平成8年2月 和歌山県議会定例会会議録 第6号(吉井和視議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

平成八年三月十八日(月曜日)

 午後一時四分再開
○副議長(木下秀男君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
○副議長(木下秀男君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 4番吉井和視君。
 〔吉井和視君、登壇〕(拍手)
○吉井和視君 それでは、質問をさせていただきます。
 まず、地方分権についてであります。
 この地方分権については、私は二回目の質問をさせていただくわけであります。とにかく、連立政権に咲いたあだ花に終わらないためにも、今が正念場であるということでさせていただきます。
 先日も、玉置公良議員、森本明雄議員から質問がございまして、知事からも前向きの答弁がありました。若干ダブるところがあるかもわかりませんけれども、再度質問をさせていただきます。
 地方分権委員会による審議がスタートし、本年度末には分権委員会による中間報告がなされる予定と聞いております。また最近、地方六団体から機関委任事務等の廃止を求める要望書が提出されるということもあり、地方分権に向けての本格的な論議が中央、地方ともに展開されているところであります。今、地方がなすべきことは、まず分権の受け皿づくりであり、また地方分権推進の世論を喚起する努力をすることであります。今、何が問題で、どのようにすれば地方がよくなるのかということを整理し、そのことを国に対し強く要求することが必要であると思います。西口知事は、今議会所信表明の中で、高らかに「地方分権の推進を県民運動にまで高めたい」という強い調子で語っておられ、さらに「平成八年はまさに地方分権が実効性のあるものになるか否かの正念場の年」と位置づけております。
 最近、地方六団体の地方分権推進本部は、各省庁の機関委任事務制度の維持に対する反論をまとめ、国の地方分権推進委員会に提出いたしました。各省庁が全国的な行政の整合性、統一性を確保するために機関委任事務が必要であると主張しているのに対し、それは縦割り行政の中での整合性の話と厳しく批判し、地方分権推進委の検討試案に沿って、機関委任事務をあくまで廃止するよう求めました。これからは、地方分権の試金石である機関委任事務の是非について、中央省庁と地方との戦いであります。
 そこで知事に、地方六団体の要望書についてどのように評価され、今後どのような決意で取り組まれるのか、お尋ねしたいと思います。
 既に、二人の議員からもこの種の質問がされておりまして答弁があったわけでありますが、決意というのは日に日に高まるものと思いますので、再度答弁をいただきたいと思います。
 次に、社会福祉と地方分権についてでありますが、特に本県の深刻である高齢者対策についてお尋ねいたしたいと思います。
 本県の高齢化率は高く、全国平均より十年早いスピードで高齢化が進んでおります。この対策として、若者の流出を防ぎ、定住させる対策も必要であり、また地域でボランティアを育成し、地域ぐるみの福祉空間の形成という地域福祉の充実が緊急の課題であります。国と地方公共団体の役割分担で、国の主張としては、老人ホーム等の施設基準の設定を例示し、国は基本的な制度の企画立案や全国的に確保されるべき最低基準の設定を行い、地方は実施機関であるとしております。これに対して地方六団体は、国が例示する老人ホーム等の施設基準の設定は基本的、最低基準とは言いがたい、基本的、最低基準という名目で詳細、画一的な関与を行う国の意識がここに象徴的にあらわれているという強い反論をいたしております。
 施設整備と施設運営について、国庫補助制度等によらない地方独自の自立した施策が今最も求められていると思うのであります。地域の実情に合った設置基準や運営基準がどうしても必要であると考えられます。国の権限移譲や地方自主財源の確保という地方分権そのものが高齢者対策であると考え、また地方分権を進めることが本県の福祉政策にとっても緊急の課題であると考えますが、さまざまな福祉現場の現状と課題について、民生部長に所見をお伺いしたいと思います。
 続いて、介護保険について質問をさせていただきます。
 最近の新聞の中に、連日この介護保険についての記事が掲載されております。そこで、介護保険の必要性、あるいはまたどのように論議されていくかについて質問をさせていただきます。
 老人保健福祉審議会の中間報告を受け、公的介護保険創設に向けて作業が急ピッチで進められているようであります。審議会の答申を近く受け、厚生省は来年度からこの介護保険のスタートを目指していると聞きます。超高齢化社会を控え、高齢者への介護サービスを公的に提供しようということに関しては、だれも反対する者はいないと思います。
 この制度は、従来の施設介護等を含めた介護サービスの質的、量的向上ということと、将来、高齢者に対する公的サービスや増大する医療費の財政的な行き詰まりの解消対策という二つのねらいがあると思います。前者はともかくとして、後者は、極端に言えば税金の増額としての保険料徴収であると思います。かつて、細川内閣で国民福祉税という構想がありましたが、これも将来増大するであろう高齢者対策等の財源確保が困難と予想されたために出されたものであります。
 将来の高齢者に対する財源確保という問題は避けて通ることのできない問題でありますが、この公的介護保険についての総理府世論調査によりますと、七○%がこの保険制度を知らないということであります。知っていると答えたのはわずか一三%、聞いたことがあるが一四%であります。このような低い認知度の中では、法律の施行を急がず、もっと国民に対して今後の福祉サービスの水準を示し、財源についても国民負担をどうするのかという議論が必要ではないかと思うわけであります。
 例えば、西暦二○○○年時点におけるサービスの給付水準は七兆七千億円であり、これに対する保険料が二分の一と計算して、成人一人当たり年に三万八千百円という試算が出されておりますが、これは国民一律負担でよいのか、この辺の論議が大切であろうと思います。また、公的介護制度創設そのものの賛否についても、もっと広く国民のコンセンサスが必要であると思います。最近、公的介護保険を始めたドイツでは、二十年という歳月をかけて議論し、国民のコンセンサスを得たと聞いております。また一方、制度創設による保険料徴収ということより、新税か消費税のアップ等による財源で社会保障としての福祉サービスを望む声もあると聞いております。
 そこで、お尋ねいたします。この公的介護保険制度案について、厚生省から県に説明があっただろうと思いますが、まずどのように思われるのか、知事にお伺いいたします。
 伝え聞くこの制度案には、さまざまな問題点があるように思います。例えば、家庭で家族が介護することが一番望ましいことと考えますが、それに対する支援はどうするのか、二番目に、定額保険料は低所得者にとって負担が大きいのではないか、三番目に、全国画一的な基準による介護サービスにならないか等の問題があります。
 市町村に対してもこの制度の説明会があったと思いますが、県の役割として市町村及び県民の意見を集約する必要があると思います。今後どのように取り組むのか、お伺いいたします。
 続いて、電源立地についてお伺いいたします。
 今、二十一世紀の世界都市関西をどのように構築するかが問われております。すばるプランの推進を初め、紀伊半島振興計画、ベイエリア開発計画など、県域を超えた広域的な取り組みが進められております。世界都市関西の構築の中で、それぞれの地域の役割が重要となってきております。和歌山がどのような役割を担い、どのような位置で県勢の発展を目指していくのかという政策決定を今しておかなければなりません。折しも、二十一世紀初頭の県の目指す方向性を決定する第五次県長期総合計画を策定すべく審議がスタートしたところであります。
 そこで、県のエネルギー資源対策における電源立地構想についてでありますが、今世紀の締めくくりとしての県の第四次長期総合計画において、県の方針としてこのように記されております。「適地性・安全性・地元の同意という三原則を堅持し、立地地域を総合的に整備し、住民の福祉と地域振興の立場から、原子力発電所等の電源立地を促進する」とあります。この三原則を堅持しての電源立地の促進は、県民の合意を得ることができず、余り進展せずに二十一世紀を迎えようとしております。近畿の新時代、世界都市関西構想の中で、和歌山県が電源対策の役割を担うことで、ベイエリア構想等の中で県益の確保、県勢の発展を目指していくことも一つの方法であります。
 西口知事は、次期長期総合計画の中でエネルギー政策としての電源立地をどのように位置づけて進んでいくのか、お尋ねいたします。
 続いて、リサイクル行政についてお尋ねいたします。
 生産、流通、建設等あらゆる企業活動と消費において、ごみ、不要物を捨てることが簡単になされてきたため、この狭い日本で産業廃棄物やごみの処理、処分に困り、日本列島が自家中毒を起こすようになってきたのであります。従来どおりの行為では環境劣化と資源枯渇で、どうにもならないことになるということでリサイクル法もでき、究極的には産業革命以来の大量生産、大量消費、大量廃棄という過程を、生産、回収、再利用という過程に変革することを目指さなければなりません。特に問題となるのは、大量に発生する産業廃棄物の処理についてであります。
 県においては、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づき、県産業廃棄物処理計画を平成六年四月に策定し、この問題に取り組んでおりますが、中間処理、最終処分場の確保、リサイクル全般にわたって具体的な取り組みがうまくいっていないのではないかと思います。産業廃棄物における処理責任については排出業者にあるわけでありますが、県は適正処理の総合的指導の役割を担っており、県内の廃棄物の状況を把握し、廃棄物が適正に処理されるよう対策を講じる責任があるわけであります。どうしても公共関与が避けて通れないわけであります。
 そこで、県の産業廃棄物処理計画の中で、公共関与処理の推進四項目を挙げております。一、最終処分場の設置が著しく困難な地域における最終処分場確保対策としてフェニックス事業に参加する、二、産業廃棄物公共関与処理機関の設立を検討する、三、第三セクターが産業廃棄物の適正かつ広域的な処理を行う場合に事業費等の支援を行えるよう基金を造成する、四、市町村の廃棄物処分場に一般廃棄物とあわせて産業廃棄物を処分するための廃棄物処分場の確保を促進する、以上の公共関与処理の推進についての取り組み状況はどうか、もっと積極的な公共関与が必要ではないか、お尋ねいたします。
 また、リサイクル法に伴う取り組みについてはどうか。さらに、昨年六月に成立した容器包装リサイクル法についても県の取り組みが重要であります。市町村等の取り組み及び県の指導はどのようになっているのか、お伺いいたします。
 また、県内におけるリサイクル産業の育成も重要であろうかと思います。リサイクル運動からリサイクル産業育成へと推進していくためには行政がさまざまな支援をしていかなければならないと考えますが、どのように取り組むのか、お伺いいたします。
 最後に、ミカン対策について質問させていただきます。
 昨年十二月末に、農林水産省は果樹振興基本方針を示したところであります。これは、十年後の果実の需要見通しを立て、生産の目標を策定したものでありますが、今回策定された基本方針では、需要を全面的に見直し、平成十七年度の総需要量を現状より九十万トン多い八百一万トンと見込まれています。ウルグアイ・ラウンド農業合意の受け入れに伴う国際化に対応するため、かなり強気に対抗する内容となっていることは、大いに評価しているところであります。しかしながら、すべての品目が生産の拡大もしくは維持の方向で示されている中で、温州ミカンだけが縮小となっているところに問題があります。
 ご承知のとおり、ミカンは本県農業粗生産額の約二割を占めるとともに、全国第二位の生産県で、果樹王国和歌山の基幹品目であります。また、昨年の六月議会でミカン農業の将来について力強い答弁をいただきました。それだけに、今回の基本方針が本県二十一世紀農業振興計画に基づくミカンの振興を図る上で影響を及ぼすことのないよう、またミカンの振興施策にブレーキがかかることのないよう要望しておきたいと思います。
 さて、二年続きの干ばつにより、七年産のミカンは大変な減収となり、ミカン農家の経営は大変苦しくなっているところであります。生産者の間では、おいしいものをつくれば必ず売れるという自信がついたという声もあります。また、ミカンの改植等に積極的な取り組みをされている農家も見受けられます。
 こうした農家が現在苦慮していることは、ミカンの木が大変弱っているため、どうすれば樹勢を回復させることができるか、また改植に当たって有望な品種は何かということであります。こうしたことについて、試験研究、また普及団体が一体となって取り組んでいただいていることと思いますが、その内容についてお伺いいたします。
 最後に、支援活動の一層の強化をお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。
○副議長(木下秀男君) ただいまの吉井和視君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
 〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 吉井議員にお答えをいたします。
 まず、地方分権についてでございます。
 行政は、住民に身近なところで能率的かつ総合的に実施されるべきであり、そのためには行政執行の責任はできる限り住民に身近なところが負うことが必要であると考えております。しかしながら機関委任事務制度には、地方が事務を実施していながら決定権が地方にないために、住民側から見れば責任の所在がはっきりしないという弊害がございます。私は、制度そのものを廃止すべきであると考えております。こういった考えから、昨年末に地方分権推進委員会に対して機関委任事務制度の廃止を要望したところでございます。
 今般、地方六団体が地方の総意として地方分権推進委員会に対し機関委任事務制度を廃止すべきことを申し入れるとともに、機関委任事務制度を維持しようとする国の意見に対し、逐一その問題点を指摘したことは、大いに意義があることだと思っております。
 今月末に提出される予定の地方分権推進委員会の中間報告においても機関委任事務制度の廃止が打ち出されると聞いてございますので、今後は制度廃止に向けてあらゆる機会を通じて国への働きかけを行ってまいりたいと思っております。決意は、日に日に高まっております。
 次に、公的介護保険制度であります。
 高齢者の介護を社会的に支えるシステムとして厚生省が今国会へ提出を目指している公的介護保険については、現在老人保健福祉審議会で審議されているところであり、事業主体、負担割合、対象受給者、保険料の算定及び徴収方法等についてまだ固まっていない状況でございます。
 今後、制度案の内容等について各市町村及び県民への情報提供に努め、必要に応じ、国に対しても制度の決定、円滑な実施に向けて要望してまいりたいと考えてございます。
 県といたしましては、寝たきり等の要介護者の増加に伴う深刻な問題に対処するために、県民の皆さんが安心できる公的介護保険制度の確立が必要であろうと考えております。
 次に、電源立地等についてであります。
 新たな長期総合計画については、去る二月二十七日に第一回和歌山県長期総合計画審議会を開催いたしまして、計画策定について諮問させていただいたところでございます。今後、審議会や専門委員会等での審議を踏まえまして、平成九年十二月を目途に、県民の皆さんが豊かさを実感できる二十一世紀初頭の県政の指針として策定したいと考えてございます。
 電源の立地につきましては、平成二十二年度を目標年次とする次期長期総合計画を策定する過程において、議員ご指摘の近畿圏における本県の役割、県勢の発展をどう展望していくかなどを含めて、各界各層の皆様のご意見を十分承りながら検討されていくものと考えておりますが、私といたしましては、国のエネルギー政策の動向を見きわめながら地域振興の立場で対応してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○副議長(木下秀男君) 民生部長木村栄行君。
 〔木村栄行君、登壇〕
○民生部長(木村栄行君) 吉井議員にお答えをさせていただきます。
 地方分権と社会福祉についてでございますが、本県における高齢者福祉対策については、高齢化が進み、山間部、過疎地域が多いという和歌山県の実情に即した高齢者サービスの充実に努めているところでございます。
 しかし、全国知事会等六団体が地方分権推進委員会に提出した「改革の方向」に対する意見書にも述べられているように、本県においても、ショートステイ施設を単独で実施する場合は最低四十人が必要となっているため整備が進みにくいといった現状があります。さらに、各種補助金の申請事務等にも多大の労力と時間を要しております。
 今後、地域の実情に合い、県民の期待にこたえられる福祉サービスが提供できるよう、福祉の分野についても、機会をとらえ、地方分権の推進について国に要望してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○副議長(木下秀男君) 保健環境部長鈴木英明君。
 〔鈴木英明君、登壇〕
○保健環境部長(鈴木英明君) リサイクル行政についてのご質問のうち、三点につきましてお答えいたします。
 まず、産業廃棄物処理計画に基づく公共関与についてのご質問でございます。
 フェニックス計画につきましては、八月からの参加を目指し、現在積み出し基地の建設が進められているところでございます。
 次に、新しい公共関与処理機関の設立についてでございますが、財団法人和歌山環境保全公社の将来構想と連動しつつ検討を進めているところでございます。
 また、市町村と民間事業者が共同出資して第三セクターを設立し、広域処分場を設置する場合、関連公共施設整備等の支援を行えるよう基金を造成中でございます。
 さらに、市町村が産業廃棄物を受け入れることにつきましては、地域の状況や市町村の事情など難しい面もございますが、県といたしましては今後とも十分協議してまいりたいと考えてございます。
 なお、より積極的な公共関与が必要ではないかとの議員のご指摘でございますが、産業廃棄物の処理責任が排出事業者にございます中で、県といたしましては、公共がどこまでどういう内容の関与を行うべきかについて関係者と協議しつつ、十分検討してまいりたいと考えてございます。
 次に、リサイクル法に伴う取り組みについてのご質問でございます。
 リサイクル法では、再生資源として利用すべき廃棄物として、コンクリート塊等の建設副産物を初め、自動車、電気製品、缶、瓶などが指定され、建設、通産、農林等六省庁の主務大臣が再生資源の利用に関し事業者を指導し、また再生資源の利用が不十分な事業者に対しては主務大臣が勧告や命令を行うこととなっております。県といたしましては、産業廃棄物処理計画において、リサイクル法を受けて関係各部が関係事業者を指導することと位置づけてございます。
 また、リサイクル法とは別に、ごみの減量及びリサイクルを促進するために、環境月間や環境衛生週間などの機会に各種啓発を行うとともに、市町村が実施する先進的なごみ減量リサイクル事業に対し補助を行っております。
 次に、容器包装リサイクル法についてのご質問でございます。
 容器包装リサイクル法が昨年六月十六日に公布され、分別収集等については平成九年四月一日から施行されることになっております。この法律では、容器包装廃棄物について、消費者、市町村、事業者の三者が役割分担をし、廃棄物の減量化と再生利用を図ることが基本となってございます。
 今後、厚生省、通産省など、国の関係五省庁から容器包装廃棄物の分別収集、再商品化の促進に関する基本方針が示されることとなっており、その基本方針に基づき、市町村が分別収集する容器包装廃棄物の種類などを盛り込んだ分別収集計画を策定することになっております。
 市町村の分別収集体制の整備等、困難な問題もございますが、県といたしましては、市町村や各種団体への説明会を実施するとともに、必要な情報の提供や市町村間の計画調整を行うことなどにより、市町村による分別収集計画が円滑に策定されるよう指導してまいりたいと考えております。
 以上です。
○副議長(木下秀男君) 商工労働部長中山次郎君。
 〔中山次郎君、登壇〕
○商工労働部長(中山次郎君) リサイクル産業の育成についてお答えします。
 本県の主要地場産業である繊維、ボタン、皮革製品等を製造する際に発生する副産物の再利用等につきましては、県工業技術センターを中心に企業等と共同研究を進めるとともに、製品化支援等を行ってございます。
 具体的には、パイル織物の製造工程中から発生する繊維くずからアンモニア臭を効率よく吸着する脱臭炭化繊維の開発支援、プラスチックボタン製造時に発生する副産物を再利用しての土木・建設資材等への再利用技術の確立や、米ぬかから米サラダ油を抽出する工程中から香料・化粧品の紫外線吸収剤等に利用されるフェルラ酸の抽出に成功し、一部商品化するなど、大きな成果を上げてございます。
 また、昨今の状況を踏まえまして、昨年十一月に「新しい環境問題と環境技術、環境ビジネス」をテーマに講演会を開催し、百十名の参加をいただいているところでございます。
 県といたしましても、地球環境と産業活動のあり方を重視しまして、今後ともこうした研究や研究成果の商品化を推進するとともに、これらを生かした新しい産業の創造・育成策や支援体制につきましても検討してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(木下秀男君) 農林水産部長日根紀男君。
 〔日根紀男君、登壇〕
○農林水産部長(日根紀男君) ミカン対策についてでございますが、平成七年産は二年続きの干ばつにより小玉傾向でございまして、生産量が少なく、市場では他県産に比べて高価格に推移したものの、ミカン生産農家にとりましては厳しいものがございました。
 また、樹勢も低下しており、平成八年産への影響も懸念されることから、これまで農林水産技術会議果樹部会において樹勢回復のための技術対策を決定し、普及センターや農協等を通じて農家への普及に努めるとともに、共同水槽等に助成を行うなど、干ばつ対策に取り組んでいるところでございます。
 また、議員お話しのように、国の果樹農業振興基本方針では温州ミンはやや減少させることとしてございますが、県といたしましては果樹王国和歌山を堅持していく観点から、平成十七年を目標とする高品質生産に重点を置いた県の果樹農業振興計画の策定に取り組んでいるところでございます。
 今後、極わせ種では由良早生、なかてではニュー則村、おくてでは丹生系温州等の有望品種の導入を図るとともに、低コスト・省力化のための基盤整備を進めるなど、産地の体質強化に積極的に取り組んでまいる所存でございます。
○副議長(木下秀男君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 4番吉井和視君。
○吉井和視君 答弁ありがとうございました。
 一点だけ要望をさせていただきます。
 介護保険についてでありますが、先日、共産党の村岡さんからも質問がありまして、村岡さんのご主張と私と似通っているところがあるんですけれども、問題はこれから財源をどう確保するかということであろうかと思います。そして、認知度が低いということは大変な問題であります。県民の中でも、この問題について制度を知らないという人が相当多いと思います。
 そこで、県の役割として、いろんな情報を国からいただいて、その中で市町村とこれから行う役割についていろいろ協議してもらい、問題点について国や福祉審議会へ反映していけるように提出してもらうという今の時点での作業が大切であろうと思いますので、その点を要望させていただきます。
 以上で、終わらせていただきます。
○副議長(木下秀男君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で吉井和視君の質問が終了いたしました。

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