平成7年6月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(阪部菊雄議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 午前十時五分開議
○議長(橋本 進君) これより本日の会議を開きます。
  ─────────────────────
 【日程第一 議案第八十五号から議案第百一号まで】
 【日程第二 一般質問】
○議長(橋本 進君) 日程第一、議案第八十五号から議案第百一号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 14番阪部菊雄君。
 〔阪部菊雄君、登壇〕(拍手)
○阪部菊雄君 お許しを得まして、一般質問をいたします。
 本来私は、毎年九月議会で過去八回、この壇上で質問をいたしました。今回、橋本・伊都地方の市町村長より「仮谷知事にぜひ篤とお願いしてほしい」というご命令がございましたので、あえてこの六月議会に質問をさせていただくことになりました。
 仮谷知事も、今期五期をもって出馬しないと正式に声明されました。顧みれば、五期二十年という長い年月にさまざまな苦難や喜びもあったことでしょう。しかし、昨年、世界リゾート博の大成功、待望久しかった関西国際空港の開港等、本県にとって大きな波及効果がありました。知事が、「やればできる」という自信を県民に与えました。また本年、NHKの大河ドラマ「八代将軍吉宗」が大ヒットしており、まことにおめでたい限りであります。
 さて本論、二つの件について知事の所見をお伺いいたします。
 去る五月三十一日、伊都郡町村及び橋本市医療保健福祉広域推進協議会の総会がございました。私たち地元議員全員が参加しましたが、その会議の中で、長い長い年月の懸案でございました、そしてまた重要議題でございます、心身障害者更生施設の設置に関することがありました。本件については、知事のご配慮により本年度の当初予算に調査費を計上していただき、ようやく前進しようとしており、心から感謝申し上げる次第でございます。また、去る十三日、本件について市町村長一行が知事に御礼を兼ね、さらに早期実現方、陳情を申し上げたところでございます。
 市町村長の真実の願望は、県で現在調査中でありますが、県営の福祉施設として運営してほしいというのが本音であります。仮谷知事の大英断をもってこれが実現できるよう、橋本・伊都郡五名の議員、衷心よりお願いするとともに、知事のお考えをお伺いするものであります。
 また、その後の調査について、部長より経過のご報告をお願いするものであります。
 さらにもう一つ、去る六月八日、美里町、花園村両町村より陳情のございました町村道長谷花園線の県道昇格についてであります。
 本路線は、ご承知のとおり、国道三百七十号線と国道四百八十号線を結び、貴志川上流と有田川上流部を連結する最短道路で、地域振興と住民の利便ははかり知れないものがあります。昨年、知事から花園村の地蔵峠のトンネル調査費をいただき、花園村民挙げて感激しておるところでございますが、長谷花園線の県道昇格も仮谷知事のご在任中に実現させていただきたく、知事のご所見をお伺いするものであります。
 平成四年九月議会で、花園村地蔵峠から美里町に通ずるトンネルの実現を強く要望いたしたところでありますが、そのとき、あわせて特段にお願いいたしました、九度山町の河南農道から慈尊院についてでございます。
 紀の川に架橋して国道二十四号線と結び、目下進行中の八号線バイパスを経由、河北の広域農道に連結する極めて重要な路線としてご提案申し上げたのでございますが、ふるさと農道緊急整備事業として、全幅十一・五メーター、延長千四百五十メーターが事業認定されました。平成十年か十一年までに完成させなければならないと仄聞いたしておりますが、その進行について農林水産部長にお伺いするものであります。さらに、河北広域農道より北、伊都農協信太支所まで計画延長してほしいと思いますが、あわせて所見をお伺いいたします。
 去る一月十七日の未明、阪神・淡路大震災という極めて不幸な大惨事が突発し、多数の死者、負傷者、家屋倒壊等があり、心からご冥福と一日も早き復興を祈るものであります。この大震災により、国土軸が壊滅的打撃を受けました。このことにより、第二国土軸構想すなわち太平洋新国土軸構想の早期実現に大きな弾みがつきました。現在の進行状況と、大いに関連する京奈和高規格道路の橋本・高野口間の十一・三キロメートルの進捗状況、あわせて国道三百七十一号線の進捗について、土木部長にお伺いするものであります。
 さらに、橋本市新橋本橋の架橋と紀伊丹生川ダムがいつごろ着工されるのか、お答えいただきたいと思います。
 以上をもちまして、大変短うございますが、私の第一回の質問といたします。ありがとうございました。
○議長(橋本 進君) ただいまの阪部菊雄君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 阪部議員にお答え申し上げます。
 橋本・伊都地方に心身障害者の更生施設を設置せよ、そして特に県営でやれというお話でございます。
 お話ございましたように、私も伊都地方の県会議員の皆さんや町村長さんからかねて陳情をいただいており、こうした施設が伊都・橋本地域で必要であることは認識してございまして、設置しなければならないということで、現在、調査費を計上させていただいておるわけでございます。
 ただ、話ございましたように県営でやるのがいいのか、また民間でやらすのがいいのかということでございますが、最近の情勢として、民間の施設でやる方がサービス面からもいいのではないかという意見が、本県だけじゃなしに全国的に相当強いわけでございます。
 ただ、民間でやったら施設が不十分になるんじゃないかという問題等もありますけれども、そうした問題については国、県等においても補助制度を行ってございまして、どちらに利点があるかということを十分調査するし、またその調査の過程において、地元の皆さんや施設へ入所する人たちから見た場合にどちらがいいかということについて、十分検討させていただいてやらなければならないと思っております。
 いずれにしても、やらなければならない重要課題でございますので、阪部議員のご提言を十分踏まえて検討させていただきたいと思っております。
 それから、花園と美里を結ぶ長谷花園線でございます。
 これはちょうど国道と国道を結ぶ路線でもありまして、周辺の道路網の整備から重要だと思っております。またこの道路は、かねてから花園、美里にとって重要な道路でございまして、さきには林道でございました。そして、町村道に移りました。そして、県道にしてくれというわけでございます。
 私は、県道にするにやぶさかでないわけでございますけれども、それを進める上においてはやはり道路の登記が一番重要な課題でございますので、この未登記の処理を早急にやっていただきたいと思うわけでございます。未登記処理がスムーズにいくならば、じきにできるわけでございますけれども、この処理が非常に難しゅうございますので、地元の村長としても精力的に取り組んでいただかなければならないのではないかと思うわけでございます。
 現在、話ございましたように、トンネル等の調査を行っております。これは、登記がおくれた場合に並行してやれるようにしているものでございまして、両面作戦でやっておるわけでございます。ぜひ地元の未登記処理ということにつきまして、格段の配慮を賜りたいと思います。
○議長(橋本 進君) 民生部長木村栄行君。
 〔木村栄行君、登壇〕
○民生部長(木村栄行君) 議員ご質問の調査の進捗状況でございますが、現在、基本データ、既存資料の収集、分析を行っているところであり、今後、施設の需要の将来予測、関係者のアンケート調査、他府県の事例等の調査検討を踏まえ、有識者の意見を伺いながら、どのような施設がどこにどれだけ必要なのか、特に整備の促進が必要な地域でどのような効果的、具体的な整備手法や支援策があるか等について調査検討するものでございます。
 調査期間は六カ月程度を要する見込みでございますので、今年末までに調査結果のとりまとめができるものと考えております。
 以上でございます。
○議長(橋本 進君) 農林水産部長日根紀男君。
 〔日根紀男君、登壇〕
○農林水産部長(日根紀男君) ふるさと農道緊急整備事業についてお答えをいたします。
 この事業は、伊都郡地域のアクセス整備を図るために、紀の川右岸と左岸の広域農道を結ぶ、九度山町慈尊院から高野口町大野の橋梁を含む六百メートルと、高野口町上中と下中の間の八百五十メートルの道路の新設でございます。
 事業費は約三十一億円で、事業期間は本年度から平成十一年度までの五カ年を予定してございまして、今後、早期完成に努めてまいります。本年度は、測量設計及び用地買収を行う予定としてございます。
 また、上中からの道路計画延伸については、土木部とも協議をしながら取り組んでまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(橋本 進君) 土木部長山根一男君。
 〔山根一男君、登壇〕
○土木部長(山根一男君) 阪部議員にお答えいたします。
 太平洋新国土軸構想についてのご質問に関連してでございます。
 太平洋新国土軸構想の進捗状況については、さきに国から提示された第四次全国総合開発計画の点検結果において、太平洋新国土軸を初めとする新たな国土軸の必要性や意義が認められ、また現在策定中である新たな全国総合開発計画においても最重要課題の一つとなってございます。
 その中で、議員のお話にございましたように、このたびの阪神・淡路大震災により、災害に強い安全な国土構造を構築していく観点から多軸型の国土形成への認識が深まり、太平洋新国土軸の必要性がより高まったところでございます。今後とも、関西はもとより、西日本一帯の広域的な活性化を図るため、関係府県ともども力を合わせ、その実現化に取り組んでまいる所存でございます。
 京奈和自動車道の橋本道路については、平成元年度に事業化され、平成三年度より用地買収に着手しております。この道路は、橋本市内で十六地区、高野口町で五地区を通過しますが、ほぼ全線に公図の混乱が見受けられ、公図訂正に日時を要しております。しかしながら、昨年度末には高野口町の努力により町内の公図訂正は終了いたしました。また橋本市内についても、市当局の協力を得ながら、早期に公図訂正が行えるよう努力を続けているところであります。
 現在、用地面積が確定して用地買収に入っているのは橋本市内の六地区のみでございますが、来年度からの一層の用地買収の促進のため、本年度は、地元のご協力をいただきながら用地買収を促進するとともに、積極的に公図の訂正等の作業を行う予定と聞いております。今後とも、予算の増額について国に強く要望してまいります。
 次に、国道三百七十一号については、橋本バイパスとして延長約六・五キロメートルについて平成元年度より事業化を行い、重点路線としてその整備を進めているところでございます。この道路は、現在用地買収を積極的に行っているところであり、本年度末の用地の進捗はおおむね四〇%となる予定でございます。本年度は、用地買収を促進するとともに、土捨て場への進入路の工事に着手することとしております。今後とも地元のご協力をいただきながら、事業の促進に努力してまいります。
 次に、仮称・新橋本橋架橋については、昨年度に引き続き橋脚部の地質調査並びに橋脚を含む区間の予備設計を実施するとともに、河川協議にも着手することとしております。早期に必要な調査を終了し、河川協議、都市計画決定の変更等、関係機関との協議を進めた上、早期に着工すべく努力してまいります。
 次に、紀伊丹生川ダムの建設についてでございますが、紀の川支川・紀伊丹生川に治水と利水を目的としたダムとして、平成元年度より建設省が実施計画調査を進めており、昨年度、ダムの高さ等、基本的な諸元の概要が決まったところでございまして、それらの諸元をもとに地元に計画の説明をしている段階でございます。県としても国に対して早期建設着手を強く要望しており、今後とも建設省に協力しつつ、地元関係者のご理解が得られるよう努力してまいります。
 最後に、長谷花園線については、花園村において峠部のトンネルを含むルートの検討を行ったところでありますが、この区間は地形が急峻で道路の勾配等についてより詳細な検討が必要でありますので、県としても地元町村と一体となって、図面の作成、ルートの検討を続けているところであります。今後、整備手法等も含め、調査検討を進めてまいりたいと思っております。
 以上でございます。
○議長(橋本 進君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 14番阪部菊雄君。
○阪部菊雄君 ただいま、知事さんから非常に前向きなご答弁をちょうだいいたしました。
 特に、一番問題の福祉施設の問題でございますけれども、部長からのお話では、現在調査を行っており、年末までに出せるのではないかということでございます。市町村長並びに我々五名の県会議員、一生懸命汗を流して頑張っておりますので、ぜひひとつ早期実現のためにお力添えをちょうだいいたしたいと思います。
 さらにまた、地蔵峠のトンネルと並行して長谷花園線でございますけれども、これもいわゆる町村道では大変難しいと思いますので、知事さんがおっしゃいましたように、両町村にお話ししていただいて、できれば知事さんご在任中に県道に昇格するようにひとつご配慮賜れば大変ありがたいと思うわけでございます。
 以上、要望しておきます。
○議長(橋本 進君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で阪部菊雄君の質問が終了いたしました。

このページの先頭へ