平成7年9月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(新田和弘議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 午後一時六分再開
○議長(橋本 進君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
○議長(橋本 進君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 37番新田和弘君。
 〔新田和弘君、登壇〕(拍手)
○新田和弘君 議長のお許しをいただきましたので、一般質問を行います。
 まず初めに、第二回和歌山県日中友好県民の翼訪中団に参加させていただき、私にとりまして五年ぶり四度目の中国訪問となりました。その見聞と印象について報告をさせていただきます。
 本県は、昭和五十九年四月十八日、中国山東省の梁歩庭省長を団長とする友好訪日団を迎え、県庁において和歌山県と山東省の友好提携の調印式を行いました。このたび、友好提携十周年を記念し、門三佐博日中友好県議連会長を総団長に、県当局より中西伸雄出納長、中村協二企業局長、県議会から上野哲弘県議と私、さらに経済、労働、金融、農業、教育の各関係者に一般県民の皆様が参加し、総勢百七十九人が六つの団を編成して、第二回和歌山県日中友好県民の翼訪中団として、八月二日から九日まで八日間、中国を訪問しました。
 八月二日、関西国際空港より全日空にて出発、二時間二十分の空の旅で、青島空港に無事到着しました。空港には、山東省外事弁公室副主任の張偉齢さんが出迎えに来られており、ブラスバンド演奏による熱烈歓迎を受けました。
 青島市は、人口約三百万人、郊外の人口も含めると六百万人の都市です。旧市街地は、ドイツ人によってつくられた赤がわらの屋根が緑の森に映える風光明媚なリゾート地で、国内の観光客が年間六百万人ほど訪れ、特に夏の休日の海水浴客は昨年一日で三十万人を超えたそうであります。また青島市は、中国の十四沿海開放都市の一つで、現在、国より外資導入、技術導入など対外経済活動の自主権が認められ、外国投資家の生産的企業には企業所得税、建物不動産税等の減免や利潤の海外送金上の優遇措置などがあるため、合弁会社が増加し、本年五月末で日系企業が二百四社、韓国系企業が三百社進出しているとの説明でした。海岸に近い土地には、香港、台湾等の企業が借地契約を行い、リゾートマンションの建設が進められていました。私たち訪中団の宿舎となった麗晶大酒店も、香港系企業が本年オープンさせた新装の五つ星ホテルでした。交通機関の状況は、青島空港では、全日空が週二便、大韓航空が週五便就航、青島港は中国四番目の規模の港湾で、コンテナ輸送では中国第一位を誇り、山東省の対外貿易の拠点となっています。町には案外自転車が少なく、バスやトロリーバスの利用者が多く、タクシーも二年前は千台程度でしたが、現在は八千台と急増し、ダイハツの合弁会社のシャレードがタクシーにたくさん使われておりました。市内の各所にガソリンスタンドがあり、中国も車社会へ急速に変わりつつあることを実感いたしました。
 八月三日は、朝八時四十分にホテルを出発。青島市から省都の済南市へバスで移動。昨年完成したばかりの六車線の高速道路を利用して、延々と続くトウモロコシとコウリャン畑を見ながら、途中、し博市で昼食。午後三時半に済南市に入る。実に、四百三十三キロのバスの旅でした。この四百キロを超える高速道路をわずか三年間で完成させたと伺い、国情の違いを改めて痛感した次第です。
 済南市内へはパトカーの先導にて宿舎の斉魯賓館に到着。午後六時半より南郊賓館にて、山東省副省長・杜世成様、昨年世界リゾート博に来られた山東省人民代表大会委員会秘書長・王懿誠様初め山東省政府関係の皆様を表敬訪問した後、山東省政府主催の歓迎レセプションに参加しました。山東省政府の皆様の歓待と少年宮の方々による演技を楽しませていただき、友好を深めることができました。
 八月四日は、友好提携十周年を記念して、本県から山東省科学院にバイオテクノロジー関係の農業試験機器一式を本年度に贈呈する運びのため、済南市の十九キロ北にある省科学院日中友好実験棟にて訪中記念碑の除幕式が盛大に行われました。山東省政府からは、省外事弁公室副主任・張偉齢様、省科学院院長・朱関興様初め、科学院の職員多数が出席してくださいました。
 その後、黄河、大明湖、豹突泉等を見学。中国の文化と風光を存分に楽しませていただきました。夜は、訪中団主催の答礼宴を斉魯賓館で役員が参加して行い、その後、昨年の世界リゾート博に出演していただいた山東省雑技団の名演技を全員で観賞いたしました。
 山東省は、八千五百七十万の人口を持つ沿海省であり、GNPは広東省に次いで全国第二位を誇り、八○年代にはGNP年率一○%の高度成長を遂げてきました。さらに山東省は、石油、石炭というエネルギー資源に恵まれ、各産業のバランスもとれており、農業生産も豊かで、対外経済でも輸出が全国第四位、外資導入も第四位と、二十一世紀へ一段と成長が期待される省であります。実際に、済南市に来る途中、送電用の鉄塔が随所に見られ、電力事情が充実してきていることを実感いたしました。
 中国が改革・開放に転換した成果として、収入の増加に伴い、消費水準も向上してきました。都市部では、家電製品の普及率は九二年の調査では、カラーテレビ七四・九%、冷蔵庫五二・六%、洗濯機八三・四%と年々向上し、本年ではカラーテレビは九○%を超えた都市もあるとのことでした。宿舎の斉魯賓館では衛星放送を見ることができ、NHKの連続テレビ小説「春よ、来い」やプロ野球などが見られるため、一瞬、日本にいる気分でした。中国のテレビ番組で、日本の人気アニメ番組「ちびまる子ちゃん」が中国語放送で放映されているのに驚くと同時に、日本製品だけでなくメディアの部門でも中国の茶の間に入っていることを再認識した次第であります。
 八月五日から八日の四日間は、訪中団が六つに分かれて中国各地を視察しました。私たち第一団は、広州市、桂林市、上海市の三都市を視察。八日の夜に再び青島に全員が合流し、九日に青島空港から関西国際空港に全員無事帰国いたしました。
 今回の訪中団に参加して印象に残ったことですが、まず中国の航空事情が随分と充実してきているなと思ったことです。五年前は、たしか航空機はすべて中国民航であったと記憶していたので伺ってみると、中国民用航空局の企業部門が九三年ごろより中国民航の分割化を進め、現在では中国国際航空公司を初め二十一社があるとのことでした。私たちの団が利用した公司でも、中国東方航空公司、中国南方航空公司、四川航空公司、深せん航空公司と四社あり、時間も比較的正確に運航しており、上海から青島に帰る便が三十分程度おくれたぐらいで、中国の旅も列車から航空機へ変わってきていることを実感いたしました。
 次に、上海市が目覚ましく発展しようとする姿が目を引きました。一方で、上海市内の四十数キロの高速道路の建設において、立ち退き対象者が実に十万人もいたそうですが、わずか三年間で完成させたとの説明を受けながら、その高速道路をバスで通過、私権と公権の考え方に日本と中国では格段の違いのあることを見せつけられた感がありました。
 第三点目は、八月四日に済南市のホテルで、朝、「大衆日報」という新聞を部屋に入れてくれておりました。中国語の新聞ですので私は見出し程度しか理解できませんが、一面に「愛国の伝統を発揚し、全力で富国強兵を」の大見出しで、「山東省と煙台市が抗日戦争勝利五十周年記念大会を八月三日に挙行」との小見出しが気になりましたので持ち帰りました。今回の報告に当たり、国際交流課の方に日本語に訳していただきますと、山東省軍区司令官・沈兆吉氏が、「新しい歴史の中で我々が抗日戦争勝利を記念するのは、立ちおくれ、迫害され、国防のなかった過去を苦い教訓として心に刻み、祖国建設と国防強固の崇高な使命を忘れず、歴史の悲劇を決して繰り返さないためである」と述べておられました。
 私は、戦後五十年目の八月に中国を訪問するに当たり、この夏、愛新覚羅浩さんの「流転の王妃の昭和史」や満州からの引揚者の記録を書いた藤原ていさんの「流れる星は生きている」の二冊を読みました。日本の私たちは戦後五十年と言い、中国の方々は抗日戦争勝利五十周年記念の年と言っている現実を率直に受けとめ、過去の侵略戦争に対する反省の上に立って、今後も友好交流を図っていかねばならないと思った次第であります。
 以上、三点印象を述べまして、訪中報告とさせていただきます。
 そこで、仮谷知事にお尋ねいたします。
 一、本県と山東省における友好提携十周年の交流を基盤に、国際化時代へともに栄えていくための今後の友好交流をどう進められるのか。
 二、本県が現在進めている他の国々との友好交流を今後さらにどう進められるのか。
 以上二点、お尋ねをいたします。
 次に、本県における行政改革推進についてお尋ねいたします。
 自治省は、平成六年十月七日に地方公共団体における行政改革推進のための指針を策定し、各地方公共団体に自治事務次官名で通知しました。指針の概要は、各地方自治体は従来から積極的に行政改革に取り組んできたところであるが、地方分権の推進が時代の大きな流れとなっている今日、地方公共団体の果たすべき役割はますます重要となってきており、また現下の地方行財政を取り巻く環境には極めて厳しいものがあることから、改めてその責務を自覚し、社会の変化に対応した簡素で効率的な行政の確立に向けて新たな行政改革大綱を自主的に策定するとともに、住民の理解と協力のもとに計画的推進を図る必要があるとして、一、庁内に行政改革推進本部を設置し、住民の代表者等から成る行政改革推進委員会を設置する、二、行政改革大綱は、原則として三ないし五年間の計画として、おおむね一年以内に策定する、三、行政改革大綱は住民に公表するとともに、その推進状況についても公表し、将来の行財政運営に住民の意見等を反映させるとしています。さらに重点事項として、一、事務事業の見直し、二、時代に即応した組織機構の見直し、三、定員管理及び給与の適正化の推進、四、効果的な行政運営と職員の能力開発等の推進、五、行政の情報化の推進等による行政サービスの向上、六、会館等公共施設の設置及び管理運営の六点が挙げられております。
 本県における行政改革は、昭和六十年の地方行革大綱に基づき、昭和六十年十二月に和歌山県行政改革大綱を策定し、昭和六十一年度から三年間で六百七十四件の事務事業の改善を行い、組織機構の見直しでは、政策調整会議の設置及び主管課制の導入、本庁の部課室、地方機関の統合再編成を行ってきました。人事管理の見直しでは、職員の条例定数の削減に努め、知事部局、教育事務、警察事務、合わせて九十二人を削減しました。外郭団体、公営企業等では、畜産育成公社の廃止及び紀三井寺競馬事業の廃止など合理化を進めてきました。
 しかし、バブル経済の崩壊により、県税収入も平成三年度一千四十二億五千三百四十八万円をピークに年々減少してきています。平成六年度は、県民税利子割及び軽油引取税の伸びにより減税が実施されましたが、前年を三十億円上回る九百七十億二千二百五十九万円が確保され、一息ついたところであります。七年度の税収見込みは、阪神・淡路大震災等により消費の後退、超円高の進行により景気が低迷し、八月以降、超円高は改善されてきましたが、景気先行き不安は続き、厳しい予想がされているところであります。
 本県では、国の行政改革指針を受けて、新たなる行政改革大綱をつくるため、知事を本部長とする行革推進本部を設置、本年五月十六日には住民の代表者で構成する行政改革推進委員会を設置し、大綱の策定に取り組んでいるところであります。知事は本九月定例会の説明で、行政改革の推進について、「行政改革大綱を本年十月末を目途に策定すべく作業を進めております。今後、大綱策定を機に、行政改革がより一層推進されることを強く期待するものであります」と述べております。
 そこで、仮谷知事にお尋ねいたします。
 知事は、社会情勢の変化に対応し、来るべき地方分権の時代にふさわしい行政運営を図っていくための行政改革の推進をどう進められるのか。
 次に、総務部長にお尋ねいたします。
 一、定員管理については、本県では昭和五十六年から平成四年の間に知事部局で条例定数を三百二十人削減してきていますが、今後、高齢化対策の充実や景気対策のための県単独事業の増加等による増員傾向もあり、厳しい財政状況を踏まえ、定員適正化計画を策定し推進する必要があります。国の第八次定員削減計画では本年度の削減率が○・九○四%となっており、地財計画ではこれに準じて定員削減を引き続き行うとあります。本県の職員数の適正化計画はどう進められるのか。
 二、行政改革を推進する上において、国の規制緩和の趣旨を踏まえて、規制自体の必要性、県民負担の軽減、行政事務の簡素化など検討の上、今後、本県における規制緩和への対応をどう進めるのか。
 三、行政サービスの向上を図るため、許認可等の事務手続の簡素化など、行政手続法に準じ、行政手続制度をどう推進していくのか。
 四、公社等の外郭団体については、社会経済情勢の変化を踏まえつつ今後どう対応していかれるのか。
 以上、四点お尋ねいたします。
 次に、信用組合の経営再建についてお尋ねします。
 昨年末、多額の不良債権を抱えて事実上倒産した東京協和、安全の二信組に続いて、本年七月、コスモ信組が経営破綻し、業務停止命令が出され、国民の間に金融機関に対する不安が高まってきました。これに追い打ちする形で、八月三十日に兵庫銀行と木津信用組合が巨額の不良債権を抱えて経営破綻をしました。
 木津信組は、大阪府より業務停止命令を受け、命令が出された二日間で約二千億円の預金が引き出される混乱が起こり、府民に大きな迷惑をかけてきました。木津信組の経営破綻の原因については、一、バブル崩壊により多額の不良債権が生じた、二、他の金融機関より高い金利で預金集めをした、三、追い貸しによって回収不能債権額が雪だるま式に増大した、四、担保額が下がって融資額を大きく割り込んだ不動産を自社が高値で買う、いわゆる不良債権飛ばしをしていた、五、追い貸しによって利子収入の六割が架空であったなど、金融機関としては極めて異常な経営が行われてきたことが原因と言われております。
 日銀は、九月八日に公定歩合を一%から○・五%に引き下げを実施する一方、大蔵省は、大阪府に木津信組破綻により四百億円の資金拠出を求めていく方針を示しました。今回の公定歩合の引き下げは金融機関への支援が目的で、調達金利が下がることは、金融機関の収益を改善させ、不良債権の処理をしやすくすることをねらっております。このため銀行の預金金利も連動して下がり、一年物定期預金では平成五年四月に三・三九%あったものが、本年四月には一・三○%、九月十一日からは○・三○%と、二年前の十分の一になってしまいました。信組の不安や低金利に対する庶民のささやかな自己防衛として郵貯が見直され、郵政省が九月四日に発表した八月の郵便貯金の純増額は七千二百五十九億円と、八月としては過去最高を記録し、今月も増加するものと見られております。
 本県においても、国から機関委任事務を受けて指導監督する信用組合として和歌山県商工信用組合があります。県信の再建については、平成六年二月に市川龍雄県信理事長より再建計画が示され、貸出金二千六百八十二億円のうち約一割程度の不良債権があるとして、今後十年間で自立することを目標に積極的な店舗の統廃合や人員の削減による財務の健全化を図る一方、支援体制として総額三百五十億円の融資を要請してきました。この支援体制については、平成六年二月定例会で県が五十億円融資することを議決、さらに紀陽銀行五十億円、全信組連二百五十億円、計三百五十億円の低利融資が平成六年度に実行されました。平成七年六月の県議会経済警察委員会でも県信の再建問題が議論され、委員長報告にも、一年間の再建状況として九店舗の廃止、四十名の人員削減を進めるなど積極的にリストラを実施、また人材面の支援として本年五月二十五日の総代会で社会経済研究所常務であり紀陽銀行OBの奥野健策氏を専務に、全信組連大阪支店次長の川崎年夫氏を常務に迎え、再建に努めていると報告されています。さらに県信の平成六年度決算では、預金額が三千百十九億円で前年決算より四十五億円の増加となり、当期利益は、計画では二十四億円の赤字のところ十七億円の赤字にとどまった旨、報告されております。
 そこで、商工労働部長にお尋ねいたします。
 一、木津信組の場合、大阪府が昨年十月に回収不能見込み額を近畿財務局より指導され、当初の五割増しの三千七百九十一億円と算出していましたが、本年八月に最近の地価の下落等を加味した最新の路線価格を参考にして回収不能見込み額を六千億円に修正したと報道されております。長引く不況と地価の下落傾向もあり、県信においても再建当初、貸出金の一割程度の不良債権額と言われてきましたが、増加してきているのではないかと危惧するところでありますけれども、実態はどうか。
 二、公定歩合が○・五%に引き下げられて超低金利の状況で、三百五十億円の低利融資の運用効果が少なくなってきているのではないかと思われますがどうか。
 三、平成七年度以降も店舗の統廃合、人員及び経費の削減、延滞債権の回収など再建計画をどう進めるか、また低金利時代を生かして、いつごろまでに単年度黒字とするのか。
 四、信用組合に対する経営不安の広がる中、大蔵省が本年六月に発表した「金融システムの機能回復について」の中で、平成八年三月期以降、信用組合も経営実態に即してディスクロージャー、いわゆる情報開示をすべきとの方向性が打ち出されました。これを受けて、大阪府下二十五信用組合で組織する経営問題懇話会はディスクロージャーのあり方について協議、平成八年三月期決算から、融資先が倒産しているなどの破綻先債権を公表する、さらに貸借対照表、損益計算書のほか関連会社なども公表するとの方向で中間意見を集約し、年末をめどに最終方針を決めるとしています。
 そこで、本県の信用組合におけるディスクロージャーは今後どう進められるのか、以上、四点お尋ねをいたします。
 次に、和歌山市長と元暴力団組長との会談疑惑についてお尋ねをいたします。
 午前中も質問がございましたが、若干重複する点はご容赦願いたいと思います。
 和歌山市議会九月定例会一般質問が九月八日に行われ、浦哲志議員が、写真週刊誌「フライデー」に掲載された写真をもとに旅田卓宗市長と元暴力団組長との会談問題を取り上げ、その際、証拠としてビデオが議会に提出されました。議会では、協議の結果、全員協議会室でビデオを上映した後、市長と元暴力団組長との会談は明白として、市長の辞職勧告決議案を本会議で賛成多数で可決しました。九月十一日の森本保司議員の一般質問に対する答弁で、市長は会談問題を否定した上で、ビデオを証拠とする議会のあり方は暴力を容認することになると議会に挑戦したため、会談疑惑を調査するための百条調査特別委員会が全会一致で設置されました。去る九月二十日、百条調査特別委員長より本会議に中間報告が行われました。
 その報告によりますと、市長のビデオ問題に関する答弁の真偽を調査するため市長にビデオを見るよう要請したが拒否された、その後、ビデオに登場する二人を参考人として出席を求め、証言を受けて、市長は元暴力団組長に手形の回収を依頼した、市長と元暴力団組長が定期的に会食していた、会談は元組長宅で行われたなどの証言を得たとして、現段階では市長の答弁は虚偽と考えられるとの中間報告に至ったとのことであります。
 そこで、県警本部長にお尋ねをいたします。
 一、市長は浦議員の質問に答えて、本会議で次のように答弁しております。「あのフライデーの記事が掲載されました翌日、私の友人のある警察の刑事から電話をいただきました。『旅田、あのフライデーの記事に負けるな。頑張れ』、彼はそう激励してくれました。『あのフライデーの記事は、一見ぱっと見れば、この私があたかも暴力団と深いかかわりがあるように見える。しかし、我々プロの目から見るとそうではなくて、旅田は明確に暴力団を否定、拒否している。・中略・我々プロにはすぐわかる。しかし、県民の皆さんにご理解をいただくには少し時間がかかるであろうけれども、必ず県民の皆さんにご理解していただけるはずだから負けずに頑張れ』と、彼からそう激励をしていただきました。私は大変うれしく思いました」との市長答弁であります。
 この件に関して、県議会議長より県警本部長へ九月十九日付、和議会第二百号で照会があり、県警よりの九月二十二日付の回答では、「警察として確認すべく努めたところであるが、そのような事実を確認するに至っていない」とのことでありますが、その後の状況も踏まえ、警察の信頼をかち取るためにも県警本部長のご所見を承りたいと思います。
 二、財団法人和歌山県暴力団追放県民センターの副会長に和歌山市長が入っていますが、センターを所管する県警としてどう考えるか。
 以上二点お尋ねをいたしまして、第一問を終わります。
○議長(橋本 進君) ただいまの新田和弘君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 新田議員にお答え申し上げます。
 中国山東省と本県との今後の交流でございます。
 私も、昨年五月に済南、青島を訪問いたしました。十年ぶりに、経済復興している中国の姿を拝見いたしました。高速道路の話がございましたけれども、私も、三年間であれをやり遂げたことにびっくりした次第でございます。
 山東省との交流が十一年目を迎えたわけでございます。また、昨年関西国際空港ができ、青島との直行の飛行便ができまして、距離的にも時間的にも非常に近くなったわけでございます。これから交流の絶好の時期を迎えておるのではないかと思っております。従来、人的、物的交流を進めてまいったわけでございますけれども、今後なお一層、経済交流を進めていかなければならないと思います。
 中国も、中央政府において開放政策をとっておりまして、従来、日本から中国との交流について開放政策はどうなるんだろうかという疑念等がございましたけれども、中央政府の開放政策は今後変わらないのではないかという大きな見通しになりつつある現状でございます。今後とも交流を深め、本県と中小企業の面において相関連する分野も多うございますので、本県の活性化のためにも大いに進めてまいりたいと思っております。
 それから、本県と交流している国々との今後の交流についてでございます。
 海外の諸地域との友好交流については、一九九三年九月十五日にフランスのピレネーオリアンタル県と友好提携を締結いたしました。また、本年八月には財団法人世界リゾート博記念財団が県内の中学生四百人をピレネーオリアンタル県に派遣いたしまして、現地の中学生との交流を通じて両県の友好がさらに深められたものと思っております。
 また、来る十月四日にはアメリカ合衆国のフロリダ州と姉妹提携を締結する予定でございますけれども、これについても、県議会の開政クラブ、平越前議長を初め県の執行部もフロリダに参り、フロリダ州から高官も本県へ参って交流した成果が実ったものと考えておるわけでございます。このほか、メキシコ合衆国のシナロア州とも提携を前提として交流を進めております。これらは海洋リゾート地として世界的に有名な地域であるとともに、それぞれ独自の文化を育て、世界にその存在をアピールしているすばらしい地域でもございます。今後、これらの地域と観光、文化、経済、農林水産業、教育などの幅広い分野で、その地域の特徴に合わせて交流を積極的に進めてまいり、相手国と本県の相互の発展を図ってまいりたいと考えているところでございます。
 次に、地方分権の時代を迎えて新たな行政改革の考え方ということでございます。
 個性のあるふるさとづくりをするためには、地方分権が非常に大事なことでございます。地方分権推進法が制定されたことは地方分権にとって第一歩を記したものと、非常にうれしく思っております。今後は、地方の意見を地方分権推進委員会に具申してなお一層中央との連携を深めてまいるとともに、県の組織体制の整備も図ってまいりたいと思っておるわけでございます。
 すなわち、昭和六十年代の行政改革は、オイルショック後、悪化した地方財政の立て直しということが大きなテーマでございましたけれども、今回の行政改革では、バブル崩壊後の地方財政の適正化を図るとともに、地方分権の受け皿としての地方公共団体の機能の強化を図ることが肝要なことではないかと思っておるわけでございます。
 地方分権とは、結局、地方がみずからの創意と責任のもとに豊かな地域づくりができる体制づくりのことであると思いますので、国が考えて地方が実行するという従来の体制から、地方がみずから考え、みずから実施する体制への移行を行うための行政改革を推進していかなければならないと思っておるわけでございます。そうした線に基づいて、現在、行政改革について十分な検討を行っているところでございます。
○議長(橋本 進君) 総務部長木村良樹君。
 〔木村良樹君、登壇〕
○総務部長(木村良樹君) 行政改革の推進についてのうち、私に対するご質問にお答え申し上げます。
 まず、定員の適正化計画の策定についてでございます。
 本県においては、昭和五十年代から国に先駆けて職員定数の削減に取り組み、全体で四百九十五名の削減を図ってきているところでございます。今回の行政改革における定員の適正化については、近年における各行政分野ごとの行政需要の動向を十分見きわめつつ、職員の弾力的かつ適正な配置により対応してまいりたいと考えております。
 次に、本県での規制緩和の推進についてでございます。
 県が行っている規制の多くは法律等を根拠とするものですので、国における規制緩和の進展に合わせて県としても積極的に対応してまいります。また、条例に基づく許認可等の県独自の規制についても、県民負担の軽減の観点から簡略化できるものは手続を簡素化するなど、所要の見直しを行いたいと考えております。
 次に、行政手続制度の推進に関してでございます。
 昨年の十月に施行された行政手続法により、条例、規則を根拠とする処分及び行政指導については、県において手続法に準じた所要の措置を講ずることとされているところでございます。本県でも、これを受けて行政手続条例をこの十二月議会に提案すべく、現在事務当局で準備を進めているところでございます。
 次に、外郭団体への今後の対応はいかんというご質問でございます。
 公社等の外郭団体は、県との連携のもとに、民間の資金と経営手法を導入することによって効率的、機能的な運営を図り、行政と一体となって県土の開発と県民福祉の向上に寄与することを目的として設置されたものでございまして、さまざまな分野で県行政の補完または代行機能を果たしてきており、今後とも県政の一翼を担っていくことが望まれるところでございます。しかしながら、社会経済情勢の変化に合わせ、今後、各団体の設立目的、活動実態等について見直しを行い、運営の効率化、活性化を図っていきたいと考えております。
○議長(橋本 進君) 商工労働部長中山次郎君。
 〔中山次郎君、登壇〕
○商工労働部長(中山次郎君) 信用組合の経営再建についての四点にお答え申し上げます。
 まず、不良債権の実態でございます。
 景気が依然として足踏み状態であり、議員ご指摘のとおり、地価の下落により担保価値が低下してございます。このような状況下では、不良債権については増加の傾向は否めないところでございます。不良債権の回収等については、今後とも、県信内に設置されている経営改善委員会を中心として役職員一丸となって取り組んでいくこととしてございます。
 次に、低利融資支援の効果についてでございます。
 平成六年二月に発表された県信の再建計画に基づき、平成六年度から、県五十億円、紀陽銀行五十億円、全国信用協同組合連合会二百五十億円の計三百五十億円を県信に対し再建支援のため低利融資を実施しているところでございます。平成六年度の再建支援融資の運用収益実績は六億四千万円となっており、再建に寄与しているところでございます。去る九月八日に公定歩合が史上最低の○・五%になったことにより、運用収益は減少することとなります。金利情勢は非常に流動的であり今後も厳しい局面が続くと考えられますが、限られた予算の中で最大の効果を上げられるよう相互に努力してまいりたいと考えてございます。
 次に、今後の再建計画の推進についてでございます。
 店舗の統廃合については、六年度には計画を上回る九店舗を廃止し、七年度は去る五月に開催された総代会においてさらに三店舗を廃止し、二支店を出張所に格下げすることが決定されたところでございます。人員の削減についても、六年度には四十名を削減し、七年度には再建計画に基づきそれ以上の結果となるよう職員の採用を抑制し、職員の理解を得ながら希望退職者を募るなど、積極的にリストラに取り組んでいるところでございます。
 次に経費の削減については、節約意識の徹底、支出管理の強化等、役職員が一丸となって取り組んでおります。延滞債権の回収についても、六年度には前年度を大幅に上回る結果となったところでございます。七年度においては景気の足踏み状態が続いており、企業の倒産の増加等が懸念され、不動産市況が低迷するなど、まことに厳しい状況にございますが、積極的に取り組んでいるところでございます。
 金融の自由化等、組合を取り巻く経営環境はまことに厳しい状況ではありますが、役職員が一丸となって再建に取り組んでおり、県といたしましても可能な限り早い時期に単年度黒字となるよう指導してまいりたいと考えてございます。
 次に、信用組合のディスクロージャーについてでございます。
 信用金庫や信用組合等の協同組織金融機関については、現在、破綻先債権、延滞債権等すべての不良債権は情報開示、いわゆるディスクロージャーをしないこととなってございます。しかし、去る六月、大蔵省が不良債権処理の基本方針である「金融システムの機能回復について」を発表いたしましたが、それによりますと、九六年三月期からディスクロージャーの範囲を拡大する、さらに今後五年以内のできるだけ早期に預金者の自己責任原則を確立するために必要なディスクロージャーを実現するように努めるとなってございます。県といたしましては、ディスクロージャーは預金者保護と金融機関の正常な発展のため必要であると認識しており、今後、信用組合を指導してまいりたいと考えてございますが、現在、大蔵大臣の諮問機関である金融制度調査会においてディスクロージャーについて種々検討されており、今後その答申を踏まえ、対処してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(橋本 進君) 警察本部長青山幸恭君。
 〔青山幸恭君、登壇〕
○警察本部長(青山幸恭君) 新田議員のご質問にお答えいたします。
 警察は、職務の執行に当たっては、不偏不党かつ公平中正な立場を堅持することは、警察法第二条二項にもあるとおり、当然と考えております。機会あるごとに、このような警察の立場を堅持するよう全職員に徹底を期しているところであります。
 ご指摘の点につきましては、警察として確認すべく努めたところでありますが、現段階においてそのような事実を確認するに至っておりません。
 次に、財団法人和歌山県暴力団追放県民センターの副会長に和歌山市長が就任していることについてのご質問の件でございますが、この県民センターは、いわゆる暴力団対策法を根拠に財団法人として平成四年四月七日に設立され、財団法人和歌山県暴力団追放県民センターの寄附行為が定められております。この寄附行為の第三章に役員等の項目が設けられておりまして、第十六条の一項で「暴力団追放県民センターに会長一人及び副会長二人以上五人以内を置く」とし、同条第二項では「会長は和歌山県知事の職にある者」とし、「副会長は会長が評議員の同意を得て委嘱する。ただし副会長の一人は和歌山県警察本部長の職にある者とする」と定められております。
 この規定を受けて、現在、副会長には警察本部長のほか、自治体を代表して和歌山県議会議長、和歌山県市長会会長、和歌山県町村会会長の三人が充てられております。
 したがいまして、議員ご質問の財団法人和歌山県暴力団追放県民センターの副会長に和歌山市長が就任している件につきましては、旅田氏が個人あるいは和歌山市長としての立場で副会長に就任しているものではなく、和歌山市長が和歌山県市長会会長となっていることから、いわゆる充て職として副会長に就任しているということであります。
 以上でございます。
○議長(橋本 進君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 37番新田和弘君。
○新田和弘君 ただいま知事さん初め皆さんからご答弁をいただきまして、ありがとうございました。一点だけ要望させていただきたいと思います。
 県警本部長は、浦議員の質問に対するこういった点を調査し、該当する人を確認すべく努めたところであるが、現段階でもそのような事実を確認するに至っていないとのご答弁でございます。
 県民に対して警察の信頼を高め、県民に安心をしていただくという面では、本当に県民の皆さんにわかりやすく事実を明らかにしていくことが必要ではないかと思いますので、現段階で至っていないということで本日のところは了といたしますが、機会をとらえて県民の皆さんにもわかるように明らかしていただきたいことを要望いたしまして、再質問を終わります。
○議長(橋本 進君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で新田和弘君の質問が終了いたしました。

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