平成7年12月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(中山 豊議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 午後一時五分再開
○副議長(木下秀男君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
○副議長(木下秀男君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 32番中山 豊君。
 〔中山 豊君、登壇〕(拍手)
○中山 豊君 議長のお許しを得て、質問をさせていただきます。
 国道三百七十号海南市領域、特に重根地区内の計画についてお尋ねいたします。
 三百七十号の整備について、野電廃線に伴ってその必要が緊急性を帯びてきたこと、さらに霊峰高野山へのアクセス道路として、関西空港開港に関連して高速自動車道海南東インターから上る幹線道と位置づけられ、その要求が高くなっていることから、六月議会及び九月議会と連続して取り上げ、整備促進方を求めてきたところであります。
 六月議会では、阪井地区内の軌道敷利用はあくまで暫定的な措置であり、現道整備は困難としてバイパスを基本に考えていくとのことでした。九月議会では、野上・美里区間の整備構想を示されるよう求め、この路線の整備に係る基本的な考え方を明らかにしていただきました。
 そこで今議会では、残る区域すなわち海南市領内の重根地区内のことについてどうなさるのかを求めたいと思います。
 この地域は、重根土地区画整理事業で取り組まれ、ある時期は前に進まず、後ろにも下がれずという状態になったようですけれども、ようやく来年半ばごろには仮換地指定をしたいというところまで進めておられるようであります。もちろん、三百七十号の現道整備をということになるのであろうけれども、この事業の進捗過程で三百七十号のこの地区内における法線のとり方によって大きな変更を余儀なくされることは起こりはしないかということであります。まずもって、基本的なお考えをお示し願いたいと思います。
 六月議会で阪井地区間の整備についてお聞きしたときの土木部長答弁、またこの事業に国庫補助及び県支出金を出してきているという立場からの国道の整備、組合施行であるとはいえ重根土地区画整理事業にかかわって、ここの法線のとり方が阪井地区内のバイパス法線のとり方にも大きく関連してくることなどをご指摘申し上げながら、この区間における三百七十号の整備のあり方についてお聞かせ願いたいと思います。
 特に先ほど申し上げたように、組合施行とはいえ、国庫補助金及び県支出金等をかなり支出してきていることからの国道整備を考えるときに、組合施行ということでただ単に見ているだけではなくて、県当局の大きな指導とかなり強力なかかわり合いを示しながら、これについてのお考えをお尋ね申し上げたいと思います。
 次に、県道岩出海南線の整備についてであります。
 これについて六月議会で申し上げたところ、土木部長は、海南市は鉄道高架事業や築地阪井線の整備工事に取り組まれている状況なので協議をしていくと申されました。海南市当局の状況をおもんぱかっての答弁と受けとめさせていただきました。しかし、この県道整備は、今直ちにとはいかなくても、基本的な方向として漆器商業団地内を東西に通す計画街路黒江且来線に代替して整備すべきだという考え方を強く主張しながら答弁を求めたところであります。且来、小野田地区内の住宅団地の造成、及びインテリジェントパークからの北側へのアクセス等から考えても必要な路線だと求められているのであります。重ねて申しますが、今直ちにとは申しませんけれども、基本的なお考えをお示し願いたいと思います。
 次に、農業、農政についてであります。
 そのうちの桃対策についてであります。
 ことしは、和歌山県の桃の産地の全域にせん孔細菌病が発生し、大きな被害を受けました。県は、桃せん孔病緊急対策特別資金の貸付事業をいち早く起こされました。生産者の痛手をいやそうとの取り組みをなされているところですけれども、実態把握に努めた結果に基づき、生産者の声を当局に反映させるために、以下の質問をさせていただきます。
 せん孔細菌病対策で今日まで決め手となる対策が確立していないようなので、果樹園芸試験場等の関係機関によって科学的調査と研究に当たられてはどうかということをお尋ねしたいわけであります。
 雨風に当たるところに大発生が見られるということから、防風ネットを設置しようと試みられているけれども、その効果についてさまざまな評価があります。生産地の特定の箇所で試行的に防風ネットを設置し、科学的調査をして効果的措置を割り出されてはいかがかということを申し上げたいわけであります。防風ネットの効果が顕著であれば大いなる貢献であります。
 昨年の干ばつにより樹勢が衰え、弱り目にたたり目というか異常発生したものであります。樹勢を衰弱させないようにしながら、かん水施設、土壌の改良、敷きわらなどをして根を守るなど、農業者の園芸指導とその対策を進められる広報活動に支援を送られたいとの要求もありますけれども、それらについてのご答弁をお願いしたいと思います。
 決定的効果の期待できる薬剤開発がまだされていないようであります。関係機関に研究開発されるよう働きかけられ、そのためのプロジェクトチームを設けてはいかがかとただしたいのであります。
 次に、ミカン対策についてであります。
 一連のかんきつ及びかんきつ果汁製品の自由化措置により、深刻な影響を受けているわけであります。さらに、ガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意による関税率の引き下げ等によりミカン農業者に大きな打撃となりつつある上に、消費者の高品質果実志向を背景にコスト低減、高品質果実の安定生産が求められております。それに対応するべく、政府はウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策大綱を決定されているけれども、勉強不足も手伝ってか、和歌山県ではどうなっているのか皆目わからないわけであります。政府の総事業費六兆百億円から成る対策費、果樹関係だけで七百五十億円とのことですけれども、県段階でどのように具体化されようとしているのか、予定されている関連果樹対策はいろいろあろうけれども、具体的に次のことをお聞きしたいと思います。
 ミカン栽培作業中、最も重労働とされる夏場の薬剤散布の省力化としての多目的スプリンクラー、及び樹園地整備のための園内道の設置などが最も農業者の求めているところだと思います。ある県のことですが、工事費及び材料費の六○%のうち県が五○%、市町が一○%の補助をするとの具体的施策を打ち出されているということも聞き及んでおります。目に見える施策、しかも農業者が真に求めている施策、そして使いやすい施策の具体化を求めたいと思います。ご答弁をお願いします。
 次に、米作減反と農地を守ることについて。
 これは、この課題が余りにも深刻で大き過ぎ、国の施策ともかかわっていることから直ちに答弁は求めませんけれども、問題提起をさせてもらうつもりで述べたいと思います。
 政府は一九九五年農業センサスを発表したけれども、九○年の調査に比べ一○・四%の農家数の減少という、過去最大の落ち込み幅を記録したとのことであります。これをまつまでもなく農家数の減少、すなわち農地の減少に連動していきますけれども、特にこのたびは米作生産調整の名で進められている減反に問題ありとして、以下述べたいと思います。
 来年度の減反割り当て──配当面積とでも言うんでしょうか──が県下自治体に割り当て配当されようと段取りされているようですけれども、割り当て面積の達成状況を見ながら、割り当て面積と放置田──遊休農地ですね──面積の相関関係はどうなっているのかということ、あるいはまた放置田対策として各農業委員会がとられている措置は、農地法の不備欠陥とでも言うのでしょうか、そのあたりを巧みについた開発業者のやり方が余りにも目につくところであります。それが農業破壊に通ずることを指摘しておきたいわけであります。
 例えば、自治体の農業委員会に転作をするのだと言って認可を取り開発をする、その開発の過程で河川を埋め立てる、その上を耕作機を通す、さらには産業廃棄物のようなものを持ち込んできて下草に入れて土をかぶせる、水田から梅をつくる畑に変えるのだということだけれども、地域の人たちが見て、とてもじゃないけれどもそういうふうなものではない、形状からしても内容からしても、これは大型開発ではないかという疑わしい状況であります。これらについてあれこれ指摘してみても、河川の管理については管理責任を問われるところで指摘されて回復される、廃棄物が運ばれてきて埋め立てられていることを指摘したら保健所等を通じてチェックされる、しかし水田が畑地に変えられるという開発行為はどこのチェックもされないということであります。あげくの果てに、その業者が看板を立てて最終処分地としながら造成しているということですから、たまったものではありません。それは、許可を与えた、認可を与えた地域自治体の農業委員会の責任だと言えばそれまでかもしれませんけれども、農業委員会はそのような開発行為に対して、あれだのこれだのと規制し、業者に対してチェックをするというシビアな取り組みができない。こういった場合、どうしたらいいのかという問題があります。
 もう一つの具体的な事例として、新規農業をするのだということでかなり大きな面積で農地を買い、その農地を十年近くも放置して、その周辺のまじめな農業者の耕作に随分迷惑をかける。これとても、新規農業をすると言って農業委員会が農地を取得する許可を与えたのだからと、農業委員会にその責任を問うて、そのようなあり方を正すように厳しく求めたとしても、正しい取り組みはできない。地域住民の要求にかなえられるような取り組みはできない。こういう場合どうしたらいいのだろうか、こういう課題があるわけであります。
 もちろん、農業経営基盤強化促進法という法律があって、遊休農地にかかわって悪徳業者の農地破壊を許さない取り組みもできようかと思うけれども、それらの法律が農業委員会及び地方行政機関の成熟した取り組みにはなっていない状況を一応提起しておきたいと思うわけであります。
 こういうふうにして考えてみるときに、すなわち減反は生産意欲を奪い、農業者の米づくりの誇りを失わせることに帰すると思うわけであります。この事業は補助金を出して促進する施策であることから、地域住民の協同を壊すことに通じるのではないかと考えられます。すなわち、社会の連帯と協同を深いところで侵食し、単に米づくりだけにとどまらず日本人の心に及ぶことを熟慮せざるを得ないのであります。減反は自立農業を育成するのに役立つのだという説法は、歴史的な過程や事実から通したとしても、もうだれしも認めるところではありません。
 こういう点をご指摘申し上げながら、農業者の痛みを共有して、農業をいわば日本人の心、すなわち精神文化にかかわる課題だとして深く論議し合いたいものだということを当局に投げかけたいと思います。この問題は引き続き取り上げていくことを申し上げながら、終わりたいと思います。これについては、答弁は要りません。
 次に、和歌山下津港計画と大阪湾港湾計画基本構想についてであります。
 運輸省は、十一月二十七日、二○一○年を目標に、大阪湾港湾計画基本構想なるものを発表しました。これは、神戸、大阪港を一体整備し、湾全体でアジアのハブポート化を目指すものであります。この構想に和歌山下津港がどう位置づけられているのか。大阪湾の外港として、また商業港として見直され、将来に向け発展する可能性に大きな期待がかけられている和歌山下津港ですから、和歌山県にとって無関心でおれないのであります。発表を見る限り、「和歌山下津港(中略)など近隣の湾外諸港との分担・連携を図る」という一行があるだけであります。
 関空開港、第二国土軸構想による紀淡海峡大橋、湾岸道路など、和歌山が国内外へと発展するのだ、将来に向けて大きく飛躍するのだと盛んに叫ばれているけれども、この二○一○年構想は和歌山県をらち外に置いているのは、期待と呼びかけとが大きく異なることになるのではないでしょうか。これに対する当局の今までの取り組みと構想、また和歌山下津港をどうなされるつもりか、さらに将来に向けてどんな対応をされようとしているのかを示されたいのであります。
 ようやくにして発表されたものの、「あとがき」に、「社会経済の動向や国際情勢の動向などは急激に変化している。これらを的確に見極め、大阪湾地域のさらなる発展のために、本構想に反映すべき事柄が明確になった場合には本構想に加筆するなど柔軟に対応していく」と書かれているのがせめてもの慰めであります。
 県が来年度の予定を前倒しして、コンテナ岸壁用の移動式荷役クレーンを導入され、十二月六日から稼働し出したと言います。県が目指す近畿南部の輸出入の拠点港として力を入れてきていることからして、大阪湾の交易拠点の一体整備の枠外にされているのは合点がいかないわけであります。どんな位置づけをさせるべきなのか、国にどんな働きかけをしてきたのか、またどう働きかけようとしているのか、詳しくご答弁をお願い申し上げます。
 次に、電気事業法一部改正に伴う動きについてであります。
 平成七年四月、電気事業法が一部改正され、十二月一日施行に伴い、県下で売電事業を起こそうとの動きが顕在化してきています。一つは、東燃が既に発表いたしました。会社所有地に五十万キロワットの火力発電所を建設するということ。もう一つは、海南市に所在する和歌山石油精製が所内に十四万九千キロワットの火力発電所を建設するとの計画であります。
 関西電力の買電事業の事前説明会には、石油会社、製鉄会社、セメント会社等、関西規模で百七十社が参加したとのことであります。県下での建設は二社だけにとどまらないのではないかと思うけれども、和歌山県下でこの説明会に参加した企業はどれだけあったのかお知らせください。
 そして、今日、社会の電力需要はさらに拡大されていくであろうことから、それに備えなくてはならないとしても、共通して言えることは、火力発電であること、使用燃料が自社の石油精製の過程でできる重質残渣油であることから、大気汚染への心配が避けられません。売電事業を起こす会社と該当する自治体で公害防止協定を結び、住民の健康保持に努められることになるのであろうけれども、県としてかかる電気事業法一部改正に伴い、売電事業を起こそうとする二社だけでない動きと、それに対応する公害防止対策についてどのように考えられているか、基本的なところをお聞きしたいと思います。
 大変気になるのは、公害発生源が多極化して企業の責任の自覚が一層希薄化していくことであります。これに対する当局の対応はどうなされるのでしょうか、お尋ね申し上げたい。
 特に、海南選出ですので海南市のことなどを少し述べておきたいと思います。
 海南火力の百八十メートルの煙突から噴出される煙で、直下にある町は大して影響ないようですけれども、少し離れた別所、黒沢、上谷、野上の方の山沿いで今ミカンの収穫をされている農家の人たちの話では、一日ミカン取りをすると作業服が真っ黒になるということであります。さらに、六月から七月の初めはヤマモモが熟してくるころですけれども、近年みずみずしさがなくなって、食べられるようなヤマモモができないと言われています。なぜですかと聞くと、やはり大気汚染が影響しているのと違いますかというお百姓の話であります。
 こういうことから、大気汚染が長年蓄積されていく中で我々の生命や健康に大きな影響のある障害が起こってくるのではないかと考えられ、この電気事業法の一部改正に伴う売電事業についてシビアな対応が求められることから、特に公害問題についてお考えをお尋ねしたいと思います。
 さらに、重ねて申しますけれども、発生源が多極化する中で企業の自覚が希薄化されることがあってはならないと思いますので、そのあたりにも触れて突っ込んだご答弁をいただきたいと思います。
 最後に、知事選挙についてであります。
 これについては、あれこれ申し上げたいことがたくさんあるんですけれども、前に登壇した二人の方も述べられたし、今議会でこのことに触れられない方はないぐらい、登壇者は皆関心を持って登壇されるのではないかと思います。そういうふうなことも考えながら、僕は二点だけにとどめてお尋ね申し上げておきますので、知事のお考えをお聞かせください。
 一つは、十一月二十四日、初登庁、県庁玄関前でのあいさつ、そして各紙に報じられた記事、また「県民の友」十二月号に掲載されているあいさつ、さらに十二月県議会開会日の議場での所信表明など、西口県政のいでたちはいかがなものかをうかがうに十分なものだったと私は受けとめているんです。
 このようにも述べられていますね。「昨年十一月、副知事を辞して以来、県内をくまなく歩いた。県民に県政が十分理解されていない。逆に、地域住民の要求が県にストレートに届いていない。このことを実感した」と述べられているのがすごく心に残るところであります。よくぞ言ったと、その勇気というのか、その気心を受け入れたいと思うのであります。
 次に、聞いてくださいよ。長年、県行政に携わり、最終は副知事という要職についていただけに、「県民の声が届いていない。県民に理解されていない県政だ」、こういうふうにみずからの口でご表明なさったということは、そのような県政を形成していた責任を自覚しての発言だと思います。言いかえれば、おのれ自身にはね返ってくるような言葉をあえて発言なさったということを考えれば、この発言は政治家として言葉に責任を持ち、それを実践し貫き通そうとするあらわれだと思います。ともすれば無難を期そうとしがちなのは人情ではないかと思えばこそ、あえて勇気と申し上げたところであります。こすい人間やったら、こんなこと言わんのと違いますか。あれこれあろうが、県民にとって今次知事選挙の大きな収穫ではないかと思うのですが、いかがなものでしょうか。
 さらに、心の通う県政を目指す、開かれた県政、たくましい県庁に改革していく、一人一人の心の痛みがわかる政治で心の通う県政を進める、和歌山に住んでよかったと言えるようなふるさとをつくるため、企画し立案し一つ一つ実現していくと申されました。知事一人にとどまらず、県庁の行政機関を挙げてこそやれる仕事だと思います。西口新知事にかかる発言を許容した県庁と見ることもできます。そう考えたら、あすに向けての和歌山県に大きな期待が持てるのではないか。知事一人が勝手に言っているということではなくて、知事にそのことを発言させたという県庁ぐるみの言葉だと理解すれば、これは県民にとっては大きな期待が寄せられるところではないか。こういうふうな発言を和歌山県民がまともに受けて期待するとしたら、和歌山県は変わるぞと当然思うに違いありません。この立場に立つとき、いろいろの発想がされるであろうし、またさまざまな干渉、誘惑、戸惑いはあろうけれども、初心を忘れることなく貫いてもらいたいものであります。県政があまねく県民のものにとの期待をしつつ、いま一度、議場を通じて県民に披瀝していただければと思います。これが一点目です。
 二点目、知事選挙に続いて、十二月三日に和歌山市長選挙がありました。これも知事選挙とダブらせながら、強い関心を寄せて見ていました。というのも、常々、県政との関係で多くの事柄について県と和歌山市を見もし、考えてもきていたからであります。そこで、県政と和歌山市の政治力学上の事柄にかかわることについてお伺いしたいわけであります。
 何にしても、県都和歌山市であります。予算額や人口の上から見ても、大きな力を保持していることに間違いありません。県政への影響力は大きなものがあるわけであります。また、知事選挙においてだけ考えてみたとしても、和歌山市の動向によって大きく左右されることでもあるでしょう。おのずから県も和歌山市に他の地域とは異なる対応を歴史的に積み重ねてきていると、私は常々そのように思っているわけであります。
 具体的には指摘を差し控えますけれども、このたびの和歌山市長選挙の当選者が決定された夜のお祝いの場でマイクを向けられた知事の言葉にも感ずるものがありました。知事は何げなく無意識に述べられているのであろうけれども、特別な関係に置いていることをうかがわせるものでありました。ご参考までに、県政上から見た和歌山市についての所見をお聞かせ願えればありがたいと思います。
 以上で終わります。ありがとうございました。
○副議長(木下秀男君) ただいまの中山豊君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
 〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 中山議員にお答えを申し上げます。
 さきの所信表明などで申し上げましたことは、私が県内各地を回る中で感じたことを、私自身の反省も込め、率直に申し上げたわけでございます。所によっては県政が県民の方々によく理解されてない場合もある、同時にまた地域の方々の声がストレートに県に届いていない場合もある、そういうことを例示して申し上げたわけであります。その気持ちの中には私自身の反省も含めての感想でございます。
 今後、責任のある県政、心の通う県政、清新の県政を県職員の皆さんと一緒になってやらなければできませんので、そういうことを含め、私の政治姿勢をそのようなところに置いて県政の推進に頑張っていきたい、そういう心境であります。
 次に、県政と和歌山市の関係についてであります。
 和歌山市は人口約四十万人の県都として、これからも国際都市という面も含めて発展をしていかなければならんし、同時に重要な役割を持っておると思います。
 しかし、県の発展というのは和歌山市の発展だけで図れるものではなくて、むしろすべての市町村の発展があってこそ県勢の発展も図れるわけでありますので、和歌山市だけがよくなったらいいという考え方で申し上げているわけではなくて、県下全市町村のともどもの発展を心から願っているところであります。
 以上であります。
○副議長(木下秀男君) 土木部長山根一男君。
 〔山根一男君、登壇〕
○土木部長(山根一男君) 中山議員にお答えいたします。
 まず道路整備のご質問のうち、国道三百七十号と重根土地区画整理事業との関連についてでございます。
 国道三百七十号は、重根区画整理事業の区域内の龍部までは都市計画道路築地阪井線として都市計画決定しておりまして、この計画に基づき整備することとしております。また、その東側に当たる未整備区間である阪井地内では沿線に人家が集中していますので、将来的には比較的人家の少ない地域をバイパスとして整備することとしております。その際、龍部地内で都市計画道路築地阪井線に連絡させることを前提として、野上町側の国道四百二十四号までを検討しているところであります。
 なお、土地区画整理事業については、昭和六十一年に組合施行の事業として事業化し進めてまいりましたが、地権者の合意に至らず、現在に至っているところでございます。現在、野上電鉄の廃線敷の買収に伴い、見直し案を作成中でございまして、今後県としても、市と協議しつつ鋭意進めていくこととしております。
 次に、県道岩出海南線岡田地区内の整備手法についてでございます。
 県道岩出海南線は、二車線の道路として整備を進めることとしております。そのためには、水路を利用させていただくことが必要となりますが、地元関係者のご同意を得るに至っておりませんので、今後とも地元関係者のご協力が得られるよう努力してまいりたいと考えております。
 なお、ご指摘の海南市都市計画道路黒江且来線については、現在海南市域で施行中の海南駅連続立体交差事業や築地阪井線などの進捗等も勘案しながら、今後海南市と協議し、検討してまいりたいと考えております。
 次に、和歌山下津港計画に関してのご質問についてでございます。
 ご指摘の大阪湾港湾計画の基本構想は、友ケ島以北の大阪湾内の港湾管理者である神戸市、大阪市、兵庫県、大阪府らで構成している大阪湾港湾連絡協議会が昭和四十二年以降策定しているものであり、今回は五回目の見直し計画として、去る十一月二十七日、中央の港湾審議会に報告され、公表されたものでございます。本構想はいわゆる任意計画であり、これを指針として今後の神戸港、大阪港等の港湾計画が策定され、各港の整備が進められることになります。
 なお、本構想の「国際物流の中枢となる拠点の整備」の中で、「これら湾内諸港と、和歌山下津港、小松島港、舞鶴港など近隣の湾外諸港との分担・連携を図る」との表現で、和歌山下津港について今回言及されたところでございます。
 和歌山県といたしましては、和歌山下津港が大阪湾外に位置し、国際航路の主軸である太平洋に直接面しているという立地特性を生かし、和歌山下津港を近畿圏の外港と位置づけ、大阪湾諸港との機能分担を図るという基本目標を堅持し、和歌山下津港の港湾計画の改定作業を進め、関係方面の理解を得ていきたいと考えているところでございます。
 以上でございます。
○副議長(木下秀男君) 農林水産部長日根紀男君。
 〔日根紀男君、登壇〕
○農林水産部長(日根紀男君) 農業問題の二点のご質問についてお答えをいたします。
 まず一点目の、桃のせん孔細菌病対策についてでございます。
 せん孔細菌病の発生メカニズムは、枝で越冬した細菌が気温の上昇とともに繁殖し、雨により分散し伝染することなどが既に明らかにされてございます。
 この対策としては予防が最も重要であり、これまでも農作物病害虫防除指針に基づき、ボルドー液等の薬剤防除、病原菌の飛散を防ぐための防風対策、及び罹病した枝の除去等の技術指導を行っております。本年は、特に春先の強風雨により異常発生を見ましたので、リーフレットの配布等による広報活動や防風ネットの設置を推進するなど、予防の徹底に取り組んでいるところでございます。なお、使いやすい農薬が近く登録される見通しとなっておりますので、県としても速やかにこれに対応してまいりたいと思っております。
 次に二点目の、ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策大綱に基づく本県のミカン対策についてでございます。
 本県の基幹作目である温州ミカンについては、省力化のための基盤整備や高品質果実の生産が非常に重要であると考えてございます。議員お話しのように、国では価格安定対策及び生産対策を柱に総額七百五十億円程度の果樹対策を六カ年で実施されることになりますので、県といたしましては積極的にこれを導入し、本県ミカン農業の体質強化を図ってまいることとして、園内道の整備や多目的スプリンクラーの設置に加えて、高糖系優良品種への改植、集出荷施設の整備、さらには価格安定対策等の広範な施策を実施することとしてございます。
 なお、計画的な事業推進を図るため、六カ年間の事業要望量を把握してございまして、今後、市町村及び関係団体等と連携しながら地域の実態を反映した事業の推進に努めてまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○副議長(木下秀男君) 企画部長藤谷茂樹君。
 〔藤谷茂樹君、登壇〕
○企画部長(藤谷茂樹君) 中山議員にお答え申し上げます。
 電気事業法の一部改正は、電力需要の増大に対応し、また発電分野における競争関係を導入するなどの理由により実施されたもので、これを受けた十一月七日開催の関西電力株式会社の入札事前説明会への出席企業は百七十社、うち県内の参加企業は東燃株式会社、和歌山石油精製株式会社を含む七社と聞いてございます。
 以上でございます。
○副議長(木下秀男君) 保健環境部長鈴木英明君。
 〔鈴木英明君、登壇〕
○保健環境部長(鈴木英明君) 電気事業法一部改正に伴う動きについてお答えいたします。
 電力卸売業への県内企業の参入に関して、大気等環境汚染に対する県の対応については、今後計画が具体化してくれば、保健環境部といたしましても、環境汚染が生じないよう、地元自治体とも連携を図りながら、脱硫設備など必要な環境保全対策を指導してまいりたいと考えております。
 以上です。
○副議長(木下秀男君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(木下秀男君) 再質問がございませんので、以上で中山豊君の質問が終了いたしました。

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