平成8年9月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(中山 豊議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 午後一時四分再開
○副議長(下川俊樹君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
○副議長(下川俊樹君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 32番中山 豊君。
 〔中山 豊君、登壇〕(拍手)
○中山 豊君 お許しを得て、質問をいたします。
 極めてローカルな課題について、数点を取り上げました。それにはそれなりの私の考えがあります。ローカルな課題を取り上げれば、県行政のあり方の問題がシビアに問われて、当局の皆さんにとってみれば避けて通れないので窮屈な思いをしないでもないでしょうが、そこは中山です。穏やかに対応しながら問題解決に臨んでまいりたいと、こういうふうに考えて、数点を取り上げたいと思います。
 一つは、大気汚染の問題であります。
 大気汚染を防止するための法的措置として、昭和四十三年六月に大気汚染防止法が定められ、工場、事業所における事業活動に伴って発生するばい煙等の排出を規制するとともに、粉じん及び特定物質等についてもそれぞれ常時監視する規制措置を講ずることになりました。その後、さらに拡大・進化していく大気汚染問題に対して、昭和四十五年に法の大幅な改正が行われて今日に至っているところであります。加えて、県は公害防止条例でこれらの法の対象外の施設についても排出基準を設けて、環境を守る取り組みを進めてきているところであります。
 ところが、これだけで大気汚染が防止され、県民の健康が守られる好ましい環境が保持できるかということを私は取り上げたいのであります。
 今、海南市民は、和歌山石油精製株式会社が残渣油──市民は「アスファルト」と言っていますけれども──を燃料に発電し、関西電力に応札したことについて、健康と生命を守ることが第一と、心配を隠し切れずにいます。市長はこの疑問に答え切れないまま承認を与え、会社はもちろんその心配に答え切れないまま応札する事態となっております。
 特に、和歌山石油精製株式会社の所在する藤白地域は、道路事情による排気ガスや工場から排出される煙などで常に大気が汚染されて、海南市が医師会に委託をして毎年実施している疫学調査によっても心配される結果が出ているところであります。市民が残渣油火力発電について、大丈夫か、心配ないのかと当局や会社に対して強く疑問を投げかけるのは当然でありましょう。
 折しも、高規格道路海南湯浅道路の四車線化について地元説明会を県が地域で実施したが、トンネルから吹き寄せられてくる排気ガスによってこの地域はますます複合的に汚染されると心配が増幅するという話もありました。
 加えて、関西電力海南火力発電所という大規模な発生源があります。ちなみに、海南火力の公害防止協定を見る限りでも、排煙脱硫装置は四号機に設置するとあるが、一、二号機への設置は記述されておりません。排煙脱硝装置を一号機に設置したものに加え四号機、三号機に設置するとあるけれども、二号機は触れておられません。二酸化窒素に係る環境基準を達成・維持するため排煙脱硫装置等によって窒素酸化物の時間当たり排出量及び年度別排出量を決められ、逐次下げてきているけれども、海南火力の稼働状況、すなわちベース発電をとる海南火力の方がピーク対応型発電をしている御坊火力よりも窒素酸化物の排出量は何増倍も多いわけであります。さらに、海南火力と御坊火力による窒素酸化物の時間当たり及び年度別の排出量の違い、すなわち海南火力の方が極めて多い数値で決められているわけです。その上、和歌山石油精製の排出量だけとってみても御坊火力のそれよりも多いことなどをあわせ考えてみれば、海南の大気汚染状況は極めて好ましくないところにあると言わざるを得ないわけであります。
 医師会の疫学調査の結果から、学童のぜんそく様疾患の罹患率の高いのはここらあたりに原因しているのではないかと市民が受けとめているのも理由のあるところでしょう。適当な対応の必要ありと思うのですが、いかがなものでしょう。それに加えて、残渣油火力発電とあれば心配が先に立つのが当然であるというものです。県はこの心配を取り除くためにどのような取り組みをお考えいただいているのでしょうか、お尋ね申し上げます。
 以上申し上げたように、海南の大気汚染状況は他に比べて好ましいとは申すに至らないわけであります。こう申し上げて、市民が本能的に事あらば拒否反応を示すのはおわかりいただけるのではないでしょうか。しかも、電力事情や道路事情から、拒否ではなくて、疑問を明かしてくれ、心配のないようにしてくれと申されているのは、まさに成熟した市民運動の姿ではないでしょうか。
 法は、工場、事業所において事業活動に伴って発生するばい煙等の排出を個々に規制することを中心にして、全体として地域をトータルした状況把握をしたり対応することに十分とはなっていないのではないかと申し上げたいのであります。まさに複合汚染の危険から逃れられないというものでありましょう。
 大気汚染環境を測定し、的確に把握し、適切に対応する体制にあると申されるかもしれませんけれども、問題はなしとしないと思うのであります。それぞれの工場や事業所はそれなりに公害防止協定により規制を受け、基準値内にあるからといっても、全体を見たら海南の空は汚染されているということになりかねないわけであります。これをどうするかの観点からの対策を求めてやまないところであります。お考えをいただきたいと思います。
 二つ目の問題は、下津町戸坂の土取り跡に関連してのお話であります。
 マリーナシティ造成は直近のこの地に土取りを求めたことで、大いに当局は下津町に働きかけられたものであります。当時、せめて関西空港並みに土を買ってもらえとの声が地元にありましたね。それほどに下津町は、マリーナシティ造成に大きく貢献していると言わざるを得ません。あまつさえ、県の金ではないとはいえ、世界リゾート博で数十億円も利益を上げたということから見て、貢献した下津町が三十五億円の負債を抱えて年々一億円近くの利子の支払いを迫られるということはどう見ても理屈に合わないと、町民ならずとも思うのは当然でしょう。三セク方式で下津リゾート開発株式会社がこの事業を背負うということにして町当局には直接かかわりないこととはいえ、町民の感情からして許容されるものではありません。
 そこで、マリーナシティ造成に係る必要な土取り採取をした跡地、すなわち下津町戸坂の約十九万平方メートルの利用についての現状はどうなのか、まずお尋ね申し上げておきたいと思います。
 そこで、平成六年十二月定例議会で我が党の村岡県議の質問に当時の商工労働部長が答弁なさっているわけですが、それを見ると、当時は町と一体となって企業誘致活動に努めている、跡地利用につながる幹線道路が工事中である、地域内の上水道などインフラ整備と周辺跡地利用計画の具体化を進めていると申されているわけであります。しかし今日、幹線道路すなわち町道丸田戸坂線は下津町の手で整備も進められ、間もなく完成するようでありますが、見るところ一向に企業誘致が決まっていないとの話であります。
 三セクの構成員の一つ、浅川組から、跡地は土取り完了までに企業誘致が決定していないときは浅川組が用地を取得する、また、下津リゾート開発株式会社が目的を達成し存続する必要が消滅したときに、その時点において負債があるときは株式会社浅川組がそのすべてを負担するとの協定としているわけであります。縮めて言うと、事業が終わったその時点で企業誘致が決まっていなかったら、その跡地は浅川組が取得するということが一つと、企業誘致の事業が終わったときに負債がまだあった場合にはその負債の一切は浅川組が負担をするという、この二つの協定をしているわけであります。
 今日の時点から見たら、この協定によれば既に跡地は浅川組のものに成就しているというふうに見られないのかということであります。また、下津リゾート開発株式会社が存続する必要が消滅したときとはどんなときなのかと言えば、やはり企業誘致が終わってそのすべての土地に企業が誘致されてその事業が完成されたときだというふうに見るんですが、企業誘致はないと判断するときはいつなのか。かなり長いスタンスで物を見てとらないと、今日のバブルがはじけたそういう状況下では大変難しいことだとは思うけれども、三セクで下津リゾート開発株式会社を組織してこれに当たるようにしたのも、すなわち県──詳しく言えば企業局だと思いますが──の指導によるものであったのでしょう。県の燦黒潮リゾート構想に基づく唯一とも言える本事業に多大の貢献をしてきた一自治体、すなわち下津町にいつまでも犠牲を強いるかのようなやり方は感心したやり方ではないのではないか。企業誘致だけにご支援申し上げて、仕掛けた企業局──言葉が悪いかもわかりません──が背を向けているような様子がうかがえてなりませんが、これは今後の県行政を進めていく上では大変問題が残るのではないか。こういうふうにお伺いしながら、しかとしたご支援を考えていただき、強くそれを推し進めていただけるように、ご検討をお願い申し上げておきたいと思います。
 三番目。感染症O157、中でも農産物の検査対策についてであります。
 O157の感染源はカイワレが疑わしいと厚生大臣が述べたことから、一気にハウス園芸農家、特に養液栽培農家に攻撃が加わりました。大変でした。今にして思えば、厚生大臣の発表は、感染症に対する国民的関心と不安、警戒心の高まりに抗し切れずに、その高まりを何とか鎮静化させようとのことから矛先をカイワレに向けたという感が免れないわけであります。これは極めて政治的で、国民の不安、警戒心をカイワレに転化させようとしたものに思えてならなかったわけであります。その証拠に、その後においてもカイワレが感染源だとの確証もなく、検査結果は常にマイナスでありましたね。カイワレ生産農家から損害賠償の訴えを出されかねないところになっています。カイワレ生産農家の数が少ないことを考えれば、弱い者いじめでなかったかとさえ思えてならないわけであります。
 ところで、厚生大臣の発言から県内のハウス園芸農家の皆さんは塗炭の苦境に追い込められたわけであります。水耕栽培のミツバ、トマト、キュウリ等は市場や百貨店から厳しく敬遠され、ひどくは締め出されました。市場や百貨店から、公的機関の証明、検査結果をつけて出せと言われ、苦境に追いやられるあげくの果てに、収穫最盛期の作物を抜いてしまったとか、底値もつかず途方に暮れたという話をよく聞いたわけであります。公的機関の証明すなわち検査結果を求めて、検査を受け付けてくれる体制にないという点について随分悩み苦しまれておった状況を目の当たりにしたところであります。
 県の衛生公害研究センターは、まさにパニック状態であったらしい。それについて詳しく聞いたお話は、ここで申し上げたいところだけれども、それは差し控えることにいたします。そのことに当たった県の皆さんも大変だったと思う。県は初めてのことゆえ十分でなかったとはいえ、この経験から教訓を得て、いかなる事態にも対応できるよう強く求めておきたいわけであります。
 農家にとってみれば、農業者は相手にしてくれないのかと、惨めな苦境に立たされるわけであります。作物は農業者の分身だと考える。中でも、農作物の検査体制確立に力を尽くし、体制を整えていただきたいわけであります。これについてのしかとしたご答弁をお願い申し上げたいと思います。
 次に、鉄道高架事業と日方川改修にかかわってのお話です。
 海南市を東西に分断する鉄道により地場産業や市民生活の上で著しい障害を強いられているとして鉄道高架事業に着手されて久しいところですが、ようやくにして用地問題も全面解決し、全線高架に向けて事業が急速に進められています。今秋、上り車線で高架上を走るというところに来ていることは地元住民にとっては大きな喜びとするところでありますが、加えて、下り車線も供用開始に向け引き続きの努力を強くお願い申し上げながら、今日までの取り組みの中から幾つかの要求を申し上げたいと思います。
 その前に、上り車線供用開始に当たって市民は喜びを隠せないこととして、いろいろと夢を寄せているようですけれども、何か際立った喜びをあらわす催しを考えてくれているのか。あれば展望も交えてお聞きしたいと思います。
 さて、平成七年から鉄道高架に加えて日方川事業所を併設し、この事業の進捗に努めていただいているところですが、所長以下三名。無論、これに加えて地元市役所職員も加勢しています。これだけ大きな事業を進めていくのに、人が多ければいいというものではありませんけれども、鉄道高架事業が余りにも長い年月を要したことにかんがみ、事務所の体制強化を強く求めてやまないわけであります。日方川改修事業も同事務所でというのは、鉄道高架の見通しがついた段階でそうしたと言うのかもしれないけれども、日方川改修事業は鉄道高架のように手間暇かけてやるということにはならない。手際よくやる必要があると思います。住民の呼吸や目の色を見ながら事を進めていかないと、解決できるものまでもおくれてできないという事態に遭遇しかねません。
 県の出先機関は地元にというのが、私のだれにも譲れない考えであります。さきに海草県事務所についても当局にお考えを求めたと同じように、和歌山土木事務所の海草・海南に係る担当事務を行う上で現在の位置は効率的に県民にあまねく行き届く県政を推進するのに十分でないと思っているけれども、今後にわたって深く検討していく必要があるという点を申し上げたいわけであります。
 日方川改修に集中した取り組みを求めるところだが、さっぱり働きかけがないと住民は話されています。さわりかけてはとまり、とまってはやり出すということでは、効果的な取り組みは望めないわけであります。早期に完成するため、具体的に日方川事務所の体制強化を求めつつ、海草県事務所も含め、土木事務所等、出先機関は将来地元へまとめて移せと提起しておきたいわけであります。
 この機会に、過日、建設省が川底や護岸などを含め、コンクリートを一切使わず植物や木材などの代替素材で川岸を保護する、すなわち生態系が失われない、河川の自浄機能を保持するというような方針を決めたとのことでありまして、前に登壇された東山議員も申されておりましたが、念のために具体的にお聞き申し上げておきたいと思うんですけれども、この手法を日方川の改修事業にも適用するお考えになっているのか、参考までにお聞きしたいと思います。
 次に、道路整備についてであります。毎議会申し上げていますけれども、一定のめどがつくまでつかんで離さない気持ちでこれを続けてまいります。
 県道海南金屋線の整備促進についてであります。
 誇張ではないけれども、ひどいときには地域住民が道を挟んで向かいの家にさえ渡れないという状況であります。通り抜けの車が圧倒的に多い。ジュース缶やコーヒー缶が道路に投棄されて極めて迷惑だ。坂道にかかるとエンジンを吹かされ、排気ガスで洗濯物が汚れるし、民家の中に充満する。整備の見通しがつけられないのなら、通り抜けの車だけでも交わす道を早くつけてほしい。地域住民だけなれば現道で十分だというふうなことさえ言われているわけであります。あわせて、有田郡金屋町側はほぼ完成に近い、海南側のおくれはなぜなのかとの声が強いわけであります。
 重根・田津原間の都市計画街路は、いろいろ事情があるようですけれども、それにあわせて別所に向いてのしかとした整備計画をお示しになっていない。待避所をつくって対応するというふうなのが今までの当局の皆さんの議会答弁の態度でした。それでは説得力がない。入り口に当たる重根・田津原間の都市計画街路を、いろいろ問題があったとしてもそれをやり切るとするならば、全線に向かって、別所地区の方を向いても計画方針を持って、だからこそこれをこうしたいんだというふうな提起をして地域住民の協力と説得にかからないと前には進まないのではないかと考えるわけであります。しかとした対応を示されたいわけであります。
 二つ目は、県道小野田内原線、海南秋月線、海南岩出線の三線が重なっている箇所──前にも議会で申し上げました──且来の交差点から亀の川の紺屋橋までの間、二百メートルばかりについて、速やかに着手されたいわけであります。紺屋橋から北、多田地区への波及効果が大いに期待できると思っているわけであります。
 今、この紺屋橋と且来間の二百メートルの区間をそのまま長期にわたって促進しないとするならば、あの海南秋月線の整備促進は望めない、地域住民の気持ちにも乗ってこないであろう、こういうふうにも申し上げながら、しかとしたご答弁を申し上げて、第一回目の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○副議長(下川俊樹君) ただいまの中山豊君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 生活文化部長中村協二君。
 〔中村協二君、登壇〕
○生活文化部長(中村協二君) 中山議員にお答えをいたします。
 大気汚染防止対策についてでございますが、工場、事業場の規制については、大気汚染防止法に基づく施設ごとの通常の規制のほかに、海南市等の区域については硫黄酸化物の総量規制を行うとともに、和歌山石油精製株式会社海南精油所や関西電力株式会社海南発電所については、公害防止協定により所要の公害防止設備を設置させ排出量の抑制を図るなど、必要な対応を行ってございます。
 海南市の大気環境の状況については、テレメーターシステムによる常時監視結果によりますと、二酸化硫黄、二酸化窒素等については、健康の保護にとって望ましい基準として環境基本法に定められている環境基準を十分下回ってございます。
 今後も大気環境の常時監視により環境基準の達成状況を把握するとともに、和歌山石油精製株式会社の発電設備計画については公害防止協定の運用の中で、また海南湯浅道路の四車線計画については環境影響評価の実施の中で、必要な環境保全対策を講じさせるなど、適切な対応を図ってまいります。
 以上でございます。
○副議長(下川俊樹君) 商工労働部長日根紀男君。
 〔日根紀男君、登壇〕
○商工労働部長(日根紀男君) 下津町戸坂の土砂採取跡地に関連してのご質問にお答えいたします。
 土取り跡地利用については、下津町としては地域活性化のためリゾート関連施設を誘致することとしてございまして、現在、取りつけ道路、敷地内道路、水道設備等のインフラ整備が整いつつございます。県としても町と一体となってリゾート関連企業の誘致活動を進めてきたところでございまして、現在、数社からの立地希望があると把握してございます。
 今後も企業立地説明会においてPRをするなど、積極的に誘致活動を支援してまいりたいと考えてございます。
○副議長(下川俊樹君) 農林水産部長平松俊次君。
 〔平松俊次君、登壇〕
○農林水産部長(平松俊次君) 病原性大腸菌157七に伴う農産物の検査についてでございます。
 一般に、大腸菌は動物腸内細菌の一種であり、野菜自体が大腸菌に感染することや保有することはあり得ませんが、去る八月七日、厚生省の中間報告でカイワレダイコンが原因食材とは断定できないがその可能性も否定できないと公表されて以来、一挙に野菜の安全性に関心が高まってまいりました。
 県においても、カイワレダイコンと同様な栽培方法を行っているミツバ、レタス、ネギなどの養液栽培を中心に現在まで十四種類の野菜の自主検査を実施し、すべて陰性の結果となってございます。今後、このような不測の事態に際しては、公的検査機関との連携のもと、農林水産部においても検査ができる対応策を講じ、本県の農家経営の安定に努めてまいりたいと考えてございます。
○副議長(下川俊樹君) 土木部長長沢小太郎君。
 〔長沢小太郎君、登壇〕
○土木部長(長沢小太郎君) 中山議員にお答えいたします。
 海南駅連続立体交差事業は、新宮方面行きの上り線で平成八年十月二十八日の始発列車より高架上を走行することとなっており、天王寺方面行きの下り線についても引き続き工事を進め、平成十年度の完成を目指しております。
 供用に伴う催し等についてでございますが、今回は予定しておりませんが、全体が完成するときに地元市と相談したいと考えております。
 次に日方川の改修については、慢性的な浸水被害が発生しているため、昨年度、床上浸水対策特別緊急事業に採択していただき、強力に推進するため、従来の海南鉄道高架建設事務所を鉄道高架・日方川事務所に組織改革を行ったところであります。今後とも、地元の皆様の協力を得ながら、早期完成に向けなお一層努力してまいります。
 また、建設省河川局の改修方法については、本県でも生態系等に配慮した川づくりを行う必要があると認識しており、日方川改修についてもこのような考えで取り組んでまいりたいと考えております。
 県道海南金屋線の改良については、金屋町側は概成しておりますが、ご質問の海南市側については最近特に交通量も多くなっており、早期に整備を進める必要があると考えております。
 重根から田津原橋までの間については都市計画決定されているところであり、今後、現地測量の着手に向け、地元同意が得られるよう説明会を行ってまいりたいと考えております。
 田津原橋から扱沢までの区間については、当面の対策として待避所設置等の現道対策を進めていく考えでございますが、重根から田津原橋区間の事業進捗を見ながら本格的な整備の検討も行ってまいります。
 次に、亀川地区内の三路線が重複している区間でありますが、この区間の両端の交差点部については平成七年度に整備が完了しております。残る中間部分についても、現道拡幅計画をもとに現在現地測量を進めているところであり、いずれにしましても、海南市、地元関係者のご協力を得ながら早期事業完成に向け努力してまいります。
 以上でございます。
○副議長(下川俊樹君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 32番中山 豊君。
○中山 豊君 答弁をいただきました。
 質問というよりも、むしろご要望を申し上げて、課題解決に当局の皆さんのご努力を促したいと思います。
 大気汚染防止対策についてですが、環境基準を十分下回っておるとか、あるいはまた排出量の抑制を図るなど必要な対応を行っておると申されつつも、和歌山石油精製株式会社の発電設備計画や海南湯浅道路の四車線化に伴う問題とかについては環境保全対策を講じるなど、環境基準の達成と維持ができるように適切な対応をしていきたいというふうに述べられました。和歌山石油精製株式会社と四車線化の問題についてはそのようにお進めいただくにしても、十分下回っているとか必要な対応を行っておるとかと言われても、市民は納得しないと申さざるを得ないわけであります。
 先ほども登壇して申し上げましたように、和歌山石油精製の窒素酸化物だけに限ってみたとしても、御坊火力よりも基準が緩いわけであります。あわせて、海南火力も窒素酸化物の装置が四号機だけに使われて一、二、三号機についていない状況などを見るにつけ、現にこういうことなんだと市民が自分の体を通して受けとめておる問題に対して、議場を通じてそのように申されたとしても納得しないわけであります。
 それで、この疑問に答えるとするならばどうしなければならんかということをシビアに検討していただかなければならないであろう。基準値の問題とか公害防止協定の内容の問題等についての調査及び検討が迫られているであろうというふうに申し上げて、これらへの取り組みを促しておきたいと思います。
 下津町の戸坂の土取り跡に関連してですけれども、企業誘致の現段階での話はわかりました。しかし、三セクの下津リゾート開発株式会社と浅川組との協定の成就についてと、負債や利子負担について一切が下津リゾート開発株式会社が判断し決定すべき事柄で、企業誘致だけをお伝え申し上げたらというふうなことだけでは、ちょっと理解に苦しむ。そもそもが県すなわち企業局の仕掛けと働きかけで、下津町もそれではということで始められた事業であるからには、それなりに面倒を見なさるのが筋であろうと言わざるを得ないわけであります。大いにこだわりを感じながら申し上げて、今後の県行政についていけないなどというような感じを県民に与えさせないような的確なお取り組みをお願い申し上げておきたいと思います。
 感染症の問題ですが、これはやっぱり痛い目をさせられたら知恵が回るということなのか、思い切って決断もつきやすいということなのか、これは立派だよ。感染症に対する取り組みの中から教訓を得て、農産物の検査体制を確立強化して今後に備えていくというんだろう。これは、今までの皆さんの答弁から見たら一番光っているわ。これは評価したい。ただ単に中山が評価するんじゃなくて、一番喜ぶのは農業者よ。あれだけ苦境に立たされて、にっちもさっちもならないという立場に立たされた農業者が、万が一今後においてこういうふうな問題が起こったとしたら、今度は県が検査をし、面倒を見てくれるという。これは安心するよ。心置きなく農業に携われることになるから。
 農林水産部長だけが光っているということで物を申していることでないだけに、こういうふうな取り組みでこそ、県の行政を進めていっていただきたい。ローカルな課題を取り上げたことのねらいも、シビアにそういう施策が当局の皆さんから返ってくるであろうということを期待したからで、特にこのたび五点にわたってローカルな課題を取り上げたのもここにあるわけです。それだけに、この答弁は立派。評価しておきたい。
 次に、海南・海草に係る県政の出先機関、すなわち県事務所、土木事務所等にかかわるお話ですけれども、これはいつの機会か改めて明確な答弁をいただけるように質問を用意するから、きょうはこれで終わりたいと思います。
 以上、申し上げて終わります。
○副議長(下川俊樹君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で中山豊君の質問が終了いたしました。

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