平成8年6月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(山下直也議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

○議長(橋本 進君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 33番山下直也君。
 〔山下直也君、登壇〕(拍手)
○山下直也君 ただいま議長のお許しをいただきましたので、通告に従って一般質問をさせていただきます。
 第一問として、本県が掲げるベイフロンティア構想に関連をいたし、何点か質問をさせていただきたいと思います。
 この構想において紀伊水道は、大阪湾の玄関に位置し、大阪湾や瀬戸内地域へ出入りする船舶の通過する、従来から近畿の物流の中心的航路であり、二十一世紀の物流をリードしていく地域として位置づけされ、海陸一体の高度な複合物流拠点として整備していくとされております。ちなみに、本県で生まれ、常日ごろより紀伊水道を眺めて育った私にとりましても、意を同じくいたし、大いに期待すべき構想と感じております。
 大阪湾海上交通の負担軽減、陸上高速交通網と連携した物流の効率化、大規模地震等の災害に備えたリスク分散、この三つを大きな柱とする構想は、時を見据え、時代を見据えた非常にタイムリーな構想として評価をいたしたいと思いますが、ここで一つ気になることがございます。と申しますのは、本県に隣接する大阪府において、大阪府地方港湾審議会が堺泉北港の港湾計画をこのほど了承、水深十四から十五メートルのバースを設け、四万から五万トン級の大型船が接岸できるようになるとのことで、現在、二〇〇五年の完成を目指していると聞いております。このように、既に港湾の整備開発に動き始めた状況において、本県でも堺泉北港の今後の動向を視野に入れ、対応していく方策が急務と考えられるわけであります。特に、ベイフロンティア構想は太平洋新国土軸、また大阪府が進めるウオーターフロント計画等にも関連して大変重要な役割を持つ構想であると私は考えております。
 そこで、お尋ねをいたします。
 まず、ベイフロンティア構想の中、和歌山下津港湾の今後の取り組みについてお尋ねをいたしたいと思います。さらに、大阪湾の入り口に位置し、外洋に面するという本県の立地特性を生かし、一度に一千トンもの貨物を積んで時速百キロの高速で海上を疾走する超高速貨物船・テクノスーパーライナーについて、和歌山下津港を寄港地とする航路の誘致が重要であると思われますが、このテクノスーパーライナーの取り組み状況についてお聞かせを願いたく思います。
 続きまして、関西国際空港第二期工事に伴う土取りについてお尋ねをいたします。
 一期工事では、ご承知のとおり、計約一億七千八百万立方メートルの埋立用土砂を、和歌山県土地開発公社が用地買収した加太地区、大阪府阪南市、兵庫県の淡路島の三カ所から採取したわけであり、そのうち加太地区からは全体の三分の一強の土砂を供給し、さらに今もって土砂搬出施設等も残っている現状を考えると、当然、二期工事においても本県加太地区の隣接地から採取されることになるのではと考えますが、どうなのか。
ちなみに、四月九日の衆議院運輸委員会において、土砂採取についてどう考えているかとの質問に対し、航空局長から、土を具体的にどこからどういう形で提供していただくかは用地造成会社と地元との話し合いの問題であり、関西国際空港の基礎になる重要な問題と認識をいたし、したがって局面局面に応じてしかるべく判断をしていくとの答弁がありましたが、これに対し、知事のご所見を賜りたいと思います。
 また、県の財政負担を軽減するため、土砂採取の事業主体は──一期工事のときは県主体であったわけですが──二期工事についてはどうするのか。民間業者に委託をするのか、もしくは第三セクター方式での実施も検討中とのことでありますが、改めて知事のご見解をお聞きしたいと思います。
 次いで、コスモパーク加太についてお尋ねをいたします。
 この件につきましては、過去、何人もの先輩・同僚議員から質問がありました。それだけに、この地における利用計画というものは大変難しいものがあることは十分理解できるところであります。そこで、一つの案としてお聞きいただきたく、また提案をさせていただきたいわけでありますが、この地を一大ジャンクション用地として計画されてはどうかということであります。
 今、本県は京奈和自動車道の建設促進と紀淡連絡道路の位置づけ、さらに第二阪和国道や阪神高速湾岸線の南伸等、道路行政において極めて重要な時期を迎えており、この各事業が進められるに従い、一大拠点となるべきジャンクション用地選定の問題は、時期が早い遅いはあるでしょうが、決して避けて通れない問題であります。したがいまして、苦しい中、コスモパーク加太の地を企業等に細切れで売却したり開発することよりも、将来の本県の重点地域に生まれ変われるべきポイントとしてご活用されることが何よりも望ましいのではないかと考えます。よって、以上のことから関係部長にお尋ねをいたします。
 一点目、今現在、コスモパーク加太の利用計画についてどういう計画をお持ちなのか、また現況についてお尋ねをいたします。
 二点目として、この地を今申したように太平洋新国土軸と既存の国土軸の接点としてお考えをいただき、コスモパーク加太の有効利用としてジャンクション用地を考えていただきたく、そのことによりこの地の付加価値が一層高まり、さらに、二期工事に伴う土取り跡地についてもなおさら同じことが言えると考えますが、県当局のご見解をお伺いいたしたく思います。
 次に、観光立県和歌山についてお尋ねをいたします。
 過日、「毎日新聞」において、大阪市此花区桜島二とその周辺の臨海部工場地帯を再開発し、ここに日本最大級のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」、通称「USJ」を建設する計画が本格的に動き始めたとの記事が掲載されておりました。
 私は市議会議員当時、このテーマパークを和歌山市に誘致すべく、アメリカ・フロリダ州オーランドを視察したことがあり、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンが大阪此花区に決定を見たときは大変残念に思いました。ユニバーサル・スタジオはアメリカの映画会社MCA社のテーマパークであり、アメリカ・カリフォルニアやフロリダ両州にある、ヒット映画「ジョーズ」や「キングコング」、「ジュラシック・パーク」等を活用したアトラクションやショーが売り物のテーマパークであります。
 現在、大阪では一九九八年秋に着工、二〇〇一年春の開業を目指し、地元大阪市や地権者の住友金属工業、日立造船等で企画調査会社・大阪ユニバーサル企画を設立、本年三月、資本金四十億円の事業会社といたし、さらに地元有力企業の参画を得て今も着々と進行中であると聞いております。
 また、大阪市西区においてプロ野球団・近鉄バッファローズのホームグラウンドである大阪ドームが平成九年三月の完成を目指しており、さらに堺市においては新日鉄がテーマパーク「シーワールド」を検討中とのこと。次いで、大阪南港のコスモスクエア地区には運河をつくり、アジア太平洋トレードセンターや九九年度に完成する海洋博物館とともに新しい観光スポットづくりが進められており、加えて泉南地域においても、株式会社和歌山ドームの人工スキー場計画をしのぐ大規模な室内人工スキー場が計画されていると聞き及んでおります。これらすべてが現実のものとなってまいりますと、観光立県を目指す和歌山としては非常に厳しい状況に追い込まれるのではないかと感じます。よって、本県の対応とこれからの計画などをお聞かせいただきたいと思います。
 また、昨年九月の本会議一般質問においてお聞きいたしましたが、これからのことを踏まえて再度、株式会社和歌山ドームの人工スキー場計画のその後の進捗状況と今後の見通しをお聞かせください。
 以上、お話をしてまいりました大阪府が目指すウオーターフロントの充実に、すばらしい海を含めたすぐれた自然景観を有する本県としてどう対応されていくのか。先般、知事が海洋立県を目指し、神戸や横浜のような文化的機能を持ち、若者が集まるような和歌山下津港にしたいと語られておりましたが、海洋リゾートを考える本県といたし積極的な対応が急がれるものと考えますが、いかがでしょうか。これについてお答えをいただきたいと思います。
 なお、関連することとして、昨年九月、私は一般質問におきまして、本県に観光大学誘致についてということでお尋ねをいたしました。その際、県当局より、地域の観光イメージ向上につながることから誘致について運輸省に要望したとお聞きをいたしましたが、その後の状況についてご報告をいただきたいと思います。
 続きまして、アジア諸国との交流についてお尋ねをいたします。
 なお、この問題に関しましては、昨年九月、先輩議員からアジア諸国に対する県としての姿勢について、また本県の交流している国々との今後の交流について質問されておりますが、私は今回、香港駐在員の派遣についてという観点から質問をさせていただきたいと思います。
 本県は、一九八四年四月十八日に中国山東省と友好提携を、続いて一九九三年九月十五日にフランス共和国ピレネーオリアンタル県と、さらに一九九五年十月四日にアメリカ合衆国フロリダ州と姉妹提携を、また、本年五月二十日にメキシコ合衆国シナロア州と友好提携を結んでおられます。提携に当たっては歴史的背景があり、それぞれに観光、文化、経済、農林水産業、教育等、幅広い分野でその地域の特徴に合わせた交流を積極的に推進し、相手国と本県の相互の発展を図りたいとの趣旨に従い、友好また姉妹提携を結んでこられたものと考えます。
 事実、本年四月十日から、田辺市の紀南文化会館におきまして、世界観光フォーラム出席のため、中国山東省から馮蘭海山東省外事弁公室副主任が、フランス・ピレネーオリアンタル県からルイ・ピュイッチュ・ピレネーオリアンタル県議会官房長官が、アメリカ・フロリダ州からチャールズ・ランソン・フロリダ州国際交流委員会副会長の各代表団が一堂に集まり、各国それぞれの友好を深めていただき、本県にとっても実り多きものとなりましたが、それはそれといたし、昨年三月三十日よりNHKにおいてアジアの動向についての番組が始まっており、加えて書籍の中にも数々のアジアを題材としたものが目につき、最近「二十一世紀はアジアの時代」という言葉をよく耳にいたすわけでございます。また、本県と韓国釜山との船による定期航路も開設され、加えて全日空では、関西国際空港発のミャンマー、ヤンゴン、ホーチミン線を新たに開設、さらにインドへの路線開設を目指すとのことであります。また、民間団体においても東南アジアとの交流は盛んに行われており、例えば、私が所属しておりました青年会議所につきましても、和歌山JCは香港の沙田JC、韓国の議政府JCと、また海南JCはフィリピンのサンファンJC、那賀JCは韓国済州島と、白浜・田辺JCは韓国南釜山と、それぞれ姉妹提携を結んでおり、加えて私の友人の中にもビジネスで中国、ベトナムやシンガポールへ出かける方たちが結構多いわけであり、そんな中、なぜ県や市は東南アジア諸国との友好または姉妹提携をしていないのか、とりわけシンガポールについては、すばらしい港湾と空港を持っており、交易、観光等の意味においても和歌山県との友好・姉妹提携は今後考えられないものか、などと尋ねられたことがあります。
 そんな中、二十一世紀に向けた本県地域経済の活性化を図るため、県内企業とのつながりの深いアジア地域、すなわち中国及び東南アジアの情報を収集し、県内企業の国際的な活動を支援するという目的に基づき本県職員を香港へ派遣するとのことであり、将来的には日本貿易振興会、通称ジェトロ香港センターへ入居を考えているとのお話をお聞きいたしました。その内容は、県内製品の紹介や宣伝、市場調査、現地県人会の事務局活動、県産業・観光等のPR活動等、非常に有意義なものと考えます。
 もちろん、香港については一九九七年七月一日、主権がイギリスから中国に返還されるわけでありますが、一九八四年の英中共同宣言で合意のなされた一国二制度を保障する基本法が香港特別行政区に適用され、五十年間、現行の経済・行政法の各制度が維持されることは確実となり、アジア地域の経済拠点都市として金融センター的機能を兼ね備え、人・物・情報を仕入れる極めて重要な東南アジア全般をフォローする窓口としての役割を担っているものと考えます。
 現在、日本より大阪府、兵庫県初め二十八都道府県が世界八十一カ所に情報拠点を設置いたし、アジア地域には四十五カ所、うち香港には十三府県が職員を派遣しているとのことであります。
 以上のことから、何点かお尋ねをいたします。
 まず、この先、東南アジア諸国との友好・姉妹提携についてどのようなお考えをお持ちなのか、知事のご所見をお伺いいたします。
 次いで、ジェトロ香港センターへの入居見込みについて、現段階の状況はどうなのか、またそれまでの間どのようにするのか、派遣職員一名となっているが将来的には増員も考えておられるのかどうか、関係部長にお尋ねをいたしたいと思います。
 以上、前段、関空二期工事に伴う土取りについて、またコスモパーク加太について、観光について、アジア諸国との交流について等お聞きをしてまいりましたが、これらの問題はいずれもベイフロンティア構想に何らかの形でかかわっていく、そういう大変重要なことばかりと考えます。よって、県当局におかれましては前向きなご答弁をお願いいたしたく思います。
 次に、和歌山県民はもちろんのこと、全国各地の皆さん方が非常に心を痛めており、問題となっております病原性大腸菌O157について、何点かお尋ねをいたします。
 六月二十二日付「毎日新聞」によりますと、病原性大腸菌O157が感染拡大され、十五都府県で患者数千四百四十二名、うち大阪で七名が発症しているとの記事が掲載されており、今も全国的にこの被害が拡大されております。
 この菌は、一九八二年、アメリカにおいて初めて分離され、日本においては一九九〇年、埼玉県浦和市の事例が最初とのことであり、五月の末ごろ岡山県邑久町にて第一号の発症者が出たのが今回の発端とされておりますが、特に乳幼児やお年寄りなど抵抗力の弱い人が感染をいたしますと症状がひどく、中でも小学生三人が死亡していることは見過ごせない点であります。残念ながら、この集団食中毒が続発する理由はいまだ不明とのことであり、大量発症した岡山・岐阜両県におきましても感染ルートはいまだ突きとめられていない状態であります。
 厚生省は、都道府県に被害の拡大防止と原因究明を徹底するよう文書で申し入れ、消費者向けパンフレットを配布するなど、発生防止を訴えているところであります。また県当局におかれましても、県内各保健所にビラを置き、食べ物の十分な加熱や用便後の消毒などの徹底を呼びかけておられると聞いております。
 しかし、現実に六月二十八日現在、岡山県で八百六十八人、岐阜県にて三百八十五人、広島県百九十一人、愛知県三十九人、福岡県五十三人、大阪府六十五人、兵庫県十人、奈良県三人と、いまだ有症者はふえ続け、その対策に苦慮しているのが現状であります。
 そんな中、和歌山市におきましてもサルモネラ菌による集団食中毒が発生いたし、二十四日までに五百六名の症状を持った方が出たわけであります。これはO157との関係がないとのことでありますが、加えて本日、発熱、下痢等の症状にて新たに十六名の発症者が出たとの報道があり、以上のことから、何点かにわたり関係部長にお尋ねをいたしたいと思います。
 まず、和歌山県下で今日、O157はあるのかどうか、また本県にてO157が発生した場合どんな対策を考えておられるのか、次いで、一般の食中毒に関しても今日までどのような対策をとってこられたのか、あわせてお尋ねをいたしたいと思います。
 また、岡山県環境衛生課には「プールの水は大丈夫なのか」などの問い合わせの電話もかなりあるとのことから、今後、季節柄、本県遊泳プールの衛生管理に検討を要するものと考えますが、この点、県当局の対応はいかがなものか、お尋ねをいたします。
 なお、この問題につきましては、過去に有田地方でのコレラ発症の例もあり、生鮮食料品や食品業界に影響が出ることのないように、これらに対する対応もお考えをいただき、よっていたずらに混乱させることのないよう、必要以上に騒ぎが拡大されることのなきよう、一日も早く県民の不安を取り除くため、県当局として敏速かつできる限り冷静に対処いたし、問題解決に当たっていただきたいことを申し添えさせていただきたいと思います。
 最後になりましたが、最近、車で市内を走っておりますと、一つ気になることがございます。県の土木工事の看板が目につくわけなんですが、「平成七年度事業」となっているのが多く見受けられます。これは多分、昨年の国の大型補正によるものと考えられるわけでございますが、土木の職員さんの残業がかなり多いとの声も聞かれます。
 そこで、行政改革に逆行するものかもしれませんが、土木の技術職員の数をふやしていただくということはできないものなんでしょうか。この場をおかりいたし、できることならふやしていただきたいとご要望申し上げます。
 いま一つ、過日、泉大津に用があり阪和自動車道を走行中、気がついたことがございました。私は昨年九月議会の一般質問再質問におきまして、阪和自動車道阪南・和歌山間においてナトリウム灯の設置を要望させていただいたわけですが、その後、県当局のご報告どおり、雄山トンネルを中心としてナトリウム灯が点灯されているのを見、大変うれしく感じました。知事の敏速かつ積極的なご努力に対し心からお礼を申し上げ、私の一般質問を終わりとさせていただきます。
 ご清聴ありがとうございました。
○議長(橋本 進君) ただいまの山下直也君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
 〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 山下議員にお答えをいたします。
 まず、関西国際空港に関連してであります。
 関西国際空港の全体構想は、本県の飛躍発展のためにも必要不可欠なプロジェクトでございまして、二期事業については、用地造成会社への出資を含む一期以上──約百億に近い予算でありますが──の協力を行うことにしてございます。
 埋立用土砂の採取については、この六月に関西国際空港用地造成会社が設立をされたばかりでございまして、まだ具体的な協議を進める段階には至ってございません。今後、用地造成会社と協議をしながら、一期事業に係る土砂採取の経験を踏まえ、住民のコンセンサスあるいは環境問題、事業の採算性等を総合的に勘案して、ご質問のございました採取の場所、事業主体等について、慎重に、しかも時期を失せずに本県としての対応を、全体構想を積極的に推進する立場から検討してまいりたいと考えております。
 次に、アジア諸国との友好提携などについてでありますけれども、関西国際空港の開港によるアジア諸国との航空路線の増加も考えてまいりますと、時間的にも距離的にも非常に近くなったわけでありまして、今後あらゆる分野での交流が活発化することが予想されるわけです。また、本県におきましても、平成六年に開催されました世界リゾート博に、既に友好提携をしている中国山東省を初め、韓国、タイ、フィリピン等のアジア各国からの参加、協力も得たわけでございます。議員からお話がございましたけれども、近年のアジアの発展は大変目覚ましいものがございまして、私もよく申し上げるわけでありますけれども、二十一世紀はまさにアジアの時代だと言われており、相互の交流を図ることは大変有効だと考えております。
 そういった意味で、アジア諸国との友好提携について私も極めて重要だと考えており、これまでにいろいろ調査検討を行ってきたわけですけれども、まだ特定の国、地域に絞り込むまでには至ってございません。しかし、本年九月にアジア諸国の経済や情報の拠点である香港に駐在員を派遣する予定もございますので、各方面からのさまざまな情報等を含め、今後、積極的、具体的に進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(橋本 進君) 土木部長長沢小太郎君。
 〔長沢小太郎君、登壇〕
○土木部長(長沢小太郎君) 山下議員にお答えいたします。
 まず、ベイフロンティア構想に関連しての和歌山下津港湾の今後の取り組みについてでございます。
 堺泉北港は大阪湾内にある特定重要港湾の一つであり、主要な外貿公共係留施設としてガントリークレーン二基を備えた水深十二メートル岸壁が三バースあり、外貿コンテナ航路も本年五月より、同港と中国寧波港との間に、また六月より韓国釜山港との間に開設されております。さらに、本格的な外貿機能の拡充を図るため、水深十四から十五メートルのコンテナバース二バースが平成八年三月の港湾計画に位置づけられておるところでございます。
 一方、和歌山下津港におきましては、水深十メートルの通称万トンバースで昨年七月と九月より釜山港との間で外貿コンテナ航路が二航路開設されており、平成八年六月までのコンテナ取扱量は二十フィートコンテナ換算で約三千四百個となっております。また、本年秋に和歌山下津港の友好港である中国の青島港でポートフォーラムを開催し、新規航路の誘致に取り組んでまいります。
 次に今後の考え方についてでありますが、和歌山下津港が海の国際軸とも言える太平洋航路により近接した位置にあるというメリットを生かし、大水深の岸壁や十分な広さのコンテナヤードなどを有する外貿ターミナルを次期の港湾計画に位置づけ、大阪湾諸港と機能分担しながら、二十一世紀の近畿圏の経済を担う港としての発展を目指してまいりたいと考えております。
 次に、コスモパーク加太に関連してのご質問でありますが、高規格道路のジャンクション等については、一般的な考え方として、高速道路や一般国道等の主要な幹線道路と連結することがございます。このようなことから、議員ご指摘の紀淡連絡道路についても大阪湾環状道路などネットワーク全体で考えていく必要があると考えられます。したがって、コスモパーク加太に関連するジャンクション等につきましても、将来的にネットワークの必要性及び地形的な条件などを含め、私どもなりに検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(橋本 進君) 企画部長藤谷茂樹君。
 〔藤谷茂樹君、登壇〕
○企画部長(藤谷茂樹君) 山下議員にお答えをいたします。
 テクノスーパーライナーの取り組み状況についてでございますが、本県では全国に先駆けて、我が県が有する有利な立地特性を生かし、関西圏におけるテクノスーパーライナー航路を開設するための取り組みを行っているところでございます。
 国では、平成七年度までの開発実験に引き続き、本年度、テクノスーパーライナーの円滑な事業化を図るため、航路の具体的なモデル計画を作成するなど、総合的な調査に取り組んでございます。本県といたしましては、今年度、関係事業者等に参画をいただいた検討組織を設置し、航路設定の可能性の高い南九州を相手先と想定し、事業者の意向を反映した具体的な貨物輸送システムを検討しているところでございます。今後は、その検討内容を国に提言し、和歌山下津港等を寄港地とするテクノスーパーライナー航路が早期に開設されるよう関係機関等へ強く働きかけてまいる所存でございます。
 次に、現在のコスモパーク加太の利用計画につきましては、リゾート、研究開発、居住の三つの機能を持つ国際的複合都市の整備を基本目標としているところでございます。昨秋より着手している幹線道路整備により東西にほぼ二等分され、西側区域にはスポーツ、レクリエーション、リゾート、観光、国際交流などの交流型エリア整備を、また東側区域については、居住を基本としながら、研究などの企業活動、あるいは公共的施設などの定住型エリア整備を目指してまいりたいと考えてございます。現在、この中で決定しているのは西側において人工スキー場がございますが、今後については前段申し上げた基本目標を踏まえつつ、社会経済及び周辺状況の変化などに柔軟に対応してまいりたいと考えてございます。
 ドーム型人工スキー場計画の進捗状況については、事業主体の株式会社和歌山ドームが施設の建築確認申請を提出できる段取りで進めており、近々造成工事に県土地開発公社が着工する予定でございます。開業時期については、現時点では平成九年の夏過ぎになるものと会社より聞いてございます。施設につきましては、全長約三百メートル、全幅三十六メートルから六十三メートル規模で、スノーボードも利用可能な人工スキー場とスノーランド、附帯施設としてレストラン、駐車場等が約七・五ヘクタールに整備され、年間入場者予想は約四十万人の計画で、当初の計画どおり進めていると聞いてございます。
 次に、大阪府が進めるウオーターフロントの充実に対する本県の対応と計画についてでございますが、本県にはすぐれた景観を有する海岸線があり、テーマパーク・ポルトヨーロッパを核とする和歌山マリーナシティや和歌公園、白崎海洋公園、東急田辺リゾート等の海を生かしたリゾート施設が整備されつつあり、美しい海や山を体験するスキューバダイビング、海水浴、キャンプ等の入り込み客も増加してございます。
 自由時間の増大や都市住民の自然志向を背景に、近年、高速道路を中心とする高速交通体系の整備が進み、都市住民との交流の機会がさらにふえてくることが予想されます。そのため、和歌山県ならではの特性を生かしたリゾート需要はますます大きくなってくると思われますので、環境の保全に留意しつつ、長期滞在型のリゾートの核となる施設の立地を促進するとともに、自然や文化と触れ合うことによって心の豊かさが享受できる「安らぎの和歌山」を形成していきたいと考えてございます。
 また、本県のウオーターフロントの充実を図るため、関西国際空港の全体構想や紀淡連絡道路の充実を視野に入れ、大阪府や徳島県との連携を密にして、リゾートや先端産業の集積をも図る、いわゆるベイフロンティア構想を調査検討してまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○議長(橋本 進君) 商工労働部長日根紀男君。
 〔日根紀男君、登壇〕
○商工労働部長(日根紀男君) 観光大学の設置についてのその後の状況でございますが、運輸省では昨年、観光大学問題検討委員会を設置して種々検討がなされました。本年度は、その検討内容等を踏まえて観光産業における人材育成等に関する調査が実施されているところでございます。この調査では、幅広い見地から観光産業における人材育成等のあり方について調査検討を行っていくこととされておりまして、その中で有識者から成る懇談会と研究会を設け、それぞれ基本的な方向とその具体的な検討を行っているとのことでございます。県といたしましては、今後とも国の調査の経緯を見守りながら積極的に対応してまいりたいと考えてございます。
 次に、アジア諸国との交流についてのうち、ジェトロ香港センターの状況と駐在員についてでございます。
 経済の国際化の進展に伴い、中国、アジア地域をにらんだ海外展開が県内企業においても活発になってきてございます。このような県内企業の国際的な活動を支援するため、香港に海外駐在員を本年九月から一名派遣することといたしました。駐在場所につきましては、当面、県内企業の現地駐在員事務所を使用させていただく予定でございますが、将来的には日本貿易振興会(ジェトロ)香港センターの都道府県共同事務所を考えてございます。
 なお、同センターへの駐在についてはジェトロ全体の定員の問題がございますので、県としては国並びにジェトロ本部に定員枠拡大の働きかけを行っているところでございます。
 なお、派遣職員の増員の問題につきましては、将来の問題として今後検討してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(橋本 進君) 生活文化部長中村協二君。
 〔中村協二君、登壇〕
○生活文化部長(中村協二君) 山下議員にお答えをいたします。
 病原性大腸菌O157の現状につきましては、本年五月末ごろから全国的にO157による集団食中毒が相次ぎ発生いたしております。
 本県におきましては、昨年十一月、食中毒事例ではありませんが、病原性大腸菌O157の検出事例がありました。また、発生した場合の対応については、保健所を中心として医師会、病院協会及び関係機関等と連携を密にし、原因物質の究明に努め、汚染源の排除、二次汚染の防止等、必要な対策を講じてまいりたいと考えております。
 次に、食中毒の発生防止については食品衛生の最重要課題として日ごろから積極的に取り組んでいるところでありますが、残念なことに、和歌山市内において最近、二件の食中毒の発生がありました。したがいまして、特にこの時期、食中毒の発生しやすい季節でもございますので、夏季食品一斉取り締まりを実施いたし、食品関係営業者等に対する監視指導の強化及びより一層の衛生管理の徹底を図るとともに、県民に対して清潔、加熱または冷却、迅速等、食中毒予防三原則の徹底を図ってまいりたいと存じます。
 また、特に病原性大腸菌O157による食中毒に対しては、食品の十分な加熱調理及び手指や調理器具の洗浄、消毒等を実施することで未然防止及び拡大防止に有効であることから、リーフレット、ラジオ等を通じて正しい知識の普及啓発に努めているところでございます。
 最後に、遊泳プールの衛生対策につきましては、厚生省通達に基づき、O157を含む大腸菌群に対し塩素滅菌を行うことで十分その安全確保を図るよう指導を行っているところでございます。
 以上でございます。
○議長(橋本 進君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(橋本 進君) 再質問がございませんので、以上で山下直也君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
○議長(橋本 進君) この際、暫時休憩いたします。
 午前十一時二十八分休憩
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