平成8年2月 和歌山県議会定例会会議録 第7号(高瀬勝助議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

平成八年三月十九日(火曜日)

○議長(橋本 進君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 19番高瀬勝助君。
 〔高瀬勝助君、登壇〕(拍手)
○高瀬勝助君 おはようございます。通告に従い、一般質問をさせていただきます。
 私は、健康ふれ愛和歌山計画、少子化対策、河川の水質浄化対策、スポーツ振興策、携帯電話使用による医療機器の誤作動問題の五点について質問をさせていただきます。
 まず、和歌山操車場跡地の利用計画である健康ふれ愛和歌山計画についてお尋ねをいたします。
 本計画の一環として建設されている多目的ホール棟につきましては、平成九年夏完成予定ということで、現在の向ノ芝県立体育館の二倍程度と伺っておりましたが、国体道路からも鉄骨が見えるようになり、いよいよその大きさが実感できるようになってまいりました。私もスポーツに多少の縁があります関係から、国際級のスポーツイベントも開催できる本ホールの完成を心待ちにしております。多目的ホールということで、スポーツイベントだけでなく、会議や展示会、コンサートなど、これまでになかった規模のイベントが開催できる施設であり、本県のスポーツ水準の向上や文化の振興、地場産業の振興、あるいは国際交流促進の拠点として活用されることを県民ともども期待しているところであります。
 さて、その多目的ホール棟の南側に健康ふれ愛和歌山計画のもう一つの柱として計画されている和歌山県総合健康・福祉棟の建設費が平成八年度予算に計上されております。この総合健康・福祉棟には、成人病検診などを行う保健部門、福祉関係の人材の育成と確保などを行う福祉部門、それに女性センターや国際交流センターなどが入居すると伺っております。
 各部門の業務についてはそれぞれの所管で検討されていることと思いますが、西口知事が掲げておられる五つの政策目標の一つである明るい社会づくりの中で、この総合健康・福祉棟がどう位置づけられているのか、知事のお考えをお尋ねしたいと思います。
 続きまして、JR貨物和歌山コンテナセンター用地などの購入についてお尋ねいたします。
 多目的ホールと総合健康・福祉棟の両施設が面している国体道路は市内でも有数の渋滞道路でありますが、施設が完成いたしますと、さらに混雑することが予想されます。地元といたしましても、和歌山県のシンボルとも言える施設がこの地区に建設されることを歓迎しておりますが、この混雑を少しでも緩和するために、両施設へ入る国体道路からの進入路に、より一層の工夫が必要ではないかと思っております。取得している用地の形状を考えると今の計画が最善ではないかとは思いますが、真ん中にある日本貨物鉄道のコンテナセンター用地に制限され、特に車で健康・福祉棟へ入る進入路が極めて不自由なものとなっているのは事実であります。
 こうしたことから、これまでもJR貨物和歌山コンテナセンター用地などの購入につきまして、従来交渉を重ねてこられてきたとお聞きしておりますが、現時点におけるその進みぐあいと購入後の利用計画について企画部長にお尋ねしたいと思います。
 二点目といたしまして、少子化対策についてお尋ねいたします。
 私は、平成六年の二月議会において少子化の現状とその対策について質問をいたしましたが、子供の数が少ないという現状は依然として続いております。国全体の出生数を見てみても、昭和四十八年の二百九万人をピークとして、平成五年の百十万八千人まで減少を続けてきております。平成六年には約五万人増加いたしましたが、少子化の傾向に歯どめがかかったとは言い切れないのではないかと思います。
 本県について見ても、昭和四十八年の出生数は約一万九千人を数えておりましたが、平成四年、五年と一万人台を割るところまで落ちております。平成六年には約四百名増加して一万人台に戻りましたが、これも少子化が好転したとは言えるものではありません。一人の女性が生涯に生む子供の数、いわゆる合計特殊出生率につきましても、平成六年の数字で見ますと、全国が一・五〇、それに対し和歌山県は一・五二ということで全国平均を若干上回っているものの、人口維持に必要とされる二・〇八を大きく下回ったものとなっております。
 次の時代を担う子供たち、彼らは私たちの未来であります。しかし近ごろ、この子供たちを町や村で見かけることが少なくなっていないでしょうか。少し前までは、大きな子供と小さな子供が一緒になって遊んでいる姿をよく見かけたものです。
 昨年三月、子育て環境づくり推進協議会から「子どもが健やかに生まれ育つ環境づくりへの提言」が出されましたが、その中で、子供の数が少ない現状では子供同士、中でも年齢の違う子供同士の触れ合いや切磋琢磨の機会が少なくなった、児童の社会関係や人間関係は一段と希薄になり、社会性や自主性、たくましい活力、さらには創造性や人の痛みを感じる思いやりの心などが十分養われないと指摘されているところであります。
 戦後五十年の大きな変化の中で、確かに生活水準は向上し、物質的には豊かになってきたのですが、一方で子供たちの状況にはさまざまなひずみがあらわれてきております。核家族化、自然環境の悪化、住環境整備の立ちおくれ、過熱する受験戦争などの教育問題等々があり、さらにその中で親による子供の虐待、いじめや登校拒否などの問題が噴き出してきているのが実情であります。
 今議会においても先輩・同僚議員からいじめ問題についての質問がございましたが、先ほども申し上げたとおり、私は、少子化によって地域における子供同士の人間関係が疎遠になり、そのため人の痛みを自分の痛みとして思いやる心がなかなか培われにくくなってきていることもまた、いじめ問題の重要な背景になっているのではないかと思っております。こういった状況の中で、親の子育てに対する負担感が増大し、子供を生み育てる喜びが少なくなってきているのではないでしょうか。社会的な影響を考えても、子供の数の減少は、将来高齢者を扶養する負担が増大することや経済社会の活力の低下など、社会全体として憂慮すべき事態がもたらされるのではないかと懸念されるのであります。
 また、県が行った子育てに関する意識調査によりますと、理想の子供の数は三人という回答が最も多く、全体の約五四%となっておりますが、現実の子供の数は二人という家庭が約四六%と一番多く、三人生んでいる家庭は二○%程度という結果が出ております。もちろん、子供を生む、生まないはそれぞれの考えで決めることでありますが、この調査を見ますと、なかなか希望どおりの子供を持てないという現実があると見受けられるのであります。行政としても、このギャップを埋めるために、結婚や子育てに意欲を持つ人々を支えていく事業に取り組んでいく必要があるのではないでしょうか。
 しかしまた一方で、子育て環境づくりにつきましては、単に行政だけでなく家庭や地域、各職場などに広くかかわる問題でもあると私は考えております。行政当局としましても、単に行政の中だけではなく広く、例えば児童福祉施設関係団体、経営・労働団体、またマスコミなどに対しても少子化の現状や問題点などについて訴えかけ、ともに考えていく姿勢も大切ではないかと思います。
 さて、国におきましては、この少子化の進行に歯どめをかけるため、厚生省、文部省、労働省、建設省の四省合意で平成六年十二月に今後の子育て支援のための施策の基本的方向について、いわゆるエンゼルプランを策定しております。これは、子育ては当の本人だけではなく社会全体で支援していく必要があるということで、子育てと仕事の両立支援、住宅環境の整備、ゆとりある教育の推進、子育てコストの削減などを施策の基本的方向として打ち出すとともに、近年の保育ニーズの多様化に対応し、保育対策の充実、放課後児童対策の充実、母子保健医療体制の整備などを掲げた緊急保育対策等五カ年事業も打ち出しているところであります。
 そこで、国におきまして、このように具体的な少子化対策が打ち出されてきている中で、現在県はこの少子化に対してどのような方策をとられているのか。また、保育所は働く女性が子供を育てていく上で最も大切な組織であります。知事の公約の中で紀州っ子すこやか保育プロジェクトの推進が挙げられておりますが、具体的な特別保育等の充実についてはどのようになっているのか。以上、民生部長にお尋ねをいたします。
 三点目といたしまして、河川の水質浄化についてお尋ねをいたします。
 近年、都市化が進んだことに伴い、流域内のオープンスペースが減少してきているために、水と緑を有する河川の空間が都市部における貴重な存在となってきております。このような状況の中で、親水性護岸などの設置や緑地の整備など施設面での河川整備につきましては、よりよい環境を生み出すために、徐々にではありますが、整備が進んできているところではないかと思います。しかしながら、幾ら施設整備を充実できたとしても河川を流れる水質が劣悪なものであれば、人々は川面に近づきません。そのため、施設の十分な活用は望めないものと考えられます。そこで、河川施設の整備とあわせて河川の水質浄化につきましても、河川を管理する上で重要な施策の一つであると思います。
 さて、県都和歌山市の中心部を流れる代表的な河川である内川につきましては、緑地や遊歩道などの整備は進展してきておりますが、しかし海の干潮・満潮の影響を受ける区間であり、河床も緩やかな勾配であるところから汚濁水がたまりやすく、いまだ快適な水辺環境になっているとは言えない現状であります。
 ところが、大きな水量を持っている河川内において流量全体を対象として浄化することは非効率であるとともに、大規模な施設を必要とし、将来的に莫大な維持管理費を負担することになるのではないかと考えております。また、家庭や事業所から出される排水が河川の水質に及ぼす悪影響について啓発活動することによって県民の理解を求め、各自の対応で水質の改善を図ることができるならば、これは非常に合理的なことであると思っております。しかし、多くの人々が合意し、そして実践しなければ河川の水質に好ましい影響を与えるまでには至らないし、また相当の期間を要するものと考えられます。
 そこで、河川に流入する直前の小河川などで汚濁の除去を行えば、比較的少ない水量であると見込まれるため、効率よく浄化することが可能な手段を容易に選択できるのではないかと予想されるのであります。他府県におきましては、試験的にではありますが、河川内に設置したれきや炭、樹脂製品などの間に汚水を流し、その中に存在する微生物によって汚濁物質を浄化する方法を実施している事例があり、相当の効果を上げているということも伺っております。このような方法は大変おもしろい試みであると思いますが、小河川などの管理者は予算的に弱体な市町村が多く、建設費を負担した上に将来的に維持管理費までも負担することは非常に困難な状況にあります。
 そこで、県におきましては、小河川などに浄化設備を設置するなど、水質浄化対策に取り組む意欲のある市町村に対し補助する街の清流復活事業が平成七年度の新規事業として実施されておりますが、今後の事業展開についてどのように考えておられるのか、土木部長にお尋ねしたいと思います。
 四点目といたしまして、スポーツの振興についてお尋ねいたします。
 私は、これまでの質問の中でも申し上げましたが、スポーツ大好き人間であり、以前から少しでもスポーツ界のお役に立てればとの願いからスポーツにかかわってまいりました。そうした経験の中で多くの友人を得ることができましたし、またさまざまなことを学びました。私は、人間が成長していくためには、文化的活動であれ、スポーツ活動であれ、同じ興味や関心を持つ人々が地域における集団活動の経験を通し、お互いに人間的な触れ合いを深め合う中で、協力心や公正な態度などの望ましい人間性が身についていくものと思っております。こういったことから、これからのスポーツ活動は子供と大人、学校と地域が連携を深めていくことが一層求められ、その結果として、多くの人々が心豊かで潤いのある人生を送ることができるものと考えております。
 従来、スポーツは実践することに意義があると言われてまいりましたが、最近のスポーツ事情を見ますと、まさに多様化しております。頂点を目指してハードなトレーニングを行う人、それぞれの能力に応じて楽しむ人、またスポーツを観戦することにより楽しさや喜びを感じる人など、人とスポーツとのかかわり方は大きな変化を見せております。特に、スポーツ関連のテレビ視聴率の上昇やスポーツ雑誌の増大、またスポーツグッズの人気など、メディアスポーツは人々の生活の中に浸透していると言っても過言ではありません。
 これからは、スポーツを行う人、スポーツを観戦することによって喜びや生きがいを求める人々との両方の観点に立ってスポーツの振興を図っていくことが必要であると考えておりますが、この点について知事のお考えをお尋ねしたいと思います。
 さて、昨日、同僚の長坂議員からも県立武道館建設問題についての質問がございましたが、私はここで屋外スポーツイベントの誘致について質問をいたしたいと思います。
 サッカーやラグビーなどは、屋外スポーツとして国民の高い興味や関心を集めているところであります。マラソンや駅伝大会ももちろんそうでありますが、これについてはまた別の機会に譲るとして、私は、ここでサッカーやラグビーに関してお伺いしたいと思います。
 サッカーにつきましては、アトランタオリンピックのアジア予選やJリーグの開幕など、テレビや新聞紙上などでもおわかりのように大きな盛り上がりを見せております。このことは、アマチュアスポーツからプロスポーツへの転換や、これからのスポーツの新しい方向として発足した、地域に根差したクラブづくりの効果であると思われます。また、冬のスポーツの華であり、勇猛果敢なプレーの中にもノーサイドにおける相手をたたえ合う姿など国民に感動を呼び起こすラグビーは、高校、大学、社会人と、高い人気を誇っております。また、近年は女性のプレーヤーも年々増加していると伺っております。このような種目において日本を代表する選手のプレーを直接観戦できることは、スポーツを志す人や応援する人──今ではサポーターと呼ばれているそうですが、彼らにとって大きな喜びであると思います。
 以前、紀三井寺陸上競技場でサッカーJリーグのプレイベントが開催されました。当時のことをサッカー関係者に伺いますと、メーンスタンド、バックスタンドとも満員で、黒潮国体以来のにぎわいであり、また入場券を手に入れることも大変なくらい、多くのサッカーファンが目を輝かせながら観戦したとのことであります。このようなイベントを本県で開催することは、スポーツ愛好者の喜びだけでなく、県外からも来られる方々に本県の持っているすばらしい自然や歴史に触れていただく機会にもなります。
 このような観点から、本県に胸を躍らすようなイベントの誘致について計画的に実現していただきたいと考えておりますが、この点について教育長にお尋ねしたいと思います。
 最後に、携帯電話使用による医療機器の誤作動の問題についてお尋ねをいたします。
 ビジネスマンの必需品として登場した携帯電話は、料金の値下げなどにより一昨年あたりから一気に倍増し始め、今や街角のファッションとなっております。また、電車の中でも常識の限度を超えた目に余る使用の光景も見られるようになり、携帯電話はんらんの時代になってまいりました。
 ところで、先月十九日の毎日新聞朝刊の一面トップにおきまして、「携帯電話の電磁波で誤作動 点滴ポンプが緊急停止」との見出しによる記事が大きく掲載されましたが、このことは医療関係者を初め多くの人たちを驚かせました。その記事によりますと、岡山県内の総合病院で、携帯電話が発生源と見られる電磁波障害によって、患者の治療に使っていた、電子制御を利用して投薬などを行う輸液ポンプであるシリンジポンプが緊急停止する事態が生じ、警告ブザーが鳴り出した、しかし駆けつけた看護婦さんの処置で再び始動し、患者の病状には影響がなかったということであります。この現象は、携帯電話から発生する電磁波がポンプのIC回路に反応、これを異常信号として感知し、安全装置が作動してポンプが停止するのではないかと見られているとのことであります。このほか、ポンプから五十センチないし三十センチの距離に近づけて携帯電話を使用するとこのような誤作動の生じることが大手医療機器メーカーの実験においても確認されているところであります。また記事では、心臓のペースメーカーへの誤作動も含め、重大事故につながりかねないおそれもあると注意を呼びかけております。
 携帯電話は電子レンジにも利用されている波長の短いマイクロ波を発信しており、それまでは、医療機器だけではなくジェット機を初めとする交通機関などに対する影響が確認されていることから、今後ますますふえ続けるこの携帯電話障害についての対策が必要不可欠であると考えております。特に、人の生命にかかわる医療機器対策の確立が急務ではないでしょうか。
 県内における対策といたしましては、県立医科大学では一昨年十月に病室や廊下で携帯電話を使用しない旨通知しているほか、田辺市の国立南和歌山病院では病室や診療室などでの使用禁止措置をとっているとのことであります。また、橋本市民病院ではペースメーカーを装着している患者の病室での電磁波の強い電子レンジの持ち込み禁止、和歌山労災病院では入院案内に持ち込み禁止をうたっているといったぐあいに、各病院における携帯電話の使用、持ち込み基準もまちまちとなっているのが現状であります。
 県におきましては、人命にかかわる問題であるということを踏まえ、県内の病院を初めとする医療機関に対する指導をどのように行っておられるのか。また、県内において岡山県で起こったような事例はあったのかどうか。以上、保健環境部長にお尋ねしたいと思います。
 以上で、私の一般質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。
○議長(橋本 進君) ただいまの高瀬勝助君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
 〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 高瀬議員にお答えをいたします。
 総合健康・福祉棟の位置づけでございます。
 健康ふれ愛和歌山計画におきまして、人生八十年時代に対応した健やかな地域社会づくりの実現を目指すために、保健と福祉の充実、健康増進、地域社会の担い手の活性化の四点を重要施策として取り上げ、その拠点施設として仮称「多目的ホール」、総合健康・福祉棟の建設を推進しておるところでございます。
 議員からご質問のございました総合健康・福祉棟は、成人病検診等の一元化を図る総合検診センター、さらに福祉関係の人材育成の総合化を図る社会福祉研修センター、さらに女性の自立と活動を支援し交流の促進を図る女性センター、また保健や福祉の地域活動の全県的なセンターが集まり、相互に連携しながら総合的な施策を推進してまいるものでございます。これらのセンターは、いずれも私の進める明るい社会づくりに欠かせないものでございまして、重要な拠点となる施設であると認識をしております。
 次に、スポーツの振興についてでございます。
 スポーツを取り巻く状況を見てみますと、お話にございましたように、頂点を目指す人、心身の健康や楽しみのためにスポーツを実践する人、あるいは観戦や応援のために海外まで出かける人など、スポーツとのかかわりはまさに個性的であり、また多様化しておると思うわけでございます。スポーツは、県民の多くの方々が心豊かで明るい生活を送る上で大変重要な役割を果たしておるものでございまして、世界共通の文化であると考えておるところでございます。
 今後、県民の方々のさまざまなスポーツの楽しみ方に応じられるように各種施策を進めまして、スポーツを通じて活力ある和歌山を創造してまいりたいと考えているところであります。
 以上であります。
○議長(橋本 進君) 企画部長藤谷茂樹君。
 〔藤谷茂樹君、登壇〕
○企画部長(藤谷茂樹君) 高瀬議員にお答え申し上げます。
 JR貨物和歌山コンテナセンターの用地についてでございますが、用地の取得については、用地を所有している日本貨物鉄道株式会社及び日本通運株式会社に基本的な同意を得ているところでございます。現在、具体的な移転条件等についての協議に入っているところであり、この協議が整い次第、契約することとしてございます。
 用地の利用計画につきましては、進入車両を速やかに敷地内に収容する進入路計画、利用者の安全と利便性に配慮した敷地内通路の設定等により、通称・国体道路の交通渋滞の緩和を図るとともに、広く県民が交流の場として利用できる広場の整備を計画してございます。
 以上でございます。
○議長(橋本 進君) 民生部長木村栄行君。
 〔木村栄行君、登壇〕
○民生部長(木村栄行君) 高瀬議員にお答えいたします。
 県の少子化対策についてでございます。
 近年の少子化の進行に伴う社会経済への影響、また家庭や地域での養育機能の低下などにより、子供を取り巻く環境にさまざまな問題があらわれております。このため、本県におきましては、少子化対策として平成五年度から子育て環境づくり対策事業に取り組み、子育て環境づくり推進協議会の設置、子育てに関する県民意識調査並びに少子化問題についての啓発等を実施してまいりました。平成六年度には子育て環境づくり推進協議会より「子どもが健やかに生まれ育つ環境づくりへの提言」をいただき、この提言の具体化を図るために平成七年度から、保護者の方が出産や病気などのときに子供の養育を児童福祉施設等で行うショートステイ事業の実施や県単独事業で長時間保育への大幅な助成を行ってきたところでございます。
 平成八年度におきましては、福祉、保健、医療、労働、住宅、教育等、各分野が連携を図り、子育てを社会全体で支援していける環境づくりを目的として、知事の公約である喜の国エンゼルプランを作成することとしております。あわせて、子育てに関する情報を盛り込んだ子育てハンドブックの作成や、父子家庭等が仕事などの理由により家庭での養育が困難になった場合に児童を養護施設等で一時的に養育するトワイライトステイ事業の実施を計画するなど、子育ての環境づくりに向けた具体的な施策の推進に努めてまいりたいと考えております。
 次に、特別保育等の充実についてでございます。
 近年、働く女性の増加、就労形態の多様化等、社会経済の変化に伴い保育需要が従来にも増して多様化してきているため、利用しやすい保育所を目指し、乳児保育、障害児保育、長時間保育、さらに産休・育休明け入所予約モデル事業等を行うなど、特別保育事業に積極的に取り組んでいるところでございます。
 今後とも、関係市町村に対して地域の実情に応じた指導を行い、仕事と育児の両立支援のため、特別保育事業のより一層の充実を図ってまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(橋本 進君) 土木部長山根一男君。
 〔山根一男君、登壇〕
○土木部長(山根一男君) 高瀬議員にお答えいたします。
 街の清流復活事業についてでございますが、水と緑を持っている河川のオープンスペースを生かすためには、河川の水質浄化対策が重要であると考えております。
 内川につきましては、水質浄化のための導水及びヘドロしゅんせつ、また緑地や遊歩道の整備など、環境改善の取り組みを進めております。議員ご指摘のように、小河川などでの汚濁対策は水質浄化に非常に有効なものであると考えております。
 平成七年度より設けている街の清流復活事業は、ハード対策、ソフト対策を合わせ、県や市町村が住民と一体となって取り組んでいくことがぜひ必要であります。今後、市町村に街の清流復活事業を活用していただき、住民の方々にも河川の水質浄化に対して十分なご理解を得ながら、さらに新しい汚濁除去工法を取り入れるなど、積極的に取り組んでまいります。
 以上でございます。
○議長(橋本 進君)保健環境部長鈴木英明君。
 〔鈴木英明君、登壇〕
○保健環境部長(鈴木英明君) 携帯電話使用による医療機器誤作動問題についてお答えいたします。
 この問題につきましては、現在、国においてガイドラインの策定に関する検討が進められているところでございます。現在、各医療機関におきましては、新聞報道等を受けて携帯電話の使用抑制等の自主的な取り組みがなされているところでありますが、県といたしましては、当面、医療機関に対し、電磁波の影響を受ける可能性のある部門への携帯電話の持ち込みや、そのような場所での使用を抑制するなどの指導を実施してまいりたいと考えております。
 議員お話しの県立医科大学附属病院におきましては、この三月から病院内のすべての場所において携帯電話の使用を禁止にし、患者さんや関係者等にご協力をお願いしているところでございます。
 また、シリンジポンプ等の医療機器の誤作動につきましては、既に厚生省から医療機器メーカーに対して警告文を関係医療機関に配付するよう指導が行われたところであります。
 なお、県内の医療機関からの携帯電話による医療機器誤作動に関する事例の報告は、現在のところ受けておりません。
 以上でございます。
○議長(橋本 進君)教育長西川時千代君。
 〔西川時千代君、登壇〕
○教育長(西川時千代君) 屋外スポーツイベントの誘致についてお答えいたします。
 一流のプレーヤーによる高い専門的な技量と迫力のあるゲームを目の当たりにし、多くの観客と一体となって観戦する機会を持つことはすばらしい体験であると考えます。こうした体験は映像では味わえない喜びであり、これからのスポーツの振興につながるものと考えてございます。
 スポーツイベントが広く話題になり、県内外から多くの観客を迎えることは、地域の活性化にもプラスになるものであります。平成六年度に紀三井寺陸上競技場で開催されたJリーグの試合では、県外の方々も含め二万三千人もの観客が集まり、成功裏に終了できました。また、平成七年度に県立体育館で開催され、世界体操選手権大会の予選会となった第三十四回NHK杯での本県選手の活躍は、青少年はもとより、県民に大きな勇気と感動、夢を与えてくれました。
 教育委員会といたしましては、ビッグイベントの持つ意義を踏まえ、関係団体等と十分協議しながら、サッカー、ラグビーの大会誘致を初め、各種のスポーツイベントの誘致開催に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(橋本 進君)答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 19番高瀬勝助君。
○高瀬勝助君 ご答弁ありがとうございました。
 それでは、三点ほどちょっと要望させていただきます。
 最初の健康ふれ愛和歌山計画、総合健康・福祉棟に関連して。国鉄跡地の中央を駐車場にということの計画であるわけですけれども、国体道路はご承知のとおり、それでなくても和歌山駅から紀三井寺へ抜ける道路は大変ふくそういたしておりますし、また四十六年の黒潮国体のときに急いで──というんですか、つくられた四車線ですので、今でも常に下水道や電話線などいろんな工事が頻繁に行われております。ここはメーンの場所でもございますので、国鉄が入られている中央の貨物の処理方、一日も早い移転をお願いするところでございます。
 また、イベントの話も後にありましたけれども、新しくそうしたものができる中で、国際的なものということで体育館に来てもらうために──和歌山駅と宮前駅の距離はちょうど二キロと伺っております。和歌山駅から歩いて一・二キロですか、宮前駅から八百メートル。あそこは貨物駅の跡でございますので、引き込み線を入れて、そこにイベントのときの臨時列車をとめるようなことができないか。
 また、いろいろ伺えば、大阪城ホールを見ても、大阪城駅から歩いて一キロちょっとあるということです。イベントのときには人が大変多いものですから、JRの方は、人が歩くのにはそのくらいの距離がある方が混雑しなくていいという答えを出していると伺っております。できればそういうことで、あれがこれからの国際交流の中での中心拠点になるのではなかろうかと思いますので、それがために、国体道路だけじゃなしに鉄道も合わせた両面から十分配慮されながら早く撤去していただくことを望む次第です。
 二点目は、少子化については四省合意でいろいろとされておりますけれども、いじめの問題等を含めて指摘させていただいたとおり、今の子供は遊び方がわからない中で、自分がいじめに参加しなくてはいじめられるということで、一人に集中して他の者も一緒になってやっているというような部分があります。昔のように、大きな子供と小さな子供とが一緒に遊んで石けりや缶けりをやったというような感覚が今の時代にはないだけに、日本にとっても厳しいいじめに対する対応が求められますが、県としても、少子化を含めて十分考え、対応していただきたいと思っております。
 最後の携帯電話ですけれども、これについては四日ほど前にNHKのニュースで、電磁波を防御するということで、カニの甲羅のキチン、キトサンというんですか、そういうエキスを携帯電話のカバーの内側に塗れば電磁波が吸収されて発信しないというような、そんな対応が放映されていました。また、けさの読売新聞の社会面を見ますと、徳島県議会が呼び出し音追放ということで──先ほども鳴っておりましたけれども、携帯電話やポケットベルが鳴ると議会での審議に影響するということで、追放するということです。携帯電話、ポケットベルに関しては、いろいろな意味で我々の生活を緊密にし、うまくコミュニケーションが即とれるわけですけれども、逆にこれによって人間そのものを小さくしていろいろな弊害が出ているのではなかろうか、そんな気がしてなりません。
 そういう意味で、一方でこうした携帯電話が普及すればするほど、何事においてもそうですけれども、必ずやそれに対する障害的なものが出てくることは事実でございますので、どうかその辺も行政の上で十分対処されながら、特に質問させていただいた医療に関しては、人命にかかわる部分でもございますので、国に対しても強く要望していただきたいと思います。
 以上、要望として質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(橋本 進君)ただいまの発言は要望でありますので、以上で高瀬勝助君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
○議長(橋本 進君)この際、暫時休憩いたします。
 午前十一時四十三分休憩
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