平成8年2月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(全文)


県議会の活動

議 事 日 程 第二号 平成八年三月十二日(火曜日)
   午前十時開議
 第一 議席の変更
 第二 議案第七十九号から議案第八十二号まで(知事説明・質疑)
 第三 議案第一号から議案第七十八号まで(質疑)
 第四 一般質問
会議に付した事件
 一 議席の変更
 二 議案第七十九号から議案第八十二号まで(知事説明・質疑)
 三 議案第一号から議案第七十八号まで(質疑)
 四 一般質問
出 席 議 員(四十七人)
 1 番 大 沢 広太郎
 2 番 木 下 善 之
 3 番 小 川  武
 4 番 吉 井 和 視
 5 番 下 川 俊 樹
 6 番 井 出 益 弘
 7 番 藁 科 義 清
 8 番 門  三佐博
 9 番 永 井 佑 治
 10 番 新 島  雄
 11 番 向 井 嘉久藏
 12 番 佐 田 頴 一
 13 番 和 田 正 一
 14 番 阪 部 菊 雄
 15 番 西 本 長 弘
 16 番 馬 頭 哲 弥
 17 番 谷  洋 一
 18 番 長 坂 隆 司
 19 番 高 瀬 勝 助
 20 番 堀 本 隆 男
 21 番 宇治田 栄 蔵
 22 番 宗  正 彦
 23 番 橋 本  進
 24 番 井 谷  勲
 25 番 玉 置 公 良
 26 番 上 野 哲 弘
 27 番 東 山 昭 久
 28 番 尾 崎 要 二
 29 番 野見山  海
 30 番 木 下 秀 男
 31 番 町 田  亘
 32 番 中 山  豊
 33 番 山 下 直 也
 34 番 鶴 田 至 弘
 35 番 森  正 樹
 36 番 村 岡 キミ子
 37 番 新 田 和 弘
 38 番 平 越 孝 哉
 39 番 森 本 明 雄
 40 番 神 出 政 巳
 41 番 松 本 泰 造
 42 番 冨 安 民 浩
 43 番 飯 田 敬 文
 44 番 中 村 裕 一
 45 番 松 本 貞 次
 46 番 大 江 康 弘
 47 番 和 田 正 人
欠 席 議 員(なし)
説明のため出席した者
 知 事 西 口  勇
 副知事 梅 田 善 彦
 出納長 中 西 伸 雄
 知事公室長 野 見 典 展
 総務部長 木 村 良 樹
 企画部長 藤 谷 茂 樹
 民生部長 木 村 栄 行
 保健環境部長 鈴 木 英 明
 商工労働部長 中 山 次 郎
 農林水産部長 日 根 紀 男
 土木部長 山 根 一 男
 企業局長 中 村 協 二
 以下各部次長・財政課長 
 教育委員会委員長
   山 本  昭
 教育長 西 川 時千代
 以下教育次長
 公安委員会委員 中 尾 公 彦
 警察本部長 青 山 幸 恭
 以下各部長
 人事委員会委員長
   若 林 弘 澄
 人事委員会事務局長
 代表監査委員 天 谷 一 郎
 監査委員事務局長
 選挙管理委員会委員長
   谷 口 庄 一
 選挙管理委員会書記長
 地方労働委員会事務局長
職務のため出席した事務局職員
 事務局長 岩 垣  孝
 次 長 中 西 俊 二
 議事課長 松 田 捷 穂
 議事課副課長 佐 竹 欣 司
 議事班長 松 谷 秋 男
 議事課主査 山 本 保 誠
 議事課主事 長 尾 照 雄
 総務課長 岡 山 哲 夫
 調査課長 柏 木  衛
 (速記担当者)
 議事課主任 吉 川 欽 二
 議事課主査 鎌 田  繁
 議事課速記技師 中 尾 祐 一
 議事課速記技師 保 田 良 春
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 午前十時五分開議
○議長(橋本 進君) これより本日の会議を開きます。
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 【日程第一 議席の変更】
○議長(橋本 進君) 日程第一、議席の一部変更の件を議題といたします。
 都合により、議席の一部を次のように変更いたしたいと思います。その議席番号及び氏名を職員に朗読させます。
 〔職員朗読〕
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 17 番 長 坂 隆 司 君 を 18 番 に
 18 番 井 谷 勲 君 を 24 番 に
 20 番 上 野 哲 弘 君 を 26 番 に
 21 番 堀 本 隆 男 君 を 20 番 に
 22 番 宇治田 栄 蔵 君 を 21 番 に
 23 番 宗 正 彦 君 を 22 番 に
 24 番 橋 本 進 君 を 23 番 に
 25 番 谷 洋 一 君 を 17 番 に
 26 番 玉 置 公 良 君 を 25 番 に
   そ れ ぞ れ 変 更
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○議長(橋本 進君) ただいま朗読したとおり議席を変更することにご異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(橋本 進君) ご異議なしと認めます。よって、ただいま朗読したとおり議席を変更することに決定いたしました。
○議長(橋本 進君) この際、報告いたします。
 過日提出のあった議案第四十九号、議案第六十一号、議案第六十三号、議案第六十四号及び議案第六十八号は、いずれも職員に関する条例の改正でありますので、地方公務員法第五条第二項の規定により人事委員会の意見を徴したところ、次のとおり回答がありました。
 職員に回答文を朗読させます。
 〔職員朗読〕
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    和人委第406号
    平成8年3月4日
 和歌山県議会議長 橋 本  進 殿
 和歌山県人事委員会委員長 若 林 弘 澄
 職員に関する条例の制定に係る意見について
 平成8年2月29日付け和議会第351号で意見を求められた標記のことについて、地方公務員法第8条第1項第3号の規定により下記のとおり回答します。
   記
 議案第49号 職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
 議案第61号 教育長の給与等に関する条例の一部を改正する条例
 議案第63号 教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
 議案第64号 市町村立学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
 議案第68号 警察職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
   意 見
 上記条例案については、いずれも適当であると認めます。
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○議長(橋本 進君) 次に、報告いたします。
 知事から、議案の追加提出がありました。
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    財第273号
    平成8年3月12日
 和歌山県議会議長 橋 本  進 殿
   和歌山県知事 西 口 勇
 和歌山県議会平成8年2月定例会追加議案の提出について
 地方自治法第96条の規定に基づく議決事件について、次のとおり議案を提出します。
   記
 議案第79号 平成7年度和歌山県一般会計補正予算
 議案第80号 平成7年度和歌山県中小企業近代化資金特別会計補正予算
 議案第81号 平成7年度和歌山県流域下水道事業特別会計補正予算
 議案第82号 平成7年度和歌山県用地取得事業特別会計補正予算
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 【日程第二 議案第七十九号から議案第八十二号まで】
○議長(橋本 進君) 日程第二、ただいま報告の議案第七十九号から議案第八十二号までを一括して議題といたします。
 議案はお手元に配付しておりますので、まず知事の説明を求めます。
 知事西口 勇君。
 〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) ただいま上程されました議案につきまして、ご説明申し上げます。
 平成七年度予算のうち、用地取得の遅延等により本年度内に完了することが困難と見込まれる事業につきまして、平成八年度に繰り越し使用することについてお願いいたしております。
 何とぞ、ご審議の上、ご賛同賜りますようお願い申し上げます。
○議長(橋本 進君) 以上で、知事の説明が終わりました。
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 【日程第三 議案第一号から議案第七十八号まで】
 【日程第四 一般質問】
○議長(橋本 進君) 次に日程第三、議案第一号から議案第七十八号までをあわせ一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第四、一般質問を行います。
 20番堀本隆男君。
 〔堀本隆男君、登壇〕(拍手)
○堀本隆男君 西口知事が渾身の力を込めて編成された初の本格的通年予算、平成八年度予算案等を審議する二月定例議会の一般質問の先陣を承る機会を与えていただきました先輩・同僚議員の皆さんに、まず感謝申し上げます。
 去る三月九日、新南紀白浜空港はジェット機の就航で沸き立ちました。まことにおめでとうございます。西口知事が高らかに開港宣言されましたように、紀南地方の大交流時代への幕あけであります。仮谷前知事を初め、国、県、市町村、関係者の皆さんに、深甚なる感謝の誠をささげたいと思います。ありがとうございました。
 さて、戦後五十年という一つの節目を迎えた昨年は、我が国にとって社会的、経済的大事件の連続の年でありました。阪神・淡路大震災、オウムサリン事件、金融破綻事件、政界疑惑、円高、不況の深刻化、産業空洞化、倒産などであります。こうした中で本県にとっての救いは、リゾート博の成功に続いてNHK大河ドラマ「八代将軍吉宗」による吉宗ブームが起こり、文化、観光の面で活気をもたらしてくれたことであります。特筆すべきことは、和歌山県知事・西口勇の誕生であります。一年間にもわたる壮絶な戦いでありましたが、知力、体力、支援する人々のパワーがまさり、県民が西口勇氏を選んだのであります。ある人は、西口さんの誠実さと手あかにまみれていない政治家のイメージがポイントになったと評しており、私も同感で大変うれしく、この上は県民の信託にこたえ、後世にまでたたえられる名知事になっていただきたいと願っております。
 さて、私の独断と偏見に基づいた戦後の三大知事の特色を振り返ってみます。
 小野県政は、戦後処理と大水害の復旧に追われつつも、北は工業、南は観光と言われ、北部臨海工業地帯の造成による県勢の発展に力点を置き、紀南の温泉地の開発に力を入れられた。つまり、ひたすらにパイの拡大を図られたわけであります。
 大橋県政は、日本の高度経済成長期にあって、公害闘争のうねりの中、公害防止、教育、文化、スポーツ──国体の誘致であります──の振興に力を入れられ、高速道路を和歌山から大阪へ迎えに行き、三大プロジェクト、つまり紀泉南麓研究学園ゾーン、御坊田園工業都市、紀南福祉エリア構想を提唱され、現在これらの構想の芽が育ってまいりました。つまりパイの中身、生活の質の向上に努められました。
 仮谷県政は、半島性の脱却に政治生命をかけ、法の成立、特急くろしお号の新大阪乗り入れ、高速道路の大阪・神戸への直結とさらに御坊までの南伸、関空の建設、白浜空港のジェット化、そして経済面では六十社に及ぶ企業誘致、長寿社会対策、同和対策事業などの福祉面、医科大学の移転整備、近畿大学生物理工学部の誘致、和大システム工学部の実現、美術館・博物館・図書館などの完成、また多目的ホールの着工、そして全国から注目を浴びた世界リゾート博の大成功と、その努力が開花し、新たな基盤が整ってまいりました。いわば、パイを拡大しつつ中身の質を高めたと言えるのではないでしょうか。
 さて、西口知事は、輝けわかやま・新時代構想いわゆる一三六のプロジェクト集、並びに新春記者会見における数々の構想及び本議会冒頭における所信表明の中で、遠い将来の構想、近未来の構想、実現すべき計画をいずれも本県発展の不可欠の課題として位置づけ、例えば太平洋新国土軸を構成する紀淡連絡道路、京奈和自動車道及び高速道路の御坊・南部間の整備、和歌山百万都市圏構想、ベイフロンティア地域の整備、関空全体構想の推進、アジアとの交流元年、紀南地域での大規模イベントなど、私どもに夢と希望を与えてくれております。これらをいかに実現されていくかは、当局と県民お互いに知恵と汗と努力の積み重ねがあるのみのように思われます。
 さて、聞くところによりますと、知事は職員に対する訓示の中で、これからは和歌山県のことだけを考えるのではなく、近隣諸国である中国、東南アジアの社会・経済・文化の現状、さらに欧米や世界各国の動向を視野に取り込み県の将来を考えることと話されたと聞いております。このことは、恐らく知事ご自身が世界の中の和歌山県を意識されてのこと、大変すばらしい訓示であったと思います。もちろん、日本の中の和歌山県のあり方についても同様であります。トップリーダーのこうした思考が県民にも広がれば、和歌山県の実態を知ることによっておのずと現状のままでよいのかという反省と新たな県づくりへの創造につながっていくからであります。
 知事の所信表明の中にもありましたが、二十一世紀を目前に世界は今、東西冷戦構造の崩壊によるアメリカの一極支配の体制となり、民族紛争、宗教対立が各地で勃発しており、地球的課題である人口爆発、環境汚染、南北格差の解消に迫られております。世界経済の変化はさらに著しく、市場経済システムの加速がアジアを世界の生産センター、金融センターに高め、アメリカ圏、欧州圏に次ぐアジア経済圏として台頭してきており、去る三月一日にはバンコクでアジア欧州首脳会議(ASEM)が開催されました。
 堺屋太一氏は、日本はアジアの田舎になると心配されておりますが、旧共産圏の世界市場への一体化、アジア諸国の超高度経済成長がもたらした大競争時代に突入したのであります。日本は、アジア重視に傾斜しつつ、二十一世紀に向かわなければならないことでありましょう。
 さて、機能麻痺した日本の政治、住専処理策をめぐり、マスコミの論調はまことに厳しい。負の配分に、与党も野党も対応できないからであります。しかし、日本経済もようやく回復基調に入ってまいりました。三年連続マイナス成長や失業率三・四%という過去最悪の状態であり、また待ったなしの高齢化、国際化、情報化に加え、高度技術化、環境問題、産業空洞化、規制緩和、地方分権や国家財政の危機に直面しており、ここで景気が回復し、円安、株高とともに、ことしは明るい年であってほしいと願わずにはおれません。
 先日発表された日本のGDPは、世界の一八%のシェアを占め、一人当たり所得は世界第四位であります。京セラ会長の稲盛氏は、もう日本は経済成長を望まないシステムに移行すべきだとも言っておられます。
 一方、ベイエリア法の施行以来、近畿各府県はビッグプロジェクトの実現に必死であります。関西復権です。関西国際空港の開港一年後の経済波及効果は六千六百億円にも上り、九七年には一兆七千億円になるであろうと予測されております。順調です。
 震災で壊滅的な打撃を受けた兵庫県と神戸市は、震災をばねに、震災前以上の立派な県土づくり、町づくり、経済復興に立ち上がり、さらにWHO(世界保健機構)から健康開発総合研究センターの誘致に成功しております。大阪府は、ベイエリアの中心、近畿の牽引車として数多くの事業を展開し、りんくうタウンも動き始めました。大阪市長の磯村氏の講演を聞きましたが、大阪の集客装置こそが人の交流を促進し情報と技術と資金を運んでくれる、まさに活性化の拠点だと言われ、マイドーム大阪、国際見本市会館、OMMビル、インテックス大阪、海遊館、咲くやこの花館と並べ、さらにユニバーサルスタジオの誘致成功を語り、今後もさらに誘致をふやしていくということであります。奈良県も関西文化学術研究都市へNEC技術研究所の誘致に成功しており、京都府と京都市は京都南部地域の先端技術産業団地の展開に必死であります。
 さて、先日経済企画庁が発表した一九九三年度の県民所得統計によりますと、一人当たりの県民所得の伸び率で和歌山県が三・二%と、全国ナンバーワンになりました。トップになるということはうれしいものでありますが、余り喜べません。というのは、全都道府県の一人当たりの所得平均は三百三万七千円、和歌山県の一人当たり所得は二百四十万六千円と、全国三十九位であります。一人当たり六十万円の開きが出ています。けだし、客観的に見て、この三十九位は現在の県経済の姿であり、冷静に受けとめ、ランクアップに県民全体で頑張らねばなりません。
 さて、本年度の予算案について、順次質問を進めてまいりたいと思います。
 はえある県知事の座につかれて、はや四カ月。これまでのご活躍ぶり、そして今予算を通じて県民の皆さんやマスコミ関係の方々の評価が高いことは、議会側にとっても喜ばしいことであります。いわく、「西口知事の感度は大変高く、きちんとした答えが返ってくる誠実さがあり、また反対意見にも耳を傾けようとする姿勢など、県政のムードが確実に変わってきており、知事のやる気が目立ってきている。むしろ、県職員が痛みの伴う改革をどう支えていけるかにある」と指摘し、そして、「この車の両輪として議会側の新しい対応も求められている」としております。私ども自由民主党県議団では、本年度重点事業について各部長からレクチャーを受け、予算内容の検討を進めてまいりました。
 さて、予算総額については、対前年度比二%増と地方財政計画の伸び率に比べ若干低いものの、近畿六府県の中では奈良県に次ぐ伸び率で、他府県ではマイナスまたは一%台の伸びであります。しかし、本県はその分、県債──つまり借金でありますが──伸び率においても地財計画より高く、歳入比率でも過去最高となっております。県税収入の落ち込みも痛い。歳出予算については、マスコミ各紙も投資重点型の積極予算としており、県単独事業の大幅な伸び率も知事の姿勢のあらわれと評価いたしたい。厳しい財政事情と大型プロジェクトの建設の本格化を迎えつつ、積極施策との板挟みで苦心の予算編成となったものと思われますが、西口知事のビジョン、一三六のプロジェクトがどの程度盛り込まれたか、特に力点を入れられたのは何か、お伺いいたします。
 平成七年度「地方財政白書」で全国の状況と照らし合わせてみますと、県債の増発や基金の大幅取り崩しなど、本年度はよいとしても来年度以降の財政構造が若干心配されますが、この点についての見通しをお教えいただきたいのであります。
 次に、知事は所信演説の中で和歌山新時代の創造を基本目標に掲げ、五つの政策目標──飛躍への基盤づくり、明るい社会づくり、活力ある産業づくり、快適な暮らしづくり、心豊かな人づくりを柱に開かれた県政を進めるとあります。そして行政改革大綱を定め、今回この大綱に基づいて組織見直しを行い、改正条例案を提出した。民生部と保健環境部を再編し、県民生活と文化重視の施策展開のために生活文化部を、高齢化社会に対応し、福祉・保健・医療施策を一元的に処理するために福祉保健部を、それぞれ設置するとのこと。私も委員会で提案した一人でありますが、部の再編成は大変なことなのでしっかり実施していただき、県民にも十分PRをしていただきたいのであります。
 ただ、今回の組織見直しで、条例以外にも新たな課の設置や重要な班の構成など、明示できる範囲でお示しいただきたい。また、県の地方機関なども組織の見直しがあるのかどうか、あわせてお尋ねいたします。
 行財政改革のもう一つの柱である事務事業の見直しにつきまして、今回の予算編成を通じてどのように実現されましたか。例えば、廃止するもの、縮小するもの、完了するものは何件か、スクラップ・アンド・ビルドに基づいて新規に五つの政策目標ごとに何件創出されたのか、お尋ねします。
 和歌山ふるさとリゾート推進事業の創設や山村21創造事業、わかやま女性一〇〇人委員会の設置、香港駐在員の新設などの新政策事業とともに、新規箇所づけの事業などの工夫もされており、知事の独自色がどの程度まで出せたのか、お伺いいたします。
 次に、第五次県長期総合計画策定事業についてお尋ねいたします。
 たそがれの日本、アジアの田舎になる日本──国民の間に今、時代の閉塞感が漂っています。日本経済は、円高、不況、産業空洞化、金融破綻の危機に直面し、もろもろの社会事件や政治の混迷などが続いております。かつての大英帝国が現在の英国にたどり着く過程を日本もこれから経験しつつ成熟社会に到達するとも言われております。
 さて、政府は二〇〇〇年までの六カ年を対象に構造改革のための経済社会計画を策定し、年平均三%の成長率を掲げ、活力ある経済、安心できる暮らしを目指しております。一方、国土庁は、経済社会情勢が大きく変化したことを受けて現行の第四次全国総合開発計画を見直し、二〇一〇年を目途とした第五次の新全総計画を策定することとし、国土審議会計画部会は昨年末、二十一世紀の国土のグランドデザイン、新しい全国総合開発計画の基本的な考え方を発表されました。
 私も、神戸市で開かれた一日国土審議会に出席してまいりました。新聞でもご承知と存じますが、新太平洋国土軸を含む四つの新国土軸の明示と、国際交流圏を創設し、国土づくりの基本目標として、活力と自然環境の豊かさが両立し、世界に開かれた活力ある国土の構築を目指しております。世界とアジアとの交流拡大を求める一方、しかし東京一極集中是正には全く触れておりません。また社会資本の整備では、高度情報通信社会に向けたインフラの整備に重点対応するとあります。
 こうした背景のもとに、本県も第五次長期総合計画を策定することとし、去る二月二十七日に第一回の審議会が開催されました。目標年次は二〇一〇年とし、平成九年度から二十二年度までの十四年間となっております。
 そこで、お尋ねいたします。
 第四次長期総合計画テクノ&リゾートは二〇〇〇年を目途としておりましたが、人口、経済成長、産業構造、一人当たりの県民所得などについて、現状と計画目標との乖離、その原因もあわせてお教え願います。また、さらにテクノゾーン、リゾートゾーンにおける成果と反省、地帯別構想の進捗状況についてもお尋ねします。
 特にお伺いいたしたい主なフレームはこれからだと思いますが、余り右肩上がりを意識せず、質を高める方向が求められていると思われます。いかがでありましょうか。
 第五次長計は、輝きのあるふるさと、和歌山新時代の創造が基本目標であります。先般来より勉強させていただいた国土審議会の考え方も内容が濃いものであります。それを先取りしたビジョンとも言えるのが和歌山産業活性化ビジョンであり、並びに和歌山県二十一世紀ビジョン・喜びと集いの和歌山であります。去年、相次いで策定され、よく描けております。これに一三六のプロジェクトを加えますと、第五次長期総合計画のベースは整うことでしょう。問題は、これをいかに実現させていくのか、つまり関西国際空港と高速道路をどう生かすか、その受け皿づくりの具体化に尽きると言えます。
 産業活性化ビジョンではアクションプログラムを早急に策定することとなっております。他県の例で恐縮ですが、兵庫県と神戸市は、共同で神戸製鋼所と川崎製鉄の跡地五十ヘクタールを買収し、WHO神戸センターを核にヘルスケアパークを整備し、健康・福祉・医療関連企業の立地と住宅地の建設を具体化しました。さらに神戸市は、市有地に貸し工場ビル群を建設し、ケミカルシューズとその他の地場産業を入居させ、国の高度化資金を活用するとのことであります。
 そこで提案でありますが、県と和歌山市が協力し、関空のメリットを生かした貸し工場ビルの建設を進められないものでありましょうか。ご検討を賜りたいのであります。
 国内の研究開発型企業にオープンにするとともに、さらにアジアの進出企業の受け入れも可能になってまいります。地価が余りにも高い和歌山では、他府県にない施策の展開が望まれます。大競争時代は今や、企業が国、地域を選ぶ時代、しかも国より地域単位の優劣が分かれ目と言われます。海外へ出るよりも和歌山へ行く方がメリットがあるとなれば勝負ができるのであります。今や、各論の真剣勝負の時代です。
 次に、串本町、すさみ町、日置川町、古座川町、古座町の五町、これを仮に「本州最南端地域」と称させていただきますが、先般来実施された国勢調査の結果、人口減少がまことに厳しい。串本町では、五年間に千四人の減少を筆頭に、その他の町も大きく減少しました。また、農林水産業の衰退も著しく、町民所得の落ち込みと高齢化のため、地域の活力も大きく落ち込んでおります。例えば九四年版個人所得指標を見ますと、全国平均を一〇〇としたとき、串本町六六、すさみ町四九、日置川町四七、古座町五〇、古座川町五〇と、全国の約半分の所得しかありません。
 先日、串本高校の卒業式に出席しましたが、卒業生百九十九人のうち、進学が五五%、就職が四五%、そのうちわずか十二人が地元への就職であります。働くところが全くないのであります。人口減少は待ったなしの状態です。このような南端地域に対する国や県の対策はないものでしょうか。現状では、見放された地域に思えてなりません。
 昨年十一月、三重、奈良、和歌山の三県で提出した紀伊地域半島振興計画が国から承認されました。この中で、奈良県が突出した項目として、先導拠点の形成を掲げ、南和中核都市圏の形成や森林文化交流ゾーンの形成に力を入れるとしております。私の住む南端地域にもこのような発想で特別に地域振興施策を講じていただけないものでしょうか。知事にお伺いいたします。
 さて、来る三十日、待望のと申しますか、うれしさが込み上げてくると申しますか、一般有料道路広川・御坊間が開通いたします。知事初め県当局の皆さん、まことにご苦労さまでした。ありがとうございます。国、公団、地元自治体、関係者の皆さんにもお礼申し上げます。ことしのゴールデンウイークや夏休みには、紀南の観光地は一段とにぎわうことでありましょう。
 そこで、土木部長にお伺いいたします。
 近く国幹審の答申がなされる見込みと伺っていますが、いつごろになりますか。うわさによりますと、今回は国の財源不足や料金問題が絡んで延長距離が短いとか、本県の南伸は相当厳しいと伝わってきます。私ども本州最南端地域に住む県民にとって、高速道路の南伸はまことに死活問題であります。また、希望と喜びを与えてくれる最大の施策であります。基本計画路線の延長と整備計画路線の昇格はどこまで見込めるのか、情報をお教えいただきたい。
 すさみ町までの整備計画路線、新宮までの基本計画路線の位置づけは一日千秋、切なる願いであります。とんでもない案を持ち出した候補者を一蹴して西口知事を支えた多くの紀南の人々は、結果を注目しております。私自身も、企業誘致こそが県会議員の使命と思い定め、過去十数件、東京、大阪の企業の方々を紀南に連れてまいりましたが、結果はゼロ。企業からの回答は決まって、遠過ぎる、道が悪いであります。幾ら自然が美しくとも入り込み客が少ないと採算が合わないと申します。この苦しさは、和歌山市に住む方々には到底理解していただけない。もし知事がこの件で、中央に陳情に行くからみんなついてこいと言ってくれるならば、紀南の市町村長や県会議員は大挙して中央へ押しかけることでありましょう。国道四十二号(田辺・新宮間)改良促進協議会──会長は先輩・下川県議であります──の特に希望する改良箇所は、東富田・日置間をトンネルで短縮することであります。近畿地建では、この区間は高速道路絡みなので待ってほしいと言われます。しかし、そのいずれもができないとなれば、それは紀南切り捨てであります。そのときは、県がこの区間をバイパスでやっていただくほかにありません。とにかく全力で取り組んでいただけますよう、特段の要望をお願いいたします。
 次に、砂防関係予算確保についてであります。
 砂防事業や急傾斜事業は要望が多く、なかなか順番が回ってこないのであります。本県は県土面積の八割が山地であり、また残る平たん部面も、紀南地方を中心として、海と大地の接点に人々の生活が営まれております。このような自然条件により、本県では平成七年度、新宮市磐盾の土石流を初めとして五十八カ所の土砂災害が発生しており、また串本においても、同じく七年梅雨期に三カ所のがけ崩れが発生し、五戸に被害が及んでおります。このように、県民なかんずく紀南の県民は、雨が降ると土石流やがけ崩れ等の土砂災害に対して不安な日々を過ごしております。状況を勘案しますと、和歌山県における砂防関係予算は相対的に少なく、国に対して予算確保をもっと働きかけていくべきと考えられますが、土木部長のお考えをお聞かせいただきたい。
 次に、高齢者福祉対策について。県では大変意欲的な取り組みをいただいておりますが、特別養護老人ホームの整備方針について若干の質問をお許し願います。
 県の老人保健福祉計画によれば、特養ホームの整備目標は平成十一年で三千床となっております。和歌山県では、全国を上回る整備が進み、平成七年度末には目標を達成するとのことであります。しかしながら、県内には依然として七百六十七名もの入所希望者が一日も早い入所を待っており、十年も早く高齢化が進む和歌山県の地域特性を考え合わせますと、特養ホームの整備目標を上方修正すべきではないかと考える者の一人でありますが、知事のお考えをお示し願いたい。厚生省においてもスーパーゴールドプランの策定に着手し、現状現場の実態を反映する動きにあります。
 次に、女性政策についてお尋ねします。
 昭和五十一年に始まった国連婦人の十年以来、国際的にも国内的にもさまざまな形で女性に関する施策が行われてまいりました。国際的には、去年北京において第五回世界女性会議が開催され、発展途上国における女性の支援等の議論がなされたことは記憶に新しいところであります。国内的にも、行動計画の策定や女子差別撤廃条約の批准、男女雇用機会均等法の制定、介護休業制度の創設、女性が社会に進出するための条件整備がなされてまいりました。まさに、男女共生社会づくりに国内外とも進みつつあるという気がいたします。しかしながら、審議会等への女性委員の参画状況等を見ますと、逆に男女共生社会への道の遠さを感じるのは私だけではないと存じます。
 知事は、初登庁以来、女性政策について積極的な取り組みをすると言われてまいりました。そこで知事に、具体的な女性政策について三点ほどお尋ねいたしたいと存じます。
 まず第一点は、今議会にも提案されている機構改正について、女性政策の面からお尋ねいたします。
 従来、女性問題については民生部青少年女性課が所管をしていたと存じますが、これから本気で女性政策を推進するためには独立した担当課室が必要であると思われます。知事の所見をお尋ねいたします。
 次に、全く新しい視点で知事が発案され、先月公募されたわかやま女性一〇〇人委員会についてお尋ねいたします。
 知事が一昨年以来県内をくまなく回られ、県民の一人一人とひざを交えながら県政への熱き思いを語られた中で、県庁が遠い、県民の声が直接県政に伝わってこない、特に女性の声が県政に反映されていないことなどを実感され、就任早々、きのくにホットラインとともにわかやま女性一〇〇人委員会の設置を決められたと承知しておりますが、知事はこのわかやま女性一〇〇人委員会をどう活用されるのか、公募の状況も含めてご所見をお尋ねいたします。
 さらに、建設される予定とお聞きしている女性センターについてお尋ねいたします。
 他府県では、女性問題に関する情報や各種サークル等の拠点として女性センターを建設し、その運営については女性財団──これは県、市町村が出捐しております──が管理する等していると伺っておりますが、和歌山県は女性センターをどのような位置づけで、どんな内容で設置されようとしているのか、お聞かせいただきたいのであります。
 環境庁が平成七年度中の設立を目指している地球環境戦略研究機関の誘致に、大阪府や兵庫県など十二府県が名乗りを上げていると聞きます。この研究機関は、世界各国から資金と研究者を出し合い、地球環境に配慮した人間の生活や経済活動など、新しい文明のあり方を探る国際機関とされております。国の新年度予算案に設置調査費が計上されたばかりで、規模や設置形態、組織規模はまだ明らかにされていませんが、国際性、また環境というプラスイメージがあり、本県も手を挙げてほしいと思います。
 仄聞するところでは、大学や行政、企業、民間環境保護団体も研究に参加できる開かれた組織が想定されており、本県においては関空のメリットや紀の川テクノバレー構想の一環として、県工業技術センター、衛生公害研究センター、和歌山大学、県立医大、近畿大学等の協力もいただき、また島精機やノーリツ鋼機等の民間活力の参加も得ながら運営されるものと思われます。立地としてはインテリジェントパークやコスモパーク加太等も考えられますが、知事のご所見を承りたいと存じます。
 最後になりましたが、私が申し上げたいことを整理いたしますと、一つは、技術開発こそが日本の進む道──紀の川流域に先端工業団地を育成することを最大の命題とし、いわゆる中核企業を誘致し、そのためのトップセールスの展開を図ってほしいことであります。二つ目は、リゾート・観光産業がバブル崩壊後バッドイメージになっていますが、紀南地域が二十一世紀に活躍できるのは、やはりリゾート・観光産業であると思われます。さらなるご支援を賜りたい。三つ目は、そのための地域開発には京奈和道路の整備と高速道路の紀南延伸がかぎであります。結果として、和歌山百万都市の実現につながります。一説によりますと、リゾート博を東京で開催すれば一千万人が入っただろうと。私は、逆に言いたい。一千万人の集客装置を和歌山はつくったのだと。和歌山県には秘めたる力があります。知事にそれをもっと引き出していただきたいのであります。県議会も呼応させていただきます。順調な船出をされたものと思われます。
 「一番機は白浜を飛び立ち、追い風に乗って四十三分で羽田空港に到着しました。関西より東京の方が近くなったのであります」──船曳JAS社長は胸を張ってあいさつをしておりました。フォローの風が吹き始めた和歌山県、この風にいかにうまく乗っていくか。待ったなしであります。知事におかれてはご健康に留意され、大いなる前進をお祈りしつつ、質問といたします。
 ご清聴ありがとうございました。
○議長(橋本 進君) ただいまの堀本隆男君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
 〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 堀本議員にお答えをいたします。数々のご提言を賜りまして、まことにありがとうございます。
 まず、平成八年度の当初予算に関してのご質問であります。
 私の知事としての初めての予算が平成八年度予算でありますけれども、和歌山新時代の創造に向けたスタートの年としたいということで議論を重ね、編成をしたところでございます。
 県税収入が前年度を下回るなど、財政状況は非常に厳しいものがございますけれども、行政改革の観点からその事務事業の見直しを行いながら二十一世紀に向けての県の大いなる飛躍に結びつけていくため、可能な限り、新たな観点からの施策の充実に努めたところでございます。
 特に投資的経費につきましては、交付税措置のある起債を積極的に活用し、地方単独事業を対前年比一七・一%増と地方財政計画の三・一%増を大幅に上回って近畿二府四県中第二位の伸びを示すなど、投資重点型の積極予算としたところでございます。
 そうした中で、まず、ご質問にございました力点を置いた事業でありますけれども、幹線道路網や高速道路整備等、和歌山県の発展のために必要な交通ネットワークの整備が第一でございます。次に、女性の能力が十分に発揮できる社会、子供たちの夢がはぐくまれる社会の実現のために、わかやま女性一〇〇人委員会の設置やきらめく女性地域活動支援事業の創設、あるいは子育て支援事業等、心豊かな夢のある和歌山づくりということが一つであります。また、産業に活力を与えるため、県経済国際化支援事業、森林整備活性化事業の創設、漁場探索情報の受信のための人工衛星画像受信システムの導入等、創造性豊かな活力ある和歌山づくりが一つであります。さらに、阪神・淡路大震災を教訓にして防災対策を強化するとともに、快適で魅力ある地域づくりを推進するために、輝け和歌山・二十一世紀ふるさとづくり事業、和歌山ふるさとリゾート推進事業、山村21創造事業の創設など、個性豊かな魅力ある和歌山づくりもその一つであります。
 そういうふうなことで、幾つかの点にわたって特に力を入れさせていただきましたけれども、個性豊かな和歌山づくりのために私のカラーも若干は出せたものと考えております。
 そこで、ご質問のございました、私の「変革と発展」と題した百三十六項目の政策提言との関連でございます。
 和歌山新時代の創造のために私が提案させていただいた多くのプロジェクトの中には、現在既に継続実施中のものもございますし、あるいは長期的に取り組まなければならないプロジェクトもございます。そうした中で、平成八年度におきましては、おおむね六割、さらに関連するものを加えるとおおむね八割を何らかの形で予算に盛り込むことができたと考えております。それ以外のプロジェクトにつきましてもさらに検討を加え、できるものから速やかに実行に移してまいりたいと考えてございますけれども、さきの十二月議会でも申し上げましたように、これらの提案は必ずしも固定化したものではなくて、何が重要であるか、県民の皆さんは今何を望んでおられるかなど、広い視野に立って十分見きわめて県政を進めてまいらなければならないと考えてございます。
 次に、今後の本県の財政状況についてでございますけれども、歳入面では、現在の景気情勢からは、当面、法人二税を初めとする県税収入には大幅な増収が期待できない状況にあると考えております。歳出面では、これまでの累次の経済対策あるいは県単独プロジェクトの遂行に伴う県債の増発により、公債費が近年増加傾向を示しております。さらに、県立医科大学の移転整備、多目的ホール、総合健康・福祉棟の建設等の大規模なプロジェクトが進行中であることを考え合わせますと、今後の財政運営は非常に厳しいものがあると考えております。しかしながら、私といたしましては、こうした状況の中にあっても、事務事業の積極的な見直しや少しでも有利な財源の確保等により、既存プロジェクトの遂行はもとより、新たな行政需要に対しても積極的に対処してまいりたいと考えてございます。
 次に、紀伊半島最南部地域の特別振興策についてのご質問であります。
 県土の均衡ある発展を図るために、ただいま総合的な交通ネットワークの整備を進めておるところでありますが、近畿自動車道紀勢線の南伸、内陸部の道路改良、南紀白浜空港のジェット化などによって、おっしゃられた地方についても利便性はかなり向上してきておると考えております。しかしながら、五町を初めとする紀南地方を取り巻く環境は依然として大変厳しいものがあり、そういうふうな認識も持ってございます。
 すさみ町、串本町、古座町の海洋資源、日置川町、古座川町の安らぎのある豊かな森林あるいは清流は大きな魅力となるものでございまして、地域間を結ぶ大島架橋などの主要国道、県道、あるいはきのくにふるさと林道などの基盤整備を進めますとともに、平成八年度予算においては、紀南における大規模イベントの調査あるいは歴史文化街道構想の推進、さらに、先ほど申し上げた和歌山ふるさとリゾート推進事業、輝けわかやま・二十一世紀ふるさとづくり事業、山村21創造事業などの支援事業のご活用もお願いをいたしまして、観光、リゾートを柱として当地域の活性化を地元とともに進めていきたいと考えております。
 次に、特別養護老人ホームの整備目標についてであります。
 現在のところ、特別養護老人ホームのベッド数は、整備中も含め三千七十五床となってございます。全国に先駆けて老人保健福祉計画の三千床の目標をほぼ達成したということになっております。しかし、依然入所を希望する高齢者の方が多いことも事実でございまして、県内の高齢者の皆さんが安心できる特別養護老人ホームの整備方針を考えてまいりますと、特に過疎地域、半島地域を有する和歌山県においては高齢化が全国より十年早く進行しておりますし、さらに介護需要が高くなる七十五歳以上の高齢者の割合、あるいはひとり暮らし、夫婦のみの高齢者世帯の比率が一層高くなってくることが見込まれますし、介護が非常に困難な痴呆性の高齢者に対する対策の強化が必要となってまいります。このような要素を勘案いたしまして、また県内を回ったときにそういう要望も大変多いということに気づいておりますので、この際、老人ホームの整備目標を引き上げることとし、年度内に特別養護老人ホーム整備アクションプランというのを作成していきたいと考えております。
 次に、女性政策であります。
 仰せのように、女性を取り巻く環境は、国際的にも国内的にも大きな変革の流れの中にあると認識をしております。県といたしましては、こうした国内外の動きも視野に入れ、男女共生社会づくりに向けて各種施策を推進してまいりたいと考えております。
 まず、第一点目の機構改革でございます。女性政策は重点課題であるという認識のもとに、独立した担当課の設置等、推進体制の充実を図ってまいりたいと考えております。
 次に、第二点目のわかやま女性一〇〇人委員会についてでございますけれども、二月に委員の公募をいたしましたところ、県内各地から五百五十名の方にご応募をいただきました。和歌山の女性の県政に対する関心の高さと積極的な参画意欲に感謝をいたしますとともに、皆さん方の期待にこたえられる県政の推進に向けて全力を尽くしたいという思いを改めて強くした次第でございます。三月中に百人の委員を選考させていただきますけれども、応募いただいた多くのご意見も県政の意見・提言として受けとめさせていただきたいと考えております。そして、この四月からスタートするわかやま女性一〇〇人委員会では、女性の感性や立場から、だれもが住みやすい和歌山を創造するための提言をいただけるものと期待しておるところであります。
 第三点目の女性センターでありますけれども、女性の活動と交流拠点、また女性に関する図書・情報センター、学習・啓発センター、相談センター等、四つの機能を持ったセンターとして計画をしてございます。他府県の女性センターの現況、あるいは広く皆様方のご意見もお聞きしながら、運営方法等も含めて検討していきたいと考えております。
 最後に、環境庁の地球環境戦略研究機関構想についてでございます。
 地球環境保全の総合的な国際的研究機関として、昨年構想の発表以来、環境庁と接触して情報収集に努めておるところでございます。現在、その機関の体制、規模等の具体的なイメージの策定段階でございますけれども、平成八年度には立地場所の選定の検討に入る予定と聞いてございます。地球環境問題につきましては、県としても重要な課題と認識しておりまして、地球環境関西フォーラムにも参画をするなど、今後の具体的な取り組みについて検討しているところでございます。地球環境戦略研究機関構想につきましては、検討の進捗状況に十分注意を払いながら対応してまいりたいと考えております。
 なお、多くのご提言、ご質問などにつきましては、関係部長から答弁いたします。
 以上でございます。
○議長(橋本 進君) 総務部長木村良樹君。
 〔木村良樹君、登壇〕
○総務部長(木村良樹君) 行政改革についてのご質問にお答え申し上げます。
 まず、第一点の組織機構の改革ということでございます。
 昨年末に策定した新行政改革大綱では、地方分権の時代にふさわしい行政機構づくりや県民の視点に立った行財政運営の見直しが中心的な課題となっており、現在、この大綱に基づいて組織の見直しを行っているところでございます。
 具体的には部のあり方の見直しということでございまして、県民の暮らしにかかわる施策を展開する生活文化部と、福祉・保健・医療を一元化するための福祉保健部の設置を主な内容とする条例の改正案を本定例会に提案させていただいておりますけれども、本庁課室につきましても、部の改編の趣旨に沿い、行政目標の明確化や効果的実施の観点から組織再編に現在鋭意取り組んでいるところでございます。
 また、地方機関等につきましても、平成九年度以降順次見直しを行ってまいりたいと考えておりますので、議員各位のご理解とご協力をお願い申し上げます。
 次に、事務事業の見直しの成果はどうかということでございます。
 事務事業につきましては、平成八年度当初予算において、限られた財源の中で新たな行政課題や社会経済情勢の変化に的確に対応していくため、行政改革大綱の理念に沿って既存事業の徹底した見直しを行ったところでございます。この結果、事業の目的が既に達成されたもの、また実質的な効果がほとんどなくなったということで廃止された事業が五十四件、額にして約六億円、必要性が薄くなったものとして規模縮小した事業が二百十三件、改善額にして約十一億円となりました。
 また、この一方、新たな行政需要に対応するための新規事業を二百七十五件創設いたしましたが、この新規事業を五つの政策目標ごとに申し上げますと、飛躍への基盤づくりということで三十八件、二十一億円、明るい社会づくりということで六十四件、十億円、活力ある産業づくりということで七十件、十四億円、快適な暮らしづくりということで二十九件、五億円、心豊かな人づくりということで三十一件、二十二億円ということになっております。
 今後とも、絶えず事務事業の見直しを行い、緊急度の高いものから効率的な実施を図ってまいりたいと考えております。
○議長(橋本 進君) 企画部長藤谷茂樹君。
 〔藤谷茂樹君、登壇〕
○企画部長(藤谷茂樹君) 堀本議員にお答え申し上げます。
 まず、第四次長計のフレームと現状との乖離でございます。
 平成七年における人口の見通しとして百十二万六千人を見込んでいましたが、少子化の進展や各種プロジェクトの効果が想定よりも小さかったことなどから、国勢調査速報集計では百八万四百八十一人となってございます。
 次に経済成長ですが、平成十二年までの経済成長率は年四・〇%を達成する計画としておりますけれども、平成五年における県内総生産は三兆一千億円で、我が国経済が低成長になったことや本県工業の基幹である鉄鋼業、石油業が円高等により大きな影響を受けたことなどから、昭和五十五年から実質経済成長率は年率一・五%となってございます。また、一人当たりの県民所得につきましても、平成五年は二百四十万六千円で、昭和五十五年からの伸び率は年率一・五%となってございます。
 産業構造については、平成二年における産業別就業者数の構成比では、第一次が一二・七%、第二次が二九・一%、第三次が五八・二%となっており、第一次、第二次産業が計画目標を下回ってございます。
 次にテクノゾーンとリゾートゾーンの成果でございますが、四次長計の県土づくりの戦略としてテクノ&リゾート計画を推進しております。テクノゾーンについては、既存産業の高度化のための中核として工業技術センターを再編整備するとともに、先端産業を中心とした企業誘致を推進し、昭和五十七年からの実績では、地域的な差はございますが、県下全域で六十三社に上っております。また、近畿大学生物理工学部や和歌山大学システム工学部の開学により優秀な人材の育成や研究機能が充実するなど、相当の成果が上がっているものと思われます。
 また、リゾートゾーンについては、燦黒潮リゾート構想を推進し、和歌山マリーナシティや東急田辺リゾートなどが整備されるとともに、世界リゾート博により本県を国際的なリゾートエリアとして国内外にアピールしたところであります。しかし、長引く景気低迷により民間企業の投資意欲が冷え込み、大規模施設の立地が進んでいない状況となっております。今後は、自然との触れ合いや農林業の体験などによる和歌山ふるさとリゾートをあわせて推進することといたしてございます。
 次に地帯別構想の進捗状況でありますが、複数圏域にかかわる広域交通体系は相当に進捗してきたと存じます。定住圏別に見ますと、和歌山定住圏では、インテリジェントパーク、工業技術センターなどの整備や和歌山大学及び近畿大学の理工系学部の開設等により紀の川テクノエリアの形成が進むとともに、文化施設や福祉施設の整備も進んでまいりました。橋本定住圏では、京奈和自動車道の事業着手や南海高野線の複線化など交通結節機能の強化と同時に、大規模住宅開発による快適な居住エリアの形成が進んでおります。有田定住圏では、企業誘致によるインダストリアルパークの形成、有田川や内陸部のレクリエーション施設の整備等が進んでおります。御坊定住圏では、工業団地の造成などとともにレクリエーション施設の整備が進み、また地方拠点都市地域として都市機能の充実を図ろうとしてございます。田辺定住圏では、南紀白浜空港のジェット化整備が実現し、国際文化リゾート基地の形成に大きく踏み出しております。また、広域農道や南紀用水、漁港整備などにより農山漁村の整備が進むとともに、地方拠点都市地域としての田辺市の都市機能も充実してまいりました。最後に新宮定住圏におきましては、大島架橋の着工や那智勝浦CCZ計画の進展、新宮市の宅地供給やヘリポートの設置、紀南縦貫林道、きのくにふるさと林道の事業着手等、産業基盤の整備などが進んでおります。
 引き続き取り組むべき課題も多く残されており、今後とも一層の計画推進を図ってまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○議長(橋本 進君) 商工労働部長中山次郎君。
 〔中山次郎君、登壇〕
○商工労働部長(中山次郎君) 産業の活性化と具体策についてお答えします。
 本県を取り巻く社会経済環境の大きな変化を踏まえて二十一世紀に向けた本県経済の持続的発展を確保するためには、産業の活性化を図ることが不可欠と考えてございます。そのために、中長期的な視点に立って二十一世紀に向けた本県産業の将来を展望し、今後取り組むべき方向性を示す和歌山県産業活性化ビジョンを策定したところでございます。
 本活性化ビジョンの主な施策展開といたしましては、関西国際空港への近接性を生かした国際的な産業活動の展開、創造的な企業の育成、心の豊かさが実感できる観光・リゾート産業の振興などの方向性を挙げているところでございます。予算案に計上している香港駐在員の派遣や産業情報センターの設置など、幾つか具体的にその実現に取り組んでいるところでございます。
 また、創造的企業の育成につきましては、和歌山テクノ振興財団が企業の巣立ちを支援するインキュベーター事業を行い、海南インテリジェントパークに建設されるリサーチラボが賃貸施設としてレンタルラボ事業を行っていく予定になってございます。これからも研究開発企業の誘致を行うとともに、企業育成の方策の一つとして貸し工場ビル構想についても和歌山市とともに研究してまいりたいと考えてございます。
 今後とも、本活性化ビジョンの各論の実現に向け、着実に取り組んでまいりたいと存じてございます。
 以上でございます。
○議長(橋本 進君) 土木部長山根一男君。
 〔山根一男君、登壇〕
○土木部長(山根一男君) 堀本議員の、高速道路の紀南延長その他についてのご質問四点についてお答えいたします。
 かねてより皆様方のご指導、ご支援をいただきながら整備の促進を図ってまいりましたが、一般有料道路の湯浅御坊道路十九・四キロメートルが来る三月三十日、全線供用の運びとなりました。続く御坊から南部の間二十一・四キロメートルにつきましては、平成七年二月のくい打ち式の後、地元説明、設計協議が鋭意進められており、平成八年度には用地測量の終了した区間からいよいよ用地買収に入る予定となってございます。続く南部町からすさみ町までの区間につきましては、基本計画に組み入れられているところであります。
 ご質問の次期国幹審につきましては、現在建設省において本年中に開催すべく準備が進められていると聞いております。なお、その際、料金上昇を回避するよう最大限の努力がなされているところでございます。
 また、我が県につきましては、現在、南部町からすさみ町までの間について、都市計画決定などの手続を進めるべく鋭意検討を行うとともに、新宮市までの基本計画への組み入れも要望しているところでございます。
 高速道路の整備はぜひとも必要でありますので、今後とも県議会を初め関係機関のご支援をいただきながら次期国幹審に向け、積極的に国に働きかけてまいります。
 次に、国道四十二号の改良促進についてでございます。
 国道四十二号の現道対策といたしましては、沿道状況や異常気象時における交通規制区間の解消などの点を考慮しながら、国において調査を進めているところでございます。
 ご指摘の東富田・日置間のバイパス建設につきましては、大規模なバイパスとなりますので、近畿自動車道紀勢線の南伸の計画を見ながら検討してまいりたいと考えております。
 最後に、砂防事業等の促進についてでございます。
 砂防関係事業は、県民の生命、財産を守り、安全な県土をつくり出すために非常に重要な事業でございます。このため、本県は砂防事業に重点的に取り組んでおり、平成七年度の公共事業予算規模は全国第二十二位でございます。しかしながら本県は地形が急峻であるため、四千三百一カ所の危険箇所を抱えております。
 このような状況を踏まえ、平成八年度は事業費で九十七億六千万円、箇所数で四百四十二カ所の事業を推進してまいることとしております。さらに平成八年度には、県独自の施策として急傾斜地崩壊対策事業における地元負担金の軽減を図るとともに、避難場所等もあわせて創出を図る特定利用斜面保全事業などを積極的に進めてまいることとしております。平成八年度は第八次治水事業五カ年計画の最終年度であり、また第九次五カ年計画策定の年でもございます。今後とも、国に対し積極的に働きかけるなど、事業予算の拡大に努めてまいります。
 以上でございます。
○議長(橋本 進君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(橋本 進君) 以上で、堀本隆男君の質問が終了いたしました。
○議長(橋本 進君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 35番森 正樹君。
 〔森 正樹君、登壇〕(拍手)
○森 正樹君 ただいま議長のお許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。
 去る二月十日から十九日までの十日間、梅田善彦副知事を団長とする和歌山県米国フロリダ州友好提携答礼訪問団の一員として参加をさせていただき、まことに慌ただしい日程の中ではございましたけれども、実り多い公式訪問として多大の成果を残しながら、先般、無事帰国いたしました。以下、簡略に今回の訪問の経過をご報告申し上げます。
 この答礼訪問団には、本県議会から橋本進県議会議長を初め、馬頭哲弥、大江康弘、中村裕一の四人の先般諸氏と私の五人が参加をさせていただきました。同行された職員の皆さん六人とともに、梅田団長以下十一人の構成でございます。
 我々は、十日午後五時、関西国際空港発ロサンゼルス行き日本航空六〇便で出発。途中、悪天候に遭遇することもなく、予定よりも早く、現地時間十日午前九時過ぎに到着したのでございます。
 実は、私はアメリカを訪問するのは今回初めてでございまして、これまでに書籍や雑誌、新聞、テレビ、映画等々でアメリカに関する文化というのはあり余るほど身につけておりますけれども、実際にアメリカについて触れるのだという興奮で、機内ではとうとう一睡もすることができませんでした。
 ロサンゼルスでは若干のリゾート施設等の視察を行いましたが、わずか一日の滞在で慌ただしく荷物をまとめ、フロリダ州オーランド行きのデルタ航空の機上の人となったのでございます。
 ところで、フロリダ州はアメリカ合衆国の中でも有数のリゾート地であり、ディズニーワールド、ユニバーサルスタジオ、シーワールドなどの国際的規模のテーマパークが多く、また世界有数の規模を誇るリゾートホテルが集中しております。さらには、ケネディ宇宙センターに代表されるエレクトロニクスなどのハイテクノロジー産業も集積をしているところでございます。州のニックネームが「サンシャインステート」と言われるぐらい温帯並びに亜熱帯気候で、全米一の避寒地として有名でございます。また一方では、かんきつ類、イチゴなどを中心とする農業と長い海岸線を利用した漁業も盛んであると聞いております。なお、人口は一千四百万人で、全米四位と言われております。
 オーランドはそのフロリダ州の中心的都市でありまして、私たちは三日目、二班に分かれてケネディ宇宙センター並びに各テーマパーク等の視察を行った後、昨年十月の本県での姉妹友好提携調印式に来県されたスーザン・アイダンソンフロリダ州政府国際貿易開発局長との夕食会に臨みました。
 翌十三日、市内見学の後、オーランド空港から空路、州都タラハシーへと移動。機内からは一面の沼と平原を眺めながら、アメリカという国の広大さを改めて実感いたしました。
 明けて十四日、午前八時にフロリダ州政府庁舎を訪問。約三十分から一時間間隔で、サンドラ・モルサム内務長官、バディ・マッケイ副知事、ピーター・ルディ・ウォーレンス下院議長、ジム・スコット上院議長、マルサ・ロバーツ農務省副長官、チャールズ・ディソー商務省長官を順次表敬訪問。それぞれ昨年の友好提携調印の際の来県のお礼や二月初旬の冷害のお見舞いを申し上げ、また今後の友好交流の進め方などについて意見交換を行い、さらにこの間、上下両院議場の視察もさせていただきました。午後零時半までの四時間半、一分の休憩もなく、文字どおり寸暇を惜しんでの公式訪問でございました。
 余談でございますが、今アメリカは禁煙が大変厳しゅうございまして、公の建物等、一切禁煙となっております。ヘビースモーカーの私には大変つらい四時間半であったわけでございます。
 バディ・マッケイ副知事を初めとするフロリダ州政府幹部との話し合いの中で、教育、文化、経済交流に関しての意見の一致を幾つか見たのでありますが、特にチャールズ・ディソー商務省長官との間で、関西国際空港・オーランド間の直行便の就航について、互いに今後も努力を続けることで確認し合ったことを特に強調しておきたいと思います。
 遅い昼食の後、午後からは、チャールズ・ランソン国際交流委員会副会長、サリー・バトレソン国際交流委員会次長、西フロリダ大学グレン・グルタルソン博士、フロリダ州立農業機械大学シゲコ・ホンダ講師、同じくジェームス・ノルマン博士ら、国際交流委員会のメンバーと教育交流についての協議に入りました。席上、大学生、高校生の交換留学や西フロリダ大学から和歌山県内企業への留学、交流などが話し合われました。なお、この話し合いの中でフリロダ州側から、今後の交流をさらに深めていくためにそれぞれ委員会を設置してはどうかという提案がなされ、双方で委員会を設置して、本県は国際交流課、フロリダ州政府側は国際交流委員会がそれぞれ窓口になることで一致をいたしました。
 同日夜はフロリダ州政府招待の夕食会が催されまして、テーブルを囲んで今後の交流について話し合い、和やかな雰囲気の中で夜の更けるのも忘れての歓談となり、極めて有意義な一夜となったのであります。
 第六日目の十五日、梅田副知事を初めとする当局側の皆さんは次の訪問地であるメキシコ・シナロア州へと出発され、我々はマイアミへと向かいました。
 十六日、アイアミ市内視察の後、空路約五時間半、ロサンゼルスへと移動いたしました。
 最終日はロサンゼルス市内の見学等を行いましたが、移動の車の中から眺める風景は、四通八達した高速道路、都市部にあっては林立するビル、郊外では緑の間に点在する広々とした個人の住宅群等々、アメリカ合衆国という国の広大さと社会資本の蓄積の豊かさ、奥の深さ、厚みといったものをまざまざと実感いたしました。
 そして九日目、正午発の日本航空六九便にて帰国の途につき、機中泊の後、日本時間十九日午後六時、関西国際空港に無事おり立ったのでございます。なお、梅田副知事と職員の皆さんの一行四人は、友好交流提携の詰めの話し合いのためにさらにメキシコ・シナロア州へと回られ、ベガ・アルバラード知事ら州政府との協議を行い、二十二日、無事帰国されたと聞いております。
 ところで、今回のアメリカ合衆国訪問中、極めて天候に恵まれ、多くの人々との出会いを得、貴重な体験を積ませていただきました。極めて実り多い訪問であり、たくさんの成果を携えて帰ってきましたことをここに謹んでご報告申し上げるものでございます。
 そこで、この際、公式訪問に参加して実感したことどもを踏まえ、国際交流の進展について、以下三点にわたりご質問申し上げます。
 まず第一に、関西国際空港・オーランド間の直行便の就航、そして教育、文化、経済の分野での交流の活発化、友好提携のさらなる進展にどう取り組まれるのか、お示しをいただきたい。
 第二に、今回のメキシコ・シナロア州との交流の話し合いに臨まれ、極めて良好な感触を得られたと聞き及んでおりますが、その結果報告をも踏まえて、このメキシコ・シナロア州との友好提携の進展について、実際今回話し合いの任に当たられた梅田副知事からお答えをいただきたいと思います。
 三点目に、今後、国際交流の最も大事なポイントは人と人との交流であることにかんがみ、フロリダ州への本県職員の常駐派遣について考えてみてはどうか。知事公室長のお考えを聞かせていただきたい。
 次に、景気回復の起爆剤となる公共用地の先行取得についてお尋ねをいたします。
 今、我が国は未曾有の長期不況の中にあります。昨秋、村山内閣が十二兆八千百億円から成る緊急経済対策を発表いたしました。そのとき、専門家の間では当初からその効果のほどについて疑問の声が上がっておりましたが、案の定、一向に景気回復の兆しは見えていないのが現実でございます。
 ところで、この十数年間、我が国経済を引っ張ってきたのは土地と株であることは異論のないところでありましょう。言いかえれば、日本の経済は土地本位制のもとに動いてきたということであります。昭和三十年代に始まった高度経済成長期に土地神話が確立をし、土地こそが一番の資産であるという観念が国じゅうに広まり、最後はバブル経済がその絶頂期であったと言えるのであります。
 バブル経済は、昭和六十二年二月から平成元年七月にかけての超低金利が引き金となって始まったのでありますが、必要以上の超低金利が長く続いたことによって土地などの資産の高騰を呼び、いわゆるバブルが膨らんでしまったのであります。
 確かに、土地取引を活発にすることが景気回復の妙案であることはだれもが認めるところでありますが、現在のような史上最低の超低金利が続けば、またバブル再燃の危険性もはらんでいると言わなければなりません。本来、「土一升金一升」という言葉も生まれるほど国土面積に限りがある我が国にあって、貴重な土地は秩序のある対応の中で取引されなければならないのであります。
 ところで、政府は平成六年秋、公共投資基本計画の見直しを行い、平成七年度を初年度とする十年間に総額六百三十兆円に上る公共投資を行うことを決定いたしました。この公共投資六百三十兆円のうち、用地買収に係る費用が何%占めるのか。本県の場合、一五・五%──これは平成四年から六年度の三年間の平均でございます──東京、大阪など大都市圏で三四・七%であり、仮に平均二五%として百六十兆円規模となるのであります。バブル期に比べて土地価格が極端に値下がりしている現在、この公共投資のかなりの部分を占める用地買収を先行取得すれば、そのインパクトは、景気回復の刺激剤として大きな効果を生むことは間違いなく、他への波及効果もはかり知れないものがあります。今後十年ほどの間に公共事業を実施するための用地をこの二、三年で先行取得するのであります。土地価格が安値を続け、景気が低迷している今こそ、この景気刺激策を大胆に実行すべきときではないでしょうか。
 この時期の公共事業用地先行取得には、幾つものメリットが期待できます。第一に用地取得コストが低く抑制できること、第二に公共事業の大幅な進展が図られること、第三に官民による土地取引の活発化で土地の動産化が促進され、景気の回復の引き金となること等々であります。
 以上、幾つか申し上げましたが、これらの観点に立ってお尋ねをいたします。
 西口知事におかれましては、百三十六項目にわたるプロジェクトを県民に約束され、見事、昨秋の知事選に当選されました。今後何期知事をお務めになられるのか、それは天のみぞ知るところでありますが、県民に約束された百三十六項目のプロジェクトの大部分を仕上げるに当たっては、一部を除き、最低でも十年程度の期間を要すると考えるのが常識であります。
 そこで、今後十年にわたり本県の飛躍発展のために、百三十六項目のプロジェクトをほぼ完成させるために先行取得する必要のある用地として、近畿自動車道、京奈和自動車道、第二阪和国道等の用地、企業誘致のための用地、安価で良質な公営住宅を提供するための住宅建設用地、そしてその他の公共施設等の建設用地などが考えられますが、これらの用地を必要とする事業のうち特に重要なものについてここ二、三年間で用地の先行取得を行い、あわせて景気回復の妙案として実行すべきであると提案申し上げます。知事、いかがでございましょうか。
 第二に、先行取得する窓口としては和歌山県土地開発公社が適当と思われますが、ほかにいい方策があればお示しをいただきたいと思います。
 第三に、これら公共用地の先行取得に当たって発行することになるであろう建設債は、償還途中での金利払いの必要のないゼロクーポン債とする案がいいと考えます。十年分の用地を二、三年で取得するに当たり、少しでも金利負担を抑えるためにもこれが妙案と思いますが、いかがでありましょうか。あとの二つは、それぞれ担当部長にご答弁をいただければ結構でございます。
 第三に、企業の研究開発部門の誘致についてお尋ねをいたします。
 先週三月九日、南紀の人々はもちろん、私たち県民の待望久しい南紀新空港が開港いたしました。これによって東京・南紀白浜間が一時間で結ばれ、搭乗定員も、今までのYS11型機からMD87型ジェット機へと変わったことで倍増したのであります。九日の開港祝賀会の席上で日本エアシステムの船曳社長があいさつでも触れられていたごとく、東京便の増便と福岡線を初めとして国内数都市との間の新路線の開設も極めて近い将来見込まれているところであります。さらに、今月三十日には近畿自動車道広川インターチェンジ・御坊インターチェンジ間が開通する運びとなりました。これまた百八万県民が待ち望んでいたところであり、この区間の開通によって国道四十二号線の水越峠、由良峠という難所と御坊市内の渋滞地というネックを回避することになり、県土の南北幹線が飛躍的に機能を拡大し、その波及効果が今後期待されるところであります。
 このように、南紀への海・陸のアクセス改良が進む中、今後は南紀の発展のための処方せんが求められていると思うのであります。時あたかも今、急速にコンピューターによるインターネットの普及が広まっておりまして、機種によっては五万円台でも対応の機械が手に入る時代となりました。五万円と言えば最近の小中学生でも手の出せる金額であり、一気に今後普及が進むと思われます。企業にありましても、事務処理、情報収集等のコンピューター化が激しい勢いで進んでおりまして、また企業、学校、県や市町村などの公共団体、各種団体、個人などが争ってホームページの開設を始め、今や世界同時にいながらにしてあらゆる情報を手にすることが可能な時代に突入をいたしました。まさにインターネットの普及は都市と農山漁村、東京と地方との格差をなくし、企業のありようも今後大きく変化することは間違いのないところであります。
 ところで、東京や大阪といったごみごみした大都会で、しかも土地代が高く、スペースに大きな制約を受ける中で研究開発に従事する人たちに、いい知恵やアイデアは非常に生まれにくいと私は思います。研究開発に疲れたら大海原に出てヨットを走らせるもよし、釣りに興じるもよし、熊野古道などを散策しながら森林浴をするもよし、また温泉につかったり、ゴルフに興じたり、熊野の歴史文化に浸ったり、英気を養う材料に事欠きません。自然に触れ、リフレッシュした心と体で改めて研究開発に取り組めば、必ず大都市では生まれるはずもない新たな発想やアイデア、知恵がこんこんとわいてくるというものであります。種々の社会的条件が整いつつある今こそ、そして白浜を中心とした南紀の地こそ企業の研究開発部門の立地の最適な場所であると言えると思います。地元市町村との連携の中で、この際県として積極的にその受け皿づくりを進め、企業の研究開発部門の誘致を進めるべきであると思いますが、知事のお考えを聞かせていただきたい。
 最後に第四点目として、町並み整備についてお伺いをいたします。
 三月四日付日本経済新聞に興味のある記事が出ておりました。来年秋に世界都市景観会議を開催する名古屋市を題材にしたものであります。同市は、一九八九年にデザイン都市を宣言、また世界デザイン博覧会を開催いたしました。もともと都市計画の優等生と言われ、市域の六六%を区画整理した名古屋市でございますが、市内五カ所の指定地域の景観整備を進め、一部を除いてほぼ完了したとされております。そのような名古屋市でさえ、歩道の拡幅や電線地中化は大変やりやすいが、沿線の建物や広告物を含めた景観整備は、関係者の同意を必要とする分難しいと聞き及んでおります。
 イタリアの都市フィレンツェのように、屋根は茶褐色、壁は褐色とすべて統一されれば町全体が美術館のようであり、フランスのパリのように、主要な通りに面した建物は高さと壁面色を規制し、統一しているところもあります。またドイツの都市のように、町全体の開発に網をかけ、勝手な開発を一切許さないという例も見られます。
 本来、私権の強い我が国にあっては望むべくもないことでございますが、さりとて無秩序な開発が許されるものではありません。都市にも一定のルールに基づいた秩序と統一性が求められてしかるべきであると私は思います。
 ところで、同じ日経新聞の同一面に、建築家の黒川紀章さんのエッセーも掲載されておりました。「エッフェル塔を建てようとしたとき、芸術家を中心に市民の九八%が反対した。いま壊そうと提案すれば逆に九九%が反対するだろう。パリにふさわしいものとして認められたのだ。 明治期に京都に琵琶湖疎水を作るときも反対があった。しかし、いま、疎水はレンガ建築のローマ式水道橋を含めて京都名所になっているではないか。(中略)あくまで、歴史とはその時代時代の傑作の積み重ねだと思う」と、そのように述べておられます。「私の都市論」というコラム欄の中の一文でございますが、黒川紀章さんの哲学を端的にあらわす言葉と私は受けとめました。
 本県におきましても、数年前にあしべ橋・不老橋の論争がありました。不老橋の景観を壊すという一部の人たちの反対がございましたが、私は、反対論が起こる前に、不老橋の下に朽ち果てた廃船が放置され、ヘドロが堆積しているときに、なぜ景観を守れという運動が起きなかったのかという素朴な疑問を感じます。あしべ橋・不老橋論争を再燃させるのは今回の質問の趣旨ではないのでこの辺で打ち切りますが、黒川紀章さんがおっしゃるように、都市景観というのは、しょせんその時代時代の傑作の積み重ねなのであります。そしてこの考えは、都市景観・町並み整備に関する私の持論でもございます。都市というのは、町というのは、そこに住む人間がいかに快適に、いかに住み心地よく、いかに安全で、いかに充実した生活を送れるかが求められているのだと思います。
 自然と一口に言いますけれども、人間が指一本触れてもならない大自然とは、人間が住まないアマゾン奥地の秘境やガラパゴス諸島、また我が国で言えば東北のブナ林の大原生林と言われる白神山地や屋久杉の原生林のある屋久島など、それこそ人類共通の遺産であり、後世に伝えるものとして開発の手を入れてはならないものなのであります。
 エッフェル塔しかり。琵琶湖疎水しかり。不老橋しかり。あしべ橋、またしかり。それぞれその時代の必要性があってつくられ、後世に歴史的建築物の評価を得、その時代時代の傑作として残っていくのではないでしょうか。繰り返しますが、都市、町というのは人間が住むところであり、人間によって手が加えられ、人間がいかに安全で安心して快適に暮らせるかが求められているのであります。
 こんな逸話を紹介したいと思います。明治維新の三英傑と言われる大久保利通の話であります。
 西郷隆盛、木戸孝允と並んで幕末を演出した男でありますが、この大久保利通が幕末の志士として京洛の町を走り回っていたときの話であります。討幕活動に疲れて一日嵐山に遊ぶ日がありました。そして、あの渡月橋を含む一幅の絵のような光景に心を洗われ、見とれたと言われております。明治維新が成り、新政府の元勲として多忙をきわめる中で、数年後に京都の町を訪れる機会があったそうであります。そのときに思い出の地嵐山に足を運んで、余りにも荒れ果てた風景に愕然として、そのそばにいた土地の古老に、なぜだと聞いたと言われております。その古老は、「あなたは知らないんですか。江戸幕府は、目には見えないけれども、長い間かけて、毎年大きな予算を入れてこの嵐山の景観を守るために手を加えていたんだ。明治維新になって、それがぱったり途絶えたんですよ」という話を聞かされ、大久保利通は、景観というのはほうっておいては決して守れないものなのだ、常に人間の手が加わって初めて都市景観というのは守れるんだということを改めて実感したという逸話でございます。すなわち、人間が心を和ませ美しいと感じる風景も、目に見えないところでの人間による不断の努力が払われ、手が加えられて初めて守られるものであり、少しでも放置すればすぐに景観は荒れ果ててしまうものであるという象徴的な話でございます。
 人間が日常いかに快適な暮らしを送り、生活をエンジョイすることができるか。そのためにいかに都市景観を整えるか。全体の調和を考え、町としての修景に工夫を凝らすか。言いかえれば、人間が眺める町としての景観が、ごちゃごちゃとしたものになるのか、見て心和む風景となるのかであります。
 以上申し上げました観点に立って、以下、数点にわたりお尋ねをいたします。
 第一に、今後どのようなコンセプトで町並み整備、都市景観整備に取り組むおつもりか。また、新年度予算の中で、これら町並み整備、都市景観整備にどれだけの充当をしておられるのか。
 第二に、三年坂通りの町並み整備が着々と進められ、このことを考え続けてきた一人として喜ばしい限りでありますが、今、県民の評価も非常に高いものがあると聞いております。そこで、これをさらに県庁前から築港、岡山丁から大橋間へと延長すべきであると思うが、いかがでございましょうか。
 第三に、都市部における新設道路については、今後すべてキャブシステムあるいは共同溝システム、CCボックスの導入、街路灯のデザイン化、歩道の設置、街路樹の植栽などを義務づけるべきであると思いますが、いかがでございましょうか。
 第四に、県民の皆さんの協力を得て、主要街路に面しているビル、住宅のベランダや外壁等々に四季とりどりの花を植えてもらうための花いっぱい運動を行い、関係方面に働きかけていってはどうか。それぞれ担当部長からお答えをいただきたい。
 以上で、質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
○議長(橋本 進君) ただいまの森正樹君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
 〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 森議員にお答えをいたします。
 まず、国際交流についてであります。
 フロリダ州とは、昨年の十月四日、バディ・マッケイ副知事にご来県をいただきまして、本県との間で姉妹提携の調印をしたわけであります。先月、橋本県議会議長初め馬頭、大江、中村各議員、そしてただいまご質問の森議員にもご参加をいただきまして、梅田副知事を団長に公式答礼訪問団を派遣したところでございます。
 フロリダ州では、バディ・マッケイ副知事初め、州議会上院議長、下院議長など多数の州政府幹部の方々の歓迎を受けて、友好を深めるとともに今後の交流についての協議を行ったと聞いております。大学の専門家も交えた協議におきましては、本県にとって初めての英語圏との交流でありますので、語学の研修生の交換、大学生の企業留学といった教育や文化面での交流、またともに農業、水産業が盛んな土地柄から農業、水産業分野での技術交流や協力、さらに世界的な海洋リゾート地であることから観光面での交流など、さまざまな分野において相互に無理をしない形で交流を実施することで意見の一致を見たということでございます。今後は、相互に発展し、実りのある友好関係をつくっていきたいと考えております。
 また、ご質問の関西国際空港からオーランド間の直行便の就航につきましては、本県とフロリダ州との交流推進のため大変重要なことであると考えております。ただ、日米航空協定など、国レベルあるいは民間企業レベルでの解決しなければならない点も多くございますので、機会を見ながら、実現に向けて国等関係機関に働きかけていきたいと考えております。
 次に、今後十年間の公共事業用地の先行取得についてどうかというご質問であります。
 用地ができればその事業はほとんど完成したに等しいとよく言われるわけであります。それほど用地取得というのは難しいわけでありますけれども、そのために、公共事業推進に係る用地先行取得は事業推進のために極めて大事なことであります。同時に今、一方では、景気回復を図る上でも大きな効果があろうかと認識をしておるところでございます。
 通常、計画決定から用地買収に着手するまでに相当の時間を必要としておりますけれども、今後とも地元市町村と連携を図りながら、用地先行取得を効果的に活用して促進を図ってまいらなければならないと考えております。
 平成八年度は、近畿自動車道紀勢線、それから京奈和自動車道、那智勝浦道路等の道路関連の用地先行を積極的に進めたいと考えておりますが、第二阪和国道についても、用地国債等を活用し、積極的に用地買収を進める予定と関係方面から聞いておるところでございます。また、河川、街路、住宅事業等につきましても、今後効果的に進めてまいりたいと思います。
 用地にかかわる他のご質問については、関係部長から答弁いたします。
 次に、南紀地方への企業誘致の問題であります。
 南紀地方への企業の研究開発部門の誘致につきましては、高速道路の南伸、南紀白浜空港のジェット化等、インフラ整備によって企業立地環境は大きく変わりつつございまして、企業の誘致が期待できる状況が近づいてきたと思うわけであります。
 また、急速に普及しつつあるインターネットなどによる情報網の整備によって国内あるいは世界各地とネットワーク化され、都市部との情報格差は解消されてきておると思いますが、南紀地方への企業の研究開発部門の誘致についても、その条件整備を進めながら、そのことを生かしながら進めていきたいと考えております。
 また一方で、南紀地方は自然環境に恵まれておりまして、文化、史跡、温泉等、研究者の心に安らぎを与える最適な場所でもあろうと思いますので、そういう面の利点もあろうかと思います。
 県といたしましては、今後、関係市町村とともに受け皿づくりを行い、企業の研究開発部門の誘致を積極的に進めていきたいと考えております。
 以上であります。
○議長(橋本 進君) 副知事梅田善彦君。
 〔梅田善彦君、登壇〕
○副知事(梅田善彦君) メキシコ・シナロア州との友好提携の進みぐあいについてお答えを申し上げます。
 メキシコ合衆国シナロア州と本県との関係は、ラバスティーダ・オチョア前シナロア州知事が本県を訪問されて以来、七年にわたる交流を続けてまいったところであります。
 先月、フロリダ州からの帰途、同州を公式訪問させていただきました。シナロア州では、ベガ・アルバラード州知事初め、州政府の経済促進省ロペス・バルガス大臣、ロペス・ポルピロ州知事顧問など州政府の幹部の方々や州内在住の日系人の方々など多くの歓迎をいただきまして友好を深めるとともに、今後の交流についてさまざまな角度から協議をさせていただきました。その結果、シナロア州知事との二月十九日の最終会談では、両県州の交流をさらに発展させるために本年四月または五月にベガ・アルバラード知事にご来県をいただき、本県において友好提携に調印することで同意をいたしました。現在、両県州でその日程を調整中でございます。
 シナロア州はメキシコ合衆国北部に位置してございまして、太平洋に面する農業や漁業、そして観光産業が盛んなリゾート地域として北米各地域との交流の深い州でございます。今後、そういった分野での技術交流、あるいはJETプログラムでの若い人材の人的交流、中南米スペイン語圏との初めての友好提携であることを生かして、スペイン語、日本語の語学交流などとともに、経済界、企業相互の交流をも視野に入れ、両県州相互の友好発展を図っていくべきだと考えております。
 なお、今回のシナロア州訪問協議に際して終始ご協力をいただきました駐メキシコ寺田大使初め、私ども公式訪問団を心から歓迎いただき、お力添えを賜りましたメキシコ和歌山県人会、そしてシナロア州に在住の日系人会の皆様にも心から感謝の意を表し、報告と答弁とさせていただきます。
 以上であります。
○議長(橋本 進君) 知事公室長野見典展君。
 〔野見典展君、登壇〕
○知事公室長(野見典展君) 森議員ご質問の二点についてお答えをいたします。
 まず国際交流について、友好交流の進展のために本県職員をフロリダ州に常駐してはどうかとのご質問であります。
 フロリダ州との相互理解を推進し友好を深めるためにも、また本県の国際化を推進できる人材育成のためにも、人の交流は重要なポイントだと考えてございます。
 議員ご提言の県職員のフロリダ州常駐につきましては、フロリダ州とは昨年十月四日に姉妹提携を締結したばかりでありまして、語学や技術の分野を中心とした研修生、留学生の交流などを含め、交流を推進する課題の一つとしてフロリダ州政府と協議を行いながら進めてまいります。
 次に、町並みを花で飾るため、県民に花いっぱい運動を働きかけてはどうかとのご質問でございます。
 県では、これまで全県下を対象に、財団法人日本花いっぱい協会等の支援を受けながら花いっぱいコンクールを実施するとともに、個性のある町づくりを進めるため、県民運動として花いっぱい運動を展開してまいりました。
 平成八年度からは、新しい県民運動のあり方を求めて新県民運動基本大綱を策定することとしてございますので、この中で、議員お話しの町並みの景観づくりや都市景観の整備といった新しい視点を持ちながら関係機関とも十分協議するとともに、県民の皆様方のご協力を得るべく、その内容について検討してまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○議長(橋本 進君) 土木部長山根一男君。
 〔山根一男君、登壇〕
○土木部長(山根一男君) 森議員にお答えいたします。
 まず、公共用地の先行取得についてのご質問についてでございます。
 県といたしましては、従来から重要な国道、府県間道路、街路事業などについては、県の土地開発公社を活用し、用地先行取得を行ってきたところでございます。公共事業に係る用地先行取得につきましては、事業主体の確定していない場合、具体的な対応等、種々の問題も生じますが、事業を促進していくためには、いろいろな手法を駆使しながら用地をできるだけ先行取得していくことが非常に重要なことであると考えております。
 なお、用地取得の促進につきましては、このほか高規格幹線道路等について、関係土木事務所内に担当事務所を設置し、地元市町村と連携をとりながら用地買収を行うなど、事業の促進を図っているところでございます。今後も事業の進捗を図るため、状況などを勘案しながら、土地開発公社の活用や公共用地の先行取得に積極的に取り組んでまいります。
 次に、町並み整備についてのご質問三点についてでございます。
 町並み整備の一点目につきましては、潤いのある生活環境をつくり出すとともに、観光・リゾート立県を目指すためにも景観の向上に積極的に取り組むこととしております。このため、景観づくりの基本的な方法論について検討を行うとともに、地域の特性を勘案し、電線類の地中化、潤いのある道路整備などを進めてまいります。また地方部においても、歴史や文化などを生かすため、景観の向上を図ることとしております。
 平成八年度は、和歌山市の和歌山港線や白浜町の浜通などで電線類の地中化を進めるとともに、田辺市の都市計画道路駅前扇ケ浜線で、商店街の再整備にあわせ、歩道のグレードアップやストリートファーニチャーの設置などにより駅前にふさわしい景観再整備を進めますし、中辺路町の歴史国道や那智勝浦町の観光ふれあい道路の整備などを行います。
 また、ソフト面としては、和歌山県らしい魅力ある県土づくりを推進するため、新たな施策として輝のくに景観づくり調査を行い、景観条例の制定等について検討を進めるとともに、引き続きふるさと建築景観賞などにより県民に関心を寄せていただく施策を進めてまいりたいと考えております。
 二点目の三年坂通りの景観整備につきましては、おかげさまで美術館、博物館にマッチしたものとして完成し、好評をいただいております。引き続き県庁前から築地橋の間について、平成八年度から電線類の地中化にあわせて、同様の街路灯、歩道のグレードアップを行うこととしております。
 なお、岡山丁から大橋間及び築地橋から築港間につきましては、今後検討してまいりたいと考えております。
 三点目につきましては、都市部における幹線道路の整備に当たって、都市景観の向上の観点からも、電線類の地中化、街路灯などのグレードアップ、ゆったりとした広幅員歩道の設置や街路樹等の緑化を進めております。これらの電線類の地中化などには、電力・通信需要密度や土地利用状況などの地域特性との整合を図りながら、今後とも景観の向上に向けて積極的に取り組んでまいります。
 以上でございます。
○議長(橋本 進君) 総務部長木村良樹君。
 〔木村良樹君、登壇〕
○総務部長(木村良樹君) 公共用地の先行取得に当たり発行する建設債をゼロクーポン債、いわゆる割引債としてはどうかというご質問でございます。
 割引債には、ご指摘のとおり当面の利払いが軽減できるというメリットがございまして、現在、我が国で発行されている割引債は、利息相当分に租税特別措置法により優遇措置が認められている割引国債と割引金融債の二種類のみということになっております。地方公共団体や土地開発公社等が割引債を発行することにつきましては、他団体で検討された経緯もございますけれども、税制上の手当て等さまざまな問題もあり、直ちにということはなかなか難しいというふうに考えているところでございます。
 しかしながら、公共用地の先行取得というのは大変重要なことでございますので、議員ご提言の趣旨も踏まえ、財源のあり方について真剣に検討を進めてまいりたいと考えております。
○議長(橋本 進君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 35番森 正樹君。
○森 正樹君 時間が限られておりますので、二、三点質問を申し上げます。
 まず国際交流についてでありますが、私は、友好交流のキーワードは人間だと思います。物や情報の交換も大事でありますが、やはり最後は、人と人が行き会い、話をし、互いに相手を理解するところからすべてが始まる、本当の交流が始まると、そのように思います。
 文化も環境も歴史も宗教も、ありとあらゆるものが違う民族同士が交流をするわけですから、いろいろと難しいことがあり、その間の溝というのは深いものがあると思います。しかし、その溝を埋めて近づくためにこそ人間と人間の交流があるんであって、そういう意味で、どうしても役人の皆さんは他との兼ね合いとかという物の言い方、考え方をしますが、フロリダ州への常駐派遣を早い段階で考えていただきたい。その人がキーパーソンとなって交流というのが広まっていくんだというふうに私は思います。
 近いところから例を申し上げますと、今回のメキシコ・シナロア州との交流については、当初、知事がかわったことで大変難しいんではないかという憶測がありました。しかしながら、副知事が団長として乗り込まれて、聞くところによると当初は十分しか会えないと向こうは言っていたそうですが、実際には約一時間いろいろなことを話し合うことができた。やはり当たって砕けろでありまして、人と人がそうやって交流をすることによって話というのは前に進みますし、深まっていくわけであります。したがって、前例がないとかということではなくて、このフロリダ州との交流については人がキーになるんだということで、どうかひとつ常駐派遣を早い段階で考えていただきたい。
 それから、オーランドと関空との間の直行便の問題でありますが、これは、日米航空協定の問題があり、今交渉が途絶しておりますし、以遠権の問題等々、難しい問題がいろいろあるということはよくわかっております。しかしながら、今回訪問させていただいて痛切に感じましたのは、カリフォルニア州には日本人が大変たくさん行っており、至るところで日本人に出会いましたが、マイアミまで参ると非常に少ないんです。余り会うことがない。それがいいのか悪いのかは別といたしまして、少なくとも和歌山県とフロリダ州がこれから友好交流をするわけですから、その一つのパイプとなるものはやはり直行便だと思うんです。そういう意味で、これから県選出国会議員の皆さんのお力もおかりしながら航空交渉の中でこれを議題に上げていただいて、ぜひとも進めていきたい。我々も最大限の努力をしたいと思っております。今、貨物便の話し合いが行われており、その後にいわゆる旅客便の話になるそうでありますが、ぜひともその中で関空・オーランド間の直行便の話が議題として上がるように、我々も努力しますので、知事初め皆さんもぜひご努力を賜りたいと思います。
 それから公共用地の先行取得の件でありますが、割引債の件は一つの提案として申し上げたわけであります。しかしながら、前例がないとかそんなことではなくて──例えばかつて神戸市が、ポートアイランドの建設のために、昭和四十一年からですが、外債の発行を希望したことがあります。その当時、戦後の外債発行というのは東京都に限られておりました。これは長たらしい名前の政令等がございますが、もう申し上げません。その中の定めがあって、東京都しか認められていなかった。その中で、神戸市の強い希望で昭和四十三年五月にこの政令が改められ、第二号として正式に認められてマルク債を発行したという事実がございます。これを一つの契機にして、その後、横浜市や大阪府・市、最近の例では関西国際空港に絡む関連施設の整備のために大阪府・市が発行した例がございます。そのように、壁というのは突き破ったら可能性が広がるわけでありまして、当時は東京都しかだめだと言われていたわけですが、その中で神戸市が強い希望と働きかけによって見事にこれを実現させたわけです。同じように、この和歌山県が今後二十一世紀に向かって飛躍発展するためにも、公共用地の先行取得というのが非常に大事だと思います。片一方で景気回復という効果が期待されますし、ほかにもいろんなメリットがあります。そのためにやるんだという前提の上でゼロクーポン債なり──和歌山で外債を発行したっていいと思うんです。戦後神戸が希望し、その熱意によって実現して発行されたような外債が実に多くあります。まさにユーロダラー債まで含めていろんなものがありますが、私は、和歌山県が外債を発行したっていいと思うんです。そういう、やるんだという前提に立って努力していただくことをぜひともお願いしたい。
 自治省の財政局地方債課の末宗さんという課長補佐──総務部長はよくご存じだと思います──がおっしゃっている文章があります。「用地交渉に時間がかかるケースが多いこと、ミニ開発、乱開発された土地は現状回復が困難であり、計画的なまちづくりに必要な用地を確保する必要があること、地価が沈静化していることは先行取得の好機ともいえることなどから、地価が沈静化している局面においても、地方公共団体としても積極的に公共用地の先行取得に努めることが望まれる」と、自治省の幹部がそのようにはっきりおっしゃっております。しかも、平成三年度には要件の緩和、対象拡大等が行われました。一般用地の先行取得について、事業化までの期間を五年度以内とされておりましたが、十年度というふうに延ばされましたし、さらに平成四年度には対象拡大や利子負担軽減措置が図られました。平成五年度にも利子負担軽減措置が図られております。このように、公共用地の先行取得に当たってはいろんなそういう条件面で整備されてきつつあるわけですから、そうした意味で、今後十年分の公共用地先行取得をこの二、三年でやるんだ、それによって和歌山県の経済の活性化を図るんだ、それが二十一世紀の和歌山の発展につながるんだと、そうした観点でぜひとも取り組んでいただきたい。
 すべて要望でございます。ありがとうございました。
○議長(橋本 進君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で森正樹君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
○議長(橋本 進君) この際、暫時休憩いたします。
 午後零時五分休憩
 ─────────────────────
 午後一時四分再開
○議長(橋本 進君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
○議長(橋本 進君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 27番東山昭久君。
 〔東山昭久君、登壇〕(拍手)
○東山昭久君 議長のお許しをいただきましたので、通告に従って一般質問をいたします。
 まず、平成八年度予算編成に関してお尋ねいたします。
 地方分権が叫ばれ、地方の時代と言われながらも、地方財政は政府の地方財政計画に大きく依存しているのが現状であります。したがって、県予算編成に当たっては、この地方財政計画の主要施策の特徴を積極的に活用することが必要となります。政府の平成八年度地方財政の規模は八十五兆二千八百億円で対前年度伸び率三・四%であり、厳しい財政状況の中で災害に強い安全で安心な町づくりの推進、新しいふるさとづくり事業、地域経済に自治体が積極的に乗り出すこと、さらに農林水産地域の活性化を初め、福祉、環境、国際化、情報化、文化、スポーツ等を推進することが主要施策となっています。
 本議会に提案されている平成八年度県予算案は西口知事にとって初めての予算編成であり、百三十六の提言をどう具体化し、西口県政のカラーをどう出されるかが注目されたのであります。県税収入の減少など財政状況は極めて厳しい中で、一般会計予算総額五千五百四十四億円で、対前年度伸び率二%増、県単独事業の伸び率一七・一%増となっています。和歌山新時代の創造のため、飛躍への基盤づくり、明るい社会づくり、活力ある産業づくり、快適な暮らしづくり、心豊かな人づくりの五つの政策目標を掲げられ、県単独事業を大きく伸ばす投資重点型の積極予算となっています。しかも、西口知事自身が県内をくまなく回られ、地域住民の要望に一つでも多くこたえられようとして新規事業も数多く企画されております。
 私は、政治の原点は、光の当たらない、いわゆる弱者にいかに日の当たるようにするかにあると考えます。西口知事は、昨年の初登庁された日に幹部を前にして、「選挙を通じて多くの人に直接会い、大きく考えが変わった。今は、弱者や少数派と言われる人たちにこそ日の当たる行政をしなければならないと考えている」と述べられています。知事の政治姿勢に、私も全く同感であります。その立場から、障害者を含む福祉対策の充実、漁師の要求に機敏にこたえた、人工衛星から海面の水温分布を受信し漁業者に提供するシステムの導入、女性の行政への参加の促進など、各方面に配慮した予算編成になっております。
 私どもは、予算編成に当たり、県民生活向上と県民福祉の充実のために四十四項目の予算要望をしてきたところです。ご回答をいただき、すべてとはいきませんが、ほとんどの要求について取り入れられており、十分とは言えませんけれども、県予算案を評価するものであります。
 そこで、西口知事が描かれる二十一世紀の和歌山の姿はどういうものであるのか改めてご説明を求めるとともに、予算案の特徴についてお尋ねしたいと存じます。
 次に、二点にわたりご意見を伺いたいと存じます。
 第一点目は、住宅地震災害共済保険制度の創設についてであります。
 さきの予算要望の中で、災害に強い安全な町づくりの推進のために、県の防災基本計画の抜本的な見直しなど、防災全般にわたる強化のための財政措置を図られるよう強く要望してまいりました。予算案では防災対策の強化のための諸施策で予算措置をされており、防災体制の強化が一歩前進したと評価するものであります。
 さて、昨年の阪神・淡路大震災は未曾有の大被害をもたらしました。一瞬のうちに多くの人命を奪い、二十万棟の住宅の倒壊、焼失によって四十万余世帯の人々が住居を失いました。その後の被災者の調査によると、一、持ち家を被災した高齢者の多くが住宅再建資金を調達する力を持たないこと、二、持ち家の若年層にも被災家屋の多額の住宅ローンが残り、再建までの余力を持たない人が多いこと、三、民間借家の所有者にも再建能力を持たない人が多いことなど、住宅再建に大きな問題を残していることが明らかになっています。住宅を失っても、現行法制度のもとでは、政府の言う個人補償はできないとして、住まいの再建には財政は支出できないとなっており、現行法での限界が明らかになっています。
 兵庫県では、阪神・淡路大震災の経験と教訓から、すべての地域住民が安心して暮らせることを願って、たとえ地震被害に遭っても速やかに復興を促進できる国民的相互扶助システムを構築することとして、新しい地震共済保険制度の創設を提案しています。県におかれても、住宅地震共済保険制度について具体的検討を進め、創設を図られるよう求めるものであります。知事のご見解をお伺いいたします。
 二点目は、県職員の受験資格から国籍条項の撤廃についてお尋ねします。
 二十一世紀を目の前にして、国際化の時代を迎えています。知事も、本会議での議案説明演説の中で、「世界に目を向ければ、東西冷戦構造の崩壊による緊張緩和や交通・情報通信網の著しい発展などにより、経済面だけでなく社会・政治面においても国と国との距離は縮小され、ボーダーレス化が一層加速しています。そうした中で、国際間の相互依存関係や連携の必要性はますます高まり、地球時代にふさわしい新しい国際秩序の形成が求められています」と、国境を越えての国際連帯、共生の考え方を明らかにされました。私も同感であります。
 一つの例えで恐縮ですけれども、日本の国技である財団法人日本相撲協会は、法人化七十年を過ぎ、封建制度から抜け出し、相当の部分で民主化されてきています。伝統という名で残されたものもまだたくさんありますが、近代化され、国際化も大きな変化であります。土俵の上でハワイ生まれの横綱曙や大関武蔵丸の大きな体がひときわ目立つのも、相撲界の国際化を象徴していると言えます。例えが適当かどうかは別にして、すべての面で国際化は着実に進んでいる現実にあります。
 橋本大二郎高知県知事は、九六年度の一般事務職など県職員採用試験の受験資格から国籍条項を撤廃する方針を打ち出しました。橋本知事は昨年の年頭所感で、「戦後五十年の節目の年に、在日韓国、朝鮮人の方々の公務員の門戸開放を真剣に考えることは、現在に生きている者の使命ではないか」と主張され、そして昨年十一月の知事選挙で国籍条項の撤廃を公約に掲げて再選されて、今回の決断をされたのであります。橋本知事の勇気ある決断に心から拍手を送りたいと思います。
 地方公務員法には、地方公務員に外国人を採用することを禁止する規定はありません。したがって、自治体の判断にゆだねられています。自治省の見解は、公務員に関する当然の法理として、公権力の行使、国家の意思形成への参画に携わる公務員には日本国籍を必要とする者と解すべきとの五三年の内閣法制局見解を根拠にかたくなな態度であり、国際化、地方分権の流れに逆行するものであります。現在、日本に永住する外国人は六十万人を超えており、和歌山県の平成六年度末の住民基本台帳によると、外国人登録者数は六千百九十人、在留資格外国人登録者数は四千二百九人で、県人口比○・三八%であります。国際化の今日の情勢を踏まえて、知事の思い切った決断で県職員の受験資格から国籍条項を撤廃されることを強く求め、知事の英断を求めるものであります。
 次に、住友金属西防波堤沖埋め立て問題について質問いたします。
 昨年十二月二十五日に、西防波堤沖埋立地利用計画検討委員会は第三工区の利用計画について最終見解をまとめ、知事への答申を行いました。私どもは、党内にLNG住金沖出し問題プロジェクトチームを設置して今日まで検討を続けてきました。一昨年の検討委員会の中間報告に対しても、中間報告を容認する立場を明らかにし、制度的な手続の問題、埋立地の経緯に照らした公害、環境問題への対応、地域住民との合意など多くの課題を残しており、これから本格的な対応が求められる、そのためにも多くの県民と地域住民の理解と支持を深め、県民プロジェクトとするため、情報公開という今日の情勢に沿って委員会の公開性が必要であるとの見解を明らかにしてきました。
 私は、去る一月十六日に住友金属の好意によって西防埋立地を視察する機会を得ました。担当者の説明を聞きながら、百七十六ヘクタールもの広大な埋立地の現状と第二工区での関西電力株式会社による環境影響調査、地質調査が実施されている状況を見学する貴重な経験をすることができました。埋め立てはほぼ完了しており、八月の完成に向けて最終整地作業が進められていました。また、久しぶりに住金の構内に入って一番感じたことは、構内が随分きれいになっていることでした。粗鋼の生産量が三分の一に落ちたとはいえ、環境公害対策が着実に進んでいることを実感いたしました。
 さて本題に戻りますが、検討委員会の報告書によると、「三工区については公共利用を目的とするものであり、速やかな活用を図る観点からも、具体化に向けた作業を円滑に進めていくために出来るだけ早い時期に利用計画を特定することが望ましいと判断した」として、多目的公共埠頭十一ヘクタール、環境・保健中核研究施設三ヘクタール、緑地公園十六ヘクタール、道路護岸敷五ヘクタール、合計三十五ヘクタールを整備すべきであるとの委員会の最終答申がなされました。
 知事は、委員会答申を受け、「利用方針である公共利用に合致するもので、県は関係省庁、地元和歌山市などと連携を図り、利用計画の実現に向けてさらに検討、努力したい」との歓迎のコメントを発表されました。また尾崎和歌山市長は、「本市発展の上からも実現したい内容と思っている。今後、諸条件の整備もあわせて積極的に県と協議しながら推進したい」と、実現に向けて努力することを明らかにされています。
 私も、今回の委員会報告について、評価できる内容であり、推進すべきであると考えています。多目的公共埠頭は和歌山下津港の物流機能整備の大きな柱であり、環境・保健中核研究施設、環境、保健行政の充実にとっての緑地公園は、自然と触れ合う生活の空間として今日の情勢、県民のニーズにこたえた答申であると考えます。特にテクノスーパーライナーの母港化は、埋立地の立地条件を生かしたものであり、近畿の港湾物流の一翼を担う、和歌山県産業、経済の活性化につながるものであると思います。
 そこで知事に、委員会答申に対する所見とその実現に向けての具体的進め方、その実現への決意を伺いたいと存じます。
 第二工区の利用計画は、委員会の中間報告に基づいて、現在、関西電力株式会社によってLNG火力発電所の立地に向けて環境影響調査が実施されています。
 私は、エネルギー政策として省エネと熱効率のアップを図り、太陽光発電や省エネルギー住宅開発、クリーンエネルギーの開発などに転換すべきであると考えています。LNGについては、原子力の代替エネルギーとして石炭、石油等の公害負荷の多いものよりも促進すべきであるとの考えを持っています。したがって、原則的には公益的事業として西防埋立地へのLNGの立地については頭から否定するものではありません。しかし、地盤等の関係から安全性はどうか、公害はどうか、多奈川や海南の火力発電所の複合汚染はどうか、温排水の量や温度差、海流等による拡散と影響はどうか、輸送における安全性は確保されるのか等、慎重かつきめ細かな調査が必要であります。
 新聞報道によると、関西電力株式会社は最深二百メートルのボーリングでの活断層の探査や液状化対策実験等が実施されているとなっており、住民の不安にこたえようと努力がなされているとうかがい知れます。このことは評価されますが、調査結果は環境影響調査とともにすべて公開されるべきであると思います。
 西口知事は、開かれた県政をうたわれ、地域住民の声を直接聞くことの重要性を主張されています。県勢発展のためにも、県民、住民の町づくりへの参加が重要であります。西防波堤沖埋立地利用計画検討委員会は、六回すべて非公開で行われてきました。第二工区の土地利用についての検討は徹底して情報を公開し、県民、地域住民の声を十分聞きながら最終判断されるべきと考えます。知事のご見解を伺うものであります。
 次に、西防埋立地と幹線道路を結ぶ交通アクセスについてお尋ねします。
 埋立地の利用を実効あるものにするため、物流機能の強化のためには海上の施設だけではなく、輸送手段である道路の整備が不可欠であります。委員会答申でも、「埋立地から(中略)紀ノ川河口大橋への接続を含めて、最優先で整備を進めるべきである。(中略)多目的公共ふ頭の高速大量輸送機能を十分に発揮せしめるには、高速道路もしくはこれに準ずる道路と直結することが必要であると考えるので、課題として行政当局で検討を図られたい」と指摘されています。これは大変重要な指摘であり、重点的に取り組んでいただきたいと思うのであります。
 そこで、埋立地への交通アクセスと和歌山下津港の将来の交通体系構想について土木部長のご答弁を求めます。
 運輸省は、平成二年度において全国六つのモデル地区でサテライト型物流拠点整備に関する調査を行っています。和歌山市もその一つに参加しており、平成三年三月に和歌山市におけるサテライト型物流拠点整備推進調査委員会の報告書が出され、和歌山県からも当時の川端企画部長と天谷商工労働部長が委員として参加されています。
 報告書によると、当県は鉄鋼業等が主要産業であるが、今後、先端技術産業を中心に企業立地が進むものと期待されている。また、交通基盤としての関西国際空港や高速道路網の展開が予定されているほか、和歌山下津港について内外貿易機能の強化を図ることとされていることから、将来、近畿圏の物流機能を補完する役割を担う可能性がある。そして、加工組み立て型工業の配送施設のほか、空港関連物資に対応した国際物流施設等の機能を有する拠点として、関連都市施設を含めて四十五から六十五ヘクタールを想定している。進出意向は、物流企業九十九社、荷主企業三十九社となっています。
 この和歌山市におけるサテライト型物流拠点構想の進捗状況と今後の展開について企画部長にお尋ねします。
 和歌山県は海に囲まれた海洋県であり、二十一世紀に向けて和歌山県発展にとってのかぎは海洋をいかに活用するか、とりわけ港湾の整備と交通網の整備にあると思います。これまでも、港湾の整備推進と利用促進について多くの提言がなされてきました。和歌山下津港は、大阪湾に出入りする船舶の主要な航路となっており、その入り口に位置します。しかも、西防埋立地は水深も十分あり、大型岸壁として極めて有利な立地条件を備えています。近畿の玄関口に当たり、近畿の港湾物流を担う重要な位置にあります。さらに、関西国際空港の全体構想の前進、湾岸道路構想、第二国土軸の京奈和自動車道路、紀淡連絡道路の実現に向けて着実に前進している今日、その関連においても重要な位置にあると考えます。当然、埋立地と幹線道路、高速道路を結ぶ交通アクセスの整備が不可欠であります。
 和歌山県のトラックターミナルの現況は、平成六年三月現在、一般トラックターミナルはなく、各企業専用ターミナルのみであり、十企業延べ二十一カ所、敷地面積八万九千二十三平米、百五十三バースであります。埋立地の第二工区の利用計画については継続して委員会で検討が続けられており、委員会の最終答申を受けて県としての決定がなされると思いますが、私はLNG火力発電所の誘致よりも、和歌山県の将来にとって本格的な物流基地の方が県産業、県経済の活性化につながると考えるのであります。埋立地の港湾物流基地と陸上物流基地が結合した巨大海陸物流基地構想を、サテライト型物流拠点構想との関連において提案したいのであります。
 知事は、一月九日の年頭の記者会見で、大阪湾の入り口に位置する紀伊水道両岸を新たな物流の拠点にしていきたいと、ベイフロンティア構想を明らかにされています。その関連においても前向きに検討されることをお願いして、知事のご答弁を求めたいと存じます。
 最後に、テクノスーパーライナーの誘致についてお尋ねします。
 テクノスーパーライナーは、速力五十ノット(時速九十三キロメートル)、貨物積載重量千トン(二十トントラック五十台分)、航続距離五百海里(約九百三十キロメートル)以上で、荒れた海でも航行できる外洋型の新型超高速貨物船で海の新幹線と言われ、平成元年度から六カ年計画で研究が進められてきました。平成六年度に実海域模型船「飛翔」、「疾風」の二隻によって実海域試験が終了し、基礎的技術の研究の面でも目標が達成されたと言われています。平成八年度の政府予算でもTSL事業化支援のための総合調査として八千四百万円計上されて実用化に向け大きく前進しており、実用化が待たれるところであります。和歌山県においても、平成四年度から三カ年計画でTSLの導入を核とした近畿南部の物流拠点を形成するとして、ICT(国際複合輸送)拠点整備調査が実施されてきました。平成八年度予算でもTSL誘致促進のため一千四百八十一万五千円が計上されており、誘致促進の調査検討が進められていると思います。
 そこで、国際複合輸送拠点整備調査の今日までの経過と成果、さらにTSL誘致に向けての今後の課題について企画部長にご答弁を求め、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○議長(橋本 進君) ただいまの東山昭久君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
 〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 東山議員にお答えをいたします。
 まず、和歌山新時代の姿と予算案の特徴ということについてであります。
 和歌山新時代の姿ということで二十一世紀を思い描きますと、二十一世紀はまず高速交通網の発達や情報通信網の整備によりまして世界各地との距離が短縮され、人や物の流れが格段に広がる大交流時代だと考えております。また、二十一世紀は心の豊かさを満たすゆとりある生活が求められる時代でもございます。
 こうした中で和歌山県は、太平洋新国土軸を初めとする高速交通網が整備され、また関西国際空港に非常に近いこと、あるいは海、山、川の美しい自然、さらに高野、熊野の歴史文化が大きな魅力となっております。アジア太平洋地域を初めとする世界各地と多様な交流が展開されるネットワークの拠点となると考えております。
 私は、こうした二十一世紀の実現に向けて、物流、情報産業といった新しい産業立地、リゾートによる地域振興、世界との交流による新しい文化の創造、生きがいを持って暮らすことができる長寿社会の形成、障害のある方や外国人にも住みやすい環境の整備、そしてこれらを支える基盤づくりを進めまして、住む人、訪れる人、だれもがゆとりと充実を実感できる和歌山県を築き上げたいと考えてございます。
 次に、八年度予算の特徴についてでございます。
 先ほど堀本議員にもお答えをいたしましたが、県税収入の減少など財政状況は極めて厳しい状況の中でございます。しかし、和歌山新時代の創造に向かって、五つの政策目標を柱に投資重点型の積極予算を編成したところでございます。
 個別の主な重点としては、投資的経費のうち、県単独事業の積極的な拡大、私が常に申し上げているところでありますけれども、市町村、各地域の発展なくして県全体の発展はあり得ないという考え方のもとに、二十一世紀ふるさとづくり等地域振興施策の充実、ベイフロンティア地域構想調査等の広域的な連係による本県の振興、単独事業の積極的活用による交通ネットワークの整備促進、障害者、高齢者、子供を対象とする福祉対策の充実、わかやま女性一○○人委員会の設置等の女性施策の推進、産業情報センターの新設や中小企業融資制度の充実等産業の活性化、建設中の多目的ホールや県立医大の建設推進のほか、総合健康・福祉棟の新規着工等、各種施設整備の計画的推進、観光フェスタ96和歌山の開催等の大規模イベントの実施、推進など、二十一世紀に向けての県の大いなる飛躍に結びつけていくために多岐にわたる事業を盛り込んだところでございます。こうした事業の推進に当たりましては、県民の皆さん一人一人が参加、協力をいただくことが必要であるとの認識のもとに、開かれた県政を推進し、県民の皆さんの期待と信頼にこたえてまいりたいと考えております。
 次に、住宅地震災害共済保険制度についてであります。
 これは、平成七年十月に全国知事会において兵庫県から説明されております。また、近畿ブロック知事会及び近畿二府六県議会議長会においても、国に対し住宅補償システムの確立の検討をするよう要望を行っているところでございます。また、これとは別に「日本を地震から守る国会議員の会」でも保険制度を議員立法で成立させようという動きもございまして、次第に議論が活発化しているところでございます。今後、本県といたしましては、これらの動向を踏まえながら積極的に対応してまいりたいと思っております。
 次に、県職員の受験資格から国籍条項の撤廃というご質問であります。
 国籍条項を撤廃してはどうかということについては、議員ご指摘のように、国際化、地方分権を視野に入れて検討すべき課題であろうと認識をしております。しかし、地方公共団体にとりましては、なお幾つかの課題もございますので、諸般の状況を勘案しながら検討していきたいと思っております。
 なお、ご承知のことだと思いますけれども、既に本県では県職員の採用に当たりましては、保健婦、助産婦、看護婦など十八の職種については国籍条項の適用外としているところであります。
 次に、住友金属の検討委員会に対する所見であります。
 昨年十二月にいただいた西防波堤沖埋立地三工区利用計画についての検討委員会報告に対する所見については、その際にコメントを出して申し上げておるところでありますが、公共利用の方針に合致するとともに、環境保全に十分配慮された内容となっておると思っております。今後は、各施設計画案について、具体化に向けた詳細検討、関係機関との協議等の事務を進めまして、港湾計画の改定を待って速やかな事業化を図るべく積極的に取り組んでいきたいと決意をいたしております。
 さらに、二工区の利用計画検討の情報公開についてであります。
 二工区の土地利用計画検討は徹底した情報公開をということでございますが、西防波堤沖埋立地利用計画検討委員会の会議を非公開とすることについては、平成六年五月に設置した際に忌憚のない活発なご意見、議論を交わしたいとの委員会の総意により決定されたところでございます。しかしながら、県民の皆さん方に対する情報の公開は公正な県政運営の要諦と心得ておりますので、議員ご指摘のご趣旨を踏まえて、できるだけ議論の内容が具体的にわかるような形で会議結果の発表が行われるように、私としても十分配慮してまいりたいと考えております。
 なお、事業者が行った諸調査の結果、特に環境への影響あるいは安全性に対する信頼にかかわる情報等はすべて公開されるものと思っております。
 最後に、西防埋立地の構想についてであります。
 西防埋立地の巨大海陸物流基地構想についてでございますけれども、議員ご提言のように、広域的な物流拠点は県内の産業や経済の活性化に大きく貢献するものと考えております。二十一世紀初頭には、本県の北部地域は太平洋新国土軸あるいは大阪湾環状道路、並びに関西国際空港やテクノスーパーライナー基地等によりまして、陸・海・空の交通の一大結節点上に位置するものとなります。
 県では、この交通結節点が有するポテンシャルを積極的に生かして広域的な物流拠点の形成を図るべく、今懸命に取り組んでいるところでございます。具体的には、京阪神及び太平洋新国土軸の陸上物流を核とし、それと西防埋立地を含む和歌山下津港からの港湾物流、並びに関西国際空港からの航空物流とを連係した、近畿南部地域を代表する広域物流拠点の形成を目指しているところであります。この広域的な物流拠点の整備は、今後の県勢の飛躍的な発展を期す上で極めて重要であると認識しております。ベイフロンティア構想をも視野に入れて積極的に取り組んでまいりたいと思います。
 西防埋立地の利用計画については、議員からご提言をいただきましたが、現在、西防波堤沖埋立地利用計画検討委員会に検討をお願いしておりまして、議員ご承知のように、平成六年十一月の中間報告において検討委員会として適当と考えられる利用計画案が示されたところでございます。県といたしましては、その際指示された調査検討事項に係る調査結果を受けて、検討委員会でのご審議、答申を待ちたいと考えております。
 以上であります。
○議長(橋本 進君) 土木部長山根一男君。
 〔山根一男君、登壇〕
○土木部長(山根一男君) 東山議員にお答えいたします。
 西防波堤沖埋立地への交通アクセスについてでございます。
 議員ご指摘のとおり、西防波堤沖埋立地の利活用のためには、西防波堤沖埋立地から背後の幹線道路への接続が重要な課題であると認識しているところでございます。このため、現港湾計画に位置づけられている臨港道路紀の川右岸線をできるだけ早期に整備する必要があると考えております。
 なお、紀の川河口大橋と臨港道路紀の川右岸線の接続については、ルート案を検討しているところであり、ルート案を決定後、地元の理解を得て事業化を図ってまいりたいと考えております。
 また、和歌山下津港の将来の交通体系については、港湾機能の拡充とあわせて、本港区及び北港区と周辺地域を結ぶ臨港道路のネットワークや京奈和自動車道等へのアクセスについて検討を行っているところでございます。
 以上でございます。
○議長(橋本 進君) 企画部長藤谷茂樹君。
 〔藤谷茂樹君、登壇〕
○企画部長(藤谷茂樹君) 東山議員にお答え申し上げます。
 平成二年度に運輸省、県、和歌山市、トラック協会が共同で実施いたしましたサテライト型物流拠点整備推進調査は、大都市圏における地価高騰、交通混雑の状況を背景に、物流拠点を大都市周辺に配置することにより、物流の効率化、整流化を図るべく、その立地可能性を検討したものでございます。
 この構想の実現化を図るためには、運送業、倉庫業、荷主の物流関係者のコンセンサスが確立されること、高速道路等の交通結節点に五十ヘクタール程度の適地が得られること、十分な物流ニーズがあること等々の条件が整備される必要がありますが、現状では遺憾ながら和歌山市内においてこれらの条件を満たす状況にはございません。その後、県、和歌山市、和歌山陸運支局、トラック協会といった関係者でこのことについての検討会を持ちましたが、今申し上げたような現状認識で一致し、この構想に限っては当面は実現可能性に乏しいとの共通理解で今日に至っております。物流政策は本県の将来にとって重要な課題であると認識しておりますので、今後も関係者による情報、意見交換の機会を持ちながら、物流拠点整備のあり方について多角的に検討してまいりたいと考えております。
 次に、国際複合輸送拠点整備推進調査の経過と成果についてでございます。
 本県の港湾は、大阪湾の入り口に位置し、テクノスーパーライナーの高速性が十分発揮できる外洋に面しているなどの立地特性を有していることから、それを生かしてテクノスーパーライナー航路の誘致を図るべく本調査を実施したところでございます。その結果、最も実現可能性の高いルートは南東九州方面であり、流動させるべき貨物としては野菜などの生鮮食料品、宅配便貨物及び機械部品等が有望であることが明らかになりました。
 テクノスーパーライナー誘致に向けての今後の課題といたしましては、テクノスーパーライナーに対応した港湾施設、高速荷役設備及びアクセス道路等のハード面の整備もさることながら、想定される貨物が実際に十分に確保できるかどうかが最も重要な問題であります。そのため、来年度、物流事業者等の参画を得た組織において事業者の意向を取り入れた貨物流動システムを構築し、それを国に提言することにより、本県の港湾を寄港地とするテクノスーパーライナー航路開設の実現を図ってまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(橋本 進君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(橋本 進君) 再質問がございませんので、以上で東山昭久君の質問が終了いたしました。
○議長(橋本 進君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 41番松本泰造君。
 〔松本泰造君、登壇〕(拍手)
○松本泰造君 戦後五十年目の昨年は、阪神・淡路大震災、オウム真理教事件、金融不安等々、次々に発生した不安定要因、さらに、選挙に始まり選挙に終わる大変慌ただしい一年でありました。明けてことしは、年頭の村山総理の辞任、橋本内閣の発足、住専問題等々、ことしもまた大変慌ただしい中にはや七十日余りが過ぎました。こうした中、本県では、先日の南紀白浜空港の開港、月末には一般有料道路の広川・御坊間の開通等々、和歌山のあすを開く祝賀行事が続いておりますが、平成八年度和歌山県政の方向を決める当初議会に当たり、一般質問を行い、知事及び関係当局の所信を伺いたいと思います。
 なお、午前中からの三人の議員さんの質問内容と若干重複する部分があろうかと思いますけれども、お許しをいただきまして、通告に従い、質問をさせていただきます。
 まず、平成八年度当初予算と行財政改革、組織の再編についてであります。
 先日、ある新聞のコラム欄に、「予算は政治の顔である。時の政権が何を考え、どのような政治を目指そうとしているのか、それが顔になってあらわれるのが予算である」、こう書かれてありました。新知事誕生後、極めて短期間であるにかかわらず、和歌山新時代の創造に向けた政策目標を掲げ、県税収入減少など財政事情は依然厳しい中にあっても、起債による県単独事業を大幅に伸ばし、投資重点型の積極予算が上程されており、西口知事の積極的な顔をかいま見る思いがいたします。
 そこで、以下、五点について質問をいたします。
 まず一点は、景気低迷の折から県税収入は平成三、四年当時の一千億円台に比べて約一三%減と財源不足が目立つわけでありますが、複雑多岐にわたる県民要求を実現していくためにも、今後、自主財源の確保に向けどんなことに取り組んでいったらいいのか、知事の所見を伺いたいと思います。
 二点目に、膨張する県債についてであります。ことしは七百六十九億円の県債を発行し、歳入の一三・九%に達しており、県債の残高が五千億円台に乗ったわけでありますが、この事態をどう考えておられるか、伺いたいと思います。
 三点目は、基金の繰り入れについてであります。ことしの予算では、財政基金から百億円、県債管理基金から百八十八億円、その他の基金から七十九億円、合計三百六十七億円の取り崩しを行っております。これらの取り崩し額の増加はここ数年続いてきているようでありますけれども、基金残高と今後の見通しについて伺いたいと思います。
 四点目として、税収の減少、起債増発や基金取り崩しの予算編成から推察するとき、来年以降、変革と発展の県政を推進するための財源捻出上、行財政の大胆な改革、発想の転換、五十市町村や住民の理解と協力等々、新たな政治の推進が必要不可欠だと考えますが、お考えがあれば賜りたいと思います。
 いま一つは、西口知事が目指すスピード・シャープ・サービスの県政実現のため、やる気と機動力のある組織の再編が不可欠であろうと考えますが、四月の人事異動に対する基本的な考えを伺っておきたいと思います。
 次に、首都機能の移転に対する本県の考え方についてであります。
 首都機能の移転について審議をしてきた国会等移転調査会が、昨年十二月十三日に、九項目から成る移転先選定基準に基づき、新首都の候補地を二年以内に決め、今世紀中に着工し、二○一○年には新首都での国会開催を目指すことなどを盛り込んだ最終報告書を取りまとめ、当時の村山首相に提出したと報道されました。東京からの距離は六十キロメートルから三百キロメートルの範囲内であることなど九項目の選定基準から成る報告書は、首都移転によって規制緩和と地方分権のきっかけになる、社会資本整備による経済効果が見込める、政経分離で災害時のリスクも分散可能などの利点を挙げております。
 さて、新聞紙上によりますと、首都機能移転については、既に北海道、宮城県、福島県、茨城県、栃木県、岐阜県、滋賀県の各県議会がそれぞれ自県への誘致を決議し誘致合戦を展開中のようであり、東日本各県は連携して東京より東への移転運動を強力に展開中とのことであります。これに対し、中部から九州までの各経済連合会で構成する西日本経済協議会が、中部への首都移転は西日本の総意であるとして、新首都の共同誘致運動を本格的にスタートさせるなど、東日本対西日本の構図による誘致合戦はますますエスカレートする気配であります。
 さて近畿県内では滋賀県議会が、国土のほぼ中央に位置し、交通の利便性がよく、歴史、文化に恵まれており、自然災害が少なく、豊富な水資源があるなどの理由を挙げて、首都移転候補地として検討するよう求める意見書を提出しているようであります。西日本に位置し、国土軸から外れた和歌山県としても、国会等移転調査会の選定基準等をにらみながら、将来を見据えて首都移転に対する意思表示を明確にし、県益につながる首都移転誘致支援運動を行うべきと考えます。
 そこで、改めて西口知事よりこの問題に対する考え方を伺っておきたいと思います。
 まず一点は、首都移転に対する知事の考え方であり、第二点は、この問題に対する和歌山県としての取り組み方について、以上二点についてご答弁を求めます。
 第三点目は、高校教育についてであります。
 明三月十三日から県下一斉に高校入試が実施され、一万人以上の中学生が受験する予定になっておりますが、間もなく新学期を迎えるこの時期、高校教育について何点か質問と要望を行っておきたいと思います。
 まず一点は、教育内容の充実、すなわちレベルアップについてであります。
 近年、和歌山県下でも私学への進学希望者がふえつつあり、私ども有田地方からでもかなり多くの小中学生が私立の中学校や高校を受験し、合格していっているようであります。ある小学校、ある中学校では、卒業生の一割強が私学の試験に合格したというような話を耳にするところであります。なぜ、近くに公立の中学校や高校がありながら私学を目指すのか。それは何といっても、三年後の進学をにらんだ場合、私学の方がはるかに高い学力というか進学確率の高さに起因しているのではないかと推察するのであります。
 先日、私は、ことし息子が大学受験に失敗したある父兄から、こんな話を聞かされました。「私の息子は、毎日のように全国あちこちの大学の入学試験に挑戦したけれども、なかなか県立高校の学力ではストレート合格は難しく、このままでは来年一年浪人させて予備校へ行かさざるを得ない。こんなことなら高校進学の時点で私学へ行かしといたらよかった。結局、一年間予備校へ通わしたら経済的に大変な負担になり、時間も損で、まさに後悔先に立たずですわ」との無念の話でありました。
 確かに、この時期、週刊誌等に掲載されている大学入試速報では、残念ながら、県立高校に比べ私学出身者が幅をきかせているように感じることもまた事実であります。
 そこで、県教育委員会としては、こうした高校学力、すなわち私学との学力差問題、進学戦線の実態についてどのような認識をされ、取り組まれつつあるか、伺いたいと思います。
 いま一つ、島根県や福岡県の公立高校では、卒業生が進学浪人した場合、母校で勉学できるシステムをとり、予備校に係る父兄負担の軽減と、何よりも卒業生の学力について出身校が責任を持って再指導するという制度と姿勢であります。和歌山県教育委員会として、こうした島根や福岡のシステムをどう評価するか、本県も他県の実態を調査し前向きに検討すべきと考えますが、所見を伺いたいと思います。
 続いて、公立高校推薦入学内定枠について質問をいたします。
 先月十四日、県教育委員会は、九六年度の公立高校推薦入学内定状況を発表しました。この内定状況をよく見ると、工業高校等職業学科の推薦定員枠はおおむね総定数の五○%に設定されているのに対し、進学課程と推察される高校の推薦枠はおおむね総定数の八○%に設定されております。しかも、職業学科では推薦受験倍率が高くても推薦定数ぎりぎりの内定を決定しているのに比べ、推薦入学枠八○%の学科では申し合わせたように推薦定員の八五%まで内定幅を広げているようであります。こうした推薦入学枠については、厳守する学校と定数枠以上に内定する学校との違いがなぜ起こるのか。推薦入学内定枠設定と運用幅について教育委員会としての考え方を伺いたいと思います。
 次に、熊野古道を中心とした自然歩道の計画についてであります。
 昨年末の新聞では、環境庁は和歌山県が要望していた近畿自然歩道を新規採択し、ルート選定調査のための整備計画調査費として二千万円の予算配分を決め、和歌山県としては熊野古道を中心とした長距離自然ルートとしての整備が期待されると書いてありました。
 ご存じのように、熊野古道は、中世よりアリの熊野もうでと言われるように、おびただしい数の人々が俗塵にまみれた過去の自分を異郷の地に葬り、新しくよみがえろうとしてたどる還元蘇生の道であったと伝えられております。都から淀川を下り、摂津から和泉、紀泉山脈を越え、紀の川を渡り、海南の藤白峠から有田、湯浅、御坊、印南と海明かりの道を田辺に向かい、田辺から先は熊野本宮に向かう山また山の道・中辺路に分け入る、これが熊野古道の主なルーツでありルートであります。
 今日、この歴史街道が格好のハイキングコースとして推奨され、ガイドブックを片手に古道を歩き、紀州の風光と歴史や自然を満喫する姿を数多く見かけるようになりましたが、熊野古道の整備が途切れ途切れであったり、通行不能であったり、道路案内や名所案内なども統一されていない実態にあります。このたび、紀伊半島を縦断する熊野古道が自然歩道として整備促進されることに大きな期待を寄せるところであります。
 そこで、今回の近畿自然歩道への位置づけ、整備調査のルートや範囲、整備要望の内容等、今後の見通しについて伺いたいと思います。
 続いて、有田地方の問題について三点ばかり質問をいたします。
 まず国道四十二号、有田市・海南市間の国道渋滞解消問題についてであります。
 この問題については、昨年六月議会において一般質問をさせていただいたところでありますが、質問をして五日後の七月四日には大雨の影響で海南・湯浅間の有料道路が通行どめになり、国道四十二号が大渋滞を呈し、当日、下津町以南の県会議員が本会議の開会時刻に大幅におくれた出来事も記憶に新しいところであります。そして九月四日には、県議会建設常任委員会の委員各位が、前例のない朝六時に県庁に集合して有田市までお越しいただき、有田市から海南市間の渋滞実態をつぶさに視察していただきました。当日、視察に参加していただいた正副委員長初め議員各位、並びに関係当局の皆さん方に心から厚くお礼を申し上げる次第であります。
 さて、海南・湯浅間の有料道路は、大雨や雪、凍結には極めて弱く、昨年暮れから新春にかけて何度も料金所が閉鎖され、その都度、生活道路であり産業道路である国道四十二号線に車が集中し、わき道も裏道も通学道路も長蛇の列で、有田市及び下津町の住民がたびたび大変な迷惑を受け、善処方を求める声が随所で高まってきたところであります。去る二月七日、有田市と下津町でつくる有田下津周辺国道整備促進協議会が、県及び地建和歌山工事事務所、建設省近畿地方建設局に対し渋滞の実態を訴え、善処方について陳情活動を実施したところであります。
 ところで、この問題については、和歌山県の平成八年度政府予算等に関する要望書の一項目にも加えていただいておりますけれども、不況にあえぐ市民の間から、このままでは陸の孤島になってしまうのではないかとの強い危機感が高まっており、現在、開会中の有田市議会でも何人もの議員が一般質問を通告するなど、早急な対策を求める声が続出しております。したがって、あえて次の二点について質問と要望をさせていただきます。
 当面の対策として、平成八年度はどのようなことから取り組み、検討、実施されようとしているのか、伺いたいと思います。
 次に、第五次和歌山県長期総合計画の策定のための審議会がスタートしたようであります。二○一○年を目標年次とするこの計画の中に明確に位置づけを行っていただきたいのでありますが、見解を賜りたいと思います。
 続いて、キララときめき道路と有田河口大橋の架橋についてであります。
 有田市から御坊に至る海岸線に位置する二市五町で有田日高海岸線整備促進協議会を結成し、豊かな自然環境とリゾート資源を最大限に活用しながら、地域の活性化を図るべく「キララときめき道路」と名づけ、狭隘な現在の県道を産業振興と生活道路及び観光ルートとして活用すべく、逐次、改良・拡幅工事が進められてきたところでありまして、この間の県当局のご努力に心から感謝と敬意を申し上げる次第であります。
 ところで、キララときめき道路は、ある意味では国道四十二号を補完する目的をも兼ね備えていてこそ所期の目的、すなわち経済効果を発揮するはずでありますが、南から北上してきて有田市に入ると最終の県道宮崎古江見線が矢櫃地区で行きどまりであります。県道宮崎古江見線、すなわち有田川左岸側には県下でも指折りの水揚げを誇る箕島漁港があり、水産加工があり、大型保冷車等陸上運搬車両の走行、さらには観光地矢櫃への大型観光バスの往来に加え、箕島漁港に隣接する男浦埋立地地先では六千三百余人収容の市民球場がこの春オープンし、オープン後の車両増加を推測するとき、狭隘な県道宮崎古江見線一本では大変な交通混乱とトラブルの発生が危惧されるところであります。
 そこで、有田川河口に大橋をかけ、行きどまりの県道宮崎古江見線と有田川右岸側の行きどまりの県道有田港線を河口大橋で結び、さらには既に開通している市道西浜新田線、砂浜奥線を経て国道四十二号線に結ぶことがキララときめき道路の経済効果を一気に高めるはずであり、また宮崎町周辺の利便性向上と安全確保に資するものであると考えます。
 こうした観点に立って、有田市では、現在、県が策定中の有田川流域圏活性化計画のシンボルプロジェクトである有田川河口周辺整備事業の目玉に位置づけていただき、あわせてこれが実現に向けて県当局のご理解とご配慮を強く望んでいるところでありますが、有田河口大橋架橋に関し当局の見解を伺いたいと思います。
 最後に、有田地方における農業用水等の不足についてであります。
 和歌山県のかんきつ農業は、恵まれた立地条件、自然環境、歴史と伝統に支えられ、温州ミカンを基幹として、中晩柑類等の優秀な産地が形成されており、ハウスミカンを含め、周年かんきつ類を供給できる名品種銘柄の産地として発展してまいりました。
 ところで、近年、ガット・ウルグアイ・ラウンドの農業合意にも見られるように、国際化への対応はもとより、国内的には消費者ニーズに適合した高品質果実の生産が求められる中、産地においては優良品種の導入、低コスト省力生産、出荷体制の整備、市場の開拓等、山積する諸問題に取り組んでいるところでありますが、平成六年、七年と連続してかんきつ産地が今までに経験したことのない大干ばつに見舞われたことにより、糖度の高い果実が収穫された反面、小玉果実の増加による収量、収益の大幅な落ち込みと樹勢の低下を招きました。最近では、段々畑のかなり頂上までスプリンクラー施設が完備されているにもかかわらず、有田川に水位がないためにその機能を発揮することができず、灼熱の太陽のもと、軽トラックにポリタンクを積んで、井戸水を山頂の畑に運ぶ日々が続きました。元来、有田川の水は、七・一八水害後、二川に治水を目的としたダムが建設されて以降、水源に恵まれてきたところでありますが、生活様式の向上に伴う上水道使用量の増加に加え、近年、農業技術や施設近代化に伴い、農業用水の使用量も大幅に増加してきております。加えて、今後、多目的スプリンクラー導入など、農業用水の必要量はますます増加するものと予測され、渇水に関係なく夏場の水不足が今後とも続くのではないかと危惧するところであります。
 そこで、将来の有田川水系における水資源と農業用水等の確保について質問をいたします。
 二年続きの渇水被害の経験を踏まえ、将来の有田川水系での水利用、すなわち生活用水の確保、農業用水、工業用水等の使用量増加を推測するとき、治水を目的とする二川ダム以外に利用水を確保する目的の利水ダムの必要性がないのかどうか。また、施設整備がなされている畑地かんがい施設について、例えば、宮原頭首工左岸側では、河川水位が低下した場合、取水障害が起こることもあり、こうした事態に対し農業用水が安定的に確保できるよう善処方を講ずるべく努めていただきたいのでありますが、関係当局の考え方を伺いたいと思います。
 以上をもって演壇からの質問を終わり、当局の誠意ある答弁を求めます。
○議長(橋本 進君) ただいまの松本泰造君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
 〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 松本議員にお答えをいたします。
 まず第一点は、平成八年度当初予算に関連した問題であります。
 各種プロジェクトを推進し、かつ健全な財政運営を行っていくためには、財源の確保、特に県税収入を中心とする自主財源の安定的な確保が望まれるところでございます。このためには、まず低迷を続けている景気の早期回復を図ることが重要課題でございますが、県内産業の活性化のための諸施策を八年度当初予算において措置するとともに、県単独投資についても地財計画を大幅に上回る一七・一%の伸びを確保したことは、先ほどから答弁させていただいたところであります。
 しかしながら、財源確保のためには中長期的な視点に立って税源の涵養を図っていくことが最も重要なことであると認識しております。このためには、企業誘致の積極的な推進、地場産業の育成、産業構造の転換等に積極的に取り組むとともに、交通基盤、情報基盤の充実など均衡のとれた社会資本の整備を一層推し進めることが、結果として将来の安定的な税収の根源になるものと考えております。
 次に、財源確保のための行財政の大胆な改革、発想の転換等、新たな政治の推進についてであります。
 限られた財源の中で新たな行政需要に対応していくためには、徹底した既存事業の見直しによる経費の節減とともに、最少の経費で最大の効果を上げるための簡素で効率的な行政システムの確立が肝要であろうと考えております。その第一歩として、八年度当初予算の編成に当たりましては、昨年十一月に策定された行政改革大綱に沿った事務事業等の積極的な見直しを行ったところでございます。行政改革の推進には職員一人一人の心の持ち方が大切であることから、常々職員に対して意識改革や発想の転換を強く要請しているところでございます。
 また、私が掲げている新しい和歌山の創造は、ひとり県のみでできるものではございません。市町村との役割分担を明確にしながら連携を強化することが大変必要であろうと思いますので、県民の皆さんには厳しい財政状況であることもご理解をいただいた上で、なお一層のご協力をお願いしてまいらなければならないと考えております。
 次に、人事異動などに関連をしてであります。
 昨年十一月の知事就任以来、スピード・サービス・シャープのスリーSを県庁のあるべき姿として掲げまして、まず職員には、現場をよく知り、第一線の人々の声をよくお聞きすることが大事だ、その上に立って県民の信頼にこたえるたくましい県庁を目指して日々県政を進めていかなければならない、そういうふうに訴えてきたところであります。
 県庁の組織については、昨年十二月に重要な政策の企画や事業の進行管理を行うための政策推進室を設置したことを手始めにいたしまして、組織機構のあり方について見直しを行い、本定例会に提案をいたしました部改編を含む大規模な機構改革を目指しているところでございます。
 また、組織に命を吹き込むのは人でございます。四月の人事配置についても、適材適所を原則に、女性の登用も含め、議員ご提案のやる気と機動力にあふれた県庁を実現すべく配慮してまいりたい。
 ことしの初め、私は職員に、ことしは「感動と挑戦の県政」をやろうということを強く訴えております。
 次に、首都機能の移転に対する考え方であります。
 松本議員の首都機能移転に対するご質問に対しましては、現在、政治、経済、文化等の中枢機能が東京圏に過度に集中していることで、人口の過密、生活環境の悪化、大規模災害時における危険の増大等の問題が深刻化しております。一方、地方では、過疎、経済的停滞、文化の画一化などの問題が生じております。これを是正する一つとして、今、国を初め府県において、それぞれの個性や主体性を発揮した地域づくりを目指す地方分権の推進に積極的に取り組んでいるところでありますけれども、これと相まって、首都機能を移転させることは、国土の均衡ある発展、多極分散型国土の形成をより促進することになり、大いに期待をしているところでございます。
 首都機能移転に対する和歌山県としての取り組みについては、昨年十二月に国会等移転調査会から提出された最終報告での選定基準によりますと、東京から三百キロメートル程度の範囲内、さらに九千ヘクタールという広大な土地の確保などが移転地の条件と限定されてきたところでございます。そういったところから、若干の問題点はあろうかと思いますが、首都機能移転に伴うインパクトが享受できるように、近畿圏域内もしくは少しでも近畿圏に近い地域に移転されるように、近畿府県と連携しながら働きかけてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(橋本 進君) 総務部長木村良樹君。
 〔木村良樹君、登壇〕
○総務部長(木村良樹君) 平成八年度当初予算と行財政改革についての質問のうち、県債残高が五千億円を突破している事態をどう考えているかということと、基金取り崩し後の基金残高と今後の見通しについてでございます。
 県債の発行に当たりましては、従来、公債費の増嵩に十分な注意を払いつつ、県政の諸課題への適切な対応と長期的視点に立った財政の健全性の確保に努めてきたところでございますが、八年度当初予算では、ご指摘のように、七百六十九億円の県債発行を予定しておりまして県債依存率は一三・九%となり、地方財政計画の一五・八%は下回っているものの、当初予算ベースでは過去最大の発行額となっております。また県債残高につきましても、平成八年度末で五千五十七億円となる見込みでございます。
 こういった起債の増加は全国的な趨勢ではございます。しかしながら、本県でも、厳しい財政事情の中、県民生活に直結する社会資本整備について積極的な対応を図ってきたことから、こういう大きな起債残高になってきたということでございます。今回発行を予定している県債については、後年度の財政負担を極力軽減するということから、この起債の償還に際しまして、できる限り国による財源措置を伴うものを活用するよう工夫を凝らしておりまして、発行額の九割強については、後年度その元利償還金の五○%以上が交付税に算入されることになっており、将来の県財政の硬直化を招くことのないよう配慮しているところでございます。しかしながら、これまで累次の経済対策や県単独プロジェクトの遂行に伴う県債の増発による公債費の増嵩もございますので、今後とも県財政の健全性確保に十分配意しつつ県債を発行してまいりたいと考えております。
 次に、取り崩し後の基金残高と今後の見通しということでございます。
 平成八年度当初予算においては、県税収入の落ち込み等厳しい財政状況の中で各種施策の充実を図るため、財政調整基金で百億円、県債管理基金で百八十八億円など、総額で三百六十七億円の基金の取り崩しを行っております。この結果、八年度末の残高は、財調基金と県債管理基金を合わせて四百八十三億円ということでございます。これらの基金につきましては、財源の年度間調整の中で非常に重要な役割を果たしておりますので、今回の基金の活用に際しましても、今後の財政運営に支障が生ずることのないよう最大限配慮してきたところでございます。基金残高につきましては、今後とも、財政の健全性確保という観点から必要額の確保に努めてまいりたいと考えております。
○議長(橋本 進君) 商工労働部長中山次郎君。
 〔中山次郎君、登壇〕
○商工労働部長(中山次郎君) 熊野古道を中心とした自然歩道の計画についてお答えします。
 最近のアウトドアブームにより自然との触れ合いが一層強く求められてきており、県でも自然愛護テクコロジーを昭和四十九年度から始め、回を重ね、今年は第六十二回の開催を予定しているところでございます。歩くことにより自然との触れ合いを図り、心身をリフレッシュできればと考えてございます。
 こうした中で、自然景観や歴史文化に触れながら歩く近畿自然歩道については、県として長年、環境庁に対して要望してきたところで、平成七年度から環境庁で調査が開始されたところでございます。
 ルートについてでございますが、福井県、三重県と近畿二府四県を対象として、概略路線が今月に開催される近畿自然歩道検討委員会で決定されることとなってございます。本県としては、熊野古道を中心とした歴史や自然に富んだ、県内を8の字で結ぶルートを要望しておりますが、見通しは明るいものと考えてございます。
 平成八年度は、この概略路線の中で自然が豊富な魅力的なコースをさらに詳しく調査し、詳細路線として選定されることになります。ルート決定後、平成九年度からおおむね五年間で、利用のための歩道、橋、休憩所、標識等の整備を進めますが、事業主体は県でございます。平成八年度当初予算に自然歩道整備計画調査費を計上いたしており、計画的な整備を図ってまいりたいと考えてございます。
 また、熊野古道ウオーク96と題して、中辺路町の滝尻王子から熊野本宮大社までを、本年の五月、六月、九月、十月、十一月の五回にわたり、JRやJASあるいはエージェントとタイアップして、毎回千人規模で約四十キロを踏破する誘客イベントの実施も予定しているところでございます。
 以上でございます。
○議長(橋本 進君) 土木部長山根一男君。
 〔山根一男君、登壇〕
○土木部長(山根一男君) 松本議員にお答えいたします。
 国道四十二号の有田・海南間の交通渋滞の解消については、県といたしましては解決すべき重要な課題と考えているところでございます。このため、建設省、県、有田市、下津町で国道四十二号の下津町から有田市までの渋滞に関する検討会を設置いたしまして、昨年八月には合同で現地調査を行い、短期的な対策を中心に交通量予測調査、交差点の改良の検討、信号現示の調査等を行うなど、鋭意、調査検討を進めているところでございます。今後、国、関係市及び町とも十分協議しながら、平成八年度から交差点改良などについて、順次事業として実施できるよう国に強く働きかけているところであります。さらに中長期的な対策についても、国、関係の市や町とも協力しながら引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。
 なお、長期総合計画での位置づけにつきましては、企画部とも連携しつつ、今後検討してまいりたいと考えております。
 次に、有田河口大橋架橋に関してでございます。
 議員ご指摘のキララときめき道路──有田市から御坊市に至る海岸道路については、国道四十二号のバイパス機能を果たす道路として、また観光振興のための道路として整備を進めることが重要な路線であり、現在、農道、漁港関連道路とも連係を図りながら整備の促進に努力しているところでございます。現在、有田市において有田川左岸の河口部に市民球場を初め各種の開発計画が進行中でありますので、これに対応するため県道宮崎古江見線の未改良部分の整備を促進しているところであります。
 仮称・有田河口大橋については、大規模な橋梁となり、道路としての位置づけ等、種々の問題もあると思われます。今後、交通量や交通形態、並びに投資効果等を考えながら、有田市の考え方等も聞いてまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○議長(橋本 進君) 企画部長藤谷茂樹君。
 〔藤谷茂樹君、登壇〕
○企画部長(藤谷茂樹君) 松本議員にお答え申し上げます。
 平成六年と七年の夏の異常渇水は、全国的な少雨と高温によるものでございまして、有田川においても水位が低下したため取水障害が生じたところでございます。
 有田川水系の利水ダムの必要性についてでございますが、将来の水需要量を調査した上で、上水道用水、農業用水、工業用水の各用水の有効的な水利用の調整を含めて検討してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(橋本 進君) 農林水産部長日根紀男君。
 〔日根紀男君、登壇〕
○農林水産部長(日根紀男君) 二年続きの渇水を踏まえ、有田川流域の河川低水時における農業用水の安定確保についてでございます。
 昭和四十年度から五十四年度にかけて県営かんがい排水事業で整備した有田川地区畑地かんがい施設については、議員お話しのように、近年、河床変動等もあって河川低水時には一部の取水施設において農業用水の取水に支障を来すこともございます。
 これが対策として、現在、受益者である有田川土地改良区において取水施設の変更等につき調査検討中でございます。県といたしましては、この調査結果を待って早期事業化に向け取り組んでまいりたいと考えてございます。
○議長(橋本 進君) 教育長西川時千代君。
 〔西川時千代君、登壇〕
○教育長(西川時千代君) 高校教育に関し、三点についてお答えいたします。
 まず、教育内容の充実についてです。
 公立の高等学校には、進学や就職など、さまざまな進路希望を持った生徒を受け入れてございまして、それぞれの希望にこたえるという使命がございます。したがって、独自の教育方針を持つ私学と大学進学という面だけで比較を行うのは難しいかと考えてございます。
 教育委員会といたしましては、従前の画一的な教育のあり方への反省に立って、学科の新設、改編や全国初の総合学科の新設、入学者選抜学力検査の改善など、さまざまな高校教育改革を積極的に推進してきたところであります。また、生徒の学力向上を図るため、教員の意識改革、創意工夫を凝らした教育課程の編成、授業日数の確保などについて指導を徹底するとともに、生徒の進路意識の高揚を図るため、進路指導活性化事業等の施策を講じてまいりました。そうした中、本県の公立高等学校卒業者の大学等への進学率は、平成三年度は三一・五%でございましたが、平成七年度には三七・四%と徐々に高くなってきており、成果を上げてきてございます。
 なお、学力のとらえ方については、近年、大学あるいは企業など各方面においても、従来の偏差値に偏り過ぎた教育の弊害が厳しく指摘されてきております。このため、生涯学習の観点に立って、みずから学ぶ力や創造性、問題解決能力など変化の激しい社会を生き抜いていくための生きた学力を育てることが重要な課題となってございます。教育委員会といたしましては、大学進学という県民の皆様のご要望にもこたえながら、これからの時代に求められる新しい教育の創造に向けて積極的な方策を講じ、公立高校の教育の充実に努めてまいる所存でございます。
 次に、一部の県で取り組んでおります、浪人をしている生徒の母校での再指導についてでございます。
 こうした県では高校の同窓会が中心となって実施しているものであり、自発的に盛り上がったユニークな取り組みとしては注目できると考えております。しかし、教育委員会や学校が行っている授業ではなくて課題も若干あると伺ってございまして、慎重に研究しなければならないかと考えます。本県でも、二学期制の導入とか六十五分授業、補習や学習合宿など、学校が主体となったさまざまな取り組みが広がってきているところであります。今後とも、他府県の状況を参考にしながら、例えば卒業した生徒にも放課後の補習授業を受けていただくといったような、受け入れる余地を持った、各学校の独自性のある取り組みを積極的に推進してまいりたいと考えてございます。
 次に、公立高校における推薦入試については、生徒の適性や目的意識、日ごろの学習成果、部活動やボランティア活動など、一人一人の個性やよさを積極的に評価して、特色ある学校づくりを一層推進するため積極的に導入を進めてまいりました。特に推薦入試の内定枠については、募集定員の五○%を標準とし、学校、学科の特色や実態等に応じて、学校長が教育長と協議の上で八○%までの範囲内で別途定めることとしてございます。合否の判定に当たりましては、中学校からの調査書、推薦書、面接、作文の結果などをもとに各高等学校長が総合的に判断してございますが、生徒のよさを多面的に評価する中で、設定した枠内で合格者を絞り切れない場合もございます。そうした場合、学校長はさらに教育長と協議の上、教育的な観点から一定の配慮をしながら慎重に合格者を決定してございますので、ご理解いただきたいと存じます。
 以上でございます。
○議長(橋本 進君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 41番松本泰造君。
○松本泰造君 まず、一番目の平成八年度当初予算と行財政改革については、知事から答弁をいただきました。総務部長からも、予算編成、特に歳入面で十二分の配慮をしてきたという答弁をいただきました。
 ただ、来年以降の基金の残高も大分減ってきているようで、非常に心配をするところであります。これは、知事が先ほどおっしゃられたように、五十市町村の協力あるいは県民に財政状態を理解してもらうとか、いろんな形で実態を県民にも知らせながら協力をしてもらうというような痛みを分かち合う政治、これからそういった時代が来るのではないかと思いますので、その辺のPRに特に意を用いていただきたいなと思います。
 同時にまた、職員にはこういう財政事情にあることを十分理解してもらう、いわゆる親の心子知らずということのないように、徹底した意識改革を推進していただくように要望しておきたいと思います。
 首都移転の問題であります。
 きのうも、日経にこんな記事が載ってございました。東日本対西日本の首都誘致の綱引きが非常にエスカレートしつつあると書かれてございます。都がさらに遠くなるというようなことのないように、近畿圏の知事会を含めて力を合わせて、なるべく将来の和歌山県が不便にならんよう意を用いていただきますようにお願いをしておきたいと思います。
 次に、高校教育の問題についてであります。
 今、教育長から答弁をいただきましたけれども、高校教育については、小学校、中学校も教育内容の充実についてしっかり努めていただく、県下の教育全般が力を合わせて和歌山県のすばらしい人材に磨きをかけていく、そんな意識で頑張っていただきますように要望しておきたいと思います。
 次に、熊野古道を中心とした自然歩道の計画についてであります。
 8の字ルートの整備について明るい見通しがあるという答弁でございました。非常に期待を寄せるところでありまして、何とか紀州路のすばらしい自然歩道が統一した形で整備をされますように要望しておきたいと思います。
 四十二号線の有田市・海南市間の渋滞問題については、これは二回目の要望でありますけれども、何といいましても、有田市は和歌山市を中心とする経済圏の中の特定重要港湾の一角に位置するところであります。したがいまして、和歌山市からの四十二号線が可能な限り四車線化できんかどうか、その辺の将来計画を含めて早急に対処していただきますように要望しておきたいと思います。
 有田河口の大橋の架橋についてであります。
 この問題については、約二年前に私の前任者が問題を提起いたしました。そのときの土木部長の答弁ときょうの答弁とは余り前進がないように思います。どうぞひとつ、きょう改めて有田河口の架橋について有田市民の声を代弁してお願いを申し上げるところでございますので、前向きに取り組んでいただきますように要望をしておきたいと思います。
 次に、有田地方の農業用水の不足の問題であります。
 去年、おととしと工業用水が大幅にカットされて操業短縮に追い込まれた、あるいはまた農業者の間で水の取り合いのけんかが起こるという状況がありました。そういった意味から言いまして、治水だけのダムではなくて、将来、利水のダムについて調査検討を加えるという答弁でございますので、どうぞひとつ前向きにお願いをしたいと思います。
 最後に、西口知事に申し上げておきたいと思います。
 知事は、就任以来、ハードスケジュールの中で精力的に公務に専念をしていただいております。昔の歌にありましたけれども、恐らく月、月、火、水、木、金、金という、休みのない状態がずっと続いておるのではないかと推察いたします。健康とペース配分に十分意を用いていただきまして、輝く和歌山の実現に向けて県民の期待にこたえていただきますよう祈念申し上げて、私の一般質問を終わります。
 ありがとうございました。
○議長(橋本 進君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で松本泰造君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
○議長(橋本 進君) 本日は、これをもって散会いたします。
 午後二時四十四分散会

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