平成7年2月 和歌山県議会定例会会議録 第8号(全文)


県議会の活動

議 事 日 程 第八号 平成七年三月十日(金曜日)
   午前十時開議
 第一 議案第一号から議案第八十二号まで、報第一号から報第三号まで、及び請願十七件、並びに継続審査中の議案第百四十二号(委員長報告・同質疑・討論・表決)
 第二 各常任委員会及び議会運営委員会閉会中継続審査の件
 第三 各特別委員会中間報告
 第四 各特別委員会閉会中継続審査の件
 第五 意見書・決議案
会議に付した事件
 一 議案第一号から議案第八十二号まで、報第一号から報第三号まで、及び請願十七件、並びに継続審査中の議案第百四十二号(委員長報告・同質疑・討論・表決)
 二 各常任委員会及び議会運営委員会閉会中継続審査の件
 三 各特別委員会中間報告
 四 各特別委員会閉会中継続審査の件
 五 意見書案
出 席 議 員(四十一人)
 1 番 小 川  武
 2 番 吉 井 和 視
 3 番 井 出 益 弘
 4 番 和 田 正 一
 5 番 町 田  亘
 6 番 尾 崎 吉 弘
 7 番 岡 本  保
 8 番 藁 科 義 清
 9 番 向 井 嘉久藏 
 10 番 佐 田 頴 一
 11 番 阪 部 菊 雄
 13 番 平 越 孝 哉
 14 番 富 田  豊
 15 番 門  三佐博 
 16 番 西 本 長 弘
 17 番 高 瀬 勝 助
 18 番 上 野 哲 弘
 19 番 宇治田  栄 蔵
 20 番 尾 崎 要 二
 21 番 中 村 利 男
 23 番 山 本  一
 24 番 馬 頭 哲 弥
 25 番 鶴 田 至 弘
 26 番 飯 田 敬 文
 27 番 村 岡 キミ子
 28 番 松 本 貞 次
 29 番 下 川 俊 樹
 31 番 宗  正 彦
 32 番 橋 本  進
 33 番 浜 田 真 輔
 34 番 冨 安 民 浩
 35 番 上野山 親 主
 36 番 中 村 裕 一
 37 番 和 田 正 人
 38 番 大 江 康 弘
 40 番 木 下 秀 男
 42 番 森  正 樹
 43 番 野見山   海
 44 番 新 田 和 弘
 45 番 浜 本  収
 46 番 森 本 明 雄
欠 席 議 員(二人)
 12 番 堀 本 隆 男
 39 番 中 西 雄 幸
 〔備 考〕
 22 番 欠 員
 30 番 欠 員
 41 番 欠 員
 47 番 欠 員
説明のため出席した者
 知 事 仮 谷 志 良
 副知事 梅 田 善 彦
 出納長 中 西 伸 雄
 知事公室長 野 見 典 展
 総務部長 木 村 良 樹
 企画部長 宮 市 武 彦
 民生部長 南 出 紀 男
 保健環境部長 江 口 弘 久
 商工労働部長 中 山 次 郎
 農林水産部長 日 根 紀 男
 土木部長 山 根 一 男
 企業局長 中 村 協 二
 以下各部次長・財政課長 
 教育委員会委員長
   岩 崎 正 夫
 教育長 西 川 時千代 
 以下教育次長
 公安委員会委員長
   西 本 貫 一
 警察本部長 西 川 徹 矢
 以下各部長
 人事委員会委員長職務代行者
   宮 崎 静 治
 人事委員会事務局長
 代表監査委員 天 谷 一 郎
 監査委員事務局長
 選挙管理委員会委員長職務代理者
   谷 口 庄 一
 選挙管理委員会書記長
 地方労働委員会事務局長
職務のため出席した事務局職員
 事務局長 岩 垣  孝
 次 長 中 西 俊 二
 議事課長 松 田 捷 穂
 議事課副課長 佐 竹 欣 司
 議事班長 松 谷 秋 男
 議事課主事 長 尾 照 雄
 議事課主事 松 本 浩 典
 総務課長 岡 山 哲 夫
 調査課長 柏 木  衛
 (速記担当者)
 議事課主任 吉 川 欽 二
 議事課主査 鎌 田  繁
 議事課速記技師 保 田 良 春
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 午前十時三分開議
○議長(平越孝哉君) これより本日の会議を開きます。
○議長(平越孝哉君) 議事の都合により休憩いたします。
 午前十時四分休憩
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 午後一時五分再開
○議長(平越孝哉君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
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○議長(平越孝哉君) 日程第一、議案第一号から議案第八十二号まで、知事専決処分報告報第一号から報第三号まで、今期定例会の請願三件、及び継続審査中の請願十四件、計十七件、並びに前会から継続審査中の議案第百四十二号平成五年度和歌山県歳入歳出決算の認定についてを一括して議題とし、順次、各常任委員会委員長及び決算審査特別委員会委員長の報告を求めます。
 経済警察委員会委員長浜田真輔君。
 〔浜田真輔君、登壇〕(拍手)
○経済警察委員会委員長(浜田真輔君) 経済警察委員会における審査の経過並びに結果について、ご報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案十三件並びに知事専決処分報告一件であります。
 当委員会は、三月六日、第三委員会室で開催し、当局から付託案件について説明を聴取した後、審議に入りました。
 各委員の質疑、意見並びに要望等の主なものは、次のとおりであります。
 まず商工労働部関係では、金融機関への支援について、東京都の信用組合を大蔵省と日銀が支援していることが問題となっている、このことと同様に、本県を拠点とする金融機関において不安要素がないのかとただしたのに対し、信用組合については、国の機関委任事務として県が指導監督しており、県内には四組合がある、県信については、昨年から議会の理解を得て五十億円を支援しており、本年もお願いしているところである、県信は、九店舗を廃止し人員の削減を進めるなどのリストラを実施しており、再建に向かって順調に進んでおり、他の信用組合もそれぞれ頑張っているところである、いずれにしても、金融自由化とバブル経済の崩壊という二つの大きなうねりがあり、今後とも注目していかなければならないと考えているとの答弁がありました。関連して委員からは、限りある予算の中からの支援であるので、信用不安の起こらないよう十分指導されたいとの要望がありました。
 次に地震災害対策融資について、平成七年度当初で融資枠四十億円の予算を計上し、また知事専決処分により平成六年度は融資枠二十億円の予算が計上されているが、その融資状況についてただしたのに対し、地震災害対策融資の今年度の利用状況は、二月末現在で融資のあっせん数は四十件、八億四千八百万円となっているとの答弁がありました。関連して委員からは、被災地で二次加工業を営んでいる企業の工場などが倒壊したことにより、本県の一次加工業である皮革産業などの関連倒産も懸念される、今後ますます震災の影響が出てくるとともに、融資枠の四十億円についても今後も追加の必要が出てくると思われるので、さらに検討を行うよう要望がありました。
 次に海南漆器の振興策についてただしたのに対し、現在、漆器業界では会津等に比較して落ち込んでいるが、漆器のルーツは和歌山だという認識のもと、漆器試験場並びに業界ともども産地の活性化に向けて努力しており、総合的な取り組みの中で本県漆器の巻き返しのため積極的に努めたいと考えているとの答弁がありました。
 次に県全体の輸出入の現状についてただしたのに対し、先般出された和歌山税関支署の貿易速報平成六年版では、同年一月から十二月までの輸出額が一千四百六十六億一千九百万円、前年比九七・四%と若干落ち込み、主として鉄鋼関係が減少している、また輸入額は二千五十一億三千三百万円で前年比八九%と約一割落ち込み、主な要因としては原油価格の引き下げ等である、しかし繊維機械関係で前年比三三%増と過去最高の輸出の伸びを示すなど、地場産業全体としては健闘していることがうかがえるとの答弁がありました。
 次に、阪神・淡路大震災の地場産業に対する影響についてただしたのに対し、当該地震発生直後に行った緊急調査及び半月後に行った流通面の影響調査、並びに随時行った各企業、組合への聞き取り調査等によりその把握に努めた結果、まず地震による直接的な影響では染色関連企業において被害があったと聞いている、次に取引先の企業が被災地に所在し壊滅状態となったことによる影響が出ている、主な業種として皮革、和雑貨、繊維関連等がある、とりわけ神戸市長田地区を中心とするケミカルシューズ業界との取引で、皮革業界での売掛金の回収が円滑にいくのかとの心配とともに、同地の復興までの間、本県地場製品の販路をどう確保していくのかという点で憂慮している、また和雑貨について、取引先の量販店のうち五十七店舗が被災し、これまでの売掛金の未回収分約二億円が当面棚上げになるとのことである、また繊維関連産業においても、三宮周辺との取引が約三割ある中で、今回被災した企業が振り出した手形の割引が断られる状況も見受けられる。次に流通機能、特に神戸港の機能麻痺による影響は、県内地場産業の原材料輸入、製品輸出の約八割を神戸港に依存していたので震災直後は相当混乱を来していたが、その後、順次、大阪、名古屋、横浜港への振りかえが行われ、現在、操業そのものへの直接的な影響は出ていない模様である、しかしこうした状況が長期化すると、名古屋、横浜港を利用する場合の輸送コストアップが経営面に及ぼす影響が懸念されるところである、なお被災地の復旧作業も鋭意進められ、状況も刻々と変化しているので、今後とも的確な情報収集に努めたいと考えているとの答弁がありました。
 次に、工業技術センターの再編整備の状況についてただしたのに対し、まずハード面では、第一期工事として研究交流棟を建設し、第二期工事で本年一月に新本館を完成させ、第三期工事としてミニプラントや試作機械、大型機器などを用いて実用化研究を行うための実証棟の建設と周辺整備を平成八年十二月までに行う予定としている、またソフト面では、産官共同研究事業、研究テーマ創製事業、工業技術開発会議の開催等に加え、大学の教授等を同センターに迎えて共同研究を行う客員研究員の制度等を設ける中で、開放型、技術交流型、研究開発型工業技術センターを目指して、地場産業に密着した技術開発をさらに推進してまいりたいとの答弁がありました。関連して委員からは、同センターの伊都郡における繊維産業に対する技術支援について、同センターの取り組み状況をただしたのに対し、繊維産業関連の依頼試験の実績が平成五年度で十三企業、七十七件となっており、単純な技術相談はこの約三倍程度ある、また平成二年度から四年度にかけて開発した再織り機械の自動化装置は、現在二機が民間において稼働中であり、再織り製品は関西空港においても展示販売されていると聞いており、ほかにも製品化に成功した商品で企業において販路を開拓中であるものもあるとの答弁がありました。
 次に企業誘致関係で、県土地開発公社、企業局並びに市町村において企業誘致のために造成した箇所があるのか、また誘致企業の本県に対する感想や意見を把握しているのかとただしたのに対し、土地開発公社では打田町の北勢田ハイテクパークが、企業局では御坊第二工業団地があり、市町村ではかつらぎ町の西渋田と妙寺北部等を計画している、また企業側の意見聴取については、年一回開催している誘致企業との懇談会や企業訪問の際に意見を聞いたところ、自然環境や従業員のことでよい評価を得ているが、鉄道面等の不便さを感じている企業もあるとの答弁がありました。これに対して委員からは、誘致企業との交流が図られているのかとただしたのに対し、今後は誘致企業と地元企業との技術協力を推進したり、地元住民に対する企業説明など交流の場を積極的につくっていきたいとの答弁がありました。委員からは、工場の排水処理施設に対しても融資制度等を活用できるよう要望がありました。
 続いて、地元の雇用対策や地場産業の育成の面では、せっかく松下電池工業が立地しているにもかかわらず打田町自身が松下電池の町になっていない、この点について県の考え方についてただしたのに対し、雇用対策については松下電池の関連企業二企業が育っており、人手が足りないといった状況である、地場産業については、那賀郡では紀の川テクノバレー計画等の中で企業誘致を重点的に行ってきたが、今後は松下電池の下請も含め地場産業の育成を図りたいと考えているとの答弁がありました。関連して委員からは、企業誘致の結果として地元雇用がどれくらいあるのか、また地元企業にどれくらいの影響が出ているのか調査を行うよう意見が出され、景気の低迷などで企業誘致も厳しいと思うが、県の制度あるいはその他の制度等を有効に活用し企業誘致を促進するよう要望がありました。
 次に、今回の震災で本県に立地を希望している神戸方面の企業は現在あるのかとただしたのに対し、直接工場が被災した企業ではないが、兵庫県から一企業が進出に関しての問い合わせがあったとの答弁がありました。
 次に、美浜町の煙樹ケ浜キャンプ場で多い日には一日五百組以上の利用があり、瓶を含めごみ処理に苦慮していると聞く、地域住民が周辺美化清掃のボランティア活動を行っているが、県として何らかの対処をすべきではないかとただしたのに対し、県において整備した公営施設については基本的には市町村に管理を委託しているが、ごみの処理やトイレの清掃などが問題となっていることは事実であり、地元市町村と協議し効果的な方法を研究したいとの答弁がありました。
 次に、NHKの大河ドラマ吉宗の放映が和歌山の知名度を上げるきっかけとなると思うが、現在ゆかりの地を示す観光ルートを作成しているのか、また旅行業者等のツアーの実態を把握しているのか、また県として旅行業者に対して何らかの観光ルートを示しているのかとただしたのに対し、吉宗はリゾート博後を受けた当県の観光の目玉であり、平成六年度九月補正予算で関連予算を議決いただき、十二月ごろから「旅しん坊」等で紹介している、吉宗ゆかりの地等をめぐる印刷物、マップは、ゆかりの地等を文書館で確認したり、ガイドブック等に記載することについてその所有者に確認するため時間を要し、完成したのが現在となっている、また旅行業者については、昨年末から主要旅行エージェントと提携し、関西を中心に二百五十店舗に吉宗に関するパンフレット、ポスターボードを設置し、吉宗をイメージしたポスターを掲示している、さらに那智勝浦町に入港している株式会社ブルーハイウエーラインと共同で、東京に事務所がある三十数社のエージェントに県内のゆかりの地を二泊三日で回っていただく中で商品企画を依頼したところであるとの答弁がありました。関連して委員からは、このドラマがビデオ化され市販されることを働きかけるよう要望がありました。
 次に昨年紀の国Uターンフェアを行った結果、就職決定に至った者が何名あったのか、またそのうち一般Uターン者数はどの程度あるのかとただしたのに対し、本年一月二十六日現在で百十六名が内定しており、うち一般Uターン者が十八名あったとの答弁がありました。関連して委員からは、一般Uターン者募集に際しては求人者と求職者の間に技術的な面でミスマッチがあると聞くので今後はどのような技術者を募集するのかということについて、業種、職種、技術内容並びに知識等の細部について明確に募集するよう努められたいとの要望がありました。
 公安委員会関係では、今回の阪神・淡路大震災に関して、このような災害が発生した場合の県警としての対応、ヘリコプターの活用と今後の導入計画、震災後の不法外国人の県内流入の有無などについてただしたのに対し、災害発生時、まず最優先しなければならないのは人命救助である、あわせて救助活動をスムーズに行うための交通規制を含めた支援体制が重要であり、時間の経過とともに活動のウエートを変えていく、時宜にかなった部隊活動が必要であると考えている、また「治安は人心にあり」と言われるように、被災後の住民の不安、心配に対処するための治安対策も重要と考えており、これらの点を念頭に置いた上で、他府県警察の応援を得て広域的な体制で対処していきたい、なお今回の応援派遣については、二月末現在まで延べ警察官三千百人、車両六百五十台を派遣している、ヘリコプターについては、これまで人命救助活動等広く活用しているが、震災に関しては県内の被害調査、要請に基づく待機、人員の緊急輸送を行っている、また現在のヘリコプターは搭載能力、航続時間が十分でないので、中型機の導入等を検討していきたい、不法外国人の関係は、現在そのような状況は把握していないが、今後も引き続き実態把握に努めていきたいとの答弁がありました。関連して委員からは、兵庫県下へ大勢の警察官が派遣されているが、健康管理面に対する特段の配慮、震災に対してヘリコプターが有効と思うので、本格的な中型ヘリの導入、水上警察隊の救難を含めた対応、可搬式の組み立て簡易宿舎などの装備資機材の確保、また保管場所を確保し、毛布、食料等の生活必需品の備蓄、さらに今回の地震で警察本部の窓ガラスが多数破損したが、警察本部は治安活動の中枢機能であるため、早期に補強、改築等の検討、近く建設するテクニカルセンターについて、施設はもちろん内部の機器設置についても十分に耐震に配慮した設計など、それぞれ努めてもらいたいとの要望がありました。
 次に、いじめ一一○番の開設後の現状、覚せい剤犯罪の現状と今後の対策、橋本、妙寺警察署における運転免許証の即日交付の見通し等についてただしたのに対し、いじめ一一○番については、昨年十二月二十日、警察本部総合相談室に開設以来、本年二月末日までの間に約四十件の相談を受理している、その中で嫌がらせ、無視といった直接いじめに関するものが二十五件あったが、いずれも補導等に至るものはなく指導助言を行っている、今後も学校、青少年センター等と連携して事案の内容に応じた適切な処置をとっていきたい、覚せい剤犯罪については、昨年中二百六十八人を検挙し、人口十万人当たりの検挙人員は全国一位であるが、突き上げ捜査により他府県人も多数検挙しており、一概に汚染度が高いとは理解していないが、相当に蔓延していると考えている、今後も暴力団を中心とした密売組織の壊滅、乱用事犯の徹底検挙を二本柱にした強力な取り締まりと広報啓発などの諸対策を推進していきたい、即日交付については、岩出署で二月一日から免許証の交付申請を受理しているが、即日交付はしていない、橋本、妙寺署については現在のところは考えていないが、今後の課題として認識しているとの答弁がありました。関連して委員からは、犯罪が国際化している中で、密輸ルートや方法について解明し、今後も積極的な取り締まりをしてもらいたい、また即日交付は地域住民から喜ばれることなので前向きに検討してもらいたいとの要望がありました。
 以上のとおり慎重審査の後、採決の結果、当委員会に付託されました議案第一号、第五号、第十二号、第十七号、第二十三号、第二十七号、第三十三号、第五十三号、第五十四号、第六十二号から第六十四号並びに第八十一号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決し、知事専決処分報告報第二号は全会一致をもって原案のとおり承認すべきものと決しました。
 以上で、経済警察委員会の報告といたします。何とぞ、適切なご決定をお願い申し上げます。
○議長(平越孝哉君) 建設委員会委員長向井嘉久藏君。
 〔向井嘉久藏君、登壇〕(拍手)
○建設委員会委員長(向井嘉久藏君) 建設委員会における審査の経過並びに結果について、ご報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案三十三件、請願一件であります。
 当委員会は、三月六日に第五委員会室において、企業局、土木部の順に開催し、当局から付託案件についての説明を聴取した後、審議に入りました。
 当委員会における各委員の質疑、意見及び要望の主なものは、次のとおりであります。
 企業局関係では、雑賀崎造成地の売却価格について関係企業より、経済情勢を考慮して低価格で売却してほしい旨の声を聞くが、売却価格についてどう考えているのかとただしたのに対し、募集時においては坪単価二十四万円から二十八万円としていたが、その後、工事の見直し等企業努力により、現時点では造成原価として坪二十一万円を提示しているとの答弁がありました。
 また西浜木材港の売却価格についても、雑賀崎地区と隣接している点を考慮し、整合性を持たせて価格を決定されたいとの意見に対し、雑賀崎地区と隣接している状況等を考慮するとともに、今後の工事の推移を見ながら売却価格を決定していきたいとの答弁がありました。
 次に土木部関係では、まず道路関係について、国道三百十一号、国道四百二十四号の完成予定をただしたのに対し、国道三百十一号は平成十年度をめどに本宮町から上富田町間全線完成を目標にしている、また国道四百二十四号は、甲斐ノ川トンネル等はそれまでに完成し、それより小家口間は平成七年度より新規事業として整備を進めていくが、応急的対策として待避所、視距改良等を行い、バスが通れるようにしていきたいとの答弁がありました。
 また新宮港第二期工事に関連し、紀伊半島縦貫道路五條─新宮間についてただしたのに対し、昨年十二月に地域高規格道路として指定を受け、特に十津川道路約十八キロメートルについては奈良県とともに早期事業化を建設省に働きかけている、現道路改良については早期に改良できるよう努めている、新宮港については広角から那智勝浦道路として事業を進めており、これら高規格道路との接続については今後検討していきたいとの答弁がありました。
 また、議案の設計変更額が多額であり、余り好ましいものではないとただしたのに対し、田辺─上富田町間の新岡坂トンネルについては、想像以上に地盤が悪く、崩壊を防ぐため、薬液注入、鉄筋挿入工、切り羽のモルタル吹きつけ等、補強工事に多額の増を来した、今後は事前調査をより詳細に行い、変更等が少なくなるよう努力していきたいとの答弁がありました。
 次に、平成七年度予算での電線地中化事業の七億五百万円の概要について説明を求めたのに対し、電線地中化促進事業については、昭和六十一年度より五カ年計画に基づく事業を進めており、平成七年度からは県道新和歌浦梅原線の宇治交差点から久保町までの間約一・四キロメートルの事業着手を予定しており、電線共同溝事業としては平成七年度から国の新規事業であるC・C・BOX事業として、海南市駅前、田辺市弁慶通り、白浜町海岸通りで事業着手を予定しているとの答弁がありました。
 また、阪神・淡路大震災により電気、ガス等の公益施設が甚大な被害を受け、その復旧に莫大な費用を要することが報道されているが、さきの本会議で共同溝は占用企業者の負担が大きく協力が得られにくいとの答弁があったが、今回の震災を思うと先行投資をする意義が大きいと思うので、共同溝を推進されるようにとの要望がありました。
 河川関係では、和歌川ホンプ場二十四時間稼働と仮ぜきの撤去についてただしたのに対し、昨年、リゾート博期間中の約二カ月間実験的に二十四時間導水を実施した結果、海草橋地点ではBODの平均値が二ppmまで下がったが、安定的効果を確認するため約十カ月間の二十四時間導水の試行をすることにした、平成八年度から継続運行できるよう必要な調査を行っていきたい、仮ぜきについては、撤去しても当面和歌浦湾の海水を和歌川へ導入しなければならない、二十四時間導水を実験的に実施し、仮ぜき下流における地質等、調査の上、仮ぜき撤去について検討していきたいとの答弁がありました。
 次に河川巡視員制度についてただしたのに対し、地域住民の方を県下で二十名委嘱し、情報の収集、報告を受け、河川管理者が迅速に対応できる管理体制を確立するのが目的であり、河川区域内の不法投棄、不法占用や護岸、堤防等の河川管理施設の損傷箇所や異常等の早期発見が可能になるとともに、河川愛護思想の普及、浸透が図られ、河川の良好な維持が可能になるものと考えているとの答弁がありました。
 また高田川の一級河川指定の理由をただしたのに対し、上流に水力発電所を建設する計画があり、下流に対する水防の影響、環境に対する影響等を審査する必要があるため指定をお願いしているとの答弁がありました。
 次に、土入川の遊漁船の将来的な係留施設の整備についてただしたのに対し、一カ所十二隻の水面許可を含め、百二十隻程度の遊漁船の係留があり、桟橋等の係留施設の設置については認めていない、土入川については治水上の安全性が確保された場所がないことから、係留施設を整備することは困難であると考えている、また係留実態については河川管理上支障があり、当面は平成七年度からのしゅんせつ計画にあわせ係留施設の撤去を進めていくとともに、洪水時には退去してもらう等、一定の条件のもとで秩序ある河川使用をさせるべく指導を行っていく、現在、建設省では秩序ある河川空間利用を推進するため、係留船対策のガイドラインの策定が進められており、この動向を踏まえながら取り組んでいくとの答弁がありました。
 港湾関係では、国の予算の考え方は道路、港湾より生活関連重視の動きがあるが、今回の大震災により道路、港湾の重要性が再認識されたはずであり、現時点の国の予算の動き等はどうか、またこの際、県議会、当局とも国の措置に関して特に配慮を求めていくべきではないかとただしたのに対し、具体的に報告できる段階ではないが、この大震災により道路、港湾といった社会資本の必要性、重要性を痛感させられた、今後、本県においてもそういった状況を踏まえ、国等に対してその必要性をさらに強く要望していきたいとの答弁がありました。
 また、今回の大震災により被災した神戸港の流通機能を補うため、和歌山下津港における可動式クレーン及びヤードの暫定的使用についてただしたのに対し、和歌山の港には大型の船が入れる岸壁、荷役機械、広いヤードがないため顕著な影響は生じなかった、本格的な対応は今回の港湾計画改定に盛り込んでいく予定であるが、当面の対策として、移動式クレーンあるいはヤードを早期に確保すべきと考えており、適当な機会に実施できるよう努めていきたいとの答弁がありました。
 また、和歌山下津港港頭地区再開発調査検討の期間及び港湾計画の改定の中にどの程度それを盛り込んでいくのか、こういう構想にはビジョンが必要で、地域住民、地元関係者に対しそのビジョンを提起して意見交換を行い、理解を得る必要があるのではないかとただしたのに対し、港頭地区の再開発については、南海和歌山港駅周辺を港の玄関口にふさわしい形に再整備していこうとするものであり、調査は平成六年度、七年度を予定しており、基本的な計画はその一部を今回の港湾計画改定の中に盛り込んでいきたい、なお現在の利用者の沖合移転等が前提となるプロジェクトであり、事業全体としてはかなりの時間を要するものと考えている、再開発は関係者、地元住民の深い理解が必要となるので、これらを踏まえ進めていきたいとの答弁がありました。
 また、港湾機能の分散等に関する国の政策と新宮港の第二期計画についてただしたのに対し、港湾の物流機能の一極集中傾向は国民経済的には必ずしも妥当ではなく、地方にその機能を分散していこうという政策がとられている、新宮港は生産地、消費地から遠隔地で外航コンテナ輸送の拠点化などには課題が多いが、紀南地域の産業や物流を支える拠点港としての整備を主に考えている、また外海に面した港であるという利点を生かした整備も進めなければならない、いずれにしても、現在第二期計画を作成しているので、できるだけ早期に着手して港湾施設の整備、拡充、利用の促進を図っていきたいとの答弁がありました。
 次に、西防終了後の廃棄物積み出し基地へのアクセスルートについて、また当分の間、現在の搬入路を使うということであるが、地元住民の了解が得られているのかとただしたのに対し、積み出し基地への搬入ルートは、当面は国道二十六号から土入川の仮橋を通り、住金の用地内を経由して搬入するルートが想定されていると聞いている、その後、臨港道路として計画している紀の川右岸線を利用すると聞いているので、早期に整備する必要があると考えており、現在、みなと大橋との取りつけ方法等について関係者間で調整を行っている、できるだけ早期に公共事業採択のめどを得た上で地元説明等を行いたいと考えている、また当面の搬入ルートの地元説明は保健環境部の方でなされているが、現在のところ明快な形での了解が得られているということは聞き及んでいないとの答弁がありました。
 都市計画関係では、和歌山都市圏幹線道路マスタープランの内容についてただしたのに対し、産業、土地利用の状況、広域的道路網の状況が最近の情勢によりかなり変化してきており、また和歌山港のこれからの方向や和歌山都市圏の環状道路構想、紀淡連絡道路等も踏まえながら、和歌山都市圏の道路のネットワークについて平成七年度に計画を策定するものであり、段階的な都市内の道路の整備方策についてもできるだけ効率的に事業を進めていく必要があるため、関係機関とも相談しながら進めていきたいとの答弁がありました。
 次に、河合橋のその後の状況と完成目標についてただしたのに対し、平成四年度より着手しているが、用地の解決に時間を要し、住民の皆様に迷惑をかけているところである、昨年十二月二十二日に上部工架設契約を行い、ことし八月には架設が完成する予定であり、橋梁部の供用を早期に図れるよう進めるとともに、前後の取りつけ部も含め、平成八年度には全線供用開始すべく促進するとの答弁がありました。
 また三年坂の警察の信号制御機は、和歌山城と美術館は景観がマッチしているのに、和歌山城のミニチュアを置くことでその景観を逆に壊しているのではないか、土木部としてこれについて警察と事前に相談することはできなかったのかとただしたのに対し、景観については人によって評価にかなり違いがあるが、設置場所は現在事業中のところであって歩道等の工事が残っている、警察の設置する道路施設は道路管理者と警察が協議の上、道路に設置される道路占用物件なので、今後とも警察と十分に相談しながらよりよい環境をつくっていきたいとの答弁がありました。
 下水道関係では、下水道事業促進整備の制度についてただしたのに対し、下水道の普及促進を図るため、公共下水道を実施している市町村に対し管渠に係る経費の一部を補助するもので、七年度は六年度の下水道の実績により財政力指数の低い一市九町に補助するとの答弁がありました。
 また、本宮町の下水道代行事業についてただしたのに対し、下水道を含め都市計画事業は市町村が事業主体であるが、過疎地で自然公園内である等、一定の条件が整えば県代行として事業を行うことができる、当該工事については平成八年度供用開始する予定であり、処理場は県で受け持ち、管工事については町が行うとの答弁がありました。
 住宅関係では、県営住宅の家賃滞納に対する措置について、訴訟の結果、強制退去処分等を行っているのかとただしたのに対し、特に悪質な滞納者については住宅の明け渡しや滞納家賃請求訴訟を行っており、本年度は九件の提起をお願いしている、昨年の十七件については、十三件が完納または分納中であり、四件が提訴となり、裁判の結果勝訴し、強制執行の準備中である、強制執行は裁判所の執行官が行い、県職員が立ち会っているが、立ち退きを拒む場合もあり、立ち退きに同意するよう説得するなどして、できる限り自主的に退去するようにしているとの答弁がありました。
 建築関係では、大規模開発における耐震性の再検討に関してただしたのに対し、都市計画法に係る大規模開発などの開発許可制度に関しては、都市計画法、同施行令、施行規則、通達等に基準が定められている、各種構造物に係る審査基準に関しては、関東大震災規模の地震を想定した耐震基準との説明がされている、今回の地震はそれを上回る規模であったことから現在建設省などで被災状況の調査が行われており、基準の見直しの必要性などについては調査結果を受けて建設省などで検討されると聞いている、本県においても、活断層上あるいは断層付近の大規模開発については十分な耐震性のチェックを指導してきたが、このたびの地震後、審査中及び最近許可を行った案件について重要構造物のチェックを事業者に対して求めているところであり、その報告と国の検討状況を踏まえながら県としても検討を進め、安全確保に向けた指導を行うこととしているとの答弁がありました。
 以上、慎重審議の結果、採決に入りましたが、当委員会に付託されました議案三十三件は、賛成全員をもって可決すべきものと決しました。
 また、請願につきましては、お手元に配付の請願審査結果表のとおり、継続分、議請第五十一号は継続審査を要するものと決した次第であります。
 以上をもちまして、建設委員会の報告を終わります。何とぞ、適切なご決定をお願い申し上げます。
○議長(平越孝哉君) 総務委員会委員長阪部菊雄君。
 〔阪部菊雄君、登壇〕(拍手)
○総務委員会委員長(阪部菊雄君) 総務委員会における審査の経過並びに結果について、ご報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表及び請願文書表に記載のとおり、議案三十件、知事専決処分報告二件、請願新規審査分二件であります。
 当委員会は、三月六日及び三月九日の二日間、第一委員会室において開催し、当局から付託案件について説明を聴取した後、審議を行いました。
 各委員の質疑、意見及び要望の主なものは、次のとおりであります。
 まず知事公室関係では、世界リゾート博協会において三十億六千四百万円の剰余金が出ているが、協会以外のリゾート博関連の各自治体の支出金額はどれほどか、また県全体としての収支を見るとすれば、各自治体の支出金額も含めるべきではないかとただしたのに対し、県内での各自治体等の支出総額は約百八十三億円となっているが、この中には関連道路整備やわかやま館等の博覧会終了後も財産として残るものも含まれており、経済的な波及効果や社会効果としてあらわれるものと考えているとの答弁がありました。これに対して、協会の剰余金を公表するだけではなく、県全体としての収支状況が明確になるような手だてを考えるよう要望がありました。
 企画部関係では、リムジンバス等の関西国際空港アクセス利用者数及び鉄道の乗りかえ接続の改善についてただしたのに対し、開港直後はリムジンバスの利用比率が高かったと聞いているが、現状については調査中である、また鉄道の利用については、JRの日根野駅では空港行きが同一ホームの乗りかえとなっており、接続時間は約二分と利便性の向上が図られたところである、また南海の泉佐野駅の連続立体交差事業の進捗にあわせ、今後とも直通列車の運行等を事業者に働きかけていきたいとの答弁がありました。
 次に、届け出勧告制度は土地の適正な価格を形成するための事業であるが、現在はバブル時のような状況ではないので、国の施策であっても県が必要ないと判断した場合は従わなくてもよいのではないかとただしたのに対し、国土利用計画法に基づく届け出勧告制度において、知事が指定していた監視区域は本年一月一日から解除したが、法定面積分の届け出については必要である、また監視区域の解除後、地価が四半期で三%以上、二期連続して上昇した場合は再指定を行うことができるとの答弁がありました。
 続いて、県土地開発公社への貸付金の内容と現在の貸付総額をただしたのに対し、平成六年度の当初予算は公社借入金利息の二分の一を貸し付けることとしていたが、事業の進捗状況を踏まえ、借入金利息の全額を貸し付けるための補正予算をお願いし、平成七年度の当初予算では借入金利息の半期分をお願いしている、貸付額については平成四年度から平成六年度の上半期までで合計三十六億三千三百万円となるとの答弁がありました。
 次いで、平成六年度でコスモパーク加太関連の公社借入金の一日の利息額が四百万円になると理解しているがどうか、また現在行っている調査事業の内容についてただしたのに対し、おおむねその程度の利息となり、調査事業についてはベイエリア地域における主要開発拠点の一つとしての観点から、国土庁と共同でコスモパーク加太がどのような役割と機能を持つものかを検討しており、こういった調査を踏まえ、当面は開発整備の大きな骨格を固めてまいりたいとの答弁がありました。これに関連して、人工スキー場の計画があるが、土地利用計画が虫食い状態となり、計画本来の意味が失われるのではないかとただしたのに対し、当初はリゾート、レクリエーション、和歌山県に不足している産業の集積等を目的として計画の推進を図ってきたが、これを基本としながら、今後は開発整備の大きな方向を定めるとともに、土地利用の骨格を固め、それに沿うようなものを誘導していきたいとの答弁がありました。
 続いて、住友金属埋立地の利用計画案が西防波堤沖埋立地利用計画検討委員会から出されているが、このたびの阪神大震災が起こったことによる所感をただしたのに対し、最終報告を検討していく過程の中で震災対策等についても検討されていくものと考えており、各個別の利用計画案については各事業者で検討され、十分に大震災を踏まえた計画としたいとの答弁がありました。
 次に、検討委員会の構成メンバーには地質研究の専門家がなく、経済的な面を中心課題として論議されてきているが、防災対策の観点からも検討委員会構成メンバーの再検討が必要ではないかとただしたのに対し、検討委員会からは各利用計画についての詳細な検討を実施すべきとの指導もされており、それぞれの所管で十分検討されていくものであるとの答弁がありました。これに関して、LNG火力発電所の問題については、新しい視点に立って検討し直すことが必要ではないかという意見がありました。
 このほか、多目的ホール利用促進事業の内容についてただしたのに対し、既に平成五年度、六年度で運営管理計画の策定を委託したコンサルタントからの提案を受け、平成七年度でさらに調査を実施し、経済界、文化界、スポーツ界等の代表者から成るオープニングイベント選考委員会を設置して検討していただくことにより、オープニングイベント案の具体化を進めていくものであるとの答弁がありました。また、多目的ホールは和歌山県初の大規模ホールであることから、利用促進のために県民及び利用主催者に対するPRも重要であるので、来年度はPR活動を積極的に推進していくとの答弁がありました。これに関連して、百億円を超える施設建設であるためオープニングイベントの開催は理解できるが、イベントの開催に当たっては県民の声をくみ上げるよう要望がありました。
 次にコスモパーク加太計画に関連して、これまでの議員からの種々の提言への対応についてただしたのに対しては、多岐にわたるご提言については真剣に受けとめている、例えば総合運動公園については、規模、機能について先進事例等の調査を行い、また国際交流施設の誘致については、外務省、国際協力事業団に陳情活動を重ねている、その他の提言についても前向きに検討しているとの答弁ががありました。
 また、紀の国ふれあいリゾート推進事業の一村一休養施設の内容をただしたのに対し、今後、県全体に家族連れで楽しめるリゾート施設の整備を進めるものであり、市町村が設置する新規宿泊施設の魅力アップ、市町村の宿泊施設の改築、修景、交流施設等の周辺整備に対する補助等を内容としているとの答弁がありました。
 またヘリネットワーク推進事業に関しては、防災等の観点から、和歌山ヘリポートの早期実現の要望がありました。
 続いて紀勢本線の基盤整備について、完成時期と完成後の和歌山─新宮間の時間短縮についてただしたのに対し、平成七年度と八年度で事業実施の予定であり、八年度の事業完了時点で約八分の時間短縮が見込まれている、さらに現在開発中の新型車両の導入により二十五分から三十分程度の時間短縮が見込めるが、詳細については現在JR西日本と調整を行っているとの答弁がありました。
 このほか、県立医大の跡地利用、新たな長期総合計画策定に関して、道路等の公共施設の見直しについても、それぞれ説明を求めました。
 総務部関係では、今回の防災計画の見直しの中で避難標識板の設置に係る市町村の対応についてただしたのに対し、避難場所の案内板については災害対策基本法に基づき市町村が設置することになっている、阪神大震災を教訓として県内の避難場所等についても全面的に見直しを図る必要があるため、市町村と協議しながら効果的な設置ができるよう指導していくとの答弁がありました。
 次に、地域防災計画の見直しに当たり、その内容の職員への理解度と地域住民の意見をどう生かすのか、また震災対策計画編の中の十項目の研究課題の今後の対策についてただしたのに対し、地域防災計画の中の被害想定の内容は専門的な分野が多いので、専門家の意見を聞きながら、なおかつ住民の意見も取り入れ、職員も十分理解して今後計画の見直しを図っていくとともに、十項目の研究についても緊急性のあるものから計画的に順次検討していきたいとの答弁がありました。
 次に県の職員定数に関して、各課からの増員要求及び条例定数との関係についてただしたのに対し、医大の定数については十名増員の改正を行うが、その他については現行のままである、増員の要望は三百名程度で現在精査中であり、個々に判断し、必要な人員を配置していくとの答弁がありました。
 このほか、市町村消防職員の応援体制に係る県の対応についても意見、要望がありました。
 以上のような審査の結果、採決に入りましたが、当委員会に付託されました議案のうち、議案第一号、第七号、第十号、第二十三号、第二十八号、第三十一号、第四十五号、第五十号及び第八十一号については賛成多数をもって原案どおり可決すべきものと決し、その他の議案については賛成全員をもって原案どおり可決すべきものと決し、知事専決処分報告報第一号及び報第二号については賛成全員をもって承認すべきものと決しました。
 また、請願につきましては、お手元に配付の請願審査結果表のとおり、請願新規審査分議請第六十二号及び議請第六十三号については不採択とすべきものと決しました。
 以上をもちまして、総務委員会の報告を終わります。何とぞ、適切なご決定をお願い申し上げます。
○議長(平越孝哉君) 農林水産委員会委員長和田正一君。
 〔和田正一君、登壇〕(拍手)
○農林水産委員会委員長(和田正一君) 農林水産委員会における審査の経過並びに結果について、ご報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案十五件、知事専決処分報告一件であります。
 当委員会は、三月六日、第四委員会室で開催し、当局から付託案件について説明を聴取した後、審議に入りました。
 各委員の質疑、意見及び要望等の主なものは、次のとおりであります。
 まず農業振興に関し、ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策としての本県の当初予算の取り組みについてただしたのに対し、公共事業では農業基盤で四億一千六百万円、治山事業で二億一千三百万円、林道事業で二億三千六百万円、漁港事業で一億円、非公共事業では農業構造改善事業で三億八百万円計上しており、合計十二億七千三百万円となっているとの答弁がありました。
 次に、ミカンの優良品種の改植に対する助成措置についてただしたのに対し、ミカン優良品種の改植については、国のウルグアイ・ラウンド関連対策事業や県単独事業等各種補助事業や融資事業を活用しながら改植更新を進めてまいりたいとの答弁がありました。なお、これに関連して、ミカンのウイルスフリー化に一層取り組まれたいとの要望がありました。
 続いて梅生育不良に対する制度資金について、被害農業者の利用状況及び農業共済金の支払い状況についてただしたのに対し、制度資金の利用状況については現在十二件で、千八百万円余り申請されている、ちなみにこの制度資金の末端金利は二%となっている、また農業共済金については梅の被害に対し二億二千万円を支払っているとの答弁がありました。これに関連して、梅生育不良の原因究明のため引き続き取り組まれたいとの要望がありました。
 引き続いて、東海道新幹線沿線に設置されている県産物PRの野立て看板について、今後、増設等も含めさらに充実されるようただしたのに対し、県産農産物の消費宣伝は大変重要な課題であり、平成七年度においても新たに設置することとしており、今後ともより効果のある消費PR活動に取り組んでまいりたいとの答弁がありました。
 さらに、和歌山ミカンがテレビで宣伝されているが経費はどれほどかとただしたのに対し、十五秒スポットの一回当たりの利用料は時間帯にもよるが三十万円程度であるとの答弁がありました。
 また、高齢者の農作業事故防止対策についてただしたのに対し、最近五年間の農作業中の死亡事故は三十件であるが、高齢者によるものが半数以上を占めている、今後、事故防止の啓発とあわせて、高齢者にできるだけ負担をかけないようオペレーターの育成、請負耕作、青年農業者の就農促進などに取り組んでまいりたいとの答弁がありました。
 次に、農山漁村の振興に関し、平成七年度の新規事業である住宅対策の補助基準等について、また市町村から何戸ぐらいの希望があるのかとただしたのに対し、一戸当たり千五百万円を基準として、その二分の一を補助することとしており、現在のところ市町村から約六十戸の希望があるとの答弁がありました。
 続いて、山村過疎地域において人口の減少が続いており、今後もこの傾向は続くと思うがこれに対する対応はどうかとただしたのに対し、これまで山村過疎地域の人口減少に歯どめをかけるため諸施策を推進してきたが、人口減少率は鎮静化してきたものの、なお減少が続いている、これまでは生産に重点を置いた施策を進めてきたが、国では新農政の柱の一つとして中山間地域対策を進めることとしており、県もこのような考えに立ち、産業就労対策や基盤整備、また若者が日常生活に心配のないような環境づくりに取り組み、まず人口流出に歯どめをかけ、さらに地域の活性化につながるような施策を進めてまいりたいとの答弁がありました。これに関連して、農山漁村において都市並みの環境づくりを進めるため全庁的な組織づくりが必要ではないかとただしたのに対し、農山漁村対策については関係部局との連携を図ることが重要であると考えており、今後政策調整会議に提案してまいりたいとの答弁がありました。
 さらに、農山漁村の活性化のためには新しい視点からの取り組みが重要であり、農山漁村維新とも言うべき姿勢をもって取り組まれたいとの強い要望がありました。
 続いて水産業の振興に関し、魚礁設置の進捗状況についてただしたのに対し、人工礁漁場造成事業として平成五年度から八年度までの四カ年計画で田辺沖合で実施している、このうち平成七年度事業費は一億九千四百万円であり、また日置沖でも平成七年度から十一年度にかけて実施する計画で、平成七年度の事業費は一億三千万円を予定している、そのほか湯浅湾で大型魚礁設置事業を、小規模な魚礁については市町において並み型魚礁設置事業を実施しているとの答弁がありました。これに関連して、アワビ、イセエビの魚礁はどうかとただしたのに対し、投石を中心として行っており、平成七年度では日置川町、和歌山市、御坊市で増殖場の造成を予定しているとの答弁がありました。
 また魚釣り公園の推進についてただしたのに対し、魚釣り公園については既に由良町で、また昨年から串本町の樫野で有料で実施している、平成七年度では下津町の旧土砂搬出桟橋を利用し、後背地にゲストハウスなどを建設して魚釣り公園の整備を計画しているとの答弁がありました。
 このほか、農業集落排水事業は進んでいるが、排水管の埋設については旧用水路敷等を利用できないか、また道路における埋設後の路面復旧について適切な管理監督をされたいとの要望がありました。
 さらに阪神・淡路大震災に関連し、県として救援活動により一層取り組まれたい旨の要望がありました。
 以上のような審議の結果、当委員会に付託されました議案十五件は賛成全員をもって原案どおり可決すべきものと決し、知事専決処分報告一件は賛成全員をもって承認すべきものと決しました。
 以上をもちまして、農林水産委員会の報告を終わります。何とぞ、適切なご決定をお願い申し上げます。
○議長(平越孝哉君) 厚生委員会委員長新田和弘君。
 〔新田和弘君、登壇〕(拍手)
○厚生委員会委員長(新田和弘君) 厚生委員会における審査の経過並びに結果について、ご報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表及び請願文書表に記載のとおり、議案九件、知事専決処分報告一件、請願二件であります。
 委員会は、三月六日、第二委員会室で開催し、保健環境部、民生部の順に当局から付託案件についての説明を聴取した後、審議を行いました。
 委員会における各委員の質疑、意見及び要望の主なものは、次のとおりであります。
 保健環境部関係では、最近、病院が廃止されたり診療所に変更するところがあるが、県民の医療を確保する立場からどのように考えるかとただしたのに対し、住民にとっては病床数が多いほど便利ということも言えるが、和歌山市のように病床数過剰の地域においては、病院の経営を支えるという意味で経営の方向転換等もやむを得ないのではないかと考えるとの答弁がありました。関連して、医療法が改正され、病院の機能分化が進められている中、医療関係者や住民が求める医療の姿とかけ離れてきていると思われるが、県としてはどのような施策をとるのか、また看護職員の充足は十分されているかとただしたのに対し、国の考え方としても、今回の法改正は限られた医療資源を効率的に利用するものであり、病院での医療提供体制を整備する一方、在宅での医療を推進していく方向であり、今後の施策として訪問看護ステーション等の充実が必要であると考える、また看護職員については、平成六年末で約八千三百人であり、看護職員需給見通しよりは多く充足されているとの答弁がありました。
 また、長期入院から在宅療養への転換が進められているが、訪問看護ステーションの現状と今後の計画についてただしたのに対し、訪問看護ステーションは現在十カ所整備されており、七年度は四カ所の整備が計画されている、平成十一年度末までに五十カ所の整備を目標としており、看護スタッフについては各施設最低三名を確保しているとの答弁がありました。
 さらに、医療と福祉の連携のあり方についてただしたのに対し、保健、医療、福祉の連携については、二次医療圏の中で市町村の高齢者サービス調整チームの活用等により今後さらに進んでいくものと考えるとの答弁がありました。
 次に、新規事業の病院内保育所運営補助事業について補助基準はどうかとただしたのに対し、当事業は県単独事業で実施するが、補助対象基準は、児童数二人以上、保育職員二人以上、保育時間八時間以上となっているとの答弁がありました。
 次に、阪神大震災における瓦れき等廃棄物の処分先は大阪湾フェニックスの処分場ということであるが、平成八年八月以降の和歌山県からの処分に支障はないのかとただしたのに対し、災害廃棄物の処分については、当面は大阪湾フェニックス泉大津処分場でコンクリートがら等を処分するが、早い時期に神戸港摩耶埠頭及び六甲アイランドの公有水面埋立地での処分に移行されると聞いており、本県からの受け入れには支障はないと思われるとの答弁がありました。
 このほか、平成六年度補正予算における救急告示医療機関補助金の減額理由について、平成七年度予算で購入予定の骨密度測定器の配置先及び機器について、県環境管理計画策定時期についての質疑がありました。
 次に民生部関係では、中央児童相談所が身体障害者福祉センターと統合整備されるが、中央児童相談所の跡地の利用についてただしたのに対し、現在のところ具体的には決まっていない、以前に公立学校共済組合から話があったが、まだ具体的なものになっていない、この跡地の活用については今後検討してまいりたいとの答弁がありました。委員からは、貴重な土地であり、有効に活用してほしいとの要望がありました。
 次に、雄湊住宅で実施される生活援助員派遣事業について、生活援助員の資格、人数及び緊急時の対応についての対象者の範囲についてただしたのに対し、本事業は厚生省のシルバーハウジング生活援助員派遣事業により実施するもので、生活援助員に特別な資格は必要ないが、老人福祉施設の職員一名の派遣を予定している、緊急時については、シルバーハウジング入居者二十戸に対し緊急通報システムによる通報に基づき対応するとの答弁がありました。
 次に長時間保育についての補助金に対し、県単独事業か、国庫補助とのかかわりはどうか、また無認可保育所は補助対象であるのかとただしたのに対し、国の制度の対象外になる少人数保育所を対象として国に準じた単価で補助し、特別保育の充実を図るものであり、無認可保育所については補助の対象外であるとの答弁がありました。これに対して委員から、長時間保育所の多くは無認可保育所であるが、こうした無認可保育所に預けざるを得ない状況にある、国のできないことをするのが地方行政ではないか、県としてもっと補助金の拡大を考えてほしいとただしたのに対し、保育に欠ける児童は、設備、規模等の安全な認可保育所で入所措置すべきであり、入所率七九・七%から見ても認可保育所で対応できると思われるので無認可保育所に対しての補助は考えていないが、特別保育の需要は従来にも増して多様化してきているので、民間、公立保育所に対し積極的に進めてまいりたい、また子育て環境づくり推進協議会において、女性の就労対策等、環境づくりについて協議しているところであり、無認可保育所についても検討、協議事項に挙がっており、いましばらくその推移を見守っていただきたいとの答弁がありました。
 次に、阪神大震災で被災されて和歌山に来られた人々に対し、義援金を受けるなどの必要な事務手続の指導等を行っているかとただしたのに対し、本県に来られている被災者に対し特に働きかけはしていないが、問い合わせがある人に対しては該当する市町村に照会している、県営、市営住宅等いろいろあるので、市町村と協議しながら早い時期に指導してまいりたいとの答弁がありました。関連して、県として今後の防災計画の見直しの中で義援金の使い方等について決めておくようにとの要望がありました。
 以上が、厚生委員会における審査の概要であります。
 採決の結果、付託されました議案のうち、議案第一号、議案第十八号、議案第二十三号、議案第三十九号、議案第八十一号については賛成多数をもって、議案第六号、議案第十五号、議案第三十六号、議案第五十二号については賛成全員をもって原案どおり可決すべきものと決し、知事専決処分報告報第三号は賛成多数をもって承認すべきものと決しました。
 また、請願につきましては、お手元に配付の請願審査結果表のとおり、新規分議請第六十一号は採択と決し、継続審査分議請第四十八号はなお継続審査を要するものと決した次第であります。
 なお、当委員会から「障害者小規模作業所に対する国庫補助制度の改善と充実に関する意見書(案)」が提出される運びとなっておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上をもちまして、厚生委員会の報告を終わります。何とぞ、適切なご決定をお願い申し上げます。
○議長(平越孝哉君) 文教委員会副委員長野見山 海君。
 〔野見山 海君、登壇〕(拍手)
○文教委員会副委員長(野見山 海君) 文教委員会における審査の経過並びに結果について、ご報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表及び請願文書表に記載のとおり、議案四件、請願継続審査分十二件であります。
 委員会は、三月六日、第六委員会室において開催し、当局から付託案件等について詳細な説明を聴取した後、審議に入りました。
 委員会における各委員の質疑、意見及び要望等の主なものは、次のとおりであります。
 まず初めに、平成七年度当初予算において教育委員会の柱となるべき施策は何かとただしたのに対し、一つには、いじめ、登校拒否問題の解決、二つには、学校教育の活性化につながるスポーツ振興、三つには、施設、設備の充実、四つには、公立学校の学力の向上と進路保障、これらを主要施策として取り組んでまいりたいとの答弁がありました。
 委員から、一つ目の、いじめ、登校拒否問題については、昨年の十二月定例会において各委員がただしたところ、地方との連携をとっていくとのことであり、その後、県教育委員会としてどのように取り組み対処されてきたのかとただしたのに対し、地方教育事務所長会や担当指導主事会でその具体的対策について検討を進めるよう指示するとともに、近畿の教育長会でも協議を行った、さらに県下の市町村教育委員会、教育委員長、教育長会においても、各教育委員会において検討委員会の設置等、具体的な対策を立て、県と連携して対応するよう指示をしたところであるとの答弁がありました。関連して委員からは、新聞報道によると文部省いじめ対策緊急会議において、いじめっ子出席停止命令の法令の適用について三月中旬に提言するとされているが県教育委員会の見解と本県の実情はどうか、またいじめなどの教育相談の窓口はどこかとただしたのに対し、義務教育における出席停止の取り扱いについては、懲戒ということではなく学校の秩序維持及び他の生徒の学習権を保障するという考え方に基づいている、本県においてはできるだけこのような措置はとるべきではないと考えており、いじめにかかわってこれまでに出席停止命令を行ったという報告もない、現段階でそういう状況にはないと受けとめている、また教育相談の窓口については、各地方教育事務所、教育研修センター及び学校教育課が対応しているとの答弁がありました。
 次に当初予算説明の中で、教育委員会関係予算においては人件費、維持管理費が多く占めていると思うがどうかとただしたのに対し、教育費予算は約一千百八十八億四千万円で、そのうち人件費の占める割合は約一千八十一億三千万円で九一%を占めており、事業費は約百七億一千万円で九%となっている、今後とも事業費の増額に努めてまいりたいとの答弁がありました。
 委員からは、今後委員会として積極的に予算獲得に取り組まれたいとの意見が出されるとともに、三館構想が実現した今日、取り組むべき大きな事業は三つ目の施設、設備の充実に係る総合教育センターの建設と思うが、今回も調査費のみが計上されている総合教育センター建設計画の進捗状況はどうかとただしたのに対し、総合教育センター建設は県教育委員会の念願であり、平成六年度において県長期総合計画の主要プロジェクトとして位置づけされるとともに、庁内の建設検討委員会においても種々協議を行い、建設用地についても県内各地方を調査しているところであり、委員会としての協力をお願いしたいとの答弁がありました。
 次に、児童生徒数が減少しているが教員の採用状況の推移はどうか、またことしの採用見通しはどうかとただしたのに対し、児童生徒数の減少が続いており、毎年百名程度の採用となる見込みであり、本年は百二十一名を採用する予定であるとの答弁がありました。
 次に、箕島高等学校定時制課程が来年度募集停止となるなど近年定時制課程の募集定員が縮小してきているが、働きながら学びたいとする生徒も少なからず存在する、こうしたことを踏まえ、定時制教育のあり方について、県下の全体的な今後の方針、ビジョンづくりの時期であると考える、専門部会の設置等、組織的に取り組む体制はどうかとただしたのに対し、働きながら学ぶ生徒を大切にしながら、定時制高校についての適正配置について近い将来検討する必要があると考えており、高等学校編成等長期計画策定本部等で検討してまいりたいとの答弁がありました。
 次に、二つ目のスポーツ振興にかかわってスポーツ振興審議会から、スポーツのための資金の確保を図る方策としてスポーツ振興基金の創設が必要である旨の内容を盛り込んだ答申が出されたと聞くが、その後の経過についてただしたのに対し、二十一世紀を展望した本県スポーツ振興方策についての審議会答申の中にスポーツ振興基金の創設が盛り込まれており、県教育委員会としては、本県、企業等の経営状況もあるが、広く県民のニーズに対応した事業の展開を図ることを観点に、安定的、継続的な財源のもとに、効果的かつ独自性のあるスポーツ振興方策を推進する必要があると考えており、スポーツ振興支援方策検討委員会において支援等のあり方について検討を行っているところであるとの答弁がありました。
 次に文化財保護育成に係る文化遺産の活用について、特に美術工芸品は社寺等の経営問題などから県民の貴重な文化財が県内から離散していく、一つの方策として、県で買い上げをして博物館で管理する等の措置を講じることも必要ではないのかとただしたのに対し、所有者の関係で難しいものもあるが、その趣旨を尊重しながら研究してまいりたいとの答弁がありました。関連して委員からは、国指定文化財の補助金の負担割合と県内の文化財指定件数についてただしたのに対し、国は五○から八五%、県は全体経費から国庫補助金を差し引いた額の二五から三○%、その残りの額は地元の所有者や市町村の負担となっている、また国指定の建造物は七十三件で、うち国宝七件、重要文化財は六十六件が指定を受けているとの答弁がありました。
 委員からは、指定文化財修復事業の進め方、紀州徳川家墓所の長保寺の整備内容、熊野古道にある県指定文化財熊野高原神社屋根ふきかえ経費等について意見、要望が出されました。
 このほか、文化の振興に係る近代美術館運営への県民参加のあり方について、旧県立図書館撤去費用について、教室へのクーラー設置計画について、阪神・淡路大震災被災地の児童生徒の県内小・中・高校への受け入れ状況と地域防災計画に係る教育委員会としての今後の取り組みについて、県立高校の学校別大学進学状況のデータ公表について、教員が立候補者に同行してチラシの配布をする政治的活動について質疑、意見、要望等がありました。
 以上が、当委員会における審査の概要であります。
 当委員会に付託されました議案第一号、第二十三号、第六十一号及び第八十一号は、全会一致をもって可決すべきものと決しました。
 また、請願十二件につきましては、お手元に配付の請願審査結果表のとおり、継続審査すべきものと決しました。
 以上をもって、文教委員会の報告といたします。何とぞ、適切なご決定をお願い申し上げます。
○議長(平越孝哉君) 決算審査特別委員会委員長町田 亘君。
 〔町田 亘君、登壇〕(拍手)
○決算審査特別委員会委員長(町田 亘君) 決算審査特別委員会における審査の経過並びに結果について、ご報告申し上げます。
 当委員会は、昨年十二月定例会最終日の十二月十六日に設置され、同定例会に提出された議案第百四十二号平成五年度和歌山県歳入歳出決算の認定についてを閉会中の継続審査として付託されたものであります。
 委員会は、同定例会の閉会直後、議長招集により正副委員長の互選が行われ、委員長に私が、副委員長に向井嘉久藏委員がそれぞれ選出されました。
 審査は、一月六日、十日、十一日及び十二日の四日間にわたり行いました。
 まず初日に、出納長から決算概要、代表監査委員から決算審査意見書の内容についてそれぞれ説明があり、総括質疑を行いました。二日目からは、各部局別の審査を行いました。
 各委員からの質疑、意見、要望等の主なものは、次のとおりであります。
 総務部関係では、初めに県税の不納欠損額についてその内訳をただしたのに対し、不納欠損額は一億四千一万七千円で、前年度に比べ二千九百五十五万四千円の増となっており、その内訳は個人県民税三千五百九十四万一千円、自動車税四千二百十四万二千円、不動産取得税二千七百二十一万八千円、旧料理飲食等消費税二千五百十七万一千円となっている、その理由は、自動車税については大半が車検切れで更新していないもの、不動産取得税については取得後すぐに転売されているもの、旧料理飲食等消費税は観光旅館の倒産によるものであるとの答弁があり、委員からは、徴収確保に努めているとは思うが、納税能力があるのに税を逃れている者については、社会正義の立場から法的手段をとる等、厳しく対処すべきであるとの意見があり、これに対し、不納欠損処分は時効となったもののほか、所在不明、財産のない者に対しやむを得ない場合に行ったものであるが、収納未済については職員の経験不足による場合もあるため、三年前から税務専門職員の採用を行っており、こうした体制づくりも含め、徴収については今後とも税の公平の観点に立ち努力をしてまいりたいとの答弁がありました。
 次に、平成五年度決算における投資的経費と義務的経費の比率はどうかとただしたのに対し、投資的経費は二千百四十一億円で前年度に比べ大幅に増加しており、一般会計歳出合計五千四百十五億円の約四○%を占めている、これは国の経済対策を受けての補正予算のほか、県債を活用しながら県単独事業等を積極的に推進してきたことによるとの答弁があり、委員からは、本県の都市基盤整備が先進県に比べおくれていることから、国の経済対策を除いた投資的経費と義務的経費の比率が問題であり、財政硬直化を招く人件費の抑制等の中で投資的経費の増加に今後とも努力をしていくべきであるとの意見がありました。これに対し、義務的経費の大半を占める人件費の抑制については、職員の定数削減に努めてきたところであり、その比率が低下の傾向にある、一方、投資的経費については、経済対策以外にも、例えば半島振興道路整備等を実施する中で大幅に伸びてきており、全体としては健全な方向になってきているものと考えているが、県債の活用は将来的には元利償還額の増嵩につながり、義務的経費の増加の要因ともなりかねないため、その執行管理には十分留意してまいりたいとの答弁がありました。
 このほか、特許権の内容とその活用、有価証券の主な内容と金額の計上方法、米空軍機の低飛行訓練中止の申し入れ、看護婦宿舎の家賃、特別地方消費税の収入額等について質疑、意見、要望等がありました。
 企画部関係では、初めに本県の地籍調査事業の進捗率が他県に比べ低いとのことであるが、現在の状況はどうかとただしたのに対し、当事業については、平成四年九月定例会で全国に先駆けて国に対し地籍調査に関する意見書が提出されたことを受け、平成五年度の事業費ベースで対前年度一四八%、四億三百万円と驚異的な増額となった、着手市町村数も平成六年度で新たに一市一村が着手しており、平成七年度にはさらに三町が新規着手する予定である、国における予算の伸びとも密接に関係するが、今後も地籍調査事業の積極的な推進に努めたいとの答弁がありました。関連して委員からは、和歌山市内での事例で、道路等に寄附行為済みの土地が現在も所有権移転登記が行われていないがために固定資産税を課税されていたことがあった、このような事態を早期に解決すべく検討を行うよう意見が出され、地籍調査を実施する市町村においての職員の確保や育成等に関しても検討を行うよう要望がありました。
 次に、企画部が大滝ダム関連の予算額を負担している理由についてただしたのに対し、水資源開発の利水に対しての負担金を昭和四十七年度から現在まで合計十九億四千五百五十三万五千円を負担しているとの答弁がありました。関連して委員からは、大滝ダムの現在の進捗状況について、またこのほか本県におけるベイエリア開発の現状、世界リゾート博交通輸送対策事業について質疑がありました。
 民生部関係では、初めに社会福祉費について一億二千万円が事故繰り越しとなっているが、繰り越し理由とその後の措置状況はどうかとただしたのに対し、精神薄弱者等援護施設である綜成苑の建設工事について、長雨、集中豪雨により工事用道路が崩壊し通行不能となり、その修復のため建設工事が中断となって年度内での完成ができなくなったが、平成六年七月に完成し、八月一日に開所しているとの答弁がありました。
 次に、介護福祉士等修学資金貸付事業について、平成五年度に一人当たり月額三万六千円を十人に対して合計四百三十二万円の貸し付けを行っているが、今後、介護福祉士の養成の重要性は高まると思われるがどう考えているのかとただしたのに対し、介護福祉士の現状は、全国で約四万人、本県では四百三十四人の登録者となっている、養成施設については全国での未設置県は本県を含め三県となっているが、平成八年の開校に向け民間法人が現在準備中であり、開校すれば一学年八十人の定員であるため、二年目以降は毎年八十人の介護福祉士の卒業生が見込まれるとの答弁がありました。
 次に母子寡婦福祉資金特別会計について、収入未済額が多額であるが理由は何かとただしたのに対し、主な貸し付けの種類は事業開始資金及び就学資金であり、事業不振、生活困窮、行方不明等により償還できなかったものであるとの答弁があり、委員からは、償還した人との不公平が生じるので今後の対応はどうなっているのかとただしたのに対し、新規貸し付けに当たっては、適正化を図るため申請段階で事前調査を十分行い、貸付基準に沿って無理のない貸付申請を行うよう指導を行っている、また和歌山市対策として、二名の母子福祉指導員を本庁に配置し、平成五年度から新たに償還率の低い那賀県事務所にも償還指導員一名を配置している、加えて課内の協力体制の強化を図り、すべての未償還金について見直しを行うとともに、償還強調月間を設定し、未償還金の回収に努めていくとの答弁がありました。
 次に、障害者の小規模作業所に対する補助金は一施設当たりどれくらいの額になるのかとただしたのに対し、利用者五人から十九人の作業所に対し利用者数で三段階に区分して補助している、それぞれの段階での補助金の最高額は、五人から七人の場合、七人で二百六十七万円、八人から十四人の場合、十四人で三百八十四万円、十五人から十九人の場合、十九人で四百七十九万円となっており、その二分の一の額を県が市町村に補助しているとの答弁があり、委員からは、近畿では最も低い状況であるため今後とも他府県並みに引き上げるための努力をしてほしいとの要望がありました。
 このほか、平成六年十二月定例会で可決し、国に提出した「介護休業・短時間勤務制度の法制化に関する意見書」に対しての国の動向、及びこれに関連して県の在宅福祉の考え方、扶助費の医療扶助、ホームヘルパーの待遇及び身分保障、痴呆性老人の在宅介護、災害救助費の事務費、特別保育の充実と無認可保育所の補助等について質疑、意見、要望等がありました。
 保健環境部関係では、初めに大気汚染の常時監視テレメーターは何カ所で、どこの地域で行われているのかとただしたのに対し、大気汚染の常時監視テレメーターは、県及び市町設置分を合わせて和歌山市から南部町まで五十五カ所で設置している、内訳は和歌山市十九局、海南市十五局、下津町四局、有田市三局、野上町、湯浅町、日高町、川辺町、印南町及び南部町はそれぞれ各一局、美浜町二局、御坊市六局となっているとの答弁があり、委員からは、工場のある場所の設置が多いと思うが、今、紀南地方で梅枯れが拡大してきている、南部川のパイロット事業を見ても梅枯れが進んでおり、土地を購入し、梅を植栽して頑張ろうとしている農家が大きな打撃を受けている、田辺地域の梅農家の方々は御坊の火力発電所をよく提起されるが、二基目がこれから建設されようとする話が進んでおり、そういった意味で懸念を解消するためにも、ぜひとも田辺市内の梅枯れの地域まで増設する努力をとただしたのに対し、梅の被害に係る大気汚染の測定について、県では硫黄酸化物の測定を二地点で、また田辺市に協力して酸性雨の測定を三地点で行っている、このほか関西電力株式会社においても六年度から設置し測定しているとの答弁がありました。
 次に産業廃棄物処理場の関係について、廃棄物の処理問題が大変大きな課題となっているが、県の中でそういう申請が出ているのが何カ所あって、どのような取り扱いをしているのかとただしたのに対し、民間の産業廃棄物の最終処分業者は七業者であり、財団法人和歌山環境保全公社を含めると八業者になる、申請等の件数については、民間で現在事前調査にかかっているものは十三社であるとの答弁があり、関連して委員からは、廃棄物処理施設助成事業について、県は補助金を通じて廃棄物処理事業の指導及び市町村が行う廃棄物処理施設の整備の助成を行っており、田辺市と那賀町についてはごみ処理施設を、また那智勝浦町、太地町については、し尿処理施設への整備の助成を行ったとあるが、施設整備については、県としてそれぞれの地域性に即した、また廃棄物処理の基本的な考え方、あるいは過去の実績に基づく一定のポリシーや指導方針はどうかとただしたのに対し、一般廃棄物については市町村固有の事務であるが、施設については国及び県で助成するとともに、市町村の処理計画並びに国の整備基準により適切な整備を指導しているとの答弁がありました。
 次に看護婦等修学資金貸付金の貸与について、申請者全員に貸与できているのかとただしたのに対し、国の方針に沿って各学校での在学生徒の一五%を目安に貸与しているとの答弁があり、委員からは、看護職員の確保対策を進めていく上においても、できるだけ多くの学生が修学資金を受けられるよう、国に対し補助金の増額と人員枠の拡大について積極的に働きかけられたいとの要望がありました。
 商工労働部関係では、初めに中小企業近代化資金特別会計の償還状況で、五年度の収入未済額が前年度より増加していることから、六年度ではさらに悪化するのではないか、さらにこのような状況において今後どのように取り組むのかとただしたのに対し、償還状況については、分納中並びに倒産、休業中の組合に対して土地の任意処分の方策も含めた一括償還の話し合いを積極的に進めてきたが、経済低迷の折から売却先、土地価格等円滑な処分が困難な状況であるので、償還額は前年実績を下回る七億三千三百八十五万五千円となり、未収額の合計が七十七億五千三百四十四万二千円となっている、しかし平成五年度から話し合いを進めていた案件のうち、一件については本年一月に任意売却処分をすることができ、この売却代金のうち半額に当たる五億九千二百万円を同月に収納し、残る五億九千二百万円は本年二月に収納する予定である、このほか具体的な進展が見込まれる案件もあり、最終的には平成六年度末の延滞額も七十億円を割るものであると見込んでいる、今後とも粘り強く償還指導を続けるとともに、高度化資金は中小企業の育成を目的としているので、産業の育成、雇用の安定、就業の場の確保を図ることも行政として配慮しなければならないと考えており、実効が即座にあらわれない場合もあるが努力してまいりたいとの答弁があり、関連して委員からは、延滞債権の中で償還能力のないものに対する対策についてただしたのに対し、県が中小企業事業団からの貸し付けを受けて貸し付けたものもあるので、今後とも当事業団と粘り強く交渉を行いたいとの答弁がありました。
 次に県営競輪事業特別会計で、公金横領事件に関する弁償金の未納分を損害賠償債務確認等契約公正証書に基づき回収するとのことであるが、事件を起こした両名は受刑していることから債務はなくなるのではないか、また地方自治法第二百三十三条に基づき決算調製を行った結果、最終的な被害額は幾らか、またこの横領事件が数年度にまたがってなされたものではないのかとただしたのに対し、この両名は刑法に基づく刑を現在受けているが、民法に基づく債務は受刑後も継続するものであり、今後とも両名に請求していく、また期間及び被害額については平成二年度から平成四年度にかけて前渡資金を着服したものであるが、平成五年四月に事件が発覚したので、平成四年度決算において歳入歳出決算書の歳入歳出差引額の後に「横領事件による現金不足額二億一千六百八十七万六百四十円」と記載し、予算上の処理は平成五年度において行い、収入未済額が二億二百五十七万四千二百四十三円となったとの答弁があり、関連して委員からは、このような事件が二度と起こらないようにするための今後の取り組みについてただしたのに対し、平成五年四月十九日に総務部長を委員長として調査検討委員会を設置し、原因究明と再発防止を図るため事務の改善策を検討し、その結果、日々のチェック体制はもちろんのこと、随時、商工企画課等による現金検査の実施等、チェック体制の強化を図り、電話投票システムの見直し、並びに現金管理についても日々銀行預けとするよう改善するとともに、職員の研修を行い、綱紀の粛正と再発防止に努めている、また人事異動においても職員の刷新を図り、長期に在職することのないように配慮したとの答弁がありました。
 このほか、失業対策事業の現状と不用額について質疑がありました。
 農林水産部関係では、初めに一般会計歳出で翌年度繰越額が多いのはなぜか、また繰り越し事業の主な事業は何かとただしたのに対し、耕地関係の農地費では、国の経済対策として十五カ月予算となり三度にわたる補正を行ったものであり、時期的に年度内執行が不可能となった、また農地費繰越額四十九億九千三百二十二万八千円のうち主な事業は、農村総合整備モデル事業六億一千二百二十九万二千円、農業集落排水事業六億七千二百十七万二千円、広域営農団地農道整備事業十一億八千六百八十二万五千円であるとの答弁があり、委員からは、今後予算の年度内執行について十分留意するようにとの意見がありました。
 次に林業後継者育成事業について、林業労働者が不足している中でその対策はどうなっているのかとただしたのに対し、林業労働力確保については、林道等の基盤整備、住宅確保のほか、地域参入者の給与助成、林業社会保険への加入促進など、福利厚生や社会保障制度の充実に努めているところである、林業従事者の安定的な所得確保は最も大切なことであるが、現行法体系のもとでは個人所得への補てんは困難であり、公的資金の導入が課題である、山村で汗をかいて働きたいという希望者が出ている中で、今後さらに林業従事者の確保について検討していきたいとの答弁があり、委員からは、できるだけ法制面等いろいろな形で取り組んでほしいとの要望がありました。
 このほか、専門技術員活動高度化特別事業の成果、梅生育不良対策、養蚕農家の振興対策、家畜の飼養状況から見た畜産状況等について質疑、意見、要望等がありました。
 土木部関係では、大滝ダム建設負担事業について、企画部にも同様の事業があるが、ダムに関係するものについては一括して土木部で計上すべきではないかとただしたのに対し、土木部で計上しているのはダム建設事業に関する治水負担分であり、企画部では大滝ダムで水資源開発を行い、その水のユーザーが支払うことになっている水利負担分について計上しているものであるが、今後、企画部とも話し合ってまいりたいとの答弁がありました。
 出納室関係では、初めに小切手未払い資金組み入れに係る公金送金通知書未払い金についてただしたのに対し、県税自動車税の還付金等で公金送金通知書を発送してから一年を経過しても換金されていない場合収入とし、再度還付申請があった場合、償還金利子及び割引料の予算で支払うこととしているとの答弁がありました。
 次に、指定代理金融機関等が収入金を指定金融機関への払い込みに際し遅延した金融機関についてただしたのに対し、郡部等遠隔地で払い込みに時間を要する場合があり、収納して三、四日を超えた場合は違約金をいただくことになっており、それらの金融機関については実態を把握し指導してまいりたいとの答弁がありました。
 医科大学関係では、初めに大学費寄附金の項目に係る寄附金の内容をただしたのに対し、これは医科大学統合移転整備のための寄附金で、平成五年度で百四十七件の五千五百万円で、平成六年十二月末現在で元金、利息を合わせて二億六千九百八十一万六千六百九十七円となっている、また寄附金の申し込みをいただいているが収入されていないものを合わせると三億七千六百五十六万円となる見込みであるとの答弁があり、委員からは、移転整備を結論づける時点で寄附金を集めるので移転による整備をとの意見が強かったと思う、県費のことは別として、建築までに目標の金額が集まるのか考える必要があると思うがどうかとただしたのに対し、同窓会の協力も得ながら第三次の募集を行っており、鋭意努力していきたいとの答弁がありました。
 次に病院使用料の決算額について、不納欠損額と収入未済額に係る説明があった中で、特に収入未済額の高額医療費の委任払いと経済的理由による未納の内訳についてただしたのに対し、今回の不納欠損額は昭和六十三年度に未納となったものの時効に伴う処分額である、また未収金については、本院で平成五年度末八百四十六万八千九百四十円、その内訳は高額委任に伴うものが四百六十万三千七百八十円、支払い困難が三十七万七千七百円、分納誓約が十一万一千円、過年度未収金が三百三十七万六千四百六十円である、平成六年十二月現在の未収は三百八十二万五千百六十円となっているとの答弁があり、委員からは、大学病院の経営という面からも未収金等についても努力するよう意見がありました。
 このほか、入院、外来の患者数の本院、紀北分院での病床利用率について質疑がありました。
 議会関係では、議会図書室に係る図書購入費予算についてただしたのに対し、平成五年度の図書購入費はおおむね六十万円であるとの答弁があり、委員からは資料類の充実等について要望がありました。
 地方労働委員会関係では、取り扱い事件の中でタクシー関連会社の事件が多いが、その内容は雇用の不安定によるものか、あるいは組合の組織力の問題等であるのかとただしたのに対し、これらの業種は小規模な経営であり、労使関係も未成熟であることから、賃上げ、団体交渉応諾拒否、不当労働行為等が派生してくると考えられるとの答弁がありました。
 監査委員関係では、平成五年度過年度分未納額の中で未納額が大きい中小企業近代化資金特別会計について、平成五年度は平成四年度に比べどの程度改善されたのか、また監査委員としてどのように指導してきたのかとただしたのに対し、中小企業近代化資金の償還金未納額については、平成四年度では減少傾向にあったが、平成五年度は若干増加している、これは特に高度化資金の大口の償還がとまっていることによるものであり、平成六年度中に償還見通しのつくものがあると聞いている、未納額の解消は重要課題と考えており、今後とも重大な関心を持って対応していくとの答弁がありました。
 教育委員会関係では、初めに高等学校費に係る繰越明許費について、日高高校中津分校運動場造成のように災害の場合は不測の事態でやむを得ない部分もあるが、新宮高校球技コート整備、並びにみくまの養護学校運動場整備については災害とは事情が違う、十分予測し得るのではないか、事業を行う前に事前調査を徹底しておけば繰り越しが生じることはなかったのではないかとただしたのに対し、やむを得ず繰り越したものであるが、今後かかることのないよう万全の体制で事業を進めてまいりたいとの答弁がありました。
 次に語学指導を行う外国青年招致事業について、中学校担当七名、高等学校十七名の外国青年を招致したとなっているが、現在どこの国から何人を招致しているのか、また逆に本県高校生を外国に派遣する高校生海外生活体験事業を実施し、海外での国際交流を含め、異文化の体験等いろんな目的を持って二十五名の高校生を派遣しているが、相手国とその成果はどうか、参加した高校生個人が交流を含め経験を深めることはプラスであるが、やはり派遣をした学校を含めてその効果が持続性を持って生きてこなければならない、帰国した後、学校の中でどのように活用しているのか、決算の数字とは別に出てこないと意義ある授業にはならないとただしたのに対し、外国青年招致事業では現在二十六人を招致しており、招致者の出身地はアメリカ十二名、イギリス七名、カナダ二名、オーストラリア二名、ニュージーランド二名、アイルランド一名である、また高校生海外生活体験事業については、現在カナダのバンクーバーに派遣しており、参加者は現地でのホームステイ等を通じ小さな親善大使として相互理解、国際親善を行っている、帰国後は各学校において生活体験発表することとなる、教育委員会においては、派遣者の感想文をまとめた報告書を作成し、学校及び関係機関に配付したりして国際理解教育に努めているところであるとの答弁があり、委員から、派遣先等については関西国際空港の開港に伴い、児童生徒にとって世界的視野、物の見方というものがプラスになるよう、従来の基本路線からそういう実績を踏まえた上で新たな方向というものを検討してほしいとの要望がありました。
 このほか、人づくりに係る総合教育センター建設取り組み状況、県立高校での進路指導に係る補習授業取り組み状況、県内における文化財の保存活用の取り組み、県立高等学校の保護者負担軽減について質疑、意見、要望等がありました。
 以上のとおり、慎重審査の後、採決の結果、当委員会に付託されました議案第百四十二号平成五年度和歌山県歳入歳出決算は、賛成多数をもって認定すべきものと決しました。
 何とぞ、適切なご決定をお願いいたします。
○議長(平越孝哉君) 以上をもって、各常任委員会委員長の報告及び決算審査特別委員会委員長の報告が終わりました。
 これより、委員長の報告に対する質疑に入ります。──質疑なしと認めます。
○議長(平越孝哉君) 次に、討論に入ります。
 まず、村岡キミ子君から反対討論の通告がありますので、これを許可します。
 27番村岡キミ子君。
 〔村岡キミ子君、登壇〕(拍手)
○村岡キミ子君 日本共産党県議団を代表いたしまして、上程された幾つかの議案について、反対の立場から討論を行います。
 まず議案第一号平成七年度一般会計予算に関連してでありますが、乳幼児の医療費補助の拡充や長時間保育の補助の拡充、在宅福祉三事業の拡充など一定の改善が図られているものの、県民本位の予算かどうかという基準から見れば、全体として全く不十分と言わざるを得ません。
 例えば長時間保育推進の面では、無認可保育所への補助を見送っています。このことは、女性が働き続ける上での大きな障害となるとともに、子供の健全育成、少子化時代への対応という点でも全く不十分です。また、放課後児童対策事業も遅々として充実されず、全国水準から見ても、この問題に対する県当局の消極性は際立っています。もっと民間学童保育所にも目を向けるべきです。さらに、乳幼児医療については現物支給に改善すべきであると思います。このような点は、県民の立場に立てばすぐに改善を図ることができるのではないでしょうか。
 また、入院給食費の六十七歳から六十九歳までのお年寄りへの補助、乳幼児、母子家庭、重度心身障害児に対する補助は、今すぐにでも行うべきです。全国的には二十六都府県で既に実施されており、和歌山県でも一億六千万円もあれば実施できるのです。この金額は、世界リゾート博の宣伝に使った費用のおよそ六分の一で済みます。世界リゾート博の剰余金が三十億円を超える見込みと発表しておりますが、しかし計上されていない県費支出が宣伝費、交通渋滞対策の仮設道路、同協会の負担金だけでも三十億円を超えるわけで、このような対応の仕方は好ましくないと考えます。
 さらに、コスモパーク加太計画に関連して、七年度予算についても県土地開発公社への貸し付けとして九億一千百万円が計上されていますが、これまでの総額が五十七億一千万円と膨大な金額になっています。これは、ある意味ではやむを得ない措置とはいえ、失政による浪費と言わなければなりません。
 阪神大震災に関連して、その救援対策や地域防災計画の全面的な見直しにおける予算が一定増額されていることは評価できます。しかし私たちは、もっと県民の命と安全、生活を守るという観点からして、まだまだ不十分と考えます。
 特に、今進められている大規模開発については、綿密な調査に基づいて安全対策がとられるまで、この際すべての開発は凍結すべきです。また、大きな被害を受けている県内の中小商工業者の皆さんには、無担保、無利子、無保証の緊急融資を実施すべきです。
 議案第七号、十号、十二号、十三号、十八号、二十八号、三十一号、三十三号、三十四号、三十九号、五十号、五十八号、六十五号は消費税関連で、いずれも反対です。
 議案第四十五号は県職員を新たに二十人減員する内容で、県職員への負担の増大や県民サービスの低下という点で問題があります。
 議案第七十六号、七十七号、七十八号は多目的ホールの工事請負契約の締結ですが、我が党はこのような大規模なホール建設に膨大な予算を注ぎ込むよりも、もっと県民が気軽に利用できる施設の建設を望んでいます。その点で、この多目的ホールの建設自体に賛成することはできません。この議案についても、反対の意思を表明しておきます。
 議案第六十六号、六十七号、六十八号の市町村負担金は全廃すべきであります。
 その他、理由は省略いたしますが、十九号、二十号、二十三号、四十号、五十三号、五十六号、八十一号についても、それぞれ反対です。
 また、以上述べてまいりました趣旨からしても、議案第百四十二号についても反対を申し上げます。
 以上のことを述べまして、反対討論といたします。
○議長(平越孝哉君) 次に、下川俊樹君から賛成討論の通告がありますので、これを許可します。
 29番下川俊樹君。
 〔下川俊樹君、登壇〕(拍手)
○下川俊樹君 私は、自由民主党県議団を代表いたしまして、この二月定例会に提案をされている予算関係議案並びに諸議案に対して、賛成の立場から討論を行うものであります。
 平成七年度は、戦後五十周年に当たる年でありますが、仮谷県政二十年の締めくくりの年でもあります。昨年平成六年は、県民の待望久しかった関西国際空港が無事開港し、数年にわたり県民総力で準備に力を注いできた世界リゾート博が約三百万人の来場者を迎えて成功裏に終了いたしました。本年は、こうしたこれまでの施策の成果を二十一世紀に向けての新たな県勢の発展のためのスタート台としていくための極めて重要な年であります。
 こうした観点から今回提案された平成七年度予算を見ますと、最後の当初予算編成について、仮谷知事の県政にかける熱い思いが強く感じられるところであります。
 その第一は、予算全般についてでありますが、依然として足取りが不確かな景気情勢のもと、県税が全体として伸び悩んでいるという厳しい財政事情の中で、歳出の一層の節減、合理化に努める一方、国の財源措置のある起債の積極的活用や基金の取り崩しによって財源の確保に努め、県の今後の発展に不可欠な事業について重点投資を行うことにより、地方財政計画を大幅に上回る対前年度六・五%増の積極的予算とした点であります。
 県債の発行額は六百六十五億円と、当初予算では過去最大となっているところでありますが、その約九割は何らかの交付税措置があるものとされており、後年度の財政負担をできる限り抑えるための努力がなされております。また、各種基金の取り崩し額についても相当大きなものとなっておりますが、これにより今後の県財政に特段の支障が生じるとは考えられないところであり、財政の弾力的運営として積極的に評価できるものであります。必要と考えられる事業には思い切った予算措置を行いつつ、その財源に工夫を凝らして県民の負担を最小限に抑えるという、そのときどきの県を取り巻く経済情勢を適切に踏まえた仮谷知事の財政運営上の手腕を、私は高く評価するものであります。
 第二には、個別の予算の内容を具体的に見ましても、緊急に対応することが必要な課題、中長期的な観点が不可欠な課題のいずれにつきましても、それぞれ適切な対応がとられているところであります。
 まず、現下の緊急な課題である景気への対応策としては、平成七年度予算では県単独投資について、地方財政計画を上回る五・四%の伸びが確保されております。金融面でも中小企業向け融資枠が大幅に拡大されるなど、思い切った措置がとられているところであります。
 なお中小企業制度融資については、新たに新規開業支援資金を創設するほか、さきの阪神・淡路大震災の影響を受けた企業に対する災害対策資金の融資枠を倍増させるなど、きめ細やかな措置も講じられているところであります。こうした政策的対応により、平成七年度における県内産業の振興に期待が持てる内容となっております。
 その一方で、陸・海・空の総合的な交通体系、福祉、生活環境、教育・文化施策、農山漁村の振興といった県民生活に身近な分野についても、各種の施策の拡充強化がバランスよく盛り込まれております。こうした幅広い分野について、仮谷知事の長年の経験と実績に裏打ちされた施策の推進は、次の時代に向けての我々のふるさと和歌山県の一層の飛躍の大きな足がかりとなるものであり、高く評価すべき内容であると思います。
 このように見てまいりますと、平成七年度予算案は現在の和歌山県を取り巻く状況を的確にとらえ、厳しい財政事情の中で財源面等にさまざまな工夫を凝らしつつ積極的な対応を図った予算であり、県民の期待に十分にこたえたものであると考えます。
 また予算関係以外の議案についても、条例案件を初め、いずれもその内容は適切なものであり、この上は以上の諸議案に盛られた各般の施策の迅速かつ円滑な執行を図り、所期の成果を上げていくことによって、県民の負託にこたえることが重要であります。
 我々自由民主党県議団といたしましては、以上、申し上げたような認識に立ち、今議会に提出されている予算関係議案並びに諸議案について、その早期成立を期するとともに、その執行に最大限の努力を惜しまないことをお約束いたしまして、賛成討論を終えるものであります。ご清聴ありがとうございました。
○議長(平越孝哉君) これをもって、討論を終結いたします。
○議長(平越孝哉君) これより採決に入ります。
 まず議案第一号、議案第七号、議案第十号、議案第十二号、議案第十三号、議案第十八号から議案第二十号まで、議案第二十三号、議案第二十八号、議案第三十一号、議案第三十三号、議案第三十四号、議案第三十九号、議案第四十号、議案第四十五号、議案第五十号、議案第五十三号、議案第五十六号、議案第五十八号、議案第六十五号から議案第六十八号まで、議案第七十六号から議案第七十八号まで、議案第八十一号を一括して採決いたします。
 本案に対する委員長の報告は、いずれも原案可決であります。
 本案を委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君はご起立願います。
 〔賛成者起立〕
○議長(平越孝哉君) 起立多数であります。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
○議長(平越孝哉君) 次に、議案第二号から議案第六号まで、議案第八号、議案第九号、議案第十一号、議案第十四号から議案第十七号まで、議案第二十一号、議案第二十二号、議案第二十四号から議案第二十七号まで、議案第二十九号、議案第三十号、議案第三十二号、議案第三十五号から議案第三十八号まで、議案第四十一号から議案第四十四号まで、議案第四十六号から議案第四十九号まで、議案第五十一号、議案第五十二号、議案第五十四号、議案第五十五号、議案第五十七号、議案第五十九号から議案第六十四号まで、議案第六十九号から議案第七十五号まで、議案第七十九号、議案第八十号、議案第八十二号を一括して採決いたします。
 本案に対する委員長の報告は、いずれも原案可決であります。
 本案を委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君はご起立願います。
 〔賛成者起立〕
○議長(平越孝哉君) 起立全員であります。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
○議長(平越孝哉君) 次に、地方自治法第百七十九条の規定による知事専決処分報告報第一号から報第三号までを一括して採決いたします。
 本件についての委員長の報告は、いずれも承認であります。
 本件を委員長の報告のとおり承認することに賛成の諸君はご起立願います。
 〔賛成者起立〕
○議長(平越孝哉君) 起立全員であります。よって、本件はいずれもこれを承認することに決定いたしました。
○議長(平越孝哉君) 次に、請願について採決いたします。
 まず、議請第四十六号を採決いたします。
 本請願に対する委員長の報告は、継続審査であります。
 本件を委員長の報告のとおり継続審査とすることに賛成の諸君はご起立願います。
 〔賛成者起立〕
○議長(平越孝哉君) 起立多数であります。よって、本件はこれを継続審査とすることに決定いたしました。
○議長(平越孝哉君) 次に、議請第六十二号、議請第六十三号を一括して採決いたします。
 本請願に対する委員長の報告は、いずれも不採択であります。
 本件を委員長の報告のとおり不採択とすることに賛成の諸君はご起立願います。
 〔賛成者起立〕
○議長(平越孝哉君) 起立多数であります。よって、本件はいずれも不採択とすることに決定いたしました。
○議長(平越孝哉君) 次に、ただいま採決いたしました請願を除くその他の請願十四件を一括して採決いたします。
 本件はいずれも委員長の報告のとおり決することにご異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平越孝哉君) ご異議なしと認めます。よって、本件はいずれも委員長の報告のとおり決定いたしました。
○議長(平越孝哉君) 次に、継続審査中の議案第百四十二号平成五年度和歌山県歳入歳出決算の認定についてを採決いたします。
 本決算に対する委員長の報告は、認定であります。
 本決算を委員長の報告のとおり認定することに賛成の諸君はご起立願います。
 〔賛成者起立〕
○議長(平越孝哉君) 起立多数であります。よって、平成五年度和歌山県歳入歳出決算はこれを認定することに決定いたしました。
 ──────────────────
○議長(平越孝哉君) 次に、日程第二に入ります。
 お諮りいたします。お手元に配付しております「継続審査を要する所管事務調査件名表」及び「継続審査を要する担任事務調査件名表」のとおり、各常任委員会及び議会運営委員会に対し閉会中の継続審査として付議することにご異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平越孝哉君) ご異議なしと認めます。よって、以上のとおり、各常任委員会及び議会運営委員会に対し閉会中の継続審査として付議することに決定いたしました。
 ──────────────────
○議長(平越孝哉君) 次に日程第三、同和対策、関西国際空港対策、水資源対策、半島振興過疎対策の各特別委員会から中間報告が文書をもってなされておりますが、これらはいずれもお手元に配付しておりますので、ご了承願います。
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  同和対策特別委員会中間報告
   委員長 馬 頭 哲 弥
 同和対策特別委員会の現在までの審議の経過並びに活動状況等について、その概要をご報告申し上げます。
 当委員会は、平成6年7月5日の本会議において委員の選任が行われ、同日招集された委員会で委員長に私が、副委員長に森正樹委員がそれぞれ選任されました。
 以来、委員会の開催や県外調査を実施するなど、同和対策事業の推進対策について積極的に取り組んでまいりました。以下、委員会での当局の説明及び答弁並びに県外調査の概要をご報告申し上げます。
 まず、平成6年10月13日開催の委員会において、当局から、住環境をはじめとした物的事業は平成4年度以降の残事業524億円であったが、現在の進捗状況は平成4年度、平成5年度の2年間で約235億円の実績である。平成6年度以降の残事業は約290億円で進捗率は44.8%となっており、法期限内の完遂を目指し積極的に推進している。中高年齢層を中心とした不安定就労の状況、産業の振興、教育、啓発等非物的事業の面においてもいくつかの課題が残されており、県としては引き続き「県同和対策総合推進計画」に基づいて、物的事業については住民ニーズを的確に把握しながら1日も早く完遂するとともに、非物的事業である教育対策や生活基盤の安定向上のため、産業、就労対策の充実に関係部局と連携をとりながら積極的に推進している。
 また、最近差別事件が発生する等の事実を厳しく受けとめ、人権意識の確立を図るための啓発活動になお一層創意工夫を凝らし積極的に推進している。
 さらに11月に同和地区実態調査を県独自に行い、その結果と昨年国において実施された実態調査の結果を踏まえ県としての今後の同和対策のあり方を明らかにしていくとの説明があり質疑に入りました。
 委員から和歌山市平井地区における物的事業の進捗状況はどうか、あと2年半でどこまでできるのかとの質問に対し、平井地区については建設省所管の河川事業と厚生省所管の地方改善事業と同時に事業が進んでいる。県下全体的に見ると確かに進捗率は5割をきっているが、残事業は極めて難しいものが残っており、総務庁に報告している残事業と最近の住民ニーズの間で認識の差があり、住民ニーズに合わせた事業の採択に努力してまいりたい。また、計画内の残事業については、進行管理を適切にしながら期限内解決に向けて努力してまいりたいとの答弁がありました。
 次に、平成6年11月16日から18日までの3日間にわたり県外調査を実施しました。
 今回は「地対財特法の一部を改正する法律」の失効まであと余すところ2年半足らずとなったことから、東京において「地対財特法の一部を改正する法律」の現況と今後の対応等について県選出国会議員との懇談会を開催しました。
 当局から、同和対策の現状についての概要説明のあと、参加いただいた県選出国会議員(全員)を代表して前田法務大臣から、国における同和対策の現況等について報告を受けた後、一般法への移行問題、法期限内完全解決を図るための諸問題、部落解放基本法の考え方等について意見交換を行いました。
 また、懇談会終了後、国会等関係先への独自調査・情報収集を行いました。
 次に、3月3日に委員会を開催し、同和対策事業の現状と今後の課題、平成7年度の同和対策予算案について説明を聴取し審議しました。
 以上をもって、当委員会の現在までの審議の経過と活動の状況についての概要報告といたします。
 何とぞ、よろしくご了承賜りますようお願い申し上げます。
(参考)
 同和対策特別委員会の審議の状況
┌─────┬────────┬──────────────┐
│実施年月日│ 区    分 │ 審議内容等        │
├─────┼────────┼──────────────┤
│6.7.5│委員会開催   │ 正副委員長互選      │
│     │        │ 委員長 馬頭哲弥     │
│     │        │ 副委員長 森 正樹    │
│     │        │              │
│6.10.13│委員会開催   │ 「同和対策事業の現状と今後│
│     │        │の課題」について審議    │
│     │        │              │
│6.11. 16│県外調査    │ 「地対財特法の一部を改正す│
│  ~ 18│        │る法律」の現況と今後の対応等│
│     │        │について県選出国会議員との懇│
│     │        │談会を開催         │
│     │        │ 国会等関係先への独自調査・│
│     │        │情報収集の実施       │
│     │        │              │
│7.3. 3│委員会開催   │ 「同和対策事業の現状と今後│
│     │        │の課題」、「平成7年度の同和│
│     │        │対策予算案」について審議  │
└─────┴────────┴──────────────┘
 ───────────────────
 関西国際空港対策特別委員会中間報告
   委員長 宇治田 栄 蔵
 関西国際空港対策特別委員会の審議の経過並びに活動状況について、その概要を御報告申し上げます。
 当委員会は、昨年7月5日、6月定例会の本会議最終日、委員の選任が行われ、閉会後招集された委員会で正副委員長の互選が行われた結果、委員長に私が、副委員長に吉井和視委員がそれぞれ選任されました。
 以来、委員会の開催や県外調査を実施するなど、関西国際空港対策について積極的に取り組んでまいりました。
 以下、その概要について順を追って御報告申し上げます。
 まず、8月10日、委員会を開催しました。
 当局から、全体構想推進に係る取り組み状況を初め乗り入れ便や交通アクセスの確保、環境監視への対応及び7プロジェクト3軸計画、すなわち紀の川テクノバレー計画、コスモパーク加太計画、南麓サイエンスパーク計画、和歌山臨空都市計画、地場産業都市計画、生鮮食料品供給基地計画、国際観光基地計画、及び国土軸、空港軸、地域軸に係るアクセス整備計画等、関西国際空港関連地域整備計画の進捗状況について説明を聴取し、質疑に入りました。
 委員からは、横風用滑走路に対して神戸空港建設計画との関連から兵庫県に意見の相違があるようだが、全体構想早期実現のため「第7次空港整備5箇年計画」に向け地元の意思の統一が必要であるとの意見があり、これに対し、現在、全体構想に向けて、近畿の自治体及び民間も含め「関西国際空港全体構想推進協議会」を組織して議論をしている。2本目の滑走路を平行滑走路か横風用滑走路のどちらにするかについては議論があるが、全体構想を進めるということについては、兵庫県も一致団結し近畿は一つということで進めることを合意しているとの答弁がありました。
 このほか委員からは、議会も当局も県民の利益につながる関西国際空港であってほしいということで最大限の努力をし、間もなく開港を迎えようとしているが、各部において、今後県益のため引き続いて取り組んでいく課題及び目標は何かとの質問に対して、空港アクセスについては需要の喚起等を図りながら県民の利便性の高いアクセスの確保に向け、西日本旅客鉄道株式会社、南海電気鉄道株式会社に対し働きかけていく、医療体制の整備については外国人を対象としたメディカルガイドを作成したのを初め、救急医療情報システムを本県と大阪府・奈良県と平成6年度中に接続することになっている、企業誘致及び観光振興については更なる努力をしていきたいと考えており、関西国際空港と本県の近接性を生かしアジアとどのように経済交流していくか取り組んでいる、本県産青果物等の食材供給については、ケータリング会社に対し8月末契約見込みで160品目を予定し、今後とも県産青果物等の販売量の拡大に取り組んでいく等の答弁がありました。
 このほか、紀の川分水計画、特急「くろしお」日根野駅停車本数、コスモパーク加太計画等について質疑、意見、要望がありました。
 次に、9月4日に関西国際空港が開港した後、11月17日から18日まで県外調査を実施し、関西国際空港株式会社との懇談会及び運輸省に対し「全体構想早期実現について」「乗り入れ便数の大幅確保等について」「空港整備財源の拡充について」要望活動を行いました。
 関西国際空港株式会社での懇談会では、服部社長から関西国際空港の現況説明を受けた後、意見交換に入りました。
 委員からは、全体構想を推進していく中で関係する府県に意見の食い違いが見受けられるが一致団結した行動を取らないと取り返しのつかないことになるとの強い意見がありました。
 このほか、全体構想早期実現に向けて関西国際空港株式会社から関係機関に対しての強い働きかけ及び関西国際空港株式会社の経営の健全化・利便性の高い空港運営等について要望を行いました。
 運輸省に対する要望活動では、飛行場部長から、全体構想の早期実現については滑走路1本では今後の航空需要に対応できない、アジアの国際ハブ空港としての機能を満たしていくためには全体構想早期実現が必要不可欠だと思っており、第6次空港整備5箇年計画期間内に調査について一応の区切りをつけ、第7次空港整備5箇年計画で全体構想の明確な位置づけを行っていきたい、しかし全体構想を進めていくには国も努力していくが地元の協力も不可欠である、乗り入れ便数の大幅確保等については国際線の便数は平成7年の夏ダイヤでもう少し増えていくと思う、国内線はダイヤが不便という話が多く、利用者のニーズに合ったダイヤに変えていくことが必要ではと思っているが、需要があることが前提である、空港整備財源の拡充については運輸省としても願っていることであるが現実は難しい面があり、今後努力していきたいとのことでありました。
 以上、当委員会における審議の経過並びに活動状況の概要報告といたします。何とぞよろしくご了承賜りますようお願い申し上げます。
(参考)
 関西国際空港対策特別委員会の審議等の状況
┌─────┬────────┬──────────────┐
│実施年月日│ 区    分 │ 審議内容         │
├─────┼────────┼──────────────┤
│6.7.5│委員会開催   │委員長・副委員長の選任   │
│     │        │ 委員長 宇治田栄蔵    │
│     │        │ 副委員長 吉井 和視   │
│     │        │              │
│  8.10│委員会開催   │関西国際空港関連事業の経過及│
│     │        │び現況報告         │
│     │        │              │
│  11. 17│調 査     │泉佐野市・東京都      │
│    18│        │・関西国際空港株式会社との懇│
│     │        │談会            │
│     │        │・運輸省に対し、「全体構想早│
│     │        │期実現について」「乗り入れ便│
│     │        │数の大幅確保等について」「空│
│     │        │港整備財源の拡充について」の│
│     │        │要望活動          │
└─────┴────────┴──────────────┘
 ───────────────────
 水資源対策特別委員会中間報告
   委員長 佐 田 頴 一
 水資源対策特別委員会の現在までの審査の経過並びに活動状況について、ご報告申し上げます。
 当委員会は、平成6年7月5日の本会議において委員の選任が行われ、同日招集された委員会で、不肖私が委員長に、向井嘉久藏委員が副委員長にそれぞれ選任されました。
 以来、委員会の開催や県内外調査を実施するなど、紀の川水問題に取り組んでまいりました。
 以下、委員会での当局の説明及び答弁並びに県内外調査の概要をご報告申し上げます。
 まず、昨年は記録的な少雨と高温の日々が続き、水不足が深刻であったため、緊急の委員会を平成6年7月22日に開催し、当局から渇水対策についての概況説明を聴取した後、質疑、答弁があり、委員会終了後、岩出町船戸の岩出頭首工等紀の川流域の渇水状況についての調査を実施しました。
 次に平成6年10月7日に開催の委員会において、当局から、異常渇水による地場産業等への影響、農業関係等の被害状況並びに今後の対策についての報告があり、引き続き事業の状況報告に入り、紀の川大堰については、建設省において平成6年度は、昨年度に引き続き大堰本体工事及び低水護岸工事の促進を図り、今後とも国・県・市が協調し、地元関係者の理解と協力のもとに事業を進めていくとの説明がありました。
 また、紀伊丹生川ダムについても、建設省において平成6年度は、昨年度に引き続き水理水文調査を実施するとともに、ダムサイトにおいて、ボーリング調査並びに環境調査等を継続実施する予定である。また、関係地元住民には、一部合意が得られていないが、県としても地元市町と連携を図りながら、理解と協力が得られるよう努めているとの説明が当局からあり、委員からのダムの具体的な計画についての質問に対し、ダムのタイプはアーチ式のコンクリートダムができる地質であり、ダムの開発水量は、おおむね3トンになる点等が建設省より呈示されているとの答弁がありました。
 次に、大滝ダム建設事業については、平成6年度は第3期工事を発注し、掘削、左岸法面対策工事を実施し、早期のコンクリート打設を図る予定である。一方、府県間道路については、「紀の川利水に関する協定書」に従い大阪府と協議しながら道路整備を図っており、まず、和歌山北バイパス(第二阪和国道)は、昨年度に引き続き地元自治会との協議を進め、用地買収に努めていると聞いているとの説明があり、また、国道371号橋本バイパスは、用地買収の促進を図っているところであり、大阪府側においては平成4年度より府県境間で延長6.1km間が公共事業として採択され、事業の促進を図っているとの説明を当局から聴取後、委員からは、協定に基づく大阪府側の進捗状況についての質問があり、第二阪和国道については、大阪府岬町まで事業化されているが、今後、岬町から西脇山口線までの早期事業化について努力してまいりたい。また、国道371号については早期整備を図るとの事であるが、有料道路については実施していないとの答弁がありました。
 また、国道480号(旧泉大津粉河線)については、府県境より県道那賀かつらぎ線の交差部までの延長5.8km間が平成6年度公共事業に採択され本年度は測量設計等を実施する。大阪側については延長7.2kmの予備設計並びに各種調査を実施すると聞いており、今後とも早期に整備ができるように予算の増額等に努力するとの当局の説明があり、委員からのトンネル構想についての質問に対し、県内については、トンネルを含めて、府県境より平成6年度に事業化をしており、トンネルの長さは3,500mから4,000mになるとの答弁がありました。
 また、県道について、泉佐野・岩出線の4車線化、泉佐野・打田線の整備状況についての説明が当局からあり、委員からの用地買収等についての質問に対し、泉佐野・岩出線について、24号バイパスから現道拡幅部として780mを用地買収に取り組み、また、森工区、根来工区も用地買収等事業を進め、大規模農道から県境までの区間も調査を進めている。大阪府側についても泉南ICから金熊寺までの間は今年度完了予定で、金熊寺から府県境までは、本年度に事業化をし、現在調査を進めている。また、泉佐野打田線についても大阪府と協議をしながら事業を実施しているとの答弁がありました。
 次に、財団法人紀の川水源地域対策基金交付金(分水協力金)に基づく地域整備事業については、平成2年度からは、地元に適した地域整備を推進するため、紀の川流域の市町等が実施する事業を対象に助成制度を設け実施しているとの説明がありました。
 続いて、紀泉地域の総合的な整備については「紀泉地域総合整備構想推進委員会」において、広域的な視点から、両府県がともに取り組むべき共同プロジェクトの検討を行っており、今後は、プロジェクトの実現化に向けさらに、調査検討を進めてまいるとの説明があり、また、加太岬スカイライン構想についての説明も当局からありました。
 また、台風に伴うダム放流について、委員から、緊急のダム放流により、河川敷のグランドの多くが流された。もっと計画的な放流をすべきであるとの意見がありました。
 最後に県外調査でありますが、昨年11月15日、16日の両日は、高知県土佐郡土佐町の水資源開発公団早明浦ダム高知分水管理所を訪問し、所長代理より吉野川水系における水資源開発の中核をなし、洪水調節、新規用水開発、電源開発等多目的な用途を持つ早明浦ダムの詳細な説明を受け、紀の川の水に対する取り組みの参考とするとともに、「紀伊丹生川ダム」の推進に向けての指針が得られたところであります。
 以上をもって、当委員会の現在までの審議の経過並びに活動状況の概要報告といたします。
 何とぞ、よろしくご了承のほどお願い申し上げます。
(参考)
 水資源対策特別委員会の審議等の状況
┌─────┬────────┬──────────────┐
│実施年月日│ 区    分 │ 審議内容         │
├─────┼────────┼──────────────┤
│H6. 7.5│委員会開催   │委員長・副委員長の選任   │
│     │        │ 委員長 佐田 頴一    │
│     │        │ 副委員長 向井嘉久藏   │
│     │        │              │
│H6. 7.22│委員会開催及び現│渇水対策について審議後紀の川│
│     │地調査     │流域の渇水状況調査を実施  │
│     │        │              │
│H6.10.7│委員会開催   │水資源対策関連事業の経過及び│
│     │        │現況について審議      │
│     │        │              │
│H6.11.15│県外調査    │高知県土佐郡土佐町     │
│    16│        │ 水資源開発公団      │
│     │        │ 早明浦ダム・高知分水管理所│
│     │        │ を調査          │
└─────┴────────┴──────────────┘
 ───────────────────
 半島振興過疎対策特別委員会中間報告
   委員長 井 出 益 弘
 半島振興過疎対策特別委員会の現在までの審議の経過及び活動状況について、ご報告申し上げます。
 当委員会は、平成6年7月5日の本会議において委員の選任が行われ、同日招集された委員会で正副委員長の互選が行われた結果、委員長に不肖私が、副委員長に尾崎要二委員がそれぞれ選任されました。
 以来、委員会の開催や県内外調査を実施するなど、半島地域の振興及び過疎地域の基盤整備等の問題に取り組んでまいりました。
 以下、委員が改選され現在までの概要について、順を追ってご報告申し上げます。
 まず、10月6日に半島振興過疎対策の現状と今後の課題、また県内、県外調査についての意見交換のため、委員会を開催しました。
 委員会では、半島振興法の延長及び充実に係る取り組みの現状と今後について、医療の確保や水道施設の普及について、中小企業の振興、地域産業の高度化、頭脳立地構想の推進、優良企業の誘致及び観光対策について、基幹道路網の整備、生活環境の整備について、半島循環道路、半島振興道路事業及び下水道整備について、電気事業及び企業誘致のための土地造成事業についての現状と今後の取り組み状況についての概況説明を聴取した後、質疑や意見交換を行いました。
 次に、11月15日から17日の3日間にわたり県内、県外調査を実施し、金屋町、花園村、長崎県議会を訪問しました。
 金屋町においては、有田地方の基本方向についての説明、花園村においては、伊都郡の概要説明をそれぞれ受け、県道海南金屋線市場バイパス整備及び町村道長谷花園線の県道昇格及び地蔵トンネル貫通促進等の要望がありました。
 長崎県議会においては、北松浦地域、島原地域、西彼杵地域半島振興計画の概要及び、重点施策として、交通通信施設の整備、産業の振興、観光の開発、水資源の開発・利用について説明を受け、意見交換をし、現地調査を行った。
 以上をもって、当委員会の現在までの審議の経過及び活動状況の概況報告といたします。
 何とぞ、よろしくご了承のほどお願い申し上げます。
 半島振興過疎対策特別委員会の審議等の状況
┌─────┬────────┬──────────────┐
│実施年月日│ 区    分 │ 審議内容等        │
├─────┼────────┼──────────────┤
│6.7.5│委員会開催   │正副委員長互選       │
│     │        │ 委員長 井出益弘     │
│     │        │ 副委員長 尾崎要二    │
│     │        │              │
│  10.6│委員会開催   │「半島、過疎地域の現状と今後│
│     │        │の取り組み」について審議  │
│     │        │              │
│  11. 15│調 査     │金屋町、花園村ほか     │
│    16│        │長崎県議会ほか       │
│    17│        │              │
└─────┴────────┴──────────────┘
 ──────────────────
○議長(平越孝哉君) 次に、日程第四に入ります。
 お諮りいたします。同和対策、関西国際空港対策、水資源対策、半島振興過疎対策の各特別委員会に付議されたそれぞれの問題について、さらに閉会中の継続審査とすることにご異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平越孝哉君) ご異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
 ──────────────────
○議長(平越孝哉君) 次に日程第五、和議第四十八号「障害者小規模作業所に対する国庫補助制度の改善と充実に関する意見書案」を議題といたします。
 案文は、お手元に配付しております。
 お諮りいたします。本案については、提出者の説明等を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平越孝哉君) ご異議なしと認めます。よって、直ちに採決いたします。
 本案を原案のとおり決することにご異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平越孝哉君) ご異議なしと認めます。よって、本案は原案のとおり可決されました。
○議長(平越孝哉君) 以上で、今期定例会に付議された諸案件の審議はすべて終了いたしました。
○議長(平越孝哉君) この際、知事から発言を求められておりますので、これを許可いたします。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕(拍手)
○知事(仮谷志良君) 一言ごあいさつ申し上げます。
 議員の皆様にとって、平成三年から今日に至る四年間の任期の最終となる議会もこれで終わろうとしているわけでございますが、この間、皆様方には県勢発展と県民生活向上のため、格別なるご指導、ご鞭撻をいただいてまいりました。ここに、県民を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。
 今、改めて振り返りますと、皆様とともに県政を進めてきたこの四年間は、着実な実績をもとに、ふるさとの新しい飛躍の時代の到来を告げるときであったと実感いたします。
 和歌山を世界の玄関に位置づける関西国際空港の開港、ふるさとのよさを高らかに打ち出した世界リゾート博、半島性の脱却を図る高速道路国土軸直結や豊かな交流をはぐくむ白馬トンネル、紀の川広域農道初め幹線道路の整備、国道昇格によってほとんどの市町村に国道が通ることにもなりました。さらには、本県文化の殿堂となる志学館、美術館、博物館の完成等々、大きな時代の流れの中で、私たちは確かな未来に向け、本当に価値ある一歩を踏み出すことができました。
 常により豊かな住みよいふるさとを目指す地方自治は、いつの時代も絶え間なく前進を続けねばなりません。志は千里、道は平素にあります。高い理想に向け、一歩一歩を大切に進まなければなりません。この四年間、和歌山県は二十一世紀の飛躍への道程を確実に歩み続けてくることができたものと確信しております。これも、ひとえに皆様方のご尽力のたまものと、重ねて感謝申し上げます。
 来る四月九日には統一地方選挙が行われるわけでありますが、選挙は地方自治、民主主義の根幹であり、同時に政治家にとっては厳しい試練の場でもあります。どうか、勇往邁進、奮闘され、必ずや勝利を得られますようお祈り申し上げます。そして、再び誇りある和歌山県の新時代創造に向けてご尽力賜りますよう、心からお祈り申し上げます。
 また、今議会を最後にご勇退される皆様方には、きょうの日を迎えられ、感慨もひとしおかと存じます。ふるさと発展のために長年にわたり、県政に大きな足跡を残していただきました。皆様のご功績は、和歌山県の発展の礎として同僚の皆様方に受け継がれていくものと信じております。長年にわたる皆様のご功績に深く感謝と敬意を表しますとともに、今後ますますのご健勝とご活躍を心からお祈り申し上げます。
 最後になりましたが、任期半ばにしてご逝去された山崎幹雄、浜口矩一両議員に対し、改めて哀悼の意を表する次第でございます。
 皆様方のますますのご健勝とご活躍を心からお祈り申し上げまして、お礼のあいさつにさせていただきます。どうもありがとうございました。
○議長(平越孝哉君) 次に、閉会に当たり、一言ごあいさつを申し上げます。
 その前に、去る一月十七日未明に発生した兵庫県南部地震は、戦後最大の被害を阪神・淡路地区にもたらし、五千数百名にも上るとうとい命を奪い、多くの方々が被災されました。亡くなられた方々に対し、心より哀悼の意を表しますとともに、被災者の皆様にお見舞いを申し上げ、一日も早い復興を切に願うものであります。
 顧みますと、私ども議員は、平成三年春、厳粛なる県民の審判を受け、地域住民の代表としてこの議場に臨んでよりはや四年、過ぎ来し方を思いつつ、まことに感慨深いものがあります。
 この間、内外の諸情勢は殊のほか厳しく、本県も深刻な経済不況の波にもまれてまいりました。そのような中にあって、平成六年七月十六日には、秋篠宮殿下、同妃殿下のご臨席を仰ぎ、二十一世紀のリゾート体験をメーンテーマに、県民の総参加のもと、華やかに世界リゾート博が開幕され、予想をはるかに上回る二百九十八万人の観客を国内外から迎えるなど、和歌山県の持つすばらしい魅力を多くの方々にアピールすることができました。また九月四日には、待望久しかった関西国際空港が開港し、世界に一番近い県都として国際軸に直結いたしました。そのほか、県立医科大学の移転、近畿自動車道紀勢線の紀南延伸、白浜空港のジェット化など記すべきことも多くございますが、議員皆様方のたゆまざるご努力により、議会としての役割を果たし、県民の負託にこたえることができましたことを心からお喜び申し上げる次第でございます。
 さて、いよいよ議員改選時期が目前に迫ってまいりました。多くの議員各位には、既に立候補を表明され、必勝を期してご活躍をされておられることと存じますが、どうか全員そろって見事当選の栄冠をかち取られ、再びこの議場で相まみえることを心よりお祈り申し上げる次第でございます。
 一方、今議会を最後にご勇退を決意されておられる各位には、ひたすらに県勢の発展を願い、議論を重ねてこられたこの議場を去られるに当たり、胸に去来するものが多く、万感の思いがあろうかと存じますが、皆様方の数々のご功績は不滅の輝きをもって語り継がれていくものと確信をいたしております。ここに、謹んで県民とともに深く敬意を表し、今後のご健勝とご活躍をお祈り申し上げます。
 また、任期半ばで残念にも病のため帰らぬ人となられました山崎幹雄議員、浜口矩一議員に対し、改めて議員各位とともに故人の生前のご功績をしのび、謹んでここに哀悼の誠をささげる次第でございます。
 なお、この議場を去るに当たり、仮谷知事を初め県当局の皆様から賜りました今日までのご厚情に対し、議員一同に成りかわり心から厚くお礼を申し上げますとともに、今後とも県勢発展のため、なお一層のご尽力を賜りますようお願い申し上げる次第でございます。
 また、私は昨年の六月定例会において、議員各位のご推挙をいただき、伝統ある和歌山県議会議長に就任させていただきました。自来、きょうまで議員各位の温かいご理解とご配慮を賜り、大過なく職責を全うさせていただきましたことにつきましても、あわせて厚くお礼を申し上げます。
 最後になりましたが、報道機関各位のご協力に対し厚くお礼を申し上げ、閉会のごあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○議長(平越孝哉君) これをもって、平成七年二月定例会を閉会いたします。
 午後三時二十五分閉会

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