであります。ご所見をお伺いします。
 登校拒否やいじめ防止の緊急対策として、スクールカウンセラーの学校配置が平成七年度より導入されました。八年度は全国五百六校、具体的には各県十校で、来年度は全国で約千校に倍増する方針と報道されています。県教委では、それに加えて学校や団体などの要請に応じてカウンセラー派遣事業を始めました。こうした事業は、臨床心理士といった資格などを持つ高度な専門家に委嘱し、学校において、子供、教師、保護者等のカウンセリング、あるいは指導助言に当たっていただくものと思います。
 大学院の修士を修了した方で一年以上の実務経験を持っていることが、臨床心理士の基本的な資格と理解されているようであります。その高度な専門家については、まだこの分野において国家資格というようなものができていないように聞いています。厚生省、文部省との間で意見が合わずに、特にサイコセラピーの分野で資格化がおくれているようであります。また権限については、教育相談体制の整備の一環として位置づけられていると思われるスクールカウンセラーの配置、カウンセラー派遣事業だと思いますので、専門家の派遣、それから学校外の方に学校外から新しい目で学校も見ていただき、子供たちとも接してもらいたいというねらいもあるものと思います。そうだといたしますと、非常勤の形で行かれた相談員の方が、まさに大変な子供の相手をしてやればいいんだということでやっていたのではいつまでたっても問題は減らないと思います。つまり、そういう問題が起こってくる学校運営にいろんな問題があるのだから、カウンセラーの任務の明確な位置づけや権限を与えていく必要があるのではないかと思いますが、見解をお伺いいたします。
 最近、一年半ほどの間に出された文部省の通知や報告書を見る機会がありました。その中で、対策上最も重要な役割を果たさなければならない学校についてはたくさんの項目が挙げられています。学級担任の自覚と責任、教職員相互間の緊密な情報交換、職員会議の活用、全校的な組織の設置、校内研修の実施、外部講師の活用、関係機関、保護者との連携強化、教育相談の充実、積極的な生徒指導の展開等々、そのほか膨大な校務の通知がされています。
 こういった事項が完全に学校現場で実施されれば問題はありませんが、こういった通知があるたびに学校現場ではいろんな会議や研修の連続になります。校外にはいろいろな関係機関がありますので、その連携など多くの時間がとられます。いじめの早期発見や解決のためには教師と生徒の接触の時間を本来多くしなければならないのが、逆にこういった通知が来るたびに減っていくという皮肉な結果に陥りがちであります。しかしながら、学校が子供の教育の場である以上、生徒の前で「忙しい」と言えば、もうその時点で生徒を遠ざけてしまうことになります。どこまで行っても、生徒のための教師であります。教師のために生徒がいるのではありません。子供の教育を第一に考えるべきであります。
 一方で、最近は教育に対する要請も極めて多様化しており、私たちの気がつかないところで大変な思いをしていることも多いと思われます。今後は、校務の運営の効率化を図りつつ、教師の負担に配慮しながら、教育現場に充実を期することが肝要だと思いますが、対応についてお伺いいたします。
 以上で、質問を終わります。
○議長(町田 亘君) ただいまの森本明雄君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 商工労働部長日根紀男君。
 〔日根紀男君、登壇〕
○商工労働部長(日根紀男君) シルバー人材センターについての、四点のご質問にお答えいたします。
 会員の拡大と空白地域での事業実施、並びに仕事量の確保についてでございます。
 シルバー人材センターは、現在、和歌山市、田辺市、橋本市、新宮市に設置されておりまして、その活動範囲は、それぞれ市の行政区域内となっております。空白地域での事業の実施につきましては、本年度、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部が改正され、今後三年間で各都道府県に設立されるシルバー人材センター連合のもとで、議員お話しのように、未設置の市町村においても事業実施が可能となったところでございます。しかしながら、本県の地理的な条件もございまして、既設の四シルバー人材センターにおいて全県下をカバーするには困難な面も見受けられますので、新たに広域的なシルバー人材センターの設置を推進してまいる所存でございます。
 また、会員数の拡大、仕事量の確保につきましては、既設のセンター及び今後設立される予定の県連合に対しまして、仕事の開拓、開発を図るよう十分指導してまいりたいと考えております。
 次に、仕事に関する上での問題点でありますが、シルバー人材センターは、地域社会に貢献するもの、また地域社会の日常に密着した臨時的、短期的な仕事であって、高年齢者向きの仕事を受注していくこととされております。今後とも、企業、関係団体等に本制度の周知、理解を求めながら、地域社会のニーズに見合った高年齢者向けの仕事の確保を図ってまいりたいと存じます。
 次に、会員の要望と実績でありますが、就業希望につきましては、大部分の方は年齢、体力を考慮して短時間就労を希望されております。また実績につきましては、平成七年度においては就業延べ人員九万二千人日余り、配分金三億七千万円余りとなっておりまして、ほぼ希望者のニーズを満たしているものと考えております。
 安全教育につきましては、各シルバー人材センターごとに安全就業推進員を配置し、会員に対する各種研修等を実施しておりますが、今後、会員数や仕事量の増加に伴い、作業の安全確保と交通事故防止等にさらに努めるよう指導してまいります。
 いずれにいたしましても、二十一世紀の超高齢社会の到来が見込まれる中でシルバー人材センター事業は高年齢者対策の重要な施策でございますので、今後とも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(町田 亘君) 福祉保健部長小西 悟君。
 〔小西 悟君、登壇〕
○福祉保健部長(小西 悟君) 森本議員にお答えをいたします。
 医薬分業の推進についてでございますが、議員ご指摘のとおり、医薬分業は、薬剤師と医師等が相互に連携することにより医療の質の向上を図るものであり、全国的に普及進展しつつあるところであります。
 本県の現状につきましては、処方せん受け取り率は全国と比べると低い位置にあるものの、平成六年度は前年度比三二・三%の増、七年度には四七・一%の増と着実に普及しておりまして、平成七年度中に病院外に発行された処方せん枚数は五十三万五千枚に上っております。
 和歌山県の医療行政の基本方針として地域保健医療計画が定められており、この中で県民の医療の充実を図る有効な手段として医薬分業の推進を位置づけてございます。
 分業により患者が受けられる主な利益といたしましては、一つには、薬局が医薬品の履歴管理をすることにより、複数の診療機関受診による同じ薬の重複服用や薬の組み合わせによる相互作用などの副作用を防ぐことができます。二つ目には、薬を処方した医師、歯科医師と薬剤師が連携して患者に服薬指導することにより、患者の薬に対する理解が深まり、薬物療法の有効性、安全性が向上します。三点目は、診療機関が手元の薬の制限を受けることなく患者に最も適切な薬を選択することができます。
 こういった患者にメリットのある医薬分業を定着させるために、県では薬局のハード、ソフト両面からの基準として薬局業務運営ガイドラインを示し、適正な調剤薬局の育成に努めるとともに、医薬分業の環境整備といたしまして、医薬分業推進懇談会、医薬分業定着促進事業、医薬分業普及啓発事業、薬剤師バンク及び未就業薬剤師研修事業のほか、社団法人和歌山県薬剤師会に対し、専門家である医療従事者だけでなく一般県民にも最新のあらゆる医薬品情報を提供するための薬事情報センターの設置を促し、これの運営補助を行っているところでございます。
 今、医療環境の急速な変化に伴い、一層の院外処方せんの増加が見込まれますが、患者が安心して調剤を受けられ、さらにより有効で安全な薬物治療が受けられるように、これら医薬分業推進関連事業の充実強化に努めてまいる所存でございます。
○議長(町田 亘君) 教育長西川時千代君。
 〔西川時千代君、登壇〕
○教育長(西川時千代君) 教育問題、八点についてお答えいたします。
 現行の六・三・三制の学校教育体系は、戦後、我が国の教育の普及、向上に大きな役割を果たしてきました。とりわけ、初等・中等教育の水準は世界各国から評価されているところでございます。
 しかし、時代の進展や社会の変化に伴い、子供たちを取り巻く環境が大きく変わる中で、いじめ、登校拒否問題などの病理現象や過度の受験競争など、今日の学校教育にはさまざまな課題が生じてきてございます。こうした中で本県では、より柔軟で多様な教育の推進に向けて、現行制度を基本としながら、総合学科の設置、高校入試の改善、学校間連携を実施するなど、でき得る限りの施策を講じてきているところであります。
 中高一貫教育につきましては、現在、中央教育審議会で一人一人の能力・適性に応じた教育と学校間の接続の改善という観点から審議が進められているところであり、その結果等を踏まえるとともに、ご指摘の宮崎県における先導的な取り組みの成果等をも見守りながら今後研究してまいりたいと考えてございます。
 中・高連携推進支援モデル事業は、高校教育改革が急速に進展する中で、これまで以上に中・高が連携・協力して取り組むことが求められていることを踏まえ、本年度から二カ年間、伊都、西牟婁の両地方で実践的な研究を行うこととしたものでございます。両地方においては、英語、数学などの教科における中・高のつながりを重視した指導、教員の専門性・指導力の向上、中学校の進路指導の改善等、さまざまな観点から研究・協議を行っております。
 この十月からは、中学校、高等学校教員の交流による公開授業の実施など、具体的な取り組みを進めることといたしております。この事業は、中学校、高等学校双方の教育力を高める重要な役割を担うものであることから、その成果を踏まえ、他地方への拡大について検討してまいりたいと考えております。
 次に、生涯学習の機会の拡充や内容の充実についてであります。
 県民の多様化、高度化するニーズにこたえることは、生涯学習社会を構築していく上で重要な課題であると考えてございます。
 現在、市町村や大学等と連携・協力して、各種講座、研修会などを開催しておりますし、小・中学校の開放はもとより、県立学校二十五校においてもパソコンや語学などに関する多様な講座を開催しております。また学習情報の提供におきましても、きのくに志学館を拠点とし、県内すべての市町村とネットワーク化を図ってございます。今後、小・中県立学校でのインターネットの活用や公民館における衛星通信の利用など、遠隔地間や学校、施設間での情報化、国際化等に対応する学習機会の充実に努めるとともに、放送大学の利用につきましても研究を進めてまいりたいと考えてございます。
 また、青少年の学校外活動につきましては、学校外活動推進モデル事業を実施するなどして、子供の自然体験や社会体験学習の充実に向けてさまざまな取り組みを行ってございます。今後とも、市町村等と連携してその充実に努めてまいる所存でございます。
 次に、PTA活動の現状と活性化についてでありますが、議員ご指摘のとおり、PTAは、単に学校の後援会的活動に偏ることなく、保護者と教師が対等の立場で協力し、互いに学び合う団体であると受けとめてございます。こうしたことから、学校週五日制や登校拒否、いじめ問題、飲酒・喫煙問題、交通事故防止など、緊急な課題について互いに積極的に討議するとともに、会員意識の高揚も図っているところでございます。
 特に今年度は、登校拒否・いじめを考えるフォーラムを各地方ごとに開催し、既に四地方でPTA関係者を中心に約二千五百名の参加者を得て研修を深めたところでございます。今後とも、PTA規約のあり方の検討や会員一人一人が進んで参加できる多様な活動形態の工夫など、PTAの自主的な活性化への取り組みを支援してまいりたいと考えております。
 次に、いじめ問題についてであります。
 この問題は、子供の人権と命にかかわる重大な社会問題であると受けとめてございます。いじめはどの学校にもあるという前提に立つとともに、いじめは絶対に許されないという認識のもとに取り組むよう指導しているところでもあります。
 各学校においては、議員ご指摘のとおり、すべての教師が子供の心の痛みや悩みをしっかりと受けとめ、子供を信じ切り、深い愛情を持って子供にかかわっていくこと、さらには学校を開き、保護者や地域社会とともに子供のことを考えていくことが大切であると考えております。
 こうしたことから、今年度、県独自にカウンセラー派遣事業を新設するとともに、先ほど申し上げました登校拒否・いじめを考えるフォーラムなどを通じ、学校、家庭、地域社会が連携して取り組む体制づくりに努めているところであります。また、登校拒否・いじめ対策委員会において、今後の取り組みのあり方について検討を進めております。
 次に、本年度十二校に配置しておりますスクールカウンセラーについてでありますが、各学校では、校長の指導監督のもとに、児童生徒へのカウンセリングはもとより、教職員、保護者に対する指導助言を行っております。その専門性を生かし、カウンセラーを校内組織に位置づけ、全職員の協力体制のもとに指導の充実改善を図るよう今後とも指導してまいりたいと考えます。
 最後に、学校の校務運営等についてでありますが、各学校にあっては、子供の実態を十分に踏まえて、学校行事や会議など校務運営の改善、効率化を図り、児童生徒との触れ合いと好ましい人間関係を基盤にした教育を展開することが基本であります。今後とも、こうしたことに配慮しつつ指導してまいりたいと考えます。
 以上でございます。
○議長(町田 亘君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 39番森本明雄君。
○森本明雄君 答弁に対していろいろとご意見を申し上げたいことがあるわけでございますが、時間の関係もありますので一点だけ。
 不登校問題やいじめ問題に対する緊急対策としてスクールカウンセラーの学校配置とかカウンセラーの派遣制度というのがなされておるわけでございまして、本来ならば学校配置にしても全校配置をしなくてはならないわけですけれども、一体いつのことやらわからないわけです。もちろん、県教委としては、それを補完する意味でカウンセラーの派遣制度を始めていただいたわけです。ただ、要請に応じてカウンセラーを派遣するということで、いろいろな問題があったら言ってきてください、すぐ派遣します、そして問題解決に当たりましょうと、ちょっと聞けば積極的な考え方にとれるのでありますけれども、いじめ問題というのは非常に陰湿な問題でもありますし、なかなか表面化してこない、顕在していない。顕在しているのはごく一部で、大半は潜在化しているわけです。そして、たまたま表面に顕在した問題についてカウンセラーの派遣を行って対応するわけです。
 先ほども一回目の質問の中でちょっと触れましたように、あくまでもこれは対症療法であって原因療法にならないのではないかと私は考えておるわけです。ましてや、任務の位置づけや権限というのはございません。それは法律を改正しなかったならばできない問題であって、県教委でどうのこうのと言うことはできないのではないかと思います。そういった不備もあるわけでして、県教委としても、そういう面を十分に補えるように、もっと大きな立場で学校運営のあり方にまで突っ込んでいろいろな助言をしていけるように、学校の運営のあり方を改革でき得るような立場を与えていくことが大事ではないかと思うわけです。したがって、要請に応じるということは要請待ちでという考え方になりますので、非常に保守的な、消極的な待ちの姿勢ではないかと思います。私は、教育改革にかけては西川教育長は日本一と思っておるわけでございますが、その教育長にしてはちょっと消極的ではないかなと思います。
 きょうの新聞にも、「県立高校 中途退学者大幅に増 多い『不適応』『進路変更』」とございましたが、いわゆる不登校が中途退学につながることを考えましても、こういった問題解決のために、もう少し積極的な対策、対応が必要ではないかと思っております。どうかその点、今後十分配慮して対応していただきたいと、意見だけ申し上げておきます。
○議長(町田 亘君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で森本明雄君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
○議長(町田 亘君) この際、暫時休憩いたします。
 午前十一時二十八分休憩
  ─────────────────────
 午後二時四分再開
○副議長(下川俊樹君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
○副議長(下川俊樹君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 40番神出政巳君。
 〔神出政巳君、登壇〕(拍手)
○神出政巳君 やっとお許しを得ましたので、消費税に関する意見書の合間を縫いまして、通告に基づき、順次ご質問いたします。
 先日、今ベストセラーになっている堀紘一氏が書かれた「成功する頭の使い方」という本を読んだのでありますが、その中で「地方公務員は安定した職業か」という項目がありました。後ほどの質問と関係がありますので、冒頭少し引用し、紹介させていただきます。
私はある大学生と向かい合っていた。
 彼はこれから就職戦線に臨むところだったが、聞けば地方公務員になろうかと思っていると言う。私が、「君はなぜ地方公務員になりたいのか」と尋ねると、
「やはり民間企業は不安定です。その点地方公務員は給料も安いし、仕事も地味かもしれませんが、非常に安定していますから」
「僕は安定志向自体を否定はしない。しかし君は本当に安定志向なんだろうか。いったい、地方公務員のどこが安定しているのかね。安定を求める君にとって、地方公務員ほどギャンブル性の高い職場はないと私は思うよ」と私は断じた。
「考えてみてほしい。君はまだ二一か二だろう。例えば二〇年後、三〇年後、君が四〇歳を過ぎ、五〇歳を過ぎたとき、日本の財政が破綻していない保証はどこにありますか。おそらく二〇年も三〇年もかからずに、一〇年にして日本の財政は破綻すると僕は思う」
 なぜなら、(中略)税収の源となる若い、働く層は少なくなり、支出を当てなければならないお年寄りの層は増える一方だからだ。どんどん支出しなければならない福祉負担が膨れ上がるのに、そのための収入は減っていくのだ。お役所はきわめて不安定な状況に追い込まれつつある。
「君が不安定だという民間企業では、バブル崩壊後、リストラクチャリング、リエンジニアリングを図り、新たな採用も抑制することでスリム化の努力をしている。それでも不十分だとかいい加減だという批判はあるが、必死の努力で経営危機を回避しようとしていることは間違いない。
 ところがこの日本という国家の経営を預かる霞が関と地方公共団体はどうか。これら税金で動いているところは、これほど世の中が変わって、所得税にせよ法人税にせよ減ることがわかりきっているにもかかわらず、ただ一つのリストラクチャリング、リエンジニアリングもなく、局も部も課も、部門の一つも減らす気配がない。
 それでは、一〇年、二〇年後に、いまのままの陣容・組織を温存して、人員を維持できるか。答えは明らかに『ノー』だ。こんなにわかりきった話はない。日本中が残業して働いてたくさんの税金を貢いだところで、とても追い付かなくなるだろうと私は思う。
 いま君は二〇歳を超えたばかりの前途ある学生だ。なかなかいい資質を持っていそうだ。しかしここが考えどころだ。一〇年後に崩壊がくるのなら、むしろ幸せと言えるかもしれない。だが、二〇年後、三〇年後に崩壊が来たとしたらどうだろう。四〇過ぎ、五〇過ぎになってから君は再就職しなければならない。
 そのとき君はどういう中年になっているだろうか。地方公務員のカルチャーでは、自分から積極的にことに取り組もうとする意欲に満ちているとはとても思えない。自分の特徴となる専門技術は持っているか。とんでもない。エリートになればなるほど異動が激しい。とくに課長職になると一年おきに部局を変わったりするから専門性も身につかないだろう。
 現在の同じ年頃の公務員を見ていると、その頃の君は多分少し横柄で、鼻持ちならない人間になっていそうだ。頭はいいが、専門性は持たず、ことなかれ主義で、鼻持ちのならない横柄な中年男を中途採用する企業がいったいどこにあるだろうか。企業の側からみれば、四〇歳、五〇歳の地方公務員は、最も雇いたくないタイプの一つに違いない。
 いま君は、四〇歳か五〇歳にして路頭に迷う可能性が最も高い選択肢を選ぼうとしているんだ。私の今日の話をよく考えてみて、お父さんともう一度相談してきなさい」
 たしかにこれまでは、地方公務員は最も安定した職業の一つであったろう。しかしそれはあくまでも「これまでの話」に過ぎない。いま時代が変わりかけているとき、崩壊するのはサラリーマン神話ばかりではない。その延長上にあり、しかもサラリーマンや企業以上にその変化に鈍感で、危機意識もなければ、危機回避の努力もない世界が安定していると信じる根拠は実は何もないのである。
 何より私を憂鬱にさせたのは、同じ若者が、一方では現在を見つめ、未来への道を探ろうとしているのに対し、他方では現実を見ることをせず、未来を読もうとせず、これまでの常識がこれからもずっと生き続けることを、過去がそうだったからという理由だけで信じ込んでいる、その危うさであった。
 少し長くなりましたが、特に印象に残った部分をご紹介させていただきました。知事初め理事者の方々には心外であるとお思いの箇所があったかもしれませんので、失礼の段はお許しを願いたいのでありますが、私は今後、県の職員試験を受験して入れなかった若者には、以上のような話をして慰め、進路変更を進めようかなとも思ったりしております。著者のねらいは、先を考える力を持て、何を考えればいいかを考えろということではないかと思います。県庁改革の一助になれば幸いです。
 さて、前置きが長くなりましたが、以上のことを踏まえ、知事にお尋ねいたします。
 知事は「本気で変える」と標榜され、私どももその言葉に大いに感動を覚え、県政改革にともに取り組もうと期待をかけております。昨年の晩秋、就任早々、政策推進室を設け、機構改革を初め多くの方策を打ち出されました。次なる打つ手は何か、胸のうちをお聞かせください。
 振り返ればこの一年、せっかくのお取り組みにもかかわらず、職員の不祥事もありました。県民に公平にサービスするという点においては、営利を目的とする民間企業と同じく望むということは危険でありますが、五年先、十年先を考えるとき、トップリーダーであり和歌山県庁に最もお詳しい西口知事が、現実とのはざまで困難と思われることであっても思い切って決断され、リストラに踏み切っていただかなければなりません。間近に控えた総選挙は、行革選挙になると言われております。省庁の再編成から質の改革まで、幾つかの方策が出されております。また一方、全国都道府県でワーストワンの財政状況を抱える大阪府では、八月二十二日、財政健全化方策案がまとめられました。このままでは平成九年度から十一年度まで毎年度二千億円を超える財源不足に陥ると試算され、四十五項目に上る主要事業の見直しを初め歳出の大幅削減を目指すなど、内容はかなり厳しいものがあります。
 本県におきましても、財政状況は県債残高においてここ五年で二倍となって五千億円を超え、安閑としていられないことは同様であります。来年度以降の予算編成の上で、また機構改革の面で、二十一世紀を目の前にして和歌山新時代の創造の中で「本気で変える」という方策はどうかについてお尋ねいたします。
 次に、教育についてであります。
 九月二十日、県教育委員会の発表で、全日制県立高校の中退者が平成七年度に二%に達し、六百三十八名になったとのことであります。一校分の生徒が消えてしまったということであり、国内全般の社会現象とはいえ、ゆゆしき問題であります。異常なまでの受験勉強を強いるゆがんだ大学入試制度と、飽食の時代にあって崩壊しつつある家庭生活が主な原因ではありますが、仕組み・制度の改革強化で対応していかなければなりません。
 また、大学進学に関しても、本県は進学率が全国中位にあるにもかかわらず、収容力、残留率が非常に劣っているわけであります。そういった中で、七月十九日に出された中教審第一次答申を受けて、八月三十一日の毎日新聞に「受験ない『十五の春』に現実味」というタイトルの、都道府県立としては全国で唯一の宮崎県にある中高一貫教育を行っている学校が紹介されておりました。午前中に森本明雄議員も話されましたが、これを見て文部省にも新しい動きが出てきたものとうれしく思いますと同時に、本県におきましても二十一世紀にふさわしい教育体制を取り入れるべきよい機会を迎えたのではないかと感じる次第です。新聞内容とは多少意を異にしますが、本県の豊かな自然、熊野・高野に代表される歴史文化を観光面だけでなく地方の時代にふさわしく教育文化面に生かす取り組みを行ってはと考えます。西口知事は昨年の選挙戦を通じて大学の立地を申されておりましたが、公立の中高一貫の教育機関初め、特色ある高等教育機関の立地を図られてはどうかと考えますが、いかがでしょうか。
 これからは、学齢人口が大きく減少いたしてまいります。そうした中で和歌山県の発展を図るためには、人材の集積を図るための手だてとして高等教育機関の充実は欠かすことのできない課題であると存じます。しかし、そのためには特色ある魅力ある教育機関の実現を図る必要があります。本県の自然歴史を生かし、関西国際空港によって世界に近接することになった立地性を生かし、県内はもとより県外さらには海外からも学生生徒を迎える未来型の教育機関は、地方の時代にふさわしく、地方からの国際貢献のモデルとなり得るばかりでなく、人材の集積によって新たな地域文化の形成につながり、経済活性化を生み出す源になるのではないかと考えます。
 知事にお尋ねをいたします。この際、国際的な視野に立って、二十一世紀、地方の時代にふさわしいユニバーサルな特色ある高等教育機関の立地を推進されてはと考えますので、ご所見をお聞かせください。
 続きまして、財政運営の一つの手段として基金の繰りかえ運用について提言し、総務部長にお尋ねします。
 六月定例会の直後、西本長弘議員が会長をされている和歌山県議会半島振興議員連盟の視察で秋田県へ連れていっていただいたところでありますが、その際、秋田県では県の当初予算に占める県債依存度が過去最高となり、税収等が落ち込む中、今年度から十二年ぶりに基金の繰りかえ運用を再開したとのことでありました。これは、基金が枯渇した一定期間、県が基金から借り入れて事業費などに充てるもので、これまで活用してきた指定金融機関からの一時借入金に比べると、利率の差からより多くの利益が期待できるものであります。実際に四月末から一カ月間実施したところ、差益は四千四百万円に上っているということでありました。
 繰りかえ運用に活用された基金は、財政調整、減債、地域振興事業、美術品取得の四基金で、いずれも基金管理条例に繰りかえ運用を認める項目が記されています。今回の秋田県の繰りかえ運用では、一、指定金融機関の一時借入金(金利一・八七五%)より基金からの借入金(金利一%)が有利、二、基金の保管の面で指定金融機関への三カ月間の大口定期預金(金利〇・四九%)より県に預ける方が有利という二重のメリットがあったようであります。繰りかえ運用を実施したのは四月三十日から五月三十一日までの間で、今年度の地方交付税や国庫補助金が未納なため資金が乏しくなり、活用したのは財政調整基金と減債基金でともに二百億円。両基金は平成七年度の退職金や工事費などに充てられ、一時借入金と比べて二千六百万円、定期預金とは一千八百万円の差益を生んだようであります。財政課と会計課が協議し、安全確実、期間限定で基金本来の目的を損なわないという面を考慮して繰りかえ運用の再開を決めたようであります。
 本県におきましても、市場金利よりも有利であり、基金の保管も約二倍の金利となり、財政運営には有力な手段となり、得なはずであります。したがいまして、資金繰りの状況により財政調整基金、県債管理基金初めその他の基金から活用できるよう財政課と出納室で協議され、早急に基金管理条例を整備され、基金の繰りかえ運用を実施されてはいかがかと提言いたします。総務部長より答弁願います。
 続いて、先般送付いただきました報告書「関西国際空港を活かした和歌山県活性化に向けて」の委託調査についてお尋ねします。
 関西国際空港も平成六年九月の開港以来順調に需要が拡大いたしておりますことは、まことに喜ばしいことであると感じております。また、二期工事につきましても、今議会冒頭の知事の提案理由説明にありましたように、徐々に具体化をいたしてまいりました。関西国際空港関連の開発計画につきましてはこれまでにも幾度となく提案されておりますが、今回新たに県の委託調査がまとまり提示されましたので、このことに関して質問いたしたいと思います。
 報告書を開いてみますと、目的が書いてあります。「関西国際空港の開港を、和歌山県にとって県勢発展の絶好の機会ととらえ、この空港の持つインパクトの波及効果を最大限に活かすための具体的な施策メニューを抽出するとともに、戦略的な視点に基づいた事業の展開方向を設定」するとされております。また、位置づけの中には「各分野の関連計画との連携・調整を図りつつ、総合的、弾力的に展開することが望ましい施策の方向を示すものである」とも書かれております。
 そこで、企画部長にお尋ねします。
 県ではこれまで関空関連地域整備計画に基づき関空インパクトを生かすためのさまざまなプロジェクトを進められてきたと存じますが、今回の報告書と地域整備計画の関連についてどのように考えているのか。
 また、報告書には、例えば「次代を切り拓くグローバルビジネスの展開」あるいは「国際観光交流の進展を視野に入れた環境整備」や「個性ある地域文化の創造」などを施策の柱として挙げ、それに沿って実に多くの施策メニューが盛り込まれております。開港後二年が経過し、関空の至近距離に位置する本県として、そのインパクトを積極的に引き入れるためのさまざまな取り組みが一層求められている時期であります。そうした中、今回の報告書にあるような施策メニューを官民挙げて実現していくことが非常に重要であると思いますが、県として今後その実現化に向けてどのように取り組まれるのか、お聞かせいただきたいと思います。
 次に、防疫体制の整備についてであります。
 六月定例会一般質問で同僚の山下直也議員がご指摘されたように、この夏は病原性大腸菌O157が県民生活に少なからぬ影響を及ぼしました。全国各地においても、予期せぬ事態にかなりの混乱が見られました。本県におきましては、いち早く相談窓口を設けていただき、あわせ融資制度も創設していただきました。今後とも食生活の安定確保のための対策を積極的に推進するとの知事説明がなされたところであります。今回の問題は国内的なものであったようでありますが、国際化の進展によって、伝染病の侵入等のリスクをも考慮に入れた体制の整備が今後早急に必要ではないかと考えます。
 和歌山下津港の国際港湾としての強化、白浜空港の滑走路の再延長計画も国の計画に盛り込まれることになりました。関西国際空港の需要も拡大いたしております。国際交流、地域間交流を活発化させることは県勢の伸展を図る上で真に重要なことであり、積極的な推進を図る必要があると考えます。しかし、それと同時に、県内に居住し、また滞在する人の安全の確保は欠かすことができない課題であります。防疫体制の整備についてはどのような状況にあるのか、福祉保健部長からお聞かせいただきたいと思います。
 次に、防災体制についてであります。
 阪神・淡路大震災の経験を生かし整備に努めておられますが、防災体制のうち、海外からの滞在者に対する震災時などでの対策は国際化を目指す本県として十分な状況であるのかどうか。案内表示やパンフレット等でも不十分なように思いますので、総務部長のご所見をお聞かせください。
 続いて、公共工事のコスト削減の取り組みと今後の考え方についてお尋ねします。
 建設省は、アメリカ合衆国に比べて三割高いと言われる公共事業費を引き下げるため、今年度中に公共工事の建設コスト削減に向けた新しい計画をつくると言われております。現行の計画を抜本的に見直し、コスト削減の数値目標を設定するほか、地方自治体と連携した業務の効率化策を新たに盛り込むということであります。公共事業の経済効果が低下しているとの批判が強まり、具体的な削減目標を示していない従来計画では不十分と判断したところであります。
 建設省が八月に発表した行動計画の実施状況中間報告によると、平成七年度末までの約一年間に同省直轄工事の十分の一に相当する一千四百億円の公共工事について建設コスト削減策に取り組んだところ、削減効果は四%、五十七億円にとどまったということであり、今後、地方建設局と自治体で建設費縮減推進連絡協議会をつくり、公共工事の施工管理基準や発注、積算基準を統一し、業務の合理化を進めることも検討しているようであります。
 そこで、今議会には議案第百二十五号以下十件余、約三百億円の工事請負契約の締結が上程されております。個々の議案については所管の委員会にお任せいたしますが、県ではこれまで建設コスト削減にどのような取り組みをされてきたのか、また今後どのような考え方、体制で公共工事のコスト削減について取り組まれるのか、土木部長にお尋ねします。
 最後に、道路の確保についてお尋ねします。
 最近、私の住まいする周辺では火事の発生が非常に多く、自治会ごとに夜間パトロール隊を編成して不審火対策等に取り組むという状況であります。年末の消防団の方々による夜回りのようなことをしているわけでありますが、二十一日深夜の火事について申し上げれば、消防車が火災現場まで接近できないということに非常に歯がゆい思いをしました。道路が狭いためであります。
 消防初め関係部局のご尽力により、近年、消火栓、防火水槽等、施設は充実してきているのでありますが、消防車や救急車の入らなければならない道路が狭いのであります。昨年の阪神・淡路大震災の死亡者六千三百人のほとんどが二次火災によるものだと聞いております。
 そこで、まず戦災に遭わずに残った老朽化した木造家屋が建ち並ぶ町並みの中で何とか四メートルの道路を確保すべく、建築基準法第四十二条第二項の遵守を強く求めるものであります。新築、建てかえの際の建築確認では将来必ず四メートル道路が確保できる申請になっているはずであるのに、なかなか守られていないのが現状であり、一たん緩急あればそら恐ろしいことであります。現状の取り組みと今後の考え方について、土木部長にお尋ねします。
 あわせ、道路の確保ということで言えば、県道初め市町村道など公道として供用している土地において、いまだ分筆登記がされず、登記上公道と私有地に分けられていない箇所がたくさん残っているように思います。また、私有地の権利者が次々と変わらぬうちに急がなければ、登記上面倒なことにもなると思います。現状についてどのように把握されているのか、対応についても土木部長にお尋ねします。
 そして、道路を初め用地買収の現状を見ましても、官民境界がはっきりせず、官が民を取り込んだ、また一方、官が官の土地を民だと思い二重に買収したなどと、住民の不平の声が多く聞かれます。これらすべてに係る問題として、公図訂正初め地籍調査があります。地籍調査事業がすべてうまくできれば多くの懸案は解決するのではと思うのでありますが、現状は県が笛吹けど市町村はなかなか踊らないということであります。近年、県のご努力によりかなりの市町村にまで事業が波及しましたが、まだ取り組めない市町村も県内に多数残っています。今後の地籍調査事業の取り組みを強く要望し、第一問を終わらせていただきます。
 ご清聴ありがとうございました。
○副議長(下川俊樹君) ただいまの神出政巳君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
 〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 神出議員にお答えをいたします。
 まず最初に、堀紘一氏の文を引用されたお話、大変興味深く拝聴させていただきました。今後の参考にさせていただきたいと思います。
 来年度以降の方策についてでありますが、まず予算編成については、昨日、堀本議員にもお答えをしましたけれども、国、県とも非常に厳しい財政状況下でございます。平成九年度の予算編成に当たりましても、必要な財源確保が大きな課題となるわけでございます。
 こうした中で、県職員がいま一度、地方自治の根本である「最小の経費で最大の効果を上げる」ということを再認識し、社会状況の変化、多様化する県民ニーズに対応しながら、行政改革大綱に沿って効率的、効果的な行財政を進めていくことが大変大事であろうと考えてございます。また、財源の重点配分あるいは事業の重点整備化についても、さらに一層取り組みたいと考えてございます。
 また、機構改革についてでありますけれども、県民の期待と信頼にこたえる県政を進めるためには、活力ある県庁組織が不可欠でございます。このために、職員に対しては、絶えず意識改革の必要性を訴えてまいりました。本庁の組織についても、本年の四月に大規模な見直しを行ったところでございます。さらに、来年以降、より県民に身近なところにある地方機関あるいは外郭団体等についても積極的な見直しを行い、組織の簡素効率化、さらにそれぞれの設置目的、県民から信頼される役割を果たし得る体制づくり、さらにやる気とむだをなくする体制づくりというようなことを目指して頑張っていきたいと思っております。
 なお、今後、地方分権の推進あるいは行財政改革を進めるに当たっては、何といいましても、県議会の皆さんを初め、広く県民の皆さん、さらには市町村、関係団体等のご理解とご協力が必要となってまいりますので、今後ともよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 次に、特色ある高等教育機関の立地推進についてでございます。
 お話のように、活力ある和歌山新時代を築くためには、次の世代を担う高度な専門的知識・能力を備えた人材を育成いたしまして、地域の学術、文化、国際交流、科学技術、産業振興の拠点となる高等教育機関の整備が極めて重要であろうと思っております。このような考えのもとに、和歌山大学システム工学部の増設、近畿大学生物理工学部の学科増設などを促進してきたところでございますけれども、今後とも和歌山大学システム工学部大学院、さらに情報科学センターの設置、県立医科大学の移転整備、和歌山工業高等専門学校の学科改組など、既存大学の整備充実をまず図っていきたいと思います。
 また、議員のお話にございましたように、国際化、高齢化に対応し、海洋、観光など本県のすぐれた地域特性を生かした高等教育機関の立地につきましては、私も意欲を持って関係方面と折衝を重ねておるところでございます。現下の諸情勢の中でいろいろと難しい課題も多いわけでありますけれども、引き続き私立大学などの立地促進に取り組んでまいりたいと考えております。
 以上であります。
○副議長(下川俊樹君) 総務部長中山次郎君。
 〔中山次郎君、登壇〕
○総務部長(中山次郎君) 行財政と防災対策の二点についてお答えいたします。
 まず、行財政の基金の繰りかえ運用への管理条例整備についてでございますが、県の資金繰りについては、近年、バブル経済崩壊による税収の落ち込み等の影響もあり、特に年度末にかけて非常に厳しくなってきているのは事実でございます。その間の資金調達の方法としては従来から一時借入金を行っているところでございますが、県の財政状況が厳しい中、調達コストの低減を図ることが財政運営の観点から非常に重要なことだと考えてございます。
 議員ご指摘の基金の繰りかえ運用については、税収の落ち込み等により県の資金繰りが困難になったときに用いる制度でございまして、一時借入金との選択が可能であると理解してございます。したがって、現下の県の資金繰り状況にかんがみ、全国における繰りかえ運用の実施状況や一時借入金との比較等を踏まえ、今後その実施に向けて検討してまいりたいと存じます。
 次に防災体制について、海外からの滞在者に対する震災時等の対策についてでございますが、県では平成二年度から外国語を併記した地震防災知識の普及啓発用冊子を配布してございます。本年度においても、日本語のほか英語、ハングル語、北京語、ポルトガル語を併記した同冊子を全市町村に配布したところでございます。
 今後、市町村等に対し避難誘導標識や防災マップ等についても外国語を併記するとともに、観光地のホテル、旅館等の従業員に対しても防災教育を行うなどの指導を行ってまいりたいと存じます。
 また、ボランティア通訳等による外国人救援活動及び災害情報の提供が円滑に実施できるような組織づくりについても検討してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(下川俊樹君) 企画部長藤谷茂樹君。
 〔藤谷茂樹君、登壇〕
○企画部長(藤谷茂樹君) 神出議員のご質問にお答え申し上げます。
 関西国際空港の活用策に係る調査報告書についてのご質問でございますが、県では昭和六十一年に関西国際空港関連地域整備計画を策定し、主に産業基盤、交通基盤といったハード面の整備を重点的に進め、その結果、鉄道や高速道路による国土軸への直結あるいは六十社を超える企業誘致等の成果を上げてまいりました。
 今回の調査報告書は、関西国際空港関連地域整備計画に沿って整備された各種基盤を活用して、関西国際空港がもたらすインパクトをいかに受けとめ県勢の発展につなげていくかという視点から、ソフト面の施策を中心に、県事業だけではなく市町村や民間が主体となるものも含め、提言として取りまとめたものでございます。
 そこでは、「新たな産業の開拓とグローバルビジネスの創出」あるいは「豊かな自然や歴史文化を活かした魅力ある観光圏の形成」、「多彩な文化との交流・融合による新文化の創造」等を基本目標に掲げ、それを実現するための施策メニューが多数盛り込まれてございます。
 今後、関係部局と連携を図るとともに、市町村や経済団体等の協力も得ながら、提言された施策メニューの具体化に向けて積極的に検討、取り組みを進めてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(下川俊樹君) 福祉保健部長小西 悟君。
 〔小西 悟君、登壇〕
○福祉保健部長(小西 悟君) 神出議員にお答えをいたします。
 防疫体制の整備についてでございます。
 海外渡航者の増加、渡航先の多様化に伴い、海外でコレラ、赤痢等の伝染病に感染して帰国する人も増加しているところでありますが、我が国では検疫法に基づき主要海空港に国の機関として検疫所が設置されており、伝染病の予防に必要な措置を講ずることを目的として、乗員乗客の健康状態の確認、検査、予防接種、相談業務等の検疫業務を行っています。
 県でも、乗員乗客に下痢、腹痛、発熱等の症状がある場合、検疫所から連絡通報を受け、伝染病予防法に基づいて、患者の収容、二次感染防止の観点から患者接触者の状況の把握、消毒の実施の指導等を行っているところでございます。
 県といたしましては、今後とも検疫所と連携のもと、海外からの伝染病の予防対策に鋭意取り組んでまいりたいと存じます。
○副議長(下川俊樹君) 土木部長長沢小太郎君。
 〔長沢小太郎君、登壇〕
○土木部長(長沢小太郎君) 神出議員にお答えします。
 まず公共工事のコスト削減についてのご質問でございますが、公共工事実施に際しては、よいものを安くつくることが国民のニーズとして近年、強く求められているところであります。
 県としても、年間工事の平準化による企業コストの低減と品質向上のための債務負担行為の活用、施工の効率化及び資源の有効利用を図るための再生資源の活用、より効率的な工法の採用等に取り組んでいるところであります。
 公共工事のコスト削減については、建設省において平成六年十二月に輸入資材の活用による資材費の低減、生産性の向上による建設費の縮減、技術開発による建設費の縮減を三本柱として公共工事の建設費の縮減に関する行動計画を発表しているところであります。私どもとしても、この趣旨を十分に踏まえ、建設省や他府県との連携も図りながら建設費の一層の縮減化に取り組んでまいる所存でございます。
 次に、道路の確保についてのうち建築基準法の遵守についてでございますが、議員ご指摘の建築基準法第四十二条第二項と申しますのは、将来幅員四メートルの道路として整備されることを期待して、建築物を建築する際に、その建築物が四メートル未満の道路に接する場合において建築物を後退して建築することを義務づけているものでありまして、建築主に当該部分を道路の形状で維持管理することを義務づけているものではありません。
 しかしながら、このような機会をとらえて道路の整備を行うことは、安全な町づくりへのきっかけになるものとして重要であると考えております。このようなことから、今後とも法律の趣旨にのっとり、建築時の指導、関係団体への周知を適切に実施するとともに、より安全な町づくりが図られるよう勉強してまいりたいと存じます。
 最後に、道路の確保に関して公道と私有地の分筆登記についてでございますが、まず現状を申し上げますと、県道敷等で分筆登記がなされていないものとしては、道路改築時に発生したものと道路法施行以前のものがございます。道路改築時に発生したものについてはその早期解消に鋭意努力してきたところでございますが、相当年数も経過しているものもまだございますことから、その実態を把握すべく各筆調査を実施しているところであり、この調査等を踏まえ、その解消に努めてまいります。また、現道路法施行以前のものについては、さらに年数が経過していることから全体の把握や早期の処理は困難でありますが、当該路線の拡幅等の計画が実施される際に用地測量等、登記に必要な手続を行うことによって処理していくこととしております。
 なお、分筆登記がなされていない土地に対する固定資産税については、該当市町村に課税の減免措置を依頼しているところでございます。
 以上でございます。
○副議長(下川俊樹君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(下川俊樹君) 再質問がございませんので、以上で神出政巳君の質問が終了いたしました。
○副議長(下川俊樹君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 36番村岡キミ子君。
 〔村岡キミ子君、登壇〕(拍手)
○村岡キミ子君 質問をいたします前に、初めに、カイワレダイコンがO157の食材として疑われていると言われてまいりましたけれども、きょう、厚生省が最終的な報告として報道をしました。私もそれを読みましたけれども、何ともすっきりしない、複雑な思いです。これを見てみますと、カイワレダイコンの生産過程、そして業者から出荷され運ばれていくトラックの中の温度が異常に高くなる、ましてやO157というのは菌が増殖しやすいと、こういうような状況のもとで、ここに原因があるのではないかという一歩踏み込んだ報告をしたわけですけれども、しかし果たしてこれで終息していいのかなと、複雑な思いをいたしております。そういう中で質問をするわけですけれども、既に原稿を書き上げておりましたのでそのままになると思いますが、ご了承いただきたいと思います。
 それでは、質問を申し上げてまいります。
 まず、病原性大腸菌O157対策について申し上げます。以下、「病原性大腸菌O157」を略して「O157」と読みかえさせていただきたいと思います。
 この夏、秋田、山梨の両県を除く四十五都道府県で猛威を振るったO157による集団食中毒は、新たな発病者も出なくなりました。沈静化に向かってはおります。しかし、今もって原因、感染路が究明されていない状況では、私たちの不安は今後とも続くことになります。
 これまでの患者数は、爆発的に、しかも大規模的に発生した堺の六十二の小学校児童六千五百人を含め、全国で九千五百人を超え、十一人のとうとい命が奪われました。WHO・世界保健機関は、けた違いの記録的な患者数と驚き、世界各国に注意を促したと伝えられております。
 本県におきましては、六十五名の患者が発生をいたしました。私は、集団発生した二カ所の老人福祉施設に入居されている皆さん方に感染が拡大することを大変心配いたしましたが、保健所や関係施設等の積極的な対応でとどまりました。安心しているところでございます。
 堺市などで発症しているO157の発生源は、学校給食ではないだろうかと言われるものの、まだまだ究明に至っていません。新聞の報道そのものでありますけれども。しかし、堺市はその可能性を認めてまいりました。堺市は学校給食検討委員会を発足させて、十月末予定の給食再開に向けた安全対策の具体的方向をまとめ、その実施に進もうといたしております。
 ところで、ここでは行政側の対応が深くかかわってまいります。厚生省あるいは大阪府、堺市の対応のおくれが随分指摘されてまいりました。厚生省にあっては、O157の発症が今に始まった事件でないことは十分承知していました。一九八四年に発生し、その後、一九九〇年から九四年までの間に八件、患者数九百人にも及ぶ集団中毒症が発生してまいりました。当時、この治療・研究にかかわった多くの研究者や臨床医たちが報告書を提出し、その中で厚生省に対し、特別な対策が必要であることを厳しく再三指摘をしてきた。にもかかわらず全く何の対策もしてこなかったのが、厚生省です。その責任は重大だと思います。
 去る八月十三日、堺市で患者の診療に当たった耳原病院の関係者たちは、厚生省に緊急対策を要請するため赴きました。そこでのやりとりの中で耳原病院の医師たちは、必要な情報が現場に届くよう厚生省は府・市を指導すべきではないかと申し上げたところ、厚生省のその場にいた方から、なぜ情報が必要なのですか、こういう答えが返ってきたそうです。そこに参加していた人たちは唖然としたそうです。この状態を見る限り、さきの薬害エイズのときの厚生省の態度と全く同じであります。そして、阪神・淡路大震災の教訓も全く生かされていない厚生省の態度に、私は新たな怒りを覚えるものです。
 大阪府の場合を見てみますと、堺市が政令指定都市であるということからかもわかりませんが、要請をひたすら待つ姿勢にあったということです。また堺市には、現場任せという状態が行政側の方にありました。しかし、六千人という集団発生は、一つの町にとっては非常事態のはずであります。こういう実態についても、多くのマスコミが報道をしておりました。それに比べ、現場で働く職員労働組合や教職員組合、あるいは調理師などの労働組合は、いち早くこの問題をとらえてそれぞれ対策本部をつくりました。保健所においても、地域を回って住民の不安にこたえる相談活動、予防活動に積極的な取り組みをし、住民の方々からは随分喜ばれたと、私の友人も言っておりました。皆さん、この違いは何なのでしょうか。このように行政のおくれた対応があの市民のパニックを長引かせ、さらに感染拡大につながったのではないでしょうか、と私は思うのです。
 さて、本県の対応を見てみますと、県は、患者が発生した七月十九日の四日後にはO157対策本部あるいは支部を設置いたしました。そして、全庁的な取り組み、住民の不安にこたえるための全戸配布ビラは随分役立ちました。二十四時間体制による相談窓口が設置され、多くの方が相談をしてまいりました。関係機関との連絡体制や専門家等による対策委員会の設置、他業種関係の講習会や県民の要望にこたえての講師派遣の紹介など、大変効果的な体制づくりに対して私は大いに評価をしたいと思います。そして、衛生公害研究センターや各保健所の方々の休日を返上し残業をも押してのご苦労に、この席から感謝を申し上げたいと思います。本当にご苦労さまでございます。
 さて、O157集団発生の原因究明がおくれる中、厚生大臣みずからが疑惑の食材として公表したカイワレダイコンを初めとして、レタスやキュウリなどの野菜農家、肉・魚などの生鮮食料品、飲食店は、売り上げに大打撃を受けました。経営基盤が危険な状況に追い込まれる中小業者まで出てまいりました。私ども日本共産党県議団は、この方々に対する何らかの措置をと融資制度を申し入れてまいりましたし、また直接これにかかわっていらっしゃる和歌山商工団体も知事に対して緊急融資制度を要望してまいりました。その結果、このことを十分理解していただき、その制度が予算化されたことについても私は評価をしたいと思います。
 副知事、あなたは今日までO157対策本部長としてその任務を遂行されてまいったわけです。そこで、このO157について、これまでの状況の中で、県民と行政の立場に立ってたくさんのことを学び考えられたことだと思いますが、教訓としてはどのようなことがおありでしょうか、ぜひお聞かせ願いたいと思います。
 さきにも申し上げましたこのO157による集団中毒症の原因は、引き続き追求されなければなりません。行政として、衛生公害研究センターや国立研究所あるいは医大など、専門機関等との連携を一層強めながら全力で取り組んでくださることを要望するものでありますが、生活文化部長、いかがなものでしょうか。
 次に、教育長にお尋ねを申し上げます。
 今、学校給食は大丈夫だろうかと、給食に対する不安は、子供たちや保護者あるいは教職員、特に給食づくりに携わっている栄養士さんや調理師さんには強いものがございます。学校給食が原因ではないかという、その可能性を認めた堺市の状況を踏まえたのでしょう。文部省は急遽、学校給食施設・設備の環境衛生整備指針を通知しております。その中には、早急に整備の必要な事項と今後整備が望ましいとする事項を明記しているところです。本県はどのような対応になるのでしょうか。
 今議会に専決処分予算として提案されているO157対策費に一億五千万円が使われるだろうと想像するわけですけれども、学校給食に係る額、その具体的内容をわかる範囲においてお聞かせ願いたいと思います。
 学校給食には、栄養士はもちろんのこと、調理員なくしては成り立ちません。調理員の配置基準は三十六年前のままであります。現状では、献立の多彩化やアトピー性皮膚炎対策も求められるようになりました。とりわけ養護学校には、知的障害者や肢体障害者、またこれらの重複者、重度の障害を持つ方々が通学をして一生懸命頑張っておられます。自分でスプーンやはしの持てない人、そしゃくできない人、座る・立つ・歩くことも困難な児童生徒もおり、とても細やかな料理の工夫と努力が必要です。ここで働く調理員さんたちは、「私たちは一日わずか一回ではありますが、三分の一お母さんとして、家の食事をつくる以上に手をかけ、安全でおいしい給食づくりに頑張っています」、こうおっしゃっています。子供の立場に立つ手づくりの、安全でおいしい給食の実施には十分な人手が必要です。
 そこで、県立特殊教育諸学校九校の雇用形態を見てみますと、全調理員中六〇%が非常勤職員となっています。正規職員と同じ職場で同じ仕事をしながら賃金に、待遇に何で格差があるのか、給料の割には仕事がきつい、今の配置基準では現実に人手が足らない、これがみんなの切実な声です。
 文部省は、一九八五年、臨調行革の名のもとに「学校給食業務の運営合理化について」とした通知を行い、市町村教育委員会に対しても、県がこれを指導することを求めています。その学校給食は教育の一環と位置づけているにもかかわらず、調理員のパート化や共同調理場方式あるいは民間委託等への転換で人件費削減を進めようという、まさに容認できない合理化です。
 今、社会問題となっているO157対策の徹底が課せられているときです。今こそ調理員の職務の重要性にかんがみ、臨時職員化も改め、計画的に正規職員に切りかえていく方針をと願うものでありますが、いかがお考えでしょうか。
 学校給食には栄養職員の配置を基本に考えなければならないと私は思うのです。しかし文部省の配置基準は、一九九五年で六百名の児童に対して一人の配置と指示をしております。しかも、聞くところによりますと、市町村単位ではなくて県全体の児童数に対して配置するという、こういう広域的なものであります。子供の成長と食生活を豊かにするためにも、専門職の配置は今どうしても必要だと思います。
 栄養士本来の活動は、栄養改善法第九条の二に、このように記してあります。「継続的に一回百食以上又は一日二百五十食以上の食事を供給する施設の設置者は、栄養の指導を行なわせるため、当該集団給食施設に栄養士を置くように努めなければならない」と規定しています。こういうことから考えても、せめて自校方式の学校に配置を求めたいと思います。教育長の所見を伺いたい。
 次に、O157に絡んでの保健所の充実強化についてお尋ねを申し上げます。
 言うまでもなく保健所の最大の任務は、地域の健康を守り、さらに増進させることにあります。保健所は、地域住民に対して生まれたときから一生涯にわたりサービスを提供すること、しかも無料を原則にと義務づけられています。ところが来年四月一日から、地域保健法施行に伴い、人口十万人に一カ所の保健所だったのが三十万人に一カ所と、広域保健所になろうとしています。住民から見れば遠い存在となろうとしているのです。今、このO157問題に絡んで、保健所の方々が一生懸命努力をされる中で、保健所に対する地域住民の信頼と期待は確実に高まっていると思うんです。私はそう確信するものです。
 なお、今後保健所において、特に検査体制の問題でありますが、日常的に検査の知識や技術を向上させるため、衛生公害研究センターあるいは大学等とお互いに交流しながら、緊急時には即応できる人的体制も含めて確立しておくことが必要ではないでしょうか。
 また、住民みずからも正しい知識を学ぶ機会として、保健所による衛生教育を事業として計画できないものかどうか、伺いたいと思います。O157発生当時、患者に対していじめにまで発展したことやパニックの状態を思うとき、ぜひこのことは実現していただきたいと願うものですが、いかがでしょう。
 とりわけ、今、古座保健所が問題になってまいりました。古座保健所を二次医療圏の中に入れるならば新宮との統合が言われるわけですけれども、しかし今のところ、私たちは、住民のこの願いから見れば統廃合すべきではないと思っています。保健所の統廃合は住民の暮らしを後退させることになりはしないかと懸念いたします。
 学校給食施設への立入検査は、保健所の職員衛生法に基づき、保健所が年十二回行うことになっています。これらについてきちんと行われているのでしょうか。また、食肉処理場におけるO157の検査も行われていないと聞いております。安心して安全なおいしい肉が食べられるための保障の一つとしても必要となるでしょう。こうした問題などを考えてみても、県民の命と安全を守る保健所体制の一層の拡充強化が必要なときです。統廃合はやめるべきです。所見をお聞かせ願いたい。
 次に衛生公害研究センターの充実についてでありますが、衛生公害研究センターは、このO157のときに実に大きな役割を果たしました。検便を初めとしてさまざまな食品の検査を行い、原因究明の一助をなしたわけです。しかし、私もセンターの施設等について見学をしてまいりましたが、とても老朽化がひどくて、至るところが狭いと言えます。これでは研究センターとして十分な力を発揮できないとも思いました。研究センターという名にふさわしい施設整備をするために今後どのようなセンターを目指すのか、所見をお聞かせ願いたいと思います。
 次に、青少年健全育成条例の一部改正案に関連して質問を申し上げます。条例に則してお伺いするとともに、青少年健全育成の立場から問題提起をさせていただき、質問とするものです。
 ことし六月の県の調査では、テレホンクラブはドライブスルー型のものを含めて県下に十店、ツーショットダイヤルと言われる遊びに必要なプリペイドカードの自動販売機は五十一店置かれています。カードの自動販売機は一年半の間に数倍にふえていることになります。こうしたゆがんだ性関係を助長する営業に対しては、地域住民から批判の声が上がっています。カードの自動販売機に対して業者や土地の提供者へ要請の結果、自主的に撤去した業者がいることも聞いております。また、テレホンクラブ宣伝など、いわゆるポルノチラシが各家庭に投げ込まれることへの抗議行動として、女性のグループの皆さんが「チラシお断り」のシールを作成して張り出す活動に乗り出すなど、女性の人権侵害、青年の性をゆがめる営業、情報に対して批判の世論と行動が広がっています。こうした性をゆがめる情報は、性を含めた人間社会の営みを非人間的に商品化し、人間べっ視で置きかえるものです。そして、青少年の心を深くむしばみ、社会全体の荒廃にもつながることが懸念されます。
 退廃文化の克服については、法的・行政的手段の強化ではなく、民主的批判と広範な国民各層の良識に基づく世論と運動によって進められることが大切です。同時に、人間の尊厳を守るとともに、健全で民主的な文化・芸術の多面的な発展が必要だと考えるものです。
 また、少女たちがなぜ売春に近づくことになるのか、この点を考える必要があります。自分の存在意義を確認できる場を欲していると言えるでしょう。学校や家庭で人間として大切にされているという実感がない、生きがいを持つことが困難にされている環境を直視しなければなりません。長引く不況のもとでの生活苦、長時間・過密労働などによる家族の結びつきの弱さ、差別・選別の教育など、解決すべき課題は山積しています。
 テレホンクラブの規制については、条例制定に踏み出す自治体がふえてまいりました。出店をやめる業者も出るなど、一定の効果を上げていると聞き及んでいます。しかし、業者が新たな方法を編み出すことも考えられますし、行政的な規制では青少年の心の根本問題に迫ることはできません。
 性とは何か。単なる行為ではなく、心の問題、生き方の問題、人間的な自立の問題としてとらえることが必要ではないかと考えます。青少年が性を大切にして豊かな人間として成長していくため、性的な自己決定能力を身につけていくように援助していくことが大人の責任ではないかと私は思います。行政的な規制を行う際には、言論、表現、出版、営業の自由を不当に侵すことがないかについても十分留意する必要があると思うのです。
 テレホンクラブの営業に一定の規制を行うことについては基本的に賛成するものですが、幾つかの点でお尋ねしていきたいと思います。
 第二十六条「いん行又はわいせつ行為の禁止」の項に関連してお尋ねいたします。
 第二十六条自体は従前からある規定ですが、今回の改正では罰則が強化されています。条文は、次のように述べています。「何人も、青少年に対し、いん行又はわいせつ行為をしてはならない」、「何人も、青少年に対し、前項の行為を見せ、又はその方法を教えてはならない」。それ自身当然の倫理であることは、だれもが認めるところであります。しかしながら、この条項に基づいて処罰の対象となる事実を立件しようとする際、問題は起こらないのか、これが疑問点であります。つまり、盛り場での補導中心の対応がなされることはないのかという問題です。処罰の対象になるのは大人でありますが、当然、少女からの事情聴取も行わなければ事実は明確にならないでしょう。売春をあっせんする人が介在しないケースも多いことでしょう。
 最近は、テレクラを利用しない、シール売春なるものも行われていると聞きます。少女の間では、自分の顔写真のシールをつくるのがはやっているそうです。少女はこのシールを若者が集まる場所に張ります。そして、自分のポケットベルの番号を書いて、電話が欲しいとアピールするそうです。シールや口コミを通じて、いわゆる援助交際の相手を見つけることができるというわけです。
 盛り場で少女に職務質問、補導した後、その少女の行動経歴や性的体験の有無、交際相手、どのような経緯で行為に至ったのかなど、根掘り葉掘り質問することになりはしないのか。性はすぐれて個人的な問題であることを考えるとき、こうした事情聴取によって少女の心を傷つけ、自尊心を損なうおそれはないのかどうか、これが危惧されるところです。補導した際、成人に対するよりも過度にプライバシーに干渉することになりはしないか、青年に期待される自立性の育成に障害が生まれないかという問題があるのではないでしょうか。
 二十六条の運用は、従来どのように行われてきたのか。そして、懲罰強化の改定案の考え方の中で運用に変化があるのかどうか、お答え願います。
 次に、第十三条の「有害指定等」について質問を申し上げます。
 指定については、第三十条で県児童福祉審議会への諮問が定められております。「緊急を要する場合は、この限りでない」とされています。今回の改定では、緊急を要するとされる内容については第十三条の第五項で定められ、条文に内容が伴ったとされていますが、ここでも出版に対する過度の警察の介入が懸念をされます。わざわざ指定の対象となる「卑わいな姿態」などとされる数量まで定められています。その数量の根拠はどこにあるのでしょうか。従来の月一回の検討以上に緊急を要する場合とはどういう場合か、だれが判断することになるのでしょうか、お示し願います。
 最後に、先ほど、青年の性的な自己決定能力の育成は大人の責任ではないかと申し上げたことに関連して、教育委員会の考え方についても質問を申し上げます。
 教育委員会においては、「学校における性教育の手引」がことし三月に改定をされたところです。各学校へ送付をされて活用されているとのことであります。報告書がまとめられていますが、報告書が上がっている学校に限らず、各学校で積極的な活用がなされているのでしょうか、お示しください。
 また、性教育を学校内だけのものにせず、父母、地域社会に問題提起を行うことも大切と考えるものです。教育委員会の取り組みの現状と今後の性教育のあり方についての教育長のご所見をお伺いするものです。
 以上で、第一回を終わります。
○副議長(下川俊樹君) ただいまの村岡キミ子君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 副知事山下 茂君。
 〔山下 茂君、登壇〕
○副知事(山下 茂君) 村岡議員にお答えを申し上げます。
 病原性大腸菌O157の関係でございます。
 このたびのO157の本県での発症につきましては、七月十九日に初めての患者が発生して以来、現在に至るまで累計で六十五名を確認したわけでございますが、現在は一名の軽症の方がなお治療中でありますけれども、それ以外の方々は既に完治されております。
 県では、最初に発生を見た直後に対策本部を設置し、総合的な対策の実施に当たってまいってきたところでございまして、今日までおよそ二カ月余りが経過しておりますが、この間に県民の皆様から寄せられた相談件数はおよそ三千七百件、検便の件数が約一万六千件を数えました。こうしたことから見ましても、県民の方々の今回の食中毒事件に対する関心の高さを痛感したところでございます。
 病原性大腸菌O157は感染症としての性質を持つことから、従来の、いわば一般的な食中毒の範疇を超えるものであり、新しい知識と取り組み体制が必要となったわけでございます。
 このたびの経験を通じまして、初動体制を確立すること、県民の皆さんへ的確な情報を提供すること、そして食中毒の予防三原則である「清潔、迅速、加熱または冷却」の正しい知識の普及啓発に努めること、並びに平時から保健所、衛生公害研究センター及び医療機関など各関係機関の間での連携の必要性を強く認識したところでございます。こうしたこことが今後にも教訓になるものと考えております。
 病原性大腸菌O157につきましては、県の組織を挙げて対策本部を設置し、市町村とも連携をしながら種々対策を講じてまいりましたが、本県では大発生までに至らなかったことは、対策の実施や県民の皆さんへの情報提供などに関係をされた数多くの機関の皆様方のご理解、ご苦労、そしてご努力があったればこそであると、改めて厚く御礼を申し上げる次第でございます。どうもありがとうございました。
○副議長(下川俊樹君) 生活文化部長中村協二君。
 〔中村協二君、登壇〕
○生活文化部長(中村協二君) 村岡議員にお答えをいたします。
 病原性大腸菌O157対策の二点についてお答えをいたします。
 原因と感染ルートの究明につきましては、集団発生施設の保存食検査、調理場内のふき取り検査、飲料水検査、喫食調査並びに食材についての流通経路調査を実施したほか、患者分離菌株のDNAパターン分析結果等から総合的に検討いたしましたが、現時点においては発生原因並びに感染ルートを特定するに至っておりません。
 また、本日、国においても、堺市の学童集団下痢症について最終的には発生原因の特定ができなかった旨の発表がなされたところでありますが、今後とも国と連携して適切に対処してまいる所存でございます。
 衛生公害研究センターの充実についてでございますが、今回発生した病原性大腸菌O157につきましては、衛生公害研究センターにおいて、微生物部の職員が中心になり、検査機関としての役割を担って対応してまいったところございます。今後、このような事態が発生した場合には、保健所を含めた効果的な検査体制を講じて対処してまいりたいと考えております。
 次に、衛生公害研究センターの充実につきましては、平成七年十二月に西防波堤沖埋立地利用計画検討委員会より三工区に環境保健中核研究施設を設置すべきであるとの提言を受けたこと、また当センターの老朽化等の現状や今回のO157対策における当センターの役割、環境・保健・食品衛生等に対する県民ニーズの高まりも踏まえた中で、現在、庁内の関係各課において再編整備について検討しているところでございます。
 次に、和歌山県青少年健全育成条例の一部改正につきまして、二十六条と十三条の運用について答弁申し上げます。
 青少年を取り巻く社会環境は、アダルト雑誌、ビデオ、さらにパソコンソフト等のニューメディアの出現に伴い、悪化の一途をたどっております。もとより青少年育成は、青少年の自主性を尊重しつつ発達段階に応じ、家庭、学校及び地域社会が緊密に連携して育成していくことが大切であります。しかしながら、青少年の健全育成を阻害するテレホンクラブ等、性風俗に関連する営業の出現に伴い、保護者、住民の自主的な活動のみでは解決困難な現状にあるところから、今回、和歌山県青少年健全育成条例の一部改正案を上程し、審議をお願いしているところでございます。
 議員ご質問の性被害者である青少年に対しましては、青少年の心情等に配慮して慎重に対処すべきと考えております。
 また、淫行処罰規定の罰則引き上げについてでありますが、青少年を健全に育成する立場にある成人が女子中学生・高校生の性非行、性被害の相手方となっている現状から、その相手方となった成人の行為を厳しく罰する姿勢を示すことにより成人の自覚を促すとともに、抑止効果を期待したものでございます。
 次に図書等の有害指定についてでありますが、あらかじめ児童福祉審議会文化財部会の審議を得た卑わいな姿態の図書類については、総ページ数の五分の一以上、ビデオ等では時間が三分を超える等の一定の基準に該当する図書等について自動的に有害図書類とみなす方式を導入し、現行の個別指定方式を補完しようとするものでございます。
 青少年に対しましては、有害とみなす図書等の数量規定については、アダルト雑誌の目的が単なる性的感情を刺激する内容が主たるものでありますので、最近の他府県の傾向等も勘案して規定したものでございます。
 また、第三十条における緊急指定につきましては、児童福祉審議会文化財部会を開催するいとまのない、早急に指定その他の処分を行わなければ所期の効果を上げることができない短期間に行われる有害興行等に対して知事専決によって有害指定とし、事後、文化財部会に報告をすることとなってございます。
 以上でございます。
○副議長(下川俊樹君) 福祉保健部長小西 悟君。
 〔小西 悟君、登壇〕
○福祉保健部長(小西 悟君) 病原性大腸菌O157対策に関連して、保健所の充実強化についてお答えをいたします。
 予防対策につきましては、食中毒の防止等の一次予防対策とともに、二次感染防止の観点から、患者接触者の状況把握、検便、消毒の指導等を実施してきたところでございます。今後も、医療機関、市町村等関係機関との連携を図りながら、患者発生時における迅速、的確な対応に努めてまいりたいと考えております。
 また、保健所における細菌検査等の体制整備につきましては、検査技師がより的確に業務を実施できるよう、県衛生公害研究センターとの役割分担を図りながら、より一層技術の向上を図ってまいります。
 住民への衛生教育につきましては、食中毒防止のための知識の普及や感染源、感染経路、看護方法についての正しい知識の提供を通じて感染の拡大防止を図るとともに、患者発生時、住民が誤解や偏見を持たないように健康教育の充実に努めてまいります。
 さらに、保健所の統廃合の問題についてでございますが、これからの県立保健所においては、より専門的な、より広域的な機能が求められ、そのための体制整備が全国的な課題となっています。本県におきましても、県内の関係団体や市町村の代表及び学識経験者等で構成する和歌山県地域保健対策会議を設置して、今後の保健所のあり方等についてご審議をいただいているところでございます。
 この問題につきましては、今後、地域保健法のもとで、今回問題となった伝染病等の対策も含め、保健所が機能を発揮できる体制をどのように組んでいくべきかという要請と、地域住民にどのように保健サービスの利便性を担保していくかという要請とを総合的に勘案しながら、慎重に検討を進めてまいりたいと考えてございます。
○副議長(下川俊樹君) 教育長西川時千代君。
 〔西川時千代君、登壇〕
○教育長(西川時千代君) 学校給食に係って、三点についてお答えいたします。
 このたびの病原性大腸菌O157に関連した対策予算のうち、学校給食等に係る経費として約六千万円をお願いしてございます。この内訳は、県立学校の給食保存用冷凍庫六十三台及び保存容器などの購入経費のほか、県内二十三カ所四十六品目の食材・食品検査、及び給食関係従事者など約千人に対する緊急の検便等に要する経費でございます。
 次に給食調理員についてでございますが、特殊教育諸学校においては、児童生徒の障害に応じた調理が必要であることや児童生徒数の推移等を勘案しながらその適正配置に努め、文部省基準の定数を確保いたしてございます。しかしながら、この基準は昭和三十五年に出されたものでございますので、児童生徒の実態等を踏まえながら、加配措置として臨時職員を任用してきたところでございます。
 四十年近く経過したこの基準については、その見直しも必要であるとの観点から、今後、全国教育長協議会や主管課長協議会等を通じて国に要望してまいりたいと考えてございます。
 次に学校栄養職員の配置状況でございますが、現在、平成五年度から実施されている国の第六次定数改善計画に従い、平成十年度の完成をめどに順次改善を進めているところでございます。現在の進捗状況は九八%となっております。今後とも、完成年度に向けて定数の確保に努力してまいる所存でございます。
 次に、性の問題と青少年育成についてであります。
 児童生徒を取り巻く社会環境や生活条件が著しく変化し、身体的な発育や性的成熟の時期が早まり、その性意識や性行動にも変化が見られ、さまざまな問題が引き起こされております。こうしたことから性教育の充実が急務となっており、本年三月に本県独自に「学校における性教育の手引」を作成し、県内の小・中・高等学校、特殊教育諸学校に配付いたしました。各学校においては、正しい知識と望ましい態度を習得させるため、教科、特別活動など、学校教育活動全体を通じてこの手引書を積極的に活用していると報告を受けております。
 また、今日の緊急課題であるエイズ問題につきましては、教職員の研修会はもちろんのこと、各学校における取り組み、研究地域を指定するなど、エイズ教育の推進に努めております。
 今後とも、児童生徒が生命の大切さを理解し、人間尊重、男女平等の精神に基づき、正しい異性観と性の価値観を確立するため、学校教育はもとより、家庭や地域社会との連携を深めていくよう、さらに指導してまいりたいと考えます。
 以上でございます。
○副議長(下川俊樹君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 36番村岡キミ子君。
○村岡キミ子君 これは要望にかえていきたいと思います。
 学校給食でございますけれども、文部省が学校給食施設・設備の環境衛生整備指針というものを出しましたね。ここには、先ほども言いましたように、早急に整備が必要な事項と整備を図ることが望ましい事項ということで、区別して指針を出しているわけです。冷蔵庫や冷凍庫というものは対策予算で組まれたわけですけれども、しかし、この際ぜひ学校の給食設備、施設設備を総点検して、必要なことはきちっと計画的に改善をしていく必要があるんじゃないかと思います。そこで、給食設備、施設設備の点検、あわせて給食員の皆さんが現場でどういうことを望んでいるのかということをこの際くみ上げて、改善できるものは改善していくことが今この時期においては必要ではないかと思いますので、その点について今後十分検討をしていただけたらありがたいと思います。
 それと、今度、紀伊の和医大の基礎のところへ養護学校が建設されることになっているわけですけれども、この学校については、この整備指針を十分生かして建設設計をしていただきたいと思います。
 今でも、給食員の皆さんから、シャワー室や休憩室、それから冷暖房設備、こういった問題等についてのご要望が特に強いと私も聞きました。そういう点で、ぜひ今後の課題として検討を加えていっていただきたいとお願いをしておきます。
 それから、副知事より対策本部長としての教訓をお聞かせいただいたのですが、この教訓そのものを今後どう生かしていくのかということが大きな課題になると思うんです。よく「のど元過ぎれば」と言われますけれども、この教訓がそのまま棚上げされることは許されないと思います。
 それで、私は一つ提案をしておきたいと思います。大事に至らなかったという点では本当によかったと思うんですが、副知事がおっしゃったそのものを、岡山県はいち早く「岡山県腸管出血性大腸菌感染症対策要領」というものにまとめていらっしゃるんです。これを見ますと、初動体制から連絡体制といったものを網羅してつくり上げられ、そしてこの九月五日から発効するとなっております。そういうように、ぜひ各関係機関のものをもう一回総括した上で、そして不足している部分についてはプラスして要綱なりまとめをつくり上げていただきたいなと思います。
 それとあわせて、保健所などの方々には特別体制の必要なときが多いと思うんですけれども、日常活動にプラスをされた大事な問題ですので、ぜひその際には現場の声を十分くみ上げてつくっていただきたいと思います。
 それから、古座保健所の問題は今いろいろと検討が続いているわけですけれども、この問題から始まって、どこの保健所でも今度は相当努力をされたと思うんです。そういう点では、住民の皆さんたちは、今までの保健所という見方をしていないと思うんです。住民の皆さんは、この地域においてこの保健所が今後とも住民の健康を維持増進させる中核になる、そこに行けば、この人たちがいれば私たちの健康を何でも相談できると、今、そういうような保健所としての期待感が高くなっていると思うんです。そういう点から、保健所について厚生省が出してきているこのことについても、やらなあかんのや、縮小せなあかんのやということのみを先行させて考えるべきではないと思います。古座、あるいは海南もその次に上ってくるわけですが、慎重の上にも慎重をということで方向を決定していただきたいし、また廃止すべきではないという立場から考えていただきたいと強調しておきます。
 以上です。
○副議長(下川俊樹君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で村岡キミ子君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
○副議長(下川俊樹君) この際、本日の会議時間は、議事の都合により、あらかじめこれを延長いたします。
○副議長(下川俊樹君) この際、暫時休憩いたします。
 午後三時四十五分休憩
  ─────────────────────
 午後五時二十三分再開
○副議長(下川俊樹君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
○副議長(下川俊樹君) 本日は、これをもって散会いたします。
 午後五時二十四分散会

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