平成8年2月 和歌山県議会定例会会議録 第6号(新田和弘議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

平成八年三月十八日(月曜日)

○副議長(木下秀男君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 37番新田和弘君。
 〔新田和弘君、登壇〕(拍手)
○新田和弘君 議長のお許しをいただきましたので、一般質問を行います。
 まず初めに、税制改正と高コスト構造是正についてお尋ねをいたします。
 作家の堺屋太一氏は、今日の日本をとらえて、「大変な時代になった。日本は、これまで右肩上がりの時代にあったから景気の上昇時は長く、下降期は短く、それになれた日本人はこうした状況を当然と信じてきた。しかし、これからの経済はゼロ成長の年が特に不況で悪いわけではない。今後は、いわゆるうつむきかげんの時代を迎えた」と指摘しています。この指摘は、企業の売り上げも、各施設の規模も、個人の所得も、押しなべて拡大の時代から大きくならない時代に、つまり拡大志向からローコスト志向に変わらなければならないことを意味しております。
 経済企画庁は、昨年十一月に二十一世紀に向けた経済計画「構造改革のための経済社会計画 活力ある経済・安心できるくらし」を策定しました。この策定に当たった経済審議会会長の平岩外四氏は、「羅針盤が指し示した方向は構造改革でした。新たな時代の潮流に沿う形に我が国経済社会の抜本的な構造改革を実行し、経済の活性化、安心できる暮らしの実現を図ることを目指しています」と述べております。こうした時代背景を受けて、今後の税負担のあり方がいかにあるべきか問われるところであります。
 平成六年に行われた税制改革では、活力ある福祉社会の実現を目指す視点に立ち、個人の所得課税を見直し、六年度は五・五兆円の特別減税を実現する、個人住民税は一年限りの特別減税措置として、二十万円を限度として所得額の二○%の減税を実施する、七年度は三・五兆円の制度減税に加えて特別減税二兆円を実施する、個人住民税は二万円を限度として、個人住民税額の一五%の減税を実施する、八年度においても特別減税をあわせ行うことにより、六年度と同程度の減税を実施するとなっています。これに対して、消費課税は消費税の税率が四%に引き上げられることになり、さらに地方分権の推進、地域福祉の充実のため、現行の消費譲与税にかわって地方消費税(都道府県税)一%を創設し、消費税率は合わせて五%に引き上げる、この改正は平成九年四月一日からで、なお必要があると認めるときは平成八年九月三十日までに所要の措置を講ずるとしています。
 一方、資産課税の代表とも言える固定資産税は、平成六年に評価がえが行われ、土地評価の均衡化、適正化の推進として地価公示価格の七割程度を目標にしたため、地価の下落傾向にもかかわらず評価額が引き上げられる結果となりました。このため、地価下落に対する方策として、評価額の上昇率に応じた特別措置や負担調整率の適用によって税負担の緩和が図られてきたところであります。平成九年は固定資産税の評価がえの年に当たり、今日なお地価公示価格の下落が続いており、評価額は当然、六年度に比べて下がるものと予測されています。しかし、税負担となると、特別措置や負担調整率の適用によっては必ずしも下がるとは予測できないものであります。
 そこで、西口知事にお尋ねをいたします。うつむきかげんの時代と言われるとき、時代背景を受けて、平成九年度は税制改正で所得税の特別減税をどうするか、消費税率は適当か、固定資産税の評価と税負担はどうあるべきか、注目されるところであります。西口知事は、厳しい財政事情の中、地方の自主財源確保の上から九年度の税制改正に対して、所得、消費、資産への課税はどうあるべきとお考えになっているか、お尋ねをいたします。
 次に、関係部長にお尋ねいたします。
 一、消費譲与税にかわる地方消費税一%の本県の税収見込みと県下市町村への配分はどうか。
 二、平成九年度の評価がえと路線価格等の公開はどう指導するのか。
 三、建設省が平成六年十二月に公共工事の建設費の縮減に関する行動計画を策定しているが、本県では今後どう推進していくのか。
 以上三点、お尋ねをいたします。
 次に、紀の川大堰事業に関連してお尋ねをいたします。
 紀の川大堰の建設は、昭和五十三年三月に治水目的で国が計画した事業でありますが、関西国際空港への利水が絡み、昭和六十一年十二月に国の予算で事業化が決定いたしました。昭和六十二年十二月に、和歌山、大阪両知事が紀の川利水に関する協定書に調印し、紀の川分水が決定いたしました。
 こうした経過で、紀の川大堰は治水、利水両目的の事業として、平成五年三月に本体第一期工事の入札が行われました。この第一期工事は平成七年末に堰柱コンクリート二基が概成し、第二期工事として堰柱コンクリート三基が平成七年十二月に発注されたところであります。紀の川大堰の関連事業である新六箇井堰撤去、河道掘削、JR阪和線紀の川橋梁のかけかえ、北田井ノ瀬橋のかけかえ、取水施設の改築など、平成十一年の完成が期待されるところであります。
 また紀の川リバーサイドグリーンベルト構想は、平成三年十月に国、県、和歌山市が一体となって策定した構想であり、紀の川大堰の建設により河口から岩出橋までの約十六キロの区間、約三百ヘクタールを、生態系に優しい自然に満ちた河川を創造し、市民の憩いの場として公園等を整備するとしております。整備の基本方針は、一、河川区域内にある不法占用を撤去する、二、河川区域内にある民地を順次買収する、三、生態系に優しい河川の創造を行う、四、高水敷を親水性を持った魅力ある公園として整備するの四点を柱に、平成十一年の完成を目指しております。この計画主体である県と和歌山市は紀の川緑地基本構想策定委員会を設置し、平成四年から二カ年で都市緑化技術開発機構に調査委託し、紀の川緑地基本計画調査なる報告書を平成七年三月に受けたところであります。
 そこで、西口知事にお尋ねをいたします。知事の公約に、紀の川大堰の建設を推進し、紀の川リバーサイドグリーンベルトの整備を掲げています。紀の川リバーサイドグリーンベルトの事業計画の策定と事業化をどう推進されるのか、お尋ねをいたします。
 次に、土木部長にお尋ねいたします。
 一、紀の川大堰の進捗状況と完成予定はどうか。
 二、紀の川大堰の関連工事等はどう進められるのか。
 三、左岸側の取りつけ道路及び都市計画道路六十谷手平線など周辺道路整備をどう推進されるのか。
 四、河川敷内にある不法占用の是正と民地の買収状況はどうか。
 以上四点、お尋ねをいたします。
 次に、紀の川分水についてお尋ねをいたします。
 昭和六十三年十二月に、和歌山県は大阪府との間で紀の川利水に関する協定書及び紀の川利水に関する覚書を協定、確認してきています。それによりますと、和歌山県は紀の川大堰、紀伊丹生川ダムの整備等により、平成十二年を目途に毎秒約四トンを上限として水資源の確保に努めているところであります。ただし、当分の大阪への分水は毎秒三トンとするとなっております。このため、大阪府は地域整備協力費総額百七十億円を支払う、分水の前提となる紀の川大堰建設費七百億円のうち、大阪府は二百九十一億円を負担するとなっております。去る三月十三日の県議会一般質問で日根農林水産部長は、紀の川の農業用水について、「県としては、施設の改修と農業用水の安定確保に加え、紀の川用水等の余剰水が有効に利用されることにより受益者の負担金が軽減されるよう流域市町や関係土地改良区との調整を図るとともに、国との協議を進め、事業の早期実施に向けて積極的に取り組んでまいる所存でございます」と答弁されています。この答弁から判断すると、平成八年から二カ年で国営の二事業の全体実施設計において、紀の川の農業用水に余剰水が生じるため、農業用水の見直しを国と協議して利水に転用することで利水権者より事業費の一部を負担していただき、受益者の負担金の軽減に積極的に取り組むと、余剰水を利水に転用する方針と受けとめられるわけであります。
 そこで、西口知事にお尋ねをいたします。県内の利水に関係する大滝ダムが平成十一年に完成し、紀の川大堰も平成十一年に完成することになれば、紀の川大堰の新規水源として毎秒○・二九トンが発生することになり、加えて農業用水の見直しによる利水のための余剰水が生ずれば、平成十二年から大阪への当面三トンの分水量が生じるとの見解にならないかと心配するところであります。紀の川分水に対する知事の見解をお尋ねいたします。
 次に、関係部長にお尋ねいたします。
 一、紀の川の農業用水の余剰水を見直し、利水に変更する作業をどう進められているのか。
 二、紀の川分水に伴う取水口及び導水管の用地について、本県ではどう検討されているのか。
 以上二点、お尋ねをいたします。
 次に、高野口町における赤痢の集団発生についてお尋ねをいたします。
 去る二月二十七日、高野口の町会議員さんから電話があり、赤痢が集団発生し、感染者が二十二人になりました、町では防疫対策本部が設置され、感染者十名を出した小学校では二十七日から全校が閉鎖され、大変なことになっております、原因がはっきりしないのですが、保育園児や小学校の低学年の子供に感染者が多いので全く困っています、とのことでした。早速、健康対策課と保健体育課に感染防止の対策をお願いし、その後の対応の報告をいただいてまいりました。
 今回の赤痢の集団発生は、最初、一月三十一日に三歳の保育園児が赤痢に感染し隔離され、二月の初旬に一応終息したかに見えました。しかし、二月二十二日になって新たに保育園児二名と小学生一名が赤痢に感染していることが判明し、まことに残念なことですが、保育所、小学校が二次感染への場となり、三月十五日現在では、高野口町内の保育所、幼稚園、小学校とその家族を含めて計四十三人の赤痢感染者が出ております。
 町防疫対策本部では、感染防止のため、諸施設の徹底した消毒の実施と検便による潜在保菌者の発見に全力を挙げて努めております。さらに、住民不安の解消と感染拡大の防止のために、三月五日、高野口産業文化会館で「赤痢などによる子供の下痢症について」と題した緊急講演会が、県立医大小児科の小池通夫教授、微生物学の宮本博行教授を迎えて開催されました。席上、小学校の方から、「私たちの学校から職員の患者が出ました。職員全員の座布団やカーテンを袋に詰めて処分しましたが、今後どうしていっていいかわからない」と、現場の対応に悩まれている学校の訴えがありました。
 今回の赤痢の集団発生に対して、三点の指摘がなされております。一つは、なぜ冬場にもかかわらず発生したのか、その原因。また、二月初めの段階で防止できなかったのか。二点目は、衛生上安全であるはずの小学校や保育所がなぜ感染の場になって集団発生となったのか、幼稚園や中学校など大丈夫なのか、感染した子供たちは、学校が再開されるといじめの対象にならないだろうか。三点目は、二カ月にわたる赤痢禍問題で、高野口町のパートの人がしばらくやめてくれないかと言われたり、各種宴会の予約の取り消し、生鮮食料品等を販売する店を初め各商店ではお客が激減して売り上げががた落ちになり、これから春から夏場に向かうため、県による一日も早い安全宣言、終息宣言をしてもらわないとたまらない等の不安の訴えがあります。
 県健康対策課では、症状が表にあらわれない健康な保菌者と園児らが何らかの形で接触して感染した可能性がある、さらに小学校や保育所で子供同士の接触により集団的に広まったと判断しております。学校等での集団感染の例は、平成五年に尼崎市で、平成六年に東大阪市であり、ほぼ毎年発生例が報告されているとのことであります。
 そこで、保健環境部長並びに教育長にお尋ねをいたします。
 一、今回の赤痢集団発生の原因と防疫対策はどう実施してきたのか。
 二、赤痢禍に対する学校等における対策と、今後、感染児童へのいじめ等に対する対策はどうか。
 三、町民は一日も早い県による安全宣言を強く期待しているが、今後の対応はどうか。
 以上三点、お尋ねをいたします。
 次に、総合学科及び学校間連携の取り組みの拡大についてお尋ねをいたします。
 去る三月一日に、県立和歌山高等学校の卒業式に参加いたしました。案内された校長室に入ると、正面に和歌山の風景を描いた花瓶やつぼが並んでいました。最初は校長先生のご趣味かなと思っていましたが、伺ってみるとすべて生徒作品とのこと、生徒一人一人を大切にする教育に取り組まれている姿勢を実感しました。式は明るい雰囲気で進みましたが、普通科第十六回、情報科学科第七回、両科にとっては最後の卒業生であり、感慨深いものを感じました。
 振り返ると、和歌山高校は、指導困難な状況から学校の活性化を図ろうと、平成二年から三年間、ビジョン委員会を設置し、検討を重ね、平成四年の終わりに文部省の総合学科の考え方が県教育委員会より示されました。平成五年四月に北澤校長先生を迎え、総合学科設置へ本格的な取り組みを開始、しかし真っ先に在校生の保護者より反対の声があり、何回も何回も開かれた説明会、会議に次ぐ会議、大変な一年間の後、平成六年四月、全国初の総合学科設置校としてスタート、二年目を迎える平成七年の入試では競争率一・七六倍と、県下のトップとなる盛況となりました。待望の新しい総合学科実習棟が完成し、授業にも一段と活気がみなぎり、着実な成果を上げております。本年四月から、全学年がそろった総合学科として新たな出発を迎える今、高校改革を目指して努力を積み重ねてこられた先生方初め関係者の皆様に改めて敬意を表したいと思います。
 卒業式の後、校長先生からぜひごらんになってくださいと、鉄筋四階建て延べ二千平方メートルある実習棟を案内していただきました。一番印象に残ったのは、和歌山高校がインターネットを授業に取り入れる通産省の百校プロジェクトの対象校であり、和歌山大学と回線をつなぎ世界に情報を発信・受信できる通信実習室を備えていることでした。七年度の総合学科の成果として、インターハイや国体に出場する選手が登場、また英語検定や情報処理検定などライセンス取得に挑戦する目的を持って頑張る生徒が増加してきているとのことでした。特に昨年夏に、語学研修と国際理解を深める目的で、オーストラリアのパースにある高等学校へ十八人の生徒が初めて三週間の短期留学をしました。参加した生徒の梅本知佳さんは、次のような感想を述べております。
 私と出会った、たくさんの人が私を幸せにしてくれました。私は絶対にこの体験を忘れません。お別れの日、さびしくて涙を流しながら強く抱きしめあった、あの温もりも忘れない。英語だけでなく、たくさんの事を学び、心温かい人々に出会えて、たくさんの物を得ました。「知佳を帰したくない」といったMomの言葉は、本当にうれしかった。私は必ずオーストラリアの私の家に帰ります。私に関わった、すべての人に感謝の気持ちを込めて、ありがとうを言いたい。みんなの親切は一生忘れません。私の人生観は変わり人間的に成長したと思います。星がきらきらと輝いているように、私も輝いていた三週間。あなたに会えてよかった。
 と結んでおります。
 さらに、昨年十一月十六日から四日間、和歌山で開催され、十四万人が参加した第五回全国産業教育フェアにおいて、パソコン部と英語部がインターネットを通じてアメリカのゴア副大統領から電子メールのメッセージをいただくことに挑戦しました。最初、アメリカ大使館にお願いしたそうですが、APECの開催時期と重なり不可能に近い状況のようでした。生徒と先生方の熱意で、幸いにも大使館の親切な職員さんの努力もあって、開催日の前日に待望のゴア副大統領からのメッセージが届き、生徒たちの夢が実現して大喜びとなり、読売新聞にも報道されました。ここで、そのメッセージを紹介させていただきます。
 President Clinton and I want to congratulate the students of Wakayama High School for developing and demonstrating new, exciting ways to use the lnternet.
As you Know, the lnternet is a prototype of the Global lnformation lnfrastructure which one day will provide high-speed data, voice, and interactive video to billions of people around the world. The lnternet and the Global lnformation lnfrastructure will enable the United States and Japan to build even closer and stronger relations now and in the years to come. By enhancing global communications, the Global lnformation lnfrastructure will promote cooperation between people around the globe in research, education, and dozens of other fields. l wish you and all the other students participating in the lndustrial Education Fair great success.
 翻訳いたしますと、「クリントン大統領と私は、全国産業教育フェアの開催に当たり、和歌山高等学校の生徒がインターネットを使った新しい画期的な取り組みをされたことを心からお祝い申し上げます。 ご存じのように、インターネットは地球規模の情報ネットワークの代表です。いつか、それはハイテクのデータやボイス、ビデオを世界じゅうの大勢の人々に提供できるに違いありません。そして、インターネットと地球規模の情報ネットワークは、現在や未来、アメリカと日本の関係をさらに緊密に築き上げることができるでしょう。また、国際交流が盛んになるにつれ、研究や教育、他のさまざまな分野で地球上の人々との協力が促進できます。インターネットを通して、全国産業教育フェアの開催の成功を心からお祈り申し上げます」。
 私は、こうした成果を伺いまして、先生と生徒が総合学科の新しい伝統をつくるため、ともに汗を流して頑張ってきたことを感じた次第であります。
 平成七年六月の文部省時報で文部省の木曽職業教育課長は、将来どれくらい総合学科をつくるかの質問に答えて、「これは、まさに都道府県がどれくらいつくる意思があるかということにかかっている問題だろうと思います。ただ、今の普通科や職業学科が抱えている問題を見た場合、現在、全国に五千ぐらいの高校があるわけですけれども、千や二千、総合学科ができてもおかしくないと思っています」と述べております。
 そこで、教育長にお尋ねをいたします。
 一、平成八年度で、総合学科の全学年がそろいます。この二年間の実績を総括し、今後、県下各地に総合学科を増設するのにどう取り組まれるのか。
 二、総合学科を中核に、周辺の高等学校との学校間連携を図られてはどうか。
 三、インターネットの授業への導入の拡大を図り、各学校間の情報ネットワークづくりを推進されてはどうか。
 以上三点、お尋ねをいたします。
 次に、国際理解教育、外国語教育の推進についてお尋ねをいたします。
 歌手の藤山一郎さんの自伝に、イギリス軍の捕虜として収容されていたとき、アコーディオンでイギリスの民謡「庭の千草」や「旅愁」を歌い、毎晩大受けであったそうですが、ある日、思わぬクレームがついたそうです。ミスター藤山、あしたからはスコットランドの歌だけでなくアイルランドの歌も歌ってくれとのこと。日本では、イギリス民謡といえば、主としてスコットランドの歌ばかりが導入されていたのです。翌日からはアイルランドの「ダニーボーイ」を歌って、大拍手を受けました。日本人には理解できないことだが、イギリスのデリケートな国民感情に改めて気がついたとありました。
 「国際理解」という用語が急速に広まったのは、ユネスコによって国際教育の理念が打ち出されてからであると言われております。昭和五十七年に日本ユネスコ国内委員会が国際理解教育の手引きを示し、国際理解教育の基本目標は人権の尊重、他国文化の理解、世界連帯意識の育成であると明言しました。
 昭和六十一年に臨時教育審議会から出された教育改革に関する第二次答申で、まず日本人が日本自体のことを知り、その上で世界にはいかなる異なった生活、習慣、価値観が存在しているかを具体的に学ぶ必要があり、互いの相違を認識しつつ、同時に協力、協調の精神を養っていくことが大切であると強く訴えました。
 二十一世紀は情報化、国際化の時代であるとの臨教審の考え方が学習指導要領の柱に据えられ、その基本方針の一つに国際理解教育の推進と我が国の伝統と文化の尊重を挙げ、教科書等の内容の改善を行い、国際化に対応した緊急かつ抜本的な教育の改革を小学校段階から求めているところであります。また、これまでの外国語学習は活字中心の受信型の学習であり、国際化が進展する中で、外国語による積極的なコミュニケーション能力の育成を図るため、相手の言葉をよく聞き、正しく理解した上で、自分の考えをはっきり話す会話中心の発信型の外国語学習への転換が求められております。
 指導要領においては、中学校の授業時間数を週当たり一時間ふやして四時間に改善、高校ではオーラルコミュニケーションの新科目を設けました。平成八年度の国の予算では、中学校、高等学校の英語教員の資質向上を図るため、イギリス、アメリカなどの大学へ、二カ月派遣事業を百九十人、六カ月派遣事業を九十四人、十二カ月派遣事業を三十六人にするとともに、外国青年招致事業におけるALTを四千四百人から四千八百人に増加させ、外国語教育の充実を目指しております。さらに、公立小学校で英語学習を含めた国際理解教育を推進するため、現在十四の研究開発学校を八年度は四十七校に拡大し、各県で一校ずつ実践に取り組むことにしています。指定校では、週一ないし二時間程度英語の授業を実施、対象はおおむね四年生以上を想定し、児童に日常会話程度の英語力を身につけさせ、同時に国際理解を深めさせることをねらっております。
 そこで教育長に、一、本県における公立小学校に対する外国語教育の導入をどう推進されるのか、二、本県における英語担当教員の指導力向上とALTの増員による英語教育の充実をどう図られるのか、以上二点、お尋ねをいたします。
 次に、教育、文化、スポーツにおける国際交流、協力として、国、地方公共団体、民間団体等により、さまざまな形態の国際交流、協力が行われています。さらに近年は、ユネスコやOECD、APEC等の国際機関を通じた国際協力も重要になってきております。
 昨年十一月に、文部省とOECD(経済協力開発機構)が主催をし、第四回OECD・JAPANセミナーが「統合学習と学校から職業への移行」をメーンテーマに和歌山県で開催されました。十四カ国から二十一名の代表者と日本から十四名、計三十五名が参加、パネルディスカッションや公開セミナーが行われ、第五回全国産業教育フェアも見学していただき、日本の職業教育、とりわけ和歌山県の教育を国際的に知っていただくよい機会となりました。
 青少年の国際交流活動としては、県高校生海外生活体験事業として、平成七年度にカナダとニュージーランドに合わせて五十人が三週間派遣されました。また、世界リゾート博記念財団が、昨年八月に県中学校海外研修事業として四百名の中学生を八日間、イギリス、スペイン、フランスに派遣し、語学研修と国際理解、協力の精神を養ってきたところであります。留学生の交流では、耐久高等学校、星林高等学校、那賀高等学校など県下の各高校で留学生の受け入れや派遣を行い、語学研修と国際理解を進めているところであります。
 そこで、教育長にお尋ねをいたします。
 一、本県における青少年の国際交流、協力事業を今後どう推進されるのか。
 二、今日、高校生の修学旅行が国際化を反映し、韓国やアメリカなど海外へ行く学校がふえてきております。本県においても、高校の修学旅行を見直し、国際理解と国際交流などを考慮して海外への修学旅行の導入を検討されてはどうか。
 以上二点、お尋ねをいたしまして、第一問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。
○副議長(木下秀男君) ただいまの新田和弘君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
 〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 新田議員のご質問にお答えをいたします。
 まず、税制改革等についてでございます。
 平成六年の税制改革において、活力ある福祉社会の実現を目指し、さまざまな視点から税制の見直しが行われたところでございます。地方税についても、平成七年度から個人住民税の負担軽減を先行実施するとともに、地方分権の推進、地域福祉の充実等のために、地方消費税が平成九年四月に導入されることとなってございます。この結果、平成九年度には現行以上に所得、消費、資産の間で均衡のとれた税体系になるものと思っております。
 今後は、都道府県税の中で大きなウエートを占めている法人関係税が景気に大きく左右される不安定な構造となっていることから、その安定財源化が課題となっておるわけであります。現在、政府税制調査会において、我が国経済が国際化する中で、法人課税のあり方について、課税ベースを広げ、税率を引き下げる方向で論議されておりますけれども、景気の変動に左右されない法人関係税収入の確保が不可欠であることから、このような対応策が早急に検討されるように、国に対して要望を続けてまいりたいと思っております。
 次に、紀の川リバーサイドグリーンベルト構想についてでございます。
 紀の川大堰の建設に伴って整備される高水敷を県民の皆様方の憩いの場として公園整備しようとするものでございます。ゆとりと潤いのある生活環境を創造することにより魅力ある都市圏を実現することは和歌山の発展のために必要でございまして、その整備を精力的に推進してまいりたいと考えてございます。
 現在、事業に向けての問題点の詰めを関係機関と進めているところでございますけれども、今後、和歌山県全体の中での公園整備としての位置づけ、また紀の川大堰の事業の進捗なども踏まえて、和歌山市、岩出町との連携のもとに事業化を図ってまいりたいと考えております。
 次に、大阪分水についてでございます。
 大阪分水については、昭和六十一年に大阪府より正式要請がございました。分水の前提として、紀の川流域の水需要の確保をすることで、関係各位のご理解のもと、昭和六十二年に紀の川利水に関する協定を交わし、当分の間、毎秒約三立方メートルを上限とすることで同意しているところでございます。分水を行うに当たりましては、紀の川大堰、紀伊丹生川ダムの水資源開発施設を建設して新たに開発することで分水に対応することになっております。この考え方に現在は変更はございませんし、これら水資源開発施設の早期完成を目指して進んでまいりたいと考えてございます。
 お話にございました農業用水の余剰水については、紀の川流域の水需要の確保のために活用してまいりたいと考えてございます。
 なお、赤痢問題については保健環境部長から答弁させていただきます。
 以上であります。
○副議長(木下秀男君) 総務部長木村良樹君。
 〔木村良樹君、登壇〕
○総務部長(木村良樹君) 税制改革についてのご質問のうち、まず第一点、地方消費税の税収見込みと市町村への配分はどうかということでございます。
 地方消費税については、地方分権の推進、地域福祉の充実等のため、現行の消費譲与税にかえて都道府県税として平成九年四月から導入されることとなっております。また地方消費税については、当分の間、税務署等において国の消費税とあわせて賦課徴収されることとなっており、税務署等の所在する都道府県に消費税額の二五%、お話にありましたように、消費税に換算して実質一%が払い込まれることになっております。さらに、各都道府県はこうして得た税収を消費に関連する指標を基準として他の府県との間で清算をし、清算後の金額の二分の一を人口、従業員数に案分して市町村に交付することになっております。
 本県の収入見込みでございますが、現時点では不確定な要素がございますけれども、いまちょっと試算してみたところでは、金額で約百八十億円が見込まれまして、この金額の二分の一に当たる約九十億円が市町村に配分される見込みとなっております。
 次に、固定資産税の評価がえと路線価格等の公開への指導についてのご質問でございます。
 まず、固定資産税の評価がえについては、平成九年度が次の評価がえの基準年度に当たることから、現在、各市町村で鋭意評価がえ作業を進めているところでございます。この評価がえの基本方針といたしましては、前回、平成六年度の評価がえと同様、土地評価の均衡化、適正化を推進するとの観点から、宅地について地価公示価格の七割程度を目標とするとされております。県といたしましては、このような基本方針のもとで、各市町村において引き続き地価の低下が続いている状況を十分踏まえた上で、適正な評価が行われるよう指導を行ってまいりたいと考えております。
 次に、路線価格の公開でございます。
 これは、プライバシーの問題がございますけれども、これに配慮しつつ、評価の適正の確保と納税者の評価に対する理解の促進を図るため、平成三年度以降、順次、公開地点数を拡大して実施してきているものでございまして、次の平成九年度の評価がえに当たっては、すべての路線価格と標準宅地の単位地積当たりの価格を公表、公開することとしておりますので、この事務が円滑に実施されるよう県として指導してまいりたいと考えております。
○副議長(木下秀男君) 土木部長山根一男君。
 〔山根一男君、登壇〕
○土木部長(山根一男君) 新田議員にお答えいたします。
 まず、公共工事の建設費の縮減についてでございます。
 公共事業を取り巻く環境は、今、新しい時代を迎えており、建設市場の国際化、さらには市場競争を通じて、よいものを安くと求める国民のニーズへの的確な対応が求められております。
 このため建設省により、平成六年十二月に輸入資材の活用による資材費の低減、生産性の向上、技術開発の三つを柱とする公共工事の建設費の縮減に関する行動計画が策定されました。このため県においても、競争性を高める等の観点から、一般競争入札制度の採用等を導入することとあわせ、発注を平準化し、企業のコストを低減させるためのゼロ国債、ゼロ県債の活用、資源の有効活用を図るための再生資源の活用などに取り組んでいるところでございます。今後も、この趣旨を十分踏まえ、実施できるものから順次取り組みを行うとともに、あわせて公共事業の推進にかかわる業務の合理化、効率化にも努めてまいりたいと考えております。
 次に、紀の川大堰事業に関連してのご質問四点のうち、まず紀の川大堰の進捗状況と完成予定でございます。
 紀の川大堰は、建設省事業として昭和六十二年度から事業化され、低水護岸や工事用道路等の関連工事が進められてまいりました。平成五年三月から大堰本体工事が着手されましたが、基礎ぐい打設時における地下水対策のため工法変更を余儀なくされ、このため本体の完成がおくれることとなったと聞いてございます。現在のところ、右岸側より魚道及び堰柱八基のうちの二基を概成しております。引き続き、本年の出水期までに中央部の二基を概成すべく鋭意工事が進められており、残る工事についても順次着工し、堰本体工事の完成は平成十一年度の予定と聞いております。今後とも、国、県、市が協調して、地元関係者の協力を得ながら事業進捗が図れるよう努力するとともに、国に対し早期完成を強く要望してまいります。
 二点目の、紀の川大堰の関連工事については、堰本体工事の進捗を見ながら並行して進められております。県工事といたしましては、北田井ノ瀬橋のかけかえ事業に平成七年度より着手し、建設省では小豆島付近で低水護岸の工事を実施しております。また、JR橋梁の改築については、建設省とJRとの間で協議を進めておりまして、その後、地元説明に入る予定と聞いております。
 河床掘削については、紀の川大堰河道掘削に伴う環境保全対策検討委員会が設けられており、県も入って協議を進めておりますが、その中で掘削方法等について検討しているところでございます。
 なお、JR橋梁や旧堰撤去等の補償、関連工事については、本体完成後二年から三年かかる見込みとなってございます。今後とも、さらに事業促進が図れるよう国に働きかけてまいります。
 次に、紀の川左岸堤防を利用した県道有功天王線については、現在事業中の紀の川大堰建設に関連する区間、延長四百四十メートルの道路改良を実施しております。これより西側の国道二十四号までの区間については、おおむね二車線が確保されておりますが、路肩が狭い等の問題もあり、今後、交通の円滑な処理が必要でありますので、地元の方々のご協力をいただきながら、交差点の改良、自転車・歩行者道の設置、都市計画道路六十谷手平線の整備等について検討してまいりたいと考えております。
 最後に、紀の川下流部の河川区域内における不法占用対策については、昭和五十一年に紀の川環境整備推進本部を設置し、是正に努めてきたところであります。特に平成四年からその体制を強化し、不法占用棟数は昭和四十七年度末の九百二十七棟が平成八年二月末で残り四十四棟となっております。
 また、河川区域内にある民地の買収状況でありますが、紀の川河口から岩出橋までの民有地約四十七ヘクタールのうち、平成八年二月までに約二十二・一ヘクタールを買収しております。県といたしましては、今後ともこれらの整備について努力してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○副議長(木下秀男君) 農林水産部長日根紀男君。
 〔日根紀男君、登壇〕
○農林水産部長(日根紀男君) 紀の川大堰事業に関連して、農業用水の余剰水の利水への変更についてでございます。
 先日、木下善之議員にもお答え申し上げましたように、国において平成八年度から二カ年間で国営かんがい排水事業と国営農業用水再編対策事業の全体実施設計が進められることとなってございます。この中で水利用計画の見直しが行われることとなってございまして、紀の川流域の受益面積の減少や営農形態の変化等により余剰水が見込まれるものと考えてございます。この農業用水の余剰水を地域資源として有効に利用するため、都市用水等へ転用することについて、今後、関係部局と連携をとりながら取り組んでまいる所存でございます。
○副議長(木下秀男君) 企画部長藤谷茂樹君。
 〔藤谷茂樹君、登壇〕
○企画部長(藤谷茂樹君) 新田議員にお答え申し上げます。
 紀の川大堰の取水口については、河川管理者である建設省が関係者と協議の上、決定することとなってございます。取水形態については、大阪府と和歌山市の取水口を合わせて一つにするということで関係者の間で話し合いをしているところでございまして、その位置についても現在協議を進めていると聞いてございます。また、導水管のルートについては、取水口の位置が大阪府と和歌山市の間で合意された段階で、道路としての利便性を考慮して、関係者との調整を図りながら早期に決定できるように進めてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(木下秀男君) 保健環境部長鈴木英明君。
 〔鈴木英明君、登壇〕
○保健環境部長(鈴木英明君) 赤痢対策についてのご質問のうち、経過と防疫対策の実施及び安全宣言について、一括してお答えをいたします。
 今回の集団発生は、まず一月三十一日に、高野口町内の保育園児が赤痢に感染したとの第一報がございました。このため、患者家屋や保育園の消毒を行い、患者家族、保育園児及び職員の検便を実施いたしました結果、同家族から二人の感染者が認められたものの、一たん終息をいたしました。しかしながら、二月二十二日から新たに同町内の保育園や小学校、その家族などから患者が発見され、三月十五日までに二十五家族四十三人の集団発生となったところでございます。
 今回の感染は、子供を中心とした接触感染によるものと考えられ、原因菌は赤痢菌の中でも比較的症状の軽いソンネ菌でございました。
 この事態に対し、関係市町では防疫対策本部を設置し、また関係機関相互の連絡調整を行い、迅速で適切な対策を講じるために、高野口保健所内に集団赤痢防疫対策連絡調整会議を設置いたしました。さらに、感染の拡大防止や潜在患者の発見に努めるために、他施設より保健婦や検査技師などを高野口保健所に派遣いたしまして、患者接触者を中心に検便や訪問調査を行うとともに、患者家屋や関係施設の消毒を実施してまいりました。また、患者の発生した施設については、適宜、休校や休園の措置をとってまいりました。さらに、県立医科大学の小池、宮本両教授による講演会を実施するなど、住民に赤痢に対する情報を提供し、不安を和らげるための啓発活動にも努めてきたところでございます。
 今後の見通しといたしましては、今回、患者の集団発生のあった施設については引き続き十分なフォローアップが必要と考えておりますが、高野口町内の一般住民からの集団的な感染のおそれは少ないものと考えております。県といたしましては、今後とも関係市町と緊密な連携のもと、一日も早い終息に向け鋭意取り組んでまいりたいと考えております。
 以上です。
○副議長(木下秀男君) 教育長西川時千代君。
 〔西川時千代君、登壇〕
○教育長(西川時千代君) 赤痢対策と総合学科など七点についてお答えいたします。
 まず、伝染病の予防については、従前から保健教育の充実や環境衛生づくりなどの一環として指導してきているところであります。
 高野口町の小学校における赤痢の罹患者数は、三月十五日現在、既に退院した者も含め、教職員一名、児童十四名となってございます。
 教育委員会では、赤痢発生の報告を受け、直ちに町教育委員会に対して、学校保健法等に基づき、防疫に関する消毒や手洗いの徹底、出席の停止などについて適切に対応するよう指導してまいりました。また、高野口町防疫対策本部の設置後、学校において検便や消毒、臨時休業などの措置がなされてきたところであります。
 今後は、県内すべての学校に対し、伝染病予防に関する通知の徹底を図るとともに、今回の事例が接触感染によるものと考えられていることから、手洗いなどの生活習慣が身につくよう、保健教育の一層の充実を図ってまいりたいと考えます。
 また、今回赤痢が発生した学校では、児童にこの病気を正しく理解させ、不安を解消し、いじめや嫌がらせなどにつながらないよう指導を続けてまいりたいと考えます。
 次に、和歌山高校の総合学科についてお答えいたしますが、二十一世紀の高校教育を視野に入れた新しいタイプの高校として設置し、生徒みずからが学びたい科目を選択し、自分の時間割りで学習することを基本として、一人一人の個性を伸ばす教育を進めてまいりました。
 設置以来、全教職員の懸命の努力によってご指摘のような困難性を克服し、着実に成果を上げてきてございます。特に、昭和六十二年に設置いたしました情報科学科の教育は総合学科にも受け継がれて特色の一つとなっており、全国産業教育フェアでもインターネットを活用した取り組みが大会を盛り上げ、評価を得ることができました。
 総合学科は、設置後まだ二年を経過したところでございますので、全体的な評価については今後に注目する必要もございますが、これからの高校教育のあり方に一つの方向性を示すことができたと考えてございます。こうしたことから、総合学科の設置については、これまでの成果を踏まえ、全県的な視野から積極的に検討を進めてまいりたいと考えてございます。
 学校間連携については、これまで三校間あるいは五校間で実施し、平成八年度は新たに和歌山商業高校と和歌山ろう学校との間で計画しておりまして、特殊教育諸学校を含めた学校間連携は全国初の試みとして注目されてございます。多様な教育内容を持つ教育学科が学校間連携に参加することは、近隣の高校で学ぶ生徒の幅広い学習ニーズにこたえることができ、今後、総合学科が果たす役割の一つとして検討してまいりたいと考えてございます。
 また、インターネット等を活用したネットワークづくりについては、これからの新しい方向として国においても研究が始められておりますので、僻地学校などでも地域的な制約を超えて連携できる方途として研究を進めてまいりたいと考えてございます。
 次に、国際化に対応した教育、小学校における外国語教育についてでございます。
 本県においては、本年度、小学校二十四校で英語指導助手を活用して英会話やゲームなどを取り入れた教育を行ってございます。また、平成八年度には文部省の研究開発学校として西牟婁地方の小学校一校を指定し、全学年で発達段階に即した英会話等に関する指導を行い、積極的に研究することとしてございます。
 英語担当教員については、国の海外語学研修等への派遣、県教育研修センターでの実技研修講座などを実施し、指導力の向上に努めてございます。英語指導助手については、平成五年度二十四名、六年度二十六名、七年度三十一名と毎年増員を図り、会話能力を中心に英語教育の充実に努めてございます。こうした中で、中学生や高校生が外国人に対して、ごく自然に、かつ積極的に接することができるようになってきてございます。
 青少年の国際交流については、高校生海外生活体験事業や日中友好スポーツ交流事業、日独スポーツ少年団同時交流受け入れ事業等を実施しているところであります。
 なお、世界リゾート博記念財団主催の中学生をヨーロッパに派遣するテイクオフ21の事業は、多感な年ごろにある子供たちの経験と視野を広げ、国際感覚の基礎を培う上で効果的な活動であり、平成八年度も継続して実施されると聞いておりますので、教育委員会といたしましても、指導面を中心に協力してまいりたいと考えてございます。
 また、多くの高等学校で、これまでも留学生の受け入れ、外国の高校との姉妹校提携など積極的に国際交流活動を行っており、スポーツ、文化団体等での国際大会への参加や交流も増加しつつあります。
 こうした取り組みは、生徒に国際理解、国際協力の精神を培う上で効果的であると考えますので、事業の目的が達成され十分な成果が上げられるよう、今後さまざまな形で指導、助言を行っていく必要があると考えてございます。
 最後に、海外修学旅行については、平成七年度、全国で二十六の府県で実施されてございます。本県といたしましては、生徒の健康、安全の確保、保護者の経済的負担、さらに緊急時や非常時における対応のあり方等多面的に検討し、全国の状況等を参考にしながら検討してまいりたいと考えてございます。
 以上です。
○副議長(木下秀男君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(木下秀男君) 再質問がございませんので、以上で新田和弘君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
○副議長(木下秀男君) 本日は、これをもって散会いたします。
 午後二時四十二分散会

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