平成8年9月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(東山昭久議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

○議長(町田 亘君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 27番東山昭久君。
 〔東山昭久君、登壇〕(拍手)
○東山昭久君 議長のお許しをいただきましたので、一般質問を行いたいと思います。
 まず、紀の川大堰建設に関連して質問いたします。
 紀の川大堰は、国が事業主体となる新六箇井堰の下流約五百メートルに可動式ゲート七門、ゲート高さ七・一メートル、長さ五百四十二メートル、有効貯水量三百八十万立方メートルの可動堰を建設し、新六箇井堰を撤去するとともに、上流に堆積した土砂二百六十五万四千立方メートルを掘削除去する工事であり、上水道、工業・農業用水などの安定供給、紀の川下流周辺の水害防止、さらに関西国際空港の開港による大阪南部地域への分水などを目標に建設が進められている事業で、平成三年に右岸側(園部)関連工事に着手され、四本の堰柱がほぼ完成し、現在、左岸側(有本)の堰柱工事に向けての事前調査が実施されております。十月から本格工事に着工したいとされています。
 建設省和歌山工事事務所は関係する地元自治会に対して工事関連の説明会などを実施されており、地域からもさまざまな意見や要望が出されているところであります。四箇郷地区は、工業・農業用水、特に生活用水として地下水に大きく依存しており、大堰建設に伴う地下水の変化などの影響を大変心配しているのです。
 このような住民の声を受けて四箇郷地区連合自治会は、約十年前に四箇郷地区大堰対策委員会を設置して、地下水対策やJR阪和線の高架化などを要望されてきたのであります。その後、対策委員会は、井戸水の水質調査の実施、自治会長研修会、平成三年には長良川大堰見学、平成七年には鳥取県日野川堰の見学などを実施し、大堰の必要性と工事に伴う周辺地域への弊害、問題点などを勉強、研究してこられたのであります。そして平成八年八月には、左岸工事に当たり各自治会からの意見、要望などを集約され、地建並びに関係方面に要望していくことを決定されたのであります。
 集約された事項は、次のとおりです。第一は、工事に伴う振動、騒音、電波障害などについて問題がある場合には工事の中止などを含めて対応すること、第二は、当地区は生活用水として井戸水(地下水)を使用している家庭が多く、工事に伴って地下水の水量、水質などに影響があればその補償問題、また当地区は地下水が豊富なため上水道の完備が大変おくれており、上水道の完備を強く求める、第三は、工事車両の安全対策を万全にとること、第四は、JR阪和線の移設に伴って高架化の実現を、第五は、地区内の環境改善として、県・市道の整備、河川敷利用などについて、地元要望として対策委員会に集約されているのであります。
 大堰建設自体は国の事業が主体でありますが、関連事業や周辺地域の整備は自治体の役割でもあります。今日の行政を見ていると、地域住民の生の声が行政に反映されていない面があり、住民が要望してもなかなかその実現が困難であるのが実情であります。県民の声が生かされる県政、県民参加の県政とは、住民の声が行政に反映されることであり、民主主義政治の原点でもあります。
 西口知事は、昨年の知事選挙の決意の中で、「いろんな地域へ行って痛感したのですが、地域の声が私どものところにストレートに届いていない、真剣に論議されていないことが多々ある。こんなに距離があってはいけないわけで、県土の均衡ある発展を図るためにも、各地域の皆さんの本当の声、生の声をもっと現地を訪れ、ひざを交えて聞き、政策に反映されるシステムを早急につくり上げたいと思います」と述べられています。どうか、この知事の考えに沿って、現地に入って住民の生の声を聞き、要望の実現に県当局の努力を強く求めるものであります。
 そこで、三点にわたり質問いたします。
 一点目は、右岸側でのくい打ちなどの準備工事で、民家の壁にひび割れが入り、家が傾くなどの被害が出たと言われています。その被害の状況、その原因、それに対する補償を含む対応はどうなされたのか。
 二点目は、当時の新聞報道によると、近畿地建和歌山工事事務所工務第一課長は、「建設省の調査は業者任せで、地建の職員が立ち会っていなかったなど調査のやり方が悪かった」とコメントされています。その後、事前調査のやり方がどう改善されたのか。現在、左岸側の事前調査が進められていますが、十分な調査がなされているのか。
 三点目は、先ほど申し上げた対策委員会に集約された、工事に伴う振動、騒音、電波障害の問題、地下水の水量、水質等への影響問題、上水道整備の問題、工事車両の安全対策、JR阪和線の高架問題、環境改善としての道路整備、河川敷利用など五項目の地元住民の要望が実現されるよう関係者との協議を図り、その実現に努力されることを強く要望するとともに、ご見解を伺うものであります。土木部長のご答弁を求めます。
 次に、紀の川リバーサイドグリーンベルト基本計画についてお尋ねいたします。
 県は、去る九月十日に、紀の川河口から岩出橋までの十六キロメートル、二百六十ヘクタールの高水敷が整備されることを契機に、その自然環境を生かしながら、県民の憩いの場としてふさわしい公園整備を行うという具体的な事業内容を発表しました。平成三年十月に、建設省、和歌山県、和歌山市によって構想が明らかにされ、その後、関係者間で協議が進められ、基本計画が策定されたのであります。
 基本計画によると、輝く水辺、あふれる自然、憩う空間を構想の基本理念として、河口から岩出橋までの間において三つのゾーン、その下に六つのゾーンを設け、国、和歌山県、和歌山市、岩出町がそれぞれの地域を分担して整備していくとなっています。完成目標は、国が行う護岸工事とあわせて整備を行い、二十一世紀初頭の完成を目指すとなっています。
 紀州大橋上流の県の分担区域に公営ゴルフ場から着手するとして、今議会に測量調査費として四千三百万円の九月補正予算案、和歌山県公営企業として観光レクリエーション事業を設置するための条例の一部を改正する条例案が提案されているのであります。この基本計画は今日の県民のニーズにこたえるものであり、おおむね評価できる内容であると思いますが、これから個々の施設にどれだけ地域住民の要望が取り入れられるかであると思うのであります。
 そこでまず西口知事に、この基本計画の実現への決意と今後地域住民の要望などをどう取り入れられていくのか、ご答弁を求めます。
 二点目は、紀の川河川敷の整備には大きな期待があり、とりわけ隣接する地元住民の期待は大きいものがあります。直接、生活環境の改善につながる課題でもあるからであります。
 大堰対策委員会は、住民の要望として次の三項目に集約されたのであります。
 一つは、高齢者社会を迎える中で、高齢者が安全で自由に楽しめる高齢者専用公園、散歩道をぜひ設置してほしい、二つ目として、地元の少年がいつでも自由に野球やサッカーのできる専用グラウンドを設けてほしい、三つ目は、紀の川大堰の管理棟の中に、紀の川に生息する水生動植物の展示場、水族館等を設置してほしいなどの要望があるのであります。それぞれ分担があるわけですけれども、県が主体となって地元住民の要望の実現に努力されることを強く求めるものであります。
 三点目は、県の分担区域川辺橋下流に九ホール、約二十二ヘクタール、一九九九年オープンを目指すという公営ゴルフ場建設についてお尋ねします。
 県内には、現在、既設のゴルフ場が二十四カ所、四百六十一ホールあります。工事中五カ所、増設二カ所、百十一ホール、開発許可済み、許可申請済み、事前協議中、届け出受理などを含めて二十七カ所、増設二カ所、合計五百四十ホールとなっており、既設から届け出受理までを含めると五十六カ所、一千百十二ホールとなるのであります。県民のゴルフ人口も年々増加傾向にあり、低料金で楽しめる公営のゴルフ場を否定するものではありませんが、なぜゴルフ場建設が優先的に着手されるのか、県民多数が使える多目的広場とかキャンプ場などよりも先に建設されるのか、疑問を持つものであります。土砂掘削や護岸工事の進捗状況などの技術的な問題なのかわかりませんが、ゴルフ場建設が決定された経緯と、なぜゴルフ場が優先的に着手されるのか、伺います。また、公営いわゆるパブリックゴルフ場は全国には三十三の例があるそうですが、県としては初めての事業であります。どのように経営されるのか、低料金と言われていますが、民間と比較してどれだけ安くなるのか、考え方を伺いたいと存じます。
 以上、三点について関係部長のご答弁を求めます。
 次に、建設省の河川行政の転換に関連して質問いたします。
 今、日本全国で行政が管理する河川は三万本に近いと言われています。私たちは、川に生活を大きく依存しています。数多くの生物も、また川に依存しながら生きています。だが、こうした数多くの川の現状はといえば、無残としか言いようがない現状にあります。人間の手がほとんど入っていない大きな川といえば、北海道の釧路川、四国の四万十川のわずか二つであり、あとは護岸、堰、ダムなどコンクリート漬けになっております。どうしてこのようになったのか。我が国の河川行政に問題があったのではないかと思うのであります。我が国の河川工学が、日本の自然と地形を生かした従来のやり方を捨てて、アメリカの近代河川工法であるテネシー川流域開発公社方式を導入し、河川の直線化、コンクリート化を進めてきたからであります。このことが防災などの面で一定の役割を果たしたことは否定できませんが、一方、雨量の多い自然条件の中、コンクリートによって自然を征服しようとした河川行政は、生態系の破壊など河川本来の機能を失う等の問題を残すことにもなりました。
 建設省は、このほどこうした今日までの河川行政を百八十度転換し、これから整備する河川などの大部分でコンクリートの使用をやめる方針を明らかにしました。川底や護岸にコンクリートを使わず、植物や木材などを利用する多自然工法とか近自然工法と呼ばれるもので、スイスやドイツなどはこうした工法によって河川の本来の機能を回復させたことが証明されているのであります。建設省は、九七年度に策定する第九次治水事業五カ年計画からこうした工法を取り入れるとしています。具体的には、五年間に改修など整備を計画している九千八百キロメートルの半分の四千九百キロメートルはコンクリートを全く使わないで、二千七百キロメートルは堤防ののり面など限定してコンクリートを使い、残り二千二百キロメートルは立地条件面などからコンクリートを使用するが、二○○一年をめどに技術開発を進め、コンクリートを使わずに済む部分を拡大していくことを明らかにしています。私は、この建設省の河川行政の転換を高く評価する一人でもあります。コンクリートに覆われ、息も絶え絶えになった日本の河川の回復につながり、コンクリートではなく、川辺に生えている一本のアシ、一本の雑草の持つ水の浄化力、水害の防止力に依存し、自然で美しい川を取り戻すことにつながると思うのであります。
 そこで、土木部長にお尋ねします。
 建設省の河川行政の転換をどう評価されるのか。河川行政の転換を受けて、今後県の河川行政をどう進められるのか。紀の川リバーサイドグリーンベルト基本計画事業についてはどういう工法で工事を進められるのか。紀の川の自然と本来の機能を回復するため、コンクリートに頼らない工法で事業を実施していただくことを強く要望申し上げ、ご見解を伺いたいと存じます。
 最後に、教育問題について質問いたします。
 第十五期中央教育審議会は、昨年から二十一世紀を展望した我が国の教育のあり方について審議を行い、七月十九日に第一次答申を出しました。これからの教育のあり方として、ゆとりを確保する中で、子供たちにみずから考える生きる力を育成するという基本的方向を打ち出したことは高く評価できるものであります。
 日本の教育は、明治以降、先進諸国に追いつき追い越せのかけ声のもと、学校による一斉授業という効率的なシステムで暗記中心の詰め込み教育を進めてきました。その結果、受験競争の過熱を招き、表裏一体の現象として、いじめ、不登校問題などが深刻化し、最近では住専問題やエイズ薬害問題など、偏差値エリートの頂点である官僚の問題解決能力と感受性の欠如が露呈されていると言っても過言ではありません。
 私は昨年の十二月議会で、偏差値偏重の教育から、ゆとりの中で個性を伸ばす教育への転換を図る契機となるとの認識から、学校五日制を教育改革の一環としてとらえることを主張してきました。こうした観点が第一次答申に明確に盛り込まれ、教育内容の厳選や完全学校五日制の実施が方向づけられたことは、歓迎するものであります。
 今後の焦点は、完全学校五日制がいつから実施されるのか、そして次期学習指導要領の改訂作業に当たる教育課程審議会が教科エゴにとらわれず、教科の再編、統合を含め大胆な厳選に踏み切れるかどうかにあります。その意味で、今回、完全学校五日制の実施時期や教科の再編・統合が明示されなかったことは残念でありますが、教育課程審議会に常設の委員会を設置し、教科などの構成のあり方について早急に検討に着手すべきとの提起は評価できるのであります。文部省はこの提言を尊重し、速やかに常設の委員会の設置に向けて準備に着手するとともに、教育課程審議会の発足に当たっては、幅広い各界の人々や保護者など、広く国民の声を反映するよう求めたいと思います。
 中央教育審議会は、後半の審議において、過度の受験競争の緩和策を初め、一人一人の能力、適性に応じた教育のあり方を検討することになります。生きる力の育成という今回の提言が真に生かされるかは、今後の審議でそれを阻んでいる現在の教育制度や学歴社会の構造にどれだけメスを入れられるかにかかっています。中教審の真価が問われるのはこれからであると思います。
 教育をめぐる状況は大きく変わりつつあります。経済界からは学校名不問の採用など企業みずから取り組むべきアクションプログラムが提起されたり、日教組も教育を社会の中心目標に据え、各界との合意形成を図りながら教育改革の具体化を進める方針の確定を目指しています。こうした新しい状況を踏まえ、学歴社会の是正策を初め、選抜から選択へという観点から、学制改革や入試改革などについても踏み込んだ教育改革を強く望むものであります。
 そこで、今回の中央教育審議会の第一次答申をどう受けとめられているのか、今後、答申を教育現場にどう生かされるのか、教育長のご答弁を求め、質問を終わりたいと思います。
○議長(町田 亘君) ただいまの東山昭久君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
 〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 東山議員にお答えをいたします。
 紀の川リバーサイドグリーンベルト基本計画の決意についてのお尋ねであります。
 この計画は、紀の川の高水敷を県民の憩いの空間として、自然環境を生かした親水性を持つ公園に整備しようとするものでございます。紀泉地域を緑で結ばれた一つの都市圏として、自然と共生できる国際的な複合機能都市の形成を図るために、私が提唱いたしております紀泉百万都市圏構想の一環に位置づけて推進していきたいと考えております。
 事業の実施に当たりましては、機会をとらえて広く県民の皆さんのご意見を参考にいたしながら、二十一世紀に対応する県民の憩いの空間をつくっていきたいと考えているところでございます。
○議長(町田 亘君) 土木部長長沢小太郎君。
 〔長沢小太郎君、登壇〕
○土木部長(長沢小太郎君) 東山議員にお答えいたします。
 まず、紀の川大堰に関連してのご質問でございます。
 一点目の右岸側の被害について、九十七戸より被害の申し出があり、調査を行っております。被害は、家屋の内外壁のひび割れやかわらのずれ等が生じたもので、主な原因は宅地造成時の転圧不良に工事の振動が加わり被害を助長させたもので、建設省では補償を行うこととしております。
 二点目の調査の実施方法についてでございますが、地元と協議の上、要望に沿って実施したと聞いております。左岸側の事前調査につきましては、自治会や関係団体の方々に調査項目や工事の実施方法について了解を得、電波障害、家屋、地下水等の調査を行っていると聞いております。
 三点目の、地元対策委員会よりの工事に伴う要望についてでございますが、県としても十分留意して工事を実施するよう建設省に伝えております。また、上水道の整備の要望につきましては、市の方に伝えてまいります。
 JR阪和線の高架化の要望についてでありますが、一般的に高架化する手法は二通りございます。まず、県事業として行う連続立体交差事業は、現状では交差道路数等が採択基準に達しておらず、また和歌山市において周辺の区画整理を行う必要もあります。もう一つの手法といたしましては、幹線道路である市道の立体化を行うのに要する額に市の単独費を加えて行う方法がございます。いずれの場合も、和歌山市で膨大な単独費等が必要であります。今後、市の意向を踏まえた上で対応を検討してまいりたいと思っております。
 周辺道路整備の要望につきましては、右岸道路である県道小豆島船所線等の南海橋からJR阪和線までについては、河川堤防敷利用を含む二車線道路の計画を現在検討中であり、今後、建設省と協議を進め、地元の協力を得ながら整備に努力してまいります。左岸道路につきましても、県道有功天王線のつけかえ道路の整備を進めているところであります。有本地内の市道整備につきましては、都市計画道路の位置づけを含めて検討する必要があろうかと思われますので、市当局にもその趣旨を十分伝えてまいります。
 次に、紀の川リバーサイドグリーンベルト基本計画に係る地元要望のご質問でございます。
 ご質問の高齢者専用公園等の要望につきましては、だれでも利用できるものとする必要があるため、国、県及び和歌山市において事業実施の段階で住民のニーズを踏まえた整備が行えるよう努めてまいりたいと考えております。
 ゴルフ場建設着手のご質問についてでございますが、身近なアウトドアスポーツとしてゴルフ場のニーズがふえていることから、低料金で利用しやすい公営のパブリックゴルフ場を高水敷の幅が一番広い場所に設ける計画としております。
 紀の川リバーサイドグリーンベルトの事業は、紀の川大堰に伴う護岸整備の進捗に合わせ、できるところから実施していくこととしておりますが、岩出町の公園等、既に整備済みの部分もございます。ゴルフ場を計画している区域は、河川管理上、河川水質の向上のため環境改善を早急に行う必要のあるところでありまして、護岸整備も完了していることから今回ゴルフ場に着手することとしたものであります。その他の整備については、護岸整備の進捗を踏まえて事業化を図っていきたいと考えております。
 次に、建設省の河川行政の転換についてのご質問でございます。
 建設省の方針についてでございますが、近年、河川整備には特に自然環境に配慮した川づくりを求める声が高くなっており、建設省の方針は県民の要望に沿うものと考えております。また、今後の和歌山県の河川行政の進め方につきましては、学識経験者や河川利用者、青年、女性の代表から成るきのくにの川や渓流づくりを考える懇談会よりいただいた提言をもとに、安全で豊かな県土づくり、豊かな自然との共存、魅力ある水辺づくり等を目指し、積極的に多自然型川づくりを推進してまいりたいと考えております。
 次に、紀の川リバーサイドグリーンベルト基本計画についてですが、建設省において高水敷の利用計画に合わせ、親水性や生態系に配慮した階段護岸、湾処、ヨシ原の再生等の整備を行うと聞いてございます。
 以上でございます。
○議長(町田 亘君) 企業局長佐野萬瑳義君。
 〔佐野萬瑳義君、登壇〕
○企業局長(佐野萬瑳義君) 東山議員のご質問にお答えいたします。
 企業局では、紀の川リバーサイドグリーンベルト基本計画に基づきまして、だれもが気軽に利用でき、低料金による大衆化されたゴルフ場の整備を目指して取り組んでございます。
 なお、運営につきましては、直営または委託等あらゆる角度から検討し、最善の方法を採用したいと考えております。
 また、利用料金設定についての考え方でありますが、建設費等の投資コストと近隣ゴルフ場及び他府県での公営パブリックゴルフ場の料金等を勘案しながら、できるだけ低料金でご利用いただけるよう検討してまいりたいと考えております。ちなみに、他府県の類似施設では平日五千円、休日七千円程度となってございます。
 以上でございます。
○議長(町田 亘君) 教育長西川時千代君。
 〔西川時千代君、登壇〕
○教育長(西川時千代君) これからの教育のあり方についてお答えいたします。
 このたびの第十五期中央教育審議会の第一次答申では、これまでの目覚ましい経済発展の一方で社会全体にゆとりが失われた、教育の面でも、子供たちの自然体験や社会体験の不足、さらに子供の自立のおくれ、家庭や地域社会の教育力の低下など、さまざまな問題が生じていると指摘しております。
 こうした現状を踏まえ、答申では、子供たちにもう少しゆとりを持たせ、社会の変化に主体的に対応できる資質や能力、他人を思いやる心、豊かな感性、たくましく生きるための健康や体力など、生きる力をはぐくむことを重視しております。また、二十一世紀初頭に完全実施を目指している学校週五日制によって、学校、家庭、地域社会が連携し、社会全体で子供を育てることを求めております。このことは、これまでの日本の教育の成果と問題点を踏まえ、将来の基本的方向を示したものと受けとめてございます。
 本県では、これまでも高校入試において、単にテストの点数で選抜するのではなく、子供たちの多様な特性を評価するとともに、学科改編や総合学科の新設など特色ある学校づくりを積極的に推進し、子供たち一人一人が興味や関心に応じて学校を選び、個性を伸ばすことのできる教育の実現に努めているところであります。さらに、これまで本県が進めてきた教育の方向を一層充実させるとともに、このたびの中教審答申を生かし、いじめ、登校拒否に対する取り組みや情報化、国際化など、社会の進展に対応した教育の充実を初めとする多くの課題の解決に向けて努力してまいりたいと考えております。そのため、教職員の研修を一層充実させ、意識改革と資質向上を図り、地域に開かれた学校づくりを進めてまいりたいと考えております。また、関係部局と連携しながら、社会全体の教育力を充実させ、生涯学習体系の確立に努力してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(町田 亘君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 27番東山昭久君。
○東山昭久君 ただいま、知事並びに関係部長からご答弁をいただきましたが、二点についてご要望をさせていただきたいと思います。
 一点目は、紀の川大堰建設に伴って右岸側の工事においていろんな被害が出たということがあり、今、建設省で補償を含めて対応しているというご答弁をいただきました。その当時、右岸側の九十七戸から被害の申し出があって、それに対して建設省の方でも事前調査が不十分であったということが言われたわけです。今度は左岸側の工事に移り、四箇郷地区が対象になるわけですけれども、その場合に事前調査を本当に十分やられるだろうかという疑問を持つのであります。建設省としては、右岸のときに事前調査が不十分であったので今度は事前調査を改善した、したがって左岸地区の皆さんは安心してくださいよ、こうなれるように、ぜひとも建設省に対して要望をしていただきたい。そして、この工事で被害が出ないようにぜひしていただきたいと思います。
 二点目は、それぞれの地元から要望が出された。隣接しているところからは、自分たちができるだけ勝手に使えるようなものをつくってほしい、これは当然の要求だろうと思います。右岸でもそうだし、左岸地区は特に今日までグラウンドやサッカー場がありました。これから個々のものが明らかにされていくわけですけれども、地元の皆さんが要望することについて、その要望を十分に聞いていただいて一つでも実現に努力していただくことを心からお願い申し上げまして、要望とさせていただきます。
 以上です。
○議長(町田 亘君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で東山昭久君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
○議長(町田 亘君) この際、暫時休憩いたします。
 午前十一時四十四分休憩
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