平成7年2月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(向井嘉久藏議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

○議長(平越孝哉君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 9番向井嘉久藏君。
 〔向井嘉久藏君、登壇〕(拍手)
○向井嘉久藏君 通告に従いまして、一般質問をさせていただきます。
 まず初めに、去る一月十七日、神戸、淡路に起こりました大震災で多くのとうとい命が失われ、また多くの方々が被災され、負傷されたことについて、心からお悔やみとお見舞いを申し上げたいと存じます。
 それでは、一般質問をさせていただきます。
 橋本市を中心とした交通アクセスについてご質問したいと思います。
 一昨年の九月、私は、橋本に新しい橋をかけていただきたい、清水─市脇間に橋をかけていただきたいという十五年にわたる地元の熱い希望を、知事さん初め各部長さんにお願い申し上げました。そのときの知事の回答は、紀伊丹生川ダムの工事に合わせて考えてまいりたいということであったと思います。昨年九月、再び同じ質問をさせていただきました。その折には、年内の十二月に紀の川河川敷でボーリング調査等を行いたいというお話をいただきまして、大いなる進展であったと、私たちは本当に喜んでおります。
 そのボーリング調査結果についてお尋ねするわけでございます。昨年十二月、紀の川河川敷においてボーリング調査が行われました。その調査結果がどうであったのか、またこの調査の資料を今後どのように利用していかれるのか、お伺いしたいと思います。これは、土木部長にお願いします。
 また、この橋を橋本市民は、仮称でございますが「新橋本橋」と呼んでおります。この新橋本橋の建設に当たっては、建設省の事業認可等を取らなければならないのであります。この新橋本橋は、恐らくや橋本市だけではなく和歌山県の背骨の部分に当たる非常に大事な橋となるであろうと予想されるのでございます。三百七十一号線のバイパスの延長上にあります。また将来、現在の三百七十一号線が紀伊丹生川ダムの建設によって水没するわけでございます。その水没する三百七十一号線にかわって新しく建設されるであろう新三百七十一号線と接続し、高野龍神スカイラインに向けて接続される非常に重要な橋となるのでございます。この大事な橋ですが、年次計画を立ててクリアしなければならない幾多の問題点がございます。
 その一点は、漏れ聞きますと、この道路は国道二十四号線を高架でまたぎ、現在の県事務所、警察署等がある橋本市都市計画道路を高架橋で通過し、また紀の川をそのまま渡って南海高野線路をまたぐ、こういう壮大な計画のようでございます。
 そういう計画でありますと、現在の橋本市都市計画道路を橋脚でつなぐことになり、非常に狭隘でございます。恐らくや、現在の二倍、三倍の道路幅が必要であろうと考えます。早急に橋本市と打ち合わせ、都市計画道路の変更が必要でなかろうかと思うのでございます。既に現在、この計画道路の沿線には建物が建設されようとしております。早急に計画の変更をし、計画決定して将来に備えなければならないのではないかと思います。そのためにも橋本市との事前協議が必要で、すぐにも計画変更の決定をすることが必要であると考えますが、どのようなお考えをお持ちなのか、お伺いいたします。
 続いて、京奈和自動車道並びに国道三百七十一号バイパスについて土木部長にお尋ねいたします。
 京奈和自動車道は、ご存じのように、京都、奈良を経て和歌山へ通じる大切な高速道路でございます。また、阪神大震災で日本の動脈が切断されたこともあり、第二の動脈となる京奈和自動車道でございます。太平洋新国土軸の中でも重要な位置づけがされてございます。そういう意味から、地元橋本市民のみならず和歌山県民が京奈和自動車道の早期開通を望んでおるところでございます。
 また国道三百七十一号バイパスについては、橋本市民が特に望んでおるところでございます。河内長野を起点として二十四号線まで結ぶ、橋本市内で約六・五キロの道路でございます。「大阪へ高速道路で一直線」、こういうことでございまして、この京奈和自動車道並びに国道三百七十一号バイパスの現在までの買収の進捗率、また着工時期についてお尋ね申し上げたいと思うのでございます。
 もう一つは、京奈和自動車道の橋本以西についてお尋ねいたします。すなわち、京奈和自動車道紀北東道路並びに紀北西道路でございます。
 現在どういう計画で進んでおるのか、お伺いしたいと思います。これらについても早急に計画を立てられ、計画決定されることをお願い申し上げたいと思うのでございます。
 続いて、広域農道について農林水産部長にお伺いいたします。
 現在、紀の川左岸農道の工事が九度山町で始められております。また、かつらぎ町、橋本市については地籍調査が当初計画から非常におくれておるようでございます。去年私がお伺いしましたところ、去年の秋には橋本、学文路地区内で橋をかけたいという話でございましたが、まだ全然その気配もございません。聞きますと、地籍調査に非常に手間取っているということでございます。現在、地籍調査はどこまで進捗しているのか、現在の人員で十分なのか。各市町職員の大幅な増員が必要と思われますが、県はどのように指導なさっておられるのか、伺いたい。
 また、かつらぎ町以西の那賀郡内、打田まで紀の川左岸道路が計画されておるようでございますが、現在どのような計画で地元へおろされておるのか、お伺いしたいと思います。
 農道で、もう一点お伺いしたいと思います。
 現在、橋本市内には、奈良県五條市から橋本市恋野にかけて農道がございます。それが途中で切れておりまして、現在の計画では紀の川左岸道路へは県道におりる形になっており、完成した暁には再び紀の川左岸農道へ直結されていくということでございますが、恋野農道と紀の川左岸道路を直結していただきたい。現在こういう計画をお持ちなのかどうか、お伺いしたい。途中で一たん切ってしまうような農道は非常に非効率的であると考えます。
 お聞きしますと、現在計画されていない箇所は、農業の受益面積が非常に少ないために計画がなされなかったようでございますが、今新たにふるさと農道整備事業等々、平成五年から農林水産省の計画であちこちに工事が行われております。平成九年までの時限立法だと伺っておりますが、この後の事業で両農道が結ばれるように計画をお願いできないものか、お伺いするわけでございます。
 最後になりますが、現在NHK大河ドラマ「八代将軍吉宗」が高い視聴率の中で放映されてございます。
 視聴率三○%の日もあると聞いておりますが、三○%を人数に換算すると約三千万人になるということだそうでございます。三千万人の人が、和歌山県にゆかりの吉宗のドラマを見ているということであろうと思うのでございます。
 昨年盛会裏のうちに終わりましたリゾート博の折にも、和歌山県は熱心にキャンペーンを行いました。全国各地、また県内で華々しいPR活動をされ、イベントも数多く行われました。しかし、この大河ドラマ吉宗については、三千万人が毎週見ているということに着目していただきたいと思うのでございます。私は、和歌山県のPRが現在全然されておらない、そんなことを言うつもりはございませんが、私のところに入ってくる情報では、リゾート博に比べて非常になまぬるいのと違うかという声がございます。
 この大河ドラマというのは、ご存じのように放映中が勝負でございます。どうかこの期間、和歌山県のPRのためにあらゆる機関が一本になっていただき、和歌山県PRのチャンスを絶対失ってはならないと思います。
 また、県と和歌山市がうまいこと歯車が合うていないということも聞きます。和歌山県の発展のために、どうぞ和歌山県と和歌山市が手を携え、考え方を一つにしていただきましてすばらしいPRをしていただきたい、また予算の増額等もお願い申し上げまして、私の一般質問を終わらせていただきます。
 ご清聴ありがとうございました。
○議長(平越孝哉君) ただいまの向井嘉久藏君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 向井議員にお答え申し上げます。
 新橋本橋の今後の年次計画についてでございます。
 まず最初に、向井議員のこの橋に対する熱意に対し、敬意を表したいと思います。
 この橋については、橋本市の河北、河南を結ぶとともに、高野龍神スカイラインを経て紀南地方へ連絡する、国道三百七十一号の中でも最も重要な橋であると思っております。当路線は、府県境から高野山までについて、大阪高野山道路として昨年十二月に地域高規格道路の候補路線に指定されたわけでございまして、非常に重要で整備が急がれる路線になったわけでございます。
 昨年は橋台予定地における地質調査を行いまして、平成七年度は橋梁の予備設計並びに取りつけ道路のルート等の調査を行うとともに、河川協議を含めた架橋計画を積極的に進めることにしておるわけでございます。本橋梁整備の重要性にかんがみまして、私も早急に検討を進め、早期に工事着工できるように努力してまいりたいと思っております。
○議長(平越孝哉君) 土木部長山根一男君。
 〔山根一男君、登壇〕
○土木部長(山根一男君) 向井議員にお答えいたします。
 まず、仮称・新橋本橋のご質問中でボーリング調査結果についてでございます。
 昨年十二月末に実施したボーリング結果については、左岸側橋台付近で現地盤より約四メートル、右岸側橋台付近で約八メートルの深さで良好な支持層が出てございます。この調査結果は、今後の調査を進める上でぜひとも必要なものでございます。具体的には、今後、橋梁の予備設計、詳細設計を行う場合に基礎工の根入れ深さの決定等の根拠としていくものでございます。
 次に、今後の年次計画についてでございます。
 新橋本橋架橋については、平成七年度に予備設計を行うとともに、建設省と河川協議を進め、早期事業着手に向けて積極的に取り組んでまいります。また、将来的には新橋本橋の北側の取りつけ道路が国道二十四号と立体交差することが望ましいと考えておりまして、立体交差をする場合には、ご指摘のように現道の拡幅が必要となってまいります。今後、これらの点について検討を急ぐとともに、市とも協議し、都市計画決定の変更も含め、計画案を早期に固めるべく検討・促進してまいりたいと思っております。
 次に、京奈和自動車道、国道三百七十一号バイパスの三点のご質問のうち、買収の進捗状況についてでございます。
 京奈和自動車道については、近畿自動車道紀勢線とともに国土の骨格をなす高規格幹線道路でございまして、県としても早期整備を国に強く働きかけているところでございます。
 奈良県境から高野口町までの十一・三キロメートルの橋本道路については、平成元年度に事業化され、平成三年度から県境部の真土地区より用地買収を進め、その後、下兵庫、上兵庫地内で、また今後、垂井、中島地内でも用地買収を進めることとしております。
 また、国道三百七十一号橋本バイパス六・五キロメートルについては、府県間道路として重要でありますし、また周辺では大規模な宅地造成も進んでおり、交通量も増加しているところでございまして、重点整備路線として取り組んでいるところでございます。現在、各所で境界確定、用地測量を行っております。さらに、完了した区間から用地買収を進めておりまして、御幸辻地内並びに市脇地内での物件等の調査を行っております。平成七年度は、残る区間の用地買収などを促進してまいります。
 次に両路線の工事着手につきましては、京奈和自動車道においては現在用地買収を促進中であり、なお一層予算の拡大を国に働きかけるとともに、用地の進捗状況を勘案しながら、早期に本工事に着手できるよう要望してまいりたいと思っております。
 また国道三百七十一号については、平成七年度は残土処理場などの仮設工事に着手する予定としており、今後とも事業の促進に努力してまいります。
 最後に、橋本道路以外の箇所の計画についてでございます。
 高野口町から打田町十六・九キロメートルについては、平成五年度に紀北東道路として事業化され、現在、平成七年度中に都市計画決定を行うべく必要な諸調査を行っております。残る打田町から和歌山市間の紀北西道路については、第十一次道路整備五箇年計画において期間内での事業着手が予定されております。今後とも、この道路の重要性にかんがみまして、事業の促進を国に強く働きかけてまいります。
 以上でございます。
○議長(平越孝哉君) 農林水産部長日根紀男君。
 〔日根紀男君、登壇〕
○農林水産部長(日根紀男君) 広域農道についてのご質問にお答えいたします。
 まず第一点の、広域農道紀の川左岸地区の進捗状況についてでございます。
 広域農道紀の川左岸地区は、橋本市西畑地内からかつらぎ町を経て那賀町北涌まで延長十七・九キロメートルを平成三年度から着手してございます。平成六年度までの進捗は三○・四%となってございます。また、これに続く那賀郡内でございますが、粉河町を経て打田町竹房まで延長十キロメートルを紀の里地区として平成七年度から着手する予定でございます。
 ご指摘の事業進捗を図るためには用地の確保が先決でございますので、地権者に協力を要請するとともに、関係市町に対しては地籍調査事業への取り組みを強く指導しているところでございます。いずれにいたしましても、早期完成を目指して関係市町とともに努力してまいります。
 次に、橋本市恋野地区農免道路から広域農道紀の川左岸地区に接続する道路についてでありますが、橋本市と協議をいたしまして、実現に向けて方策の検討をしてまいります。
 以上でございます。
○議長(平越孝哉君) 知事公室長野見典展君。
 〔野見典展君、登壇〕
○知事公室長(野見典展君) 向井議員にお答えをいたします。
 本年一月から放映されておりますNHK大河ドラマ「八代将軍吉宗」を利用した本県PRについてのご質問であります。
 昨年の放映決定後、県ではこれを本県活性化の絶好の機会としてとらえ、県庁内に関係各課室による吉宗プロジェクトチームを設置し、ドラマの中に県内の吉宗ゆかりの地や観光地ができるだけ取り入れられるよう働きかけるとともに、さまざまなPR活動を展開してございます。
 県外へのPRの主なものについては、現在、東京、大阪、名古屋、福岡、広島において、吉宗展と観光展の実施や新聞、雑誌、ポスター等を通じてのPR活動を行ってございます。また、具体的な観光客誘致対策として、旅行エージェントとタイアップした商品の企画設定やキャンペーンを実施してございます。
 県内においては、現在、フォーラムや歴史講座を実施してございますが、今後も県立博物館での特別展の開催、吉宗ゆかりの文化財の整備、県内七カ所での吉宗リレーイベントの実施などにより、吉宗とその時代を知っていただくとともに、観光客誘致につなげる事業を積極的に展開することとしてございます。また、これらとともに、県内各地において吉宗にちなんだ催しを市町村と一体となって実施し、一層の盛り上がりを図り、和歌山県のイメージアップに努めてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(平越孝哉君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 9番向井嘉久藏君。
○向井嘉久藏君 知事から、仮称・新橋本橋に非常に前向きなお答えをいただきまして、ありがとうございます。
 地元の者にとっては、まだ十年先の話かいなあと思っておりましたが、昨年十二月にボーリング調査をしていただき、非常に良好な地盤が出たという土木部長のお答えもいただきまして、本当にありがとうございます。一日も早い建設をお願い申し上げたいと思います。
 きのうも高瀬議員から、高野文化の認識についてということで一般質問がございました。世界に誇る高野の文化──公称年間百万人の観光客と言っているんですが、この橋の開通並びに新しく建設されるであろう丹生川ダムの国道三百七十一号線の広域道路により、橋本市から高野山まで制限速度六十キロで二十分で行けるような計画とお聞きしております。
 この橋と新しくできる道路が直結されることによって、高野文化がより広く日本国じゅう、また世界の皆さん方にご紹介できるんじゃないか、百万人が百五十万人の観光客になり、高野山並びに龍神スカイライン、ひいては紀南の方へ観光客がどっと繰り出していただけるんじゃないかと期待できる、そういう橋でございます。
 そういう意味から、知事さんには本当に前向きなご回答をいただいたことを心から感謝申し上げます。どうか、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 それから、農免道路の恋野農道と現在工事中の紀の川左岸農道を直結することによりまして、地元は非常に活力が出るのではないかと思います。昔の農免道路は農業をするための道路で、耕運機が走るというような設計のもとにされた道路であったと思うのです。しかし、現在建設を計画されている道路は、ある意味では車のバイパス的な役目をする道路であろうと考えております。したがって、恋野農道と新しく計画されている紀の川左岸農道が直結することによって、奈良県、橋本市がより発展するのではないかと期待を申し上げておるわけでございます。
 もう一つ、吉宗の関係で公室長に辛口の質問をさせていただきましたが、一生懸命PRをしていただいているのはよくわかります。しかし、私が感じることを申し上げると、昨年燃えたあのリゾート博に比べたらどうかいなと思えるわけでございます。どうか、リゾート博に劣らぬPRとか活動をご期待申し上げまして、私の要望とさせていただきます。
 ありがとうございました。
○議長(平越孝哉君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で向井嘉久藏君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
○議長(平越孝哉君) この際、暫時休憩いたします。
 午前十一時二十六分休憩
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