平成7年12月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(全文)


県議会の活動

議 事 日 程 第三号 平成七年十二月十三日(水曜日)
   午前十時開議
 第一 議案第百四十七号から議案第百七十三号まで(質疑)
 第二 一般質問
会議に付した事件
 一 議案第百四十七号から議案第百七十三号まで(質疑)
 二 一般質問
出 席 議 員(四十七人)
 1 番 大 沢 広太郎
 2 番 木 下 善 之
 3 番 小 川  武
 4 番 吉 井 和 視
 5 番 下 川 俊 樹
 6 番 井 出 益 弘
 7 番 藁 科 義 清
 8 番 門  三佐博
 9 番 永 井 佑 治
 10 番 新 島  雄
 11 番 向 井 嘉久藏
 12 番 佐 田 頴 一
 13 番 和 田 正 一
 14 番 阪 部 菊 雄
 15 番 西 本 長 弘
 16 番 馬 頭 哲 弥
 17 番 長 坂 隆 司
 18 番 井 谷  勲
 19 番 高 瀬 勝 助
 20 番 上 野 哲 弘
 21 番 堀 本 隆 男
 22 番 宇治田 栄 蔵
 23 番 宗  正 彦
 24 番 橋 本  進
 25 番 谷  洋 一
 26 番 玉 置 公 良
 27 番 東 山 昭 久
 28 番 尾 崎 要 二
 29 番 野見山  海
 30 番 木 下 秀 男
 31 番 町 田  亘
 32 番 中 山  豊
 33 番 山 下 直 也
 34 番 鶴 田 至 弘
 35 番 森  正 樹
 36 番 村 岡 キミ子
 37 番 新 田 和 弘
 38 番 平 越 孝 哉
 39 番 森 本 明 雄
 40 番 神 出 政 巳
 41 番 松 本 泰 造
 42 番 冨 安 民 浩
 43 番 飯 田 敬 文
 44 番 中 村 裕 一
 45 番 松 本 貞 次
 46 番 大 江 康 弘
 47 番 和 田 正 人
欠 席 議 員(なし)
説明のため出席した者
 知 事 西 口  勇
 副知事 梅 田 善 彦
 出納長 中 西 伸 雄
 知事公室長 野 見 典 展
 総務部長 木 村 良 樹
 企画部長 藤 谷 茂 樹
 民生部長 木 村 栄 行
 保健環境部長 鈴 木 英 明
 商工労働部長 中 山 次 郎
 農林水産部長 日 根 紀 男
 土木部長 山 根 一 男
 企業局長 中 村 協 二
 以下各部次長・財政課長 
 教育委員会委員長
   山 本  昭
 教育長 西 川 時千代
 以下教育次長
 公安委員会委員 中 尾 公 彦
 警察本部長 青 山 幸 恭
 以下各部長
 人事委員会委員長
   若 林 弘 澄
 人事委員会事務局長
 代表監査委員 天 谷 一 郎
 監査委員事務局長
 選挙管理委員会委員長
   谷 口 庄 一
 地方労働委員会事務局長
職務のため出席した事務局職員
 事務局長 岩 垣  孝
 次 長 中 西 俊 二
 議事課長 松 田 捷 穂
 議事課副課長 佐 竹 欣 司
 議事班長 松 谷 秋 男
 議事課主査 山 本 保 誠
 議事課主事 長 尾 照 雄
 総務課長 岡 山 哲 夫
 調査課長 柏 木  衛
 (速記担当者)
 議事課主任 吉 川 欽 二
 議事課主査 鎌 田  繁
 議事課速記技師 中 尾 祐 一
 議事課速記技師 保 田 良 春
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 午前十時五分開議
○議長(橋本 進君) これより本日の会議を開きます。
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 【日程第一 議案第百四十七号から議案第百七十三号まで】
 【日程第二 一般質問】
○議長(橋本 進君) 日程第一、議案第百四十七号から議案第百七十三号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 29番野見山 海君。
 〔野見山 海君、登壇〕(拍手)
○野見山 海君 おはようございます。二日目のトップバッターの一般質問をさせていただきたいと思います。
 最初に、知事の政治姿勢についてお尋ねいたしたいと思います。
 年の瀬も押し迫ってまいりましたが、この一年間を振り返ってみますと、忘れることができない一月十七日の早朝に起こった阪神・淡路大震災、オウム真理教によるサリン事件、金融業界の一連の不祥事問題、米兵による沖縄県の少女に対する暴行事件、いじめによる子供たちの自殺など、枚挙にいとまがありません。そして、国民が期待していた景気回復の足取りも重く、この一年が終わろうとしております。
 一方、政治的には、我々の県議会議員選挙に始まり、市町村長・議員選挙、参議院選挙、そして県民が注目し、和歌山県の将来を占う十一月の知事選挙は、過去の大橋・平越両氏以来の激戦となりました。その結果、県民の皆さんは西口勇氏を選び、ここに西口勇新知事が誕生いたしたわけでございます。心よりお喜び申し上げます。二十一世紀に向けて和歌山県の飛躍を図るべき重要な時期であり、百八万県民の負託にこたえていただきたいと願うものでございます。
 今定例議会冒頭の知事就任あいさつの中で西口知事は、昨年十二月十五日の定例議会で副知事を辞職して以来約一年間、一人の県民として多くの県民の皆さんとひざを交えて対話を重ねてきた、さらに、地域の実態をしっかりと受けとめ、同時に地域に住んでおられる多くの方々から県政に対する思いをお聞きした、私にとってこの期間はまことにかけがえのない財産になった、この財産をしっかりとこれからの県政の場で生かし、百八万県民の幸せのために、和歌山県勢の限りない発展のために全身全霊を尽くしてまいる、と決意されたのであります。さらに知事は、自分も含め県民の皆さん方と意識改革を図ろう、そして和歌山に住んでよかったと言えるような心温まるふるさと和歌山を確立するために心の通う県政を進めることが究極の目標である、と述べられたのであります。多くの県民は、西口県政に大きな期待をしているのであります。西口知事、勇気と決断、実行を政治信条として、県民のために頑張っていただきたいと思うのであります。
 さて、今回の知事選挙における全県投票率は七○・二%、その中で西口知事は五二・三%、三十万六千六百九十七票の支持を得たわけであります。特に町村における投票率は、平均を大きく上回る結果でございます。それだけに、町村住民の皆さんの県行政に対する期待の大きさがうかがえると思います。多くの過疎地域を持つ本県は、若者が都会へと流出し、お年寄りだけが残る。子供を育てて就学させたあげく、子供たちは地元に住むことなく都会に住んでしまう。それは、地元で就労する機会がない、また都会で一度住んでみたい、地元に魅力がないといったほかにも理由があるでしょう。その子供たちは、どこかで日本経済の発展のために貢献していると思うのであります。若者のUターン現象も見られるが、過疎化、高齢化が同時進行している本県では、行政の積極的な対応が急務と思います。
 今回の選挙を通じて、百三十六のプロジェクトの中でも過疎対策について幾つか挙げられておりますが、このような県内の状況を踏まえ、このプロジェクトの推進にどのような決意で臨まれるのか、知事のご所見をお伺いしたいと思います。
 次に、心の通う県政の具体的な取り組みについてお尋ねしたいと思います。
 百三十六のプロジェクトが県民の信頼にこたえるたくましい県庁の未来を切り開く大胆な政策の立案と実現のためには、今まで以上に徹底した思い切った行政体質の改善が必要である。そのために、スリーS施策を示されました。そのスリーSとは、スピード──時間コスト感覚を重視した即時対応の行政、サービス──県民一人一人の立場で考える親身で親切な行政、シャープ──前例にとらわれず、時代の先を読む進取の行政の内容でございます。私は、今の県政と県民の距離が遠く感じられてなりません。ぜひともできるところから実現していただきたいものですが、具体的な取り組みはいかがなものでしょうか。
 一つ目。例えば、知事が就任あいさつで言っておられましたが、意識改革についてでございます。知事自身もそうであるが、県民の皆さん方もお互いの意識改革を図ろうと言われております。私は、県民の皆さんはもちろんのこと、県職員の皆さんもみずから率先していただきたいと思います。このことは、今次の選挙を通じて県民の多くの方々から寄せられた声でもあります。いかがでしょうか。
 二つ目。海外旅行者数もふえてきております。平成五年は五万七千百九十人、平成六年は六万六千九百十八人。また、旅券発行件数も海外旅行に伴ってふえています。平成五年は二万七千九百七件、平成六年は三万四千三百七件、平成七年一月から十月までで三万五千二百二十三件あります。海外旅行の申し込みをしたが、うっかりして旅券の発行や切りかえを忘れたり、また民間企業は土曜、日曜の連休のないところも多くあります。旅券の発行日数の短縮、特に県事務所窓口の取り扱いについて検討してはいかがでしょうか。
 三つ目。地方分権が叫ばれている今日、県においても本庁から出先機関への権限移譲について、従来、順次継続的に取り組まれていると思いますが、今後とも県民サービスの向上、行政事務の簡素化、効率化のため、より一層の推進が必要であると考えます。そこで、今後の取り組み姿勢についてお伺いいたします。
 四つ目。県政バス教室は、県民に大好評であります。これまでの実績では、平成四年に六十七台で利用者数二千六百四十九人、平成五年に七十台で二千八百三十二人、平成六年には七十六台で三千二十九人となっています。今では、年間百件を超える申し込みの状況であります。県民の皆さんが、みずから県内の施設を見学研修され、地域社会で生かされることは大切であります。それだけに、申込件数に沿った県政バス教室を実施できないものでしょうか。
 次に、選挙管理委員長にお伺いいたします。
 ことしは、本県にとって選挙の年でありました。特に和歌山市は五回も選挙をするということで、市民の白けムードがうかがえました。しかし、有権者の中には、選挙権を行使するために不在者投票をされる方も多くあります。その中で、行かれた方の声は、投票所に行ったとき、その理由を細かく聞くので簡単にできないものか、また投票のしやすい場所を考えてほしい、こういうご意見がありますが、いかがでしょうか。
 続きまして、道路網の整備と高速道路の南伸についてお伺いしたいと思います。
 二十一世紀の県土づくりには道路網の整備が急務であり、避けて通ることはできません。半島に位置する本県は、府県間道路や県内の市町村間道路の整備はぜひとも必要と思います。特に紀南地方は山間部に住民が住んでいる状況であり、住民の交流を図るためにも、知事が公約として県内どこでも二時間で行ける道路網の整備を挙げられておりますが、これの実現についてはどのような構想をお持ちなのか、お伺いしたいと思います。
 高速道路の整備を促進するには、国への積極的な働きかけと地元の受け入れの協力がなければなりません。新宮までの高速道路の開通は、県民はもとより紀南住民の皆さんの悲願でもあります。吉備・広川間六・四キロが平成六年七月十一日に供用開始いたしましたが、観光、海水浴シーズン、連休時には何十キロという交通渋滞が今も続いております。来年三月には広川・御坊間の供用開始によって御坊市周辺の交通渋滞は多少解消されるでしょうが、その分、御坊市以南に交通渋滞が変わってくるものと思います。観光立県と言われる本県にとって、高速道路の延伸、とりわけ御坊・南部間二十一キロの一日も早い供用を特に紀南の県民が願っていることは、さきの知事選挙ではっきりしております。
 御坊・南部間は、平成元年二月に基本計画、平成三年十二月に整備計画に組み入れられ、平成五年十一月十九日に建設大臣から日本道路公団あてに施行命令が出された後、県の働きかけで関係市町村で高速道路対策協議会が設置されました。事業着手に向けては、土地所有者の協力と対策協議会の積極的な働きかけが必要ではないでしょうか。今日までの進捗状況と今後の取り組みはいかがでしょうか。前仮谷知事は六年間でなし遂げたいと言明されましたが、西口知事の取り組む決意をお伺いしたいと思います。
 次に、南紀白浜空港のジェット化についてお伺いいたします。
 現在の南紀白浜空港が昭和四十三年四月一日に開港して、二十七年が経過いたしました。この間、利用客は昨年十二月で二百万人を達成、そしてことし十一月末までに約二百七万三千六百人に利用していただいたのであります。
 現在のYS11型機は、天候に大きく左右され、飛行中止や大阪空港に着陸することもありましたが、今日まで大きなトラブル、事故もなく、安全性を最優先に努力された関係者並びにYS11型機に心から感謝を申し上げたいと思います。
 観光立県の我がふるさとは、世界に誇れる海岸美、河川、山岳等の自然美、温泉、そして豊かな歴史や文化、伝統的な芸能などがたくさん残っております。これらの観光資源を生かし、必要な整備を行い、本県にふさわしい個性あふれた観光地づくりをすることが、さらに観光和歌山のイメージアップになると思いますし、南紀白浜空港ジェット化に伴う利用促進を進める上からも必要ではないでしょうか。
 さて、新南紀白浜空港については、昭和五十二年十月に、和歌山県長期総合福祉構想において、YS11型機以後のジェット化対応について、今後、航空機の開発需要の動向に対応した空港整備を検討することが提示されました。そして、昭和六十年一月に知事が現空港付近に決定され、地元県会議員を初め関係自治体の協力と土地所有者の協力によって開港に向けた建設が進められたのであります。今では、管理棟や滑走路周辺の環境整備も既に完了しているようです。総事業費四百九十億円を投資した南紀白浜空港は、いよいよ平成八年三月九日に開港することになり、紀南住民の大きな喜びであります。この南紀白浜空港のジェット化によって、紀南の観光振興と地場産業の活性化を図っていかなければなりません。
 そこで、三点についてお伺いいたします。
 ジェット化によって、現在の六十四人乗りのYS11型機から百三十四人乗りのMD87型機へと輸送力が倍増し、観光客の団体扱いがしやすくなりますが、利用客をふやすためにどのような対応を考えているのか。
 二つ目。新規路線の就航についてですが、より魅力ある路線開拓のため、アジアに目を向けた福岡便や南国・北国を結んで季節差交流を目指す札幌便の路線開設の見通しはいかがでしょうか。
 三つ目。現在の利用者の皆さんは、観光の目的が八割以上あると言われております。できるだけ滞在時間を確保するため、東京発の初便、白浜発最終便の時間帯を改善すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 以上をもちまして、一回目の質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。
○議長(橋本 進君) ただいまの野見山海君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
 〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 野見山議員にお答えをいたします。
 まず、プロジェクト実現への決意でございます。
 議員からお話がございましたように、本県の大部分を占める中山間地域に過疎化、高齢化が進んでおります。それを取り巻く環境がまことに厳しいことは、私も十分承知をしているところであります。
 県内各地域を回って、いろんな方々のご意見をお聞きいたしました。そういうお話の中で、それぞれの地域が自然、歴史、文化、そういう固有の資源を活用しながら、特色のある地域づくりのために懸命に頑張っておられる状況を拝見し、痛切に胸を打たれたわけであります。
 議員ご質問の百三十六の施策の実現への決意についてでありますけれども、いつも申し上げておりますように、県政の大きな基本目標は何といっても、和歌山に住んでいる人のすべてが和歌山に住んでよかったと実感できるふるさとをつくることであろうと考えておりますので、そのための施策として多くのプロジェクトを提案させていただいたわけであります。もちろん、これは固定化されたものではございませんし、さらに県政全般から申しますと、これに入っていないからやらないという性格のものではございませんので、今後関係部局でさらに検討を加え、修正すべきものは修正しなければなりませんけれども、できるものから速やかに着実に実行していきたいと考えております。
 次に、県職員の意識改革についてであります。
 県民の皆さんとともにすばらしい和歌山をつくり上げていくためには、まず職員が地域に出かけ、現地をしっかりと見て、その上に立って計画し実施していかなければならんと、私も痛切に感じたわけであります。そういうことから担当職員の皆さんには、みずからの意識改革を図らなければならない、県民のための県政を担う意欲と果敢に未来に挑戦するたくましさを持っていただこうということで、「サービス・スピード・シャープ」なども提案をさせていただいたわけであります。今後これらの実現のためには、私自身も率先垂範して全力を傾注したいと考えております。
 次に、権限移譲の問題であります。
 地方機関への権限移譲については従前から行っているわけでありますけれども、さらに活力に満ちた魅力ある地域社会と県民福祉の向上を実現していくためには、県民の立場に立った事務事業の見直しを行い、なお一層、県民に身近な問題は身近なところで実施できる体制が必要であろうと考えております。
 具体的には、県民の利便性の向上のためには地方機関はどうあるべきなのかの検討を行いまして、地方機関で処理することが適当な事務については移譲するといった考え方で、その機能の強化を図っていきたいと考えております。
 次に、道路網の整備と高速道路の南伸についての決意であります。
 関西国際空港の開港、南紀白浜空港のジェット化、京奈和自動車道、近畿自動車道紀勢線の建設、高速交通網の整備が着々と進みつつある中で、それらのインパクトを県内全域に波及させるためには、何といってもおおむね二時間で交通ができる交通圏の整備をぜひ実現させたいと強く思っているわけであります。このため、紀淡連絡道路を含む太平洋新国土軸構想の早期実現、高規格道路の早期整備、府県間道路の整備、内陸部の道路として「第二県土軸」と呼んでいる路線の整備、さらには昨年十二月に地域高規格道路の指定を受けた五條新宮道路の整備等を促進していくことが重要であると考えております。地域の皆さんにはビジョンばかり並べ立ててとよく言われますけれども、ビジョンに終わらせることなく、できるだけ早期に実現していくような努力を積み重ねていかなければならんと強く思っております。
 また、高速道路の南伸については、県勢の発展、活性化のために早期整備が必要なことは十分承知しているところでございます。今、地元選出の県議会の皆さんや関係市町村とともに御坊南部間高速道路建設促進連絡協議会をつくっていただいており、種々ご協力をいただいているわけであります。用地買収が順調に進むならば、六年間でぜひ仕上げていきたいと強く決意をしているところであります。
 以上であります。
○議長(橋本 進君) 知事公室長野見典展君。
 〔野見典展君、登壇〕
○知事公室長(野見典展君) 野見山議員ご質問の二点についてお答えいたします。
 まず、旅券発行事務についてであります。
 旅券の発給日数についてでございますが、新規申請の場合、パスポートセンターで申請された場合は、休日を除き六日間、海草県事務所を除く各県事務所で申請された場合は休日を除き十四日間となってございます。この日数は、本年四月一日よりパスポートセンターの場合で二日、県事務所の場合で一日、それぞれこれまでより短縮して実施してございます。また、人道上などの理由により緊急に渡航する必要がある場合は、休日を含め、即日交付できるよう体制をとってございます。県事務所における申請から交付までの日数については、往復の郵送に有する日数、県における事務処理問題などを考慮して決めてございます。
 旅券の発給事務は国の機関委任事務でございまして、旅券作成機は申請者数が十万件に対して一台と決められており、本県の場合は申請者数約四万件であります。しかしながら、本県の地理的条件や県民の皆様方の利便性を考慮し、海草県事務所を除く各県事務所の総務課内に窓口を設けておりますが、発給日数の短縮については今後の課題として検討してまいりたいと考えてございます。
 次に、県政バス教室についてでございます。
 議員お話しの県政バス教室事業は、県の施策を県民の皆様方に知っていただき、理解していただくための有効な事業の一つと考えてございます。今後もより一層、県民の皆様方に県の施策をご理解いただけるよう、県政バスなど公聴活動の充実に努めてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(橋本 進君) 土木部長山根一男君。
 〔山根一男君、登壇〕
○土木部長(山根一男君) 野見山議員にお答えいたします。
 まず、近畿自動車道松原すさみ線の御坊・南部間については、昨年十一月に路線発表されたところであり、その後、県並びに関係市町村が日本道路公団と一体となって測量立ち入りの了解を得るべく努力してきたところでございます。現在までのところ、二十一地区のうち一部を除いてほぼ全線で路線測量、地質調査並びに設計を行っているところでございます。今後、設計が終了次第、順次説明会を行い、了解が得られましたなら、幅ぐいの設置、用地測量、用地買収といった手順を踏むこととなりますが、これらの作業が順調に進むか否かが今後の進捗に大きな影響を与えることになりますので、県といたしましては、昨年それぞれの市町村で発足した高速道路対策協議会や地元選出の県議会の皆様、及び県・関係市町村で構成する御坊南部間高速道路建設促進連絡協議会などを通じて、一日も早く用地取得ができるよう全力を尽くしてまいりたいと考えております。
 次に、南紀白浜空港のジェット化のご質問についてお答えいたします。
 平成八年三月九日開港を目前にした利用促進の取り組みでございますが、本年四月に和歌山県新空港建設・利用促進議員連盟のご参加もいただいて、日高郡、西牟婁郡、東牟婁郡の二十七市町村を初め関係団体で構成する南紀白浜空港利用促進実行委員会を組織し、南紀白浜空港の利用促進に積極的に取り組んでいるところでございます。
 議員ご指摘のように、南紀白浜空港は観光のウエートの高い空港でございますので、最大のマーケットである首都圏での利用促進を重点的に行うこととしており、去る十一月十四日にはツアー商品を組んでいただくための説明会を観光連盟と共同で実施し、旅行会社三十一社に対し、新空港の概況や周辺の観光素材等について理解を深めていただいたところでございます。今後も、東京駅ほかでの常設の広告展開や観光展の開催等について、関係部局、航空会社とも連携し、街頭啓発や説明会などの県内での利用促進の盛り上げも図りながら実施してまいりたいと考えてございます。
 次に新路線の計画でございますが、航空会社では平成八年度の福岡便就航を検討していただいてございます。また、札幌便等の他の路線については、福岡便の就航後、その状況によって検討されることとなると伺ってございます。路線の多様化は地域の活性化にとって不可欠でありますので、県といたしましては、まず福岡便の早期就航について航空会社初め関係機関に強く働きかけてまいることとしてございます。
 最後に時間帯の改善についてでございますが、議員ご質問のとおりでございまして、利用しやすい時間帯への改善についても、新規路線の就航とともに、議員連盟のお力も賜りながら、航空会社初め国に対して強く要望してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(橋本 進君) 選挙管理委員会委員長谷口庄一君。
 〔谷口庄一君、登壇〕
○選挙管理委員会委員長(谷口庄一君) 不在者投票についてお答えをいたします。
 選挙においては、投票日当日に投票所に赴いて投票していただくのが原則でございます。しかし、投票日当日に「やむを得ない事情」のために投票ができない方のために、不在者投票制度が例外的に設けられておるわけでございます。したがって、不在者投票制度においては、その「やむを得ない事情」の有無を確認するため、厳格な手続が法律上必要とされております。しかしながら、この制度の運用について手続の簡素化等を要望する声があることは、議員お話しのとおりでございます。このような要望を受け、選挙管理委員会としては、従来、都道府県選挙管理委員会連合会を通じ、国に対して公職選挙法等の改正要望を行っているところでありますが、今後ともその要望を続けていきたいと考えております。
 また投票所の場所については、高齢者や歩行に障害のある方等の便宜のためエレベーター等の昇降設備のない二階以上に設置しないなど、有権者が投票しやすい適正な施設を選定するよう、従来、各市町村選挙管理委員会を指導しているところでありますが、今後ともこの指導を続けてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(橋本 進君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 29番野見山 海君。
○野見山 海君 ご答弁ありがとうございました。
 これから西口新知事に大きな期待をしておきたいと思いますが、二点だけ要望させていただきたいと思います。
 先ほど選管の委員長からお話ありましたように、県民の中にはかなりそういった要望がございます。
 例えば、和歌山市の投票所を聞いてみますと、和歌山市役所の十一階の一室で行われているそうであります。エレベーターで上がるのでしょうけれども、駐車場を確保することが非常に難しいという話もあるわけでございます。
 もう一件、紀南の方でこういう話がありました。釣り大会があるので不在者投票へ行ったら、そこの職員さんから、「いつ帰ってこられるんですか」と聞かれたので、「二時か三時に帰ってくるでしょう」と答えると、「帰った後、投票できるんじゃないでしょうか」、こういう注意をされたそうであります。しかし今日、選挙によっては投票率が非常に下がっているのが現状だと思います。そういった意味から、有権者の皆さんが率先して不在者投票をやろうという行為を大事にすることも大切ではないかと思いますので、ぜひともこれから中央の方にどしどし意見を申し上げていただきたいと思います。
 もう一つは、西口知事は心の通った県政ということで、和歌山県に住んでよかったと。私がいつも思うのは、観光立県でありますから、県外の皆さんが和歌山に来てよかったという気持ちでお帰りになることも大事だと思います。そういった意味で、私はちょっと当局に苦言を申し上げたいと思います。
 一つは、前から私は思っておりました。議会が始まるたびに、北別館の通路で、私自身は職員がだれであろうとあいさつさせてもらいます。しかし、一般質問する場合は、職員が部屋まで来て、通路でもあいさつしてくれます。しない場合は、しりを向け、あいさつをしても知らん顔をしているのが今日の県職員の実態であります。ぜひとも、そこらを注意あるいは教育していただかないことには、心の通った県政ということを県民の皆さんには理解してもらえないのではなかろうかと思います。まことに申しわけないんですけれども、心を心として県職員の皆さんと温かい気持ちでおつき合いすることが大事ではないかと思いますので、どうか総務部長、よろしくお願いを申し上げまして、要望にかえさせていただきます。
 ありがとうございました。
○議長(橋本 進君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で野見山海君の質問が終了いたしました。
○議長(橋本 進君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 40番神出政巳君。
 〔神出政巳君、登壇〕(拍手)
○神出政巳君 お許しを得ましたので、私にとりまして初めての本会議での質疑及び一般質問演説に入らせていただきます。
 歴史と伝統ある和歌山県議会の一員として県政に参画させていただきましたことはまことに光栄であり、初心を思い起こし、県勢発展のため県民福祉の向上に精いっぱい働く所存であります。
 もとより浅学非才、加えて若輩の身であります。先輩、同僚の議員の方々には、寛容なるご理解をいただき、ご指導、ご助言を賜りたくお願い申し上げます。特に、和田正一議員を座長とする月曜会の皆様には勉強会に加えていただき、県政のイロハからお教えいただいていることに対し、深く感謝申し上げます。また、知事初め理事者各位には、言葉足らずの点多々あるかと思いますが、ご容赦いただき、積極的なる答弁を期待いたします。
 後になりましたが、西口県知事におかれましては、和歌山県知事としては二十八年ぶりに県内を二分する長期にわたる激しい選挙戦を通じ、県下各地をくまなく駆けめぐり、多くの県民との対話を果たされ、信頼される県政の実現に寄せる県民の期待を集め、ご当選されましたことを、会派を代表し、心よりお喜び申し上げます。そして知事からは、選挙を勝ち抜き、政治の場に立つ議員の心情というものを十分理解できるともお聞かせいただきました。非常に意を強くするものであります。
 さて、戦後五十年、我が国経済は世界に類を見ない急激な経済成長を果たし、繁栄を謳歌するかに見えました。しかし、バブルの崩壊によって社会経済環境に対する意識が一変し、厳しさだけが目につく日々が続いております。和歌山県においては、日本の高度成長期には半島に位置する県として成長の波に乗り切れず、半島性からの脱却を県政の重点目標として取り組まれてまいりました。県当局初め、議会、先人諸兄のご努力によって、半島振興法の制定初め関西国際空港の泉南沖開港、紀伊半島を一周する高規格道路の国土計画への位置づけなど、数多くの成果を上げられましたことは多くの人々の認めるところであります。
 しかしながら、県民の気持ちとして何かしら物足りなさを訴えられるのも事実であります。その要因としては種々の事柄があると考えられますが、その一つは、県政の推進が県民世論の盛り上がりを受けたものとなっていないことに起因するものと感じております。
 そこで、知事にお尋ねいたします。
 知事は、就任早々、吉宗公と同じく平成の目安箱とも言える知事直結のファクスの設置やパソコンホットラインの開設をされ、県民の声なき声を大切にするということに着手され、そして公約で掲げられた一三六のプロジェクトを推進する政策推進室の設置を果たされました。これらが、単なる形式に終わることなく実効を上げるためにどのように運営なさるおつもりなのか。
 また、一三六のプロジェクトを拝見すると大変広範な分野に及ぶものであり、当然ながら優先順位をつけて推進されるものと考えます。平成八年度予算編成を控えて、まずどの点に視点を当てられるのか、お尋ねいたします。
 次に、行財政についてであります。
 顧みますと、十三年前、時あたかも国政では九月に鈴木善幸首相が財政非常事態宣言を出し、赤字国債依存からの脱却目標を一九八四年とし、財政再建を目指していましたが、目標達成が困難となり、宣言発表後、鈴木首相は責任をとって辞任し、中曽根康弘首相にバトンタッチしたころでありました。第二臨調・土光敏夫会長いわく、「次代へのツケを拡大するな」と「増税なき財政再建」のスローガンのもとで、行財政改革を地方行政にも目を向けようとの旗印のもとに身近な海南市議会議員選挙に打って出たのが、私が政治の場に足を踏み入れるきっかけでありました。人間万事塞翁が馬、その後、紆余曲折ようやくにしてこの場にたどり着いたという感慨ひとしおであります。
 国の財政においては、戦後初めて七千三百億円の建設国債が発行された六六年度以降、国債発行残高が建設、赤字合わせふえ続け、当時百二十兆円ということで、一万円札を束ねて百万円で一センチ、一千万円で十センチ、一億円で一メートル、百二十兆円では千二百キロメートル、距離にして実に東京から鹿児島までだと聞かされ、大変驚いたことでありました。
 しかし、その後はどうでしょう。声高にいろいろと叫ばれ、幾つかの改革、改組、改変が実施されてきましたが、いよいよ今年度末には国債発行残高が二百二十兆円を超え、来年度の政府当初予算では十一兆円を超える歳入不足に陥り、七年ぶりに赤字国債を発行しての編成となる財政危機を武村大蔵大臣が十一月十四日、表明されたところであります。
 国債や借入金など複数年度にまたがる長期政府債務は今年度の第二次補正によって二百九十一兆円を超え、国内総生産(GDP)比の五九・一%となり、APECにクリントン大統領の訪日を中止させたアメリカの財政赤字よりも多くなりました。恐らく来年度中に、政府においては相当の増税、つまり消費税の引き上げか、社会保障費を下げるかの判断を迫られる時期が来ているということであります。県政においてもしかりであります。平成六年度一般会計決算における県債残高の増加、平成七年度一般会計当初予算編成への過去最大の基金取り崩し、近年の大型箱物建設ラッシュによる財政負担など、県税収入などの伸びがなければ厳しいものと見込まれます。このような背景の中、民間企業は、金利の低下、円高是正をばねに、激しいリストラを経て産業構造の転換を進めようとしております。
 知事は、「本気で変える」と言われました。全く同感であります。「We must change to remain the same.」──ルキノ・ビスコンティーの映画「山猫」で、シチリアの貴族がシチリア王国を攻撃する、つまり、みずからの基盤を壊す義勇軍に身を投じたおいを支持して口にしたせりふであります。我々がこれまでと同じように生きるためには、本当に我々自身が変わらなければならないということであります。
 そこで、二十年前にオイルショックの後、現在同様に厳しい経済情勢のもと、仮谷前知事が初めて予算案を提案された昭和五十一年二月定例会で、トップバッターとして質疑及び一般質問に登壇された自由民主党県議団の今は亡き妙中正一議員が、今後の行財政についてという課題で、企業経営と比較しながら、あくまでも当局を支援する立場を堅持しつつも厳しく当局をただしたやりとりを参考にしながらお尋ねいたします。
 去る十一月二十九日に、県行政改革推進委員会の審議を踏まえ、県行政改革大綱を策定されたところでありますが、どのように具体的に取り組んでいかれるのか、お尋ねいたします。
 事務事業の見直しに始まり、六項目の行革重点項目が決定され、今後おおむね三カ年をかけて積極的な取り組みがされるということでありますが、幸い知事は、県政の進め方ではスリーS──サービス、スピード、シャープを心がけると表明されました。大いに期待するところであります。
 大阪府では、年内策定予定の行革大綱で、各部局単位で今年度の職員定数の二%を目標とする削減を来年度中に実施するということであります。和歌山県では、この二十年間に知事部局の職員数は四千八百九名から四千三百四十七名に減らしているということでありますが、臨時職員や嘱託、そして外郭団体等の膨張が危惧されているところであります。
 次に給与でありますが、かつて妙中議員が、組織機構の見直しとともにきつく指摘されたラスパイレス指数においては、当時一一四・四という全国でも最高クラスにあったものが平成六年度には一○三・五で全国十八位となり、平成七年にはさらに指数が下がる改善がなされ、適正化を図る努力が続けられているところであります。今後とも職務と責任に応じた給与制度の適正化に取り組まれ、あわせより一層、職務職階に応じ、頑張る職員が報われるような抜てき人事なども実施していただきたいと思います。
 次に、社会経済基盤の整備についてお尋ねいたします。
 県民世論調査等を見ると、行政要望として最も高いものは下水道など生活環境の整備であり、次いで高いものは雇用の場の確保、そして道路整備に関する要望が高くなっております。また、直接多くの県民の皆様からお話をお聞きしますと道路整備に対する不満が最も多く、次いで雇用の場の確保であるように感じられます。道路整備等については昨日来より先輩議員方の質問に対しお答えされましたので、物流基地等の整備促進による新たな産業の創出、雇用の場の確保について企画部長にお尋ねいたします。
 大阪湾岸では、地元経済を巻き込んだ海上物流に対する基盤整備の動きが活発化しております。超高速海上物流時代の到来が予測され、本県では、外洋に面し阪神経済圏を後背地に有する立地性を生かし、これまでもテクノスーパーライナーの寄港地等の検討がなされていますが、早急に物流基地等の整備を核とする一体的な陸・海・空の交通体系を含む総合的な計画を推進し、厳しい雇用状況を克服する方策の一つとして新たな産業の創出、雇用の場の確保等に資するべきではないかと考えますので、現状と今後の取り組みについてお尋ねいたします。
 続きまして、商工労働部長にお尋ねいたします。
 これまで、県内各地に企業団地が造成され、既に六十数社の企業進出があったやに聞いております。しかしながら、このことが県内産業の集積や工業構造の転換にどのように生かされ、どの程度の経済効果をもたらしたものかが見えていないような気がいたします。当然、造成された企業用地には一定の目的を持って誘致活動がなされていると考えます。十一月二十日号の「日経ビジネス」誌には、「次の時代が見える和歌山」というタイトルでユニークな地方からの情報発信、産業立地のPRを出していただいており、非常にうれしく思った次第であります。
 そこで、お尋ねいたします。
 現在の企業誘致の考え方並びに残用地の保有量、あわせて今後の企業用地の造成予定等と雇用の創出施策についてお尋ねいたします。
 また、地域振興整備公団が整備した海南インテリジェントパークの企業誘致についても、ソフト型企業、研究開発型企業の立地を考えているとお聞きしておりますが、ことし近畿大学の農水産に関する研究所の海南インテリジェントパークへの進出協定がなされました。このことは、海洋に面する本県にとって大変喜ばしい限りであります。豊かな自然と歴史、文化にはぐくまれた温暖の地である和歌山県が、知識集約的な産業の集積地として関西国際空港などの機能を生かす道の一つであり、心より歓迎するものでありますが、その姿がどのようなものであるかがわかりにくいので、近畿大学の農水産に関する研究所がいつ、どのような形で実現されるのか、その内容などと、現在のそのほかの企業進出状況、及び今後における企業の立地見通しについてお尋ねいたします。
 続いて、公有水面埋め立てについてお尋ねいたします。
 まず、住友金属工業株式会社和歌山製鉄所の西防波堤沖埋め立てについてであります。
 昨日、東山昭久議員より詳しくただされたところでありますが、後の課題と関連して埋め立ての基本的な問題についてお尋ねいたします。
 三工区の利用計画を検討された知事の私的諮問機関である西防波堤沖埋立地利用計画検討委員会が、近々知事に報告書を提出されると聞き及んでいるところであります。また、第二工区においては関西電力株式会社のLNG火力発電所誘致という話も出ています。
 そこで、お尋ねいたします。
 公害発生施設の沖出しという初期の目的から、目的が変更してきているわけであります。このことについて、最初に入り口で審議された和歌山県の地方港湾審議会ではどのように審議されているのか、また現在はまだ公有水面である三工区の埋立地を今後どのような手順で現実のものとしていくのか、お尋ねいたします。
 次に、マリーナシティ帰属裁判についてであります。
 既に経過は皆様ご案内のとおりであり、平成七年三月十四日、海南市が大阪高裁へ控訴し、係争中であります。県当局の考え方は、今後の司法の判断を慎重に見守りたいということであります。行政決着の場を離れ、司法判断の場へと移っているところでありますが、政治の場で起こった不幸な出来事であります。もちろん、現在に至る経過の中で、当初、海南市側に今回のマリーナシティ埋立計画の入り口部分で対応に不備があったことは認めます。しかし、海南市と和歌山市が境界確定訴訟を続けるということは、両市は言うに及ばず、県政にとっても大きなマイナスであります。和歌山市にも新しい市長が誕生したところであります。裁判中とはいえ、県議会の皆様方のご理解をいただき、当初より詳細については十分ご承知の知事におかれては、両市の執行部、議会の中に入り、早期決着に向けて手水を打っていただきたく望むものでありますが、お考えはいかがでしょうか、お尋ねいたします。
 続きまして、議案第百四十七号平成七年度和歌山県一般会計補正予算中、産業のライフアップということで、インターネット利用促進に三千四百四十万二千円が計上されている件に関連してお尋ねいたします。
 さきに発表された政府の経済対策を受け、新規事業としてパソコン通信、インターネットを中小企業情報センターへ接続するということであります。まことに先を読んだ英断だと、大いに感銘を受けるものであります。単にインターネットに接続したというだけでは何の意味もありませんが、インターネットを研究し、効能を追求することによって、情報通信を基盤とした新しい産業形態もしくは社会構造の変革というものを他に先んじて取り入れることは大きなメリットがあります。インターネットに接続する人口は、爆発的に増加しています。国内を見ても、この一年で五十万人から百五十万人というふえ方であり、あと数年で一千万人以上の人々がインターネットに接続する見通しであります。
 現在の情報化の波はまことに急激なものがあり、刻々と状況が変化していると言っても過言ではないと思います。テレビのコマーシャルにも、インターネットが使えますといったものが出現しましたし、理容店でインターネットのサービスがなされている等の新聞記事が出たりの状況になってまいりました。間もなくインターネットのホームページを持っていない人はホームレスだと言われる時代が来ると、東大名誉教授の石井威望先生も言っておられます。情報化の波は、必ずや新たな社会と経済状況を創造していくことになると考えます。通産省は、インターネットを使って企業と消費者が買い物や代金決済をする電子商取引の実験を来年一月から約二年間行う予定であります。
 そこで、今後どのように具体的に県民にサービスしていくのか、商工労働部長にお尋ねいたします。
 また一方、これまでも県において情報化に対する取り組みをいただいているところでありますが、県民の意識を変革し、新たな社会と経済活動にチャレンジする機会を拡大するためにも、民間の商用ネットの普及だけに頼るのではなく、行政支援によるコスト面の負担を軽減できるシステムの構築を図る対応とともに、学校教育を初めそれぞれの利用内容に応じた情報ネットを早急に整備し、情報後進県となることのないよう対処すべきではないかと考えますけれども、このことについてもその姿が見えにくいのが現状ではないかと思います。当然ながら、行政として先見性を持って対応していただいているとは思いますが、関連して企画部長に、現在の和歌山県の情報化への取り組み状況、並びに今後の考え方をお尋ねいたします。
 さらにもう一点、構造不況が長引く鉄鋼業界のNKKでは、職員の効率的な執務のため、来年度中には約五千名のホワイトカラー全員にパソコンが支給されるということであります。現在の県職員の執務状況を見せていただいても、多くの方がパソコンを使用されています。効率的に県政を推進するために、公費でより多くの職員にパソコン支給がなされるよう検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか、総務部長にお尋ねいたします。
 最後に、議案第百六十二号から百六十四号の工事請負契約の締結に関連してお尋ねいたします。
 議案第百六十二号については、公共工事の入札制度改善のため、初の公募型指名競争入札を試行されたということであります。公募型指名競争入札は、工事ごとに参加条件を決め、応募業者が提出する同種工事の施工実績などの資料をもとに県が入札参加業者を指名するということであります。今後も、五億円以上十億円未満の事業を対象に試行を続けられるようでありますが、今回の試行結果について、応募内容、応札結果は入札改善の目的に沿ったものであったのでしょうか、土木部長にお尋ねいたします。
 また、議案第百六十三号、百六十四号については一般競争入札方式ということであります。この二件については、県内業者が共同企業体に名を連ねているわけでありますが、常々県内の業者より聞こえてくるのは、そんなに大規模でなくても、施工難度が高くない工事でも大手ゼネコンに指名がなされ、県内業者には指名、落札機会が少ないという不満の声であります。そういった県内業者の不満の声に対して知事はどのように受けとめられているのか、お尋ねいたします。
 そして先般、自治省は、世界貿易機関(WTO)の政府調達協定が来年一月から発効するのに伴い、都道府県と政令都市が発注する二十四億三千万円以上の公共工事で最低制限価格を廃止する地方自治法の政令制度を閣議決定いたしました。これを受けて都道府県と政令都市は、今後、入札手続を定めた財務規則を改正して来年一月からの新制度に備えることになるわけでありますが、現状は大半の自治体が安値受注(ダンピング)やこれによる不良工事を排除する目的から、予定価格よりも二○%程度低い水準に最低制限価格を設定しているところであります。来年は、大規模工事に限りこの制度が撤廃されることになりますが、土木部長の見解はいかがでしょうか、お尋ねいたします。
 また同時に、地元業者を保護するため、共同企業体に地元業者を優先参加させる地域要件においても、大規模工事に限り撤廃されるわけでありますが、県内業者の悲痛な声に対しどのようにおこたえになるのか、重ねてお尋ねいたします。
 第一問は、以上であります。ご清聴ありがとうございました。
○議長(橋本 進君) ただいまの神出政巳君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
 〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 神出議員にお答えをいたします。
 まず、政策推進室の運営についてであります。
 政策推進室は、各種のプロジェクトを確実に、また総合的に推進していくために、特に私が命じて十二月一日付で知事公室内に設置をした組織であります。
 運営につきましては、庁内各部局間の横断的な連携を図りながら、重要施策の推進あるいは進行管理を行ってまいりたいと考えております。私の意図したことは、四次長計や中期計画などは企画部で現在進行管理を図っておりますけれども、特に重要な施策について、各部間にわたるものなどやや調整のおくれといったこともありますので、私のもとで直接指示をしてできるだけ早く進行できるような体制をとりたい、そういう気持ちからスタートさせたわけであります。しかし、県の組織の中ではいろんな考え方もございますから、今後、政策推進室の果たすべき役割についてさらに検討を重ねて、実効性のあるものにしていきたいと思っております。
 お話にありましたように、十一月二十四日に設置した知事への提言システム、ファクス通信とかパソコン通信などでも多数の意見が寄せられております。中には冗談まじりのこともありますけれども、新しい施策として取り上げなければならないような提言などもございますので、そんなことも各部局間と政策推進室で議論をしてもらったらいいのではないかと考えております。
 次に、一三六のプロジェクトの優先順位についてであります。
 新しい和歌山の時代の創造ということを基本目標にして、和歌山県内だけの議論でなく、日本の中あるいは国際的な視野を広げた中でも県政の行き方というものを議論しなければならん、そういう意味も含めて多くのプロジェクトを提案させていただいたわけであります。
 野見山議員にもお答えを申し上げたところでありますけれども、これからさらに検討を加えて、できるものから速やかに着実に実施していきたいと考えております。優先順位は今のところ特につけておりませんけれども、この一三六の中には道路交通体系など現在既に継続中のプロジェクトも多くありますので、平成八年度の当初予算の編成の中で十分議論をしていきたいと考えております。
 次に、行政改革大綱の取り組みであります。
 今回の行政改革は、地方分権の時代にふさわしい行政機構の構築、及び県民の視点に立っての行財政運営の見直しを図ることが目的であります。私が就任以前からいろんな委員会で論議をされて、十一月末に発表させていただいたという経緯はございます。
 具体的には、地方機関への権限移譲の推進によりまして、行政手続の簡素化を図ると同時に、みずから施策を考え、みずから実施する組織を築くことを目標にして、本庁においては平成八年度から大幅な組織改正を実施し、順次、地方機関、外郭団体の見直しを行っていきたいと考えております。
 定員管理については、今日の社会状況に適合した適正な職員配置に努めることとして、ご指摘の臨時職員等についても厳正な管理に取り組んでまいりたいと思っております。
 また給与の適正化についても、現在の水準は国家公務員の水準に近づいてきておりますが、人件費の県財政に占めるウエートの高さにかんがみまして、引き続き適正化を進めてまいりたいと考えております。
 さらに、県民の信頼にこたえるたくましい県庁づくりを支える人材を育成するために、さきにも答弁をさせていただきましたけれども、新たに企業感覚を身につけるために民間企業等への派遣研修も実施していきたいと考えております。
 以上、具体例を少し申し上げましたけれども、今後、行政改革大綱を基本に、私が本部長を務めております行政改革推進本部において改革の具体的な事業を決定し、おおむね三年を目標に実施を図っていきたいと思っております。
 次に、マリーナシティの帰属裁判に関することであります。
 和歌山マリーナシティ埋立地に係る帰属問題については、私も従前からその経緯については十分承知しているところでありますけれども、三月に出された和歌山地裁の判決に対して海南市が控訴し、現在、大阪高裁において裁判中でございます。
 いずれにいたしましても、和歌山地裁の判決が出されているところでもあり、司法当局の判断を白紙に戻すというわけにはまいりませんけれども、両市からのご要望がございましたら、何らかの対応策の可能性についてお互いに検討していくという考えは持っております。
 最後に、県内業者の受注機会などについてのご質問でございます。
 私も、過去の経過などを振り返りながら、県内業者の受注機会の確保、育成が大変大事だということは十分認識しているところであります。現在、大規模工事や施工難度の高い工事について条件つき一般競争入札及び公募型指名競争入札を試行実施している段階でありますけれども、これらの工事に際しても県内業者の参画機会を確保するために、入札参加要件において県内業者の優遇措置をとっているところでございます。
 ご承知のように、来年一月より政府調達協定が発効されることに伴い、千五百万SDR、現在の日本円に換算して二十四億三千万円以上の工事については一般競争入札を実施することとなっておりますけれども、それ未満の工事については、現在、入札契約制度検討委員会において検討を行っているところでございます。
 私の信条といたしましては、何といっても和歌山県勢の発展のためにも地元業者の育成が大変大事でありますので、そういうふうな方法について今後とも努力をしていきたいと考えております。
 以上であります。
○議長(橋本 進君) 企画部長藤谷茂樹君。
 〔藤谷茂樹君、登壇〕
○企画部長(藤谷茂樹君) 神出議員にお答え申し上げます。
 新たな産業の創出や雇用の場の確保を図る上で、物流拠点の整備は大きな効果があると考えてございます。そのため県といたしましては、本県が近畿自動車道紀勢線や将来的に整備される紀淡海峡ルート、及び京奈和自動車道等の道路網と関西国際空港やテクノスーパーライナー基地とを連携することにより、陸・海・空の高速交通軸の一大交流結節拠点となることを踏まえ、近畿南部の物流を担う広域的な物流拠点の整備について平成七年度より調査を行っているところでございます。今後とも、本県の新たな活性化を図るため、物流拠点の実現化に向け、積極的に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 次に、情報化への取り組み状況と今後の考え方についてでございます。
 本県におきましては、昭和五十六年にコンピューターを導入して以来、順次システムの開発を行い、現在、人事給与システムなど九十九の業務で電算処理を行っています。また、県域ネットワークとしての黒潮ネットワークの構築を進め、各総合庁舎を地域の拠点として業務利用に供するほか、県営のパソコン通信、ウエーブネットにも利用することにより、遠隔地の県民の通信料金負担の軽減など、地域格差の是正にも寄与しているところでございます。
 一方、話題になっておりますインターネットについては、和歌山大学を経由して学術研究ネットワークに接続し、活用方法等を含め検討を行っているところでございます。さらに、庁内のコンピューターのネットワーク化を進めるため、本年度から庁内LANの整備を開始しております。
 今後とも、情報通信の共通基盤である黒潮ネットワークの整備拡充を進めるとともに、産業振興や県民生活の利便性向上などを図るため、関係機関と連携しながら情報化の推進に努めてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(橋本 進君) 商工労働部長中山次郎君。
 〔中山次郎君、登壇〕
○商工労働部長(中山次郎君) 企業誘致とインターネットの二点についてお答えします。
 まず、企業誘致の考え方、海南インテリジェントパークへの企業誘致についてでございます。
 企業誘致の目的とするところは、産業の振興による所得の向上と雇用の増大でございまして、昭和五十七年以降の誘致企業による製造品出荷額では単年度で約一千億円を生産し、雇用では二千九百人余りの増大を見てございます。和歌山県の産業構造は、全国に比べて基礎資材型工業の製造品出荷額の構成比率が高く、景気の影響を受けやすいため、電気機械等の加工組み立て型工業の誘致により産業構造の多角化を進めてきましたが、関西国際空港の開港によるアクセスの整備等により、先端技術産業、研究開発型企業の誘致に取り組んでいるところでございます。
 進出企業の受け皿としての造成済み残用地は、県、市町村及び地域公団合わせて九カ所、三十七・三ヘクタールがございます。事業中の用地は、県、市町村合わせて六カ所、三十・三ヘクタールでございます。今後の造成については、経済動向が先行き不透明なため、経済社会情勢の推移を見ながら、地元市町村等とも協議を行い、計画の樹立、実行に努めてまいりたいと考えてございます。
 次に、海南インテリジェントパークに近畿大学が開設する研究所についてでございます。
 既に活動している生物理工学部や県内の水産研究所、附属農場等の研究データ、情報等を集約し、管理研究することができる研究所でございます。早ければ平成八年に着手され、三期程度に分けて完成する予定となってございますが、県といたしましても、できる限り早期に完成するよう、近畿大学と連絡を密にしてまいりたいと考えてございます。
 また、近畿大学以外の企業については、紀州技研工業株式会社の研究所が本年十一月二十七日に竣工されました。さらに、中核産業高度化施設の株式会社和歌山リサーチラボは平成八年四月に完成予定でございます。通信システム機器の南海通信特機株式会社は来年度着工予定、情報処理サービスのトランス・コスモス株式会社は平成九年度着工予定となってございます。これら以外の数社とも、現在交渉中でございます。
 次に、インターネット利用促進事業についてでございます。
 本事業は、産業情報基盤の整備という位置づけのもと、本県地域産業の情報発信力の強化を図るため、財団法人和歌山県中小企業振興公社の中の中小企業情報センターに商用ネットを接続して、県内の企業等が持つ独自の製品情報、技術情報を二十四時間を通して、国内はもとより海外に向けて発信することを支援する事業でございます。
 具体的に申し上げますと、当該情報センターのコンピューターにホームページを開設の上、企業情報、観光情報、企業団地分譲情報、並びに県経済情報などの各ページを作成するものでございます。県内企業の方々には、その中の企業情報のページを開放いたしまして、各企業が持つ新しい製品情報や新技術の情報を広く発信することにより、新しい販路開拓や業務提携の相手企業を探すといったビジネスチャンスの拡大を促すものでございます。情報発信の時期は来年三月と考えてございます。
 この事業は、今年度の産業情報センター構想検討事業での検討結果を踏まえ、地域産業の情報化による経営強化の支援拠点としての産業情報センターの整備の方向に沿ったものでございますが、さらに一層の充実を図って中小企業の情報化を積極的に支援してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(橋本 進君) 土木部長山根一男君。
 〔山根一男君、登壇〕
○土木部長(山根一男君) お答えいたします。
 まず公有水面埋め立てについて、住友金属の西防波堤沖埋め立てに関するご質問についてでございます。
 西防波堤沖埋立地の土地利用については、平成六年三月の住友金属からの申し出を受けて、西防波堤沖埋立地利用計画検討委員会において検討していただいているところでございます。同委員会より昨年十一月、公共公益的利用を前提とした中間報告がなされ、現在、事業主体において調査検討をしているところであります。
 なお、西防埋立地は特定重要港湾である和歌山下津港における埋め立てであり、新しい利用の方向が示されれば現在の港湾計画との相違を生じることとなりますので、地方港湾審議会の場においても和歌山下津港全体の土地利用を踏まえて審議していただくこととなります。また、土地利用に係る法手続については、港湾計画への位置づけを受けて公有水面埋立法上の用途変更の手続等を行う必要がございます。
 次に、ご提案した工事請負契約の締結に関するご質問二点についてでございます。
 第一点目の、公募型指名競争入札についてでございます。
 今回の公募型指名競争入札は、国道三百十一号平井郷トンネル工事について、県として初めて試行したものでございます。九月十九日に公募の公告を行ったところ、一定の資格を有する六共同企業体、このうち県内に本店を有する業者三社を含む計十二社から応募があり、審査の結果、この六共同企業体を指名いたしました。十月二十四日に入札を行った結果、議案第百六十二号のとおりとなってございます。
 この公募型指名競争入札は、従来の指名よりも建設業者の受注意欲を反映し、より広範な入札参加機会を確保するとともに、入札手続の透明性を高めるものでございます。この入札方式は、このような点について制度の改善に資するものであると考えているところでございます。
 二点目の、政府調達協定の関連でございます。
 建設工事の発注に際しての最低制限価格制度については、従来、品質確保の観点から、地方自治法施行令に基づき本県でも適用してきたところでございます。
 政府調達に関する協定においては、大規模な建設工事では最低制限価格制度が適用されないわけでありますが、異常に低い価格の入札については、契約条件の履行確保のための審査、照会ができるような制度の導入とともに、工事監督の強化等について検討し、適正な工事の確保に努めてまいりたいと考えております。
 また、あわせて入札に参加する企業の事業所の所在地に関する必要な資格、いわゆる地域要件を定めることはできないとされておりますが、世界貿易の一層の自由化、内外無差別の原則の一層の徹底など、国際的な要請を踏まえた本協定の趣旨からやむを得ないものと考えております。しかしながら、本協定適用外の工事については、県内業者の受注機会の確保、技術力、競争力の強化に今後とも十分配慮してまいりたいと思っております。
 以上でございます。
○議長(橋本 進君) 総務部長木村良樹君。
 〔木村良樹君、登壇〕
○総務部長(木村良樹君) 県職員へのパソコン支給でございますが、本県においては、行政運営の効率化を図るため、情報システム推進委員会にOA推進部会を設置し、計画的に庁内のOA化に取り組んできているところでございます。
 ことしの四月一日現在でのパソコンの導入状況は、一般事務職員のおおむね二人に一台の割合となっております。今後とも、お話にありました時代の趨勢を反映しつつ、業務内容も勘案しながら、パソコンの計画的かつ積極的な導入を推進してまいりたいと考えております。
○議長(橋本 進君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 40番神出政巳君。
○神出政巳君 知事初め、担当部長より答弁をいただきました。
 了といたしますが、西口知事、和歌山そして県政を本気で変えてください。また、現在海南市における最大の政治課題は、インテリジェントパークへの企業誘致とマリーナシティ帰属裁判の決着でございます。何とぞご高配を賜りますようお願い申し上げ、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○議長(橋本 進君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で神出政巳君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
○議長(橋本 進君) この際、暫時休憩いたします。
 午前十一時三十一分休憩
 ─────────────────────
 午後一時四分再開
○副議長(木下秀男君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
○副議長(木下秀男君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 6番井出益弘君。
 〔井出益弘君、登壇〕(拍手)
○井出益弘君 お許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。
 まず、西口知事の県政ビジョンは、和歌山県民に対して夢と希望を抱かせるすばらしい内容のものが多くあり、その幾つかを詳しくお尋ねしたいのですが、時間の都合もありますので、今まで副知事としてご活躍をされたご功績をもとに今知事としての今後を思いますとき、きっと頑張って和歌山県政を大きく変革し、発展をもたらしていただけることと期待しております。
 では、知事の公約に関係したもの、あるいは知事の公約と直接関係のないものもありますが、その何点かについて一般質問をさせていただきます。
 まず、道路交通網の早期整備についてであります。
 私が今まで何回も申し上げた新南海橋も、なかなか「難解橋」と言われるぐらいに時間も経過してきておりますが、第二阪和国道と新南海橋については、県議会での発言も余りにも多く、それだけに和歌山県民、とりわけ和歌山市民が早期開通を待ち望む悲願であります。今までは、県市協調についての不調が和歌山市民に不幸な結果を生んできました。
 新南海橋は、関西国際空港へのアクセス道路、京阪神都市圏への直結道路として、また和歌山市中央部での紀の川両岸を結ぶ経済効果上からも大変重要な橋で、一時でも早く建設し、供用開始できることが望まれてなりません。今後は、県市協調はもとより、完成・開通には目標とする期限を定めて着々と進めることが肝要であります。
 新南海橋、第二阪和国道についての進捗状況、新南海橋の橋梁工事着手目標時期、今後の方策等についてお尋ねいたします。これは、知事と土木部長にご答弁をお願いします。
 次に、和歌山環状道路についてであります。
 以前、県議会において私は、県都和歌山市を中核とし、周辺町村を含めた七十万都市構想として、近い将来、和歌山市の外周環状道路が必要であると提言いたしました。西口知事におかれては、和歌山環状道路の建設として、湾岸道路、和歌山市南部の東西幹線道路──これは南港山東線を指すようでありますが──近畿自動車道、京奈和自動車道の四線を連結することにより、和歌山市の中核部を周回する環状道路を形成すると申されております。
 道路は、経済効果を考えるならば、多額の借金をしてでも一年も早く開通させる必要があると考えます。さきに述べた四線については、国等の事情で工事着手、開通が遅くなると予測されるものもあり、和歌山環状道路建設予定部分については県において先行着手等をして、一年でも早く供用開始ができるよう、和歌山市及び周辺の交通停滞緩和策に今から取り組んでいただきたいと考えるものであります。和歌山環状道路建設について、知事の取り組みをお聞かせ願います。
 次に、農免道路等の活用整備についてであります。
 和歌山市以外の市町村でよく活用している農免道路が和歌山市では皆無に近いが、何かわけでもあるのでしょうか。和歌山市にも、農業地域がかなりあります。田、畑、その他の農地も多く、農業振興地域もありますから、農免道路等の活用整備を和歌山市とも協議して推進し、道路交通網整備対策に取り入れると大変効果があると考えますが、いかがでしょうか。これは、農林水産部長にご答弁をお願いします。
 二番目の項目、和歌山下津港湾整備についてご質問させていただきます。
 石油等輸入自由化に伴う港湾の機能アップについて。
 国、そして地方の行政改革が推進され、近い将来、規制緩和も着々と進められ、また進めなければならないのでありますが、自由化も、国内外ともに規制緩和等、推進されつつあります。例えば、石油等も平成八年三月より特定石油製品輸入暫定措置法、略して特石法が廃止となります。これまで、石油製品の海外よりの輸入は大手等の石油元業者に限定されていましたが、一定の資格があれば自由に輸入できることになり、石油製品の輸入自由化が急速に促進されることとなります。国内でも企業間の競争が激化し、販売競争に県内業者も対応せざるを得なくなります。石油輸入業者は販売量の七十日分の備蓄義務を負わされているので、石油製品の取扱量増大に伴う受け皿としての石油基地が必要であります。輸入先は、国内精製品よりも安価であると言われている韓国、台湾、その他、東南アジア等からの輸入が考えられます。
 和歌山港は、近畿圏における受け入れ基地としての立地条件を十分満たせる適地であります。和歌山市青岸の危険物取り扱い基地では、約三十年前からセメントや石油、化学製品等、タンカーにて貯蔵所への運搬を行っております。ここは、県の企業局が埋め立てをし、関係業種を企業誘致したものであります。
 しかし、約三十年経過した今日では、公共岸壁の一部は老朽化し、地盤沈下等もあってタンカーの接岸する岸壁がひび割れし、海の方に大きく傾斜している等のことがあります。今や、タンカーはほとんど大型化されつつあります。ここに接岸できるタンカーとしては、特にチャーターする小型タンカーと言われる三百トン物でも、干潮のときを避けて入港しないとタンカーの底が当たるようであります。これらの公共岸壁は、大型タンカー着岸可能なように改修、または新しく建設しないと、和歌山の産業の活性化は他府県におくれをとる一方であります。和歌山では道路交通網の状況が極めて悪く、運賃にかかるコストは、和歌山でのガソリン代や軽油代が全国的に見ても大阪と比べても大変高いと言われている原因の大きな要素となっているのが実態であります。
 搬送タンカーも、最近では三千トン以上のタンカー等で運搬するのが普通だそうであります。和歌山下津港青岸地区は、和歌山県が埋め立てをした当初より、化学原料・危険物取り扱い基地として、特定業種を対象に県が企業誘致した場所であります。和歌山活性化のため、これらの危険物基地の公共岸壁を時代に即応したものに改善、改修し、外国航路タンカー等が接岸可能なよう早期に対応すべきと考えます。これは、土木部長に答弁を求めます。
 三番目の項目でありますが、産業廃棄物、一般廃棄物処理による埋め立てについて。
 いよいよ来年八月に、住金西防埋立地への廃棄物搬入処理が、大阪湾フェニックス基地へ搬送せねばならないこととなります。当面、十年間ごとの更新で、和歌山市を初めとする廃棄物の受け入れ処理を大阪府にお願いするわけですが、その搬出基地は、準備期間として残り八カ月となった今、どのような対応状態にありますか。西防埋立地の一部を使用して廃棄物を積み出す場所や、そのほかの現況と今後の予定をお聞かせいただきたい。
 次に、将来の和歌山県の廃棄物処理対応計画についてお尋ねいたします。
 フェニックス基地への今後十年以上ぐらいの廃棄物受け入れ処理については可能と考えられますが、複数の府県、市町村より各種廃棄物を搬入するため、将来、和歌山県よりの搬入受け入れが不可能な時期が必ずやってまいります。関空全体構想実現後の和歌山を考えるとき、和歌山県も廃棄物処理による埋め立てについてさらに研究し、廃棄物による埋め立てがもたらす利点と問題点等も考え、長期にわたって埋め立てられ、将来、国際的物流基地建設等に取り組めるようなものともあわせて考えてみてはいかがかと思います。これは多くの部にまたがるような問題でありますが、今回は保健環境部長にご答弁をいただきたいと思います。
 四番目の項目、地方税法施行令の改正と県としての対応についてでありまして、県民が消費(購入)・賦課徴収されてから、各県、市町村交付までの諸問題についてであります。
 昨年十一月に、地方税法施行令改正について関連法律が成立しました。これは、国税、地方税を通じて、個人所得税の負担軽減と消費課税の実現を図ることをその主要な目的とするものであります。地方税にあっては、個人住民税の負担軽減と地方消費税の創設を柱とする地方税法等の一部を改正する法律案を昨年十月十七日に国会に提出し、十一月二十五日成立、十二月二日、法律第百十一号として公布されたところであります。つまり、二十一世紀を迎えつつある我が国が今後活力ある少子高齢化社会を創造していくためには、勤労世帯に過度に負担が偏らないよう、世代を通じた税負担の平準化を図り、社会全体の構成員が広く負担し、分かち合っていくという視点から税体系のあり方を見直すことが、今次の税制改革の理念でありましょう。
 こうした視点は国税、地方税を通じて必要な視点ですが、地方税においては、個人住民税の累進構造等の見直しを図りつつ、地方分権及び地域福祉の充実等のため地方税源の充実を図ることとし、現行の消費譲与税にかえて平成九年度から地方消費税を都道府県税として創設することとし、その税収の半分を各都道府県内の市町村に交付金として交付されることになったものであります。改正後は、消費税、地方消費税の合計収入に占める地方分の割合は、現行三九・二%から四三・六%に高まることとなります。
 地方消費税は、各都道府県ごとの消費に相当する額に応じてその税収を精算することにより税の帰属地と消費地を一致させることとして、現行消費税の課税根拠との整合性を図ることとされています。この消費に相当する額は、商業統計による小売年間販売額とその他の消費に関連する指標により算出される額の合計額により計算することとされています。
 ここで、交付されてくる税率は当然高くなるのですが、県内でどれだけ消費されたかが今後重要な要素であり、生産者・小売業者が消費者の消費した、つまり支払った消費税を的確に税務署に納税されているかについて、県民の声として、消費税は取られるが、徴収されたすべてがきちんと税務署に届いているか疑問に感じているとの声や、税率が上がる際に、この点をよくチェックできるような、気持ちよく払えるような何かを考えてほしいとの話をよく聞かされます。これについては、国税の徴収のことでもありまして、直接関係していない県としては間接的ということでありますが、総務部長に何らかの答弁をお願いしたいと思います。
 また、いかに県内で消費・購入をしてもらうか、つまり隣接県との激化する販売競争に負けない地元業者の対応と育成が必要でありましょう。県内消費の拡大を図るためには、県内消費者の県内での購入意欲をいかに高めるかが大切であります。そのために、魅力ある商店街づくりを行い、商店街を活性化させることが重要であると考えます。
 そこで、商店街等の活性化を図るため今後どのように取り組まれるのか、商工労働部長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 以上で、一回目の質問を終わります。
○副議長(木下秀男君) ただいまの井出益弘君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
 〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 井出議員にお答えをいたします。
 新南海橋、第二阪和国道についてのご質問でありますけれども、第二阪和国道は、和歌山と大阪を結ぶ府県間道路として、また和歌山市内の交通渋滞緩和のために、ぜひとも早く完成をしなければならない必要が前々から論議をされておるわけであります。
 県としては関係機関と調整──特に、用地を担当していただいている和歌山市のご努力も得ながら、機会あるごとに早期整備について、また事業費の増大などについて、関係方面に強く要望しておるところでございます。
 本年四月には、高規格道路と一体となって地域間の交流を強化するという意味で、地域高規格道路の整備区間の指定を受け、今後より一層弾みがつくわけでありますけれども、重点整備が図られるように進めてまいりたいと思います。
 また、関係機関や地元関係者の方々との調整も順次解決の方向に向かっておりますので、県としても、国、市と協力しながら、なお一層の事業促進を図ってまいりたいと考えております。
 次に、和歌山環状道路であります。
 これは、紀淡連絡道路等の太平洋新国土軸と連係し、また和歌山市の骨格となる環状の幹線道路を形成するという考え方でありますが、和歌山下津港を活用するためにも非常に重要な道路であろうと考えてございます。そのため、整備効果、ルート等について調査を進めているところでありますし、また今後も進めていきたいと考えております。
 整備を具体化するに当たりましては、大変大きな事業となりますので、国、県、市等で、あるいは有料道路なども含めた事業手法を考えていかなければならないかと思います。
 今後、早期にこれらの検討、関係機関との協議その他について、構想の具体化が図られるように努力を続けてまいりたい、そのように考えております。
 以上であります。
○副議長(木下秀男君) 土木部長山根一男君。
 〔山根一男君、登壇〕
○土木部長(山根一男君) 井出議員にお答えいたします。
 まず、新南海橋、第二阪和国道についてでございます。
 第二阪和国道のうち、大谷から元寺町の間の和歌山北バイパスについては、和歌山と大阪の連携を強化するとともに、関西国際空港への質の高いアクセスを提供する重要な道路であると考えております。また、仮称・新南海橋も含め、和歌山北バイパスの早期完成を実現するため、ことしの一月には建設省、県、市が連携を密にするため和歌山北バイパス事業連絡調整会を設けるなど、取り組みを進めているところでございます。
 現在の進捗状況については、計画区間内の用地測量も一部を残して完了し、用地買収を促進中でございます。新南海橋のうちJRの高架に伴う費用負担については、道路事業、街路事業の合併事業という特殊事情から、国、市、JRの三者間の費用負担が課題となっておりましたが、県も加わって鋭意調整を進めているところでございます。
 橋梁の着手時期については、平成八年度の用地取得の状況を勘案の上、早期に着手する予定と聞いております。また、和歌山北バイパスは、新南海橋も含め、平成十年度を初年度とする第十二次道路整備五カ年計画内にも供用できますよう、早期整備について国に対して強く要望しているところでございます。
 今後とも、議会並びに関係機関のご協力を得ながら、積極的に取り組んでまいります。
 次に、和歌山下津港湾整備についてでございます。
 議員ご指摘の青岸地区の公共岸壁は、昭和三十六年に背後の土地造成とあわせ、立地企業の資材や製品の海上輸送施設として整備されたものですが、現在は専用的に利用されている状況でございます。
 平成二年ごろ、当該企業から公共岸壁の改良の要望が出され、企業者とともに検討を重ねましたが、現在の施設を改良することは地形上困難であることや利用形態を勘案して、企業者が隣接する西側護岸に独自で三千トン対応の専用ドルフィンを建設することで合意し、平成四年十月、地方港湾審議会に諮問して港湾計画に位置づけされたところでございます。
 現在の施設については、ご提言のとおり老朽化もしており、再度、企業者と機能改善について協議を進めてまいります。
 以上でございます
○副議長(木下秀男君) 農林水産部長日根紀男君。
 〔日根紀男君、登壇〕
○農林水産部長(日根紀男君) 道路交通網の早期整備についてのご質問のうち、三点目の農免道路等の活用整備についてお答えいたします。
 広域農道、農免道路等、農道については、農業振興地域内において、農業の振興はもちろんのこと、地域の交通体系整備の一環としても位置づけ、県内各地で整備を進めているところでございます。
 和歌山市における農道整備については、農道としての採択要件に見合う受益面積や経済効果の確保、あるいは国道、県道、市道との調整など種々問題も多くありますので、市当局や土木部とも協議をしてまいります。
 以上でございます。
○副議長(木下秀男君) 保健環境部長鈴木英明君。
 〔鈴木英明君、登壇〕
○保健環境部長(鈴木英明君) 産業廃棄物、一般廃棄物処理についてお答えいたします。
 まず、フェニックス基地への廃棄物搬出予定地の準備状況でございますが、財団法人和歌山環境保全公社の廃棄物処分場の終了後の対応として、フェニックス計画に参加すべく、現在、住友金属の西防埋立地に和歌山基地を建設中でございます。市町村及び関係事業者への説明等、平成八年八月からの積み出し開始に向けて努力をしているところでございます。
 次に、将来の廃棄物処理対応計画についてでございます。
 現在のフェニックス計画は第一期計画でございますが、引き続き第二期計画の策定作業が進められてございまして、今後も廃棄物の最終処分は基本的にフェニックス計画で対応することといたしてございます。
 県独自に海面を埋め立てて廃棄物処分場を建設することは、フェニックス計画との関係で極めて困難なものと考えてございますが、しゅんせつ土や建設残土等については、これらの有効利用の観点から今後の課題として関係部局と協議をしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○副議長(木下秀男君) 総務部長木村良樹君。
 〔木村良樹君、登壇〕
○総務部長(木村良樹君) 県民が消費(購入)・賦課徴収されてから各県、市町村へ交付される上での地方消費税の問題でございます。
 議員ご指摘のように、消費者の負担した消費税が国に納入されていないのではないかという問題でございますが、この税の賦課徴収上のさまざまな問題については、消費税導入後の国民の消費税に対する理解の高まりや、税務署等、国の機関を通じての指導により、解消に努められていることとは思いますけれども、今後地方消費税となってくるものは主要な県税ということになるわけでございまして、県としても議員ご指摘の点等に無関心であっていいということではございませんので、再来年の地方消費税の導入に向けて、その意義等について改めて県民の理解が得られるよう十分努力してまいりたいと考えております。
○副議長(木下秀男君) 商工労働部長中山次郎君。
 〔中山次郎君、登壇〕
○商工労働部長(中山次郎君) 地方税法施行例の改正と県としての対応についての中の、消費拡大のための商店街の活性化についてお答え申し上げます。
 商工業者とりわけ小売業者の指導、育成については、県内商工会及び商工会議所等を通じて指導を行っているところでございます。具体的には、商工会、商工会議所において、商工業者に対する金融、税務及び経理等に関する相談や指導、また経営合理化に関する相談、指導を行うなど、地域に密着した指導に当たってございます。
 また、魅力ある商店街を形成する県の助成事業としては、ハード事業として、商店街等を対象にアーケードや街路灯等を整備する商業環境改善施設整備事業、ソフト事業としては、イベント事業等に対して助成する中小商業活性化事業、さらにまた、最近は商店街の空き店舗を活用した商店街空き店舗対策事業を実施するなど、積極的な商業振興施策を展開しているところでございます。
 議員のご提言を踏まえ、今後とも県内小売業者、商店街の活性化に向けてさらに努力してまいる所存でございます。このことが、ひいては県内消費の拡大、税収アップに資するものと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(木下秀男君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 6番井出益弘君。
○井出益弘君 なかなか難しい質問というか、解決策なり、どうしたらということがすぐにできない、もちろん相手があることですから最大限努力していただくということしかお願いできないかと思いますが、中でも、知事がかわられたこの時期に県の職員の方の考えも改革していただきたいということがまず一点。幾つか懸案事項としてずっと残されてきていることを繰り返し私らもお願いしておるわけですけれども、まずそういうところがなかったら発展もしないということです。県勢活性化のために、あるいは県民の立場に立ってということが一番基本だと思います。それは西口知事も申されておるとおりですけれども、あと職員の方も、この機会にさらに意識改革をしていただきたい。
 一点だけ、ちょっと。まず第二阪和国道ですけれども、新南海橋については、私も、議連の皆さんあるいは県議会の皆さんと一緒にこのことを一生懸命──和歌山県の活性化、あるいは経済効果上も一番先にかけないといけない橋が新南海橋だというぐらいに思っておるんです。これは平成十二年までに開通させると先ほど部長も答弁されたんですけれども、十二年までに開通させないといかんのやったら、用地買収のめどとしたらもう来年度ぐらいの予算で大方のところまでいくんだから、架橋工事には九年ぐらいに着手してほしいと。これは以前からも市、県の中で議論されてきて、和歌山市の方ではもう九年に架橋着手をしてもらうという話がどんどん出ておる。県もやっぱりそういうことを確認して、九年に新南海橋の橋梁工事にかかると言ってもらいたい、答弁で入れてほしいと言ったんですが、なかなか、努力はするけれども、━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━、だから、平成十二年に開通ということだったら逆算して九年に着手せんとあかんのじゃないかと。そういうことで、これはせめて何年度に着手すると、努力目標として頑張ろうというようなことを──十二年に開通さすということも努力目標ですから、やっぱりそういう期限をちゃんと入れて答弁なり取り組みをしていただかないと。
 先週、議連の三役の皆さんと一緒に建設省なり大蔵省へ行かしていただきましたが、しっかり陳情というか、訴えてきてくださいということです。各課への陳情も今のような仕方じゃなくて──課の人間は毎年ちょこちょこかわるから、新規の者が見てもわからないでしょうと。だから、こんなに困っているというのが一目瞭然でわかるように資料を──あんまり量が多過ぎる資料でもあかんけど。そういう工夫をほかの府県もされていますよと。写真なんかも入れて、ああこれは大変やなとか、この中のこの部分ですよと、課の担当者や幹部の方がかわられても、陳情を受けた方がよくわかるような陳情の仕方でしっかり頑張っていただいたらもっといいんじゃないかというようなアドバイスもいただいたんです。
 ぜひひとつ、西口知事さんが新しい知事として着任されたこの機会に、そういうようなこともすべてひとつ改革というか、新しい県政への取り組みをお互いにしていかないかんのじゃないかなと思っていますので、強く要望して終わりたいと思います。
 以上。
 〔「要望やけど答弁せえよ。あんないい加減なこと言わしておいて」と呼ぶ者あり〕
○副議長(木下秀男君) 土木部長山根一男君。
 〔「要望やったのに答弁せんでもええやないか」と呼ぶ者あり〕
○副議長(木下秀男君) ただいまの発言は要望でございますので、井出益弘君の質問が終了いたしました。
 〔「46番、議事進行」と呼ぶ〕
○副議長(木下秀男君) 46番大江康弘君。
○大江康弘君 今の井出さんの再質問の中で、「━━━━━━」というようなことを言うたというようなことは、まことにこれ、けしからんことや。一回それ、きちっと、そういう事実があったのかどうか、今ちょっとこれから早急に確認をしていただきたい、こういうように思います。
 〔「休憩」と呼ぶ者あり〕
○副議長(木下秀男君) 議事の都合により、暫時休憩いたします。
 午後一時四十分休憩
 ─────────────────────
 午後二時三十四分再開
○副議長(木下秀男君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
○副議長(木下秀男君) ただいま井出益弘君から、先ほどの同君の要望における発言について、その一部を取り消したい旨の申し出がありました。
 同君の発言の一部取り消しについて、同君の申し出どおりこれを許可することにご異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(木下秀男君) ご異議なしと認めます。よって、井出益弘君からの発言の取り消し申し出を許可することに決定いたしました。
○副議長(木下秀男君) この際、当局から発言を求められておりますので、これを許可いたします。
 土木部長山根一男君。
 〔山根一男君、登壇〕
○土木部長(山根一男君) 和歌山北バイパスは、建設省の直轄事業である上、橋梁工事に着手するまでには、用地取得の促進、河川協議など解決すべき課題も多く残っておりますので、ご説明の中でその趣旨を申し上げたものであり、誤解を生じた点については申しわけありません。
 県といたしましては、一日も早い着工に向けて努力してまいります。
○副議長(木下秀男君) 以上で、井出益弘君の質問が終了いたしました。
○副議長(木下秀男君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 20番上野哲弘君。
 〔上野哲弘君、登壇〕(拍手)
○上野哲弘君 一般質問を行います。
 西口新県政について、そのお考えをお聞きし、今後の県政の指標にしたいと思っております。
 去る十二月六日、県議会初日における西口新知事の所信表明を伺い、和歌山県政の新たなる出発を感じると同時に、大いなる期待をするものであります。
 このたびの知事選を振り返りますと、仮谷県政二十年の評価が問われたものであり、さらに、今後の県政に県民がいかなる期待を込めて新しい執行者を選択されたのか、西口知事におかれましては、県下各地を回られて、その意図するところをよく感じ取られておることと存じます。
 さて、新知事における施政方針は、二十一世紀に向かっての地域活性化、さらに和歌山県の発展を考える上での県政のあり方を提起され、その中で和歌山県はある意味では重要な時期にあるとの指摘は、全く同感であります。県下五十市町村それぞれの特色を打ち出す絶好の機会が到来したと言えるのではないでしょうか。二十一世紀はアジアの時代であり、アジアにおける日本、その中での和歌山県の果たす役割を考えた場合、もっともっと広い視野に立って和歌山のあり方というものを真剣に企画しなければならない、まさしくそのとおりかと思います。
 それでは、順序を地域振興からさせていただきます。ただいま、県下全体について申し上げました。それに関連して、熊野地域の振興についてお伺いいたします。
 この問題につきましては、仮谷前知事に対し、四年間にわたりこの議場で申し上げてまいりました。その間、県当局におかれて熊野地域活性化対策として三年間にわたる計画案が作成され、今、その実施が待たれるところであります。私は、このような状況の中、西口県政のスタートに当たり、地域の現状を客観的に申し上げ、その対策に心から期待するところであります。
 それでは、熊野地域を構成する新宮市の現状を申し上げたいと思います。
 まず人口でありますが、平成七年十月三十一日現在、新宮市の人口は三万四千五百六十四人と、三万五千人を割り込んでしまいました。ちなみに、県下の有田市は、市政施行以来新宮市より人口が少なかったのでありますが、今回の調査で有田市の人口は三万五千二百七十六人となっておりますので、その差が約七百人となってしまいました。その原因の一つは、巴川製紙所新宮工場の閉鎖によるものと考えます。この工場の閉鎖は地域経済にとって大きな痛手となっており、その対策は地域にとって最重要課題となっております。今、地元においては地域振興どころか、減退しているのが現状であります。
 しかし、我々は後向きの論議をしても始まりません。将来を展望し、地域に応じた対策が求められているところであります。その意味から、御坊市を参考にして比較してみたいと思います。
 御坊市の人口は現在二万八千五百二十七人と、三万人を割っておりますが、今年度末には御坊まで高速道路が完成し、御坊・阪和間が大幅に短縮されようとしており、それに付随して県企業局による工業団地が完成し、企業誘致も始まったと聞いております。さらに、御坊地区は拠点都市としての指定を受け、また御坊田園テクノタウンの位置づけがされているところでもあります。聞きますと、平成十三年には人口予想を三万二千人としているようであります。
 一方、十年後の新宮市の人口予想は、今のままで推移すれば二万八千人となり、県下最下位の市になってしまうとも言われております。地方における人口減は時代の流れでいたし方ない面もありますが、やはり行政に携わる者にとっては重要であり、見逃せない問題と思います。
 それでは、新宮・東牟婁の地域振興策をどのようにとらえるか。非常に厳しい現状が待っていると考えますが、当地域の多くは山間部で占められ、その基幹産業である木材産業の低迷が過疎化に拍車をかけ、地域の体力がじわじわと減退しております。当地域は山間部を無視して考えられない中、木材産業が第二の石炭産業になり得るのか、大きな選択を迎えていると思います。すなわち、新たな木材産業を打ち立てるのか、さもなくば別な分野に進出すべきなのか、二十一世紀の青写真が今行政に求められていると思います。
 最後に、質問の要旨といたしまして、その振興対策は将棋で言えば王手飛車の例えで考えるべきかと思います。すなわち、何を選択し、何を切り捨てるのか、決断しなければなりません。
 以上、私の所見を申し上げ、当局の見解をお伺いいたします。
 次に、熊野博についてお伺いいたします。
 今回の知事選において西口知事は、熊野地域の活性化の一環として熊野博の開催を提言されました。本来なら、地元市町村からその声が出て、県当局にその旨を伝え、計画書を作成し、地域住民が行政と一体となって推進すべきものであると思いますが、いかんせん地域にはその元気がないのが現状であります。しかし私は、地域選出の議員の一人として、また住民の一人として、ぜひともこの熊野博を実現すべきであると思っております。
 今、地域にとって何が必要か。これまでのような地域イベントの開催もさることながら、その目的に向かって新たな発想とか当地域の特色が出せる知恵とか、または大きな汗を流すとか、そのような過程が絶対必要不可欠と確信するものであります。以下、私なりの熊野博の意義を申し上げ、その具体案を言上し、県当局のご所見をお伺いするものであります。
 さきに知事が申されました、和歌山県はある意味では重要な時期に突入しているとの指摘は、時宜を得た発言であったと思います。二十一世紀は、世界的にはアジアの時代、国内的には地方の時代と言われております。今まさに和歌山県の持つ特色を全国に打ち出し、また世界にアピールすべき時期とすれば、この際、熊野地域をぜひともその一角に加えていただき、熊野地域の活性化の旗印として熊野博の開催を強く願うものであります。
 それでは、熊野博を通じて地域として何ができるのか、また全国あるいは世界の人々に何を提供できるのか、我々には新たな発想と知恵が要求されるところであります。
 まず熊野博開催のテーマをどのようにするかでありますが、熊野地域にどのような位置づけを行うかにかかっていると言っても過言ではありません。私の考えを申せば、行政的には二十一世紀の社会を想定し、あらゆる施策の先取りを行うための実験場にすべきであると思います。さらに一般的には、二十一世紀は物質から心の時代と言われております。熊野地域は心に関するあらゆる情報を全国あるいは世界に向けて発信すべき役割を担うべきであり、そのような位置づけを行い、具体策に入るべきものと考えます。
 具体策の第一点として、二十一世紀における福祉、教育、医療、文化、健康、観光、産業等、あらゆる分野の情報を組み入れた総合イベントにすべきと思います。
 次に、熊野地域を分割し、その地域地域でどのような具体案が作成できるのか、それぞれの地域の発想と知恵を集約すべきと思います。私は、四地域を考えてみました。第一地区を串本、古座、古座川とします。串本は西牟婁郡でありますが、新宮・東牟婁広域圏に入っていますので含みました。第二地区を太地、那智勝浦とし、第三を新宮地区とします。第四を本宮、熊野川、北山とすれば、それぞれの地区が熊野博の旗印のもと、斬新なアイデアを出し合い、特色のあるいいものができるものと考えます。
 第三点に、県当局と地元の行政、住民が論議し、その体制を早期に結成すべきと思います。
 最後に、熊野地域は三重、奈良の両県と接していますので、できれば両県と協調して共同開催となれば、さらに充実した熊野博ができるものと考えます。
 以上、熊野博に対する私の考えを申し上げました。県当局の所見と地域振興の面での一層の支援、指導をお願いするものであります。西口知事のご答弁をお願い申し上げます。
 続きまして、紀南におけるスポーツ公園についてお伺いします。
 このたび、県土地開発公社において巴川製紙所新宮工場の用地を取得され、県スポーツ公園とする旨の新聞報道がありました。このスポーツ公園につきましては、地元の要望もあり、県がその必要性を十分考えられて事業着手に向かわれていると思いますが、その経緯についてお伺いいたします。
 第一点、巴川製紙所の用地取得と全体計画について、第二点、地元紙における県営施設報道について、土木部長の所見をお伺いいたします。
 以上、終わります。
○副議長(木下秀男君) ただいまの上野哲弘君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
 〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 上野議員にお答えをいたします。
 熊野博に関するご質問でありますが、いわゆる博覧会なるもののあり方については種々議論のあるところでございます。しかし私は、地域の活性化を図っていく上でのイベントの持つ意義、効果は依然として大きいものがあろうと考えております。
 本議会の冒頭で所信として申し上げましたように、私たちは、豊かな自然や歴史、文化といった地域の持っているすばらしい資源などを、もっと誇りと自信を持ってPRしていかなければならない、そのことがこれからの努力として必要であろうと思っておるわけであります。
 私が熊野博を提案したのも、まさしく県民の方々による地域のエネルギーを導き出し、このことを通じて熊野地域の活力と魅力を外に向かってアピールしていくことを考えていかなきゃならんという思いからであります。
 ただいまの議員のご提言の趣旨も、基本線においては私の考えと軌を一にするものでございまして、地域の発想と知恵、情熱、汗、そういうことを出す過程こそが何よりも肝要なことだと、そういうご意見に意を強くしたところであります。
 熊野博では、世界に誇るべき熊野精神文化の土壌、さらに、豊かな自然・歴史を二十一世紀の心の時代を先導するものとして、日本国内はもとより世界に情報発信をしていく構想としておりますけれども、こうした大規模イベントを開催するためには、まだまだ議論を重ねていかなければならない課題が多いと思います。とりわけ地元の盛り上がり、取り組みがこの場合のキーポイントになることだと考えておりますので、地元の皆さんともども大いに議論をして、地域の将来を見据えた計画として、これからその実現のために努力をしていきたいというふうに考えております。
 よろしくお願いします。以上です。
○副議長(木下秀男君) 企画部長藤谷茂樹君。
 〔藤谷茂樹君、登壇〕
○企画部長(藤谷茂樹君) 上野議員にお答え申し上げます。
 熊野地域は、国土軸から離れている分、産業基盤の整備がおくれ、産業面の振興が課題となっていると認識してございます。このため、高速道路を初め、国道、県道、林道などの道路網の整備、JR紀勢線の高速化、ヘリポートの整備など、総合的な交通ネットワークの整備に取り組んでいるところでございます。
 こうした交通体系の整備をインパクトにして、自然や安らぎを志向する都市住民に熊野の自然資源、歴史・文化資源をPRし、観光・リゾート産業の振興を図ることが重要であると考えてございます。
 現在、第三次の中期実施計画では、熊野学研究センターの整備構想、海辺のふれあいゾーンの整備、歴史街道構想の推進などを主要プロジェクトとして位置づけ、熊野地域の活性化に取り組んでいるところでございます。
 今後とも、ふるさと産品の開発や販路の拡大による農林水産業の振興を図り、グリーンツーリズムの促進やキャンプ場、海洋レジャー施設の整備、安価で良質な宿泊施設の設置など、京阪神との交流を活発化し、市町村や地元の方々との連携を図り、活力のある地域づくりを促進してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(木下秀男君) 土木部長山根一男君。
 〔山根一男君、登壇〕
○土木部長(山根一男君) 上野議員の、紀南におけるスポーツ公園についてのご質問にお答えいたします。
 新宮定住圏のスポーツ公園については、適地の確保に努めておりましたが、去る十一月に新宮市佐野地内において、土地開発公社により巴川製紙産業所有の土地約二・五ヘクタールの取得をしております。施設計画については、広域圏の位置づけのもとでスポーツ・レクリエーション需要に対応するあり方について、今後とも新宮市を初めとする関係機関と協議し、検討を進めてまいります。
○副議長(木下秀男君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 20番上野哲弘君。
○上野哲弘君 今回の地域振興について、僕が意図したところには木材産業が入っていたんですが、企画部長の答弁ということで。本来なら農林水産部長に聞くべきなんですが、私は農林水産委員会に所属しておりますので、それについては委員会で発言したいと思います。
 そういう面で、企画部長に認識をお願いしたいんですが、第二の石炭産業になるんではないかというような語句を使ったわけなんですけれども、その理由を申し上げますと、先日、農林水産委員会で九州における国産材を利用したプレカット工場──機械化して建ち上げるということなんですが──の現地説明では、これからの産業はこのような近代設備でやらなければ生きていけないという自信に満ちた言葉が返ってきたわけです。実は、そこへ同席された先輩議員の方から、巴川の跡地利用に関して、そこをプレカット工場にしたらどうかという話を受けまして、早速、地元の木材業者あるいは巴川製紙所にその旨を伝えたところであります。
 なぜ巴川にしたかと言うと、広大な山林を擁しており、その原材料が確保できるということと、もしできれば、その跡地が活用できる、それと、巴川という会社がもしそういう住宅産業に参加できれば、ある程度販路が期待できるのではないかと、そのような勘定をしていました。さらに、目前にある新宮港の整備促進がされれば、これの活用により大都市圏とのいわゆる交流、物流基地としても考えられるのではないかと、そのような意味で巴川製紙所にもその旨を伝えました。
 この提案が今後どのように推移するかわかりませんけれども、なかなか──現在のところは事業化するところには至っていないというような感じを受けたわけです。その中で、プレカットについては、今はコンピューターを使ってやっておりますが、十年になりますので、いわゆるもう飽和状態であるという意見の業者もあります。当局の方に聞きますと、今のところ、この事業でどうかという声も聞きました。また、補助事業としていろんなことをやるにしても地元の負担がなかなかできないということで、なかなかこの事業も進めないのかなと、そういうような感じを抱いたわけです。その中で、これからこの産業がどうなっていくかということを考えますと、これが十年たちますと、ほとんど近代化していない中小の事業所ではなかなか勝負にならない、いわゆる将来の見通しが立たないというような感じを受けたわけです。
 第二の石炭産業になるのではないかということは、そのような思いで提案したわけです。本当にそのようになるのか、また新しい事業展開でこれが利用できるのか、そのようなことも、農林水産部だけやなしに皆さんに知っていただいて、いろんな面で地域にぜひとも情報を与えていただきまして、これからの活性化のためにちょっとご指導をお願いしたいなと、そのような感じで、これは要望としておきます。
 次に、土木部長のスポーツ公園です。
 これは地域の県民にとって非常にいい施設だと思いますし、期待しているわけです。ただ問題は、新聞へ「県営」と出たことなんです。僕が困ったと言うのは、こういう形で出ると、地域の人間は県が全部してくれるというように思うわけです。
 今回の知事選において相手候補が新宮で五分に渡り合ったということは、地域の減退もありますし、何か、県は今までしてくれないというようなことがあるんですが、それは別にして、そういう新しい人に、何かしてくれるんじゃないかという期待があったわけなんです。新宮まで高速道路を十年でつけるという、そんな話にも乗ってしまったわけです。そういう面で、変にこういうものが出ますと、本当に全部やってくれるという期待感がありますので、これはちゃんと説明しないとぐあいが悪いんじゃないかということで、今回質問させてもらいました。
 ちなみに、橋本市が今市営でやっておるわけですが、この面積たるもの、三十五ヘクタール、約十万坪です。今回のは、今土木部長が言われたように二・五ヘクタールですから、八千坪ぐらいですか。これが県営となってきますと、ちょっと問題があるんじゃないかというような感じがするわけです。
 地域の活性化にはいろいろありますが、こういう橋本市の例も十分考えておられると思いますけれども、ぜひとも地域住民にきちっとした対応をしていただきたい、このように思っておりますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。
 以上で終わります。要望です。
○副議長(木下秀男君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で上野哲弘君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
○副議長(木下秀男君) 本日は、これをもって散会いたします。
 午後三時三分散会

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